JP4907942B2 - トランジスタおよび電子デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、酸化亜鉛(ZnO)の活性層を有するトランジスタに関するものであり、電子デバイスに用いられるスイッチング素子に好適なトランジスタおよびそれを用いた電子デバイスに関するものである。
近年、液晶表示装置や有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置など薄型表示装置(フラットパネルディスプレイ;FPD)の利用が急速に発展している。これらの薄型表示装置の中でも特に、高品位の表示が可能なアクティブマトリクス型表示装置には、アモルファスシリコンTFT(薄膜トランジスタ)やポリシリコンTFTなどが用いられている。
ところが、これらの材料は可視光領域に光導電性を有しているため、光が照射されるとキャリアが生成されて抵抗が低下し、表示品位の低下を招く。そこで、金属被膜などの遮光層によって光を遮断することで光による抵抗を防止しているが、これによって有効表示面積が低下するので、バックライトを明るくする必要があり、エネルギーの利用効率が低くなってしまう。
このため、可視光領域に光導電性を有さない、透明なトランジスタが求められている。このようなトランジスタを形成するための透明なチャネル層の材料としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム亜鉛(MgxZn1-xO)、酸化カドミウム亜鉛(CdxZn1-xO)、酸化カドミウム(CdO)等が挙げられるが、これらの中でも、低温での作製においても比較的良い物性を示す半導体であることから、ZnOを用いたトランジスタが注目されている。
例えば、特許文献1では、トランジスタのチャネル層にZnO等の透明半導体を使用し、ゲート絶縁層にも透明絶縁性酸化物を使用して、トランジスタを透明にすることが記載されている。
また、特許文献2には、ZnOと基板との格子不整合を解消するために、ScAlMgO4あるいはZnO単結晶からなる基板上にZnOからなるチャネル層を形成することで、ZnOをチャネル層として用いた薄膜トランジスタの高性能化が可能であることが記載されている。
ところで、ZnOをベースとしたトランジスタのさらなる高性能化を図るためには、ZnOとの間で良好な界面を実現しうる絶縁層材料の開発が不可欠である。そこで、例えば非特許文献1には、絶縁層材料としてβ−LiGaO2を用いたヘテロ構造が提案されている。
また、非特許文献2には、ZnOとの格子整合性のよい材料としてMg1-xCaxOが記載されており、上記Mg1-xCaxOにおけるCa濃度xをx=0.7とすることで、ZnOと完全に格子整合できることが記載されている。
なお、非特許文献3には、MgO基板上にMg1-xCaxOを形成することが記載されている。また、特許文献3には、窒化ニオビウム(NbN)をMgOとCaOとの固溶体上にエピタキシャル成長させることが記載されている。
また、特許文献4には、Si基板と、Si基板上に形成された、MgO,CaO,SrO,BaO,またはこれらを含む固溶体のうち少なくとも1種からなるNaCl構造の金属酸化物のバッファ層と、該バッファ層上に立方晶(100)配向または擬立方晶(100)配向でエピタキシャル成長により形成された、ペロブスカイト構造の金属酸化物を含む導電性酸化物層とを有する電子デバイス用基板が開示されている。
また、特許文献5には、表面がアモルファス状態の基板上に、MgO,CaO,SrO,BaO,またはこれらを含む固溶体のうち少なくとも1種からなるNaCl構造の金属酸化物のバッファ層と、該バッファ層上に形成されたペロブスカイト構造を有する金属酸化物を含む導電性酸化物層とを有する電子デバイス用基板が開示されている。
特開2000−150900号公報(公開日:2000年5月30日) 特開2002−277534号公報(公開日:2000年10月6日) 米国特許第4768069号明細書 特開2003−163176号公報(公開日2003年6月6日) 特開2004−002150号公報(公開日2004年1月8日) I,Ohkubo et al, "Heteroepitaxial growth of β-LiGaO2 thin films on ZnO", J.Appl.Phys. volume92 , number9 , p.5587, 2002 J.Nishii, M.Kawasaki, et al,"High-throughput Synthesis and Characterization of Mg1-xCaxO film as a Lattice and Valence-matched Gate Dielectric for ZnO Based Field Effect Transistors", The Third Japan-U.S. Workshop on Combinational Materials Science, 2004 E.S.Hellman, E.H.Hartford,Jr, "Epitaxial solid-solution films of immiscible MgO and CaO", Appl.Phys.Lett.64(11), p.1341, 14 March 1994
しかしながら、上記非特許文献1の技術では、ヘテロ界面での電荷不整合のために、十分なトランジスタ特性の改善効果が得られない。
