JP4407913B2 - 液化天然ガスの気化供給システム - Google Patents

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Description

本発明は、液化天然ガスを貯蔵した液化天然ガスタンクから供給される液化天然ガスを気化器で気化し、気化された天然ガスを、ガスエンジンやガスタービンなどの原動機に供給するように構成した液化天然ガスの気化供給システムに関する。
この種のシステムとしては、従来、図4の全体概略システム構成図に示すように構成されていた。
すなわち、液化天然ガスを貯蔵する液化天然ガスタンク01に、第1の開閉弁02を介装した充填ライン03が接続され、この充填ライン03を通じてタンクローリーTLにより液化天然ガスを補充充填できるように構成されている。
液化天然ガスタンク01には、第1の供給ライン04を介して気化器05が接続されるとともに、気化器05に、減圧弁06を介装した第2の供給ライン07を介して天然ガス供給部08が接続され、気化した天然ガスを、ガスエンジンやガスタービンなどの原動機に供給できるように構成されている。
充填ライン03の第1の開閉弁02よりも下流側箇所と、第2の供給ライン07の減圧弁06よりも下流側箇所とが、第2の開閉弁09と加温器010とを介装したガス配管011を介して接続されている。
また、液化天然ガスタンク01の上部とガス配管011とがボイルオフガス配管012を介して接続され、タンクローリーTLからの補充充填時に、液化天然ガスタンク01内で発生したボイルオフガスをガス配管011を通じて第2の供給ライン07に流すとともに、タンクローリーTL内に残存したボイルオフガスをも同様に第2の供給ライン07に流すように構成されている。
また、液化天然ガスタンクからのボイルオフガスを効率良く貯蔵し、かつ、有効に利用するための技術として、次のような公報例が知られている。
この公報例によれば、液化天然ガスを貯蔵する貯蔵容器に、ボイルオフガス中の炭素数2以上の炭化水素を主として吸着除去する第1の吸着材を充填した第1の吸着容器と、ボイルオフガス中の炭素数1の炭化水素(メタン)を主として吸着除去する第2の吸着材を充填した第2の吸着容器とがボイルオフガスの流動方向に順次設けられている。第1の吸着容器には、炭素数2以上の炭化水素の脱着を容易に行うための加熱機構(ヒーター)が設けられている。
この貯蔵されたボイルオフガスを有効利用する際に発生する課題を解決する手段として、第1および第2の吸着容器が、貯蔵容器から気化天然ガスを取出すパイプに接続され、マスフローコントローラーにより、炭素数2以上の炭化水素および/またはメタンの流量を制御し、気化天然ガスに炭素数2以上の炭化水素および/またはメタンを所定の割合で添加し、生成する混合ガス(燃料ガス)の燃焼発熱量が所定範囲の値となるように調整するように構成されている。
これにより、ボイルオフガスの主成分であるメタンの吸着量の低下を防止し、かつ、得られた燃料ガスを使用する燃焼設備(例えば、天然ガス自動車のエンジンなど)の燃焼状態、排ガス成分などを安定させることができるようになっている(特許文献1参照)。
特開平11−351498号公報
しかしながら、前述従来例の場合、原動機の停止中、すなわち、液化天然ガスの気化器05への供給が停止された状態において、液化天然ガスタンク01の出口から気化器05および第1の供給ライン04では外気により液化天然ガス中の低沸点成分であるメタンが気化し、その気化したガスが液化天然ガスタンク01に流れ、第1の供給ライン04および気化器05内の天然ガスの組成として、プロパン、ブタンの濃度が高くなってカロリーが非常に高くなる。
このような高カロリーの天然ガスを始動時に原動機に供給すると、多気筒のガスエンジンの場合であれば、気筒の一部にノッキングを生じる欠点があった。
また、原動機の停止状態では、液化天然ガスが流れていないため、第1の供給ライン04および気化器05は常温であり、原動機の始動により液化天然ガスが流れ始めるに伴い、低沸点のメタンが急激に気化し、前述の高カロリーの天然ガスが消費された後に、メタンの濃度が高い低カロリーの天然ガスが原動機に供給され、失火を生じる欠点があった。
