JP2018204715A - ボイルオフガスの処理システム及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液化ガスから生じるボイルオフガスを効率的に利用し得るボイルオフガスの処理システム及び方法を提供する。【解決手段】液化ガスLを貯留するタンク1と、該タンク1から生じるボイルオフガスBを使用するガス利用設備3と、前記タンク1から前記ガス利用設備3にボイルオフガスBを送出するボイルオフライン2と、該ボイルオフライン2の途中に備えられた圧縮機4と、ボイルオフガスBを貯留する貯留器6と、前記ボイルオフライン2における前記圧縮機4の下流側の位置から分岐し、前記貯留器6に接続される貯留ライン5と、前記貯留器6から抜き出したボイルオフガスBを減圧する減圧手段8と、前記貯留器6と前記減圧手段8とを接続する減圧ライン7と、前記減圧手段8と、前記ボイルオフライン2における圧縮機4の上流側の位置とを接続する戻しライン9とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、液化ガスから生じるボイルオフガスを処理するためのシステム及び方法に関する。
LNGやLPG等の燃料を貯留するタンクにおいては、低温の液体として貯留した燃料から軽質の成分が自然入熱により気化し、ボイルオフガス(BOG)と呼ばれる気化ガスが発生する。こうしたボイルオフガスは、生じるに任せておくとタンク内の圧力が上昇してしまうため、適宜タンクから抜き出して処理する必要がある。
エネルギーの有効利用の観点からは、発生するボイルオフガスはその都度燃料として利用するのが好適である。しかしながら、近年では、太陽光発電等の普及の結果、タンクにて発生するボイルオフガスを燃料として消費できない局面が増加してきている。すなわち、例えばエネルギー源としてLNGやLPGによる発電と太陽光発電を併用する施設では、昼間の一部時間帯において、必要な電力を太陽光発電のみで十分に賄える場合がある。こうした場合、エネルギーの供給の面では、LNGやLPG、ないしボイルオフガスを燃焼する必要はない。一方、ボイルオフガスは、エネルギーの需要とは関係なく自然入熱により発生するので、発電に用いる以外の方法で処理しなくてはならない。
ボイルオフガスは、ある程度の量であればタンク内に蓄圧しつつ留めておくこともできるが、タンク内に留めておけるボイルオフガスの量は、タンク内に貯留されている液化ガスの残量に左右される。すなわち、液化ガスの残量が多いほど、タンク内に留めておけるボイルオフガスの量は少ない。ボイルオフガスを発電に利用できず、また、タンク内に留置もできない場合、余剰のボイルオフガスは、例えば発電に利用することなく焼却処分される。
尚、気化によって生じたボイルオフガスを再液化してタンクに戻す方法も理論上は可能であるが、再液化には大量の電力を消費するため、省エネルギーの観点からはあまり好ましい方法ではない。
そこで、ボイルオフガスを無駄なく利用するための方策として、液化ガスから生じたボイルオフガスを、タンクとは別に設置したガスホルダのような貯留器に貯留しておき、該貯留器から適時にボイルオフガスを取り出して利用する技術が種々提案されている。
尚、この種の貯留器を用いたボイルオフガスの処理技術に関連する先行技術文献としては、例えば、下記の特許文献1等がある。
特開2017−36709号公報
ボイルオフガスを一時的に貯留器に貯留し、必要に応じて取り出す上述の如き処理技術では、例えば、タンクから燃料の利用設備へボイルオフガスを送り出すラインの途中を分岐させて貯留器に接続する。そして、前記タンクにて生じた余剰のボイルオフガスを加圧して前記貯留器に貯留しておき、必要に応じて前記貯留器から前記利用設備へ送り出すようにすれば良い。