また、非特許文献2では、ゲート絶縁層としてMg1-xCaxOを用いることが開示されている。しかしながら、Mg1-xCaxOは熱平衡下ではほとんど固溶しないので、Mg1-xCaxOは薄膜でしか得られない。このため、Mg1-xCaxO単体ではトランジスタのゲート絶縁層として用いることが困難な場合がある。
また、非特許文献3および特許文献3〜5には、ZnOの格子整合性については何ら記載されていない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、チャネル層としてZnOを用いたトランジスタにおいて、チャネル層界面における電荷整合性および格子整合性を向上させてトランジスタの高性能化を図ることにある。
本発明のトランジスタは、上記の課題を解決するために、基板と、ZnOからなるチャネル層と、上記チャネル層に接続されたソース電極およびドレイン電極と、上記チャネル層との間にゲート絶縁層を介して備えられるゲート電極とをそなえてなるトランジスタであって、上記チャネル層における上記ゲート絶縁層側の界面にMg1-xCaxO(0.2<x<0.8)からなる界面改質層が設けられていることを特徴としている。
一般に、Mg1-xCaxOは熱平衡下ではほとんど固溶しないので薄膜でしか形成できない。このため、Mg1-xCaxO単体ではゲート絶縁層として用いることが困難な場合がある。そこで、上記の構成では、Mg1-xCaxOをチャネル層の界面改質層として用い、この界面改質層を介してゲート絶縁層を形成する。これにより、チャネル層におけるゲート絶縁層側の界面の格子整合性および電荷整合性を向上させることができる。その結果、トランジスタのS値(金属の仕事関数に対してショットキー障壁高さの変化する割合)、電界効果移動度、Off電流(ゲート電圧を印加しないときにソース電極−ドレイン電極間に流れる電流)、On/Off比(ゲート電圧の印加によるソース電極−ドレイン電極間の電流増幅率)を向上させることができる。
なお、上記界面改質層は、Mg0.42Ca0.58Oであることが好ましい。
上記非特許文献2では、Mg1-xCaxOの組成をx=0.7とすることで、ZnOと完全格子整合できるとしている。しかしながら、本願発明者らが詳細に検討した結果、x=0.7では完全に格子整合させることができず、ZnOと完全格子整合させるためには、x=0.58あるいはその近傍の値にすることが必要であることが明らかになった。したがって、Mg1-xCaxOにおけるCa濃度xを0.58とすることにより、ZnOからなるチャネル層との格子整合性を向上させることができる。
また、上記トランジスタを、上記基板側から見て、チャネル層、ゲート絶縁層、ゲート電極がこの順で配置されている構造、すなわちトップゲート構造としてもよい。
また、トップゲート構造にする場合、上記基板と上記チャネル層との間にバッファ層が形成されており、上記チャネル層が、上記バッファ層上に形成されている構成としてもよい。
上記の構成によれば、バッファ層上にチャンル層としてのZnOを形成することにより、ZnOの結晶性を向上させ、トランジスタの特性をさらに向上させることができる。
また、上記バッファ層は、ZnOの結晶性を向上させることができ、かつ、電気抵抗値が高いことが好ましい。このようなバッファ層としては、例えば、アニール処理を施したMgZnOを用いることができる。
また、上記トランジスタを、上記基板側から見て、ゲート電極、ゲート絶縁層、チャネル層がこの順で配置されている構造、すなわちボトムゲート構造としてもよい。上記の構成では、トランジスタの製造工程において、界面改質層上にチャネル層を形成することになる。この場合、上記界面改質層をZnOの配向制御手段として機能させることができる。これにより、Mg1-xCaxOからなる界面改質層によって、チャネル層界面の格子整合性,電荷整合性を向上させるとともに、界面改質層上に形成されるZnOの配向性を向上させることができる。
また、ボトムゲート構造にする場合、上記チャネル層における上記ゲート絶縁層側とは反対側の界面に、Mg1-xCaxO(0.2<x<0.8)からなる第2界面改質層が設けられている構成としてもよい。
これにより、チャネル層におけるゲート絶縁層側とは反対側の界面の電荷整合性を向上させることができ、トランジスタの性能をさらに向上させることができる。
また、上記チャネル層は、単結晶ZnOであってもよく、多結晶ZnOであってもよい。
本発明の電子デバイスは、上記したいずれかのトランジスタを備えている。これにより、電子デバイスの性能を向上させることができる。
また、上記電子デバイスは、表示装置または画像読取装置であって、上記トランジスタが、画素電極への画像信号の書き込みまたは読み出しを制御するために当該画素電極に接続されている構成としてもよい。例えば、上記電子デバイスがアクティブマトリクス型の表示装置(例えば、液晶表示装置や有機EL表示装置)である場合、駆動回路から画素電極に画像信号を書き込む際に上記トランジスタをONさせる。また、上記電子デバイスが例えばイメージセンサのような画像読取装置の場合、画素電極に取り込まれた画素信号を読み出す際にトランジスタをONさせる。このように、画像表示や画像読み取りのための電子デバイスに上記トランジスタを用いることにより、これらの電子デバイスの高性能化を図ることができる。また、可視光に対して透明なZnOをチャネル層として用い、Mg1-xCaxOを界面改質層に用いた性能のよいトランジスタを備えることにより、表示装置の表示領域あるいは画像読取装置の画像読取領域を広げることができる。
