JP4907845B2 - 送出燃料ガスの発熱量調整方法、熱量安定化方法及びそのための装置 - Google Patents

送出燃料ガスの発熱量調整方法、熱量安定化方法及びそのための装置 Download PDF

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Description

本発明は、送出燃料ガスの発熱量調整方法、熱量安定化方法及びそのための装置に関し、より詳しくは、燃料ガスを需要家向けに送出するか、若しくは自家用に使用するに際して、その熱量や燃焼性を調整して送出する燃料ガスの発熱量調整方法及びそのための装置に関し、また、需要家へ供給する燃料ガスの熱量安定化方法及び燃料ガスの熱量安定化装置を備えたガス燃焼機器に関する。
炭化水素系の燃料ガスとして都市ガスや天然ガスなどがある。このうち、都市ガスは、メタンを主成分とする液化天然ガス(Liquefied Natural Gas、本明細書及び特許請求の範囲中、適宜「LNG」と略称する)の気化ガスに、発熱量や燃焼性を調整するために、エタン、プロパン、ブタンなどの重質炭化水素ガスを主成分とする液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas、本明細書及び特許請求の範囲中、適宜「LPG」と略称する)が添加されている。例えば13Aといわれる都市ガスの組成は、一例としてメタン=87.8%(容量%、以下同じ)、エタン=5.9%、プロパン、ブタン等=6.3%であり、このほかDMS等の付臭剤が数volppmレベル添加されている。都市ガスは、その製造工場からパイプライン、すなわち基幹パイプラインを経由して、都市ガス導管網の供給ラインを通して工業用や家庭用の燃料として供給されている。
ところで、近年、ガス料金の低廉化への要請が高まり、高価なLPGを添加せずにガス送出を行う未熱調送出の可能性、すなわち都市ガスを発熱量や燃焼性を調整せずに送出することが検討されている。この場合でも、LNGボイルオフガス若しくはLNGボイルオフガス比率の高いLNG気化ガスは、発熱量、燃焼性が低く、所定の燃焼性、発熱量の範囲を逸脱するため、発熱量調整を行って送出する必要がある。また、産地によってはLNGの発熱量、燃焼性自体が低く、発熱量調整が必要となる場合もある。
ここで、所定の燃焼性、発熱量の範囲とは、所定の燃焼機関やガス機器が良好に燃焼可能な範囲のことをいう。例えば、ガス事業においては、送出ガスの発熱量、燃焼性に変動があってもガス燃焼機器が良好に燃焼できる範囲を互換域と呼び、互換域は使用する原料やガス送出設備等により複数存在する。また、ガス事業法によれば所定のガスグループの範囲内のガスを供給しなければならない。さらには、ガスグループの範囲内においてガス事業者が自主的に送出ガスの燃焼性、発熱量を管理していることもある。
従来技術では、発熱量や燃焼性を調整しない未熱調の送出となった場合でも、送出燃料ガスの発熱量が所定の発熱量範囲以下となった場合には、LNGよりも高価なLPGを添加し、送出ガスの発熱量を高める必要があり、そのため送出燃料ガスの原料費が大幅に上昇する。また、LNG関連の設備に加えて、発熱量調整用のLPG関連の設備をLNG関連の設備とは別個独立に、少なくとも一系統保有する必要があり、そうすると高額な設備投資費や設備維持管理費に加え、LPG系統のオペレーション要員、保安要員の確保も必要となる。
さらに、従来技術では、LPGをスチーム等の熱源で加熱してLNGの気化ガスに添加している。このため、熱源関連の諸費用、例えばスチーム使用の場合、スチームを発生、製造するためのボイラー、水処理設備関連の諸費用が必要となる。加えて、現状技術では、送出ガスの発熱量が一定値以上となったときに、その発熱量を低下させることはできず、オーバースペックつまり所定の発熱量以上の燃料ガスを送出することになってしまう。このほか、発熱量調整を必要としない範囲内であっても、送出ガス中のLNGボイルオフガス比率やLNG産地の違いに起因して送出ガスの発熱量変動が生じ、その送出ガスを利用する燃焼機関等に影響を与えることがある。この場合も、従来技術ではLPG添加による発熱量調整を行った後に送出することになる。
次に、天然ガスについては、天然ガスは、メタンを主成分とするが、その産地等の如何により、特に石油系天然ガスや構造性天然ガスでは、メタンより重質のエタン、プロパン、ブタンなどの炭化水素ガスが含まれている。天然ガスの組成は、一例としてメタン=90.38%(mol%、以下同じ)、エタン=4.55%、プロパン=3.31%、i−ブタン=0.73%、n−ブタン=0.94%、i−ペンタン=0.03%、n−ペンタン=0.01%、窒素等=0.05%である。天然ガスを需要家に供給する場合、ガス導管が敷設されていない地域の大口需要家に対しては、小規模なガス送出拠点(以下、サテライト基地という)を設置してガス送出を行っている。サテライト基地には、その設置目的に対応して、ガス送出に必要なLNG貯槽、LNG気化器、その他防災設備等が設置されている。図1はその態様を説明する図である。図1のとおり、港湾等のLNG受入基地からタンクローリー車等の輸送手段で輸送されたLNGはサテライト基地のLNG貯槽に貯蔵され、LNG貯槽に貯蔵されたLNGは気化器で気化してガスエンジンその他、各種ガス燃焼機器に供給されて消費される。
