JP5244954B2 - 高圧ガス供給方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素又は酸素混合ガス等の高圧ガスを充填容器に供給する供給設備において、高圧側ラインと低圧側ラインとを仕切る開閉弁を介して、高圧側ラインから低圧側ライン末端の充填容器に高圧ガスを供給、充填する高圧ガスを供給する方法に関する。
一般的に酸素又は酸素混合ガス充填工場では、液化ガス貯槽内の液化ガスを圧縮機で昇圧したのち、蒸発器で気化させた高圧ガスを、開閉弁等の複数の弁類が設けられた供給ラインにより、酸素ボンベ等の充填容器に所要の圧力に充填する方法が採用されている。高圧側ラインから低圧側ラインへ高圧ガスを供給する供給ラインに設けられたこれらの弁類を介して供給するとき、高圧側ラインと低圧側ラインとを仕切る開閉弁(1次開閉弁)を閉止状態から開放して高圧ガスを供給する際、該1次開閉弁の上流側のガス圧力が高く、該1次開閉弁の下流側のガス圧力が低いときには、ガス圧力の差圧によりガスが急激に下流側ライン内へ流入し、下流側に設置されている圧力調整弁や開閉弁などの2次弁類が閉止状態となっているとき、前記弁類部分において生じる断熱圧縮に伴いガス温度が急激に上昇し、該2次弁類のガスケットやダイヤフラム等の有機材料で構成されている部材が劣化する虞がある。
これらの有機材料からなる部材はガス漏れを防止したり、ガス流量を調節するために設けられているものであるが、劣化によりその機能を十分に発揮することができなくなり、高圧ガスを安全かつ確実に充填容器へ供給することができなくなるトラブルを起こす虞がある。
また、酸素又は酸素混合ガスのごとき支燃性高圧ガスの場合、前記ガスケットやダイヤフラムなどの有機材料等が、前記断熱圧縮に伴う急激なガス温度の上昇により自然発火し、火災事故に至ることがあり、また急激な温度上昇に伴う発火により爆発を引き起こす危険性がある。
したがって、酸素又は酸素混合ガスのごとき支燃性高圧ガスを供給する設備において、高圧側ラインと低圧側ラインとを仕切る1次開閉弁を閉止状態から開放して低圧側ラインに高圧ガスを供給するに際して、低圧側ライン内圧を断熱圧縮に伴うガス温度の急激な上昇を抑制することが重要である。
高圧酸素、酸素を含有する高圧気体、あるいは例えば水素やアセチレン等の高圧可燃性気体などの危険性高圧気体を送給管へ供給する際に起こる自然発火の危険性を防ぐ高圧危険性気体の送給方法として、例えば、特許文献1に危険性高圧気体送給配管内に、危険性高圧気体を供給する前に供給配管内に高圧不活性ガスを供給し、次いで危険性高圧気体を供給して危険性高圧気体を不活性高圧気体で置換して発火を防止する方法が開示されている。
特許第3462099号公報
しかしながら、上記の特許文献1に開示された方法は、危険性高圧ガスを不活性ガスで置換して発火を防止するものであり、酸素又は酸素混合ガス等の高圧ガスを充填容器に供給、充填する場合には充填する高圧ガスに不活性ガスが混入し高純度の酸素又は酸素混合ガス等をガスボンベ等の充填容易に充填する場合には適用できない。
本発明は、前記特許文献1に開示されたような不活性ガスを使用することなく、酸素又は酸素混合ガス等の高圧ガスを充填容器に供給する供給設備において、高圧側ラインと低圧側ラインとを仕切る開閉弁を介して高圧側から低圧側へ高圧ガスを供給するに際し、予め低圧側ライン内圧を昇圧し、高圧ガスの導入に伴う断熱圧縮による急激なガス温度の上昇を抑制して、安全性を確保してガス供給効率を高め確実に高圧ガスを供給する方法を提供するものである。
すなわち、本発明は、
(1)高圧ガスを充填容器に供給する供給設備において、前記高圧ガスが流通する高圧側ラインと前記充填容器に連なる低圧側ラインとを仕切る開閉弁を介して高圧ガスを低圧側ラインに供給するに際し、前記開閉弁を跨いで高圧側ラインと低圧側ラインとを連結するとともに流量調整手段及び/又は内圧調整手段が設けられたバイパスラインを介して低圧側ラインに高圧ガスを導入することにより前記低圧側ラインの内圧を予め昇圧し、その後、前記開閉弁を開放し高圧ガスを供給することを特徴とする高圧ガス供給方法であり、