以上のように、本発明のトランジスタは、上記チャネル層における上記ゲート絶縁層側の界面にMg1-xCaxO(0.2<x<0.8)からなる界面改質層が設けられている。
これにより、チャネル層におけるゲート絶縁層側の界面の格子整合性および電荷整合性を向上させることができるので、トランジスタのS値、電界効果移動度、Off電流、On/Off比等の特性を向上させることができる。
また、上記のトランジスタを電子デバイスに適用することにより、電子デバイスの性能を向上させることができる。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる半導体装置であるトランジスタ(電界効果トランジスタ;FET)1の概略構成を示す断面図である。
この図に示すように、トランジスタ1は、基板2と、基板2上に形成されたバッファ層3と、バッファ層3上に形成されたチャネル層(半導体層)4と、チャネル層4上に所定の間隔を隔てて形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、チャネル層4上のソース電極5,ドレイン電極6以外の領域に形成された界面改質層7と、ソース電極5,ドレイン電極6,界面改質層7上に形成されたゲート絶縁層8と、ゲート絶縁層8上に形成されたゲート電極9とを備えている。なお、トランジスタ1のチャネル幅Wは50μmであり、チャネル長Lは20μmである。
基板2としては、ScAlMgO4(SCAM)を用いている。基板厚さは特に限定されるものではないが、本実施形態では約100μmの基板を用いた。ScAlMgO4はZnO(酸化亜鉛)との格子整合性が高いので、ScAlMgO4からなる基板2上にZnOを高品質でエピタキシャル成長させることができる。なお、ScAlMgO4に代えて単結晶ZnOを用いても略同様の効果が得られる。また、基板2は、ScAlMgO4や単結晶ZnOに限るものではなく、他の材料からなる基板を用いてもよい。
バッファ層3は、基板2上に(0001)配向するようにエピタキシャル成長させたZnOをアニール処理したものであり、厚さ20nmで形成されている。なお、アニール処理については、大気中において、アニール温度1000℃、アニール時間1時間とした。
チャネル層4は、バッファ層3上に(0001)配向するようにエピタキシャル成長させたZnO(単結晶ZnO)からなり、厚さ200nmに形成されている。
界面改質層7は、チャネル層4としてのZnO上に(111)配向するようにエピタキシャル成長させた厚さ200nmのMg1-xCaxOからなる。ここで、xはMg1-xCaxOにおけるCa濃度を表す値であり、トランジスタ1ではx=0.58としている。すなわち、本実施形態では、界面改質層7としてMg0.42Ca0.58Oを用いている。
ソース電極5,ドレイン電極6,ゲート電極9としては、アルミニウムAlとチタニウムTiの合金を用いている。ただし、ソース電極5,ドレイン電極6,ゲート電極9の材質はこれに限るものではなく、適宜変更してもよい。例えば、In23、SnO2、(In−Sn)Oxなどの透明導電体を用いてもよく、その場合には、可視光に対して透明な部分の面積がより広いトランジスタを形成できる。
ゲート絶縁層(ゲート絶縁膜)8は、厚さ500nmの非結晶酸化アルミニウムa−AlOxからなり、ソース電極5,ドレイン電極6,界面改質層7上に形成されている。なお、ゲート絶縁層8はこれに限るものではなく、種々の絶縁膜材料を用いることができる。
次に、トランジスタ1の製造方法について説明する。
まず、厚さ50nmの(0001)配向したScAlMgO4からなる基板2上に、レーザーMBE法によって厚さ20nmのZnOを(0001)配向するようにエピタキシャル成長させる。図2は、本実施形態で用いたレーザーMBE装置の概略構成を示す断面図である。成長条件は特に限定されるものではないが、本実施形態では、ZnO結晶をターゲットとし、成長温度700℃、レーザー繰り返し周波数5Hz、レーザーパワー1J/cm2、酸素分圧1×10-6Torrとした。なお、上記レーザーとして、波長λ=248nmのKrFエキシマレーザーを用いた。
次に、上記のようにZnOをエピタキシャル成長させた基板2をアニール処理(熱処理)することにより、バッファ層3を形成する。
次に、バッファ層3上にレーザーMBE法によって厚さ200nmのZnOを(0001)配向するようにエピタキシャル成長させてチャネル層4を形成する。なお、成長条件はバッファ層3を形成するためにエピタキシャル成長させた上記ZnOと同様である。
次に、チャネル層4上の所定の領域(ソース電極5およびドレイン電極6を形成しない領域)にフォトリソグラフィ工程によってレジストを形成し、Ar+等を用いてエッチングを行い、チャネル層4を所定の形状にパターニングする。
次に、電子線真空蒸着(electron beam evapolation)およびリフトオフ(lift-off)技術を用いてAl(膜厚30nm)およびTi(膜厚20nm)からなるソース電極5およびドレイン電極6を形成する。あるいは、RFマグネトロンスパッタリングなどによって形成してもよい。
