JP5280615B2 - 光学的立体造形用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は光学的立体造形用樹脂組成物に関する。より詳細には、本発明は、硬化前の経時的な水分および湿分の吸収が小さくて安定した物性を有し、光造形時の硬化反応の制御を容易に且つ円滑に行うことができ、活性エネルギー線による硬化感度が高くて短縮された造形時間で、造形精度、寸法精度、耐水性、耐湿性、力学的特性(特に靭性)に優れる光学的立体造形物を円滑に生産性良く製造することのできる光学的立体造形用樹脂組成物に関する。
近年、三次元CADに入力されたデータに基づいて液状の光硬化性樹脂組成物を立体的に光学造形する方法が、金型などを作製することなく目的とする立体造形物を良好な寸法精度で製造し得ることから、広く採用されるようになっている。
光学的立体造形法の代表的な例としては、容器に入れた液状光硬化性樹脂の液面に所望のパターンが得られるようにコンピューターで制御された紫外線レーザーを選択的に照射して所定厚みを硬化させ、ついで該硬化層の上に1層分の液状樹脂を供給し、同様に紫外線レーザーで前記と同様に照射硬化させ、連続した硬化層を得る積層操作を繰り返すことによって最終的に立体造形物を得る方法を挙げることができる。この光学的立体造形方法は、形状のかなり複雑な造形物をも容易に且つ比較的短時間に得ることが出来る。
また、近年、スポット状の紫外線レーザー光を用いる上記した従来法に代えて、光源と光硬化性樹脂組成物の表面との間に、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な微小液晶シャッターを多数面状に配置した液晶描画マスク、または複数のデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置したいわゆるDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)よりなる面状描画マスクを経て光硬化性樹脂の液面に光を照射して所定の断面形状パターンの光硬化樹脂層を順次形成する立体造形技術が提案されている。描画マスクを用いる光学的立体造形技術は、光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に光を面状で一度に照射して光硬化した断面形状パターンを面状で一度に形成することができるため、スポット状の紫外線レーザーを用いる点描方式に比べて光造形速度を大幅に向上させることが可能である。
光学的造形に用いる樹脂組成物に対しては、低粘度で造形時の取り扱い性が良好であること、硬化する前の樹脂組成物が経時的に水分や湿分の吸収が少なく物性や硬化特性が安定していること、活性エネルギー線による硬化感度が高いこと、酸素雰囲気下での硬化特性が良いこと、造形物の解像度が良く造形精度に優れていること、硬化時の体積収縮率が小さいこと、硬化物の力学的特性が優れていること、硬化物が耐水性や耐湿性に優れていて経時的に水分や湿分の吸収が少なく寸法安定性に優れていることなどの種々の特性が要求される。
光学的造形用の樹脂組成物としては、従来、アクリレート系光硬化性樹脂組成物、ウレタンアクリレート系光硬化性樹脂組成物、エポキシ系光硬化性樹脂組成物、エポキシアクリレート系光硬化性樹脂組成物、ビニルエーテル系光硬化性樹脂組成物が提案され用いられてきた。これらの中で、エポキシ系光硬化性樹脂組成物が、それから得られる造形物の寸法精度が良好であることから最近特に注目されている。
しかし、エポキシ系光硬化性樹脂組成物は光照射により生成するカチオンで反応が進むため、反応速度が遅く、造形に時間がかかりすぎることが指摘されている。そこで、反応速度を上げるために、エポキシ系光硬化性樹脂組成物にエチレングリコール、プロピレングリコールなどの低分子ポリオール化合物を添加することが提案されている。また、反応速度の向上による造形時間の短縮などを目的として、エポキシ化合物などのカチオン重合性有機化合物およびラジカル重合性有機化合物を含む光硬化性樹脂組成物にポリエステルポリオール化合物を添加した光学的立体造形用樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。しかしながら、いずれの場合も、光硬化時の硬化速度が遅いために、光造形に時間がかかり、しかも得られる造形物は十分に硬化しておらず力学的特性が十分ではない。その上、得られる造形物の寸法精度が低く、耐水性および耐湿性の点でも問題を有している。
上記の点から、本発明者らは、活性エネルギー線による硬化感度が高くて、短縮された活性エネルギー線照射時間で造形物を生産性良く製造することができ、しかも解像度、造形精度に優れていて、目的どおりの寸法を有する造形物を得ることができ、その上硬化時の体積収縮率が小さくて寸法精度が高く、硬化物が耐水性および耐湿性に優れていて経時的に水分や湿分の吸収が少なく寸法安定性に優れ、さらに力学的特性に優れる造形物を製造することのできる光学的立体造形用樹脂組成物の提供を目的として研究を続けてきた。
そして、光学的立体造形用樹脂組成物中に下記の一般式(II);
Figure 0005280615

(式中、R3はアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、nは1〜6の整数を示す。)
で表されるオキセタンモノアルコールを含有させると、それにより得られる光学的立体造形用樹脂組成物を用いて光学的造形を行ったときに、耐水性および耐湿性に優れ、しかも寸法精度、寸法安定性、力学的特性に優れる造形物を、高い反応速度および高い造形速度で、短縮された活性エネルギー線の照射時間で、生産性良く製造できることを見出して先に出願した(特許文献2)。
本発明者らは、この特許文献2の光学的立体造形用樹脂組成物およびそれから得られる立体造形物の物性について更に検討を重ねてきた。その結果、光造形時の造形時間の制御を円滑に行って短時間で光造形物を製造するためには当該光学的立体造形用樹脂組成物の硬化前の経時的な水分および湿分の吸収を一層小さくする必要があることが判明した。
特公平7−103218号公報 特開平11−199647号公報 ポール・エフ・ヤコブ(Paul F. Jacobs)著、「Rapid Prototyping & Manufacturing, Fundamentals of Stereo-Lithography」,"Society of Manufacturing Engineers",1992年,p28−39
本発明の目的は、硬化する前の樹脂組成物の状態のときに経時的な水分および湿分の吸収が少なくて、高湿下に置いても低吸湿率を維持することができて、物性、硬化特性が安定していて取り扱い性に優れ、高い硬化感度で、短縮された活性エネルギー線照射時間で造形物を生産性良く製造することのできる光学的立体造形用樹脂組成物を提供することである。
さらに、本発明の目的は、上記した特性と併せて、活性エネルギー線を照射して造形したときに、高い解像度および造形精度で目的どおりの寸法を有する立体造形物を製造することができ、しかも硬化時の体積収縮率が小さく且つ硬化後の水分や湿分の吸収が少なくて寸法安定性に優れ、更に力学的特性にも優れる立体造形物を製造することのできる光学的立体造形用樹脂組成物を提供することである。
上記の課題を解決すべく本発明者らは鋭意検討を重ねてきた。その結果、光学的立体造形用樹脂組成物中に、下記の一般式(I);
Figure 0005280615

(式中、R1は炭素数1〜5のアルキル基、およびR2はエーテル結合を有していてもよい炭素数2〜10のアルキレン基を示す。)
で表されるオキセタン化合物を3〜60質量%の割合で含有させると、硬化する前の樹脂組成物の経時的な水分および湿分の吸収が極めて小さくて、高湿下に置いても低吸湿率を維持することができて、物性、硬化特性が安定していて、取り扱い性に優れる光学的立体造形用樹脂組成物が得られることを見出した。
さらに、本発明者らは、上記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物を含有する光学的立体造形用樹脂組成物は、活性エネルギー線による硬化感度が高くて短縮された活性エネルギー線照射時間で造形物を生産性良く製造できること、解像度、造形精度に優れていて目的どおりの寸法を有する造形物が得られること、硬化時の体積収縮率が小さくて寸法精度が高いこと、硬化後も吸湿性が低くて硬化物の寸法安定性が良好であること、その上硬化物は力学的特性、特に靭性に優れ、曲げ、衝撃などの外部応力が加えられても破損しにくいことを見出した。
また、本発明者らは、上記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物を含有する光学的立体造形用樹脂組成物では、当該オキセタン化合物と共に、他のカチオン重合性有機化合物、特にエポキシ化合物や一般式(I)で表されるオキセタン化合物以外のオキセタン化合物を含有させるのがよいこと、それらを含有させた光学的立体造形用樹脂組成物中に更にラジカル重合性有機化合物を含有させるのがよく、そのようにすることによって光学的立体造形用樹脂組成物の硬化感度、解像度、造形精度、寸法精度、硬化物の力学的特性などが一層向上し、更に硬化時の体積収縮、湿分の吸収率などを一層低減できることを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) 下記の一般式(I);
Figure 0005280615

(式中、R1は炭素数1〜5のアルキル基およびR2はエーテル結合を有していてもよい炭素数2〜10のアルキレン基を示す。)
で表されるオキセタン化合物を、3〜60質量%の割合で含有することを特徴とする光学的立体造形用樹脂組成物である。
そして、本発明は、
(2) 上記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物、上記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物以外のカチオン重合性有機化合物、および活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤を含有する前記した(1)の光学的立体造形用樹脂組成物;
(3) 上記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物、上記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物以外のカチオン重合性有機化合物、ラジカル重合性有機化合物、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤および活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤を含有する前記した(1)または(2)の光学的立体造形用樹脂組成物;および、