(2)前記流量調整手段及び/又は内圧調整手段が設けられたバイパスラインには、前記低圧側ラインの内圧が所要の圧力に昇圧したときに前記低圧側ラインに導入される高圧ガスの流入を遮断する閉止弁を備えていることを特徴とする前記(1)に記載の高圧ガス供給方法、
(3)前記流量調整手段は、前記閉止弁の上流側及び/又は下流側に設けられたオリフィスあるいは流量調整器であることを特徴とする前記(2)に記載の高圧ガス供給方法、
(4)前記内圧調整手段は、(イ)前記閉止弁の上流側及び/又は下流側に設けられた圧力調整器、あるいは(ロ)低圧側ライン内圧検知手段及び該検知手段と連動する閉止弁作動機構との組み合わせであることを特徴とする前記(2)に記載の高圧ガス供給方法、
(5)前記バイパスラインに、前記(3)に記載の流量調整手段と、前記(4)に記載の(イ)あるいは(ロ)の内圧調整手段とをともに備えていることを特徴とする前記(2)に記載の高圧ガス供給方法、
(6)前記低圧側ライン内圧が少なくとも0.3MPa以上であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の高圧ガス供給方法、
(7)前記高圧ガスが酸素又は酸素混合ガスであることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の高圧ガス供給方法、
を要旨とするものである。
本発明によれば、酸素又は酸素混合ガス等の高圧ガスを充填容器に供給する供給設備において、高圧側ラインと低圧側ラインとを仕切る開閉弁を介して高圧ガスを低圧側ラインに供給するに際し、高圧ガスの流入に伴う断熱圧縮による急激なガス温度の上昇を抑制することができるので、低圧側ラインに設けられた圧力調整弁や開閉弁などの弁類に設けられている有機材料の劣化を抑制することができるとともに、発火を防止することができる。
したがって、本発明によれば、酸素又は酸素混合ガス等の高圧ガスを、安全性を確保してガス供給効率を高めかつ確実に充填容器に供給、充填することができる。
酸素又は酸素混合ガスを充填容器に充填する充填設備の一般的な充填系統の概要図を示す。 本発明におけるバイパスラインに流量調整手段又は内圧調整手段を設けた部分説明図を示す。2(1)は流量調整手段を設けた例であり、2(2)は内圧調整手段を設けた例である。 本発明におけるバイパスラインを設けて低圧側ライン内圧を昇圧する実施態様を示す。 本発明における低圧側ライン内圧を昇圧する他の実施態様を示す。 本発明における低圧側ライン内圧を昇圧する別の実施態様を示す。 低圧側ライン内圧力による供給高圧ガス圧と発火頻度の一例を示すグラフ。
本発明の方法を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下、単に「高圧ガス」と記す場合、特に断らない限り、酸素又は酸素混合ガスを指す。また、「高圧側ライン」を単に「高圧側」、「低圧側ライン」を単に「低圧側」ということがある。
従来、一般に行われている酸素又は酸素混合ガス等の高圧ガスを充填容器に供給、充填する供給設備における充填系統の概要の一例を図1に示す。
液化ガス貯槽1の液化ガスは圧縮機2で昇圧され、蒸発器3でガス化された高圧ガスは、供給ライン11、12に設けられた開閉弁等の各種の弁類10、20を介して充填容器4に供給され、所定のガス圧で充填される。
図1において、開閉弁10が閉止しており開閉弁10の下流側ライン12内が大気圧であって、開閉弁20が閉止状態にあるとき、開閉弁10を開放すると、高圧ガスが開閉弁10の下流側ライン12に急激に流入し、下流側ライン12の末端部(充填容器への充填部)に配設された開閉弁20の部位において断熱圧縮によるガス温度が急激に上昇し、開閉弁20に設けられたガスケットや圧調整ダイヤフラム等に使用されている構成部材の有機材料が劣化したり、または急激なガス温度の上昇にともなって発火を招く危険性がある。
