JP4909817B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、誘導加熱調理器に関するものである。
本体中央奥に設けられたコンロも誘導加熱方式とし、三ヶ所のコンロ全てを誘導加熱方式とする加熱調理器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
誘導加熱調理器自体は、加熱コイルから発生した高周波の磁力線が負荷である金属の鍋底に作用して発生する渦電流によって鍋底自体が発熱するものであり、同時に電磁気的相互作用によって加熱コイルと金属鍋間に力が働くために、高周波の振動が発生している。この高周波振動は、加熱コイルに流れる電流の周波数と等しいために、可聴周波数域外の音波になる可能性が高く、使用者には認識できない。しかしながら、誘導加熱方式のコンロを複数同時に使用する場合は、それぞれの電流の周波数差によって干渉音(うなり音)が発生する。この成分が可聴周波数域に存在すると、使用者が認識できる音となり、耳障りに感じるという問題がある。このような状態を回避するためには、複数の加熱コイルに流れる電流の周波数を同一の周波数にするものが提案されている。具体的には、インバータの駆動周波数を固定し、スイッチング素子の導通比を可変して電力を制御する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
また、複数の加熱コイルに流れる電流の周波数差を可聴周波数域外の高周波にするものが提案されている。具体的には、たとえば2つの加熱コイルに供給する電流の周波数に20kHzの差を設けて流す、といった方法がある(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−319350号公報 特開2003−264056号公報 特開2005−149737号公報
しかしながら、上記従来技術において、特許文献2のものは、複数の加熱コイルに流れる電流の周波数を同一の周波数にする場合、ハーフブリッジ型やSEPP型のインバータ構成においては、固定周波数で電力制御をする場合、上下アームのスイッチング素子オン時間を合計で一定にする必要がある。つまり1周期あたりのオンオフデューティー比制御をすることになるが、スイッチング素子の通電比率が偏るために、それぞれの素子に発生する損失がアンバランスになり、ヒートシンクの形状に基づく容積の差や、冷却効率の差が生じることになる。
さらに、負荷材質や負荷の位置などによる共振状態の変動が発生するために、余裕を持った冷却設計を行わなければならない。つまり、スイッチング素子自体の大型化,ヒートシンクの容積増大,冷却ファンの大型化などが必要となり、小型化が困難であるという問題点がある。
また、金属負荷の発熱に寄与する抵抗成分は加熱コイルに流れる電流の周波数が高くなるほど大きくなるので、一般的には加熱効率は上昇するものであるが、この場合、駆動周波数は最大電力を投入できる最も低い周波数に設定する必要があるので、低い電力を投入する場合の効率は低下するという問題点がある。
また、特許文献3のものは、複数の加熱コイルに流れる電流の周波数差を可聴領域外に設定する場合においては、加熱コイルが2個の場合は成立するが、3個の場合にはそれぞれ2個の組み合わせ、および、3個の組み合わせでインバータ駆動周波数差が可聴領域外になるように設定しなければならない。
例えば
インバータ1:20kHz
インバータ2:40kHz
インバータ3:60kHz
の各駆動周波数で動作している場合は、それぞれのインバータの駆動周波数差が20kHzとなるので、この周波数の干渉音成分が発生しても可聴周波数域外になり使用者には音として認識されない。
しかし、このような動作状態から、火力レベルの変更,負荷の材質の変化、などでインバータの駆動周波数が変更になると、上記のような条件が成立しなくなる。
例えば、各インバータの火力レベルの変更や、負荷の材質の変化などでインバータの駆動周波数が変更される範囲として20kHzを有している場合は、それぞれの駆動周波数差を20kHz確保するようにすると、
例えば
インバータ1:20〜40kHz
インバータ2:60〜80kHz
インバータ3:100〜120kHz
という駆動周波数範囲となる。しかし、インバータの駆動周波数範囲は誘導加熱調理器で許可されている範囲(20〜100kHz)を超えているために実現できないという問題点がある。
また、どのような材質,形状の負荷でも加熱できるようにするためには、それぞれの駆動周波数で対応しなければならないため、共振定数の広範囲な切り替えが必須となり、加熱コイルの巻き数切り替えや、複数の共振コンデンサの実装、その切り替え回路が必要となるために非常に回路が複雑となり現実的ではない。
本発明の目的は上記課題を解決し、干渉音(うなり音)の発生を低減させる誘導加熱調理器を提供することにある。
上記目的は、本体の前面寄りに配置された2つの誘導加熱コイルと、これら誘導加熱コイル間の奥寄りに配置された1つの誘導加熱コイルと、これら誘導加熱コイルの上面を覆い調理用鍋を載せるプレートと、これら誘導加熱コイルに電力を供給するインバータとを備えた誘導加熱調理器において、前記本体の前面寄りに配置された2つの誘導加熱コイルのインバータは、通電する電流の周波数を可変とすることで誘導加熱コイルの出力制御を行い、前記本体の奥寄りに配置された1つの誘導加熱コイルのインバータは、通電する電流のオンオフデューティー比を可変することで誘導加熱コイルの出力制御を行い、前記奥寄りに配置された加熱コイルに用いる周波数は、前記前面寄りに配置された加熱コイルに用いる周波数帯の最高周波数よりも高く設定した誘導加熱調理器により達成される。