次に、ソース電極5およびドレイン電極6上にレジストを形成するとともに、チャネル層4上にレーザーMBE法によって厚さ200nmのMg0.42Ca0.58Oを(111)配向するようにエピタキシャル成長させて界面改質層7を形成する。なお、本実施形態では、MgO粉末とCaO粉末とを混合・焼結したターゲットを用い、成長温度400℃、レーザー繰り返し周波数10Hz、レーザーパワー1J/cm2、酸素分圧1×10-6Torrの成長条件でのMg0.42Ca0.58Oをエピタキシャル成長させた。レーザーは、上記したZnOの形成時と同じものを用いた。
その後、界面改質層7上にa−Al23からなるゲート絶縁層8を形成し、さらにその上にAu(膜厚100nm)およびTi(膜厚10nm)からなるゲート電極9を形成してトランジスタ1を完成させる。
一般に、Mg1-xCaxOは熱平衡下ではほとんど固溶しないことが知られている。このため、上記の焼結体ターゲットはMgOおよびCaOに相分離した。しかしながら、薄膜では、ZnO(0001)上に(111)配向した単相の固溶体(Mg0.42Ca0.58O)が得られた。
図3は、ScAlMgO4からなる基板上にZnOをエピタキシャル成長させ、さらにその上にMg1-xCaxOをエピタキシャル成長させた基板のX線回折測定(XRD)の結果を示すグラフである。なお、図中に示した破線は、MgOとCaOとをそれぞれ50%の割合で混合した焼結体(標準試料としてSiを混ぜている)のX線回折測定の結果を示している。この図に示すように、ScAlMgO4上にZnOおよびMg1-xCaxOをエピタキシャル成長させた基板のX線回折測定の結果には、MgOおよびCaOに帰属する回折ピークは見られなかった。
図4は、Mg1-xCaxOにおけるCa濃度xを0.64とした場合、および、0.50とした場合の、X線回折測定の結果を示すグラフである。この図に示すように、MgO(111)の回折ピークとCaO(111)の回折ピークとの間に、Ca濃度xに依存して回折角度が変化するMg1-xCaxOの回折ピークが発現した。このことは、Ca濃度を調整することにより、Mg1-xCaxOの格子定数を変化させられることを示している。
図5は、サファイア(c-sapphire)基板上に膜厚20nmのZnOをエピタキシャル成長させ、その上に膜厚200nmのMg1-xCaxOをエピタキシャル成長させたサンプルを用いてターゲット(MgO−CaOの焼結体ターゲット)のCa濃度とMg1-xCaxO薄膜のCa濃度との関係を調べた結果を示すグラフである。具体的には、Ca濃度0.38,0.48,0.56の3通りの焼結体ターゲットを用いて、成長温度を室温とした場合および400℃とした場合のそれぞれについて、レーザー繰り返し周波数10Hz、レーザーパワー1J/cm2、酸素分圧1×10-6Torrの成長条件でレーザーMBE法によってエピタキシャル成長させた。なお、図5に示す例では、ICP(Inductivity coupled plasma atomic emission spectroscopy)によってターゲットの組成同定を行った。
この図に示すように、若干の組成ずれは認められるものの、各Mg1-xCaxO薄膜の組成は、ターゲットの組成とほぼ一致した。また、各薄膜の成長速度もほぼ一致した。このことから、成膜時にMgおよびCaの再蒸発はほとんど起こっていないと考えられる。
図6は、ZnO上にCa濃度xを基板上の位置に応じて変化させながらエピタキシャル成長させたMg1-xCaxO薄膜(組成傾斜膜)のX線回折測定の結果、および、該Mg1-xCaxO薄膜の格子定数を示すグラフである。なお、格子定数は面直(基板面法線方向)のX線回折測定結果のデータから計算した。また、上記の組成傾斜膜は、図7に示すように、ターゲットと基板との間に可動マスク(movavle mask)を配置し、この可動マスクを適宜移動させながらレーザーMBEを行って形成した。
この図に示すように、0.2<x<0.8の範囲で(111)単一配向したMg1-xCaxO薄膜が得られた。また、Ca濃度の増加に応じて格子定数が連続的に増加する結果が得られた。なお、異相やMgO,CaOの析出は認めらなかった。
図8(a)はMg1-xCaxOの結晶構造を示すモデル図であり、図8(b)はZnOの結晶構造を示すモデル図である。これらの図に示すように、Mg1-xCaxOは岩塩(Rock-salt)型、ZnOはウルツ鉱(Wurtzite)型の結晶構造を示す。また、Mg1-xCaxOにおいてはMg2+,Ca2+が存在し、ZnOにおいてはZn2+が存在するので、ZnOとMg1-xCaxOとは電荷整合する。また、ZnOの格子定数aWZは3.250Åであり、Mg1-xCaxOの格子定数aRSはCa濃度xに応じて4.211Å〜4.811Åの間で変化する。
図8(c)は、ZnO上にMg1-xCaxOをエピタキシャル成長させるときの界面の様子を示す説明図である。この図に示すように、ZnOの(0001)面上にMg1-xCaxOの(111)面が配置されることになる。したがって、Mg1-xCaxOの格子定数aRSに√2/2を掛けた値、すなわちaRS×√2/2がZnOの格子定数と一致させれば、ZnOとMg1-xCaxOとを格子整合させることができる。
図9は、Mg1-xCaxOにおけるCa濃度xの値と、(√2/2)aRSとの関係を示すグラフである。この図に示すように、(√2/2)aRSの値はCa濃度xに比例する。そして、計算上では、x=0.64の時に(√2/2)aRSの値がZnOの格子定数3.250Åに一致し、格子不整合率(Lattice mismatch)が0%になる。
