JP6716048B1 - 熱量変動抑制装置、熱量変動抑制方法 - Google Patents

熱量変動抑制装置、熱量変動抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料ガスの窒素成分増加が、急激に発生した場合においでも、端末装置への影響を最小限に抑える。【解決手段】熱量が変動する燃料供給システムにおいて、端末機器22へガスを供給する前の配管20に、吸着材としての活性炭28が充填され、かつ、所定量の空隙30(容積)をもつ熱量変動抑制タンク32を介在させている。熱量変動抑制タンク32によれば、例えば、窒素ガスなどの混入によって低熱量側に変動した際にもバッファタンク(活性炭28が無い条件)と概ね等価の熱量変動抑制効果が確認された。活性炭28が充填された熱量変動抑制タンク32は、高熱量側から低熱量側までの幅広い熱量変動抑制効果を発揮することかできる。活性炭28の無いバッファタンクと比較して、小型で設置面積も小さくできる。【選択図】図1

Description

本発明は、LNG(液化天然ガス)貯槽から発生するBOG(ボイルオフガス)をガスエンジン等の消費機器燃料として使用する際、BOG中に含まれる不純成分(例えば、窒素ガス等)の増減によるガスエンジンのノッキングや失火等を防止するためのガス組成に起因する熱量変動を抑制するための熱量変動抑制装置、熱量変動抑制方法に関する。
都市ガス製造基地などにおいてLNGを、気化器(例えば、ORV(オープンラックベーパーライザー)等)にて気化させて生成する気化ガスにおいて、LNG中に含まれる重炭化水素成分(エタン、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等)が経時的に組成変動することでLNGの主成分であるメタンガスの総発熱量(以降「メタン熱量」と称す)よりも高い発熱量(以降「高熱量」と称す)となり、メタン熱量と高熱量の変動を繰り返すことがあり、ガス製造設備やガスエンジンなどの消費機器の稼働に影響する可能性がある。
通常は、熱量変動抑制するためにガス配管中にバッファタンクなどを配置して熱量変動を緩和させている。しかし、バッファタンクは設置面積や設置コストが高くなる。
そこで、活性炭の吸着現象を活用した吸着式の熱量変動抑制タンクを用いることがなされている(特許文献1〜特許文献4参照)。
吸着式の熱量変動抑制タンクはバッファタンクと比較してタンクサイズを大幅に小さくできることから、LNG基地やLNGサテライトなどに導入されている。
特許第4907845号公報 特許第4931718号公報 特許第5207522号公報 特許第5160627号公報
ところが、近年では都市ガスの原料であるLNG資源調達の多様化によるLNG成分の希薄化や不純物の増加などによって、メタン熱量よりも更に熱量が低くなる課題が顕在化しつつある。
特に気化したガス中の窒素ガス成分が増加した場合、メタン熱量よりも低い熱量(以降「低熱量」と称す)に変動する可能性がある。
しかし、特許文献1〜特許文献4に記載されている活性炭は、高熱量への熱量変動に対しては効果が確認されているが、低熱量側への熱量変動に対する抑制効果は検証されていないため、ガス製造設備やガスエンジンなどの消費機器への影響が懸念される。
都市ガス事業者は、複数のLNG貯槽に産出国ごとに分けて貯蔵を行っているケースがある。このような場合、ガス製造時に複数のLNG貯槽からLNGが送出されるため、配管内で異なる成分のガスが合流する界面で急激な熱量変動を生ずることがある。
特に、窒素ガス成分が増加した場合の低熱量側への熱量変動抑制効果が確認されていない事から、窒素ガス成分の変動による熱量変動を抑制し、ガス製造設備やガスエンジン等の端末装置への影響を最小限にすることが必要である。
本発明は、燃料ガスの窒素成分増加が、急激に発生した場合においても、端末装置への影響を最小限に抑えることができる熱量変動抑制装置、熱量変動抑制方法を得ることが目的である。
本発明に係る燃料ガスの熱量変動抑制装置は、燃料消費機器へ送出される燃料ガスの熱量変動を抑制する熱量変動抑制装置であって、前記燃料ガスの熱量変動を抑制するための熱量変動抑制タンクと、前記熱量変動抑制タンク内に充填され、前記燃料ガスに含まれる燃焼性ガス及び非燃焼性ガスを吸着及び脱着することで、前記熱量変動抑制タンクと共に、前記燃料ガスの目標範囲の熱量を逸脱する熱量変動を抑制する多孔質部材とを有し、前記燃料ガスが、前記燃焼性ガス及び前記非燃焼性ガスの成分比率が異なる2以上のLNGガスを混合することで生成されており、異なる成分比率のLNGガスが合流する界面において発生する熱量変動を、前記熱量変動抑制タンク及び、前記多孔質部材の吸着及び脱着によって抑制することを特徴としている。