(4) 光学的立体造形用樹脂組成物の全質量に基づいて、上記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物の含有量が3〜60質量%、上記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物以外のカチオン重合性有機化合物の含有量が20〜70質量%、ラジカル重合性有機化合物の含有量が5〜50質量%、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤の含有量が1〜10質量%および活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤の含有量が1〜10質量%である前記した(3)の光学的立体造形用樹脂組成物;
である。
さらに、本発明は、
(5) 上記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物以外のカチオン重合性有機化合物が、主にエポキシ化合物からなる、前記した(2)〜(4)のいずれかの光学的立体造形用樹脂組成物;
(6) ラジカル重合性有機化合物が、主にエチレン性不飽和化合物からなる前記した(3)〜(5)のいずれかの光学的立体造形用樹脂組成物;および、
(7) 上記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物以外のオキセタン化合物を含有する前記した(1)〜(6)のいずれかの光学的立体造形用樹脂組成物;
である。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、未硬化状態での経時的な水分および湿分の吸収が極めて小さくて、高湿下に置いても低吸湿率を維持することができて、物性、硬化特性が安定していて、取り扱い性に優れている。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、活性エネルギー線による硬化感度が高くて短縮された活性エネルギー線照射時間で造形物を生産性良く製造することができ、しかも解像度、造形精度に優れていて目的どおりの寸法を有する造形物を得ることができる。
さらに、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物から得られる光造形物は、硬化時の体積収縮率が小さくて寸法精度が高く、吸湿性が低くて寸法安定性が良好であり、しかも力学的特性、特に靭性に優れていて、衝撃、曲げなどの外部応力が加えられても破損が生じににくい。
特に、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物のうちでも、上記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物と共に、他のカチオン重合性有機化合物、ラジカル重合性有機化合物、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤および活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤を含有する光学的立体造形用樹脂組成物およびそれから得られる光造形物は、低い吸湿性、硬化感度、解像度、造形精度、寸法精度、硬化物の力学的特性などの上記した特性に一層優れている。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、下記の一般式(I);
Figure 0005280615

(式中、R1は炭素数1〜5のアルキル基、およびR2はエーテル結合を有していてもよい炭素数2〜10のアルキレン基を示す。)
で表されるオキセタン化合物[以下「オキセタン化合物(I)」という]を、光学的立体造形用樹脂組成物の全質量に基づいて3〜60質量%の割合で含有する。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、オキセタン化合物(I)を前記した3〜60質量%の割合で含有していることにより、硬化する前の樹脂組成物の状態のときに、経時的に水分および湿分の吸収が極めて低くて、高湿下に置いた場合にも水分含量率(吸水率)が小さく、高い硬化感度を維持する。そしてそのような水分含量(吸湿率)の極めて低い本発明の光学的立体造形用樹脂組成物を用いることによって、高い解像度および造形精度で、硬化時の体積収縮率が小さくて寸法精度に優れ、吸湿性が低くて寸法安定性が良く、しかも力学的特性に優れる光造形物を短縮した造形時間で生産性よく製造することができる。
オキセタン化合物(I)の含有量が前記範囲よりも多いと、光学的立体造形用樹脂組成物の経時的な水分や湿分の吸収が大きくなり、一方前記範囲よりも少ないと、光照射時の反応性が低くなり、造形速度が低下する。
オキセタン化合物(I)の含有量は、光学的立体造形用樹脂組成物の全質量に基づいて、5〜40質量%であることが好ましい。
上記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物(I)において、R1は、炭素数1〜5のアルキル基であれば鎖状のアルキル基または分岐したアルキル基のいずれでもよい。R1の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基などを挙げることができる。そのうちでも、R1はメチル基またはエチル基であることが、合成原料の入手の容易さなどの点から好ましい。
また、オキセタン化合物(I)において、R2は炭素数2〜10のアルキレン基であれば、鎖状のアルキレン基または分岐したアルキレン基であってもいずれでもよく、或いはアルキレン基(アルキレン鎖)の途中にエーテル結合(エーテル系酸素原子)を有する炭素数2〜10の鎖状または分岐状のアルキレン基であってもよい。
2の具体例としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、3−オキシペンチレン基などを挙げることができる。
そのうちでも、R2がトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基またはヘプタメチレン基であることが、合成の容易さ、化合物が常温で液体で取り扱い易いなどの点から好ましい。
本発明で用いるオキセタン化合物(I)の製法は特に制限されない。
オキセタン化合物(I)は、例えば、下記に示す合成ルートA、合成ルートBなどによって製造することができる。
Figure 0005280615

(式中、R1およびR2は上記と同じ基を示す。)
Figure 0005280615

(式中、R1およびR2は上記と同じ基を示す。)
上記の合成ルートAおよび合成ルートBにおいて、上記の一般式(i)で表されるオキセタン化合物に、トリエチルアミン(Et3N)の存在下にメタンスルホニルクロライド(CH3SO2Cl)を反応させて一般式(ii)で表されるオキセタン化合物を製造するに当たっては、一般式(i)で表されるオキセタン化合物1モルに対して、トリエチルアミンを0.9〜1.5モル、メタンスルホニルクロライドを1.0〜2.0モルの割合で使用し、液温を5〜10℃に保ちながら行うのが好ましい。その際に、一般式(ii)で表されオキセタン化合物の合成反応は芳香族炭化水素溶媒(例えばトルエン、キシレンなど)中で行うことが好ましい。
そして、合成ルートAでは、前記で生成した一般式(ii)で表されるオキセタン化合物1モルに対して、テトラブチルアンモニウムブロマイド(Bu4NBr)を0〜0.1モルおよび水酸化ナトリウムを0.9〜2.0モルの割合で用い、更に一般式:HO−R2−OHで表されるジオールを1.5〜5.0モルの割合で用いて、50〜150℃の温度で反応させてオキセタン化合物(I)を合成することが好ましい。この反応は、トルエンなどの有機溶媒中で行うことが好ましい。
また、合成ルートBでは、前記で生成した一般式(ii)で表されるオキセタン化合物1モルに対して、臭化リチウムを1.0〜1.5モルの割合で用いて、50〜100℃で反応させて一般式(iii)で表されるオキセタン化合物を製造するのがよい。そして、それにより得られる一般式(iii)で表されるオキセタン化合物1モルに対して、テトラブチルアンモニウムブロマイド(Bu4NBr)を0〜0.1モル、水酸化ナトリウムを0.9〜2.0モルおよび一般式:HO−R2−OHで表されるジオールを1.5〜5.0モルの割合で用いて、温度30〜150℃で反応させて、オキセタン化合物(I)を製造することが好ましい。この反応は、トルエンなどの有機溶媒と水との二相系中で行うことが好ましい。
オキセタン化合物(I)は、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(以下単に「カチオン重合開始剤」ということがある)の存在下に活性エネルギー線を照射したときに、重合反応および/または架橋反応を生ずるので、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物には、オキセタン化合物(I)と共にカチオン重合開始剤を含有させる。
なお、本明細書でいう「活性エネルギー線」とは、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波などのような光学的立体造形用樹脂組成物を硬化させ得るエネルギー線をいう。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、オキセタン化合物(I)を3〜60質量%の割合で含有し且つカチオン重合開始剤を含有する光学的立体造形用樹脂組成物であればいずれでもよく、他の成分の種類や含有量は特に制限されず、製造しようとする立体造形物の種類や用途などに応じて、他の成分を選択して組み合わせて使用することができる。
そのうちでも、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、オキセタン化合物(I)、オキセタン化合物(I)以外のカチオン重合性有機化合物、ラジカル重合性有機化合物、カチオン重合開始剤および活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤(以下単に「ラジカル重合開始剤」ということがある)を含有していることが好ましく、そのような組成にすることによって、硬化前の光学的立体造形用樹脂組成物の経時的な水分および湿分の吸収を低く抑えることができると共に、硬化感度、解像度、造形精度などがより良好になり、しかも得られる光造形物の寸法安定性、力学的特性などがより良好になる。
