JP4931781B2 - 混合ガス供給装置及びその組成変動抑制方法 - Google Patents

混合ガス供給装置及びその組成変動抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、混合ガス供給装置及びその組成変動抑制方法に係り、特に、都市ガス等、燃料ガスの発熱量安定化に好適な混合ガス供給装置及びその組成変動抑制方法に関する。
近年、大都市圏から離れた地方における都市ガス需要の増加に伴い、LNG(液化天然ガス)サテライト基地が多く建設されている。LNGサテライト基地は、LNG貯槽と気化器を備えた設備であり、沿岸のLNG受入基地からローリーでLNGを輸送し、LNG貯槽に一旦貯蔵した後に、LNGを気化して工業団地や住宅地などに都市ガスとして供給するためのものである。
このようなLNGサテライト供給方式においては、気化器稼動開始時や負荷変動、気温変化等に伴う供給ガスの発熱量変動が問題となる場合があり、このため供給ガスの発熱量安定化のための種々の技術が開示されている。気化器自体の改良としては、LNG気化器の停止時にパージラインからLPGをパージする技術が提案されている(例えば特許文献1)。
また、吸着材を用いた発熱量調整装置として、気化器下流側に活性炭を充填した吸着材充填タンクを設けて、発熱量変動を抑制する技術が提案されている(例えば特許文献2)。図15は、この方式による従来のサテライト基地100を示すものである。サテライト基地100は、LNG貯槽101、外気を加熱源とする気化器102、吸着材充填タンク103を主要構成とする。充填タンク103内には細孔直径2.0〜3.0nmの活性炭が充填されている。このような構成により、タンクローリ105、ライン106を介して供給されるLNGをLNG貯槽101に一旦貯蔵し、気化器102で気化して天然ガスとし、さらに充填タンク103を通過させる。これにより、気化器出側において高沸点(重質炭化水素)成分の組成比が高くガス発熱量が高いときには、高沸点成分を吸着材で吸着し、また低沸点成分であるメタンの組成比が高くガス発熱量が低いときには、吸着した高沸点成分を脱着させて発熱量変動を抑制する。
特開平7−109476号公報 特開2005-273753号公報
しかしながら、従来の吸着材を用いた発熱量調整方法においては、吸着材の吸着量に限界があるため、吸着材充填タンクの単位体積当たりガス処理量が制限される。従って、例えば下流側にガスエンジンが存在するような高度の発熱量安定化が必要とされる場合には、吸着材充填量を増やすことが必要となり、吸着材充填タンク容積の大型化、建設作業や設置作業の煩雑化が避けられないという問題がある。
このように、LNGサテライト基地を始めとする混合ガス供給装置において、吸着材充填タンクの小型化、混合ガスの組成変動抑制効果の改善が求められている。
本願発明者らは鋭意研究の結果、吸着材充填タンク内圧力が高くなるに従い組成変動抑制効果が大きくなり、かつ、吐出されるガスの変動の位相のずれが大きくなることを見出した。さらに、充填タンク内に吸着材を充填しない状態でも、同様の組成変動抑制効果があることを見出した。
これらの知見に基づいて、本発明は、混合ガス供給装置において、より小さなバッファータンク又は吸着材充填タンクを用いても、組成変動を所望の範囲に抑えることを可能とする技術を提供するものである。本発明は、以下の内容を要旨とする。
すなわち、本発明に係る混合ガス供給装置は、
(1)ガス組成が時間経過とともに変動する混合ガスを供給する供給ラインと、供給ライン経路中に複数の並列配管部と、各並列配管部に配設され、混合ガスを一時的に貯蔵するためのバッファータンクと、各バッファータンクを異なる圧力に調整可能とする圧力調整手段と、を備えて成ることを特徴とする。
本発明において、「ガス組成が時間経過ともに変動」とは、必ずしも周期的な変動のみを意味せず、非周期的変動をも含み、また連続的な変動のみならず単発的な変動も含む。