しかしながら、燃料の利用設備においては、一般に、ボイルオフガスや、液化ガスを強制的に気化させた気化ガスを適当に昇圧して利用するようになっている。したがって、前記貯留器に貯留したボイルオフガスを前記利用設備にて利用するには、前記貯留器内にボイルオフガスがある程度以上の圧力をもって貯留されている必要がある。つまり、前記貯留器に貯留されたボイルオフガスが一定量に満たない場合、前記貯留器内から取り出したボイルオフガスをそのまま利用することはできない。仮に利用しようとすれば、昇圧のための圧縮機等を別途設置する必要が生じ、設備投資が嵩んでしまう。このように、貯留器にボイルオフガスを貯留する従来の技術では、ボイルオフガスの利用効率の面で改善が望まれていた。
本発明は、斯かる実情に鑑み、液化ガスから生じるボイルオフガスを効率的に利用し得るボイルオフガスの処理システム及び方法を提供しようとするものである。
本発明は、液化ガスを貯留するタンクと、該タンクから生じるボイルオフガスを使用するガス利用設備と、前記タンクから前記ガス利用設備にボイルオフガスを送出するボイルオフラインと、該ボイルオフラインの途中に備えられた圧縮機と、ボイルオフガスを貯留する貯留器と、前記ボイルオフラインにおける前記圧縮機の下流側の位置から分岐し、前記貯留器に接続される貯留ラインと、前記貯留器から抜き出したボイルオフガスを減圧する減圧手段と、前記貯留器と前記減圧手段とを接続する減圧ラインと、前記減圧手段と、前記ボイルオフラインにおける圧縮機の上流側の位置とを接続する戻しラインとを備えたボイルオフガスの処理システムにかかるものである。
本発明のボイルオフガスの処理システムにおいては、前記減圧手段として、ボイルオフガスの減圧前後におけるエネルギーの差分を回収する減圧タービンを備えることができる。
本発明のボイルオフガスの処理システムにおいては、前記減圧タービンに発電機を接続しても良い。
また、本発明は、液化ガスを貯留するタンクから生じるボイルオフガスの発生量が、ボイルオフガスを使用するガス利用設備における使用量を上回った際、余剰のボイルオフガスを昇圧して貯留器に貯留し、前記タンクから生じるボイルオフガスの発生量が使用量以下となった際、前記貯留器に貯留したボイルオフガスを減圧し、前記タンクから前記ガス利用設備に至るボイルオフラインのうち昇圧前のボイルオフガスが流通する位置へ戻す、ボイルオフガスの処理方法にかかるものである。
本発明のボイルオフガスの処理システム及び方法によれば、液化ガスから生じるボイルオフガスを効率的に利用し得るという優れた効果を奏し得る。
本発明の実施によるボイルオフガスの処理システムの一例を示す概要図であり、タンクにて生じたボイルオフガスをガス利用設備で利用する場合のガスの流れをあわせて表示している。 本発明の実施によるボイルオフガスの処理システムの一例を示す概要図であり、余剰のボイルオフガスを貯留器に貯留する場合のガスの流れをあわせて表示している。 本発明の実施によるボイルオフガスの処理システムの一例を示す概要図であり、貯留器に貯留したボイルオフガスをガス利用設備にて利用する場合のガスの流れをあわせて表示している。 本発明の参考例によるボイルオフガスの処理システムを示す概要図である。 本発明の実施によるボイルオフガスの処理方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1〜図3は本発明の実施によるボイルオフガスの処理システムの構成の一例を示している。LNGやLPGである液化ガスLを貯留するタンク1の上部には、液化ガスLから生じるボイルオフガスBを取り出すボイルオフライン2が接続されている。ボイルオフガスBは、ボイルオフライン2を介し、液化ガスLやボイルオフガスBを使用する発電設備等のガス利用設備3に送出される。ボイルオフライン2の途中には圧縮機4が備えられており、ボイルオフガスBは圧縮機4により昇圧されてガス利用設備3へ供給されるようになっている。