また、本発明に係る熱量変動抑制方法は、燃料消費機器へ送出される燃料ガスの熱量変動を抑制する熱量変動抑制方法であって、前記燃料ガスが燃焼性ガス及び非燃焼性ガスの成分比率が異なる2以上のLNGガスを混合することで生成されており、当該燃料ガスを、熱量変動抑制タンクに送り込むことで熱量変動を抑制して排出する際に、当該熱量変動抑制タンクに多孔質部材を充填し、前記熱量変動抑制タンクによる熱量変動抑制と共に、異なる成分比率のLNGガスが合流する界面において発生する熱量変動を、前記多孔質部材の前記燃料ガスに含まれる燃焼性ガス及び非燃焼性ガスの吸着及び脱着によって、前記燃料ガスの目標範囲の熱量を逸脱する熱量変動を抑制する、ことを特徴としている。
本発明において、前記燃焼性ガスの主成分がメタンガスであり、前記非燃焼性ガスの主成分が窒素であり、前記燃料ガスが前記熱量変動抑制タンクを通過するときの、空塔速度、ガス圧力、及び、前記多孔質部材の充填率の少なくとも1つを調整することで、前記目標範囲内の熱量の変動に抑制することを特徴としている。
本発明において、前記多孔質部材が活性炭であり、前記活性炭によるガスの吸着及び脱着による熱量変動抑制効果分、前記熱量変動抑制タンクの空隙部の容積を小さくしたことを特徴としている。
本発明によれば、熱量変動抑制タンクは、多孔質部材が投入されることで、低熱量側の熱量変動抑制に必要な容積よりも小さい容積の空隙部を持っている。
すなわち、熱量変動抑制タンクの空隙部の容積を小さくすることで減少した変動抑制効果率を、多孔質部材と相互に影響しあって補間していることになる。
これにより、低熱量側の熱量変動抑制に必要な容積を持つバッファタンクの大きさ(外形)よりも、熱量変動抑制タンク自体の大きさ(外形)を小さくすることができる。
以上説明したように本発明では、燃料ガスの窒素成分増加が、急激に発生した場合においでも、端末装置への影響を最小限に抑えることができる。
本実施の形態に係り、端末機器に燃料を供給するための燃料供給システムを示す概略図である。 本実施の形態の吸着材として適用した活性炭の構造を示す断面図及び細孔の拡大図である。 本実施の形態の実験例に適用される装置の概略であり、(A)はメタンガスと窒素との混合率を周期的に変化させ、熱量変動抑制タンクによる変動抑制前と変動抑制後のメタン濃度を測定するための装置の正面図、(B)は図3(A)の装置で実施される条件の一覧図表である。 図3(A)の装置において、条件を、空塔速度を644/h、活性炭充填率を100%として行った抑制前後のメタン濃度特性図、(B)は図4(A)の一部を示す拡大図である。 図3(B)に示す各条件の下での熱量変動抑制効果を示す特性図である。
図1は、ガスエンジンに燃料を供給するための燃料供給システム10を示す概略図である。
燃料供給システム10は、複数(図1では、2基)のLNG貯槽14A及びLNG貯槽14Bを備えている。
一方のLNG貯槽14Aに貯留されているLNGと、他方のLNG貯槽14Bに貯留されているLNGとは、基本的に燃焼性ガスであるメタンガスを主成分としているが、非燃焼性ガス(例えば、窒素)との成分比率が異なる。
LNG貯槽14A及びLNG貯槽14Bは、それぞれ配管16A及び配管16Bが接続されている。ここで、配管16A及び配管16Bは、接合部18で管路が連通しており、接合部18の下流側の配管20は、端末機器(ガスエンジン、ガス利用設備等)22に接続されている。
LNG貯槽14A及びLNG貯槽14B内では、それぞれBOG24A及びBOG24Bが発生している。
BOG24Aは、配管16Aの途中に設けられたコンプレッサ26Aによって加圧され、接合部18で合流された状態で、配管20によって端末機器22へ供給される。
また、BOG24Bは、配管16Bの途中に設けられたコンプレッサ26Bによって加圧され、接合部18で合流された状態で、配管20によって端末機器22へ供給される。なお、端末機器22に接続される配管20には、開閉バルブ23が介在され、端末機器22へのガス供給量を制御している。