特に、酸素充填工場等の大型設備においては取扱われるガス流量も多く、供給配管の径が大きいために主配管において、上記したような開閉弁10で示される1次開閉弁以降の下流側ライン内圧が大気圧の状態であるとき、高圧側と低圧側を仕切る1次開閉弁が開放され多量の高圧ガスが急激に下流側ライン内に導入された場合には、断熱圧縮によるガス温度の上昇が増大しその結果、前記ガスケットや圧調整ダイヤフラムの有機材料の劣化や発火を引き起こす危険性が高まる。
したがって、このような急激なガス温度の上昇に伴いガスケットや圧調整ダイヤフラムの有機材料の劣化や発火を抑制し、防止することが重要である。
本発明においては、高圧側と低圧側とを仕切る開閉弁を介して高圧側から低圧側へ高圧ガスを供給するに際し、高圧ガスの導入に伴って生ずる断熱圧縮による低圧側ライン内におけるガス温度の急激な上昇を抑制し、発火等を防止するために、低圧側ライン内圧を、断熱圧縮による急激なガス温度の上昇を抑制するに足る圧力に予め昇圧し、前記の高圧側と低圧側とを仕切る開閉弁を開放し高圧ガスを導入する。
本発明において、前記低圧側ラインの内圧を昇圧する方法の一例を図2に示す。
図2に示す方法は、前記開閉弁を跨いで設けられたバイパスライン110によって高圧側ライン11と低圧側ライン12とを連結し、該バイパスラインを介して低圧側ライン内圧を、前記高圧ガスの流入に伴う断熱圧縮による急激なガス温度の上昇を抑制するに足る圧力に昇圧し、所要の圧力に昇圧したところで前記開閉弁10を開放して高圧ガスを低圧側ラインに供給するものである。
前記バイパスラインには高圧ガスの流量を調節する流量調整手段又は低圧側ライン内の圧力調整を行なうための内圧調整手段を設け、これにより低圧側ライン内圧を昇圧する。さらに該バイパスラインに閉止弁を設けバイパスラインに流通するガスを適宜遮断するように構成することができる。なお、流量調整手段と内圧調整手段をともにバイパスラインに設けてもよい。上記の閉止弁はバイパスライン内の他に高圧ガスが流通する高圧側ライン及び低圧側ラインを構成する主配管の前記開閉弁より高圧側(バイパスライン分岐部分よりも上流側)等に設けてあってもよく、また両ラインに設られていてもよい。
前記バイパスラインを設けて低圧側ライン内圧を昇圧する実施態様の一例を、図2(1)、及び図2(2)に示す。図2(1)、図2(2)おいてガス流れ方向を矢印で示した。ここで、本発明におけるバイパスラインは、一般的には、高圧側ライン及び低圧側ラインを構成する主配管の内径よりも細い内径の配管で構成されている。
図2(1)は、バイパスラインの閉止弁100の下流側にオリフィス又流量調整器等の流量調整手段を設け、前記低圧側ライン内圧を昇圧する態様を示す部分説明図である。前記オリフィスは前記閉止弁の上流側に設けてもよい。
図2(1)では、バイパスライン110に設けられた、オリフィス201により高圧ガスの流量を調節して前記低圧側ライン内に高圧ガスを導入し、低圧側ライン内圧が所要の圧力に昇圧したところで、バイパスライン110の閉止弁100を閉止し、前記高圧側と低圧側とを仕切る開閉弁10を開放して高圧ガスが低圧側に供給される。このため閉止弁100を急激に開放しても緩やかに低圧側ライン内圧を昇圧することができる。
なお、前記流量調整手段としてオリフィスの代わりに例えばニードル弁のような市販の流量調整器を用いてガスの流量を調節して供給し低圧側ライン内圧を昇圧することができる。またオリフィスの開口径やニードル弁のニードル深さを適宜選択又は調節することにより低圧側ライン内の昇圧速度を調節可能にすることができる。
図2(1)においてはバイパスラインに設けられた前記流量調整手段を介して高圧ガスが供給されるので低圧側ライン内圧は緩やかに昇圧されるから、前記バイパスラインの閉止弁100の閉止及び前記開閉弁10の開放のタイミングを容易に図ることができる。