このカロリーの変化は非常に急激に生じるため、調整は困難であった。
更に、その後、液化天然ガスが流れるに伴って、第1の供給ライン04および気化器05の温度が低下し、気化した燃料ガスの組成が元々の液化天然ガスの組成に等しくなっていくが、このカロリー変化に原動機側での天然ガスの供給量制御が追いつかず、気筒の一部にノッキングを生じる欠点があった。
また、タンクローリーTLで液化天然ガスタンク01に液化天然ガスを補充充填する場合に、メタンがほぼ100%のボイルオフガスが第2の供給ライン07に供給されるため、前述した失火や制御遅れに起因するノッキングを生じる欠点があった。
上述のような天然ガスのカロリーを平準化するために、気化器05と天然ガス供給部08との間にミキシングタンクが設けられるが、例えば、天然ガスの流量が500mN/hレベルで100m程度の容量の大きなタンクと大きな設置スペースが必要でイニシャルコストが増大する欠点があった。
また、公報例の場合は、前述したその技術内容からわかるように、前記欠点を解決するものでは無い。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1および2に係る発明は、原動機に供給される天然ガスのカロリーをイニシャルコストを低くして平準化できるようにし、かつ、タンクローリーによる液化天然ガスの補充充填時におけるボイルオフガスに起因する悪影響を回避できるようにすることを目的とし、請求項に係る発明は、原動機に供給される天然ガスのカロリーをより良好に平準化できるようにすることを目的とし、また、請求項に係る発明は、冬期などでも、より安定した状態で原動機に供給される天然ガスのカロリーを平準化できるようにすることを目的とする。
請求項1に係る発明は、上述のような目的を達成するために、
液化天然ガスの充填ラインに接続されて液化天然ガスを貯蔵する液化天然ガスタンクと、
前記液化天然ガスタンクから供給される液化天然ガスを気化する気化器と、
前記気化器で気化された天然ガスを原動機に供給する天然ガス供給部とを備え
前記気化器と前記天然ガス供給部との間に、活性炭を充填した吸着塔を設けた液化天然ガスの気化供給システムにおいて、
液化天然ガスタンクの充填ラインと、前記気化器と前記吸着塔との間の箇所とをガス配管で接続し、前記充填ラインを通じてのタンクローリーによる補充充填時に前記タンクローリーから排出されるボイルオフガスを注入可能に構成する。
(作用・効果)
請求項1に係る発明の液化天然ガスの気化供給システムの構成によれば、活性炭が高沸点の成分を多く吸着する性質があることに着目し、気化した天然ガスを吸着塔を通過させることにより、原動機の運転再開時の始動時で高沸点のプロパンやブタンの濃度が高くて高カロリーの場合に、その高沸点成分を吸着し、一方、始動直後で低沸点のメタンの濃度が高くなって低カロリーの場合に、吸着した高沸点成分を脱着し、原動機に供給する燃料ガスのカロリーを平準化することができる。更に、タンクローリーによる液化天然ガスタンクへの液化天然ガスの補充充填に際し、タンクローリーから排出されるボイルオフガスを吸着塔に供給する。これにより、活性炭に吸着された高沸点成分を脱着する。
したがって、活性炭を充填した吸着塔を設けるだけで、ミキシングタンクや制御構成を備えたりせずに済むとともに、制御の場合におけるような制御遅れを招くことが無く、原動機に供給される天然ガスのカロリーをイニシャルコストを低くして平準化することができる。
そのうえ、タンクローリーからのボイルオフガスにかかわらず、原動機に供給される天然ガスのカロリーを平準化できるから、タンクローリーからのボイルオフガスに起因する悪影響を回避できる。
請求項2に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
請求項1に記載の液化天然ガスの気化供給システムにおいて、
液化天然ガスタンクと、気化器と吸着塔との間の箇所とをガス配管で接続し、タンクローリーによる補充充填時に前記液化天然ガスタンクから排出されるボイルオフガスを注入可能に構成する。
(作用・効果)