本発明において、「混合ガス」は、化学工業における原料ガス、副生ガス、排気ガス、バイオマスによる生成ガス等を含む概念である。
(2)上記発明において、それぞれの並列配管部に分配される混合ガスを、所定の流量比に調整する流量比調整手段を、さらに備えて成ることを特徴とする。
(3)少なくとも1以上の前記バッファータンクには、吸着材が充填されて成ることを特徴とする。
本発明に用いる「吸着材」としては、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、メソポーラスシリカ、活性アルミナ、有機金属錯体などを用いることができる。また、活性炭としては、石炭原料活性炭、ヤシガラ活性炭、木炭、石油原料活性炭、竹炭、フェノール樹脂活性炭、レーヨン由来活性炭、アクロニトリル由来活性炭、草炭、おがくず炭、泥炭などがある。
各バッファータンクに吸着材を充填することにより、さらなる変動幅抑制が可能となる。
また、本発明に係る混合ガス供給装置における組成変動抑制方法は、
(4)上記の各混合ガス供給装置において、各バッファータンク内を所定の異なる圧力に設定して、各バッファータンクから流出する混合ガスの組成変動に適宜、位相差を生じさせることにより、ガス組成変動幅を所望の範囲に抑制することを特徴とする。
本発明において、「位相」とは周期的あるいは非周期的な組成変動が起きたときに、下流側にその結果が現れるまでの時間及びタイミングを意味する概念である。また、「位相差」とは、位相のずれを意味する概念である。
本来、バッファータンク(以下、タンクと略記することがある)の容積によりガス組成変動幅の抑制量は定まるが、同一容積であっても各バッファータンク内圧力をタンクごとに変えることにより変動幅が変化し、また、タンク出口におけるガス組成変動に位相差を生じさせることができる。このような変動幅、位相差が異なるガスをタンク下流側で混合することにより、ガス組成変動幅を所望の範囲に抑制することが可能となる。
(5)上記(4)において、さらに、それぞれの前記並列配管部に分配される混合ガスの流量比を適宜設定することにより、合流後の混合ガスの組成変動幅を、最小変動幅のバッファータンクにおける組成変動幅以下に抑制することを特徴とする。
以下、上記各発明の作用について説明する。各バッファータンクの圧力、流量の相違及び吸着材の吸脱着作用が相乗的に作用して、各タンク出口におけるガスの組成変動幅、位相に差が生じる。この場合、バッファータンク容積が同一のとき、タンク圧力が高いほど組成変動抑制効果が大きく、また吐出されるガスの変動の位相のずれも大きくなる。今、図13に示すように、並列に配管したバッファータンクTa、Tbに、ガス組成が周期的に変動する混合ガスを送り、合流させる装置を想定する。当該装置には流量・圧力調整手段Ra、Rbが設けられており、タンクTa側について流量Fa、内圧Pa、タンクTb側について流量Fb、内圧Pbとなるように調整(Pa<Pbとする)されるものとする。当該装置において、タンクTa、Tbの圧力、流量の相違により、分岐位置A、タンク出口位置Ba・Bbにおける混合ガスの組成変動に基づく物理量変化波形は、図14のW0、Wa、Wbのように示される。この場合、Wa、WbはW0に対して周期は同一で、それぞれ位相差Δωa、Δωb(Δωa<Δωb)が生じる。また、変動指数ΔW=(Wmax−Wmin)/2とするとき、ΔW0>ΔWa>ΔWbとなる。ここに、物理量とは、例えば発熱量、着目成分の濃度、組成比等の計測量をいう。
さらに、合流後の位置Cにおける組成変動波形は、Wa、Wbの合成波形W1となる。そして、組成変動指数ΔW1は、流量比Rf=Fa/Fb、圧力比Rp=Pa/Pbに対応して定まり、Rf、Rpを適宜調整することにより、ΔW1<ΔWbにすることができる。なお、説明の便宜上、図14では変動波形を正弦波で表現したが、実際には正弦波のような滑らかな波形ではなく、不整形な波形になるのが一般的である。