ボイルオフライン2は、圧縮機4の下流側の位置にて貯留ライン5に分岐している。ボイルオフライン2から分岐した貯留ライン5は、ガスホルダである貯留器6に接続され、ボイルオフライン2からボイルオフガスBを抜き出して貯留器6に貯留できるようになっている。
貯留器6には、貯留ライン5とは別に減圧ライン7の一端が接続されており、該接続ライン7の他端は、減圧手段8に接続されている。減圧手段8は、加圧されたガスを減圧するための手段であり、貯留器6内に貯留されたボイルオフガスBを減圧ライン7から抜き出し、減圧させることができるようになっている。減圧手段8の出口側は、戻しライン9を介してボイルオフライン2に接続される。ボイルオフライン2における戻しライン9の接続位置は、タンク1の下流側で且つ圧縮機4の上流側であり、減圧手段8にて減圧されたボイルオフガスBが、戻しライン9を介してボイルオフライン2における圧縮機4の上流側へ戻されるようになっている。
ボイルオフライン2におけるガス利用設備3の上流側で且つ貯留ライン5への分岐点より下流側の位置には、開閉弁10が設置され、この位置でボイルオフライン2を閉止または開放できるようになっている。また、貯留ライン5の途中及び減圧ライン7の途中には、それぞれ開閉弁11,12が設置され、この位置で各ラインを閉止または開放できるようになっている。
減圧手段8は、本実施例の場合、減圧タービンとして構成されている。減圧タービン8は、ボイルオフガスBの通過に伴いタービンブレードを回転させる仕組みの装置であり、タービンブレードを駆動する仕事をさせることでボイルオフガスBを減圧すると同時に、減圧前後におけるエネルギーの差分を、タービンブレードの回転動力に変換して回収できるようになっている。さらに、本実施例の場合、減圧タービン8には発電機13が接続され、減圧タービン8におけるタービンブレードの回転動力を電力に変換できるようになっている。
その他、本実施例のボイルオフガスの処理システムには、液化ガスLをタンク1から汲み出すためのポンプや配管、汲み出した液化ガスLを気化するための気化器、気化ガスを圧縮するための圧縮機、さらに圧力計等の各種の計器等、種々の設備や装置、部品が備えられるが、本発明の要旨とは直接関係しないため、ここでは図示を省略している。また、ガス利用設備3は、ボイルオフガスBと共に、液化ガスLを気化した気化ガスを利用するが、該気化ガスの利用に関する事項は、やはり本発明の要旨と直接関係しないため、以下では特に言及しない。
次に、上記した本実施例の作動を説明する。
タンク1では、貯留した液化ガスLから、自然入熱により随時ボイルオフガスBが発生する。ガス利用設備3においてボイルオフガスBを使用する場合、ボイルオフガスBは、図1に示す如くタンク1からボイルオフライン2を介して送出され、圧縮機4にて昇圧された後にガス利用設備3へ供給される。
ここで、タンク1におけるボイルオフガスBの発生量が、ガス利用設備3におけるボイルオフガスBの使用量を上回った場合には、ガス利用設備3で消費されない余剰のボイルオフガスBが生じることになる。この場合、余剰のボイルオフガスBは、貯留器6に貯留することができる。
貯留器6は、例えばガスホルダ等と称される装置であり、昇圧したガスを内部に貯め込むことができるようになっている。ボイルオフガスBの発生量が使用量を上回り、余剰のボイルオフガスBが生じた際には、ボイルオフライン2における利用設備3の上流側に設置された開閉弁10を閉止すると共に、貯留ライン5の途中の開閉弁11を開放する。減圧ライン7の途中の開閉弁12は閉止する。タンク1にて生じたボイルオフガスBの余剰分は、ボイルオフライン2途中の圧縮機4による昇圧を経て、図2に示す如く、ボイルオフライン2から貯留ライン5へ導かれ、貯留器6に貯留される。尚、図2ではタンク1にて生じたボイルオフガスBの全量を貯留ライン5から抜き出して貯留器6に貯留する場合を例示しているが、発生するボイルオフガスBのうち一部を貯留器6に貯留し、残りをガス利用設備3に送給して利用するようにしても良い。この場合、開閉弁10,11は開放し、開閉弁12は閉止した状態となる。また、開閉弁10または開閉弁11の少なくとも一方を流量調整弁とし、ガス利用設備3へ送られるボイルオフガスBと、貯留器6に貯留されるボイルオフガスBの割合を調整しても良い。