上記した本発明の光学的立体造形用樹脂組成物では、オキセタン化合物(I)以外のカチオン重合性有機化合物として、カチオン重合開始剤の存在下に活性エネルギー線を照射したときに重合反応および/または架橋反応を生ずる、オキセタン化合物(I)以外の化合物のいずれもが使用でき、代表例としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物(I)以外の環状エーテル化合物、環状アセタール化合物、環状ラクトン化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオルソエステル化合物、ビニルエーテル化合物などを挙げることができる。本発明では前記したカチオン重合性有機化合物のうちの1種または2種以上を用いることができる。
より具体的には、カチオン重合性有機化合物の例としては、
(1)脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、芳香族エポキシ樹脂などのエポキシ化合物;
(2)オキセタン化合物、テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフランのようなオキソラン化合物、トリオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオクタンのような環状エーテルまたは環状アセタール化合物;
(3)β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトンなどの環状ラクトン化合物;
(4)エチレンスルフィド、チオエピクロロヒドリンなどのチイラン化合物;
(5)1,3−プロピンスルフィド、3,3−ジメチルチエタンなどのチエタン化合物;
(6)エチレングリコールジビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、3,4−ジヒドロピラン−2−メチル(3,4−ジヒドロピラン−2−カルボキシレート)、トリエチレングリコールジビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物;
(7)エポキシ化合物とラクトンの反応によって得られるスピロオルソエステル化合物;
(8)ビニルシクロヘキサン、イソブチレン、ポリブタジエンのようなエチレン性不飽和化合物;
などを挙げることができる。
上記した中でも、本発明では、オキセタン化合物(I)以外のカチオン重合性有機化合物として、エポキシ化合物が好ましく用いられ、特に1分子中に2個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物がより好ましく用いられる。
カチオン重合性有機化合物として好ましく用いられるエポキシ化合物としては、脂環族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物などを挙げることができる。
脂環族エポキシ化合物としては、下記の一般式(III);
Figure 0005280615

(式中、R4は、水素添加ビスフェノールA残基、水素添加ビスフェノールF残基、水素添加ビスフェノールZ残基、シクロヘキサンジメタノール残基またはトリシクロデカンジメタノール残基を示す。)
で表される脂環式ジグリシジルエーテル化合物、少なくとも1個の脂環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル、シクロヘキセン環またはシクロペンテン環含有化合物を過酸化水素や過酸などの適当な酸化剤でエポキシ化して得られるシクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物などを挙げることができる。
より具体的には、上記の一般式(III)で表される脂環式ジグリシジルエーテル化合物としては、例えば、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールZジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルおよびトリシクロデカンジメタノールジグリシジルエーテルなどを挙げることができる。また、それ以外の脂環族エポキシ樹脂として、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシルなどを挙げることができる。
また、上記した脂肪族エポキシ化合物としては、例えば、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステルなどを挙げることができる。より具体的には、例えば、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルなどを挙げることができる。さらに、前記のエポキシ化合物以外にも、例えば、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエンなどを挙げることができる。
また、上記した芳香族エポキシ化合物としては、例えば少なくとも1個の芳香核を有する1価または多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のモノまたはポリグリシジルエーテルを挙げることができ、具体的には、例えばビスフェノールAやビスフェノールFまたはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
本発明では、オキセタン化合物(I)以外の他のカチオン重合性有機化合物として、上記した脂環族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物および芳香族エポキシ化合物の1種または2種以上を用いることができる。
また、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物では、オキセタン化合物(I)と共に用いる他のカチオン重合性有機化合物として、オキセタン化合物(I)以外の他のオキセタン化合物を使用することも好ましく、その場合には光学的立体造形用樹脂組成物の硬化前の経時的な水分および湿分の吸収を一層低減することができる。他のオキセタン化合物は、オキセタン環を1個有するモノオキセタン化合物およびオキセタン環を2個以上有するポリオキセタン化合物のいずれであってもよい。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物で用い得るモノオキセタン化合物としては、例えばトリメチレンオキシド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメチルオキセタン、3−メチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、下記の一般式(II);
Figure 0005280615

(式中、R3はアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、nは1〜6の整数を示す。)
で表されるオキセタンモノアルコール化合物などを挙げることができる。
一般式(II)において、R3の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などを挙げることができる。一般式(II)で表されるオキセンタンモノアルコールの具体例としては、3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−プロピルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−ノルマルブチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−プロピルオキセタンなどを挙げることができる。
また、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物で用い得るポリオキセタン化合物としては、下記の一般式(IV);
Figure 0005280615

(式中、2個のR5は互いに同じかまたは異なる炭素数1〜5のアルキル基、R6は芳香環を有しているかまたは有していない2価の有機基、pは0または1を示す。)
で表されるジオキセタン化合物などを挙げることができる。
上記の一般式(IV)において、R5の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基を挙げることができる。また、R6の例としては、炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキレン基(例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、n−ペンタメチレン基、n−ヘキサメチレン基など)、式:−CH2−Ph−CH2−または−CH2−Ph−Ph−CH2−で表される2価の基、シクロヘキサンジメタノール残基、トリシクロデカンジメタノール残基などを挙げることができる。
一般式(IV)で表されるジオキセタン化合物の具体例としては、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]シクロヘキサン、ビス(3−メチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3−プロピル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3−ブチル−3−オキセタニルメチル)エーテルなどを挙げることができる。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、前記したモノオキセタン化合物およびポリオキセタン化合物の1種または2種以上を、オキセタン化合物(I)と共に含有することができる。
また、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物に含有させるラジカル重合性有機化合物としては、ラジカル重合開始剤の存在下に活性エネルギー線を照射したときに重合反応および/または架橋反応を生ずる化合物のいずれもが使用でき、代表例としては、(メタ)アクリレート系化合物、不飽和ポリエステル化合物などを挙げることができ、これらのエチレン性不飽和化合物の1種または2種以上を用いることができる。