ところで、上記燃料供給システム10では、LNG貯槽14A及びLNG貯槽14Bへ貯留する前のLNG成分の燃焼性ガスと非燃焼性ガスとの成分比率の違いに起因して、合流部(図1では、接合部18)の界面で、急激な熱量変動を発生する場合がある。
例えば、気化したガス(ここでは、BOG24B)中の窒素ガス成分が、BOG24Aの窒素成分よりも多い場合、BOG24Aと合流することで、BOG24Aによるメタン熱量よりも低熱量側に変動し、定常熱量よりも低熱量側に変動したガスが、端末機器22にへ供給される場合がある。また、その逆として、高熱量側に変動したガスが、端末機器22にへ供給される場合がある。
そこで、本実施の形態では、端末機器22へガスを供給する前の配管20に、多孔質部材の一例としての活性炭28が充填され、かつ、所定量の空隙30(容積)をもつ熱量変動抑制タンク32を介在させている。
加圧されたBOG(BOG24AとBOG24Bの混合ガス)は、この熱量変動抑制タンク32と、活性炭28による吸着及び脱着によって、熱量変動を抑制した状態で端末機器22へ供給されるようになっている。
図2は、活性炭28の構造を示している。活性炭28は、石炭や、ヤシ殻等の炭素物質を原料とした骨格28Aが、高温でガスや薬品と反応させて作られる細孔28B(例えば、直径10〜200Å「10Å=1nm」)を備えている。なお、この数値範囲は一例であり、直径10Å以下、又は200Å以上を否定するものではない。吸着及び脱着するガス種等によって選択すればよい。
熱量変動抑制タンク32の空隙30(図1参照)は、変動幅を緩和し、活性炭28は、気体を吸着及び脱着し、それぞれ熱量変動抑制として機能する。
ここで、活性炭28は、高熱量への熱量変動に対しては効果が確認されているが、低熱量側への熱量変動に対する抑制効果は検証されていないため、ガス製造設備やガスエンジンなどの端末機器22への影響が懸念される。
複数のLNG貯槽14A及びLNG貯槽14BからLNGが送出されるとき、配管20内で異なる成分のガスが合流する界面で急激な熱量変動を生ずることがある。
本実施の形態では、窒素ガス成分が増加した場合の低熱量側への熱量変動抑制効果を確認し、熱量変動(振幅)が目標熱量を基準とした許容範囲内となる仕様(空塔速度、活性炭充填量等)の限度を特定した(図4参照)。なお、目標熱量(許容範囲を含む)とは、ガス製造設備やガスエンジン等の端末機器22への影響を許容し得る熱量である。目標熱量でフラットであれば、影響が最小限となる。
以下に、本実施の形態の作用を説明する。
燃焼性ガスとしてのメタンガスを主成分とし、非燃焼性ガスである窒素ガス等の不純物との成分比率が異なるLNG貯槽14A及びLNG貯槽14Bのそれぞれから送出されるBOGガスが、コンプレッサ26A及びコンプレッサ26Bのそれぞれで圧縮され、接合部18よりも下流側の配管20において、間歇的に混合される。
この場合、窒素成分比率に比例してBOG熱量(メタン熱量)と低熱量の変動の繰り返しが発生し、ガスエンジンや消費機器に影響を及ぼす可能性がある。
そこで、配管20の途中に、活性炭28が充填された熱量変動抑制タンク32を設け、変動を抑制するようにした。
配管20の途中に、熱量変動抑制タンク32を介在させることで、変動抑制効果を発揮することは実証されているが、熱量変動抑制タンク32に充填する活性炭28の充填率、及びBOGを供給する度合い(空塔速度)の最適値が確率されていなかった。
そこで、本実施の形態では、変動抑制前後における熱量変化速度の比較により、活性炭28の充填率、及び空塔速度の限界値を特定した。
すなわち、活性炭28による吸着及び脱着により熱量変動が抑制されるが、空塔速度が速くなると、この活性炭28による吸着及び脱着が十分に行われない状態で、熱量変動抑制タンク32を通過して、結果として熱量変動抑制効果が低下することを見い出した。
そこで、本実施の形態において、ガス供給設備の仕様を設計するにあたり、活性炭28の充填がかえって逆効果となる空塔速度を上限として、空塔速度を設定し、当該空塔速度の下で、活性炭28を所定の充填率で充填する。
本実施の形態によれば、例えば、窒素ガス等の混入によって低熱量側に変動した際にも、活性炭28が充填されていない熱量変動抑制タンク32を適用した場合と比較して、活性炭28を充填することで、低熱量側の熱量変動抑制効果を発揮することができる。
(実験例)
「実験設備構成」
図3(A)に示される如く、実験装置50は、メタンガスタンク52と、窒素ガスタンク54を備えている。