図2(2)は、バイパスラインの閉止弁100の上流側に導入する高圧ガス圧力を調整する圧力調整器202、例えば圧力弁等の所謂市販の調圧弁等の内圧調整手段を設け、前記低圧側ライン内圧を昇圧する態様を示す部分説明図である。前記内圧調整手段は前記閉止弁の下流側に設けてもよい。
図2(2)では、バイパスライン110に設けられた圧力調整器202により低圧側ライン内の昇圧を行う。低圧側ライン内圧が所要の圧力に昇圧したところで、バイパスラインの閉止弁を閉止する。その後任意のタイミングで開閉弁10を開放することにより高圧ガスが低圧側に供給される。
また、内圧調整手段による場合には、(イ)前記閉止弁の上流側又は下流側に設けられた市販の調圧弁などの所謂圧力調整器により、所要の圧力に昇圧したところで、高圧ガスの導入を停止するように構成する。あるいは(ロ)市販の圧力センサーなどの低圧側ライン内圧検知手段及び該検知手段と連動して作動する電磁弁などの閉止弁作動機構とを組み合わせて、低圧側ライン内圧検知手段により低圧側ラン内圧を検出し、所要の圧力に昇圧したところで、閉止弁100を閉止して高圧ガスの導入を停止するように構成することができる。
前記のバイパスラインを設けて低圧側ライン内圧を昇圧し所要の圧力に昇圧したところで、前記閉止弁100を閉じて、前記開閉弁10を開放して高圧ガスを低圧側ラインに導入する。前記閉止弁の閉止及び前記開閉弁の開放は手動で行ってもよいが、工業的にはこれらの作動が連動して行われるように構成することが好ましい。具体的には、例えば、流量調整手段により低圧側ラインに緩やかに高圧ガスを導入するとともに、内圧調整手段を併用することにより、低圧側ライン内圧検知手段により低圧側ライン内圧を検知し、所要の圧力に昇圧したところで、前記低圧側ライン内圧検知手段からの信号を受け作動する電磁弁などの閉止弁作動機構により閉止弁100の閉止をする。
図3は、図2(1)に示すオリフィス201および閉止弁100を備えた態様のバイパスライン110によって、開閉弁10を跨いで高圧側ライン11と低圧側ライン12とを連結して、該バイパスラインのオリフィス201を介して高圧ガスの流量を調節して供給し、低圧側ライン内圧を所要の圧力に昇圧するようにした実施態様の一例である。なお、本態様において、オリフィスに代えて、又はオリフィス201と直列的に圧力調整器202(図2(2)参照)を備えた態様のバイパスラインとして高圧ガスの圧力を調整して低圧側に供給し、低圧側ライン内圧を所要の圧力に昇圧することもできる。
図3に示す実施態様において、低圧側ライン内圧の昇圧は、高圧側ライン11と低圧側ライン12を仕切る開閉弁10を閉じた状態で、液化ガス貯槽1から導出された液相ガスを圧縮機2で所定圧力に昇圧し、蒸発器3で気化させた高圧ガスを、前記ライン11から分岐されたバイパスライン110に導入し開放状態の閉止弁100及びオリフィス201を介してガス流量を調節しながら前記低圧側ライン12に供給して低圧側ライン内圧を昇圧し、所要の圧力に到達したところで、バイパスラインの閉止弁100を閉じて、前記開閉弁10を開放して高圧ガスを低圧側ラインに導入し、開閉弁20を介して充填容器4に所定の充填圧に充填する。
図3において、ライン12に設けられた圧力センサーなどの低圧側ライン内圧検知手段203により低圧側ライン内圧を検知し、所要の圧力に到達したところで、前記内圧検知手段203から伝達される信号を受けて作動する電磁弁などの閉止弁作動機構と、オリフィス201などの流量調整手段との組み合わせにより閉止弁100が閉止される。なお、前記検知手段203からの信号伝達経路を破線で示す。
本発明における低圧側ライン内圧を所要の圧力に予め昇圧するには、高圧側ラインと低圧側ラインとを仕切る開閉弁を、一度に全開することなく、例えば、開閉弁を微開して高圧ガスを低圧側に導入し、低圧側ライン内圧を0.3〜0.8MPaに昇圧したのち、開閉弁を全開放し高圧ガスを導入することもできる。
また、充填容器への供給配管が複数に分岐されて配置されている場合に、複数に分岐された供給配管に設けられた開閉弁に、図2に示すと同様の構成からなるバイパスラインをそれぞれに設け充填容器へのガス圧力や、ガス流量を調整することも可能である。