そのうちでも、ラジカル重合性有機化合物としては、1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリル基を有する化合物が好ましく用いられ、具体例としては、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応生成物、アルコール類の(メタ)アクリル酸エステル、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
ラジカル重合性有機化合物として用い得る上記したエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応生成物としては、芳香族エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物および/または脂肪族エポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸との反応により得られるエポキシ(メタ)アクリレート系反応生成物を挙げることができる。そのうちでも、芳香族エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応により得られるエポキシ(メタ)アクリレート系反応生成物が好ましく用いられ、具体例としては、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノール化合物またはそのアルキレンオキサイド付加物とエピクロルヒドリンなどのエポキシ化剤との反応によって得られるグリシジルエーテルを、(メタ)アクリル酸と反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、エポキシノボラック樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート系反応生成物などを挙げることができる。
また、ラジカル重合性有機化合物として用い得る上記したアルコール類の(メタ)アクリル酸エステルとしては、分子中に少なくとも1個の水酸基をもつ芳香族アルコール、脂肪族アルコール、脂環族アルコールおよび/またはそれらのアルキレンオキサイド付加体と、(メタ)アクリル酸との反応により得られる(メタ)アクリレートを挙げることができる。
より具体的には、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートやその他のジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、前記したジオール、トリオール、テトラオール、ヘキサオールなどの多価アルコールのアルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレートなどを挙げることができる。
そのうちでも、アルコール類の(メタ)アクリレートとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との反応により得られる1分子中に2個以上の(メタ)アクリル基を有する(メタ)アクリレート、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートなどが好ましく用いられる。
また、前記した(メタ)アクリレート化合物のうちで、メタクリレート化合物よりも、アクリレート化合物が重合速度の点から好ましく用いられる。
さらに、ラジカル重合性有機化合物として用い得る上記したポリエステル(メタ)アクリレートとしては、水酸基含有ポリエステルと(メタ)アクリル酸との反応により得られるポリエステル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
また、上記したポリエーテル(メタ)アクリレートとしては、水酸基含有ポリエーテルとアクリル酸との反応により得られるポリエーテルアクリレートを挙げることができる。
上記したうちでも、本発明では、ラジカル重合性有機化合物として、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸とを反応させて得られるエポキシアクリレート(例えば、昭和高分子社製「VR−77」)、イソボルニルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エチレンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピレンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレートが、反応性、硬化物の力学的特性などの点から好ましく用いられる。
本発明では、カチオン重合開始剤として、活性エネルギー線を照射したときにオキセタン化合物(I)およびオキセタン化合物(I)以外の他のカチオン重合性有機化合物のカチオン重合を開始させ得る重合開始剤のいずれも使用できる。そのうちでも、カチオン重合開始剤としては、活性エネルギー線を照射したときにルイス酸を放出するオニウム塩が好ましく用いられる。そのようなオニウム塩の例としては、第VIIa族元素の芳香族スルホニウム塩、VIa族元素の芳香族オニウム塩、第Va族元素の芳香族オニウム塩などを挙げることができる。具体的には、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、テトラフルオロホウ酸トリフェニルフェナシルホスホニウム、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス−[4−(ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート、ビス−[4−(ジ4’−ヒドロキシエトキシフェニルスルフォニォ)フェニル]スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート、ビス−[4−(ジフェニルスルフォニォ)フェニル]スルフィドビスジヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロホウ酸ジフェニルヨードニウムなどを挙げることができる。
本発明では、上記したようなカチオン重合開始剤のうちの1種または2種以上を用いることができる。そのうちでも、本発明では芳香族スルホニウム塩がより好ましく用いられる。
また、本発明では、反応速度を向上させる目的で、カチオン重合開始剤と共に必要に応じて光増感剤、例えばベンゾフェノン、ベンゾインアルキルエーテル、チオキサントンなどを用いてもよい。
本発明では、ラジカル重合開始剤として、活性エネルギー線を照射したときにラジカル重合性有機化合物のラジカル重合を開始させ得る重合開始剤のいずれもが使用でき、例えば、ベンジルまたはそのジアルキルアセタール系化合物、フェニルケトン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾインまたはそのアルキルエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物などを挙げることができる。
ラジカル重合開始剤として用い得るベンジルまたはそのジアルキルアセタール系化合物の具体例としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタールなどを挙げることができる。
フェニルケトン系化合物としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトンなどを挙げることができる。
また、アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシメチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4′−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノンなどを挙げることができる。
そして、ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインノルマルブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどを挙げることができる。
また、ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラースケトン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノンなどを挙げることができる。
そして、チオキサントン系化合物としては、例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどを挙げることができる。
本発明では、上記したラジカル重合開始剤の1種または2種以上を使用することができる。そのうちでも、ラジカル重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが、得られる硬化物の色相が良好(黄色度が小さいなど)である点から好ましく用いられる。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物が、オキセタン化合物(I)、オキセタン化合物(I)以外のカチオン重合性有機化合物、ラジカル重合性有機化合物、カチオン重合開始剤およびラジカル重合開始剤を含有している場合は、各成分の含有量は、成分の種類、光造形物の用途などに応じて異なり得るが、一般的には、光学的立体造形用樹脂組成物の全質量に基づいて、オキセタン化合物(I)の含有量が3〜60質量%、特に5〜40質量%、オキセタン化合物(I)以外のカチオン重合性有機化合物の含有量が20〜70質量%、特に30〜60質量%、ラジカル重合性有機化合物の含有量が5〜50質量%、特に10〜40質量%、カチオン重合開始剤の含有量が1〜10質量%、特に2〜8質量%およびラジカル重合開始剤の含有量が1〜10質量%、特に2〜8質量%であることが、本発明の効果が円滑に得られる点から好ましい。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物が、オキセタン化合物(I)と共に、オキセタン化合物(I)以外のカチオン重合性有機化合物としてオキセタン化合物(I)以外の他のオキセタン化合物(例えば上記したモノオキセタン化合物やポリオキセタン化合物など)を含有する場合は、他のオキセタン化合物の含有量は、光学的立体造形用樹脂組成物の全質量に基づいて1〜60質量%、特に2〜40質量%であることが、硬化物の機械的強度などの点から好ましい。
また、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、場合によりポリアルキレンエーテル系化合物を含有することができ、ポリアルキレンエーテル系化合物を含有していると、得られる立体造形物の耐衝撃性などの物性がより向上する。