メタンガスタンク52から流出するメタンガスは、流量調整器56で流量が調整されてミキサー58へ供給される。
また、窒素ガスタンク54から流出される窒素ガスは、流量調整器60で流量が調整されてミキサー58へ共有される。
ミキサー58では、所定の流量となったメタンガスと窒素ガス混合され(合計で100Vol%)、実験用の熱量変動抑制タンク32A(容積、63ml)へ供給される。
ここで、熱量変動抑制タンク32Aの上流側配管62には、混合ガスの抑制前濃度を計測する抑制前濃度計64が介在されている。
また、熱量変動抑制タンク32Aの下流側配管66には、混合ガスの抑制後濃度を計測する抑制後濃度計68が介在されている。
上記実験装置50において、図3(B)に示される条件で、混合ガスを生成し、抑制前濃度計64及び抑制後濃度計68の計測値を取得する。
すなわち、窒素濃度を1.5Vol%から6.0Vol%に周期的に変化させ、メタン濃度を98.5Vol%から94.0Vol%に周期的に変化させる。
抑制前の熱量変化速度は0.18MJ/秒とし、ガス圧力は0.2MPa.Gとする。
ここで、空塔速度644/h、1033/h、及び1421/hのそれぞれと、活性炭28の充填率を0%、33%、66%、及び100%のそれぞれの組み合わせ、抑制前後の濃度測定を行う。すなわち、空塔速度種3×活性炭28の充填率種4なので、12パターンの実験が実行される。
図5は、12パターンの実験結果における、熱量変動抑制効果を示したものである。熱量変動抑制効果とは、熱量変動の抑制前変化速度に対する抑制後変化速度の比率であり、以下の(1)式で表すことができる。

・・・(1)
「実験結果」
図4(A)は、実験装置50において、条件を、空塔速度を644/h、活性炭充填率を100%として行った抑制前後のメタン濃度特性図である。抑制前(点線)は、目標熱量(許容範囲を含む)を、高熱量側及び低熱量側の双方で逸脱していることがわかる。
図4(B)は、図4(A)の一部の拡大図であり、熱量変動の抑制前の熱量変化速度に比例する変化率(θ1)、及び抑制後の熱量変化速度に比例する変化率(θ2)を求めたものである。
図5は、図3(B)に示す各条件の下での熱量変動抑制効果を示す特性図である。何れも、熱量変動抑制効果は、40%を超えており、熱量変動抑制タンク32が機能を発揮していることがわかる。一方で、活性炭28の充填率と空塔速度との関係で、熱量変動抑制効果が変化することをわかる。
図4に基づき、実験結果を示す。
(a) 熱量変動の抑制前及び抑制後の周期は同一である。但し、初期の活性炭28へのガス吸着時のタイムラグにより位相は異なる。
(b) 抑制後の方が、抑制前よりも、熱量変化速度が遅い(θ1<θ2)。
(c) 段落番号0067の(a)の記載のとおり、燃料変動の抑制前及び抑制後で熱量変動の周期は変わらないが、熱量変化速度が遅いということは、振幅(熱量変動)が抑制されるということを示す。
「実験結果の考察」
実験結果において、空塔速度644/h〜1033/hでは、活性炭充填率が0%の熱量変化速度が、活性炭の充填した充填率(33%、66%、100%)に関係なく最も速いため、活性炭充填による効果が発現しているといえる。
一方、空塔速度1421/hでは、活性炭充填率0%の熱量変化速度が、活性炭の充填した充填率(33%、66%、100%)と比較して、わずかに遅いことから、空塔速度が速くなるにつれて活性炭28への吸着及び脱着が十分に行われないまま、熱量変動抑制タンク32を通過して、結果として熱量変動抑制効果が低下したと考えられる。
以上を踏まえ以下のようにまとめることができる。
(1) 空塔速度が遅ければ遅いほど、活性炭28の充填による熱量変動抑制効果が顕著となる。
(2) 実装時の一般的な空塔速度は、644/hが適用される。例えば、300/h程度が一般的である。
(3) 一方、空塔速度が1421/hになると、活性炭28を充填することで、熱量変動抑制効果が低下する。
(4) 従って、空塔速度1421/h未満を上限しきい値として、ガス供給設備を設計することが好ましく、実用(300/h)では、活性炭28の充填は、十分に、熱量変動抑制効果に寄与される。
以上説明したように、活性炭28が高熱量側に変動した際の熱量変動抑制効果については効果が確認されていたが(特許文献1〜特許文献4参照)、本実施の形態に係る熱量変動抑制タンク32によれば、例えば、窒素ガスなどの混入によって低熱量側に変動した際にもバッファタンク(活性炭28が無い条件)と概ね等価の熱量変動抑制効果が確認された。