請求項2に係る発明の液化天然ガスの気化供給システムの構成によれば、タンクローリーによる液化天然ガスタンクへの液化天然ガスの補充充填に際し、液化天然ガスタンクから排出されるボイルオフガスを吸着塔に供給する。これにより、活性炭に吸着された高沸点成分を脱着する。
したがって、液化天然ガスタンクからのボイルオフガスにかかわらず、原動機に供給される天然ガスのカロリーを平準化できるから、液化天然ガスタンクからのボイルオフガスに起因する悪影響を回避できる。
請求項3に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
請求項1または2に記載の液化天然ガスの気化供給システムにおいて、
活性炭が石炭を原料とするものであり、その平均細孔直径が2.0〜3.0nmであるもので構成する。
平均細孔直径が2.0nm未満の場合、吸着した高沸点成分が脱着しにくくなり、一方、3.0nmを超えると高沸点成分の吸着量が減少するからである。
また、平均細孔直径が2.0nm以上では、天然ガスに極微量(一般に0.1%未満)含まれる、より高沸点のペンタンやヘキサンの蓄積によるプロパンとブタンの吸着量の低下という問題が生じない。
(作用・効果)
請求項3に係る発明の液化天然ガスの気化供給システムの構成によれば、高沸点成分に対する吸脱着特性に優れ、原動機に供給される天然ガスのカロリーをより良好に平準化することができる。
請求項4に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
請求項1、2、3のいずれかに記載の液化天然ガスの気化供給システムにおいて、
吸着塔内の活性炭を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段による活性炭の加熱温度を設定温度に維持する温度制御手段とを備えて構成する。
(作用・効果)
冬期に活性炭温度が低くなると、吸着された高沸点成分の脱着特性が悪化するが、請求項4に係る発明の液化天然ガスの気化供給システムの構成によれば、冬期など外気温が低い場合でも、活性炭の温度を設定温度に維持することができる。
したがって、冬期など外気温による活性炭温度への影響を回避して、より安定した状態で原動機に供給される天然ガスのカロリーを平準化することができる。
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る発明の液化天然ガスの気化供給システムによれば、活性炭が高沸点の成分を多く吸着する性質があることに着目し、気化した天然ガスを吸着塔を通過させることにより、原動機の運転再開時の始動時で高沸点のプロパンやブタンの濃度が高くて高カロリーの場合に、その高沸点成分を吸着し、一方、始動直後で低沸点のメタンの濃度が高くなって低カロリーの場合に、吸着した高沸点成分を脱着し、原動機に供給する燃料ガスのカロリーを平準化することができるから、活性炭を充填した吸着塔を設けるだけで、ミキシングタンクや制御構成を備えたりせずに済むとともに、制御の場合におけるような制御遅れを招くことが無く、原動機に供給される天然ガスのカロリーをイニシャルコストおよびランニングコストのいずれも低くして平準化することができる。
更に、タンクローリーによる液化天然ガスタンクへの液化天然ガスの補充充填に際し、タンクローリーから排出されるボイルオフガスを吸着塔に供給することにより、活性炭に吸着された高沸点成分を脱着し、タンクローリーからのボイルオフガスにかかわらず、原動機に供給される天然ガスのカロリーを平準化できるから、タンクローリーからのボイルオフガスに起因する悪影響を回避できる。
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る液化天然ガスの気化供給システムの実施例1を示す全体概略システム構成図であり、液化天然ガスを貯蔵する液化天然ガスタンク1に、第1の開閉弁2を介装した充填ライン3が接続され、この充填ライン3を通じてタンクローリーTLにより液化天然ガスを補充充填できるように構成されている。
液化天然ガスタンク1には、第1の供給ライン4を介して外気を加熱源とする気化器5が接続されるとともに、気化器5に、減圧弁6を介装した第2の供給ライン7を介して天然ガス供給部8が接続され、気化した天然ガスを、ガスエンジンやガスタービンなどの原動機に供給できるように構成されている。