図10は、Ca濃度x=0.58,0.53,0.43の各Mg1-xCaxOについて、逆格子空間マッピングを行った結果を示している。なお、ここでは、サファイア(c-sapphire)基板上に膜厚20nmのZnOをエピタキシャル成長させ、その上に膜厚200nmのMg1-xCaxOをエピタキシャル成長させたサンプルを用いた。
この図に示すように、x=0.58のときにZnO(105),Mg1-xCaxO(242),Mg1-xCaxO(331)のQx(rlu)が一致し、面内格子整合が得られた。そして、x=0.53,0.43の場合には、x=0.58とのxの差が大きくなるほど面内格子整合性が低下していった。この結果に基づいて、トランジスタ1では、界面改質層7におけるMg1-xCaxOのCa濃度xを0.58としている。
次に、トランジスタ1の特性について、本実施形態にかかる半導体装置の一変形例であるトランジスタ1a、および、比較用トランジスタ101の特性と比較して説明する。
図11は、トランジスタ1aの概略構成を示す断面図である。この図に示すように、トランジスタ1aは、バッファ層3を備えない以外は、トランジスタ1と同様の素子構成である。ただし、トランジスタ1aでは、界面改質層7として形成したMg1-xCaxOの組成(Ca濃度x)の同定を行っていない。また、各層の膜厚およびチャネル幅W,チャネル長Lがトランジスタ1と異なっている。具体的には、トランジスタ1aは、幅W=60nm,長さL=220nmであり、チャネル層4(ZnO)の膜厚は200nm、界面改質層7(Mg1-xCaxO)の膜厚は50nm、ゲート絶縁層8(a−AlOx)の膜厚は500nmである。
図12は、比較用トランジスタ101の概略構成を示す断面図である。この図に示すように、比較用トランジスタ101は、界面改質層7を備えていない以外はトランジスタ1aと同様の構成である。つまり、比較用トランジスタ101は、バッファ層3および界面改質層7を備えていない。
図13(a)〜図13(c)は、それぞれ、トランジスタ1,トランジスタ1a,比較用トランジスタ101の伝達特性を示すグラフであり、横軸はゲート電圧Vg(V)、縦軸(左側)はId(A),Ig(A)、縦軸(右側)はId1/2(×10-31/2)を示している。
図14(a)はトランジスタ1および1aの出力特性を示すグラフであり、図14(b)は比較用トランジスタ101の出力特性を示すグラフである。なお、横軸にドレイン−ソース間電圧Vds(V)、縦軸にドレイン電流Id(μA)を取っている。
表1は、トランジスタ1,トランジスタ1a,比較用トランジスタ101の特性をまとめた一覧表である。
表1に示すように、トランジスタ1,1aのS値(サブスレッショルド係数;subthreshold voltage swing)は、比較用トランジスタ101のS値に対して1/3以下に減少している。このことから、チャネル層4としてZnO上に界面改質層7としてMg1-xCaxOを形成することにより、ZnO界面における格子整合性,電荷整合性を向上させることができ、S値を大幅に改善できることがわかる。
なお、S値とは、サブスレッショルド領域での立ち上がり特性を表す値である。ゲート電圧がしきい値電圧以下で、半導体表面における反転状態が弱い場合のドレイン電流特性をサブスレッショルド(subthreshold)特性とよび、このサブスレッショルド特性の良好さを評価するパラメータとしてサブスレッショルド係数を用いる。S値は、1桁のドレイン電流の変化に必要なゲート電圧であり、S=dVg/dlog(Id)(単位:volt/decade)で定義される。
また、Mg1-xCaxOにおけるCa濃度xをx=0.58とすることにより(あるいはxを0.58に近い値にすることにより)、ZnOとMg1-xCaxOとの格子整合性をより向上させることができ、S値をさらに改善できることがわかる。
また、Mg1-xCaxOにおけるCa濃度xをx=0.58とすること(あるいはxを0.58に近い値にすること)、および、基板2とチャネル層4(ZnO)との間にバッファ層3を設けることにより、移動度(電界効果移動度)を向上させることができる。これは、バッファ層3を設けることによってZnOの結晶性を向上させることができたためと考えられる。
また、トランジスタ1aでは、Mg1-xCaxOからなる界面改質層7を設けることにより、比較用トランジスタ101よりもOff電流(チャネルが閉じているときのドレイン電流)を低減させ、On/Off比(On電流とは、トランジスタの動作電圧時の電流値)を大きくできた。
なお、トランジスタ1では、トランジスタ1aに比べてOff電流が大きくなっており、それに伴ってOn/Off比が低下している。これは、バッファ層3(アニールしたZnO)の抵抗値が低いこと、および、トランジスタ1の方がトランジスタ1aよりも素子サイズが小さいことに起因していると考えられる。
そこで、ScAlMgO4からなる基板上に、アニール処理したMgZnOからなるバッファ層3を形成し、その上に膜厚200nmのZnOをエピタキシャル成長させてチャネル層4とし、さらにその上に界面改質層7として膜厚100nmのMg0.42Ca0.58Oをエピタキシャル成長させたトランジスタ1を、幅Wおよび長さLの値を代えて複数個作成し、それらの特性を調べた。なお、上記MgZnOに施したアニール処理については、大気中において、アニール温度1000℃、アニール時間1時間とした。