ポリアルキレンエーテル系化合物としては、特に下記の一般式(V);

A−O−(R7−O−)q(R8−O−)r−A’ (V)

[式中、R7およびR8は互いに異なる直鎖状または分岐状の炭素数2〜5のアルキレン基、AおよびA’はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、フェニル基、アセチル基またはベンゾイル基を示し、qおよびrはそれぞれ独立して0または1以上の整数(但しqとrの両方が同時に0にはならない)を示す。]
で表されるポリアルキレンエーテル系化合物が好ましく用いられる。
上記の一般式(V)で表されるポリアルキレンエーテル系化合物[以下「ポリアルキレンエーテル系化合物(V)」ということがある]において、qおよびrの両方が1以上の整数で且つqとrの合計が3以上である場合には、オキシアルキレン単位(アルキレンエーテル単位):−R7−O−およびオキシアルキン単位(アルキレンエテール単位):−R8−O−はランダム状に結合していてもよいし、ブロック状に結合してもよいし、またはランダム結合とブロック状結合が混在していてもよい。
上記のポリアルキレンエーテル系化合物(V)において、R7およびR8の具体例としては、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基(テトラメチレン基)、イソブチレン基、tert−ブチレン基、直鎖状または分岐状のペンチレン基[例えば−CH2CH2CH2CH2CH2−,−CH2CH2CH(CH3)CH2−など]など]などを挙げることができる。そのうちでも、R7およびR8は、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基(テトラメチレン基)、n−ペンチレン基、式:−CH2CH2CH(CH3)CH2−で表される分岐状のペンチレン基のいずれかであることが好ましい。
また、上記のポリアルキレンエーテル系化合物(V)において、AおよびA’の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、アセチル基、ベンゾイル基などを挙げることができ、そのうちでもAおよびA’の少なくとも一方、特に両方が水素原子であることが好ましい。AおよびA’の少なくとも一方が水素原子であると、該ポリアルキレンエーテル系化合物を含有する光学的立体造形用樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して硬化した際に、該ポリアルキレンエーテル系化合物の両端の水酸基がエポキシ化合物やラジカル重合開始剤などと反応して、ポリアルキレンエーテル系化合物が硬化した樹脂中で結合した状態になり、耐衝撃性などの特性がより向上する。
上記のポリアルキレンエーテル系化合物(V)において、オキシアルキレン単位の繰り返し数を示すqおよびは、ポリアルキレンエーテル系化合物の数平均分子量が500〜10,000、特に500〜5,000の範囲内になるような数であることが好ましい。
上記のポリアルキレンエーテル系化合物(V)の好適な例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダム共重合体、式:−CH2CH2CH(R9)CH2O−(式中R9は低級アルキル基であり、好ましくはメチルまたはエチル基)で表されるアルキル置換基を有するオキシテトラメチレン単位(アルキル置換基を有するテトラメチレンエーテル単位)が結合したポリエーテル、前記オキシテトラメチレン単位と前記した式:−CH2CH2CH(R9)CH2O−(式中R9は低級アルキル基)で表されるアルキル置換基を有するオキシテトラメチレン単位がランダムに結合したポリエーテルなどを挙げることができる。島部は前記したポリアルキレンエーテル系化合物の1種または2種以上からなっていることができる。そのうちでも、数平均分子量が上記した500〜10,000の範囲にあるポリテトラメチレングリコールおよび/またはテトラメチレンエーテル単位と式:−CH2CH2CH(R9)CH2O−(式中R9は低級アルキル基)で表されるアルキル置換基を有するテトラメチレンエーテル単位がランダムに結合したポリエーテルが好ましく用いられ、その場合には、吸湿性が低くて寸法安定性や物性の安定性に優れる光造形物を得ることができる。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物がポリアルキレンエーテル系化合物を含有する場合は、ポリアルキレンエーテル系化合物(V)の含有量は、光学的立体造形用樹脂組成物の全質量に対して1〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましい。また、前記含有量を超えない範囲で、同時に2種類以上のポリアルキレンエーテル系化合物を含有していてもよい。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて、顔料や染料等の着色剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、充填剤(架橋ポリマー粒子、シリカ、ガラス粉、セラミックス粉、金属粉等)、改質用樹脂などの1種または2種以上を適量含有していてもよい。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物を用いて光学的に立体造形を行うに当たっては、従来既知の光学的立体造形方法および装置のいずれもが使用できる。好ましく採用され得る光学的立体造形法の代表例としては、液状をなす本発明の光学的立体造形用樹脂組成物に所望のパターンを有する硬化層が得られるように活性エネルギー線を選択的に照射して硬化層を形成し、次いでこの硬化層に未硬化の液状光学的立体造形用樹脂組成物を供給し、同様に活性エネルギー光線を照射して前記の硬化層と連続した硬化層を新たに形成する積層操作を繰り返すことによって最終的に目的とする立体的造形物を得る方法を挙げることができる。
その際の活性エネルギー線としては、上述のように、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波などを挙げることができる。そのうちでも、300〜400nmの波長を有する紫外線が経済的な観点から好ましく用いられ、その際の光源としては、紫外線レーザー(例えば半導体励起固体レーザー、Arレーザー、He−Cdレーザーなど)、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、紫外線LED(発光ダイオード)、紫外線蛍光灯などを使用することができる。
光学的立体造形用樹脂組成物よりなる造形面に活性エネルギー線を照射して所定の形状パターンを有する各硬化樹脂層を形成するに当たっては、レーザー光などのような点状に絞られた活性エネルギー線を使用して点描または線描方式で硬化樹脂層を形成してもよいし、または液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッター(DMD)などのような微小光シャッターを複数配列して形成した面状描画マスクを通して造形面に活性エネルギー線を面状に照射して硬化樹脂層を形成させる造形方式を採用してもよい。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、光学的立体造形分野に幅広く用いることができ、何ら限定されるものではないが、代表的な応用分野としては、設計の途中で外観デザインを検証するための形状確認モデル、部品の機能性をチェックするための機能試験モデル、鋳型を制作するためのマスターモデル、金型を制作するためのマスターモデル、試作金型用の直接型などを挙げることできる。特に、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、精密な部品などの形状確認モデルや機能試験モデルの作製に威力を発揮する。より具体的には、例えば、精密部品、電気・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物などのモデル、母型、加工用などの用途に有効に用いることができる。
以下に本発明を実施例などによって具体的に説明するが、本発明は例に何ら限定されるものではない。以下の例中、「部」は質量部を意味する。
また、以下の例中、光学的立体造形用樹脂組成物(以下「光造形用樹脂組成物」ということがある)の粘度、吸湿性、硬化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)および作業硬化エネルギー(E10)の測定、並びに光造形して得られた光造形物の力学的特性[引張り特性(引張破断強度、引張破断伸度、引張弾性率)、降伏強度、曲げ特性(曲げ強度、曲げ弾性率)]、収縮率、表面硬度、熱変形温度および吸湿性(湿度80%下での伸び率)の測定または算出は、次のようにして行なった。
(1)光造形用樹脂組成物の粘度:
光造形用樹脂組成物を25℃の恒温槽に入れて、光造形用樹脂組成物の温度を25℃に調節した後、B型粘度計(株式会社東京計器製)を使用して測定した。
(2)光造形用樹脂組成物の吸湿性:
以下の実施例または比較例で製造した光造形用樹脂組成物100gをビーカー(容量100ml)に入れて湿度60%に調湿したデシケーター(容量5000ml)に収容して、温度25℃で14日間静置した後、デシケーターから取り出して、光造形用樹脂組成物中に含まれる湿分(水分)(質量%)を、容量滴定式水分測定装置(三菱化学株式会社製「モデルKF−06型」)を使用して測定した。
(3)光造形用樹脂組成物の硬化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)及び作業硬化エネルギー(E10):
非特許文献1に記載されている理論にしたがって測定した。具体的には、光造形用樹脂組成物よりなる造形面(液面)に、半導体励起固体レーザのレーザ光(波長355nmの紫外光、液面レーザ強度100mW)を、照射スピードを6段階変化(照射エネルギー量を6段階変化)させて照射して光硬化膜を形成させた。生成した光硬化膜を光硬化性樹脂組成物液から取り出して、未硬化樹脂を取り除き、6段階のエネルギーに対応する部分の硬化膜の厚さを定圧のノギスで測定した。光硬化膜の厚さをY軸、照射エネルギー量をX軸(対数軸)としてプロットし、プロットして得られた直線の傾きから硬化深度[Dp(mm)]を求めると共に、X軸の切片を臨界硬化エネルギー[Ec(mJ/cm2)]とし、0.25mmの厚さに硬化させるのに必要な露光エネルギー量を作業硬化エネルギー[(E10/(mJ/cm2)]とした。
