以下、本発明の一実施例を添付図面に従って説明する。図1に示されている調理器は、プレート3上に三ヶ所の鍋載置部6a,6b,6cを設けたビルトイン型の誘導加熱調理器である。尚、本実施例は、キッチンに嵌め込むビルトイン型でなく、キッチンに載置する据置型の加熱調理器であっても差し支えない。
加熱調理器の本体2は、システムキッチン1の上面から落とし込んで設置することで組み込まれる。
設置後は後述するグリル加熱部(ロースター)4と操作部パネル5がシステムキッチン1の前面部から操作できるようになっている。
調理を行う際の調理鍋(図示せず)は、本体2の上面に配置された耐熱ガラス等からなるプレート3(天板)上の各載置部6に載置される。
図示しない調理鍋は、プレート3に描かれた載置部6に載置されることで調理可能となる。載置部6は、本体2上面のプレート3の上面手前に載置部右6aと載置部左6bが配置され、これら両載置部6aおよび6bの間の奥(中央後部)に載置部中央6cが配置されている。そして、図3を参照して、プレート3を挟んで載置部右6aと載置部左6bの下に調理鍋を加熱するための第1の加熱手段である加熱コイルユニット右25aと加熱コイルユニット左25bがそれぞれ対応して設置され、プレート3を挟んで載置部中央6cの下には第2の加熱手段である中央加熱ユニット15が配置されている。
図1に戻って、載置部中央6cは奥に配置されているため、位置的に調理者の手が届きにくい場所である。このため、手前の載置部右6a,載置部左6bに調理鍋が置かれた状態で、載置部中央6c部に手を伸ばすと、載置部右6a,載置部左6bに置かれた調理鍋から調理中に発生する蒸気等の熱気により、載置部中央6cで手を動かす調理は行いにくい。したがって、載置部中央6cで行う調理の種類は調理者があまり手を動かさなくても良い料理、主に煮込みや保温などの調理に適している。
載置部右6a及び載置部左6bは、鉄,磁性ステンレスを材料とした磁性体金属製鍋の他、アルミニウム,銅を材料とした非磁性体金属製鍋も誘導加熱可能な熱源となっている。
載置部中央6cは、本実施例ではラジエントヒータとしているが、磁性体金属製鍋専用の加熱コイルユニットを搭載した誘導加熱可能な熱源であっても良い。この場合、ラジエントヒータから鍋への熱伝導による加熱ではなく、誘導加熱により鍋を加熱するので、プレート3が鍋底の温度より熱くならないといった誘導加熱調理器特有の効果を付加することができる。
図1及び図2において、プレート3の周囲端面を保護するためにフレーム14が設けられている。プレート3の手前の上端縁に取り付けられるフレーム前14aと、プレート3の後方上端縁に取り付けられるフレーム後14bと、右側上端縁に取り付けられる14cと、左側上端縁に取り付けられるフレーム左14dから構成されている。本例は4ピースにフレームを分割しているが一体型でも2ピースでも何ピースでも可能であり、また、プレート3の4辺に取り付ける必要も無く、プレート3の手前だけ、後方だけ、前後の2辺だけ、もしくは左右の2辺だけでも良い。
本体2内部には、発熱部材である後述する加熱コイルユニット25や電子部品が設けられており、これらを冷却するために本体2の外部から空気を吸込むための吸気口7が設けられている。この吸気口7は、本体2上面のフレーム後14b上の後述する排気口8の向かって右側に位置する。
吸気口7で吸入した空気は、本体2内部で発熱する後述する加熱コイルユニット25や電子部品を冷却した後に、排気口8から本体2外部に排出される。また、この排気口8からは、後述するグリル加熱部4の廃熱も同時に排出され、この排気口8は本体2上面のフレーム後14b上にグリル加熱部4の位置する側に設けられている。
グリル加熱部4は魚やピザ等を焼くためのもので、本体2前面部の左側もしくは右側に配置されている。本実施例では本体2前面に向かって左に配置されている。また、魚焼き専用ではないので、このグリル加熱部4をグリル若しくはオーブンと呼ぶこともある。これら図からもわかるように、グリル加熱部4は5本のサンマを縦に並べて焼けるような幅を有しており、ハンドル11を備えたロースタードア32の幅は、本体2の幅の略半分を占めている。
次に図3を用いて加熱コイルについて説明する。調理鍋(図示せず)を加熱するための加熱コイルユニット25は、加熱コイル13とコイルベース24とコイルベース24の加熱コイル13に対して下側に設けられたフェライト(図示せず)とを有する。
加熱コイルユニット25は、各載置部6のプレート3の下方であって、プレート3と加熱コイル13との間に一定の隙間が開くように設置されている。この隙間は、後述する冷却風が流れるようにするためである。
載置部右6aの下方には加熱コイルユニット右25aが、載置部左6bの下方には加熱コイルユニット左25bが、載置部中央6cの下方には中央加熱コイルユニット15が設けられている。載置部右6aと載置部左6bの各加熱コイルユニット25とプレート3との間には、帯電防止板70a及び70bが加熱コイル13a及び13bを夫々覆うように設けられ、それぞれアースされている。これら帯電防止板70は加熱コイル13と調理鍋との間に貯まる電荷を放電する役割を持っている。