ボイルオフガスBの発生量が使用量を上回る状態が続き、貯留器6にボイルオフガスBが貯留された後、ボイルオフガスBの発生量が使用量以下となった場合には、貯留器6内のボイルオフガスBをガス利用設備3にて使用することができる。この場合、開閉弁10は開放し、開閉弁11は閉止する。そして、開閉弁12を開放する。
減圧ライン7の途中の開閉弁12が開放されると、図3に示す如く、加圧した状態で貯留器6内に貯留されたボイルオフガスBが、減圧ライン7を通して減圧手段8へと送られる。減圧手段8は、上述したようにタービンブレードを備えた減圧タービンであり、ボイルオフガスBは、前記タービンブレードを回転させながら減圧手段8を通過し、ボイルオフライン2における圧縮機4の上流側の圧力と同程度まで減圧される。
減圧手段8では、ボイルオフガスBの減圧に伴い、減圧前後におけるエネルギーの差分をタービンブレードの回転動力の形で回収する。該回転動力は、該タービンブレードに接続された発電機13により電力に変換される。
減圧手段8にて減圧されたボイルオフガスBは、戻しライン9を通して圧縮機4の上流側のボイルオフライン2に戻される。そして、タンク1から生じるボイルオフガスBと共にボイルオフライン2を通って圧縮機4で昇圧され、ガス利用設備3に送られる。
このようにすると、貯留器6に貯留したボイルオフガスBの量が少なくても、貯留器6内のボイルオフガスBを利用することができる。すなわち、例えば図4に参考例として示す如く、減圧ライン7や減圧手段8、戻しライン9を備えずにシステムを構成しても、ボイルオフガスBの発生量が使用量を上回っている間、貯留器6に余剰のボイルオフガスBを貯留することは可能である。ここで、本参考例では、ボイルオフライン2のガス利用設備3の上流側に設置した開閉弁10、貯留ライン5途中の開閉弁11に加え、ボイルオフライン2における圧縮機4より下流側且つ貯留ライン5への分岐点より上流側に開閉弁14を設置している。そして、貯留器6にボイルオフガスBを貯留するとき、開閉弁10は閉止し、開閉弁11は開放する。
本参考例において、貯留器6内に貯留したボイルオフガスBを利用しようとする場合には、開閉弁14を閉止すると共に、開閉弁10,11を開放し、貯留器6から貯留ライン5を通じてボイルオフライン2にボイルオフガスBを戻し、ガス利用設備3へ送ることになる。しかしながら、この際、貯留器6内に貯留したボイルオフガスBの量が少なく、圧力がガス利用設備3における要求圧力に達していなければ、ボイルオフガスBをガス利用設備3において好適な条件で使用することができない。
この点、本実施例(図1〜図3参照)においては、貯留器6に貯留したボイルオフガスBは、減圧ライン7や戻しライン9を通じて圧縮機4の上流側に戻されるので、貯留器6内のボイルオフガスBの圧力がガス利用設備3の要求圧に達していなくても、圧縮機4で昇圧することにより、好適に利用することが可能である。ここで、貯留器6から抜き出したボイルオフガスBの昇圧には、もともとタンク1から発生するボイルオフガスBを昇圧するために設置された既設の圧縮機4を用いるので、貯留器6から抜き出したガス利用設備3の要求圧未満のボイルオフガスBを利用するにあたり、圧縮機を別途設置する必要がなく、設備費が抑えられる。