充填ライン3の第1の開閉弁2よりも下流側箇所と、第2の供給ライン7の減圧弁6よりも下流側箇所とが、第2の開閉弁9と加温器10とを介装したガス配管11を介して接続されている。
また、液化天然ガスタンク1の上部とガス配管11とがボイルオフガス配管12を介して接続され、タンクローリーTLからの補充充填時に、液化天然ガスタンク1内で発生したボイルオフガスをガス配管11を通じて第2の供給ライン7に流すとともに、タンクローリーTL内に残存したボイルオフガスをも同様に第2の供給ライン7に流すように構成されている。
第2の供給ライン7において、減圧弁6と天然ガス供給部8との間に吸着塔13が設けられている。吸着塔13は、減圧弁6の上流側でも良い。
吸着塔13内には、石炭を原料とするとともに、その平均細孔直径が2.0〜3.0nmの活性炭が充填されている。活性炭としては、ヤシガラ、木材、石油ピッチなどを原料とするものも適用できる。吸着塔13は、外気温の影響を小さくするために保温していることが好ましい。
吸着塔13と天然ガス供給部8との間に、第3の開閉弁14を介装したガス排気用配管15が接続されている。
以上の構成により、気化した天然ガスを吸着塔13を通過させることにより、原動機の運転再開時の始動時で高沸点のプロパンやブタンの濃度が高くて天然ガスが高カロリーの場合に、その高沸点成分を吸着し、一方、始動直後で低沸点のメタンの濃度が高くなって天然ガスが低カロリーの場合に、吸着した高沸点成分を脱着し、原動機に供給する燃料ガスとしての天然ガスのカロリーを平準化することができるようになっている。
後述する実験例および比較実験例のために、気化器5と吸着塔13との間に、気化器5から吸着塔13に供給される天然ガスの流量を測定する第1の流量計16が設けられ、また、ガス配管11に、吸着塔13に供給されるボイルオフガスの流量を測定する第2の流量計17が設けられている。
更に、吸着塔13を通過させない比較実験例用のために、吸着塔13を迂回するようにバイパス配管18が接続されるとともに、そのバイパス配管18に第4の開閉弁19が設けられ、第2の供給ライン7のバイパス配管18との接続箇所と吸着塔13との間に第5の開閉弁20が設けられている。
吸着塔13と天然ガス供給部8との間に、カロリーメータでカロリーを計測するために原動機に供給される天然ガスをサンプリングするガス抽出管21が接続されるとともに、そのガス抽出管21に第6の開閉弁22が設けられている。
図2は、本発明に係る液化天然ガスの気化供給システムの実施例2を示す全体概略システム構成図であり、実施例1と異なるところは次の通りである。
すなわち、吸着塔13内に、充填した活性炭を加熱する温水ヒータ31が設けられるとともに、温水ヒータ31の吸着塔13への入口側箇所に、温水流量を調整する流量調整弁32が設けられている。
温水ヒータ31の吸着塔13からの出口側箇所に、温水の温度を測定する温度計33が付設され、その温度計33が温度制御手段としてのコントローラ34に接続されるとともに、コントローラ34が流量調整弁32に接続されている。
コントローラ34では、温度計33で計測される温水温度と設定温度(例えば、30〜40℃の範囲の温度)とを比較し、計測温水温度が設定温度よりも低いときには流量調整弁32の開度を大にして温水流量を増加することにより加熱温度を高くし、一方、計測温水温度が設定温度よりも高いときには流量調整弁32の開度を小にして温水流量を減少することにより加熱温度を低くし、活性炭の加熱温度を設定温度に維持するように構成されている。他の構成は実施例1と同じであり、同一番号を付すことによりその説明は省略する。
図3は、本発明に係る液化天然ガスの気化供給システムの実施例3を示す全体概略システム構成図であり、実施例1と異なるところは次の通りである。
すなわち、吸着塔13の出口に第7の開閉弁41が設けられ、また、吸着塔13に、逃がし弁42を介装した、径の小さい配管43が接続され、この配管43が、ガス排気用配管15の第3の開閉弁14よりも下流側箇所に接続され、フレアスタックに供給されるように構成されている。逃がし弁42の圧力は、本システムの使用時の圧力より少し高い値に設定する。