加熱コイル13の巻線は表皮効果を抑制するためリッツ線を採用している。この加熱コイル13には調理鍋(図示せず)を加熱するために後述するインバータ回路から数十kHz,数百Vの電圧が印加される。
コイルベース24は、加熱コイル13を下から固定すると共に、コイルベース24にはフェライト(図示せず)が埋設されている。
次に図4に示す誘導加熱調理器の制御関係についての基本ブロック図を説明する。
操作・表示部18は調理の方法として、グリル加熱部4を使用するのか調理鍋を載置部6に載せて加熱するのかによって、異なる加熱手段に対して操作を行えるよう入力部を有し、その入力部で入力された調理するための火力や加熱時間をメイン制御部19へ入力し、メイン制御部19では入力された情報に基づいて各負荷を制御する。各加熱コイル13やグリルヒータ16などの負荷への電力の供給はリレー27a,27b、及び20を制御することにより実行する。加熱コイル13の火力の制御はメイン制御部19からインバータ制御部23に火力情報を伝達して行う。
加熱コイル13への必要な電力の供給について説明する。装置の外部にある交流電源
33から供給される交流から整流手段26で変換された直流より、直流可変電源部21
(後述)で低電圧から高電圧まで可変し、この可変電圧の直流をハーフブリッジ回路構成とフルブリッジ回路構成とを備えたインバータ22(後述)に入力して、選択されたハーフブリッジ回路構成若しくはフルブリッジ回路構成によって作られた高周波電圧が加熱コイル13に印加することで、加熱コイル13へ必要な電力を供給する。直流可変電源部
21は昇圧型チョッパ回路と降圧型チョッパ回路とを有する。
インバータ制御部23は、操作・表示部18で設定された火力になるように、被加熱物である調理鍋の材質などに応じて加熱コイル13に印加される電圧と周波数を可変するように直流可変電源部21とインバータ22を制御する。
整流手段26,直流可変電源部21,インバータ22,インバータ制御部23及び加熱コイル13は載置部右6aと載置部左6bの2ヶ所に設けるので各2個必要となる。
中央加熱ユニット15はラジエントヒータを熱源とする加熱部である。例えば、3ヶ所の載置部6を全て磁性体金属製鍋と非磁性体鍋の両方を加熱できる誘導式の加熱方式とすると、前記で説明した整流手段26,直流可変電源部21,インバータ22,インバータ制御部23と加熱コイル13を各3個用意すればよい。
または、載置部中央6cを磁性体金属製鍋専用の誘導式の加熱方式とする場合、前述した磁性体金属製鍋と非磁性体鍋の両方を加熱できる回路構成とは異なり、前述した直流可変電源部21は不要で、インバータも磁性体金属鍋専用のハーフブリッジ構成とすることができるので、少ない部品点数で構成することができる。
グリルヒータ16は、グリル加熱部4で魚などを焼くためのヒータであり、触媒ヒータ17は、グリル加熱部4で魚などを焼いた時に発生する煙などを浄化するための触媒を活性化するためのヒータである。
冷却ファン50はシロッコファンやターボファンなどが用いられるが、本実施例では回路を構成する電子部品の数が多いため、実装密度が高くなることから、冷却風の流速を上げる必要がある。このため、吐出圧力を高くすることができるターボファンを使用して、電子部品から加熱コイルなどを冷却する。また、冷却ファン50はインバータ22などの電子部品の温度上昇に応じて、メイン制御部19によって回転制御手段31を制御することで冷却ファン50の回転数を変化することができる。
次に図4と図5を用いて直流可変電源部21とインバータ22とインバータ制御部23について詳細に説明する。
直流可変電源部21は前段に昇圧型チョッパ回路、後段に降圧型チョッパ回路を配し低電圧から高電圧までの直流を出力可能な構成としたものである。前段の昇圧型チョッパ回路は、チョークコイル39,スイッチング素子40,逆流防止ダイオード41及び平滑コンデンサ42によって構成されている。スイッチング素子40をオン・オフさせることにより、チョークコイル39に蓄えられたエネルギーを、逆流防止ダイオード41を介して平滑コンデンサ42に移動させることで昇圧された直流電圧に変換する。降圧型チョッパ回路はスイッチング素子43、還流ダイオード44,チョークコイル45及び平滑コンデンサ46から構成されている。スイッチング素子43をオン・オフさせてチョークコイル45に流れる電流を制御することで平滑コンデンサ46に流れ込む電流を調整する。これにより平滑コンデンサ42の電圧より低電圧の電圧を平滑コンデンサ46に実現することができる。なお、還流ダイオード44はスイッチング素子44がオフしているときに電流を還流させるためのものである。このように直流電圧を低電圧から前記昇圧直流電圧まで出力できるようにスイッチング素子40,43の夫々のオン・オフデューティにより任意の直流電圧を供給できるようにしている。
インバータ22は加熱コイル13と共振コンデンサ34または共振コンデンサ35で構成する直列共振回路47に対してスイッチング部100だけ、またはスイッチング部100およびスイッチング部200の両方のスイッチング素子を高周波で駆動することによって、加熱コイル13に高周波電流を流し、加熱コイル13近傍にある被加熱金属体である調理鍋(負荷)に渦電流を生じさせ、それによるジュール熱によって調理鍋自身を発熱させる。
