JP4906334B2 - 光硬化性樹脂組成物 - Google Patents
光硬化性樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4906334B2 JP4906334B2 JP2005355702A JP2005355702A JP4906334B2 JP 4906334 B2 JP4906334 B2 JP 4906334B2 JP 2005355702 A JP2005355702 A JP 2005355702A JP 2005355702 A JP2005355702 A JP 2005355702A JP 4906334 B2 JP4906334 B2 JP 4906334B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin composition
- photocurable resin
- meth
- acrylate
- amino group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 CCC1C(*N(*)*C(OC(C)(C)*OC(C=C)=O)=O)C1 Chemical compound CCC1C(*N(*)*C(OC(C)(C)*OC(C=C)=O)=O)C1 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
Description
光学的立体造形法の代表的な例としては、容器に入れた液状光硬化性樹脂の液面に所望のパターンが得られるようにコンピューターで制御された紫外線レーザーを選択的に照射して所定厚みを硬化させ、ついで該硬化層の上に1層分の液状樹脂を供給し、同様に紫外線レーザーで前記と同様に照射硬化させ、連続した硬化層を得る積層操作を繰り返すことによって最終的に立体造形物を得る方法を挙げることができる。この光学的立体造形方法は、形状のかなり複雑な造形物をも容易に且つ比較的短時間に得ることが出来る。
しかしながら、この特許文献1に記載されているジエタノールアミン等の硬化促進剤を含む光硬化性樹脂組成物は、短期間のうちに粘度の上昇やゲル化を生じ易く、保存安定性および取り扱い性に劣っており、光造形用として必ずしも適していない。
しかし、この特許文献2の光硬化性樹脂組成物はガスケット用であって、光学的立体造形とは硬化時に用いられる光エネルギーレベルが大きく異なる。しかも、この特許文献2の光硬化性樹脂組成物において、アミノ基含有アクリレート光増感剤としてジメチルアミノエチルアクリレートを添加した光硬化性樹脂組成物を使用して本発明者らが光学的立体造形を試みたところ、その光硬化性樹脂組成物は保存安定性が不十分で、保存しておくと、にごりやゲル化が生じ易く、光学的立体造形には適さないことが判明した。また、にごりやル化が生ずる前の光硬化性樹脂組成物を用いて本発明者らが光学的立体造形を行ったところ、それにより得られた立体造形物は引張強度、引張伸度などに代表される力学的強度が低く、しかも焦げ茶色に着色し、外観が不良であった。また、この特許文献2の光硬化性樹脂組成物において、アミノ基含有アクリレート光増感剤として特許文献2の実施例で用いられている「EB−7100」(ダイセルサイデック社製)を添加したものを用いて本発明者らが光学的立体造形を行ったところ、それにより得られた立体造形物は、力学的強度が低いものであった。
更に、本発明の目的は、前記した特性と併せて、硬化時の体積収縮が小さくて、目的どおりの造形物を高い寸法精度および造形精度で製造することのできる光硬化性樹脂組成物を提供することである。
そして、本発明の目的は、前記した諸特性と共に、力学的特性に優れる光学的立体造形物などの光硬化物を製造することのできる光硬化性樹脂組成物を提供することである。
さらに、本発明の目的は、当該光硬化性樹脂組成物を用いて光学的立体造形を行って立体造形物を製造する方法を提供することである。
さらに、本発明者らは、3級アミノ基を有する前記特定のアクリレート化合物を含有する当該光硬化性樹脂組成物は、光学的立体造形に適する低い粘度を有し、長期間放置しておいても粘度の大幅な増加やゲル化が生じず、長期保存安定性、取り扱い性に優れ、光学的立体造形に有効に用い得ることを見出した。
また、本発明者らは、当該光硬化性樹脂組成物は光硬化時の収縮が小さく、反りのない目的どおりの寸法および形状を有する立体造形物を高い造形精度および寸法精度で製造できること、その上得られた立体造形物などの光硬化物は高い力学的強度を有し、力学的特性に優れることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
(1) エチレン性不飽和化合物および活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物であって、エチレン性不飽和化合物の一部として、下記の一般式(I);
[式中、R1およびR2は互いに同じか又は異なるアルキル基またはアラルキル基を示し、R3は(m+n)価のアクリレート残基を示し、mおよびnはそれぞれ独立して1〜5の整数であり、m+nは2〜6である。]
で表される3級アミノ基含有アクリレート化合物(I)を、光硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、0.1〜10質量%の割合で含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物である。
(2) 光学的立体造形用である前記(1)の光硬化性樹脂組成物である。
