JP5959778B2 - 液化天然ガスの受入設備 - Google Patents
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Description
しかしながら特許文献2には、このようなBOGの発生量や性状の変化に対応する技術は記載されていない。
外部の液化天然ガスタンカーから前記貯蔵タンクに液化天然ガスを受け入れるための受入ラインと、
液化天然ガスを気化するための気化器を備え、前記貯蔵タンクから送出された液化天然ガスを前記気化器にて気化させて、ガスの状態で払い出すための払出しラインと、
前記貯蔵タンク内で発生したボイルオフガスを昇圧するガス圧縮部を備え、昇圧されたボイルオフガスを前記払出しラインに払い出すためのボイルオフガスラインと、
発電機を駆動するガスエンジンと、
前記ボイルオフガスラインから分岐して設けられ、前記貯蔵タンク内で発生したボイルオフガスを前記ガスエンジンに燃料として供給するための燃料ガスラインと、
前記燃料ガスラインに設けられ、前記受入ラインを介した液化天然ガスの受け入れに起因した、当該燃料ガスラインに供給されるボイルオフガスの供給量の変化を吸収すると共に、前記ガスエンジンに供給されるボイルオフガスの性状の変化を緩和するための、ガス混合部を備えるガスホルダーと、を備えたことを特徴とする。
外部の液化天然ガスタンカーから前記貯蔵タンクに天然ガスを受け入れるための受入ラインと、
液化天然ガスを気化するための気化器を備え、前記貯蔵タンクから送出された液化天然ガスを前記気化器にて気化させて、ガスの状態で払い出すための払出しラインと、
前記貯蔵タンク内で発生したボイルオフガスを昇圧して液化するガス圧縮部を備え、液化されたボイルオフガスを前記貯蔵タンクに戻すため、または前記気化器に供給するためのボイルオフガスラインと、
発電機を駆動するガスエンジンと、
前記ボイルオフガスラインから分岐して設けられ、前記貯蔵タンク内で発生したボイルオフガスを前記ガスエンジンに燃料として供給するための燃料ガスラインと、
前記燃料ガスラインに設けられ、前記受入ラインを介した液化天然ガスの受け入れに起因した、当該燃料ガスラインに供給されるボイルオフガスの供給量の変化を吸収すると共に、前記ガスエンジンに供給されるボイルオフガスの性状の変化を緩和するための、ガス混合部を備えるガスホルダーと、を備えたことを特徴とする。
(a)前記ガス圧縮部は複数段式のガス圧縮機を備え、前記燃料ガスラインは、前記ガス圧縮機の最終段よりも手前側の段の吐出側に接続され、前記ボイルオフガスラインから分岐していることにより、前記ガスエンジンの受入圧力まで昇圧されたボイルオフガスが当該ガスエンジンに供給されること。または前記燃料ガスラインは、前記ガス圧縮部の手前側にて前記ボイルオフガスラインから分岐し、前記ガスエンジンへ供給されるボイルオフガスを当該ガスエンジンの受入圧力まで昇圧する昇圧部を備えること。
(b)前記ガスエンジンに供給されるボイルオフガスの性状が予め設定された基準値を外れた場合に、前記燃料ガスラインへのボイルオフガスの供給を停止する供給停止部を備えること。そして前記燃料ガスラインには、ボイルオフガスの性状を検出する性状検出部が設けられていること。このとき、前記ボイルオフガスの性状は、メタン価または熱量であること。
(c)前記燃料ガスラインには、ガスエンジンに供給されるボイルオフガスに含まれる窒素の濃度を低減するための窒素除去部を備えること。
(d)前記ガスエンジンから排出される冷却水の排熱または排ガスの排熱を回収する排熱回収部を備え、前記排熱回収部は、前記気化器、気化したガスに熱量調整用の液化石油ガスを供給するための熱量調整設備、または前記貯蔵タンクのヒーターの少なくとも一つに熱源を供給するためのものであること。
(e)前記発電機で発電された電力を、当該液化天然ガスの受入設備内の電力消費機器に供給する電力供給設備を備えたこと。
本受入設備は、LNGを貯蔵するLNGタンク2と、需要先7へガスを払い出すためにLNGタンク2からLNGを送出するためのLNGポンプ21、41と、LNGを気化してガスの状態にするLNG気化器42と、気化したガスに熱量調整用の液化石油ガス(LPG:Liquefied Petroleum Gas)を添加する熱量調整部43とを備えている。
上述のLNG払出しライン102a、気化ガス払出しライン102bや受入設備の敷地内の出荷ライン105は、本例の払い出しラインに相当する。
図1に示すようにLNGタンク2には、その内部で発生したBOGを抜き出すためのBOG抜出ライン103aが接続されている。このBOG抜出ライン103aはBOGを昇圧する圧縮部であるBOG圧縮機3に接続されている。