さらに、本体の前面寄りに配置された2つの誘導加熱コイルと、これら誘導加熱コイル間の奥寄りに配置された1つの誘導加熱コイルと、これら誘導加熱コイルの上面を覆い調理用鍋を載せるプレートと、これら誘導加熱コイルに電力を供給するインバータとを備えた誘導加熱調理器において、前記本体の前面寄りに配置された2つの誘導加熱コイルのインバータは、駆動周波数を可変とすることで誘導加熱コイルの出力制御を行い、前記本体の奥寄りに配置された1つの誘導加熱コイルのインバータは、駆動周波数を固定しオンオフデューティー比を可変することで誘導加熱コイルの出力制御を行い、前記奥寄りに配置された加熱コイルに用いる周波数は、前記前面寄りに配置された加熱コイルに用いる周波数帯の最高周波数よりも高く設定した誘導加熱調理器により達成される。
さらに、本体の前面寄りに配置された2つの誘導加熱コイルと、これら誘導加熱コイル間の奥寄りに配置された1つの誘導加熱コイルと、これら誘導加熱コイルの上面を覆い調理用鍋を載せるプレートと、前記本体の前面寄りに配置された誘導加熱コイルが設けられた共振回路に流れる電流の周波数を変えて供給する電力を変える周波数可変インバータと、前記奥寄りに配置された誘導加熱コイルが設けられた共振回路に流れる電流のオンオフデューティー比を変えて供給する電力を変えるデューティー比可変インバータと、を有し、前記奥寄りに配置された加熱コイルに供給される電流の周波数は、前記前面寄りに配置された加熱コイルに供給される電流の周波数帯の最高周波数よりも高く設定した誘導加熱調理器により達成される。
本発明の誘導加熱調理器は、それぞれの加熱コイルに流れる高周波電流の周波数差によって発生する干渉音(うなり音)の発生を低減させることができる。
以下、本発明の一実施例を、図1〜図10を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す誘導加熱調理器の外観斜視図である。図1に示されている誘導加熱調理器は、プレート3上に三ヶ所の鍋載置部6a,6b,6cを設けたビルトイン型の誘導加熱調理器である。尚、本実施例は、システムキッチンに嵌め込むビルトイン型でなく、キッチンに載置する据置型の誘導加熱調理器であっても差し支えない。
誘導加熱調理器の本体2は、システムキッチン1の上面から落とし込んで設置することで組み込まれる。設置後は本体2の後述するロースター(グリル)4と操作パネル5がシステムキッチン1の前面部から操作できるようになっている。
操作パネル5は、本体2の前面に位置し、カンガルー式開閉機構となっている。図1は操作パネル5を閉じた状態を示し、図2は操作パネル5を開いた状態の上面を示す。
本体2前面部の左側にはロースター4が配置されている。ロースター4の前面開口部を塞ぐロースタードア32には、その表側にハンドル11が取り付けられている。ロースター4は魚やピザ等を焼くためのもので、魚焼き専用ではないので、このロースター4をグリル若しくはオーブンと呼ぶこともある。なお、操作パネル5と入れ替えて、ロースター4を本体2前面部の右側に配置してもかまわない。
調理を行う際の調理用の鍋(図示せず)は、本体2の上面に配置された耐熱ガラス等からなるプレート3上に載置される。図示しない調理用鍋は、プレート3に描かれた鍋載置部6a,6b,6cに載置されることで調理可能となる。鍋載置部6a,6b,6cはプレート3の上面の本体2前面寄り左側に鍋載置部6aが、前面寄り右側に鍋載置部6bが、これら鍋載置部6a,6b間の奥寄りに鍋載置部6cが配置されている。そして、プレート3を挟んで各鍋載置部6a,6b,6cの下方に鍋を加熱するための加熱コイル(誘導加熱コイル)101,201,301がそれぞれ設置されている。加熱コイルの周辺電気回路の詳細は図3を用いて後述する。
鍋載置部6cは本体2の奥側に位置する。このため、前寄りの鍋載置部6a,6bに鍋が置かれた状態で、奥寄りの鍋載置部6cに手を伸ばすと、前寄りの鍋載置部6a,6bに置かれた鍋から調理中に発生する蒸気により、奥寄りの鍋載置部6cで手を動かす調理は行いにくい。したがって、奥寄りの鍋載置部6cで行う調理の種類は調理者があまり手を動かさなくても良い料理、主に煮込みや保温などの調理に適している。
また、煮込みや保温は火力も弱くて済み、誘導加熱調理器の最大消費電力も限りがあることから、奥寄りの鍋載置部6cに設置する加熱コイル301の火力(最大出力)を、前寄りの鍋載置部6a及び鍋載置部6bに対応して設置されている加熱コイル101,201の火力(最大出力)より弱くし、消費電力が小さくなるよう設定されている。
なお、本実施例におけるトッププレート3の下に設けられる誘導加熱調理器本体2の大きさは、本体2を組み込むシステムキッチン1のカウンタートップに設けられた取付け穴の開口寸法に合わせてある。この開口寸法はJISに定められた幅560mm,奥行き460mmであり、本体2のロースター4や操作パネル5が設けられた前部を除いた寸法はこの開口寸法に合わせた寸法にしている。
したがって、プレート3の大きさは、取付け穴の開口寸法に応じた幅600mm,奥行き400mm程度の大きさとなり、この範囲内に加熱コイル101,201を本体2前面寄りの左右に配置し、本体2中央奥寄りに加熱コイル301を配置している。
図2において、表示97は三ヶ所全ての鍋載置部6a,6b,6cの加熱方式が誘導加熱方式によることを示しており、プレート3のほぼ中央や、鍋載置部6aと鍋載置部6bの中心を結ぶ直線近傍に表示97を設けることで、鍋載置部6a,6b,6cに調理用鍋などを載せたとしても表示が隠れることが無く、またプレート3のほぼ中央部に配された表示97を見て三ヶ所の加熱方式が誘導加熱方式であることを容易に視認することができる。