(3) 前記(1)または(2)の光硬化性樹脂組成物を用いて光学的立体造形を行なって立体造形物を製造する方法である。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光造形などに適した低い粘度を有し、しかも長期間保存しても、粘度の大幅な上昇やゲル化が生じず、保存安定性および取り扱い性に優れており、光学的立体造形などに有効に用いることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、硬化時の収縮が小さく、反りがなく、目的どおりの外観および寸法を有する立体造形物などの光硬化物を、高い寸法精度および高い造形精度で円滑に製造することができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物を用いることによって、高い機械的強度などを有していて、力学的特性、耐熱性などの特性に優れる立体造形物を円滑に製造することができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物の有する前記した優れた効果は、上記の一般式(I)で表される本発明の3級アミノ基含有アクリレート化合物を、エチレン性不飽和化合物および活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物中にエチレン性不飽和化合物の一部として含有させることによって得ることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、エチレン性不飽和化合物および活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤を含有し、活性エネルギー線で重合および/または架橋する前記エチレン性不飽和化合物の一部として、下記の一般式(I);
[式中、R1およびR2は互いに同じか又は異なるアルキル基またはアラルキル基を示し、R3は(m+n)価のアクリレート残基を示し、mおよびnはそれぞれ独立して1〜5の整数であり、m+nは2〜6である。]
で表される3級アミノ基含有アクリレート化合物(I)を含有する。
なお、本明細書でいう「活性エネルギー線」とは、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波などのような光硬化性樹脂組成物を硬化させ得るエネルギー線をいう。
R1および/またはR2がアルキル基である場合は、炭素数1〜5のアルキル基であることが材料の入手容易性の点から好ましく、具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピス基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基などを挙げることができる。また、R1および/またはR2がアラルキル基である場合の具体例としては、ベンジル基、フェニルエチル基などを挙げることができる。そのうちでも、R1およびR2は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ベンジル基であることが、反応性の点から好ましい。
そのうちでも、R3は、炭素数2〜12の鎖状または分岐したアルキレン基、脂環を有する炭化水素基、橋架け環を有する炭化水素基であることが、合成上および反応性の点から好ましい。
R3の具体例としては、下記の式で表される基などを挙げることができる。
そのうちでも、3級アミノ基含有アクリレート化合物(I)は、下記の一般式(II)で表される多官能アクリレート化合物(II)に、下記の一般式(III)で表される2級アミン(III)をマイケル付加反応させることによって円滑に製造することができる。
3級アミノ基含有アクリレート化合物(I)を得るためのマイケル付加反応は、一般に溶媒および触媒を用いずに、温度50〜60℃で、大気圧下に多官能アクリレート化合物(II)と2級アミン(III)を反応させるのがよく、それによって3級アミノ基含有アクリレート化合物(I)を簡単に且つ高い収率で円滑に製造することができる。
他のエチレン性不飽和化合物としては、活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤の存在下に活性エネルギー線を照射したときに、重合反応および/または架橋反応を生ずるエチレン性の不飽和結合を有する化合物であればいずれも使用でき、代表例としては(メタ)アクリレート系化合物、不飽和ポリエステル化合物などを挙げることができ、これらのエチレン性不飽和化合物の1種または2種以上を用いることができる。
そのうちでも、3官能性以上の多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが、空気硬化性、得られる立体造形物の機械的特性などの点からより好ましく用いられる。
より具体的には、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロデカンジメタノールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートやその他のジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペタニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、前記したジオール、トリオール、テトラオール、ヘキサオールなどの多価アルコールのアルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレートなどを挙げることができる。
また、前記した(メタ)アクリレート化合物のうちで、メタクリレート化合物よりも、アクリレート化合物が重合速度の点から好ましく用いられる。
また、上記したポリエーテル(メタ)アクリレートとしては、水酸基含有ポリエーテルとアクリル酸との反応により得られるポリエーテルアクリレートを挙げることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物の例としては、光硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、3級アミノ基含有アクリレート化合物(I)を0.1〜10質量%、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[特にウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー]を20〜60質量%、特に30〜50質量%、その他のエチレン性不飽和化合物を10〜60質量%、特に20〜50質量%、光ラジカル重合開始剤を1〜10質量%、特に2〜5質量%の割合で含有する光硬化性樹脂組成物を挙げることができる。かかる光硬化性樹脂組成物は、光学的立体造形に適する低い粘度を有し、長期保存後の粘度の大幅な上昇やゲル化が生じず、しかも硬化感度が高く且つ硬化時の収縮率が小さいため、この光硬化性樹脂組成物を用いて光学的立体造形を行うと、反りがなく、寸法精度および造形精度に優れ、更に力学的特性や耐熱性にも優れる立体造形物を短い造形時間でより円滑に得ることができる。