(6)上記(4)(5)において、混合ガスが燃料ガスであり、かつ、前記組成変動に替えて発熱量変動であることを特徴とする。
(7)上記(6)において、燃料ガスがメタンを主成分とする天然ガス又は都市ガスであることを特徴とする。
現在、全国の都市ガスはウオッベ指数及び燃焼速度指数に基づいて13種類のガスグループに分類され、都市ガス事業者は特定したガス種の都市ガスを供給域内の需要家に対して供給することが、ガス事業法により義務付けられている。例えば、CH4を主成分とする13A都市ガスについては、52.7≦WI≦57.8、35≦MCP≦47と定められている。ここにウオッベ指数(WI)は、ガスの発熱量H(MJ/m3)をガスの空気に対する比重sの平方根で割った数値(WI=H/√s)で表され、ガス機器の完全燃焼性の指標となるものである。また、燃焼速度指数(MCP)は、都市ガス中の各可燃性ガスの燃焼速度の関数として表される(詳細はガス事業法に示されているため、説明を省略する)。
従って、本発明による混合ガス供給装置を用いて、混合ガスのWI及びMCPを上記13A都市ガスの範囲に制御することにより、供給域内で都市ガス13A用機器を良好に燃焼させることができる。
本発明により、バッファータンクの容積を増やすことなく、組成変動を一定範囲に抑えてガス供給を可能とする混合ガス供給装置が可能となる。
また、バッファータンクとして吸着材充填タンクを用いる発明にあっては、さらに組成変動抑制効果を高めることが可能となる。
また、混合ガスとして燃料ガスを用いる発明にあっては、供給元から発熱量変動を伴うガスが供給された場合であっても、発熱量変動を一定範囲に抑制して需要家に供給することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図1乃至4を参照してさらに詳細に説明する。なお、重複説明を回避するため、各図において同一構成には同一符号を用いて示している。なお、本発明の範囲は特許請求の範囲記載のものであって、以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
(第一の実施形態)
本実施形態は、「混合ガス」として組成が時間経過とともに変動する燃料ガス(LNG原料)を用い、異なる圧力に設定されたバッファータンクを並列配管部に配置することにより、組成変動(発熱量変動)の抑制を図るものである。
図1は、本実施形態に係る燃料ガス供給装置1の全体構成を示す図である。燃料ガス供給装置1は、LNG貯槽4と、気化器3と、並列配管La、Lbの経路中に設けられた2基のバッファータンク2a、2bと、供給配管L3の末端側に負荷装置5(例えばガスエンジン)を備えている。LNG貯槽4には、不図示のタンクローリ等により運ばれるLNGが貯蔵されている。これら装置間は供給配管L1乃至L3により接続されている。気化器3からは組成が変動(これに伴い発熱量も時間経過とともに変動)するLNG気化ガスが供給される。
タンク2a、2bには同一の吸着材(例えば石炭原料活性炭、ヤシガラ原料活性炭等)が充填されている。並列配管Laのタンク2a上流側には流量弁(流量調整弁)V1a、下流側には減圧弁(圧力調整弁)V2aが、また並列配管Lbのタンク2b上流側には流量弁V1b及び減圧弁V2bが、それぞれ配設されている。
燃料ガス供給装置1は、供給ガスの発熱量制御を行う制御部6を備えている。制御部6は、供給配管L3経路中に配設された熱量計7の計測値に基づいて、各流量弁V1a、V1b及び減圧弁V2a、V2bの開度を適宜調節し、発熱量変動を所定範囲以下に抑制するように制御する。
以上の構成により、燃料ガス供給装置1は、LNG貯槽4内のLNGを気化器3で気化して天然ガスとし、タンク2a、2bにおいて発熱量変動を抑制させた後に、供給配管L3を経由して負荷装置5に供給する。