図1及び図2において、プレート3の周囲端面を保護するためにフレーム14が設けられている。プレート3の手前の上端縁に取り付けられるフレーム前14aと、プレート3の後方上端縁に取り付けられるフレーム後14bと、右側上端縁に取り付けられる14cと、左側上端縁に取り付けられるフレーム左14dから構成されている。
本実施例は4ピースにフレーム14を分割しているが一体型でも2ピースでも何ピースでも可能であり、また、プレート3の4辺に取り付ける必要も無く、プレート3の手前だけ、後方だけ、前後の2辺だけ、もしくは左右の2辺だけでも良い。
本体2内部には、発熱部材である加熱コイル101,201,301や電子部品が設けられており、これらを冷却するために本体2の外部から空気を吸込むための吸気口7が設けられている。この吸気口7は、本体2上面のフレーム後14b上の後述する排気口8の向かって右側に位置する。吸気口7で吸入した空気は、本体2内部で発熱する加熱コイル101,201,301や電子部品を冷却した後に、本体2上面のフレーム後14b上であって、ロースター4が設けられている側に設けられた排気口8から本対外に排出される。また、この排気口8からは、ロースター4の廃熱で温められた本体2内の空気も同時に排出される。
加熱コイル101,201,301の操作について説明すると、加熱コイル101,201,301の通電や通電電力の設定等の操作は、プレート3よりも手前のフレーム前14aに設けられた上面操作部9のキー操作によって行われる。
次に前述の上面操作部9によって行われた操作の結果を反映する表示について説明する。上面操作部9のキー操作に対応した内容は、本体2の上面に置かれたプレート3の手前側で、かつプレート3の裏側に配置されている上面表示部10にて表示される。表示する内容は、上面操作部9で設定した火力表示,タイマー調理用の時間表示,揚げもの用の設定油温の表示等々である。
図3は、誘導加熱調理器の要部ブロック図である。図3において、交流電源117は、第1のインバータ100,第2のインバータ200,第3のインバータ300と、各インバータ100,200,300に接続されている加熱コイル101,加熱コイル201,加熱コイル301に電力を供給している。そして、これらの加熱コイル101,201,301の上部近傍に負荷である鍋を配置し、各加熱コイル101,201,301に高周波電流を流すことにより負荷に渦電流を生じさせ鍋を自己発熱させる。
なお、第1のインバータ100と第2のインバータ200は、加熱コイル101,201の出力制御として、出力する電力の周波数を可変とする周波数可変型制御方式を採用している。このため、本実施例では第1または第2のインバータを周波数可変型インバータとも呼ぶ。また、第3のインバータ300は、加熱コイル301の出力制御として、通電する電流の周波数を固定しオンオフデューティー比を可変して行う周波数固定型制御方式を採用している。このため、本実施例では第3のインバータを周波数固定型インバータ或いはオンオフデューティー比可変型インバータとも呼ぶ。ここで、周波数を固定するとは周波数が所定の周波数となるように制御することを意味し、周波数に多少のゆらぎがあっても良いことはいうまでも無い。
各インバータ100,200,300はメイン制御部118からの指示によって負荷に供給する電力を決定する。また、インバータ100,200,300からは制御状態をメイン制御部118にその状態をフィードバックする。
メイン制御部118は、上面操作部9と接続している。上面操作部9を使用者が操作することにより、メイン制御部118は、加熱コイル101,201,301の通電や、加熱コイル101,201,301に供給する電力等の設定の要求が上面操作部9から入力されると、その情報に基づいて各インバータ100,200,300に指示したり、上面表示部10に入力情報の表示させたりする。また、メイン制御部118は、加熱コイル101,201,301以外の通電例えばロースター4等の通電制御(図示せず)も行う。
図4は、周波数可変型制御方式のインバータ100のブロック図である。なお、インバータ200も同様の構成であるので説明は省略する。図4において、交流電源117から供給された交流を整流手段102で直流に変換する。整流手段102はスイッチング素子103,105の直列体で構成するスイッチング部に接続する。スイッチング素子103,105は、それぞれ逆並列にダイオード104,106と接続する。スイッチング素子103,105の接続点と、整流手段102で変換した直流電圧の基準電位間に、加熱コイル101と共振コンデンサ107で構成する共振回路部が接続される。また、スイッチング素子103,105には、それぞれスナバコンデンサ108,109が接続される。
スイッチング素子103,105は、それぞれ排他的に高周波でオンオフされることによって、加熱コイル101と共振コンデンサ107で構成する共振回路部に高周波共振電流が供給され、加熱コイル101近傍に配置した負荷が加熱される。
入力電流変換手段112は、交流電源117から入力する交流電流を検出する検出手段111の出力信号を適切なレベルに変換して制御部110に出力する。入力電圧検出手段113は、交流電源117の交流電圧を検出し適切なレベルに変換して制御手段110に出力するインバータ電流検出手段115は、共振回路部に流れる電流を検出する検出手段114の出力信号を適切なレベルに変換して制御部110に出力する。
制御部110は、メイン制御部118から負荷に印加する目標となる電力レベル指示を入力すると、インバータ100の出力電力が目標値になるようにスイッチング素子103,105の駆動周波数を設定し、インバータ100を制御する。