次に、本発明において、上記のバイパスラインを設けることなく、低圧側ラインの内圧を昇圧する別の実施態様の例を、図4、図5に示す。
図4に示す実施態様は、高圧ガスとして用いられる液化ガスが充填された液化ガス貯槽1から弁301を介してライン13に導出された液相ガスを、ライン13を経て蒸発器31で気化し、この気化ガスを、弁30を介してライン13を経て開閉弁10の下流側に導入して低圧側ライン内圧を昇圧する。低圧側ライン内圧が所要の圧力に昇圧したところで、前記弁30を閉じて、前記開閉弁10を開放して高圧ガスを低圧側ラインに導入し開閉弁20を介して充填容器に所要の圧力に充填する。
図5に示す他の実施態様は、高圧ガスとして用いられる液化ガスが充填された液化ガス貯槽1に存在する気相ガスを、弁301を介してライン14に導出し、これを加温器5に供給して加温し、弁30を介してライン14を経て開閉弁10の下流側に導入して前記低圧側ライン内圧を昇圧する。低圧側ライン内圧が所要の圧力に昇圧したところで、前記弁30を閉じて、前記開閉弁10を開放して高圧ガスを低圧側に導入し開閉弁20を介して充填容器に所要の圧力に充填する。
上記図4及び図5に示す実施態様においても、図示しないが、前記低圧側ライン12に市販の圧力センサーなどの内圧検知手段を設け、低圧側ライン内圧が、所要の圧力に到達したところで前記弁30の閉止しと、前記開閉弁10の開放が連動して作動するように開閉弁作動機構を設け、これにより高圧ガスの低圧側ラインへの供給が行われるように構成してもよい。このようにすることにより前記弁30の閉止と前記開閉弁10の開放を自動的に行うようにすることができる。
本発明に係る酸素又は酸素混合ガスのような高圧ガス充填設備において扱われる該高圧ガスの圧力は、必要とされる充填圧にもよるが通常10MPa〜25MPaの範囲が一般的である。
上記の酸素又は酸素混合ガスを充填容器に充填するに際して、供給される高圧ガスに伴って生じる断熱圧縮による急激なガス温度の上昇を抑制するに足る低圧側ライン内圧がどの程度の圧力であれば高圧ガスが導入されても発火を抑制することが可能であるかについて検討を行った。図6に試験装置により低圧側内圧を0.1MPa、0.3MPa、0.6MPaとしたときの供給する高圧ガス圧力と発火頻度との関係を示す。上記の0.1MPaは大気圧における発火頻度を参考例として示したものである。
図6に示すグラフは、試験装置により高圧側と低圧側とを仕切る開閉弁を例えば0.3sec.の短時間で全開した場合、配管の末端部に備えた有機材料ガスケット(PCTFE;ポリクロロトリフルオロエチレン)の発火頻度を調べたものである。(なお、発火頻度は25回の試験を行い発火した際の割合で示した)
図6に示すように、例えば、供給される高圧ガス圧力が15MPaのときには、低圧側ライン内圧が少なくとも0.3MPa以上に昇圧されていれば15MPaの高圧ガスを供給しても発火の発生を抑制することができる。また供給高圧ガス圧力が20MPaのときには、低圧側ライン内圧が0.6MPaに昇圧されていれば20MPaの高圧ガスを供給しても発火の発生を抑制することができることが分かる。
供給高圧ガスの圧力がさらに高い場合には、これに対応して低圧側ライン内圧が昇圧される。例えば供給高圧ガス圧力が25MPaのときには、低圧側ライン内圧を0.8MPa程度に昇圧すれれば発火の発生を抑制することが可能である。
一般的に、本発明に係る酸素又は酸素混合ガス充填設備において、扱われる酸素又は酸素混合ガスは上記したように通常10MPa〜25MPaの範囲であり、したがって、この場合低圧側の圧力としては、少なくとも0.3MPaより高い圧力なっていれば、断熱圧縮による急激なガス温度の上昇を抑制することができる。
本発明において、低圧側ライン圧力を昇圧調整する手段として、バイパスラインを設けて昇圧する場合には、低圧側ライン内圧が少なくとも0.3MPa程度に昇圧されていれば高圧ガスを低圧側に導入しても発火等を抑制することが可能である。