従って、活性炭28が充填された本実施の形態の熱量変動抑制タンク32は、高熱量側から低熱量側までの幅広い熱量変動抑制効果を発揮することかでき、活性炭28を、高熱量側の熱量変動抑制に限定せず、低熱量側の熱量変動を含めた、高熱量側及び低熱量側への熱量変動抑制として利用することができる。
また、活性炭28を充填した熱量変動抑制タンク32は、活性炭28の無いバッファタンクと比較して、小型で設置面積も小さくできる。
さらに、活性炭28は物理的な吸脱着が自然に行われるため、抑制効果が経時的に劣化することはない。また、活性炭28はメンテフリーで、本実施の形態の熱量変動抑制タンク32は、従来に比較して小サイズであることから、メンテナンス費用なども抑えることが可能である。
10 燃料供給システム
14A、14B LNG貯槽
16A、16B 配管
18 接合部
20 配管
22 端末機器
24A、24B BOG
26A、26B コンプレッサ
23 開閉バルブ
28 活性炭(多孔質部材)
30 空隙
32 熱量変動抑制タンク
50 実験装置
32A 熱量変動抑制タンク(実験装置用)
52 メタンガスタンク
54 窒素ガスタンク
56 流量調整器
58 ミキサー
60 流量調整器
62 上流側配管
64 抑制前濃度計
66 下流側配管
68 抑制後濃度計

Claims (6)

  1. 燃料消費機器へ送出される燃料ガスの熱量変動を抑制する熱量変動抑制装置であって、
    前記燃料ガスの熱量変動を抑制するための熱量変動抑制タンクと、
    前記熱量変動抑制タンク内に充填され、前記燃料ガスに含まれる燃焼性ガス及び非燃焼性ガスを吸着及び脱着することで、前記熱量変動抑制タンクと共に、前記燃料ガスの目標範囲の熱量を逸脱する熱量変動を抑制する多孔質部材とを有し、
    前記燃料ガスが、前記燃焼性ガス及び前記非燃焼性ガスの成分比率が異なる2以上のLNGガスを混合することで生成されており、異なる成分比率のLNGガスが合流する界面において発生する熱量変動を、前記熱量変動抑制タンク及び、前記多孔質部材の吸着及び脱着によって抑制することを特徴とする熱量変動抑制装置。
  2. 前記燃焼性ガスの主成分がメタンガスであり、前記非燃焼性ガスの主成分が窒素であり、前記燃料ガスが前記熱量変動抑制タンクを通過するときの、空塔速度、ガス圧力、及び、前記多孔質部材の充填率の少なくとも1つを調整することで、前記目標範囲内の熱量の変動に抑制することを特徴とする請求項1記載の熱量変動抑制装置。
  3. 前記多孔質部材が活性炭であり、前記活性炭のガス吸脱着による熱量変動抑制効果分、前記熱量変動抑制タンクの空隙部の容積を小さくしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の熱量変動抑制装置。
  4. 燃料消費機器へ送出される燃料ガスの熱量変動を抑制する熱量変動抑制方法であって、
    前記燃料ガスが燃焼性ガス及び非燃焼性ガスの成分比率が異なる2以上のLNGガスを混合することで生成されており、当該燃料ガスを、熱量変動抑制タンクに送り込むことで熱量変動を抑制して排出する際に、当該熱量変動抑制タンクに多孔質部材を充填し、
    前記熱量変動抑制タンクによる熱量変動抑制と共に、異なる成分比率のLNGガスが合流する界面において発生する熱量変動を、前記多孔質部材の前記燃料ガスに含まれる燃焼性ガス及び非燃焼性ガスの吸着及び脱着によって、前記燃料ガスの目標範囲の熱量を逸脱する熱量変動を抑制する、ことを特徴とする熱量変動抑制方法。
  5. 前記燃焼性ガスの主成分がメタンガスであり、前記非燃焼性ガスの主成分が窒素であり、前記燃料ガスが前記熱量変動抑制タンクを通過するときの、空塔速度、ガス圧力、及び、前記多孔質部材の充填率の少なくとも1つを調整することで、前記目標範囲内の熱量の変動に抑制することを特徴とする請求項4記載の熱量変動抑制方法。
  6. 前記多孔質部材が活性炭であり、前記活性炭によるガスの吸着及び脱着による熱量変動抑制効果分、前記熱量変動抑制タンクの空隙部の容積を小さくしたことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の熱量変動抑制方法。
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