制御部110は、入力電流変換手段112からの入力と、入力電圧検出手段113からの入力から、負荷に投入されるインバータ電力を計算し、メイン制御部118から入力した負荷に印加する目標となる電力レベルが投入されるように、スイッチング素子103,105を排他的にオンオフ制御する信号をレベル変換部116に与える。レベル変換部116は、適切な駆動レベルに変換してスイッチング素子103,105にオンオフ信号を出力する。また制御部110はレベル変換部116を介してスイッチング素子103,105のオンオフ周波数を変えることにより、負荷に投入される電力を制御する。制御部110は、これらの制御状態をメイン制御部118に出力する。
図5は、周波数可変型制御方式のインバータ100の駆動周波数と、負荷に投入されるインバータ電力の関係を示す模式図である。なお、インバータ200においても同様であるので説明は省略する。
インバータ100の負荷は、加熱コイル101と鍋等の負荷で構成される等価インダクタンスおよび等価抵抗と、共振コンデンサ107の組み合わせからなる。共振周波数f0で電流が流れるときに最大電力Wpeakを与えることができる。この周波数よりも高い周波数でスイッチング素子103,105を駆動すると、図5で示すように負荷に与えるインバータ電力が低下していく。
実際には、等価インダクタンスと等価抵抗は負荷(鍋)の材質によって変化するため、共振周波数f0よりも高い周波数f1を可変周波数の最低周波数として設定し、この最低周波数f1で負荷に定格電力Wmaxを与えられるようにする。また、駆動周波数を更に高くしていくとインバータ電力は低下していくが、スイッチング素子103,105の遮断電流が低下していくためにスイッチング素子103,105の損失が増加していき、スイッチング素子103,105やスナバコンデンサ108,109の発熱が大きくなってしまう。このため、それらの損失を考慮して、高い周波数側には可変周波数の最高周波数f2を設定し、この最高周波数f2で負荷に最小電力Wminを与えられるようにする。以上で説明したとおり、インバータ100の駆動周波数の関係は
0<f1<f2
となる(例えば、f0=18kHz,f1=20kHz,f2=40kHz)。
なお、f2におけるインバータ電力が、インバータ100が電力を連続制御できる最小電力となるが、これよりも低い電力を負荷に投入する場合にはインバータ100の通電のオンオフデューティー制御を併用した方法を採るようにしてもよい。
このように、インバータ100は駆動周波数範囲f1〜f2(20kHz〜40kHzの範囲)で加熱コイル101に供給する電力を制御している。
図6は、周波数固定型制御方式を採用するインバータ300のブロック図である。図6において、交流電源117が供給した交流を整流手段302は直流電圧に変換する。スイッチング素子303,305の直列体で構成するスイッチング部は整流手段302と接続する。
スイッチング素子303,305は、それぞれ逆並列にダイオード304,306と接続される。スイッチング素子303,305の接続点と整流手段302で変換した直流電圧の基準電位間に加熱コイル301と共振コンデンサ307で構成する共振回路部が接続される。また、スイッチング素子303,305にはそれぞれスナバコンデンサ308,309が接続される。共振コンデンサ307は、直流電圧の基準電位にアノード、加熱コイル301との接続点にカソードとなるように環流ダイオード317が接続する。
スイッチング素子303,305は、それぞれ排他的に高周波でオンオフされることによって、加熱コイル301と共振コンデンサ307で構成する共振回路部に高周波共振電流を供給して、加熱コイル301近傍に配置した負荷が加熱される。
入力電流変換手段312は、交流電源117から供給された交流電流を検出する検出手段311と接続される。入力電流変換手段312は、検出手段311の出力信号を制御部310の入力に合わせた適切なレベルに変換して制御部310に出力する。入力電圧検出手段313は、交流電源117から供給された交流電圧を検出し、制御手段310の入力に合わせた適切なレベルに変換して制御手段310に出力する。インバータ電流検出手段315は、共振回路部に流れる電流を検出する検出手段314からの出力信号を制御部310の入力に適切なレベルに変換して制御部310に出力する。
制御部310は、メイン制御部118から負荷に印加する目標となる電力レベル指示を受けると、インバータ300の出力電力が目標値になるようにスイッチング素子303とスイッチング素子305のオン時間を合計した時間を一定とし周波数固定するとともに、スイッチング素子303のオン時間と周期の比率(オンオフデューティー比)を可変とすることによって加熱コイル301に供給する電力を制御する。
制御部310は、入力電流変換手段312からの出力と、入力電圧検出手段313からの出力とから、負荷に投入されるインバータ電力を計算し、メイン制御部118から入力した負荷に印加する目標となる電力レベルが投入されるように、スイッチング素子303,305を排他的にオンオフ制御する信号を、レベル変換部316を介して適切な駆動レベルに変換してスイッチング素子303,305に出力する。スイッチング素子303,305のオンオフ時間を可変とすることで、スイッチング素子303のオン時間と周期の比率(オンオフデューティー比)を所望の比率にして、加熱コイル301に供給する電力を制御する。制御部310はこれらの状態をメイン制御部118に出力する。