しかも、圧縮機4の上流側のボイルオフライン2は、タンク1において自然入熱により生じた昇圧前のボイルオフガスBが流通する部分である。つまり、貯留器6に貯留されたボイルオフガスBが戻される先のボイルオフライン2では、ボイルオフガスBの圧力は大気圧とほぼ変わらない程度であるため、貯留器6内におけるボイルオフガスBの圧力が大気圧よりわずかに高い程度であっても、支障なくボイルオフライン2に戻すことができるのである。
ここで、貯留器6内のボイルオフガスBは、減圧手段8による減圧を経てボイルオフライン2に戻されるようになっているが、これは、貯留器6から抜き出したボイルオフガスBの圧力を、圧縮機4の上流側のボイルオフライン2の圧力まで下げるための措置である。上述の如く、昇圧前のボイルオフガスBの圧力は大気圧と同程度であるので、昇圧した状態で貯留器6内に貯留されているボイルオフガスBをそのまま圧縮機4の上流側のボイルオフライン2に戻そうとすれば、圧力差によりボイルオフライン2の各部に支障が生じる可能性がある。したがって、ボイルオフガスBの減圧は、圧縮機4の上流側に戻すにあたって必須である。
この際、ボイルオフガスBの減圧という役割の点では、減圧手段8は、上述の如き減圧タービンである必要はない。減圧手段8としては、例えば減圧弁等、ボイルオフガスBを好適に減圧して下流へ送り出すことができる装置であれば、種々の装置を採用することができる。ただし、通常の減圧弁では、減圧前後におけるエネルギーの差分を回収することはできない。本実施例では、減圧手段8を減圧タービンとすることで、前記エネルギーの差分をタービンブレードの回転動力の形で部分的に回収することができる。さらに、前記回転動力は発電機13にて電力に変換して利用することができる。ボイルオフガスBの減圧に伴い発電機13で生じた電力は、例えば圧縮機4の動力を補助するために用いても良いし、また、例えば施設内の照明等の作動電力として用いることもできる。
図5は上述の如き本実施例のボイルオフガスの処理システム(図1〜図3参照)において、ボイルオフガスBの貯留や使用に係る手順の一例を説明するフローチャートである。
図5に示す本実施例のボイルオフガスの処理方法では、まず、ステップS1において、タンク1におけるボイルオフガスBの発生量と、ガス利用設備3におけるボイルオフガスBの使用量を比較する。ボイルオフガスBの発生量は、例えば、タンク1における液化ガスLの残量や周辺環境の温度といった条件により推定することができる。ボイルオフガスBの発生量が、ガス利用設備3におけるボイルオフガスBの使用量以下であれば、ステップS2として、タンク1で生じるボイルオフガスBをガス利用設備3にて利用する(図1参照)。ステップS2の実行中は、ステップS1の判定を随時行い、ボイルオフガスBの発生量が使用量以下である間は、ガス利用設備3でのボイルオフガスBの利用を継続する。
ステップS1において、ボイルオフガスBの発生量が使用量を上回った場合は、ステップS3に移行する。ステップS3では、タンク1にて発生するが、ガス利用設備3では使用しきれない余剰のボイルオフガスBを、圧縮機4で昇圧したうえで貯留器6に貯留する(図2参照)。ステップS3の実行中にも、ステップS4として、タンク1におけるボイルオフガスBの発生量と、ガス利用設備3におけるボイルオフガスBの使用量を比較し、随時判定を行う。このステップS4において、ボイルオフガスBの発生量が使用量を上回っていれば、ステップS3に戻り、貯留器6への余剰のボイルオフガスBの貯留を継続する。ボイルオフガスBの発生量が使用量以下となった場合は、ステップS5へ進む。
ステップS5では、貯留器6におけるボイルオフガスBの貯留量が閾値以上であるか否かを判定する。ボイルオフガスBの貯留量は、例えば貯留器6内の圧力を計測することで把握できる。このステップS5において、ボイルオフガスBの貯留量が閾値未満であれば、ステップS3に戻り、貯留器6へのボイルオフガスBの貯留を継続する。