スイッチング部100は、スイッチング素子101,102の直列体に逆並列にダンパダイオード103,104をそれぞれ接続する。また、必要に応じて各スイッチング素子101,102にスナバコンデンサ105,106を接続する。スイッチング素子101,102の直列体の中点に負荷である直列共振回路(加熱コイル13と共振コンデンサ
34または共振コンデンサ35の直列体)の一端を接続する。スイッチング部200もスイッチング部100と同様の構成である。
インバータ22の回路構成はハーフブリッジ構成およびフルブリッジ構成の双方の構成がとれるように切替リレー36で負荷である直列共振回路の接続先を切替える。
具体的には、切替リレー36をオフすることにより負荷である直列共振回路はスイッチング部100の中点と直流可変電源部21の基準電位側に接続され、ハーフブリッジ構成型のインバータ回路構成となる。
スイッチング素子101および102を交互に排他的に駆動することによって、負荷である直列共振回路(加熱コイル13及び共振コンデンサ34により構成)にスイッチング素子101,102の駆動周波数の振動数を持つ高周波電流が流れる。
フルブリッジ構成とするためには、切替リレー36をオンすることで構成される。負荷である直列共振回路がスイッチング部200のスイッチング素子201,202の直列体の中点に接続される。そしてスイッチング素子101と202、及び102と201の組合せを交互に排他的に駆動することによって、負荷である直列共振回路(加熱コイル13及び共振コンデンサ35により構成)に駆動周波数の振動数を持つ高周波電流が流れる。
インバータ制御部23は使用者が操作する操作・表示部18の設定により、調理鍋に投入する目標とする電力を設定し、それに従ってインバータ22の回路構成の設定,スイッチング素子101,102,201,202の駆動周波数の設定,直流可変電源部21の直流電源電圧出力の設定等を行う。また、スイッチング素子101,102およびスイッチング素子201,202が短絡動作にならないように防止手段を有する。
また、インバータ制御部23は、インバータ22の動作を検出するため、入力電流検出手段38によって交流電源33側に流れる直流可変電源部21の入力電流の検出と、インバータ22の負荷である直列共振回路47に流れる電流(インバータ電流)を検出するインバータ電流検出手段37によって電流を検出する手段を備えている。
入力電流検出手段38とインバータ電流検出手段37の出力から、調理鍋の材質や形状などを推定し、インバータ22の負荷の状態が高インピーダンスであるか低インピーダンスであるか、また、インバータ22の負荷に対して共振周波数の高低状態を判別するものである。
磁性体金属鍋は加熱すると高インピーダンスを呈する。所定の電圧を印加して電流値を検出することでインピーダンスを計算することができる。この結果、鍋が磁性体金属であると判断されると火力設定の大きい時はフルブリッジ回路,低火力時はハーフブリッジ回路を構成する。火力は20kHz帯の周波数可変制御と電圧可変制御を加えて制御する。
また、検出された電流値から低インピーダンスを示した場合、鍋が非磁性体であると判断し、ハーフブリッジ構成として、火力の設定は90kHzの略周波数固定制御(最適位相に周波数を設定)で電圧可変制御によるものである。
よって、フルブリッジ構成のインバータ22が有効となり、一つの加熱コイル13で多様な負荷に対応できるようになる。
ところで、非磁性体鍋を誘導加熱すると鍋底に発生した渦電流による磁界と、誘導コイルにより発生した磁界とが反発し合うため、鍋が浮き上がるといった問題がある。この問題を解決するため、前述した特許文献1には、加熱コイルとプレートとの間にアルミ板を挿入することで鍋浮き現象を抑制している。これによって、加熱コイルへの通電電流が小さくなる。しかしながら、このアルミ板を誘導加熱してプレートを介して鍋を加熱するためプレートの温度が高温になり、炎を用いずに調理するメリットが薄れてしまう。このため、本実施例では、アルミ板を用いずに誘導加熱するようにした。しかし、前記したように、アルミ板を用いないと非磁性体鍋はインピーダンスが小さいので発熱しにくいことから、加熱コイル13への通電電流を大きくして加熱する必要がある。通電電流が大きくなると、インバータ22及び直流可変電源部21を構成するスイッチング素子のオン抵抗による発熱及びスイッチング損失による発熱が増大する。また、電流増大に伴って、共振コンデンサ,チョークコイルの電流容量を大きくしなければならないといった問題がある。従って、実装密度が増大し、素子等を冷却することが難しくなる。次にこの点を解決した本実施例の冷却構造について説明する。
図6は、本実施例の誘導加熱調理器において、プレート3,加熱コイルユニット右25a,加熱コイルユニット左25bを本体2から取り外した状態の斜視図である。