次に、インバータ300の詳細な動作を説明する。スイッチング素子303がオフした後、スイッチング素子305がオンすると共振電流が直流電圧の基準電位側から加熱コイル301を経由してスイッチング素子305に流れる。そして、共振コンデンサ307に発生している電圧が直流電圧の基準電位より下がると、共振コンデンサ307と並列に接続している還流ダイオード317を経由し、加熱コイル301を経由してスイッチング素子305に電流が流れ、スイッチング素子305がオフするまで電流が流れ続ける。所定の時間経過後にスイッチング素子305をオフし再びスイッチング素子303をオンさせることで、一定周期で加熱コイル301に電流を流すことができる。
インバータ300は周波数固定型制御方式であるから、負荷に最大電力を投入できる周波数で駆動する必要がある。図5の周波数可変型制御方式では負荷に低電力を投入する際は高い周波数で駆動することができるが、周波数固定型制御方式では最大電力を投入する周波数と低電力を投入する周波数は同じ周波数であり、周波数可変型制御方式に比べ負荷の等価抵抗R(R∝√f、f:駆動周波数)が小さく、負荷に低電力を投入する際の負荷の加熱効率が落ちる。また、還流ダイオード317に流れる電流による還流ダイオード317自体の損失が発生するためインバータ300の回路損失はインバータ100,200に比べ損失が大きい。すなわち、インバータ300が負荷に与えることができる最大電力をインバータ100,200が負荷に与える最大電力よりも小さくするのが望ましい。したがって、周波数固定型制御方式のインバータ300は、周波数可変型制御方式のインバータ100,200の設定最大電力よりも最大電力を小さくした奥寄りに配置するのが望ましい。
図7は、周波数固定型制御方式のインバータ300のオンオフデューティー比とインバータ電力の関係を示す模式図である。インバータ300の負荷は、加熱コイル301と鍋で構成される等価インダクタンスおよび等価抵抗と、共振コンデンサ307の組み合わせとなり、インバータ300の駆動周波数が共振周波数でかつスイッチング素子303,305のオンオフデューティー比が50%のときに最大電力Wpeakを投入できる。実際には、共振周波数よりも若干高い周波数で駆動し、そのときのスイッチング素子303のオンオフデューティー比が50%弱で定格電力Wmaxが投入できるように設定している。そして、共振周波数をf3、駆動周波数をf4とすると、周波数の関係は
3<f4
となる(例えば、f3=55kHz,f4=60kHz)。
図8は、インバータ100,200,300の駆動周波数とインバータ電力の関係を示した図である。加熱コイル101のインバータ電力をWL、加熱コイル201のインバータ電力をWR、加熱コイル301のインバータ電力をWCで示している。また、各加熱コイル101,201,301の共振周波数をfL0,fR0,fC0、各加熱コイル101,201,301に最大設定電力Wmax(定格電力)を供給するときのインバータ100,200,300の駆動周波数をfL1,fR1,fC1で示し、各加熱コイル101,201,301に最小設定電力Wminを供給するときの駆動周波数をfL2,fR2,fC2で示している。
インバータ300は、周波数固定型制御方式であり、fC0<fC1となり、fC1=fC2となる。
本体2前面寄りの加熱コイル101,201のインバータ100,200は、基本的に同一部品構成とし、同一の負荷(鍋)であれば同じ駆動周波数−インバータ電力の変化を示す。したがって、共振周波数fR0,fL0、最小設定電力Wminとなる最高周波数fR2,fL2はそれぞれ同じ周波数となるが、実際は負荷が異なる場合には共振周波数が異なってくる。
したがって、図8においては、前面寄り左側加熱コイル101の負荷の等価インダクタンスが若干大きい場合の状態例であり、等価インダクタンスが大きいため共振周波数fL0はfR0よりも低くなっている。いずれの場合においても、共振周波数fL0,fR0よりも高い周波数fL1,fR1で最大設定電力Wmax(定格電力)が投入できるようにしている。
また、異なる材質や形状の負荷や、加熱コイル101,201に対する負荷の位置によっては定格電力が投入できる駆動周波数は変動するが、どのような場合でも共振周波数よりも若干高い周波数を駆動周波数の最低周波数とする。
このようにインバータ100,200の駆動周波数は例えばfL1〜fR2の周波数帯で駆動するものであり、加熱コイル101,201のインバータ100,200の駆動周波数の範囲は互いに重なる範囲を有する。
また、手前側の左右の加熱コイル101,201は、全く同一の材質形状の負荷を加熱している場合であっても、設定する電力が異なるとそのときのインバータ100,200の駆動周波数は異なる。この場合、右側の加熱コイル201の駆動周波数をfR、左側の加熱コイル101の駆動周波数をfLとおくと
|fR−fL
となる干渉音(うなり音)成分が発生する(加熱コイル101,201や負荷の振動成分が音となるため)。これが可聴領域内(おおよそ20Hz〜15kHz)にあると、音として認識される可能性があり、ここで干渉音成分の振幅が大きいと、つまり投入しているインバータ電力が大きいと実際に調理者が認識できる音となる。
ただし、前面寄りの左右の加熱コイル101,201の中心間の距離を約30〜40cmとしたので、互いに干渉を及ぼす距離としては離れている。この中心間距離に基づく干渉音は、実際に調理者が認識できる音としては音圧が低いため、調理中の音(お湯の沸く音,炒め物の音,内部冷却用ファンの音等)に埋もれてしまい気にならないことが多い。
ところが、前面寄り左右の加熱コイル101,201と奥寄りの加熱コイル301間の距離は前面寄りの左右の加熱コイル101,201間の距離よりも近い(約20〜30cm)ために、影響が出やすい。