(4)光造形物の引張り特性(引張破断強度、引張破断伸度、引張弾性率):
以下の実施例または比較例で作製した光造形物(JIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片)を用いて、JIS K−7113にしたがって、試験片の引張破断強度(引張強度)、引張破断伸度(引張伸度)および引張弾性率を測定した。
(5)光造形物の降伏強度:
上記(3)の引張り特性の試験において、光造形物が弾性から塑性に移る点における強度を降伏強度とした。
(6)光造形物の曲げ特性(曲げ強度、曲げ弾性率):
以下の実施例または比較例で作製した光造形物(JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片)を用いて、JIS K−7171にしたがって、試験片の曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
(7)収縮率:
光硬化させる前の光造形用樹脂組成物(液体)の比重(d0)と、光硬化して得られた光硬化物の比重(d1)から、下記の数式により収縮率を求めた。

収縮率(%)={(d1−d0)/d1}×100
(8)造形後の表面硬度:
以下の実施例および比較例で作製した光造形物(JIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片)を用いて、高分子計器社製の「アスカーD型硬度計」を使用して、JIS K−6253に準拠して、デュロメーター法により試験片(光造形物を製造して4日後)の表面硬度を測定した。
(9)光造形物の熱変形温度:
以下の実施例または比較例で作製した光造形物(JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片)を使用し、東洋精機社製「HDTテスタ6M−2」を使用して、試験片に1.81MPaの荷重を加えて、JIS K−7207(A法)に準拠して、試験片の熱変形温度を測定した。
(10)光造形物の吸湿性(吸湿による伸び率):
以下の実施例または比較例で作製した長方形状の紐状光造形物(長さ×幅×厚さ=200mm×10mm×1mm)を、湿度80%に調湿したデシケーターに入れ、温度25℃でそのまま14日間放置した後、デシケーターから取り出して長さを測定して、デシケーターに入れる前の長さ(200mm)に対する伸び率(%)を求めた。
《合成例1》
[3−エチル−3−(4−ヒドロキシブチル)オキシメチル−オキセタンの合成]
(1) 撹拌装置、温度計および滴下ロートを備えた内容積5000mlのガラス製フラスコに、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン465g(4.0mol)、トリエチルアミン486g(4.8mol)およびトルエン1840mlを加えた後、液温を5〜10℃に保ちながら、メタンスルホニルクロライド504g(4.4mol)を緩やかに加え、撹拌しながら同温度で3時間および室温で3時間反応させた。反応終了後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(濃度9.3質量%)930mlを加えて、水層と有機層に分液した。次いで、水層をトルエン930mlで抽出した後、抽出液を先の有機層と一緒にして水465mlで洗浄した。得られた有機層を減圧下で濃縮して、褐色液体として、純度95質量%(1H−NMRによる定量値)の3−エチル−3−メタンスルホニルオキシメチルオキセタン777gを得た(3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン基準の単離収率=95%)。
これにより得られた3−エチル−3−メタンスルホニルオキシメチルオキセタンの物性値は以下のとおりであった。
・CI−MS(m/e):195(M+1)
1H−NMR(CDCl3,δ(ppm)):0.94(3H,t)、1.81(2H,q)、3.07(3H,s)、4.38(2H,s)、4.42〜4.48(4H,m)
(2) 撹拌装置、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた内容積2000mlのガラス製フラスコに、1,4−ブタンジオール721g(8.0mol)およびトルエン350mlを加え、撹拌しながら60℃まで加温した後、テトラブチルアンモニウムブロマイド38.7g(0.12mol)および96%水酸化ナトリウム184g(4.4mol)を加え、撹拌しながら75℃まで加温した。次いで、上記(1)で合成した純度95%の3−エチル−3−メタンスルホニルオキシメチルオキセタン777g(3.8mol)を、液温を75〜85℃に保ちながら緩やかに滴下し、同温度で2時間反応させた。反応終了後、反応液[ビスオキセタンエーテル化合物は僅か7%しか生成していなかった(ガスグロマトグラフィーによる面積百分率)]に、水800mlを加えて、水層と有機層に分液した。得られた有機層にトルエン800mlおよび水400mlを加え、撹拌しながら酢酸を加えてpHを9.5に調整した。次いで、水層と有機層に分液した後、水層をトルエン400mlで2回抽出し、抽出液(トルエン液)と先の有機層を一緒にし、減圧下で濃縮した。得られた濃縮物を減圧下で蒸留(157〜159℃、1.9kPa)し、無色の液体として、純度96%(ガスクロマトグラフィーによる分析値)の3−エチル−3−(4−ヒドロキシブチル)オキシメチル−オキセタンを497g得た(3−エチル−3−メタンスルホニルオキシメチルオキセタン基準の単離収率=67%)。
これにより得られた3−エチル−3−(4−ヒドロキシブチル)オキシメチル−オキセタンの物性値は以下のとおりであった。
・CI−MS(m/e):189(M+1)
1H−NMR(CDCl3,δ(ppm)):0.88(3H,t,J=7.5)、1.58〜1.68(4H,m)、1.74(2H,q,J=7.5)、3.47〜3.60(7H,m)、4.34(2H,d,J=5.8)、4.44(2H,d,J=5.8)
《合成例2》
[3−エチル−3−(5−ヒドロキシペンチル)オキシメチル−オキセタンの合成]
(1) 合成例1の(1)と同様の操作を行って、純度90質量%(1H−NMRによる定量値)の3−エチル−3−メタンスルホニルオキシメチルオキセタン324g(1.5mol)を得た。
(2) 撹拌装置、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた内容積2000mlのガラス製フラスコに、1,5−ペンタンジオール1171g(11.2mol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド24.1g(75mmol)および96%水酸化ナトリウム90g(2.2mol)を加え、撹拌しながら70℃まで加温した。次いで、上記(1)で合成した純度90質量%の3−エチル−3−メタンスルホニルオキシメチルオキセタン324g(1.5mol)を、液温を75〜85℃に保ちながら緩やかに滴下し、同温度で3時間反応させた。反応終了後、反応液をヘプタン200mlで洗浄した後、水583mlを加えて、水層と有機層に分液した。得られた有機層に水1166mlおよびトルエン500mlを加えて水層と有機層に分液した。次いで、水層にトルエン500mlを加えて抽出し、抽出液(トルエン液)と先の有機層を一緒にし、水300mlで洗浄した後、水層と有機層に分液した。この水層と先に分離した水層を一緒にし、トルエン500mlで抽出して水層とトルエン層(抽出液)に分液した後、トルエン層を水で洗浄し、洗浄後のトルエン層を先の有機層と混合し、減圧下で濃縮した。これにより得られた濃縮物ではビスオキセタンエーテル化合物は僅か14%しか生成していなかった(ガスグロマトグラフィーによる面積百分率)。この濃縮物を減圧下で蒸留(136〜140℃、533Pa)し、無色の液体として、純度93%(ガスクロマトグラフィーによる分析値)の3−エチル−3−(5−ヒドロキシペンチル)オキシメチル−オキセタンを109g得た(3−エチル−3−メタンスルホニルオキシメチルオキセタン基準の単離収率=33%)。
これにより得られた3−エチル−3−(5−ヒドロキシペンチル)オキシメチル−オキセタンの物性値は以下のとおりであった。
・CI−MS(m/e):203(M+1)
1H−NMR(CDCl3,δ(ppm)):0.88(3H,t,J=7.5)、1.38〜1.67(6H,m)、1.74(2H,q,J=7.5)、1.8(1H,brs)、3.47(2H,t,J=6.4)、3.52(2H,s)、3.63(2H,t,J=6.4)、4.34(2H,d,J=5.8)、4.44(2H,d,J=5.8)
《合成例3》
[3−エチル−3−(3−ヒドロキシn−プロピル)オキシメチル−オキセタンの合成]
(1) 合成例1の(1)と同様の操作を行って、純度90質量%(1H−NMRによる定量値)の3−エチル−3−メタンスルホニルオキシメチルオキセタン324g(1.5mol)を得た。
(2) 撹拌装置、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた内容積2000mlのガラス製フラスコに、1,3−プロパンジオール285g(3.7mol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド12.1g(37.5mmol)および96%水酸化ナトリウム72g(2.2mol)およびトルエン150mlを加え、撹拌しながら80℃まで加温した。次いで、上記(1)で合成した純度90質量%の3−エチル−3−メタンスルホニルオキシメチルオキセタン324g(1.5mol)を、液温を80〜90℃に保ちながら緩やかに滴下し、同温度で2時間反応させた。反応終了後、反応液(ビスオキセタンエーテル化合物は僅か7%しか生成していなかった;ガスグロマトグラフィーによる面積百分率)に水300mlを加えて、水層と有機層に分液した。得られた水層をトルエン200mlで抽出し、抽出液(トルエン層)と先の有機層を一緒にして減圧下で濃縮した。得られた濃縮物を減圧下で蒸留(135〜137℃、1.1kPa)し、無色の液体として、純度97%(ガスクロマトグラフィーによる分析値)の3−エチル−3−(3−ヒドロキシn−プロピル)オキシメチル−オキセタンを152g得た(3−エチル−3−メタンスルホニルオキシメチルオキセタン基準の単離収率=56%)。
これにより得られた3−エチル−3−(3−ヒドロキシn−プロピル)オキシメチル−オキセタンの物性値は以下のとおりであった。
・CI−MS(m/e):175(M+1)