具体的には、図15に示すように、(W×L)=(15×5),(15×20),(15×50),(50×5),(50×20),(50×50)の6種類のトランジスタ1を複数個ずつ作成してその特性を調べた。なお、図15において、×印は製造工程(プロセス)において壊れた素子(トランジスタ)、▲印は動作不安定な素子、●印は移動度100cm2/V・s以上200cm2/V・s未満の素子、■印は移動度200cm2/V・s以上の素子を示している。この図に示すように、バッファ層3としてアニールしたMgZnO(ZnOよりも抵抗値が高い)を用いる場合、素子サイズにもよるが200cm2/V・s以上の移動度を実現できた。
また、図16(a)はバッファ層3としてアニール処理したMgZnOを形成した上記トランジスタ1の伝達特性を示すグラフであり、図16(b)は当該トランジスタ1における電界効果移動度のゲート電圧特性を示すグラフである。この図に示すように、S=0.2、Off電流10-11A、On/Off比107という特性が得られた。したがって、バッファ層3は、当該バッファ層3上にエピタキシャル成長させるZnOの結晶性を向上させることができ、かつ、高抵抗な材質であることが好ましい。
なお、バッファ層3は、上記したZnO,MgZnOに限るものではない。例えば、ZnOに固溶し、ZnOとの格子整合性が高く、高バンドギャップ化(高抵抗化)できる元素を用いることができる。例えば、MgCaOをバッファ層として用いてもよい。
なお、本実施形態にかかるトランジスタ1,1aでは、チャネル層4上におけるソース電極5およびドレイン電極6の形成されていない領域に界面改質層7を形成しているが、これに限るものではない。例えば、図17に示すように、チャネル層4としてのZnOと界面改質層7としてのMg1-xCaxOとを連続して成膜し、その上にソース電極5およびドレイン電極6を形成してもよい。
また、本実施形態では、主に、トップゲート構造(基板2から遠い側、すなわち表面側にゲート電極が設けられた構造)のトランジスタ1,1aについて説明したが、これに限るものではない。例えば、図18に示すように、ボトムゲート構造(基板2側にゲート電極が設けられた構造)のトランジスタ1bとしてもよい。
図18に示す例では、基板2上にゲート電極9が所定の形状で形成され、基板2およびゲート電極9を覆うようにゲート絶縁層8が設けられ、ゲート電極9上の領域にゲート絶縁層8を介して界面改質層7としてMg1-xCaxOが設けられている。さらに、界面改質層7上にチャネル層4としてZnOをエピタキシャル成長されている。そして、チャネル層4の両端部にソース電極5およびドレイン電極6が設けられている。
なお、この構成では、界面改質層7を(111)配向するように形成することが好ましい。これにより、界面改質層7としてのMg1-xCaxOを、ZnOの配向制御を行う配向膜として機能させることができる。
また、この構成では、基板2は、ZnOのエピタキシャル成長の成長温度700℃に耐えうる耐熱性があればよく、ZnOとの格子整合性等は必ずしも考慮する必要がない。したがって、基板材料の選択性を拡大することができる。
また、ボトムゲート構造のトランジスタとする場合、チャネル層4における基板側の面(チャネル面)だけでなく、チャネル層4における基板2とは反対側の面(バックチャネル側)にも界面改質層としてMg1-xCaxO膜を設けてもよい。図19は、このようにバックチャネル側にも界面改質層7aを設けたトランジスタ1cの構成を示す断面図である。このように、バックチャネル側に界面改質層7aを設けることにより、電荷整合性を向上させることができる。
また、本実施形態では、主に、チャネル層4として単結晶ZnOを用いる場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、上記した各トランジスタ(1,1a〜1c)において、チャネル層4として多結晶ZnOを用いてもよく、その場合には、チャネル層4としての多結晶ZnOおよび界面改質層7,7aとしてのMg1-xCaxOを300℃以下で成膜すればよい。
また、本実施形態にかかる上記各トランジスタは、例えば、アクティブマトリクス型の表示装置(例えば液晶表示装置、有機EL表示装置等;電子デバイス)における各画素に備えられるスイッチング素子として用いることができる。図20は、トランジスタ1を各画素(PIX)37に備えてなる液晶表示装置200の概略構成を示すブロック図である。また、図21は、液晶表示装置200における各画素の構成を示す等価回路図である。
HYPERLINK "JP-A-2005-33172.files/000014.gif" 図20に示すように、液晶表示装置200は、アクティブマトリクス型の液晶表示装置であって、画素アレイ31と、ソースドライバ32と、ゲートドライバ33と、制御回路34と、電源回路35とを備えている。
画素アレイ31、ソースドライバ32およびゲートドライバ33は、基板36上にモノリシックに形成されている。基板36は、例えばガラスなどの絶縁性かつ透光性を有する材料により形成されている。画素アレイ31は、ソースラインSL…と、ゲートラインGL…と、画素37…とを有している。
画素アレイ31においては、多数のゲートラインGLj,GLj+1,…と多数のソースラインSLi,SLi+1,…とが互いに交差する状態で配されており、隣接する2本のゲートラインGL,GLと隣接する2本のソースラインSL,SLとで包囲された部分毎に画素(PIX)37が設けられている。このように、画素37…は、画素アレイ31内でマトリクス状に配列されており、1列当たりに1本のソースラインSLが割り当てられ、1行当たりに1本のゲートラインGLが割り当てられている。