原動機を停止し、本システムのガスの流れが無い時に、吸着塔13の入口の第5の開閉弁20と出口の第7の開閉弁41を共に閉止しておく。これにより、長期間停止して吸着塔13の温度が仮に外気によりかなり高くなり、吸着していた高沸点成分が脱着してきても、この高沸点成分が上流または下流に流れ出ることが無い。また、吸着塔13の内圧が高くなったときは、逃がし弁42から放出されるので安全が保たれる。
その結果、原動機を再び起動したときに高カロリーのガスが原動機に多く流れることがないので原動機は安定して起動し、かつ、定格運転に移行できる。他の構成は実施例1と同じであり、同一番号を付すことによりその説明は省略する。
次に、実験例および比較実験例について説明する。
・実験例1
試験設備としては、実施例1の構成の下記仕様のものを用いた。
液化天然ガスタンク1の貯蔵容量:1キロリットル
液化天然ガスの組成 メタン:88.9%、エタン:6.8%、プロパン:3.1%、ブタン:1.2%
低位発熱量:40.6MJ/m
気化器5:空温式、定格能力が150mN/h
加温器10:空温式、定格能力が15mN/h ボイルオフガスを外気温度近くまで加温するためのもの
圧力(絶対値) 減圧弁6までは0.4Mpa、減圧弁6以降は0.25Mpa
配管:気化器5までの第1の供給ライン4が20A、気化器5よりも下流側の第2の供給ライン7およびボイルオフガス配管12が80A
原動機:ガスエンジン(JMS208,イエンバッハ社製)定格332kW、8気筒、周波数60Hz,天然ガス消費量約80mN/h
吸着塔13:活性炭の充填量は45kgで容量は0.11m
内容積が約0.2mで内径0.5m、高さ1.0mの鋼製容器を使用、
活性炭:原料が石炭で、平均細孔径2.4nm、嵩密度0.39g/cm
吸着量データは、別途ビーカースケールの基礎実験にて上記液化天然ガスの組成の天然ガスに対して下記平衡データを取得した。
試験方法は、活性炭の重量増を測定した。プロパン+ブタンの吸着量は大気圧まで減圧し、活性炭を昇温(100℃)して窒素ガスにより脱着させたガスをガスバッグに全量とり、このガスをガスクロマトグラフ分析計により定量分析した。このときの天然ガスの圧力(絶対値)は、0.25MPaで、天然ガスの平衡吸着量は17重量%であり、その内、プロパン+ブタンの平衡吸着量は13重量%であった。
試験は、次のステップによって行った。
ステップ1
ガスエンジンを停止状態とし、気化器5で気化させた天然ガスを吸着塔13に圧力(絶対値)0.25MPa、流量40mN/hで、午前9時から午後5時まで8時間流し、同圧力でほぼ平衡になるまで天然ガスを吸着させた。このとき、吸着塔13のバイパス配管18の第4の開閉弁19は閉止しておいた。
この間吸着塔13を出た天然ガスは、第3の開閉弁14を開いて排ガス配管15を通じて排出し、フレアスタックにより燃焼処理した。平衡までの吸着の判断方法として、第6の開閉弁22を開き、ガス抽出管21を通じて抽出したガスのサンプリングによりカロリーを測定し、その値が液化天然ガスの組成に一致していることを確認した。
吸着塔13の入口の天然ガスの温度は平均10℃であった。
ステップ2
午後5時から翌日の午前9時までの16時間放置した後に、スエンジンを始動させた。このとき、吸着塔13のバイパス配管18の第4の開閉弁19は閉止しておいた。天然ガスのカロリーは、ガス抽出管21を通じて抽出したガスに対してカロリーメータにより測定した。
吸着塔13の入口の天然ガスの温度は、ステップ1と同じく平均10℃であった。
〈結果〉始動後のカロリー変動:低位発熱量に対して
最小値38.9MJ/mN:液化天然ガスの低位発熱量に対して−4.2%
最大値41.6MJ/mN:液化天然ガスの低位発熱量に対して+2.5%
変動幅=4.2%+2.5%=6.7%
となり、変動幅は小さく抑えることができた。
カロリーは先ず急激に最大値を示し、その後に急激に最小値を示した後、上昇して液化天然ガスの組成のカロリー(低位発熱量40.6MJ/mN)に漸次近づき、その後はほぼ一定値を示した。
本条件では、ガスエンジンの起動および定格までの出力増加を安定して行うことができた。