ホスフィンオキシド系化合物としては、BAPOと呼ばれているビスアシルホスフィンオキシドや、MAPOと呼ばれているモノアシルホスフィンオキシドがあり、具体的には、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6−(トリメチルベンゾイル)−ジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドなどを挙げることができる。
フェニルケトン系化合物としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトンなどを挙げることができる。
また、アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシメチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4′−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノンなどを挙げることができる。
また、ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラースケトン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノンなどを挙げることができる。
そして、チオキサントン系化合物としては、例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどを挙げることができる。
そのうちでも、本発明ではラジカル重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンが、反応性、得られる硬化物の色相などの点から好ましく用いられる。
その際の活性エネルギー線としては、上述のように、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波などを挙げることができる。そのうちでも、300〜400nmの波長を有する紫外線が経済的な観点から好ましく用いられ、その際の光源としては、紫外線レーザー(例えば半導体励起固体レーザー、Arレーザー、He−Cdレーザーなど)、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、紫外線LED(発光ダイオード)、蛍光灯などを使用することができる。
そのうちでも、本発明の光硬化性樹脂組成物は、硬化感度が高く且つ硬化時の収縮率が小さいため、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプなどのような、レーザー光に比べてエネルギー強度の小さい光源を用いて面状描画マスクを介して造形面に光を照射する光学的立体造形方法に好適に用いられる。
さらに、必要に応じて、本発明の光硬化性樹脂組成物は、光学的立体造形以外に用途、例えば、光ファイバーコーティング、光ディスクのコーティングなどにも用いることができる。
また、以下の例中、光硬化性樹脂組成物の粘度、硬化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)および作業硬化エネルギー(E10)の測定、安定性の評価、並びに光造形して得られた光造形物の力学的特性[引張り特性(破断強度、破断伸度、引張弾性率)、降伏強度、曲げ特性(曲げ強度、曲げ弾性率)]および収縮率の測定または算出は、次のようにして行なった。
光硬化性樹脂組成物を25℃の恒温槽に入れて、光硬化性樹脂組成物の温度を25℃に調節した後、B型粘度計(株式会社東京計器製)を使用して測定した。
非特許文献1に記載されている理論にしたがって測定した。具体的には、光硬化性樹脂組成物よりなる造形面(液面)に、超高圧水銀ランプ(波長域340〜380nmの紫外光、エネルギー強度2mW/cm2)からの光を照射して1層分の光硬化膜を形成させた。この操作を、硬化膜の形成時の光照射時間を1〜6秒の間で、1秒、2秒、3秒、4秒、5秒及び6秒と6段階に変化させることによって造形面への照射エネルギー量を変え、各照射エネルギー量により生成した光硬化膜を光硬化性樹脂組成物液から取り出して、未硬化樹脂を取り除き、各硬化膜の厚さを定圧ノギスで測定し、光硬化膜の厚さをY軸、照射エネルギー量をX軸としてプロットし、プロットして得られた直線の傾きから硬化深度を求めると共に、X軸の切片を臨界硬化エネルギー[Ec(mJ/cm2)]とし、0.25mmの厚さに硬化させるのに必要な露光エネルギー量を作業硬化エネルギー(E10/mJ/cm2)とした。
光硬化性樹脂組成物を空気雰囲気下に暗所にて、温度80℃の恒温槽に入れて28日間保存し、その間に1日毎にその状態を目視にて観察し、にごりの有無およびゲル化の有無を調べた。
以下の実施例または比較例で作製した光造形物(JIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片)を用いて、JIS K−7113にしたがって、試験片の破断強度(引張強度)、破断伸度(引張伸度)および引張弾性率を測定した。
上記(4)の引張り特性の試験において、光造形物が弾性から塑性に移る点における強度を降伏強度とした。
以下の実施例または比較例で作製した光造形物(JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片)を用いて、JIS K−7171にしたがって、試験片の曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
光硬化させる前の光硬化性樹脂組成物(液体)の比重(d0)と、光硬化して得られた光硬化物の比重(d1)から、下記の数式により収縮率を求めた。
収縮率(%)={(d1−d0)/d1}×100
この合成例1では、以下の化学式を有する3級アミノ基含有アクリレート化合物[以下「3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ia)」という]を合成した。