次に、燃料ガス供給装置1における発熱量変動抑制方法について説明する。気化器3から出た混合ガス(流量F0、圧力P0)は、分岐位置Aにおいて並列配管La側と並列配管Lb側に分流し、流量弁V1a、V1bにより流量比Rf=Fa/Fbに分配される。その後、並列配管La側の混合ガスは直接タンク2aに流入し、タンク内圧力はPaとなる。一方、並列配管Lb側を流れる混合ガスは減圧弁V2bにより減圧され、タンク内圧力はPb(Pa>Pb)となる。
図2は、各位置における発熱量変動の時間的推移を示す図である。H0、Ha、Hb、H1は、それぞれ分岐位置A、タンク2a出口位置Ba、タンク2b出口位置Bb、合流後の位置Cにおける発熱量変動波形である。上述のように、流量比Rf=Fa/Fb、圧力比Rp=Pa/Pbを適宜設定することにより、発熱量変動指数(ΔH=(Hmax−Hmin)/2)について、ΔH0>ΔHb>ΔHaとなるように調整されている。さらにHa、Hbの合成波形であるH1について、ΔH1<ΔHaとなるように調整されている。なお、説明の便宜上、図2では変動波形を正弦波で表現したが、実際には正弦波のような滑らかな波形ではなく、不整形な波形になるのが一般的である。
また、本実施形態では、両方のタンクに吸着材を充填する形態としたが、図3(a)に示すように一方のバッファータンク2cに吸着材を充填し、他方のバッファータンク2dには吸着材を充填しない形態、又は図3(b)に示すように両方のタンク2e、2fを空タンクとする形態とすることもできる。いずれの形態においても、流量比Rf、圧力比Rpを適宜設定することにより、最小の発熱量変動幅のタンク以下の変動幅に抑制することができる。
(第二の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図4は、本実施形態に係る燃料ガス供給装置20の全体構成を示す図である。燃料ガス供給装置20が上述の燃料ガス供給装置1と異なる点は、バッファータンクを3基備えていることである。すなわち、並列配管L21、L22、L23の経路中に吸着材が充填されたタンク21a、21b、21cを備えている。各並列配管のタンク上流側には流量弁V3a乃至V3cが配設されている。また、タンク21aの下流側には減圧弁V4aが、タンク21bの上流側には減圧弁V4b、下流側には減圧弁V4dが、タンク21cの上流側には減圧弁V4cが、それぞれ配設されている。
以上の構成により、各タンク内吸着材の吸脱着及び圧力相違の相乗作用により、発熱量変動抑制が行われるが、上述の実施形態と同様、流量比、圧力比を適切に設定することにより、最小の発熱量変動幅のタンク以下の変動幅に抑制することができる。
なお、本実施形態では3基のタンクを並列に配置する形態としたが、さらに多数のタンクを並設することにより、さらなる発熱量抑制が可能となる。理論的にはタンクを増やすに伴い、変動が0に近づくことになる。
以下、本発明の効果確認のために行った試験の内容について説明する。実施例1〜3はバッファータンク単体での試験であり、実施例4、5は2つのバッファータンクを並列に配置して行った試験である。それぞれの試験条件の比較を表1、2に示す。
Figure 0004931781
Figure 0004931781
a.実施例1
(試験ガス)
2分間、LNG気化ガス(組成:CH4:90.8%、C2H6:5.0%、C3H8:3.0%、i-C4H10:0.6%、n-C4H10:0.6%)を流し、その後1分間、このガスに添加ガスとしてプロパンガスを添加するサイクルを繰り返すことにより、周期的に組成(発熱量)が変動するガスを調製した(以下、試験ガス1という)。試験ガス1の発熱量変動は、最小44.6MJ/m3、最大50.1MJ/m3であり、発熱量変動指数ΔH0=2.75MJ/m3であった。