ここで、サテライト基地のLNG貯槽と港湾等にあるLNG受入基地の大規模のLNG貯槽とは規模、仕様が異なる。サテライト基地のLNG貯槽は、受入基地の貯槽に比べて高圧の仕様で設計されており、一般的には、断熱外層にパーライト等の断熱材を充填し、これを常圧若しくは真空状態に保持する常温断熱の縦置円筒形の貯槽が使用されている。サテライト基地の当該LNG貯槽には、加圧蒸発器が隣接配置され、これによりLNG貯槽の圧力を概ね0.3〜0.9MPaGの範囲で制御しており、LNG受入基地の貯槽運転管理圧(10kPaG)に比べて圧力が高い。
前述のとおり、LNGは、その受入基地からのLNGを専用のタンクローリー(自動車)やタンクコンテナー(鉄道)等にて運搬され、サテライト基地のLNG貯槽に受け入れられる。その際、上述のとおりLNG貯槽の運転圧力が高いことから、その受け入れ後、LNG貯槽内のLNGは過冷却の状態で保持されることになり、LNG貯槽への侵入熱により、飽和温度に達するまでに十分な時間が確保されるため、サテライト基地ではボイルオフガスの発生は無視することができる。
ところで、サテライト基地のLNG貯槽に続き配置する気化器としては、空温式(エアフィン付き)の簡易な気化器が多用されている。図2はその液化天然ガス用のエアフィン付き空温式気化器の一例を示す図である。図2のとおり、伝熱フィンを付けた複数の伝熱管が配置され、それぞれ上下のヘッダー管に連結され、LNGを伝熱管中の下部から通すことで伝熱管外周の空気により蒸発させる。その蒸発は伝熱フィンにより促進される。
しかし、このようなエアフィン付き空温式気化器では、伝熱フィンへの着氷による出温低下により連続運転ができない。このため、通常、必要能力に対して150%以上の気化器台数を確保するのが一般的である。気化器は、適切な運転時間と解氷時間を設定し、一定時間毎に複数の気化器を順次切り替える運転を行っている。しかし、気化器の起動時には、少なからず出ガス(つまり需要家への供給ガス)の熱量変動、特に熱量上昇が生じる。
すなわち、天然ガスには、主成分であるメタンのほか、エタン、プロパン、ブタンなどの炭化水素ガスが含まれている。これに起因して、気化器では軽質のメタンやエタンが早めに蒸発するのに対して、重質のプロパンやブタンの蒸発が遅れ、その停止時にそれら重質成分が気化器の伝熱管内やその上流側の導管内に滞留し、これに起因して起動時に高い熱量の供給ガスが一定時間発生する。このような熱量変動は、多くの燃焼機器では問題とならないことが多いが、ガスエンジンなどのコージェネレーション機器では問題となる。
このため、現状では、気化器の下流に大容量のクッションタンクを設けて、熱量変動を緩和する措置が採られている。複数台の気化器のうちの一つを起動する分には、運転中気化器の出ガスによる希釈効果が得られるため熱量変動が緩和されるが、イニシアルスタート、すなわちガス供給量ゼロの状態からの気化器の立ち上げ時は、その熱量変動は極めて大きく、重質成分による熱量上昇により、需要家が使用している燃焼機器の種類、特にガスエンジンなどでは機器の運転に悪影響を与えるガスとなる場合がある。
前述のとおり、熱量上昇は、LNGに含まれている重質成分のうち主にプロパン、ブタンが、気化器若しくはその上流の一部導管内に滞留することによって引き起こされる。気化器の起動−停止は、気化器の上流部にある遮断弁の開閉によって行われ、その開閉は一般に遠隔操作が可能である。気化器の停止時は、この遮断弁を閉めて対応するものの、当該遮断弁から気化器に至る導管内にはLNGの液が残留することになる。
導管内に残存したLNGは外部からの入熱により気化され、自然に系外に送出されていくが、高沸点成分(プロパンやブタン、特にブタン)は導管内に液の状態で残留する傾向にあり、気化器起動時に遮断弁を開とした時に、導管内に滞留していた重質成分の液がLNGによって押し出されることで、局所的に高い熱量のガスが発生し、熱量上昇が発生する。また、気化器の起動−停止時は、気化器の上流部にある遮断弁に代えて、需要家サイドでのガス燃焼機器との関連で、気化器の下流部に設けられた圧力調整弁の開閉によって行う場合もあるが、この場合にも同様に熱量上昇が生じる。
本発明は、以上のような要請に応えるとともに、上記のような問題点を解決するためのものである。すなわち、本発明は、燃料ガスを送出するに際して、その発熱量や燃焼性を容易且つ確実に調整して送出する燃料ガスの発熱量調整方法及びそのための装置を提供することを目的とし、また、気化器からのガス出口側導管に吸着剤層を設置して出ガス熱量の上昇を抑制する燃料ガスの熱量安定化方法及びその吸着剤層を用いた燃料ガスの熱量安定化装置を備えたガス燃焼機器を提供することを目的とする。