ここで、ステップS5にて判定に使用する閾値としては、貯留器6に貯留したボイルオフガスBを、減圧ライン7や戻しライン9を通じてボイルオフライン2における圧縮機4の上流側の位置へ戻すことが可能な圧力、すなわち、昇圧前のボイルオフガスBの圧力よりも高い適当な圧力値を設定することができる(図3参照)。前記閾値は、ガス利用設備3における要求圧力より低くても構わない。
ボイルオフガスBの貯留量が前記閾値以上であった場合は、ステップS6に移行する。ステップS6では、貯留器6内に貯留したボイルオフガスBを減圧ライン7から抜き出し、戻しライン9からボイルオフライン2に戻してガス利用設備3にて使用する(図3参照)。この際、上述の如く、貯留器6から抜き出されたボイルオフガスBが減圧手段8にて減圧されると同時にエネルギーの差分が回転動力に変換され、さらに発電機13で電力に変換される。ガス利用設備3においては、貯留器6から抜き出したボイルオフガスBを、タンク1から生じるボイルオフガスBとあわせて使用することができる。
ステップS6の実行中にも、タンク1におけるボイルオフガスBの発生量と、ガス利用設備3におけるボイルオフガスBの使用量を比較し、随時判定を行う(ステップS7)。ステップS7において、ボイルオフガスBの発生量が使用量を上回っていれば、貯留器6からのボイルオフガスBの供給を停止し、ステップS3に戻って貯留器6へのボイルオフガスBの貯留を開始する(図2参照)。ボイルオフガスBの発生が使用量以下であった場合は、ステップS8へ進む。
ステップS8では、貯留器6におけるボイルオフガスBの貯留量が閾値以上であるか否かを判定する。このステップS8において使用する閾値は、ステップS5で使用する閾値と同じであっても良いが、各々で別々の閾値を使用しても良い。このステップS8において、ボイルオフガスBの貯留量が前記閾値以上であれば、ステップS6に戻り、貯留器6に貯留されたボイルオフガスBの使用を継続する。ボイルオフガスBの貯留量が閾値未満であった場合は、貯留器6からのボイルオフガスBの供給を停止し、最初に戻ってステップS1からの工程を繰り返す。
このようにして、本実施例では、タンク1におけるボイルオフガスBの発生量がガス利用設備3におけるボイルオフガスBの使用量以下である場合には、タンク1にて生じるボイルオフガスBをガス利用設備3で利用し(図1参照)、ボイルオフガスBの発生量が使用量を上回った際には、余剰のボイルオフガスBを貯留器6に貯留する(図2参照)。さらに、貯留器6に閾値以上の量のボイルオフガスBが貯留された状態で、ボイルオフガスBの発生量が使用量以下となった際には、貯留器6に貯留されたボイルオフガスBをガス利用設備3で使用できるようになっている(図3参照)。
以上のように、上記本実施例のボイルオフガスの処理システムは、液化ガスLを貯留するタンク1と、該タンク1から生じるボイルオフガスBを使用するガス利用設備3と、前記タンク1から前記ガス利用設備3にボイルオフガスBを送出するボイルオフライン2と、該ボイルオフライン2の途中に備えられた圧縮機4と、ボイルオフガスBを貯留する貯留器6と、前記ボイルオフライン2における前記圧縮機4の下流側の位置から分岐し、前記貯留器6に接続される貯留ライン5と、前記貯留器6から抜き出したボイルオフガスBを減圧する減圧手段8と、前記貯留器6と前記減圧手段8とを接続する減圧ライン7と、前記減圧手段8と、前記ボイルオフライン2における圧縮機4の上流側の位置とを接続する戻しライン9とを備えている。
そして、本実施例によるボイルオフガスの処理方法においては、液化ガスLを貯留するタンク1から生じるボイルオフガスBの発生量が、ボイルオフガスBを使用するガス利用設備3における使用量を上回った際、余剰のボイルオフガスBを昇圧して貯留器6に貯留し、前記タンク1から生じるボイルオフガスBの発生量が使用量以下となった際、前記貯留器6に貯留したボイルオフガスBを減圧し、前記タンク1から前記ガス利用設備3に至るボイルオフライン2のうち昇圧前のボイルオフガスBが流通する位置へ戻すようにしている。