(試験方法)
バッファータンクとして、吸着材(石炭原料活性炭)を充填した試験容器(内容積30cc)を用いた。温度25℃、空塔速度2000h−1、圧力0MPa〜0.5MPa(ゲージ圧)の流入条件で、試験容器に試験ガス1を流して、容器出口におけるガス発熱量を熱量計(Advantica社製、製品名:GasPT)で測定した。
(測定結果)
図5に、それぞれの圧力のときの発熱量変動の時間的推移を示す。0MPaのときのΔHは0.41MJ/m3であり、タンクなしのときのΔH0=2.75MJ/m3と比較して、約1/7に抑制されている。図6はΔHの圧力依存性を示すグラフである。圧力が高くなるに従って、変動抑制効果が顕著になることが分かる。また、圧力増加に伴い変動の位相が変化していることも確認された。
b.実施例2
(試験方法)
添加ガスとしてプロパン:ブタン=1:1のガス(以下、試験ガス2という)を用いた。試験ガス2の発熱量変動は、最小44.5MJ/m3、最大51.0MJ/m3、ΔH=3.25MJ/m3であった。他の試験条件は実施例1と同一である。
(測定結果)
図7に、発熱量変動の時間的推移を示す。また、図8にΔHの圧力依存性グラフを示す。0MPaのときのΔHは0.57MJ/m3であり、タンクなしのときのΔH0=3.25MJ/m3と比較して、約1/6に抑制されている。変動抑制効果、圧力依存性、タンク内圧と吐出ガスの変動波形の位相遅れの関係のいずれについても、実施例1と同様の傾向を示した。図9は、図7の部分拡大図である。タンク内圧の増加に伴って、周期は同一で変動の位相が遅れていくことが分かる。
c.実施例3
(試験方法)
バッファータンクとして、活性炭を充填せず空の状態にした試験容器(内容積1000cc)を用い、試験ガス2を実施例1と同一条件で流して、容器出口におけるガスの発熱量を測定した。
(測定結果)
図10に、発熱量変動の測定結果を示す。また、表3に各条件でのΔHの比較を示す。タンクなしの場合は、圧力変化に関わらず変動幅が変わらないのに対し、タンクを用いた場合には、圧力増加に伴って変動幅が減少することが確認された。また、実施例1又は2と同様、圧力増加に伴い変動の位相が変化していることも確認された。
Figure 0004931781
d.実施例4
(試験方法)
タンクとして、2つの容器(内容積合計30cc)に石炭原料活性炭充填量合計12gを充填した試験装置を用いて、全体の空塔速度2000h−1、容器圧力をそれぞれ0.5MPa、0MPaとし、流量比を80:20とした流入条件で容器に試験ガス1を流して、容器出口におけるガスの発熱量を測定した。
(測定結果)
2つの容器から吐出後に混合したガスの発熱量を図11に示す。比較のため、同図には単一の容器を用いて、圧力0MPaおよび0.5MPaの条件で試験ガスを流した場合の発熱量をも示してある。単一の容器を用いた場合のΔHは、圧力0MPaのときに0.47MJ/m3、圧力0.5MPaのときに0.19MJ/m3となるのに対し、2つの容器を用いた場合、圧力の違いにより発熱量変動に位相差を発生させ、合流後のΔHは0.11MJ/m3となり、発熱量がさらに抑制されていることが分かる。
e.実施例5
実施例3より、タンクに活性炭を充填しない条件であっても、圧力増加に伴い位相が変化することが確認された。本実施例はこれを利用して、活性炭充填タンクと空タンクを組み合わせて発熱量変動を抑制する実証試験である。活性炭充填タンク及び空タンクの容器圧力はそれぞれ0.4MPa、0.2MPaとした。
(試験方法)
一方の試験容器に活性炭を充填し、他方の試験容器は空タンクとした試験装置を用いた。活性炭充填容器の体積は30ccの79%(24cc)とし、空タンクの体積は1000ccの21%(210cc)となるようにした。この試験装置に試験ガス2を流した。このとき、活性炭充填容器側に全体の79%、空タンク側には全体の21%流れるようにした。