本発明は、(1)送出燃料ガスの発熱量調整方法であって、送出する燃料ガス若しくはLNGを吸脱着塔に通して重質炭化水素を吸着剤に吸脱着させることで送出燃料ガスの発熱量変動を抑制し、安定した品質の燃料ガスを送出することを特徴とする送出燃料ガスの発熱量調整方法及びそのための装置を提供する。
本発明は、(2)送出燃料ガスの発熱量調整方法であって、送出する燃料ガスの発熱量が高いときに、LNG気化ガス若しくはLNGを吸脱着塔に通して重質炭化水素を吸着剤に吸着させることで送出ガスの発熱量を低め、送出ガスの発熱量が低いときに、LNGボイルオフガスを吸脱着塔に通して、吸着されていた重質炭化水素を脱着させて送出ガスの発熱量を高めることにより、送出燃料ガスの発熱量変動を抑制し、安定した品質の燃料ガスを送出することを特徴とする送出燃料ガスの発熱量調整方法及びそのための装置を提供する。
本発明は、(3)送出燃料ガスの発熱量調整方法であって、送出する燃料ガスの発熱量が高いときに、重質炭化水素の多い所定産地のLNG気化ガス若しくはLNGを吸脱着塔に通して重質炭化水素を吸着剤に吸着させることで送出ガスの発熱量を低め、送出ガスの発熱量が低いときに、重質炭化水素の少ない別の産地のLNG気化ガス若しくはLNGを吸脱着塔に通して、吸着されていた重質炭化水素を脱着させて送出ガスの発熱量を高めることにより、送出燃料ガスの発熱量変動を抑制し、安定した品質の燃料ガスを送出することを特徴とする送出燃料ガスの発熱量調整方法及びそのための装置を提供する。
本発明は、(4)重質炭化水素の吸脱着塔、LNG気化ガス若しくはLNGの送出導管、送出導管からの吸脱着塔への分岐管、LNGボイルオフガス導管、LNGボイルオフガス導管からの吸脱着塔への分岐管を備えた送出燃料ガスの発熱量調整装置を用い、LNG気化ガス若しくはLNGの送出導管による送出ガスの発熱量が高いときに、吸脱着塔への分岐管によりLNG気化ガス若しくはLNGの少なくとも一部を吸脱着塔に通して重質炭化水素を吸着剤に吸着させることで送出ガスの発熱量を低め、送出ガスの発熱量が低いときに、LNGボイルオフガス導管からの吸脱着塔への分岐管によりLNGボイルオフガスの少なくとも一部を吸脱着塔に通して、吸着されていた重質炭化水素を脱着させて送出ガスの発熱量を高めることにより、送出燃料ガスの発熱量変動を抑制し、安定した品質の燃料ガスを送出することを特徴とする送出燃料ガスの発熱量調整方法及びそのための装置を提供する。
本発明は、(5)LNG貯槽に続く気化器からの燃料ガスの熱量安定化方法であって、気化器からの燃料ガス出口側導管に吸着剤層を配置した分岐管を併置し、気化器からの燃料ガスの一部または全部を吸着剤層に通して、熱量上昇の原因となる重質成分を吸着させることにより、ガス燃焼機器の燃焼に不都合が生じない範囲に燃料ガスの熱量を調整することを特徴とする燃料ガスの熱量安定化方法を提供する。
また、本発明は、(6)LNG貯槽からの燃料ガスの熱量安定化装置を備えたガス燃焼機器であって、LNG貯槽に続く気化器からのガス出口側導管に吸着剤層を配置した分岐管を併置し、気化器からのガスの一部または全部を吸着剤層に通して、熱量上昇の原因となる重質成分を吸着させることで、ガス燃焼機器の燃焼に不都合が生じない範囲に燃料ガスの熱量を調整するようにしてなることを特徴とする燃料ガスの熱量安定化装置を備えたガス燃焼機器を提供する。
本発明(1)〜(4)によれば、燃料ガスを送出するに際して、吸脱着塔による吸脱着操作のみで、その発熱量調整を容易且つ確実に実施することができる。その結果、安定した品質の燃料ガスを送出できると同時に、発熱量調整に関わる投資及び費用を大幅に削減できる。また、本発明(5)〜(6)によれば、燃料ガス熱量の安定化を図り、ガスエンジン等のガス燃焼機器の起動渋滞、着火不良を防ぐことができ、例えばガスエンジンを用いるコージェネレーションシステムでの安定運転を図ることができる。
本明細書において用いている各用語の内容については以下のとおりである。まず、発熱量とは、単位体積当たりの燃料ガス燃焼時に発生する熱量を示し、ガス事業法でいうウォッペ指数(ガスの発熱量をガスの比重の平方根で割った値)を含む意味である。また、燃焼性とは、燃料ガスの燃焼の難易、燃焼状態等を示し、ガス事業法でいう燃焼速度指数を含む意味である。さらに、発熱量調整とは、送出ガス中の重質炭化水素分(本明細書中、重質分または重質成分とも云う)の組成比率を増減することにより行うガス品質の調整を示し、その結果として生じるウォッペ指数及び燃焼速度指数を含む意味である。また、発熱量変動とは、重質炭化水素分の組成比率の増減により生ずるガス品質の変動を示し、その結果として生ずるウォッペ指数及び燃焼速度指数の変動を含む意味である。
〈本発明(1)の態様〉
本発明(1)は、需要家若しくは自家用に送出する燃料ガスの発熱量調整方法及びそのための装置である。そして、送出する燃料ガス若しくはLNGを吸脱着塔に通して重質炭化水素を吸着剤に吸脱着させることで送出燃料ガスの発熱量変動を抑制し、安定した品質の燃料ガスを送出することを特徴とする。これにより、特別な制御をせずに送出ガスを吸脱着塔に通じるだけで、発熱量変動をある程度抑制し、安定した品質の燃料ガスを送出することができ、重質炭化水素分の少ないLNG使用時や送出ガス中のLNGボイルオフガス比率が高い場合でも所定の燃焼性、発熱量の範囲内で燃料ガスを送出できる。ここで、吸脱着塔に導入するのは、気化する前のLNGであってもよい。