したがって、図8に示すように、奥寄り加熱コイル301のインバータ駆動周波数を高い側にシフトし、その周波数fC1を前面寄り加熱コイル101,201のインバータ駆動周波数の最高周波数fR2ないしfL2よりも高く設定するようにし、それに伴い共振周波数fC0も高くなるように奥寄りの加熱コイル301の巻き数などを調整する。
このとき、前面寄り加熱コイル101,201が最高周波数fL2,fR2で駆動されていた場合、奥寄りの加熱コイル301の駆動周波数をfCとすると、
|f2−fC
となる干渉音成分が発生する。
この干渉音成分は、奥寄り加熱コイル301の駆動周波数が固定であるため、前面寄りの加熱コイル101,201の駆動周波数が最も高い組み合わせの場合に周波数差の周波数成分は低い周波数となり、耳障りになりやすい。このときの周波数差Δfは
Δf=fC1−f2 (f2:fR2またはfL2
である。この組み合わせにおいて、前面寄り加熱コイル101,201と奥寄り加熱コイル301のインバータ電力の差ΔWは
ΔW=Wcmax−Wmin
である。
ここで、それらの周波数の異なる駆動周波数によって発生する干渉音成分の振幅は、夫々の高周波振動の振幅が小さ場合、即ちインバータ電力が小さい場合や、インバータ電力の差ΔWがある程度大きいと干渉音成分の振幅は小さいものとなり、その結果、使用者には音として認識されにくくなる。
たとえば、Wmin=0.3kWで、ΔW>500(W)であればほとんど気にならない。このときの音として認識されにくい電力差ΔWは、前面寄り加熱コイル101,201と奥寄り加熱コイル301の距離によって変動するため、それぞれの加熱コイル101,201,301の配置によってこの電力差ΔWを設定すれば干渉音が問題にならないようにすることができる。
このように、前面寄りに配置された2つの加熱コイルのインバータによる加熱コイルの出力制御は、通電する電流の周波数を可変とすることで行い、奥寄りに配置された1つの加熱コイルのインバータによる加熱コイルの出力制御は、通電する電流の周波数を固定しオンオフデューティー比を可変して行い、さらに、前面寄りに配置された加熱コイルに用いる周波数帯の最高周波数よりも、奥寄りに配置された加熱コイルに用いる周波数を高く設定することにより、発生する干渉音が問題にならないようにすることができる。
また、前面寄り加熱コイル101,201の駆動周波数範囲の最高周波数における最小インバータ電力Wminと奥寄り加熱コイル301の周波数fC1における最大インバータ電力Wcmaxにおけるインバータ電力の差ΔWを所定の電力差以上になるように設定したことにより、発生する干渉音がより一層問題にならないようにすることができる。
また、上記のような設定において、負荷同士が近接しており、互いの駆動周波数差が可聴周波数領域に入っている場合は音圧が高くなることもあり、耳障りとなることがあるので、上記Δf自体が可聴領域外になるように15kHz以上高く設定すればより一層干渉音が問題にならないようにすることができる。例えば、
2=40(kHz)
であるとき、
C1=60(kHz)
に設定しておくことで、最も低い干渉成分は
Δf=|60−40|=20(kHz)
となるので、どのような負荷の組み合わせ,電力の組み合わせにおいてもΔfは可聴周波数領域外になり基本的には調理者に認識できない。
既に述べたように、前面寄り加熱コイル101,201のインバータ駆動周波数帯域と奥寄り加熱コイル301のインバータ駆動周波数は重なる領域がないように設定すると、負荷(鍋)は同じものを使用するものであるため、加熱コイル,負荷,共振コンデンサで構成される共振回路の共振周波数は大きく異なるものとなる。
ここで、負荷はいずれの場合も同一のものが使用され、共振回路のインダクタンス成分としては、加熱コイルのインダクタンスと負荷との結合インダクタンスを考慮した等価インダクタンスが用いられ、この等価インダクタンスLと共振コンデンサ容量Cで共振周波数fが決定される。共振周波数fの定義式は
f=1/(2π√(L・C))
で表されるので、異なる共振周波数fを得るためには、共振コンデンサ容量Cのみを変更すれば良いのであるが、実際には加熱コイル101,201,301と負荷の結合により実際の電力損失(発熱)となる等価抵抗がインバータ駆動周波数によって変化し、高周波数域では等価抵抗の値が大きくなるために電流が流れにくくなり、等価抵抗の増大とともに等価インダクタンスLが大きい状態では負荷に電力を投入できない状態となる。
したがって、奥寄り加熱コイル301に対するインバータ300の駆動周波数を高く設定するのと同時に前面寄りに配置された加熱コイル101,201に比べ奥寄り加熱コイル301の巻き数を減らし、加熱コイル301のインダクタンスLも低く設定するようにすればよい。
本実施例では加熱コイル101,201の等価インダクタンスLの値を43μH(20kHz)、等価抵抗の値を1.2Ω(20kHz)とし、加熱コイル301の等価インダクタンスLの値を21.2μH(60kHz)、等価抵抗の値を1.2Ω(60kHz)とした。
これにより、奥寄り加熱コイル301に対するインバータ300の駆動周波数を高く設定(60kHz)しても十分な電流が流れることになり、負荷に対して十分な電力を供給することが出来る。
このように、前面寄りに配置された加熱コイル101,201に用いる周波数帯の最高周波数f2よりも奥寄りに配置された加熱コイル301に用いる周波数を高く設定し、前面寄り加熱コイル101,201に比べて、奥寄り加熱コイル301のインダクタンスの値を減らすことにより、負荷に対して十分な電力を供給できるとともに干渉音を減らすことができる。