1H−NMR(CDCl3,δ(ppm)):0.89(3H,t,J=7.5)、1.73(2H,q,J=7.5)、182〜1.89(2H,m)、2.37(1H,t,J=5.5)、3.57(2H,s)、3.66(2H,t,J=5.6)、3.77(2H,q,J=5.6)、4.39(2H,d,J=5.9)、4.40(2H,d,J=5.9)
《実施例1》
(1) 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート15部、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル40部、合成例1で得られた3−エチル−3−(4−ヒドロキシブチル)オキシメチル−オキセタン10部、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステルA−BPE−4」)10部、ジペンタエリスリトールポリアクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステルA−9530」)10部、共重合テトラメチレンエーテルグリコール(旭化成株式会社製「PTXG 1800」)5部、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート系カチオン重合開始剤(サンアプロ株式会社製「CPI−101A」)3部およびラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン;チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製「イルガキュア184」)2部を室温下でよく混合して光造形用樹脂組成物を調製した。
この光造形用樹脂組成物の粘度および吸湿性を上記した方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物の硬化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)および作業硬化エネルギー(E10)を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を用いて、超高速光造形システム(ナブテスコ株式会社製「SOLIFORM500B」)を使用して、半導体レーザー(定格出力1000mW;波長355nm;スペクトラフィジックス社製「半導体励起固体レーザーBL6型)で、液面500mW、液面照射エネルギー80mJ/cm2の条件下に、スライスピッチ(積層厚み)0.10mm、1層当たりの平均造形時間2分で光学的立体造形を行って、物性測定用のJIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片、JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片および長方形の紐状造形物を作製し、その物性を上記した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。
《実施例2》
(1) 実施例1の(1)において、オキセタン化合物として、合成例1で得られた3−エチル−3−(4−ヒドロキシブチル)オキシメチル−オキセタン10部の代わりに、合成例2で得られた3−エチル−3−(5−ヒドロキシペンチル)オキシメチル−オキセタン10部を用いた以外は実施例1の(1)と同じように行って、光造形用樹脂組成物を調製した。この光造形用樹脂組成物の粘度および吸湿性を上記した方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物の硬化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)および作業硬化エネルギー(E10)を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を用いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形を行って、物性測定用のJIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片、JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片および長方形の紐状造形物を作製し、その物性を上記した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。
《実施例3》
(1) 実施例1の(1)において、オキセタン化合物として、合成例1で得られた3−エチル−3−(4−ヒドロキシブチル)オキシメチル−オキセタン10部の代わりに、合成例3で得られた3−エチル−3−(3−ヒドロキシn−プロピル)オキシメチル−オキセタン10部を用いた以外は実施例1の(1)と同じにして、光造形用樹脂組成物を調製した。この光造形用樹脂組成物の粘度および吸湿性を上記した方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物の硬化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)および作業硬化エネルギー(E10)を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を用いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形を行って、物性測定用のJIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片、JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片および長方形の紐状造形物を作製し、その物性を上記した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。
《実施例4》
(1) 実施例1の(1)において、オキセタン化合物として、合成例1で得られた3−エチル−3−(4−ヒドロキシブチル)オキシメチル−オキセタン10部の代わりに、合成例1で得られた3−エチル−3−(4−ヒドロキシブチル)オキシメチル−オキセタン5部およびビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(東亞合成株式会社製「OXT−221」)5部を用いた以外は実施例1の(1)と同じにして、光造形用樹脂組成物を調製した。この光造形用樹脂組成物の粘度および吸湿性を上記した方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物の硬化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)および作業硬化エネルギー(E10)を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を用いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形を行って、物性測定用のJIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片、JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片および長方形の紐状造形物を作製し、その物性を上記した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。
《比較例1》
(1) 実施例1の(1)において、オキセタン化合物として、合成例1で得られた3−エチル−3−(4−ヒドロキシブチル)オキシメチル−オキセタン10部の代わりに、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成株式会社製「OXT−101」)10部を用いた以外は実施例1の(1)と同じにして、光造形用樹脂組成物を調製した。この光造形用樹脂組成物の粘度および吸湿性を上記した方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物の硬化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)および作業硬化エネルギー(E10)を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を用いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形を行って、物性測定用のJIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片、JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片および長方形の紐状造形物を作製し、その物性を上記した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。
Figure 0005280615
上記表1にみるように、オキセタン化合物(I)の範疇に含まれるオキセタン化合物を含有する実施例1〜4の光造形用樹脂組成物は、オキセタン化合物(I)以外のオキセタン化合物(3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン)を含有する比較例1の光造形用樹脂組成物に比べて、吸湿率が大幅に小さく、硬化前の経時的な水分および湿分の吸収が極めて少ない。
しかも、実施例1〜4の光造形用樹脂組成物から得られた光造形物は、湿度80%の条件下に14日間放置したときの伸び率が比較例1の光造形用樹脂組成物から得られた光造形物に比べて大幅に小さく、経時の寸法安定性に優れている。
《実施例5》
(1) 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート140部、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステルA−BPE−4」50部、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業株式会社製「ATM−4E」)30部、ジシクロペンタジエンのジアクリレート新中村化学工業株式会社製「A−DCP」)30部、合成例1と同じ操作を行って製造した3−エチル−3−(4−ヒドロキシブチル)オキシメチル−オキセタン30部、共重合テトラメチレンエーテルグリコール(旭化成株式会社製「PTXG 1800」)10部、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート系カチオン重合開始剤(サンアプロ株式会社製「CPI−101A」)10部およびラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン;チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製「イルガキュア184」)10部を室温下でよく混合して光造形用樹脂組成物を調製した。