図3は本発明(1)の態様を説明する図である。吸脱着塔は横置き、縦置き等適宜態様で配置される。図3のとおり、送出ガスを吸脱着塔に通すと、吸脱着塔を出るガス中の重質炭化水素すなわち重質分の濃度は、吸脱着塔に入るガスと吸着剤に吸着している重質分のバランスにより平衡となる濃度となる。これにより吸脱着塔に入る送出ガスの発熱量が高い場合は、その度合いに応じて重質分が吸着される。一方、吸脱着塔に入る送出ガスの発熱量が低い場合は、その度合いに応じて重質分が脱着される。吸脱着塔には重質炭化水素を選択的に吸着する吸着剤が充填される。その吸着剤としては、ゼオライト、活性炭、多孔質錯体等から適宜選択して用いられ、多孔質錯体としては例えばジカルボン酸金属系3次元型錯体等が挙げられる。この点、以下に述べる発明で用いる吸着剤についても同様である。
〈本発明(2)の態様〉
本発明(2)は、需要家若しくは自家用に送出する燃料ガスの発熱量調整方法及びそのための装置である。そして、送出する燃料ガスの発熱量が高いときに、LNG気化ガス若しくはLNGを吸脱着塔に通して重質炭化水素を吸着剤に吸着させることで送出ガスの発熱量を低め、送出ガスの発熱量が低いときに、LNGボイルオフガスを吸脱着塔に通して、吸着されていた重質炭化水素を脱着させて送出ガスの発熱量を高めることにより、送出燃料ガスの発熱量変動を抑制し、安定した品質の燃料ガスを送出することを特徴とする。これにより、重質炭化水素分の少ないLNG使用時や送出ガス中のLNGボイルオフガス比率が高い場合でも所定の燃焼性、発熱量の範囲内で燃料ガスを送出できる。
〈本発明(3)の態様〉
本発明(3)は、需要家若しくは自家用に送出する燃料ガスの発熱量調整方法及びそのための装置である。そして、送出する燃料ガスの発熱量が高いときに、重質炭化水素の多い所定産地のLNG気化ガス若しくはLNGを吸脱着塔に通して重質炭化水素を吸着剤に吸着させることで送出ガスの発熱量を低め、送出ガスの発熱量が低いときに、重質炭化水素の少ない別の産地のLNG気化ガス若しくはLNGを吸脱着塔に通して、吸着されていた重質炭化水素を脱着させて送出ガスの発熱量を高めることにより、送出燃料ガスの発熱量変動を抑制し、安定した品質の燃料ガスを送出することを特徴とする。これにより、重質炭化水素分の少ないLNG使用時や送出ガス中のLNGボイルオフガス比率が高い場合でも所定の燃焼性、発熱量の範囲内で燃料ガスを送出できる。
〈本発明(4)の態様〉
本発明(4)は、重質炭化水素の吸脱着塔、LNG気化ガス若しくはLNGの送出導管、送出導管からの吸脱着塔への分岐管、LNGボイルオフガス導管、LNGボイルオフガス導管からの吸脱着塔への分岐管を備える。そして、(a)LNG気化ガス若しくはLNGの送出導管による送出ガスの発熱量が高いときに、吸脱着塔への分岐管によりLNG気化ガス若しくはLNGの少なくとも一部を吸脱着塔に通して重質炭化水素を吸着剤に吸着させることで送出ガスの発熱量を低め、(b)送出ガスの発熱量が低いときに、LNGボイルオフガス導管からの吸脱着塔への分岐管によりLNGボイルオフガスの少なくとも一部を吸脱着塔に通して、吸着されていた重質炭化水素を脱着させて送出ガスの発熱量を高めることにより、送出燃料ガスの発熱量変動を抑制し、安定した品質の燃料ガスを送出することを特徴とする。これにより、重質炭化水素分の少ないLNG使用時や送出ガス中のLNGボイルオフガス比率が高い場合でも所定の燃焼性、発熱量の範囲内で燃料ガスを送出できる。
図4〜5は本発明(2)〜(4)の態様を説明する図で、図4は吸脱着塔での重質分の吸着時、図5は吸脱着塔での重質分の脱着時の態様である。図4〜5において、1は吸脱着塔、2はLNG気化ガスの導管、3は発熱量調整済みLNG気化ガスの送出管、4は吸脱着塔1への分岐管、5は吸脱着塔1への導入管、6は吸脱着塔1からの導出管、7はLNGボイルオフガス導管、8は吸脱着塔1への分岐管、9は吸脱着塔1からのガスとLNGボイルオフガスの混合ガス導管である。また、a、bは流量調整弁、c、dは開閉弁である。
図4のとおり、重質分吸着時においては、平日昼間等の送出ガスの発熱量がある程度高いときに、LNG気化ガスの一部を分岐管4、導入管5を通して吸脱着塔1に導入し、ここでLNG気化ガス中の発熱量が高いエタン、プロパン、ブタン等の重質炭化水素を選択的に吸着する。重質分が吸着された残りのガスは、結果としてメタンが富化された発熱量が低いガスとなり、導出管6からLNGボイルオフガス導管7からのLNGボイルオフガスと混合され、導管9を経て、導管2からのLNG気化ガスと混合され、送出管3を通して送出される。ここで、吸脱着塔1に導入するのは、気化する前のLNGであってもよく、この場合は吸脱着塔1を通過した後の何れかの段階で該LNGを気化し、送出することになる。