液晶ディスプレイの場合、各画素31は、図21に示すように、スイッチング素子であるトランジスタ1と、液晶容量CLを有する画素容量CPとによって構成されている。一般に、アクティブマトリクス型液晶ディスプレイにおける画素容量CPは、表示を安定させるために、液晶容量CLと並行に付加された補助容量CSを有している。補助容量CSは、液晶容量CLやトランジスタ1のリーク電流、トランジスタ1のゲート・ソース間容量、画素電極・信号線間容量等の寄生容量による画素電位の変動、液晶容量CLの表示データ依存性等の影響を最小限に抑えるために機能する。
トランジスタ1のゲートは、ゲートラインGLjに接続されている。また、液晶容量CLおよび補助容量CSの一方の電極は、トランジスタ1のドレインおよびソースを介してソースラインSLjに接続されている。ドレインに接続される液晶容量CLの電極は、画素電極37aを形成している。液晶容量CLの他方の電極は、液晶セルを挟んで対向電極に接続され、補助容量CSの他方の電極は、全画素に共通の図示しない共通電極線(Cs on Common構造の場合)、または隣接するゲートラインGL(Cs on Gate構造の場合)に接続されている。
多数のゲートラインGLj,GLj+1…は、ゲートドライバ33に接続され、多数のデータ信号線SLi,SLi+1…は、ソースドライバ32に接続されている。また、ゲートドライバ33およびソースドライバ32は、それぞれ異なる電源電圧VGH,VGLと電源電圧VSH,VSLとにより駆動されている。
ソースドライバ32は、制御回路34により与えられた画像信号DATを制御回路34からの同期信号CKSおよびスタートパルスSPSに基づいてサンプリングして各列の画素に接続されたソースラインSLi,SLi+1…に出力するようになっている。ゲートドライバ33は、制御回路34からの同期信号CKG・GPSおよびスタートパルスSPGに基づいて各行の画素37…に接続されたゲートラインGLj,GLj+1…に与えるゲート信号を発生するようになっている。
電源回路35は、電源電圧VSH,VSL,VGH,VGL、接地電位COMおよび電圧VBBを発生する回路である。電源電圧VSH,VSLは、それぞれレベルの異なる電圧であり、ソースドライバ32に与えられる。電源電圧VGH,VGLは、それぞれレベルの異なる電圧であり、ゲートドライバ33に与えられる。接地電位COMは、基板36に設けられる図示しない共通電極線に与えられる。
トランジスタ1は、ゲートドライバ33からゲートラインGLjを介して与えられるゲート信号によってONすると、ソースドライバ32からソースラインSLi+1を介して与えられる画像信号を画素37(画素電極37a)に書き込む。
なお、液晶表示装置200において、トランジスタ1に代えてトランジスタ1a〜1cを用いてもよい。また、チャネル層4として単結晶ZnOを用いてもよく多結晶ZnOを用いてもよい。
また、表示装置の各画素に備えるトランジスタとして本実施形態にかかるトランジスタ(1,1a〜1c)を用いる場合、界面改質層7,7a、および、ゲート電極9,ソース電極5,ドレイン電極6のうちいずれか1つ以上を可視光に対して透明な電極材料で形成してもよい。これにより、可視光に対して透明な領域を拡大でき、表示装置の透過率を向上させることができる。
なお、本実施形態にかかるトランジスタは、アクティブマトリクス型の表示装置に限らず、例えば、イメージセンサなどの画像読取装置(電子デバイス)に備えられるスイッチング素子として用いることもできる。この場合、画素電極に取り込まれた画素信号を読み出す際にスイッチング素子をONさせることになる。また、本実施形態にかかるトランジスタは、表示装置や画像読取装置に限らず、各種の電子デバイスに適用できる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、チャネル層として酸化亜鉛を用いたトランジスタに適用できる。
本発明の一実施形態にかかるトランジスタの概略構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態において用いたレーザーMBE装置の概略構成を示す断面図である。 ScAlMgO4からなる基板上にZnOをエピタキシャル成長させ、さらにその上にMg1-xCaxOをエピタキシャル成長させた基板のX線回折測定の結果を示すグラフである。 ScAlMgO4からなる基板上にZnOをエピタキシャル成長させ、さらにその上にMg1-xCaxOをCa濃度x=0.64でエピタキシャル成長させた場合、および、x=0.50でエピタキシャル成長させた場合の、X線回折測定の結果を示すグラフである。 MgO,CaOの焼結体をターゲットとしてレーザーMBE法によってMg1-xCaxO薄膜をエピタキシャル成長させる場合の、ターゲットのCa濃度とMg1-xCaxO薄膜のCa濃度との関係を調べた結果を示すグラフである。 Mg1-xCaxO組成傾斜膜のX線回折測定の結果、および、該Mg1-xCaxO薄膜の格子定数を示すグラフである。 図6に示したMg1-xCaxO組成傾斜膜の製造方法を示す説明図である。 (a)はMg1-xCaxOの結晶構造を示すモデル図であり、(b)はZnOの結晶構造を示すモデル図である。