これにより得られた3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ia)の赤外吸収スペクトルを、フーリエ変換赤外線分光光度計(株式会社島津製作所製「FTIR−8100M型」)により、NaClを用いて測定したところ、図1に示すとおりであった。
この合成例2では、以下の化学式を有する3級アミノ基含有アクリレート化合物[以下「3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ib)」という]を合成した。
この合成例3では、以下の化学式を有する3級アミノ基含有アクリレート化合物[以下「3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ic)」という]を合成した。
これにより得られた3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ic)の赤外吸収スペクトルを、合成例1で使用したのと同じ赤外線分光光度計により、NaClを用いて測定したところ、図2に示すとおりであった。
この合成例4では、以下の化学式を有する3級アミノ基含有アクリレート化合物[以下「3級アミノ基含有アクリレート化合物(Id)」という]を合成した。
この合成例5では、以下の化学式を有する3級アミノ基含有アクリレート化合物[以下「3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ie)」という]を合成した。
この合成例6では、以下の化学式を有する3級アミノ基含有アクリレート化合物[以下「3級アミノ基含有アクリレート化合物(If)」という]を合成した。
この合成例7では、以下の化学式を有する3級アミノ基含有アクリレート化合物[以下「3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ig)」という]を合成した。
これにより得られた3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ig)の赤外吸収スペクトルを、合成例1で使用したのと同じ赤外線分光光度計により、NaClを用いて測定したところ、図3に示すとおりであった。
(1) ウレタンアクリレートオリゴマー[2−ヒドロキシエチルアクリレート1モルとイソホロンジイソシアネート1モルを反応させた後に、4個(4モル)のプロピレンオキサイドで変性したペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加物0.25モルを反応させて得られたウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学工業株式会社製「CM37」)]35部、イソボルニルアクリレート45部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート20質量部および合成例1で製造した3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ia)1部および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製「イルガキュア651」)(ラジカル重合開始剤)5部をよく混合して光硬化性樹脂組成物を調製した。
(2) 上記(1)で得られた光硬化性樹脂組成物の粘度、硬化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)、作業硬化エネルギー(E10)および安定性を上記した方法で測定または評価したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(1) 実施例1の(1)において、合成例1で製造した3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ia)1部の代わりに、合成例2〜6で製造した3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ib)〜(Ie)のいずれかを1部の割合で用い、それ以外は実施例1の(1)と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製した。
(2) 上記(1)で得られたそれぞれの光硬化性樹脂組成物の粘度、硬化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)、作業硬化エネルギー(E10)および安定性を上記した方法で測定または評価したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られたそれぞれの光硬化性樹脂組成物を用いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形を行なって、JIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片とJIS K−7171に準拠したバー形状の試験片を作製し、その物性を上記した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。
(1)(i) 実施例1の(1)において、合成例1で製造した3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ia)1部の代わりに、合成例7で製造した3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ig)3部を用い、それ以外は実施例1の(1)と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製した(実施例7)。
(ii) 実施例1の(1)において、3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ia)の配合量を3部に変え、更にラジカル光重合開始剤の配合量を3部に変え、それ以外は実施例1の(1)と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製した(実施例8)。