このとき、吸着された重質分の発熱量に相応して送出ガスの発熱量が低下する。本発明においては、この低下の度合いを一定範囲に留めるよう送出ガスの発熱量に応じて脱吸着塔1への入りガス量、すなわち吸脱着塔1への分岐管4への分岐量を制御する。この制御は、例えば図4中点線で示すような制御機構により行うことができる。すなわち、熱量計で計測される送出ガスの発熱量や流量計で計測される分岐管4によるLNG気化ガスの分岐流量に対応して流量調整弁aを制御することにより、吸脱着塔1への分岐管4によるLNG気化ガスの分岐流量を制御する。
土曜日、日曜日、平日の夜間、年末年始等においては送出ガス量は低下するが、LNGボイルオフガス量は基本的に一定である。このため、送出ガス中のLNGボイルオフガスの比率が高まり、これに伴い送出ガスの発熱量が低下する。そこで、本発明においては、重質分吸着時に吸着した重質分を脱着して利用する。図5のとおり、LNGボイルオフガスの一部を分岐管8から分岐管5を通して吸脱着塔1に導入する。これにより既に吸着されていた発熱量が高いエタン、プロパン、ブタン等の重質炭化水素を脱着させる。
重質炭化水素を脱着させ、これを含むガスを導出管6、導管9を経てLNG気化ガスの導管2に導入してLNG気化ガスに混入し、送出ガスの発熱量を高める。この制御は例えば図5中点線で示すような制御機構により行うことができる。すなわち、送出ガスの発熱量や分岐管8によるLNGボイルオフガスの分岐流量に対応して流量調整弁bを制御することにより、分岐管8から吸着塔1へのLNGボイルオフガスの分岐流量を制御する。
このほか、LNGボイルオフガスの送出を行わない場合においても、産地等の如何によるLNGの種類別に異なる発熱量に起因して送出ガス発熱量に変動を生じる。そこで、本発明においては、所定値以上の発熱量を有する送出ガス中の重質分を吸着させ、所定値以下の発熱量の送出ガス中へ重質分を脱着させるといった発熱量有効活用方法及び発熱量変動抑制方法として適用することができる。
すなわち、まずその前提として、重質炭化水素の多い所定産地のLNG気化ガスを送出燃料ガスとして用いる。そして、その送出燃料ガスの発熱量が高いときに、その送出燃料ガスを吸脱着塔に通して重質炭化水素を吸着剤に吸着させることで送出ガスの発熱量を低める。重質炭化水素の少ない別の産地のLNG気化ガス使用時は、送出ガスの発熱量が低くなるため、該ガスを吸脱着塔に通して、既に吸着されていた重質炭化水素を脱着させることにより、送出燃料ガスの発熱量を高めることができる。ここで、吸脱着塔1に導入するのは、気化する前のそれらLNGであってもよい。
〈本発明(5)〜(6)の態様〉
本発明(5)はLNG貯槽に続く気化器からの燃料ガスの熱量安定化方法である。そして、気化器からの燃料ガス出口側導管に吸着剤層を配置した分岐管を併置し、気化器からの燃料ガスの一部または全部を吸着剤層に通して、熱量上昇の原因となる重質成分を吸着させることにより、ガス燃焼機器の燃焼に不都合が生じない範囲に燃料ガスの熱量を調整することを特徴とする。
また、本発明(6)はLNG貯槽からの燃料ガスの熱量安定化装置を備えたガス燃焼機器である。そして、LNG貯槽に続く気化器からのガス出口側導管に吸着剤層を配置した分岐管を併置し、気化器からのガスの一部または全部を吸着剤層に通して、熱量上昇の原因となる重質成分を吸着させることで、ガス燃焼機器の燃焼に不都合が生じない範囲に燃料ガスの熱量を調整するようにしてなることを特徴とする。
図6は本発明(5)〜(6)の態様を説明する図である。図6のとおり、LNG貯槽に続く気化器からの燃料ガス出口側導管に吸着剤層を配置した分岐管を併置する。すなわち、気化器からの導管にバイパス管を配置し、このバイパス管に吸着剤層を配置する。ガス燃焼機器を有する需要家の使用パターンによっては、平日の夜間、土曜日、日曜日、あるいは祝祭日、年末年始等においては、ガス燃焼機器の使用が停止される。前述のとおり、停止後の起動時には気化器からの出ガスの熱量上昇が生じるが、本発明(5)〜(6)においては、その出ガス、すなわちガス燃焼機器への供給ガスをバイパスさせて熱量上昇の原因となる重質分を吸着剤層に吸着させることにより、ガス燃焼機器の起動に不都合が生じない範囲に熱量を調整するものである。
これにより、需要家に供給する燃料ガスの熱量の安定化を図り、ガスエンジン等のガス燃焼機器の起動渋滞、着火不良を防ぐことができ、例えばガスエンジンを用いるコージェネレーションシステムでの安定運転を図ることができる。吸着剤層は、容器に重質炭化水素を選択的に吸着する吸着剤を充填して構成するが、容器にはガス導入管とガス導出管を備える。容器の材料としては合成樹脂、ステンレス鋼その他適宜の材料を用いることができる。なお、気化器としては、例えば前述図2に示すような従来のエアフィン付き空温式気化器が用いられる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれら実施例により制限されないことはもちろんである。
〈実施例1〉