図7は、本実施例の誘導加熱調理器において、プレート3,加熱コイルユニット右25a,加熱コイルユニット左25bを取り外した状態で、風路の一部を透過した上面図である。
図8は、本実施例の誘導加熱調理器において、右の誘導加熱部のほぼ中央で切断した側面断面図である。
図9は、本実施例の誘導加熱調理器において、右の誘導加熱部をほぼ中央で切断した誘導加熱部近傍の側面断面図である。
図10は、本発明の誘導加熱調理器において、ファンユニットをファンモータ56側から示した傾斜図である。また図中の矢印は冷却風を表している。
図8を参照して冷却システムについて説明する。本体2内の後部側に、ターボファンを用いた冷却ファン50が設けられ、基板60,加熱コイルユニット25を冷却する。
また、冷却ファン50は、吸込口50aを備えたシュラウド50bとハブ50d間に複数枚の羽根50dを挟んだ構造をしており、冷却風の吐出口51,52,53を兼ね備えたファンモータ架台54,ケーシング55,ファンモータ56で構成したファンユニット57内に組み込まれている。
冷却ファン50は、ファンユニット57により基板60側と吸気口7側とを仕切る。また、吸込口7と吐出口51,52,53の方向は、冷却ファン50の軸方向と一致する方向に配置される。
また、吸気口7と冷却ファン50を連通する流路内部には水切り板58a,遮蔽板58b,排水口58cが設けられており、吸気口7から侵入した水を冷却ファン50の上流でせき止めて外部に排水する防水構造58を設置している。
基板ケース61は、プラスチックで形成された箱型をしており、加熱コイルユニット右25aの下方に配置されている。内部には、基板60a,60b,60cとファンユニット57が収納されている。基板60a,60b,60cは、主に加熱コイル右13aと加熱コイル左13bを制御する回路で構成している。
尚、本実施例では、加熱コイルユニット右25aの下部に3枚の基板60a,60b,60cを上下に重ねた構造を有している。基板60a及び基板60cにはインバータを構成するスイッチング素子,昇圧型チョッパ回路及び降圧型チョッパ回路を構成するスイッチング素子が搭載されている。基板60bには、共振コンデンサを搭載している。この実施例ではファンケーシング57の吐出口を3口とした場合を示している。ただし、基板
60は3枚に限定するものではない。また、ファンケーシング57の吐出口も3口に限定する必要はなく、用途に応じて複数個の設置ができる。
プレート3後部の吸気口7から吸込んだ空気は、冷却ファン50の吸込口50aに導かれ、ファンモータ56により駆動される冷却ファン50の羽根50dによって運動量を与えられ、冷却ファン50内で90度流れの方向を偏向した後、ファンユニット57内でさらに90度流れの方向を偏向され、3つの吐出口から吐出される。このケーシング55内で吸い込んだ空気の圧力が上昇される。
吐出口の開口の大きさを選定することにより必要な量の空気を必要な冷却対象物に流すことが可能となる。吐出口52,53から基板60a,60b,60cに供給され、さらに、吐出口51から加熱コイルユニット25に供給される。
ダクト62aは、冷却ファン50の吐出口51と加熱コイルユニット右25a,加熱コイルユニット左25bを連通する流路であり、加熱コイルユニット右25aを支持する通気口カバー62と結合している。
図7において、分岐ガイド62bは、ダクト62aの流路途中に設置してあり、吐出口51から吹き出された空気の一部を加熱コイルユニット左25bに供給する。
ダクト63aは、冷却ファン50を介して吸気口7と加熱コイルユニット左25bを連結する流路である。また、ダクト63aは、加熱コイルユニット左25bを支持する通気口カバー63と結合しており、冷却ファン50の吐出口51と加熱コイルユニット左25bを連通する流路を形成する。
図6,図7において、複数個から成る通気口62cは、加熱コイルユニット右25aを支持する通気口カバー62に設けられた開口であり、加熱コイルユニット右25aの下方近傍に設けられている。また、通気口62dは、通気口カバー62の中央に設けられ、冷却ファン50の吐出口51から吹き出した冷却風を直接加熱コイルユニット右25aに吹き付けるためのものである。
複数個から成る通気口63bは、加熱コイルユニット左25bを支持する通気口カバー63に設けられた開口であり、加熱コイルユニット左25bの下方近傍に設けられる。また、通気口63cは、通気口カバー63の中央に設けられ、冷却ファン50の吐出口51から吹き出した冷却風を直接加熱コイルユニット左25bに吹き付けるためのものである。
図7において、通気口61aは、加熱コイルユニット右25a近傍の基板ケース61上に設けた開口である。ダクト63dは、通気口61aと加熱コイルユニット左25bを連通する流路である。
通気口61bは、基板ケース61の上面で通気口カバー62の下に位置する開口であり、主に吐出口52から吹き出した基板60c冷却後の空気を通気口カバー62の通気口
62cに導く。
通気口61cは、基板ケース61の上面で通気口カバー62の下に位置する開口で、通気口61bよりも後方側に位置しており、主に吐出口53から吹き出した基板60a冷却後の空気を通気口カバー62の通気口62cに導く。