BOG抜出ライン103aや高圧BOGライン103bは、本例のボイルオフガスラインを構成している。
ここで背景技術にて説明したように、ガスエンジン6はガスタービンと比べて低圧の燃料ガスを利用することが可能である。一方で、LNGタンク2から抜き出されたBOGをそのまま利用するには圧力が十分でなく、またBOG圧縮機3にて昇圧された後のBOGは圧力が高すぎるため、降圧操作が必要となってエネルギー損失が発生する。
供給断弁51は、燃料ガスライン104aの下流側へのBOGの供給、停止を実行する開閉弁である。当該供給断弁51は、LNGタンク2側から供給されるBOGの性状が予め設定された基準値を外れた場合に、燃料ガスライン104aの下流側へのBOGの供給を停止する供給停止部として機能する。
メタン価は、ガスエンジンにおけるノッキングの発生しにくさ(アンチノック性能)を示す指標であり、ガソリンエンジンにおけるガソリンのオクタン価に相当している。メタン価が低い燃料ガスはノッキングを引き起こしやすく、メタン価の高い燃料ガスはノッキングを引き起こしにくい。メタン価の算出法としては、AVL社が規格化したものやCARB(California Air Resources Board)の基準(「石油・天然ガスレビュー」(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)vol.39 No.5 p20参照)などがある。供給断弁51における燃料ガスの供給断判断の基準としては、当該受入設備に設けられているガスエンジン6の仕様に採用されている算出法に準じて算出したメタン価が採用される。
ガスエンジン6に燃料ガスとして供給されるBOGに要求されるメタン価や熱量は、ガスエンジン6の仕様として基準値の範囲が予め設定されている。
また燃料ガスライン104aにオンラインの分析計55を設ける場合に限らず、燃料ガスライン104aに供給されるBOGを定期的にサンプリングしてオフラインで分析し、その結果に基づいて供給断弁51の開閉を判断する構成としてもよい。
ここで、窒素除去部にて採用される窒素の除去方法はPSA法による場合に限定されるものではない。例えばBOGを冷却して液化し、窒素とメタンなどの燃料ガス成分とに蒸留分離する深冷分離法を採用してもよい。
またガスエンジン6にてBOGを燃焼し、内部のシリンダを駆動した後の排ガスは、LNG気化器42や熱量調整部43におけるLNG、LPGの気化、LNGタンク2の底面などの加熱に利用される。冷却水を熱源とする場合は、冷却水が熱媒となり、LNG気化器42、熱量調整部43、ヒーター22へ熱を供給する。冷却水、排ガスそのものを熱源とする場合には、ガスエンジン6から排出された冷却水や排ガスがそのままLNG気化器42、熱量調整部43、ヒーター22へ供給される。この場合にはこれらの機器42、43、22が排熱回収部を構成することとなる。また、排ガスの熱を利用して不図示のボイラーでスチームや温水などを発生させ、これを熱媒(熱源)として利用する場合にはボイラーが排熱回収部となる。
図1に示したLNGタンク2において、LNGタンカー1からのLNGの受け入れを行っていないとき、例えば5t/h(トン毎時)のBOGが発生しているとする。ガスエンジン6は、当該受入設備内の電力を賄うことが可能な出力を有しており、電力消費バランスで例えば1t/hのBOGを消費する。
また、気化ガスへ混合可能な量を上回るBOGが発生した場合には、燃料ガスライン104a側への供給量を増やし、ガスホルダー53におけるBOGの貯蔵量を一時的に増やしてもよい。
さらに本例の燃料ガスライン104a〜104bにはPSA部52が介設されているので、BOG中の窒素濃度が上昇する性状変化があった場合でも、窒素の含有量を低減し安定した熱量を有する燃料ガスをガスエンジン6に供給することもできる。
102a LNG払出ライン
102b 気化ガス払出しライン
103a BOG抜出ライン
103b 高圧BOGライン
103c 液化BOGライン
104a〜104c
燃料ガスライン
105 出荷ライン
107 液化BOG送出ライン
2 LNGタンク
22 ヒーター
3、3a BOG圧縮機
31〜33 圧縮段
42 LNG気化器
43 熱量調整部
51 供給断弁
52 PSA部
53 ガスホルダー
531 バッフル板
54 燃料ガス圧縮機
55 分析計
6 ガスエンジン
61 発電機
62 給電部
Claims (11)
- 液化天然ガスを貯蔵する貯蔵タンクと、
外部の液化天然ガスタンカーから前記貯蔵タンクに液化天然ガスを受け入れるための受入ラインと、