・実験例2
活性炭として、下記の仕様のものを使用する以外は、実験例1と同じ条件で試験を実施した。
活性炭:原料が石炭で、平均細孔径1.9nm、嵩密度0.42g/cm
〈結果〉始動後のカロリー変動:低位発熱量に対して
最小値38.4MJ/mN:液化天然ガスの低位発熱量に対して−5.4%
最大値41.9MJ/mN:液化天然ガスの低位発熱量に対して+3.1%
変動幅=5.4%+3.1%=8.5%
となり、変動幅は小さく抑えることができた。
カロリーは先ず急激に最大値を示し、その後に急激に最小値を示した後、上昇して液化天然ガスの組成のカロリー(低位発熱量40.6MJ/mN)に漸次近づき、その後はほぼ一定値を示した。
本条件では、ガスエンジンの起動および定格までの出力増加を安定して行うことができた。
・実験例3
活性炭として、下記の仕様のものを使用する以外は、実験例1と同じ条件で試験を実施した。
活性炭:原料が石炭で、平均細孔径3.1nm、嵩密度0.28g/cm
〈結果〉始動後のカロリー変動:低位発熱量に対して
最小値38.7MJ/mN:液化天然ガスの低位発熱量に対して−4.8%
最大値41.8MJ/mN:液化天然ガスの低位発熱量に対して+2.9%
変動幅=4.8%+2.9%=7.7%
となり、変動幅は小さく抑えることができた。
カロリーは先ず急激に最大値を示し、その後に急激に最小値を示した後、上昇して液化天然ガスの組成のカロリー(低位発熱量40.6MJ/mN)に漸次近づき、その後はほぼ一定値を示した。
本条件では、ガスエンジンの起動および定格までの出力増加を安定して行うことができた。
・実験例4
試験装置として実施例2の液化天然ガスの気化供給システムを用い、温水ヒータ31により活性炭を35℃に昇温維持した。それ以外は、実験例1と同じ条件で試験を実施した。
〈結果〉始動後のカロリー変動:低位発熱量に対して
最小値39.3MJ/mN:液化天然ガスの低位発熱量に対して−3.2%
最大値41.6MJ/mN:液化天然ガスの低位発熱量に対して+2.5%
変動幅=3.2%+2.5%=5.7%
となり、変動幅は小さく抑えることができた。
最小値が大きくなったのは、吸着していた高カロリーのプロパンとブタンの脱着速度が、活性炭の温度の上昇により増大したものと考えられる。
本条件では、ガスエンジンの起動および定格までの出力増加を安定して行うことができた。
・比較実験例1
実験例1のステップ2において、吸着塔13のバイパス配管18の第4の開閉弁19を開き、第5の開閉弁20を閉止した以外は、実験例1と同じ条件でガスエンジンを始動させた。
吸着塔13の入口での天然ガスの温度はステップ1と同じく、平均10℃であった。
〈結果〉始動後のカロリー変動:低位発熱量に対して
最小値36.4MJ/mN:液化天然ガスの低位発熱量に対して−10.3%
最大値58.6MJ/mN:液化天然ガスの低位発熱量に対して+44.3%
変動幅=10.3%+44.3%=54.6%
となり、変動幅は実験例1の8.1倍であり、非常に大きいものになった。
ガスエンジンの起動直後にカロリーが上記最大値を示し、複数の気筒でノッキングが発生し、定格運転への移行ができなかった。また、起動後数分後に急激にカロリーが低下し、上記最小値の近傍で失火し、ガスエンジンが停止した。
・比較実験例2
実験例1の試験終了後、吸着塔13のバイパス配管18の第4の開閉弁19を開き、第5の開閉弁20を閉止した。ガスエンジンを15分間停止した後、再度始動させた。
〈結果〉始動後のカロリー変動:低位発熱量に対して
最小値37.6MJ/mN:液化天然ガスの低位発熱量に対して−7.5%
最大値51.8MJ/mN:液化天然ガスの低位発熱量に対して+27.5%
変動幅=7.5%+27.5%=35.0%
となり、変動幅は実験例1の5.2倍であり、非常に大きいものになった。
ガスエンジンの起動直後にカロリーが上記最大値を示し、数分後に急激にカロリーが低下し、上記最小値を経過した後、カロリーの上昇過程で、ガスエンジンは、複数の気筒でノッキングを発生して停止した。
・実験例5