通気口カバー62の内部は、分岐ガイド62dにより空間が仕切られており、通気口
61b,61cから吹き出した空気とダクト62aの通過する空気の混合を避ける流路構造としている。
加熱コイルユニット右25aは、図9に示すように、加熱コイル右13aと帯電防止板右70aをコイルベース右24a上に載置している。コイルベース右24aの中央部には通気口71aが開口する。また、加熱コイル右13aと帯電防止板右70aの間には所定の隙間が設けられており冷却風の通風路が確保された構造となっている。
加熱コイルユニット左25bにおいても基本構造は加熱コイルユニット右25aと同じであり、詳細説明は省略する(加熱コイルユニット左25bの場合は、帯電防止板左70b,コイルベース左24bの中央部の開口部を通気口71aとなる。)。
以上の構成からなる冷却構造について装置の運転に伴う冷却空気の流れを説明する。
調理鍋をプレート3上の載置部右6aと載置部左6bに載置して、操作部パネル5の電源スイッチをオンし、各載置部の加熱コイル13a,13bに対応した上面操作部9で好みの出力に調節する。すると加熱コイル13a,13bに高周波電流を流し、加熱コイル13から磁力線を発生させ、調理鍋を加熱する。同時に、冷却ファン50も駆動する。
冷却ファン50の駆動により、吸気口7から吸込んだ冷却風は、吐出口51を通してダクト62aと通気口カバー62を通過し、通気口62dから加熱コイルユニット右25aの通気口71aを通り抜けて帯電防止板右70aに吹き付けられ、コイルの上面を放射状に流れながら冷却する。
一方、吐出口51から供給される冷却風の一部は、分岐ガイド62bに仕切られて加熱コイルユニット左25bの方向に流れが偏向され、ダクト63aに供給される。その後、冷却風は、ダクト63aを通過して左側の通気口カバー63の通気口63cに供給され、加熱コイルユニット左25bの通気口71bを通して帯電防止板70bに吹き付けられ、加熱コイル左13bの上面を放射状に流れながら冷却する。
また、前記とは別に吐出口52,53を通じて基板60a,60b,60c側に吹き出された冷却風は、基板ケース61内の流路を通って基板60a,60b,60cを冷却した後、上方に向かい、基板ケース61上面の通気口61b,61cを通過して、さらに通気口62cから加熱コイルユニット右25aの下面に吹き出され、これを冷却する。
一方、通気口61aを通じてダクト63dから左側の通気口カバー63に供給された冷却風は、通気口63bを通して加熱コイルユニット左25bの下面に吹き出され、これを冷却する。左右の誘導加熱コイル13の上面と下面を通過した冷却空気は、その後、本体2の後部に設けられた排気口8から本体2外に排気される。
以上のように、本体内の左右に配置した加熱コイル13の上面と下面に冷却風を吹き付けることにより、加熱効率が低く、熱損失が大きい非磁性金属鍋に対応した加熱コイル
13を左右に搭載した誘導加熱調理器において、十分な冷却効果が得られる流路構造を形成することができる。
以下、本発明の冷却構造について図7から図12を参照して説明する。
図11はプレート3,加熱コイルユニット右25a,加熱コイルユニット左25bを本体2から取り外した状態の上面図であり、図12は加熱コイルユニット左25bに冷却風を供給する専用流路であるダクト63aと63dをほぼ中央で切断した専用流路近傍の側面断面図である。また図中の矢印は冷却風を示している。
図8において、本実施例の基板ケース61内部に収納された基板60a,60b,60cのうち、基板ケース61の最下段に配置した基板60aは、主に加熱コイルユニット右
25aのインバータ22aを含む制御回路を搭載したものとし、最上段に位置する基板
60cは、主に加熱コイルユニット左25bのインバータ22bを含む制御回路を搭載したものとし、中段に位置する基板60bは、主に基板60a,60cの制御回路に共通した共振コンデンサ34,35を搭載したものとしている。
本実施例では、基板ケース61内部に収納された基板60a,60b,60cの他に、図11に示す基板80a,80bを備えている。
図11において、基板80aは逆L字上に形成されている。この基板80aの前面寄りには複数の端子部81が実装されている。また、基板80aの加熱コイルユニット右25aと加熱コイルユニット左25bとの間に位置する部分には、交流電源に接続されたリレー20,27a,27bの入り切りを行って加熱コイル、冷却ファン50等の負荷を制御するメイン制御部19となる制御回路が実装され、制御基板を構成している。
基板80bは、加熱コイルユニット左25bの奥寄りに配置されている。基板80bには、図4に示したリレー20,27a,27b等が実装される。そして、基板80bには図示しない電力を供給する電源線が接続され、電源基板を構成している。
基板80aは、加熱コイルユニット右25aと加熱コイルユニット左25bとの間に位置する一部がダクト63a,63d内に載置された構成となっている。本実施例では、基板80aのうち、加熱コイル、冷却ファン50等の負荷を制御するメイン制御部19が実装されている部分がダクト63a,63d内に配置されている。一方、前面寄りの基板