液化天然ガスを気化するための気化器を備え、前記貯蔵タンクから送出された液化天然ガスを前記気化器にて気化させて、ガスの状態で払い出すための払出しラインと、
前記貯蔵タンク内で発生したボイルオフガスを昇圧するガス圧縮部を備え、昇圧されたボイルオフガスを前記払出しラインに払い出すためのボイルオフガスラインと、
発電機を駆動するガスエンジンと、
前記ボイルオフガスラインから分岐して設けられ、前記貯蔵タンク内で発生したボイルオフガスを前記ガスエンジンに燃料として供給するための燃料ガスラインと、
前記燃料ガスラインに設けられ、前記受入ラインを介した液化天然ガスの受け入れに起因した、当該燃料ガスラインに供給されるボイルオフガスの供給量の変化を吸収すると共に、前記ガスエンジンに供給されるボイルオフガスの性状の変化を緩和するための、ガス混合部を備えるガスホルダーと、を備えたことを特徴とする液化天然ガスの受入設備。 - 液化天然ガスを貯蔵する貯蔵タンクと、
外部の液化天然ガスタンカーから前記貯蔵タンクに天然ガスを受け入れるための受入ラインと、
液化天然ガスを気化するための気化器を備え、前記貯蔵タンクから送出された液化天然ガスを前記気化器にて気化させて、ガスの状態で払い出すための払出しラインと、
前記貯蔵タンク内で発生したボイルオフガスを昇圧して液化するガス圧縮部を備え、液化されたボイルオフガスを前記貯蔵タンクに戻すため、または前記気化器に供給するためのボイルオフガスラインと、
発電機を駆動するガスエンジンと、
前記ボイルオフガスラインから分岐して設けられ、前記貯蔵タンク内で発生したボイルオフガスを前記ガスエンジンに燃料として供給するための燃料ガスラインと、
前記燃料ガスラインに設けられ、前記受入ラインを介した液化天然ガスの受け入れに起因した、当該燃料ガスラインに供給されるボイルオフガスの供給量の変化を吸収すると共に、前記ガスエンジンに供給されるボイルオフガスの性状の変化を緩和するための、ガス混合部を備えるガスホルダーと、を備えたことを特徴とする液化天然ガスの受入設備。 - 前記ガス圧縮部は複数段式のガス圧縮機を備え、前記燃料ガスラインは、前記ガス圧縮機の最終段よりも手前側の段の吐出側に接続され、前記ボイルオフガスラインから分岐していることにより、前記ガスエンジンの受入圧力まで昇圧されたボイルオフガスが当該ガスエンジンに供給されることを特徴とする請求項1または2に記載の液化天然ガスの受入設備。
- 前記燃料ガスラインは、前記ガス圧縮部の手前側にて前記ボイルオフガスラインから分岐し、前記ガスエンジンへ供給されるボイルオフガスを当該ガスエンジンの受入圧力まで昇圧する昇圧部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の液化天然ガスの受入設備。
- 前記ガスエンジンに供給されるボイルオフガスの性状が予め設定された基準値を外れた場合に、前記燃料ガスラインへのボイルオフガスの供給を停止する供給停止部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の液化天然ガスの受入設備。
- 前記燃料ガスラインには、ボイルオフガスの性状を検出する性状検出部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の液化天然ガスの受入設備。
- 前記ボイルオフガスの性状は、メタン価であることを特徴とする請求項5に記載の液化天然ガスの受入設備。
- 前記ボイルオフガスの性状は、熱量であることを特徴とする請求項5に記載の液化天然ガスの受入設備。
- 前記燃料ガスラインには、ガスエンジンに供給されるボイルオフガスに含まれる窒素の濃度を低減するための窒素除去部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の液化天然ガスの受入設備。
- 前記ガスエンジンから排出される冷却水の排熱または排ガスの排熱を回収する排熱回収部を備え、前記排熱回収部は、前記気化器、気化したガスに熱量調整用の液化石油ガスを供給するための熱量調整設備、または前記貯蔵タンクのヒーターの少なくとも一つに熱源を供給するためのものであることを特徴とする請求項1または2に記載の液化天然ガスの受入設備。
- 前記発電機で発電された電力を、当該液化天然ガスの受入設備内の電力消費機器に供給する電力供給設備を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の液化天然ガスの受入設備。
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