本実施例1は、平日昼間の8時から22時までの14時間の重質炭化水素の吸着、平日夜間22時から8時までの10時間の重質炭化水素の脱着を実施する例である。図4〜5に示すように吸脱着塔、導管及び制御機構を配置し、吸脱着塔に吸着剤(コロンビアG炭)を充填した。ここで、当該吸着剤(コロンビアG炭)の性能、挙動については以下のとおりである。なお、本実施例1では、送出ガスがメタン及びプロパンの2成分で構成された場合を例としている。
図7はコロンビアG炭に対するメタン(CH4)の吸着挙動、図8はコロンビアG炭に対するプロパン(C38)の吸着挙動を示す図である。両図中、横軸は圧力、縦軸は吸着量である。ここで、該活性炭はラングミュア型の吸脱着挙動を示すので、下記式(1)を目安とすることができる。まず、メタンの場合、図7のとおり、圧力200mmHgで0.43mmol/g-C〔コロンビアG炭1g当たりのmmol(ミリモル)単位での吸着量、以下同じ〕、圧力600mmHgで1.00mmol/g-Cである。
Figure 0004907845
そして、プロパンの場合、図8のとおり、圧力200mmHgで3.4mmol/g-C、圧力600mmHgで4.51mmol/g-Cである。両者を比較すると明らかなとおり、メタン及びプロパンのうち、重質炭化水素であるプロパンの方がコロンビアG炭に対してよりよく吸着することが分かる。本実施例においてはコロンビアG炭におけるこの吸着挙動すなわち重質炭化水素に対する選択吸着性を利用する。
図9は、メタンとプロパンの混合ガスについて両ガスの組成すなわち量的割合に対応した吸着量の関係を示した図である。図9中、横軸はメタンのモル分率、縦軸は両ガスの吸着量である。LNGボイルオフガスの成分はメタンがほぼ100%であるので、これを平日昼間にプロパンを吸着した吸脱着塔1に、平日夜間22時から8時までの10時間に導入すると、吸脱着塔1ではプロパンの脱着が始まる。例えばメタンモル分率0.91のガスを平日昼間に吸脱着塔1に通じた場合では、プロパン2.01mmol/g-Cが夜間に脱着することになる。この時、吸脱着塔1ではプロパンに代えてメタンが吸着される。
表1は、吸脱着塔1における、LNGボイルオフガスによる処理前及び処理後の関係を示したものである。処理前でのLNGボイルオフガスはメタンモル分率1.00で、発熱量は39.77MJ/m3Nである。これに対して、処理後のLNGボイルオフガスはメタンモル分率0.91となり、発熱量は45.10MJ/m3Nである。これにより、処理後のLNGボイルオフガスには吸脱着塔1から脱着された2.01mmol/g-Cのプロパンが富化されたことになる。
Figure 0004907845
図10〜11は、本発明の操作例を示す図で、それぞれ前述図4〜5に対応している。図10は吸着時(昼間:8〜22時の14時間)、図11は脱着時(夜間:22〜8時の10時間)で、各操作中における各ガスの発熱量及び流量を併記している。
図10のとおり、吸着時には、LNG気化ガス(発熱量:45.1MJ/m3N、流量:42,000m3N/h)の一部を分岐管4を通して吸脱着塔1に供給し、ここで、その中の重質分を吸着させる。吸脱着塔1から導管6を経て排出されるガスはその分重質分を減じて(発熱量:39.8MJ/m3N、流量:3,500m3N/h)、導管7からのLNGボイルオフガス(発熱量:39.8MJ/m3N、流量:8,000m3N/h)とともに、分岐管4を経ない導管2からのLNG気化ガスに混合され、送出ガス(発熱量:43.9MJ/m3N、流量:50,000m3N/h)として送出される。
図11のとおり、脱着時には、LNGボイルオフガス(発熱量:39.8MJ/m3N、流量:8,000m3N/h)の一部を分岐管8を通して吸脱着塔1に供給し、ここで、吸脱着塔1中の重質分を脱着させる。吸脱着塔1から導管6を経て排出されるガスはその分重質分を富化して(発熱量:45.1MJ/m3N、流量:4,700m3N/h)、分岐管8を経ない導管7からのLNGボイルオフガスとともに、導管2からのLNG気化ガスに混合され、送出ガス(発熱量:43.3MJ/m3N、流量:10,000m3N/h)として送出される。
このように、本発明を適用することにより、昼夜間の送出ガス発熱量変動は0.6MJ/m3Nに抑制される。これに対して、本発明を適用せずにガスを送出した場合、昼間の送出ガス発熱量は44.3MJ/m3N、夜間の送出ガス発熱量は40.9MJ/m3Nであり、昼夜間の送出ガス発熱量変動は3.4MJ/m3Nである。このことから、昼夜間の送出ガス発熱量変動が82%削減されることになる。また、本発明を適用せずにガスを送出した場合、夜間の送出ガスは所定の燃焼性、発熱量の管理範囲を逸脱する可能性があるが、本発明を適用することにより夜間でも該範囲内での燃料ガス送出が可能となる。
〈実施例2〉
本実施例2は本発明(5)〜(6)を実施した例である。図12は本実施例2で用いた装置構成を示す図である。図12のとおり、LNGタンク11と気化器14を遮断弁13を配置した導管12により連結する。気化器14は前述図2に示すようなエアフィン付き空温式気化器である。気化器14から順次、導管15、導管17を配置する。導管17は気化天然ガス(すなわち燃料ガス)の需要家への供給導管である。導管15と17の間には三方弁16が配置され、三方弁16からの第三の導管18に吸着剤層19を連結し、吸着剤層19は導管20を介して導管17に連結している。また、気化器14からの導管15から小口径の導管21を分岐させ、低流量のガスが吸着剤層に流通できるようにし、且つ、導管21には流量調整弁22を配置する。