発熱量変動の測定結果を図12に示す。それぞれ単体で用いる場合(同図(1)又は(2))に比べて、位相差の組み合わせを利用することにより(同図(3))、さらなる変動抑制が可能となることが分かる。
本発明は、燃料ガスの発熱量抑制に限らず、化学工業における原料ガス、副生ガス、排気ガス、バイオマスによる生成ガス等、組成変動する複数のガス成分からなる混合ガスの組成変動抑制に広く利用可能である。
第一の実施形態に係る燃料ガス供給装置1の構成を示す図である。 各位置における発熱量変動の時間的推移を示す図である。 燃料ガス供給装置1の他のタンク配置バリエーションを示す図である。 第二の実施形態に係る燃料ガス供給装置20の構成を示す図である。 実施例1における発熱量変動の時間的推移を示す図である。 実施例1におけるΔHの圧力依存性を示す図である。 実施例2における発熱量変動の時間的推移を示す図である。 実施例2におけるΔHの圧力依存性を示す図である。 図7の部分拡大図である。 実施例3における発熱量変動の時間的推移を示す図である。 実施例4における発熱量変動の時間的推移を示す図である。 実施例5における発熱量変動の時間的推移を示す図である。 本発明に係る混合ガス供給装置を示す図である。 本発明に係る装置の各部における混合ガスの組成変動の時間的推移を示す図である。 従来のサテライト基地100の構成を示す図である。
符号の説明
1、20・・・・燃料ガス供給装置
2a〜2f、21a〜21c・・・・バッファータンク
3・・・・気化器
4・・・・LNG貯槽
5・・・・負荷装置
7・・・・熱量計
L1〜L3・・・・供給ライン
6・・・・制御部
7・・・・熱量計
L1〜L3・・・・供給配管
La、Lb、L21〜L23・・・・並列配管
V1a、V1b、V3a〜V3c・・・・流量弁
V2a、V2b、V4a〜V4d・・・・減圧弁
Ra、Rb・・・・流量・圧力調整手段
Ta、Tb・・・・バッファータンク

Claims (7)

  1. ガス組成が時間経過とともに変動する混合ガスを供給する供給ラインと、
    供給ライン経路中に複数の並列配管部と、
    各並列配管部に配設され、混合ガスを一時的に貯蔵するためのバッファータンクと、
    各バッファータンクを異なる圧力に調整可能とする圧力調整手段と、
    を備えて成ることを特徴とする混合ガス供給装置。
  2. それぞれの前記並列配管部に分配される混合ガスを、所定の流量比に調整する流量比調整手段を、さらに備えて成ることを特徴とする請求項1に記載の混合ガス供給装置。
  3. 少なくとも1以上の前記バッファータンクには、吸着材が充填されて成ることを特徴とする請求項1に記載の混合ガス供給装置。
  4. 請求項1乃至3に記載の混合ガス供給装置において、
    各バッファータンク内を所定の異なる圧力に設定して、各バッファータンクから流出する混合ガスの組成変動に適宜、位相差を生じさせることにより、ガス組成変動幅を所望の範囲に抑制することを特徴とする混合ガス供給装置における組成変動抑制方法。
  5. 請求項4において、さらに、
    それぞれの前記並列配管部に分配される混合ガスの流量比を適宜設定することにより、合流後の混合ガスの組成変動幅を、最小変動幅のバッファータンクにおける組成変動幅以下に抑制することを特徴とする混合ガス供給装置における組成変動抑制方法。
  6. 前記混合ガスが燃料ガスであり、かつ、前記組成変動に替えて発熱量変動であることを特徴とする請求項5に記載の混合ガス供給装置における組成変動抑制方法。
  7. 前記燃料ガスが、メタンを主成分とする天然ガス又は都市ガスであることを特徴とする請求項6に記載の混合ガス供給装置における組成変動抑制方法。
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