このようにすると、貯留器6内のボイルオフガスBの圧力がガス利用設備3の要求圧に達していなくても、圧縮機4で昇圧することで、ボイルオフガスBをガス利用設備3で好適に利用することが可能である。この際、貯留器6に貯留されたボイルオフガスBが戻される先のボイルオフライン2では、ボイルオフガスBの圧力は大気圧とほぼ変わらない程度であるため、貯留器6内におけるボイルオフガスBの圧力が大気圧よりわずかに高い程度であっても、支障なくボイルオフライン2に戻してガス利用設備3で利用することができる。
また、本実施例のボイルオフガスの処理システムは、前記減圧手段8として、ボイルオフガスBの減圧前後におけるエネルギーの差分を回収する減圧タービンを備えているので、前記エネルギーの差分を、タービンブレードの回転動力の形で部分的に回収することができる。
また、本実施例のボイルオフガスの処理システムにおいては、前記減圧タービン8に発電機13が接続されているので、前記回転動力を電力に変換して利用することができる。
したがって、上記本実施例によれば、液化ガスから生じるボイルオフガスを効率的に利用し得る。
尚、本発明のボイルオフガスの処理システム及び方法は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 タンク
2 ボイルオフライン
3 ガス利用設備
4 圧縮機
5 貯留ライン
6 貯留器
7 減圧ライン
8 減圧手段(減圧タービン)
9 戻しライン
13 発電機
B ボイルオフガス
L 液化ガス

Claims (4)

  1. 液化ガスを貯留するタンクと、
    該タンクから生じるボイルオフガスを使用するガス利用設備と、
    前記タンクから前記ガス利用設備にボイルオフガスを送出するボイルオフラインと、
    該ボイルオフラインの途中に備えられた圧縮機と、
    ボイルオフガスを貯留する貯留器と、
    前記ボイルオフラインにおける前記圧縮機の下流側の位置から分岐し、前記貯留器に接続される貯留ラインと、
    前記貯留器から抜き出したボイルオフガスを減圧する減圧手段と、
    前記貯留器と前記減圧手段とを接続する減圧ラインと、
    前記減圧手段と、前記ボイルオフラインにおける圧縮機の上流側の位置とを接続する戻しラインと
    を備えたボイルオフガスの処理システム。
  2. 前記減圧手段として、ボイルオフガスの減圧前後におけるエネルギーの差分を回収する減圧タービンを備えた、請求項1に記載のボイルオフガスの処理システム。
  3. 前記減圧タービンに発電機が接続されている、請求項2に記載のボイルオフガスの処理システム。
  4. 液化ガスを貯留するタンクから生じるボイルオフガスの発生量が、ボイルオフガスを使用するガス利用設備における使用量を上回った際、余剰のボイルオフガスを昇圧して貯留器に貯留し、
    前記タンクから生じるボイルオフガスの発生量が使用量以下となった際、前記貯留器に貯留したボイルオフガスを減圧し、前記タンクから前記ガス利用設備に至るボイルオフラインのうち昇圧前のボイルオフガスが流通する位置へ戻す、ボイルオフガスの処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230169335A (ko) 2021-08-19 2023-12-15 미쯔이 이앤에스 씨오.,엘티디. 휘발 암모니아 가스 처리 장치 및 처리 방법
JP7453952B2 (ja) 2021-11-10 2024-03-21 一哉 上原 アスピレータ減圧手段を用いる減圧タービン発電システム

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