吸着剤層19は、プラスチック製容器に吸着剤としてピッチ系繊維状活性炭を充填して構成されている。図13はその吸着剤の吸着特性を示す図である。図13のとおり、本吸着剤はプロパン及びブタンに対する優れた吸着特性を有し、しかもその吸着量は、吸着圧力を上昇させるに伴い、プロパン及びブタンともに急激に増大する。これに対して、本吸着剤はメタンを殆ど吸着せず、その吸着量は吸着圧力を上昇させても僅かに上昇するだけである。
気化器14の停止時には、遮断弁13を閉とする。この時、導管15は、三方弁16の操作により、導管18から吸着剤層19側に連通している状態である。この状態から、遮断弁13を開にすると気化器14が起動する。気化器14では、伝熱管中を流れるLNGが伝熱管外周の空気により蒸発する。その停止時にLNGに含まれている重質成分(主にプロパン、ブタン)が気化器14内若しくは上流の一部導管に滞留することに起因して、起動時に、高熱量の天然ガスが数十秒から数分間発生する。ここで、本実施例によれば、天然ガス中の重質成分を吸着剤層19に吸着するので、起動時の初期段階での需要家への影響を回避することができる。
天然ガス熱量が安定した数分後、三方弁16を導管17側へ切り替え、定常運転状態とする。それ以降、小口径導管21の流量調整弁22を開とし、吸着剤層に熱量の安定した天然ガスを少量通すことにより、上記操作で重質成分が吸着された吸着剤層から重質成分を離脱させる。その際、吸着剤層へのガス量を流量調整弁22により調整することにより、その重質成分の離脱量を制御する。これにより、需要家に供給する天然ガスの熱量を大きく変動させずに供給することができる。
あるサテライト基地での実測値では、気化器起動時の熱量が54MJ/m3N(通常熱量=45MJ/m3N)まで上昇する。ここで重質分のうち、ブタンリッチな天然ガスが発生したとすると、このときのブタン濃度は10%(%はvol%、以下同じ)に達することになる。表2に、この場合の起動時の熱量上昇と吸着剤の吸着特性を定常供給時のそれと対比して示している。ブタン濃度10%から、気相圧力が3000mmHgの条件ではブタンの気相分圧は300mmHgとなり、この条件では、吸着剤(ピッチ系繊維状活性炭)はブタンに対して450mg/g−C〔ピッチ系繊維状活性炭1g当たりのmg(ミリグラム)単位での吸着量、以下同じ〕の吸着特性を有する。
一方、原料LNGの組成から、定常供給時のブタン濃度は1%で安定する。ブタン濃度1%から、この時のブタンの気相分圧は30mmHgとなり、この条件での平衡吸着量は250mg/g−Cとなる。起動時の吸着量と定常供給時の吸着量の差(450−250=)200mg/g−Cが本条件で吸着剤が吸脱着できるブタンの量ということになる。また、吸着剤の必要量については、起動時のガス流量と変動熱量を把握することで設定することができる。
Figure 0004907845
〈実施例3〉
本実施例3は、気化器の起動−停止時を、実施例2における気化器の上流部にある遮断弁に代えて、需要家サイドでのガス燃焼機器との関連で気化器の下流部に設けた圧力調整弁23によって行う場合の例である。図14は本実施例3で用いた装置構成を示す図で、図12と同じ機器、導管等については同一符号を付している。図14のとおり、気化器14の下流側導管15に圧力調整弁23を配置するとともに、導管17に圧力計24を配置する。操作に際しては、導管17に配置した圧力計24により需要家へ供給する燃料ガスの圧力を計測し、その計測圧力の如何により圧力調整弁23を制御する。すなわち、圧力計24による計測により、供給圧が下がれば、圧力調整弁23を開とし(ないし開度を上げ)、供給圧が上がれば、圧力調整弁23を閉とする(ないし開度を下げる)。その開閉は遠隔操作により自動的に行うことができる。
この場合にも、気化器の停止時に、高沸点成分が導管内に液の状態で残留し、気化器起動時に圧力調整弁23を開とした時に、導管内に滞留していた重質成分の液がLNGによって押し出されることで、高い熱量のガスが発生し、熱量上昇が生じる。ここで、本実施例によれば、天然ガス中の重質成分を吸着剤層19に吸着するので、起動時の初期段階での需要家への影響を回避することができる。三方弁16の切り替え等については実施例2の場合と同様である。
サテライト基地におけるLNG貯槽、LNG気化器等の設置態様を説明する図 LNG用エアフィン付き空温式気化器の例を示す図 本発明(1)を説明する図 本発明(2)〜(4)の態様を説明する図(吸脱着塔での重質分吸着時) 本発明(2)〜(4)の態様を説明する図(吸脱着塔での重質分脱着時) 本発明(5)の態様を説明する図 実施例1で用いた吸着剤:コロンビアG炭に対するメタン(CH4)の吸着挙動を示す図 実施例1で用いた吸着剤:コロンビアG炭に対するプロパン(C38)の吸着挙動を示す図 メタンとプロパンの混合ガスについて両ガスの組成すなわち量的割合に対応した吸着量の関係を示した図 本発明の実施例1を示す図(吸着時) 本発明の実施例1を示す図(脱着時) 本発明の実施例2で用いた装置構成を示す図 本発明の実施例2で用いた吸着剤:ピッチ系繊維状活性炭の吸着特性を示す図 本発明の実施例3で用いた装置構成を示す図