低圧側ライン内圧の上限は特に限定されないが、高圧に設定することは所望の圧力に昇圧させるのに長時間を要し好ましくなく実用的には、上限は通常2.0MPa程度とすることが好ましい。
一方、図4又は図5に示すように、バイパスラインを配置しないで、液相ガスを気化した気化ガス、又は液化ガス貯槽から採り出した気相ガスにより低圧側ライン内圧を昇圧する場合についても、前記気化ガス又は気相ガスの圧力である上記0.3MPa〜0.8MPaの範囲に昇圧され、断熱圧縮を好適に抑制することができる。なお、上記の気化ガス又は気相ガスの圧力が上記の圧力に満たない場合には、ライン13又は14内で別途圧縮機で上記の圧力にすればなお好ましい。
また、上記の昇圧される低圧側ライン内圧が、供給される高圧ガス圧力に対して、断熱圧縮による急激はガス温度の上昇を抑制するのに十分な圧力でないような場合には、高圧ガスの供給速度を制御して緩やかに供給すれば発火を抑制することが可能である。
本発明の方法によれば、酸素又は酸素混合ガス等の支燃性高圧ガスを充填容器に充填する充填設備において、高圧側ラインと低圧側ラインとを仕切る開閉弁を介して高圧ガスを低圧側ラインに供給するに際し、高圧ガスの導入に伴って発生する断熱圧縮による急激なガス温度の上昇を抑制することができ、圧力調整弁や開閉弁などに設けられている有機材料の劣化を抑制することができ、また発火を防止することができるので、本発明は、高圧酸素及び高圧酸素混合ガスを、安全かつ確実に充填容器に供給、充填することができ、工業的に意義あるものである。
1 液化ガス貯槽
2 圧縮機
3、31 蒸発器
4 充填容器
5 加温器
10、20 開閉弁
11 高圧側ライン
12 低圧側ライン
110 バイパスライン
100 閉止弁
201 オリフィス
202 圧力調整器
203 内圧検知手段

Claims (7)

  1. 高圧ガスを充填容器に供給する供給設備において、前記高圧ガスが流通する高圧側ラインと前記充填容器に連なる低圧側ラインとを仕切る開閉弁を介して高圧ガスを低圧側ラインに供給するに際し、前記開閉弁を跨いで高圧側ラインと低圧側ラインとを連結するとともに流量調整手段及び/又は内圧調整手段が設けられたバイパスラインを介して低圧側ラインに高圧ガスを導入することにより前記低圧側ラインの内圧を予め昇圧し、その後、前記開閉弁を開放し高圧ガスを供給することを特徴とする高圧ガス供給方法。
  2. 前記流量調整手段及び/又は内圧調整手段が設けられたバイパスラインには、前記低圧側ラインの内圧が所要の圧力に昇圧したときに前記低圧側ラインに導入される高圧ガスの流入を遮断する閉止弁を備えていることを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス供給方法。
  3. 前記流量調整手段は、前記閉止弁の上流側及び/又は下流側に設けられたオリフィスあるいは流量調整器であることを特徴とする請求項2に記載の高圧ガス供給方法。
  4. 前記内圧調整手段は、(イ)前記閉止弁の上流側及び/又は下流側に設けられた圧力調整器、あるいは(ロ)低圧側ライン内圧検知手段及び該検知手段と連動する閉止弁作動機構との組み合わせであることを特徴とする請求項2に記載の高圧ガス供給方法。
  5. 前記バイパスラインに、前記請求項3に記載の流量調整手段と、前記請求項4に記載の(イ)あるいは(ロ)の内圧調整手段とをともに備えていることを特徴とする請求項2に記載の高圧ガス供給方法。
  6. 前記低圧側ライン内圧が少なくとも0.3MPa以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高圧ガス供給方法。
  7. 前記高圧ガスが酸素又は酸素混合ガスであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高圧ガス供給方法。
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