(c)は、ZnO上にMg1-xCaxOをエピタキシャル成長させたときの界面の様子を示す説明図である。 Mg1-xCaxOにおけるCa濃度xの値と、(√2/2)aRSとの関係を示すグラフである。なお、aRSはMg1-xCaxOの格子定数である。 Mg1-xCaxOの逆格子空間マッピングの結果を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるトランジスタの変形例を示す断面図である。 図1および図11に示した本発明のトランジスタとの特性比較のために用いた、比較用トランジスタの概略構成を示す説明図である。 (a)は図1に示したトランジスタの伝達特性を示すグラフ、(b)は図11に示したトランジスタの伝達特性を示すグラフ、(c)は図12に示した比較用トランジスタの伝達特性を示すグラフである。 (a)は図1および図11に示したトランジスタの出力特性を示すグラフであり、(b)は図12に示した比較用トランジスタの出力特性を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるトランジスタにおける、チャネル幅Wおよびチャネル長Lと移動度の測定結果との関係を示した説明図である。 (a)は、図1に示したトランジスタ構造において、バッファ層としてアニール処理したMgZnOを用いた場合の伝達特性を示すグラフであり、(b)は当該トランジスタにおける移動度のゲート電圧特性を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるトランジスタの変形例を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかるトランジスタの変形例を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかるトランジスタの変形例を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかるトランジスタを備えた液晶表示装置(電子デバイス)の概略構成を示すブロック図である。 図20に示した液晶表示装置における各画素の構成を示す等価回路図である。
符号の説明
1,1a,1b,1c トランジスタ
2 基板
3 バッファ層
4 チャネル層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 界面改質層
7a 界面改質層
8 ゲート絶縁層
9 ゲート電極
RS Mg1-xCaxOの格子定数
wz ZnOの格子定数
x Mg1-xCaxOまたはMgO−CaO焼結体のCa濃度




Claims (11)

  1. 基板と、ZnOからなるチャネル層と、上記チャネル層に接続されたソース電極およびドレイン電極と、上記チャネル層との間にゲート絶縁層を介して備えられるゲート電極とをそなえてなるトランジスタであって、
    上記チャネル層における上記ゲート絶縁層側の界面にMg1-xCaxO(0.2<x<0.8)からなる界面改質層が設けられていることを特徴とするトランジスタ。
  2. 上記界面改質層は、Mg0.42Ca0.58Oであることを特徴とする請求項1に記載のトランジスタ。
  3. 上記基板側から見て、チャネル層、ゲート絶縁層、ゲート電極がこの順で配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のトランジスタ。
  4. 上記基板と上記チャネル層との間にバッファ層が形成されており、
    上記チャネル層は、上記バッファ層上に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のトランジスタ。
  5. 上記バッファ層は、アニール処理を施したMgZnOであることを特徴とする請求項4に記載のトランジスタ。
  6. 上記基板側から見て、ゲート電極、ゲート絶縁層、チャネル層がこの順で配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のトランジスタ。
  7. 上記チャネル層における上記ゲート絶縁層側とは反対側の界面に、Mg1-xCaxO(0.2<x<0.8)からなる第2界面改質層が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のトランジスタ。
  8. 上記チャネル層は、単結晶ZnOであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のトランジスタ。
  9. 上記チャネル層は、多結晶ZnOであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のトランジスタ。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のトランジスタを備えてなる電子デバイス。
  11. 上記電子デバイスは、表示装置または画像読取装置であって、
    上記トランジスタが、画素電極への画像信号の書き込みまたは読み出しを制御するために当該画素電極に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の電子デバイス。

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