80bと配線する中継用の端子部81が実装されている部分はダクト63a,63dの外に配置されている。これは、メイン制御部19は発熱量が大きく冷却する必要があるが、端子部81を配置した部位は比較的発熱量が小さい部品で構成しているので、冷却する必要性は低いためである。また、ダクトはダクト63aとダクト63dの2つに分かれており、特にダクト63aには冷却ファン50からの冷却風が直接流入するので、冷却風の温度がダクト63dより低いため、より発熱量の大きい部品をダクト63a内に配置するようにすると冷却効率が向上する。
ダクト63a,63dの外部に位置する基板80a上には、端子部81が設けられ、基板60a,60b,60c、80b等の他の基板と接続され、各基板へ通電が行われる。
図12において、グリル加熱部4の天面に当たるロースター枠4aの上面には、基板
80aを支持する支持枠82が載置され、支持枠82の上に基板80aが固定される。
本実施例では、基板80aは支持枠82を介して固定されており、基板80aとロースター枠4aとの間に空間が形成されるので、グリル加熱部4からの輻射熱による基板80aの加熱を抑制することができる。
また、グリル加熱部4上方の本体後部の位置に載置された基板80bも同様に、グリル加熱部4からの輻射熱による加熱を抑制する構造で固定する。
以上の構成からなる基板80a,80bを冷却する冷却空気の流れについて説明する。
冷却ファン50の駆動により、吐出口51から吹き出した空気の一部がダクト63aに供給されると、基板80aの発熱部に冷却効果を付与し、基板80aを通過して左側の通気口カバー63の通気口63cから加熱コイル左13bの上面を冷却する。
前記とは別に吐出口52,53を通じて基板60側を冷却した空気は、通気口61aから吹き出してダクト63dに供給されると基板80aの発熱部に冷却効果を付与し、基板80aを通過して左側の通気口カバー63の通気口63bから加熱コイル左13bの下面を冷却する。基板60と加熱コイルユニット25の冷却風の流れは前述の通りである。
左右の加熱コイルの上面と下面を通過した空気は、冷却ファン50により加圧された本体2内部から大気圧となる外気と連通する排気口8に向かって流れる。基板80bは、排気口8の近傍に配置しているので、本体から外部へ排気される空気は基板80b上面を流れ冷却効果を付与するものである。
以上のように本実施例によれば、誘導加熱コイルのインバータ制御回路や電源回路などの電子部品の一部をロースター上部の空間で実装と冷却を兼ね備えた冷却構造を有することで、例えば右側誘導加熱コイル下部以外の基板の設置場所を得られることから、複数
(2個以上)の非磁性体鍋に対応した誘導加熱コイルを搭載した構成のように、インバータ制御回路の大型化や部品点数の増加した誘導加熱調理器を構築できる。
また、本実施例によればロースター上部に基板を設置すると、専用の冷却構造が必用となるが、誘導加熱コイルの冷却構造と兼用することで、流路部品点数の削減ができるとともに、基板の設置空間を抑制したことで、誘導加熱コイル冷却後の空気を本体排気口導く空間の通風抵抗の低減が図れため、冷却ファンの回転数が抑えられて流体騒音の低減効果が得られる。
また、本実施例によればロースター上部に配置する基板を左側誘導加熱コイル専用の冷却流路内に組み込むことで、ロースター上部に配置する部品の設置面積を最小限に抑えられ、ロースター上部に配置する誘導加熱コイルや配線などの設置スペースが確保されるので設計の自由度高い誘導加熱調理器を構築できる。
また、本実施例によれば基板80aと他の基板などとを通電する配線をダクト63a,63dの外に配置できることから、ダクト63a,63d内の配線数を削減されることから通風抵抗を低減が図れるとともに、加熱コイルユニット左25bの冷却性能が向上する。
また、本実施例によれば他のダクト63a,63d内の配線数を削減することで配線作業の簡素化が図れ、組立時間短縮の効果が得られる。
なお、本実施例では、基板80a,80bとに分割した構成としているが、基板の小型化を図り基板80aもしくは基板80bの何れかのみに各部品を実装するようにとしても良い。
また、基板80a,80bに実装される部品は、この実施例のものに限定されるものではなく、誘導加熱調理器に構成に応じて適宜選択してもよい。
本発明の他の実施例について、図13を参照して説明する。
図13は本実施例の誘導加熱調理器において、プレート3、加熱コイルユニット右25a,25bを本体2から取り外した状態の上面図である。トッププレート下に基板を配置した上面図である。また図中の矢印は冷却風を示している。
先の実施例と異なるのは、本実施例では基板83aを全てダクト63a,63d内に配置している点である。
図13において、基板83aは加熱コイルユニット右25aと加熱コイルユニット左
25bとの間に位置している。この基板83aは、交流電源に接続されたリレー20,
27a,27bの入り切りを行って加熱コイル、冷却ファン50等の負荷を制御するメイン制御部19となる制御回路が実装された制御基板である。