(iii) また、合成例1で製造した3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ia)1部の代わりに、合成例7で製造した3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ig)3部を用い、更に更にラジカル光重合開始剤の配合量を3部に変え、それ以外は実施例1の(1)と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製した(実施例9)。
(2) 上記(1)で得られたそれぞれの光硬化性樹脂組成物の粘度、硬化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)、作業硬化エネルギー(E10)および安定性を上記した方法で測定または評価したところそれぞれの光硬化性樹脂組成物を用いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形を行なって、JIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片とJIS K−7171に準拠したバー形状の試験片を作製し、その物性を上記した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。
(1) 実施例1の(1)において、3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ia)を用いなかった以外は実施例1の(1)と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製した。
(2) 上記(1)で得られた光硬化性樹脂組成物の粘度、臨界硬化エネルギー(Ec)、硬化深度(Dp)、作業硬化エネルギー(E10)および安定性を上記した方法で測定または評価したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られた光硬化性樹脂組成物を用いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形を行なって、JIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片とJIS K−7171に準拠したバー形状の試験片を作製し、その物性を上記した方法で測定した。その結果を下記の表2に示す。
(1) 実施例1の(1)において、3級アミノ基含有アクリレート化合物(Ia)1部の代わりに、ジエタン−ルアミン1部(比較例2)、N−ブチルジエタン−ルアミン1部(比較例3)、ジメチルアミノエチルアクリレート1部(比較例4)またはアミノ基含有アクリレート「EB−7100」(ダイセルUCB製)1部を用いた以外は、実施例1の(1)と同様にしてそれぞれの光硬化性樹脂組成物を調製した。
(2) 上記(1)で得られたそれぞれの光硬化性樹脂組成物の粘度、臨界硬化エネルギー(Ec)、硬化深度(Dp)、作業硬化エネルギー(E10)および安定性を上記した方法で測定または評価したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られたそれぞれの光硬化性樹脂組成物を用いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形を行なって、JIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片とJIS K−7171に準拠したバー形状の試験片を作製し、その物性を上記した方法で測定した。その結果を下記の表2に示す。
また、比較例2および3の光硬化性樹脂組成物は短期間のうちにゲル化が生じて光造形に用いることができない。
比較例4の光硬化性樹脂組成物は、保存時に、にごりが生じ保存安定性に劣っており、しかも光造形して得られた立体造形物の力学的特性が実施例1〜9に比べて大きく劣っている。
比較例5の光硬化性樹脂組成物は、保存安定性ではあるが、実施例1〜9に比べて臨界硬化エネルギー(Ec)および作業硬化エネルギー(E10)の値が大きく、硬化感度が劣っており、しかも光造形して得られた立体造形物の力学的特性が実施例1〜9に比べて大きく劣っている。
Claims (3)
- 光学的立体造形用である請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 請求項1または2の光硬化性樹脂組成物を用いて光学的立体造形を行なって立体造形物を製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005355702A JP4906334B2 (ja) | 2005-12-09 | 2005-12-09 | 光硬化性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005355702A JP4906334B2 (ja) | 2005-12-09 | 2005-12-09 | 光硬化性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007161740A JP2007161740A (ja) | 2007-06-28 |
JP4906334B2 true JP4906334B2 (ja) | 2012-03-28 |
Family
ID=38245023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005355702A Expired - Fee Related JP4906334B2 (ja) | 2005-12-09 | 2005-12-09 | 光硬化性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4906334B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4906336B2 (ja) * | 2005-12-16 | 2012-03-28 | シーメット株式会社 | 光硬化性樹脂組成物 |
JP5302022B2 (ja) * | 2009-01-28 | 2013-10-02 | シーメット株式会社 | 光学的立体造形用樹脂組成物 |
JP5999366B2 (ja) * | 2013-08-09 | 2016-09-28 | ブラザー工業株式会社 | 光硬化性樹脂組成物、容器、立体造形物製造装置及び立体造形物の製造方法 |