次に、加熱コイル101,201,301への適切な定格電力配分について説明する。実際の調理において、最もよく使う加熱コイルは使用者にとって前面寄りにある2つの加熱コイル101,201のいずれかである。これは調理動作(鍋の予熱・調理物投入・攪拌など)を最もしやすいからである。そして、これらの加熱コイル101,201は加熱電力が大きいことや、頻繁な加熱電力の変更ができることが必要となる。
これに対して、奥寄りにある加熱コイル301は、前面寄り加熱コイル101,201の上方に載せられた負荷の陰になることや、調理動作がしにくいこともあり、頻繁に手を加える必要のない調理に適している。つまり、煮込み調理などの長時間比較的低電力で加熱し続ける調理方法である。
したがって、奥寄りに配置されている加熱コイル301は前面寄りの加熱コイル101,201よりも低い定格電力であっても十分であり、そのように設定することで、巻き数を減らした加熱コイル301の単位長あたりの損失も下げることが出来る(巻き数を減らした加熱コイル301で前面寄り加熱コイル101,201と同じ電力を供給しようとすると、より大きな電流を流す必要があり、加熱コイル301自身の損失は増加することになる)。
このように、前面寄り加熱コイル101,201のインバータ100,200の最大電力は、奥寄り加熱コイル301のインバータ300の最大電力よりも大きく設定する。つまり、奥寄り加熱コイル301のインバータ300の最大電力を、前面寄り加熱コイル101,201のインバータ100,200の最大電力より低く設定することにより、奥寄り加熱コイル301の低損失化を図ることができるため、スイッチング素子自体の大型化や、ヒートシンクの容積増大,冷却ファンの大型化などが必要なくなり、小型化が可能となる。
次に、それぞれの加熱コイル101,201,301の位置関係について説明する。図9は、本実施例における加熱コイル101,201,301の設置面形状の概略図である。システムキッチン1に落とし込むタイプのビルトイン型、および、据え置き型の、複数の加熱コイルを有する誘導加熱調理器においては、一般的には使用者が面する横方向の長さWに対して奥行き方向の長さDは短く設定されている(例えば、W=60cm,D=40cm)。
3つの加熱コイル101,201,301を配置する場合には、図9に示すように前面寄りの左右と奥寄りの中央に配置するのが一般的である。
ただし、加熱コイル101,201,301同士の位置関係は、前面寄り左右間は広くとり、前面寄り右と奥寄り中央および前面寄り左と奥寄り中央の間隔は狭くとる。これは最もプレート3上の調理スペースを効率よく得るためである。
加熱コイル101,201,301のそれぞれの中心間隔を、加熱コイル101と加熱コイル201間をDLR、加熱コイル101と加熱コイル301間をDLC、加熱コイル201と加熱コイル301間をDRCとすると
LR>DLC
LR>DRC
となるように配置する。なお、DLRは短くすると干渉音の発生が抑制しづらくなるため、極力離した方が良い。
既に述べたように、このように配置することで、前面寄り左右の加熱コイル101,201間距離が大きいため、同一周波数範囲を使用するインバータ100,200同士であっても、干渉音を低く抑えることが可能である。
同時に、前面寄り右側加熱コイル201と奥寄り中央加熱コイル301、および、前面寄り左側加熱コイル101と奥寄り中央加熱コイル301の距離は、例え加熱コイル101と加熱コイル201との中心間距離より近くても、本実施例において干渉音を抑制または認識できなくなるような構成を取り入れたために、問題が生じない。
したがって、加熱コイル101,201,301の配置としては、加熱コイル101,201,301のそれぞれの中心が作る三角形において、前面寄り左側加熱コイル101と前面寄り右側加熱コイル201の中心間の距離が、前面寄り左側加熱コイル101と奥寄り中央の加熱コイル301、前面寄り右側加熱コイル201と奥寄り中央の加熱コイル301それぞれの加熱コイル101,201,301の中心距離よりも長く設定するものである。
このような構成にすることで、各加熱コイル101,201,301間に発生する干渉音の成分を抑制しつつ、誘導加熱調理器としての使い勝手の良い加熱部の組み合わせにすることができる。
したがって、本実施例における各インバータ100,200,300の各設定定数及び加熱コイル101,201,301同士の位置関係を、例えば図10に纏めて示すような値とすることにより、それぞれの加熱コイル101,201,301に流れる高周波電流の周波数差によって発生する干渉音の発生を低減させることができた。
各インバータ100,200,300の各設定定数、及び加熱コイル101,201,301同士の位置関係を、図9,図10に示すような値とすることにより、それぞれの加熱コイル101,201,301に流れる高周波電流の周波数差によって発生する干渉音の発生を低減させることができる。
このように、周波数の範囲は互いに重なる範囲を有する可変周波数出力制御方式のインバータ100,200は周波数を制御することで負荷に投入する電力を可変することができ、回路構成が比較的簡単であり、低コストで負荷インピーダンスに適した動作を行うことができるものである。
このような制御方式のインバータ100,200を備えた誘導加熱調理器を、3口の加熱部(コンロ)を有する誘導加熱調理器に適用し、そこに本実施例で説明した構成を用いることで、それぞれの加熱コイル101,201,301に流れる高周波電流の周波数差によって発生する干渉音の発生を低減させることができた。
また、奥寄りの加熱コイル301には周波数固定型制御方式のインバータ300を用い、可変周波数出力制御方式と比べて若干損失が増加するものの、使用者の調理パターンに対応して定格電力を下げるとともに、最適な加熱コイルのインダクタンスを設定することで、スイッチング素子の発熱のアンバランスや、効率低下による損失増大を抑え、加熱効率の低下を抑えることができ、したがって小型化,冷却構造の簡略化が可能である。