基板83bは、加熱コイルユニット左25bの奥寄りに配置されている。基板83bは、図4に示したリレー20,27a,27b等が実装される。そして、基板83bには図示しない電力を供給する電源線が接続され、電源基板である。
本実施例では基板83aは、全てダクト63a,63d内に載置された構成となっている。また、ダクトはダクト63aとダクト63dの2つに分かれており、特にダクト63aには冷却ファン50からの冷却風が直接流入するので、冷却風の温度がダクト63dより低いので、より発熱量の大きい部品をダクト63a内に配置するようにすると冷却効率が向上する。
以上の構成からなる基板83a,83bを冷却する冷却空気の流れについて説明する。
冷却ファン50の駆動により、吐出口51から吹き出した空気の一部がダクト63aに供給されると、基板83aの発熱部に冷却効果を付与し、基板83aを通過して左側の通気口カバー63の通気口63cから加熱コイル左13bの上面を冷却する。
前記とは別に吐出口52,53を通じて基板60側を冷却した通気口61aから吹き出した空気は、ダクト63dに供給されて基板83aの発熱部に冷却効果を付与し、基板
83aを通過して左側の通気口カバー63の通気口63bから加熱コイル左13bの下面を冷却する。
左右の加熱コイルの上面と下面を通過した空気は、冷却ファン50により加圧された本体2内部から大気圧となる外気と連通する排気口8に向かって流れる。基板83bは、排気口8の近傍に配置しているので、本体から外部へ排気される空気は基板83b上面を流れ冷却効果を付与するものである。
以上のように、本実施例によれば、インバータ制御回路の大型化や部品点数の増加した、複数(2個以上)の非磁性体鍋に対応した誘導加熱コイルを搭載した構成の誘導加熱調理器を構築できる。本実施例では基板83aは、ダクト63aとダクト63dの両空間に載置した構成としたが、基板83aの小型化を図り、ダクト63aまたはダクト63dの片側のみに配置する構成としても、同様の効果を得る。
なお、本実施例では、基板83a,83bとに分割した構成としているが、基板の小型化を図り基板83aもしくは基板83bの何れかのみに各部品を実装するようにとしても良い。
また、基板83a,83bに実装される部品は、この実施例のものに限定されるものではなく、誘導加熱調理器に構成に応じて適宜選択してもよい。
次に、図14に示された他の実施例について説明する。
図14は、本実施例の誘導加熱調理器において、プレート3,加熱コイルユニット右
25a,25bを本体2から取り外した状態の上面図である。トッププレート下に基板を配置した上面図である。また図中の矢印は冷却風を示している。
図14において、筐体の前面寄りには左右方向に渡って基板60eが配置されている。基板60eは、上面操作部9で操作された設定を加熱コイルユニット25や中央加熱ユニット15に出力し、上面表示部10に操作状況や加熱コイルの出力を表示する情報を出力させるものであり、上面操作部9、上面表示部10の裏側に配置され、上面表示部10の表示素子を搭載する。
基板83aは加熱コイルユニット右25aと加熱コイルユニット左25bとの間に位置している。この基板83aには、交流電源に接続されたリレー20,27a,27bの入り切りを行って加熱コイル,冷却ファン50等の負荷を制御するメイン制御部19となる制御回路が実装され、制御基板を構成している。
基板83bは、基板83aと分割されて加熱コイルユニット左25bの奥寄りに配置されている。基板83bには、図4に示したリレー20,27a,27b等が実装される。そして、基板83bには図示しない電力を供給する電源線が接続され、電源基板を構成している。
本実施例では基板83aは、全てダクト63a,63d内に載置された構成となっている。また、ダクトはダクト63aとダクト63dの2つに分かれており、特にダクト63aには冷却ファン50からの冷却風が直接流入するので、冷却風の温度がダクト63dより低いので、より発熱量の大きい部品をダクト63a内に配置するようにすると冷却効率が向上する。ダクト63dには分岐されたダクト63eが設けられている。
ダクト63eは、通気口61aから吹き出した冷却空気を左側の通気口カバー63に複数個配置した通気口63bと連通するダクト63dに分岐路を設けて結合した流路であり、基板60e側に開口部を設けて冷却風を導いている。
本実施例は、実施例2と構造にダクト63eを追加した構造であり、基本的な冷却風の流も同等である。
以上の構成から、通気口61aから吹き出した空気は、ダクト63dに供給されて基板83aの発熱部に冷却効果を付与し、基板83aを通過して左側の通気口カバー63の通気口63bから加熱コイル左13bの下面を冷却する。また、通気口61aから吹き出した空気の一部はダクト63dを通じて基板60eに冷却風を吹き付けて、冷却効果を付与する。
以上のように、本実施例によれば、左側の通気口カバー63に複数個のダクト63a,63d,63eを一体化することで、基板83a,基板60e、加熱コイルユニット左