この光造形用樹脂組成物の粘度および吸湿性を上記した方法で測定したところ下記の表2に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物の硬化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)および作業硬化エネルギー(E10)を上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を用いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形を行って、物性測定用のJIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片、JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片および長方形の紐状造形物を作製し、その物性を上記した方法で測定した。その結果を下記の表2に示す。
《比較例2》
(1) 実施例5の(1)において、オキセタン化合物として、3−エチル−3−(4−ヒドロキシブチル)オキシメチル−オキセタン30部の代わりに、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成株式会社製「OXT−101」)30部を用いた以外は実施例5の(1)と同じにして、光造形用樹脂組成物を調製した。この光造形用樹脂組成物の粘度および吸湿性を上記した方法で測定したところ下記の表2に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物の硬化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)および作業硬化エネルギー(E10)を上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を用いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形を行って、物性測定用のJIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片、JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片および長方形の紐状造形物を作製し、その物性を上記した方法で測定した。その結果を下記の表2に示す。
《実施例6》
(1) 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート30部、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル60部、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステルA−BPE−4」50部、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業株式会社製「ATM−4E」)30部、ジシクロペンタジエンのジアクリレート新中村化学工業株式会社製「A−DCP」)30部、合成例1と同じ操作を行って製造した3−エチル−3−(4−ヒドロキシブチル)オキシメチル−オキセタン80部、共重合テトラメチレンエーテルグリコール(旭化成株式会社製「PTXG 1800」)10部、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート系カチオン重合開始剤(サンアプロ株式会社製「CPI−101A」)10部およびラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン;チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製「イルガキュア184」)10部を室温下でよく混合して光造形用樹脂組成物を調製した。
この光造形用樹脂組成物の粘度および吸湿性を上記した方法で測定したところ下記の表2に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物の硬化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)および作業硬化エネルギー(E10)を上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を用いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形を行って、物性測定用のJIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片、JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片および長方形の紐状造形物を作製し、その物性を上記した方法で測定した。その結果を下記の表2に示す。
《比較例3》
(1) 実施例6の(1)において、オキセタン化合物として、3−エチル−3−(4−ヒドロキシブチル)オキシメチル−オキセタン80部の代わりに、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成株式会社製「OXT−101」)80部を用いた以外は実施例6の(1)と同じにして、光造形用樹脂組成物を調製した。この光造形用樹脂組成物の粘度および吸湿性を上記した方法で測定したところ下記の表2に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物の硬化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)および作業硬化エネルギー(E10)を上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を用いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形を行って、物性測定用のJIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片、JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片および長方形の紐状造形物を作製し、その物性を上記した方法で測定した。その結果を下記の表2に示す。
Figure 0005280615
上記の表2にみるように、オキセタン化合物(I)の範疇に含まれるオキセタン化合物[3−エチル−3−(4−ヒドロキシブチル)オキシメチル−オキセタン]を含有する実施例5および6の光造形用樹脂組成物は、オキセタン化合物(I)以外のオキセタン化合物(3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン)を含有する比較例2および3の光造形用樹脂組成物に比べて、吸湿率が大幅に小さく、硬化前の経時的な水分および湿分の吸収が極めて小さい。
しかも、実施例5および6の光造形用樹脂組成物から得られた光造形物は、湿度80%の条件下に14日間放置したときの伸び率が、比較例2および3の光造形用樹脂組成物から得られた光造形物に比べて大幅に小さく、経時の寸法安定性に優れている。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、未硬化状態での経時的な水分および湿分の吸収が極めて小さくて、高湿下に置いても低吸湿率を維持することができて、物性、硬化特性が安定していて、取り扱い性に優れており、しかも活性エネルギー線による硬化感度が高くて短縮された活性エネルギー線照射時間で、高い解像度および造形精度で、寸法安定性、力学的特性、耐水性などの特性に優れる光造形物を円滑に且つ生産性よく製造することができる。
そのため、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物を用いて、精密部品、電気・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物、金型、母型などのためのモデルや加工用モデル、複雑な熱媒回路の設計用の部品、複雑な構造の熱媒挙動の解析企画用の部品、その他の複雑な形状や構造を有する各種の立体造形物を光造形することができる。

Claims (4)

  1. 光学的立体造形用樹脂組成物の全質量に基づいて、下記の一般式(I);
    Figure 0005280615
    (式中、R1は炭素数1〜5のアルキル基およびR2はエーテル結合を有していてもよい炭素数2〜10のアルキレン基を示す。)
    で表されるオキセタン化合物3〜60質量%、前記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物以外のカチオン重合性有機化合物を20〜70質量%、ラジカル重合性有機化合物を5〜50質量%、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤を1〜10質量%および活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤を1〜10質量%の割合で含有することを特徴とする光学的立体造形用樹脂組成物。
  2. 上記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物以外のカチオン重合性有機化合物として、エポキシ化合物を含有する、請求項に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
  3. ラジカル重合性有機化合物が、チレン性不飽和化合物からなる請求項1または2に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
  4. 上記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物以外のカチオン重合性有機化合物として、上記の一般式(I)で表されるオキセタン化合物以外のオキセタン化合物を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
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