また、インバータ100,200の回路構成を比較的簡単な構成にして干渉音の発生を低減させることができるので、低コストな誘導加熱調理器を提供できる。
本発明の一実施例を示す誘導加熱調理器の外観斜視図である。 誘導加熱調理器の上面を示す説明図である。 誘導加熱調理器の要部ブロック図である。 図3の周波数可変型制御方式のインバータの内部ブロック図である。 周波数可変型制御方式のインバータの駆動周波数と負荷に投入されるインバータ電力の関係を示す模式図である。 図3の周波数固定型制御方式のインバータの内部ブロック図である。 周波数固定型制御方式のインバータのオンオフデューティー比とインバータ電力の関係を示す模式図である。 インバータの駆動周波数とインバータ電力の関係を示した図である。 加熱コイルの設置面形状の概略図である。 本発明のインバータ及び加熱コイルの設定定数例を説明する図である。
符号の説明
2 本体
3 プレート
100,200,300 インバータ
101,201,301 加熱コイル

Claims (9)

  1. 本体の前面寄りに配置された2つの誘導加熱コイルと、これら誘導加熱コイル間の奥寄りに配置された1つの誘導加熱コイルと、これら誘導加熱コイルの上面を覆い調理用鍋を載せるプレートと、これら誘導加熱コイルに電力を供給するインバータとを備えた誘導加熱調理器において、
    前記本体の前面寄りに配置された2つの誘導加熱コイルのインバータは、通電する電流の周波数を可変とすることで誘導加熱コイルの出力制御を行い、
    前記本体の奥寄りに配置された1つの誘導加熱コイルのインバータは、通電する電流のオンオフデューティー比を可変することで誘導加熱コイルの出力制御を行い、
    前記奥寄りに配置された加熱コイルに用いる周波数は、前記前面寄りに配置された加熱コイルに用いる周波数帯の最高周波数よりも高く設定した誘導加熱調理器。
  2. 本体の前面寄りに配置された2つの誘導加熱コイルと、これら誘導加熱コイル間の奥寄りに配置された1つの誘導加熱コイルと、これら誘導加熱コイルの上面を覆い調理用鍋を載せるプレートと、これら誘導加熱コイルに電力を供給するインバータとを備えた誘導加熱調理器において、
    前記本体の前面寄りに配置された2つの誘導加熱コイルのインバータは、駆動周波数を可変とすることで誘導加熱コイルの出力制御を行い、
    前記本体の奥寄りに配置された1つの誘導加熱コイルのインバータは、駆動周波数を固定しオンオフデューティー比を可変することで誘導加熱コイルの出力制御を行い、
    前記奥寄りに配置された加熱コイルに用いる周波数は、前記前面寄りに配置された加熱コイルに用いる周波数帯の最高周波数よりも高く設定した誘導加熱調理器。
  3. 前記前面寄りに配置された誘導加熱コイルに用いる周波数帯の最高周波数における電力と、前記奥寄りに配置された誘導加熱コイルの最大電力との差が所定値以上となるように設定した請求項1又は2記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記前面寄りに配置された誘導加熱コイルに用いる周波数の範囲は互いに重なる範囲を有するように設定した請求項1乃至3の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記前面寄りに配置された誘導加熱コイルに用いる周波数帯の最高周波数よりも、前記奥寄りに配置された誘導加熱コイルに用いる周波数を15kHz以上高く設定した請求項1乃至4の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記奥寄りに配置された誘導加熱コイルのインダクタンスの値は、前記前面寄りに配置された誘導加熱コイルのインダクタンスの値より低く設定した請求項1乃至5の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記前面寄りに配置された誘導加熱コイルのインバータの最大電力は、前記奥寄りに配置された誘導加熱コイルのインバータの最大電力よりも大きく設定した請求項1乃至6の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記前面寄りに配置された誘導加熱コイルと、前記奥寄りに配置された誘導加熱コイルのそれぞれの中心に対し、前記前面寄りに配置された誘導加熱コイルの中心間の距離は、前記前面寄りに配置された誘導加熱コイルと前記奥寄りに配置された誘導加熱コイルの中心間の距離よりも長く設定した請求項1乃至7の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  9. 本体の前面寄りに配置された2つの誘導加熱コイルと、これら誘導加熱コイル間の奥寄りに配置された1つの誘導加熱コイルと、これら誘導加熱コイルの上面を覆い調理用鍋を載せるプレートと、前記本体の前面寄りに配置された誘導加熱コイルが設けられた共振回路に流れる電流の周波数を変えて供給する電力を変える周波数可変インバータと、前記奥寄りに配置された誘導加熱コイルが設けられた共振回路に流れる電流のオンオフデューティー比を変えて供給する電力を変えるデューティー比可変インバータと、を有し、前記奥寄りに配置された加熱コイルに供給される電流の周波数は、前記前面寄りに配置された加熱コイルに供給される電流の周波数帯の最高周波数よりも高く設定した誘導加熱調理器。
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