25bの複数の熱源に対して同時に冷却効果を付与できるため、冷却構造の簡素化が図れるとともに部品点数を削減できる。
なお、本実施例では、基板83a,83bとに分割した構成としているが、基板の小型化を図り基板83aもしくは基板83bの何れかのみに各部品を実装するようにとしても良い。また、基板83a,83bに実装される部品は、この実施例のものに限定されるものではなく、誘導加熱調理器に構成に応じて適宜選択してもよい。
次に、図15に記載された実施例について説明する。
図15は本発明の誘導加熱調理器において、プレート3,加熱コイルユニット右25a,加熱コイルユニット左25bを本体2から取り外した状態の上面図である。また図中の矢印は冷却風を示している。
本実施例では、誘導加熱コイルを本体2の前面側左右に2個、後部側中央に1個配置した合計3口の誘導加熱調理器を例にとって説明する。尚、本実施例は後部側中央の加熱源に誘導加熱コイルを搭載した構造とするものであり、中央加熱ユニット15を非磁性鍋にも対応する誘導加熱コイルとして説明するが、後部側中央の誘導加熱コイルが磁性体鍋のみを加熱するものを用いても同等の効果が得られる。
この本体2の後部側中央に配置され、誘導加熱コイルを使用した中央加熱コイル15は、通気口カバー84で支持されている。この中央加熱ユニット15は図示しないが、構造は加熱コイルユニット25と同等である。ダクト64aは、右側の通気口カバー62と、通気口カバー64の中心部に開口した通気口84bとを連通するものであり、冷却ファン50から吐出口51から吹き出した冷却空気を中央加熱ユニット15に供給する流路である。
通気口84cは、通気口62cや通気口63bに相当する通気口カバー64aに複数個設けられた開口である。通気口61dは、基板ケース61の上面に設けられた通気口である。ダクト84dは、通気口61dと通気口84cを連通する流路構造を形成している。
図15において、基板85aは加熱コイルユニット右25aと加熱コイルユニット左
25bとの間に位置している。この基板85aには、交流電源に接続されたリレー20,27a,27bの入り切りを行って加熱コイル、冷却ファン50等の負荷を制御するメイン制御部19となる制御回路が実装され、制御基板を構成している。
基板85bは、加熱コイルユニット左25bの奥寄りに配置されている。基板85bには、図4に示したリレー20,27a,27b等が実装される。そして、基板85bには図示しない電力を供給する電源線が接続され、電源基板を構成している。
基板85aは、加熱コイルユニット左25b用のダクト63a,63d内、中央加熱ユニット15用のダクト64a内に設けられている。基板85aは、図12に示すようにグリル加熱部4の天面に当たるロースター枠4aの上面に支持枠82を載置して、支持枠
82の上に基板85aを固定する。支持枠82を介すことで、グリル加熱部4からの輻射熱による基板85aの加熱を抑制する。
以上の構成からなる誘導加熱コイルを冷却する冷却空気の流れについて説明する。
冷却ファン50の駆動により、冷却風が吐出口51を通じてダクト62aを流れる過程において、分岐ガイド62bにより冷却風の流れが加熱コイルユニット左25bの方向に偏向され、ダクト63aとダクト84aの入口に供給される。ダクト64aを通り、通気口84bに供給される過程で基板85aの発熱部に冷却効果を付与する。基板85aを通過した冷却風は、中央加熱ユニット15に吹き付けられ、加熱コイル中央13cの上面を冷却する。
一方、吐出口52,53を通して基板60を冷却した冷却風は上方に向かい、通気口
62c,通気口61a及び通気口61dを通る。通気口61dから供給された冷却風はダクト84d通じて通気口84cに流れて加熱コイル13cの下面に吹き出され、これを冷却する。
加熱コイルユニット左25b用のダクト63a,63d内に載置している基板85bの冷却は図13に示したものと同様である。
以上のように、本実施例によれば、3個の加熱コイル13a,13b,13cの上面と下面に同時に冷却風を供給して冷却効果を付与することができるとともに、誘導加熱コイルのインバータ制御回路や電源回路などの電子部品の一部をロースター上部の空間で実装と冷却を兼ね備えた冷却構造を有することで、インバータ制御回路の大型化や部品点数の増加した基板を本体内部に収納することができる。これによって、3個の非磁性体鍋に対応した誘導加熱コイルを搭載した誘導加熱調理器を提供することができる。
本実施例では、基板85a,85bとに分割した構成としているが、基板の小型化を図り基板85aもしくは基板85bの何れかのみに各部品を実装するようにとしても良い。 また、基板85a,85bに実装される部品は、この実施例のものに限定されるものではなく、誘導加熱調理器に構成に応じて適宜選択してもよい。
1…システムキッチン、2…本体、3…プレート、4…グリル加熱部、5…操作パネル、6…載置部、9…上面操作部、10…上面表示部、12…ロースター操作部、13…加熱コイル、25…加熱コイルユニット、50…冷却ファン、51,52,53…吐出口、60,80,83,85…基板、61…基板ケース、62,63,84…通気口カバー、82…支持枠。