実験例1の試験のステップ2での定格運転を継続し、運転中に液化天然ガスタンク1の液化天然ガスの残量がほぼ0になった状態でタンクローリーTLから液化天然ガスタンク1内に液化天然ガスを補充充填した。補充充填中は、ガス配管11の第2の開閉弁9は閉止状態とした。
この補充充填中、液化天然ガスタンク1から多量のボイルオフガスが発生し、加温器10および吸着塔13(吸着塔13のバイパス配管18の第4の開閉弁19は閉止、第5の開閉弁20は開放)を通ってガスエンジンに供給された。このボイルオフガスが発生している時間の大部分は、第1の流量計16の指示値がほぼ0になっていた。
補充充填中に液化天然ガスタンク1から多量のボイルオフガスが発生した理由は、液化天然ガスの残量が小さく、液化天然ガスタンク1内の温度が上昇していたためである。
〈結果〉この間、ガスエンジンは問題なく定格運転を継続することができた。
また、ガス配管11の第2の開閉弁9を開き、タンクローリーTL中のボイルオフガスを12m/h(第2の流量計17で計測)で20分間放出した。このボイルオフガスを加温器10および吸着塔13(吸着塔13のバイパス配管18の第4の開閉弁19は閉止、第5の開閉弁20は開放)を通ってガスエンジンに注入した。
〈結果〉この間、ガスエンジンは問題なく定格運転を継続することができた。
・比較実験例3
実験例5の試験に対して、吸着塔13のバイパス配管18の第4の開閉弁19を開き、第5の開閉弁20を閉止した以外は、同じ条件で試験をした。
〈結果〉液化天然ガスを補充充填している間にボイルオフガスをガスエンジンに注入したとき、および、タンクローリーTLからボイルオフガスをガスエンジンに注入したとき、いずれにおいてもガスエンジンの幾つかの気筒が失火を起こし、出力が低下した。
上記実施例2では、活性炭を加熱するのに温水ヒータ31を用いているが、例えば、蒸気ヒータや電気ヒータなど各種の構成変形が可能であり、それらをして加熱手段と総称する。
本発明に係る液化天然ガスの気化供給システムの実施例1を示す全体概略システム構成図である。 本発明に係る液化天然ガスの気化供給システムの実施例2を示す全体概略システム構成図である。 本発明に係る液化天然ガスの気化供給システムの実施例3を示す全体概略システム構成図である。 従来例の液化天然ガスの気化供給システムを示す全体概略システム構成図である。
1…液化天然ガスタンク
3…充填ライン
5…気化器
8…天然ガス供給部
11…ガス配管
13…吸着塔
31…温水ヒータ(加熱手段)

Claims (4)

  1. 液化天然ガスの充填ラインに接続されて液化天然ガスを貯蔵する液化天然ガスタンクと、
    前記液化天然ガスタンクから供給される液化天然ガスを気化する気化器と、
    前記気化器で気化された天然ガスを原動機に供給する天然ガス供給部とを備え
    前記気化器と前記天然ガス供給部との間に、活性炭を充填した吸着塔を設けた液化天然ガスの気化供給システムにおいて、
    液化天然ガスタンクの充填ラインと、前記気化器と前記吸着塔との間の箇所とをガス配管で接続し、前記充填ラインを通じてのタンクローリーによる補充充填時に前記タンクローリーから排出されるボイルオフガスを注入可能に構成してあることを特徴とする液化天然ガスの気化供給システム。
  2. 請求項1に記載の液化天然ガスの気化供給システムにおいて、
    液化天然ガスタンクと、気化器と吸着塔との間の箇所とをガス配管で接続し、タンクローリーによる補充充填時に前記液化天然ガスタンクから排出されるボイルオフガスを注入可能に構成してあることを特徴とする液化天然ガスの気化供給システム。
  3. 請求項1または2に記載の液化天然ガスの気化供給システムにおいて、
    活性炭が石炭を原料とするものであり、その平均細孔直径が2.0〜3.0nmである液化天然ガスの気化供給システム。
  4. 請求項1、2、3のいずれかに記載の液化天然ガスの気化供給システムにおいて、
    吸着塔内の活性炭を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段による活性炭の加熱温度を設定温度に維持する温度制御手段とを備えてある液化天然ガスの気化供給システム。
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