符号の説明
1 吸脱着塔
2 LNG気化ガスの導管
3 発熱量調整済みLNG気化ガスの送出管
4 吸脱着塔1への分岐管
5 吸脱着塔1への導入管
6 吸脱着塔1からの導出管
7 LNGボイルオフガス導管
8 吸脱着塔1への分岐管
9 吸脱着塔1からのガスとの混合ガス導管
a 流量調整弁
b 流量調整弁
c 開閉弁
d 開閉弁
11 LNGタンク
12、15、17、18、20、21 導管
13 遮断弁
14 気化器
16 三方弁
19 吸着剤層
22 流量調整弁
23 圧力調整弁
24 圧力計

Claims (6)

  1. LNG気化ガス及びLNGボイルオフガスからなる送出燃料ガスの発熱量調整方法であって、
    送出する燃料ガスの発熱量が高いときに、LNG気化ガス若しくはLNGを吸脱着塔に通して重質炭化水素を吸着剤に吸着させ、該重質炭化水素が除去されたLNG気化ガスを送出燃料ガスと混合することにより送出ガスの発熱量を低め、
    送出する燃料ガスの発熱量が低いときに、吸着されていた重質炭化水素を脱着させ、該脱着された重質炭化水素を含むLNGボイルオフガスと送出燃料ガスとを混合することにより送出ガスの発熱量を高めることにより、
    送出燃料ガスの発熱量変動を抑制し、安定した品質の燃料ガスを送出することを特徴とする送出燃料ガスの発熱量調整方法。
  2. LNG気化ガス及びLNGボイルオフガスからなる送出燃料ガスの発熱量調整方法であって、重質炭化水素の吸脱着塔、LNG気化ガス若しくはLNGの送出導管、送出導管からの吸脱着塔への分岐管、LNGボイルオフガス導管、LNGボイルオフガス導管からの吸脱着塔への分岐管を備えた送出燃料ガスの発熱量調整装置を用い、
    LNG気化ガス若しくはLNGの送出導管による送出ガスの発熱量が高いときに、吸脱着塔への分岐管によりLNG気化ガス若しくはLNGの少なくとも一部を吸脱着塔に通して重質炭化水素を吸着剤に吸着させ、該重質炭化水素が除去されたLNG気化ガスを送出燃料ガスと混合することにより送出ガスの発熱量を低め、
    LNG気化ガス若しくはLNGの送出導管による送出ガスの発熱量が低いときに、LNGボイルオフガス導管からの吸脱着塔への分岐管によりLNGボイルオフガスの少なくとも一部を吸脱着塔に通して、吸着されていた重質炭化水素を脱着させ、該脱着された重質炭化水素を含むLNGボイルオフガスと送出燃料ガスとを混合することにより送出ガスの発熱量を高めることにより、送出燃料ガスの発熱量変動を抑制し、安定した品質の燃料ガスを送出することを特徴とする送出燃料ガスの発熱量調整方法。
  3. 請求項1または2に記載の送出燃料ガスの発熱量調整方法において、前記送出燃料ガスが都市ガスであることを特徴とする送出燃料ガスの発熱量調整方法。
  4. 請求項1または2に記載の送出燃料ガスの発熱量調整方法において、前記吸脱着塔に吸
    着されていた重質炭化水素の全量若しくは一部をLPG等の他用途向けに使用することで発熱量を有効に活用することを特徴とする送出燃料ガスの発熱量調整方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の送出燃料ガスの発熱量調整方法において、前記吸脱着塔に吸着剤として活性炭、ゼオライト及び錯体のうちの少なくとも一種の吸着剤を充填することを特徴とする送出燃料ガスの発熱量調整方法。
  6. LNG気化ガス及びLNGボイルオフガスからなる送出燃料ガスの発熱量調整装置であって、該発熱量調整装置が重質炭化水素の吸脱着塔、LNG気化ガス若しくはLNGの送出導管、送出導管からの吸脱着塔への分岐管、LNGボイルオフガス導管、LNGボイルオフガス導管からの吸脱着塔への分岐管を備え、
    LNG気化ガス若しくはLNGの送出導管による送出ガスの発熱量が高いときに、吸脱着塔への分岐管によりLNG気化ガス若しくはLNGの少なくとも一部を吸脱着塔に通して重質炭化水素を吸着剤に吸着させ、該重質炭化水素が除去されたLNG気化ガスを送出燃料ガスと混合することで該送出ガスの発熱量を低め、
    LNG気化ガス若しくはLNGの送出導管による送出ガスの発熱量が低いときに、LNGボイルオフガス導管からの吸脱着塔への分岐管によりLNGボイルオフガスの少なくとも一部を吸脱着塔に通して、吸着されていた重質炭化水素を脱着させ、該脱着された重質炭化水素を含むLNGボイルオフガスと送出燃料ガスとを混合することで送出ガスの発熱量を高めることにより、送出燃料ガスの発熱量変動を抑制し、安定した品質の燃料ガスを送出するようにしてなることを特徴とする送出燃料ガスの発熱量調整装置。
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