JP5999380B2 (ja) * | 2014-03-28 | 2016-09-28 | ブラザー工業株式会社 | 光硬化性樹脂組成物、容器、立体造形物製造装置及び立体造形物の製造方法 |
JP2015189942A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | ブラザー工業株式会社 | 光硬化性樹脂組成物、容器、立体造形物製造装置及び立体造形物の製造方法 |
JP6679234B2 (ja) * | 2015-07-29 | 2020-04-15 | マクセルホールディングス株式会社 | モデル材用樹脂組成物、サポート材用樹脂組成物、光造形品、および、光造形品の製造方法 |
CN108025492B (zh) | 2015-09-15 | 2021-05-04 | 麦克赛尔控股株式会社 | 光造型用油墨组及光造型品的制造方法 |
JP6751096B2 (ja) | 2015-09-15 | 2020-09-02 | マクセルホールディングス株式会社 | モデル材用樹脂組成物、光造形用インクセット、および、光造形品の製造方法 |
WO2021247419A1 (en) * | 2020-06-02 | 2021-12-09 | Blue Cube Ip Llc | Photo-curable resin composition for use in stereolithography |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07149849A (ja) * | 1993-11-29 | 1995-06-13 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 放射線硬化樹脂用希釈剤 |
JP2005239870A (ja) * | 2004-02-26 | 2005-09-08 | Dainippon Ink & Chem Inc | 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物および活性エネルギー線硬化型塗料 |
-
2005
- 2005-12-09 JP JP2005355702A patent/JP4906334B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007161740A (ja) | 2007-06-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4906334B2 (ja) | 光硬化性樹脂組成物 | |
JP5111880B2 (ja) | 面露光による光学的立体造形用樹脂組成物 | |
JP4906336B2 (ja) | 光硬化性樹脂組成物 | |
JP5235056B2 (ja) | 面露光による光学的立体造形用樹脂組成物 | |
JP5478016B2 (ja) | 光学的立体造形用樹脂組成物 | |
JP4925900B2 (ja) | 光学的立体造形用樹脂組成物 | |
JP5280615B2 (ja) | 光学的立体造形用樹脂組成物 | |
JP2001310918A (ja) | 光造形用硬化性組成物および成形品 | |
JP4409683B2 (ja) | 光学的造形用樹脂組成物、その製造方法及び光学的造形物 | |
JP5393239B2 (ja) | 光学的立体造形物の処理方法 | |
JP5685054B2 (ja) | 半硬化物、硬化物およびそれらの製造方法、光学部品、硬化樹脂組成物 | |
JP4021347B2 (ja) | 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物 | |
JP6970673B2 (ja) | 光造形製造用光硬化性樹脂組成物、該組成物を用いて作製される三次元物品、及び関連する製造方法 | |
JP4315507B2 (ja) | 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物 | |
JP5738367B2 (ja) | 黄色度の低い光学的立体造形物 | |
JP5302022B2 (ja) | 光学的立体造形用樹脂組成物 | |
JP2009203306A (ja) | 光学的立体造形用樹脂組成物 | |
JP4007704B2 (ja) | 光学的立体造形用の光硬化性樹脂組成物 | |
JP4588513B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物及びそれを用いた立体造形物 | |
JP2020172083A (ja) | 光学的立体造形物の後硬化方法および後硬化・後処理方法 | |
JP2008063514A (ja) | 光学的立体造形用樹脂組成物 | |
JP2019183028A (ja) | 光造形用樹脂組成物 | |
JPH10120739A (ja) | 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物 | |
JP2022047507A (ja) | 光硬化性組成物及びその硬化物 | |
JPH06128342A (ja) | 光学的立体造形用樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20081203 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20081203 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101214 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110210 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111213 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120110 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4906334 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |