JP2004315617A - 立体造形用組成物、及び立体造形物 - Google Patents
立体造形用組成物、及び立体造形物 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】(i)光エネルギー照射により迅速に硬化すること、(ii)得られる立体造形物の機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)が良好であること、(iii)得られる立体造形物の透明性が良好であるという全てを満足し、立体造形物の製造が可能な組成物を得る。
【解決手段】下記一般式(I)で示される化合物(a1)と有機ジイソシアネート化合物(a2)を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(A)を含む立体造形用組成物。
【化1】
(式中、X1およびX2はアクリロイル基あるいはメタクリロイル基、水素原子、水酸基、またはアルキル基を示し、これらのうち少なくとも1個はアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、R1、R2、およびR3はオキシアルキレン基、またはポリオキシアルキレン基を示す。)
【選択図】 なし
【解決手段】下記一般式(I)で示される化合物(a1)と有機ジイソシアネート化合物(a2)を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(A)を含む立体造形用組成物。
【化1】
(式中、X1およびX2はアクリロイル基あるいはメタクリロイル基、水素原子、水酸基、またはアルキル基を示し、これらのうち少なくとも1個はアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、R1、R2、およびR3はオキシアルキレン基、またはポリオキシアルキレン基を示す。)
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、立体造形物を製造する際に有用な立体造形用組成物、及びその組成物を硬化させて得られる立体造形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
立体造形物の製造方法として、光エネルギー硬化性組成物からなる薄膜を形成する工程と、該薄膜に対して光エネルギーを照射し硬化させる工程とを複数回繰り返すことにより、硬化した薄膜を複数積層させ、所望の形状の立体造形物を製造する光学的立体造形法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
この光学的立体造形法は、製造する立体造形物の形状が複雑であっても、簡易にかつ比較的短時間で、所望の立体造形物を製造することができるという利点を有している。
そのため、そのようにして得られる立体造形物は、形状評価用として用いられている。
【0003】
その際に用いる光エネルギー硬化性組成物としては、例えば、架橋脂環式炭化水素基を有するエチレン性不飽和化合物を含有する光学的立体造形用樹脂組成物(特許文献3参照)、特定の化学構造を持つウレタン(メタ)アクリレートを含有し、硬化後の立体造形物の耐熱性を改善した光学的立体造形用樹脂組成物(特許文献4参照)、オキセタン環を有するカチオン性有機物質を含有する光学的立体造形用樹脂組成物(特許文献5参照)、特定の形状を持つ有機及びまたは無機固体微粒子を含有する光学的立体造形用樹脂組成物(特許文献6参照)等が挙げられる。
【0004】
一方で、近年、光学的立体造形法により得られる立体造形物は、組込み部品の実用試験用や、実部品用等広い用途で用いられる傾向にあり、またその需要量も増加傾向にある。
但し得られる立体造形物を広い用途で用いるには、用いる組成物に取り扱い性、光造形速度、光造形精度等の観点から、(i)光エネルギー照射により迅速に硬化することが、得られる立体造形物には(ii)得られる立体造形物の機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)が要求される。
ここで、光エネルギー照射により迅速に硬化するということは、光学的立体造形物の生産性を高める為に必要な要素である。
また、光学的立体造形用組成物の要求性能として、それらに加えて(iii)硬化後の立体造形物の透明性も要求されている。
それは、得られる立体造形物が透明であれば、例えば水、オイル等の液状の物質を光学的立体造形法にて作成した配管内を流す実験において、その流れる状態を外部から確認することができるため、評価器具としてそのまま用いることができるからである。
【0005】
しかしながら、上述した特許文献3記載の組成物の場合には、光エネルギー照射により迅速に硬化し、透明な立体造形物を得ることができるが、得られた立体造形物の引張強度、引張伸度、引張弾性率が十分ではなく脆いという欠点があった。
また、特許文献4記載の組成物の場合には、光エネルギー照射により迅速に硬化し、透明で耐熱性に優れる立体造形物が得られるが、得られた立体造形物の引張強度、引張伸度、引張弾性率が十分ではなく脆いという欠点があった。
特許文献5記載の組成物の場合には、機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)が良好な立体造形物を得ることができるが、光エネルギー照射による硬化性が不良で迅速に硬化しないという欠点があった。
特許文献6記載の組成物の場合には、耐熱性に優れる立体造形物が得られるものの、その透明性は不良であった。
【0006】
【特許文献1】特開昭60−247515号公報
【特許文献2】特開平2−145616号公報
【特許文献3】特許2525216号公報
【特許文献4】特許2844583号公報
【特許文献5】特開平10−158385号公報
【特許文献6】特開平7−26060号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、(i)光エネルギー照射により迅速に硬化すること、(ii)得られる立体造形物の機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)が良好であること、(iii)得られる立体造形物の透明性が良好であるという全てを満足し、光学的立体造形法により立体造形物を得ることが可能な組成物が所望されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(I)で示される化合物(a1)と、有機ジイソシアネート化合物(a2)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(A)を含む立体造形用組成物、及びそれを硬化させて得られる立体造形物にある。
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、X1およびX2はアクリロイル基あるいはメタクリロイル基、水素原子、水酸基、またはアルキル基を示し、これらのうち少なくとも1個はアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、R1、R2、およびR3はオキシアルキレン基、またはポリオキシアルキレン基を示す。)
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
なお本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸又はメタクリル酸」、「(メタ)アクリロイル基」は「アクリロイル基又はメタクリロイル基」、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」をそれぞれ意味する。
【0012】
以下、本発明の組成物の各成分について詳述する。
本発明に用いる前記一般式(I)で示される化合物(以下、(a1)成分と略記)と有機ジイソシアネート化合物(以下、(a2)成分と略記)とを反応して得られるウレタン(メタ)アクリレート(以下、(A)成分と略記)は、得られる立体造形物の引張強度、引張伸度、引張弾性率を損なわずに耐熱性を付与する成分である。
【0013】
この(A)成分の具体的な合成方法としては、例えば、(a1)成分の総ヒドロキシル基含有当量で2.0モル当量を合成釜内に仕込み、これに加熱・攪拌下で(a2)成分の有機ジイソシアネート1.0モル当量を滴下して得る方法が挙げられる。ここでいうモル当量とは、用いる化合物のモル数と官能基数とを乗じた数を意味する。
【0014】
(a1)成分の具体例としては、例えばN−ヒドロキシエチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(エトキシ)(繰返し単位=1〜6)エチル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−n−プロピル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(エトキシ)(繰返し単位=1〜6)−n−プロピル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−i−プロピル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(エトキシ)(n=1〜6)−i−プロピル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−n−ブチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(エトキシ)(繰返し単位=1〜6)−n−ブチル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−i−ブチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(エトキシ)(繰返し単位=1〜6)−i−ブチル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−t−ブチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(エトキシ)(繰返し単位=1〜6)−t−ブチル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシエチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(プロピルオキシ)(繰返し単位=1〜6)エチル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−n−プロピル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(プロピルオキシ)(繰返し単位=1〜6)−n−プロピル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−i−プロピル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(プロピルオキシ)(繰返し単位=1〜6)−i−プロピル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−n−ブチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(プロピルオキシ)(繰返し単位=1〜6)−n−ブチル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−i−ブチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(プロピルオキシ)(繰返し単位=1〜6)−i−ブチル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−t−ブチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(プロピルオキシ)(繰返し単位=1〜6)−t−ブチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
それらは一種単独で、または二種類以上を併用して用いることができる。
【0015】
それらの中でも、得られる立体造形物に高耐熱性を付与できることから、N−ヒドロキシエチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシエトキシエチル)イソシアヌレートが好ましい。
【0016】
(a2)成分である有機ジイソシアネート化合物の具体例としては、例えばイソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−イソシアナトフェニル)メタン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、トリス(4−イソシアナトフェニル)メタン、1,2−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、1,2−水添キシレンジイソシアネート、1,4−水添キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらは一種単独で、または二種類以上を併用して用いることができる。
【0017】
それらの中でも、合成の簡便さの点から、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,2−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,2−水添キシレンジイソシアネート、1,4−水添キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートが好ましい。
【0018】
また、更に得られる立体造形物の耐候性に優れることから、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂環族骨格の有機ジイソシアネート化合物がより好ましい。
【0019】
本発明において用いる(A)成分は、前記(a1)成分及び前記(a2)成分のみを反応させて得る方法の他、本発明の特性を損なわない範囲でポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールから選ばれるジオール(以下、(a3)成分と略記)を前記(a1)成分と前記(a2)成分と併せて反応させて得てもよい。
そのようなジオールであれば、得られる立体造形物の機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)を容易に制御することができる傾向にある。
【0020】
(a3)成分を用いて得られる(A)成分は、得られる立体造形物の柔軟性と伸度の両方の性能を向上させることができる。(a3)成分としては、特に限定されるものではなく、得られる組成物及び立体造形物の要求性能に応じて適宜選択すればよい。
【0021】
(a3)成分の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール(繰り返しn=6〜20)、ポリプロピレングリコール(繰返し単位=6〜20)、ポリブチレングリコール(繰返し単位=6〜20)、1−メチルブチレングリコール(繰返し単位=6〜20)、ポリカプロラクトンジオール、アルキレン(炭素数2〜10)ジオールのカプロラクトン付加(繰返し単位=2〜10)ジオール、ポリカーボネートジオール(炭素数4〜6の脂肪族骨格)、フタル酸とアルキレンジオールから誘導されたポリエステルジオール、マレイン酸とアルキレンジオールから誘導されたポリエステルジオール、フマル酸とアルキレンジオールから誘導されたポリエステルジオール等が挙げられる。
それらは一種単独で、または二種類以上を併用して用いることができる。
【0022】
また、(a3)成分として種々市販されている保土ヶ谷化学工業(株)社製商品名PTG−850SNや、ダイセル化学工業(株)社製商品名プラクセル205等を用いてもよい。
【0023】
それらの中でも、低粘度であることから、(a3)成分は質量平均分子量が300〜2500程度であることが好ましい。
【0024】
さらにそれらの中でも、引張強度と引張伸度のバランスに優れることから、ポリブチレングリコール(繰返し単位=6〜20)、ポリカプロラクトンジオール、アルキレン(炭素数2〜10)ジオールのカプロラクトン付加(繰返し単位=2〜10)ジオールがより好ましい。
【0025】
本発明の組成物に用いる(A)成分は、(a1)成分及び(a2)成分、又はさらに(a3)成分を必要に応じて適宜配合して反応させて得ればよく特に限定されない。その中でも、それらの配合比率(反応性官能基の含有モル当量比)が、(a1):(a2):(a3)=1.2〜3.0:2:0〜0.8の範囲であることが好ましい。
その範囲内であれば、高い耐熱性と良好な引張強度、引張伸度、及び引張弾性率を兼ね備えた立体造形物が得られる傾向にあるため好ましい。
【0026】
さらにその中でも、(a1):(a2):(a3)=1.0〜2.5:2:0〜1.0の範囲であることがより好ましく、(a1):(a2):(a3)=1.5〜2.3:2:0〜0.5の範囲であることが特に好ましい。
【0027】
本発明の組成物は(A)成分を含むものであればよいが、その中でも、優れた耐熱性を有する立体造形物が得られる傾向にあることから、組成物100質量%中に(A)成分が10〜75質量%の範囲で含有することが好ましい。
(A)成分が10質量%より少ない場合には、得られる立体造形物の機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)が低下し、それら引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性を兼ね備えることが困難となる傾向にあり、また重合に伴う体積収縮率が増加する傾向にある。また(A)成分が75質量%を超える場合には、得られる組成物の液粘度が高くなる傾向にあり、精密な立体造形物が得られにくい傾向にあり、光学的立体造形法では成形困難となる傾向にある。
【0028】
さらにその中でも、(A)成分は15〜70質量%の範囲であることがより好ましい。
【0029】
本発明の組成物には、その特性が損なわれない範囲で、(A)成分以外に分子内に少なくとも1個のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(以下、(B)成分と略記)を添加してもよい。
【0030】
(B)成分は、(A)成分の反応性希釈剤として、また、(A)成分と共重合することで、得られる立体造形物に高い引張弾性率、耐熱性等を付与する成分として用いることができる。
【0031】
(B)成分としては、例えば、各種のアルキルモノ、あるいはポリアルコールから誘導されるエステル型モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、及びヘキサ(メタ)アクリレート、モノ、及びジ(メタ)アクリルアミド類、(A)成分を除くウレタンポリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ビニルエーテル化合物、ビニルエステル化合物、その他ビニル系化合物、アリル化合物等から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。それらは、得られる組成物及び立体造形物の要求性能に応じて適宜選択して用いればよい。
【0032】
(B)成分のうち、例えば各種のアルキルモノ、あるいはポリアルコールから誘導されるエステル型モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、及びヘキサ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば下記化合物が挙げられる。
【0033】
モノ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸モルフォリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル等のモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0034】
ジ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール(繰返し単位:5〜14)、ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール(繰返し単位:5〜14)、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール(繰返し単位:3〜16)、ジ(メタ)アクリル酸ポリ(1−メチルブチレングリコール)(繰返し単位:5〜20)、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのジ(メタ)アクリレート;
【0035】
ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのγ−ブチロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキサンジメタノールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリル酸エステル、
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル等のジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0036】
トリ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリル酸エステル、グリセリントリ(メタ)アクリル酸エステル、グリセリンエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0037】
テトラ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0038】
ペンタ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物のペンタ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0039】
それら以外のポリ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物のヘキサ(メタ)アクリル酸エステルといったヘキサ(メタ)アクリレートや、N,N’,N”−トリス((メタ)アクリロキシポリ(エトキシ)エチル)イソシアヌレート等のポリ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールカプロラクトン(4〜8モル)付加物のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールカプロラクトン(4〜8モル)付加物のテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールカプロラクトン(4〜12モル)付加物のペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールカプロラクトン(4〜12モル)付加物のヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、N,N’,N”−トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(アクリロキシエチル)−N”−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等のポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0040】
モノ、及びジ(メタ)アクリルアミド類の具体例としては、例えばアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
【0041】
前記(A)成分を除くウレタンポリ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート化合物の3量体や及びこれらのジイソシアネートとアルキルポリアルコール(例えばトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等)との付加体ポリイソシアネート、トリス(4−イソシアナトフェニル)メタン等に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートやそれらのカプロラクトン付加体等の水酸基を有する(メタ)アクリレートを付加した(A)成分を除くウレタンポリ(メタ)アクリレート等の化合物が挙げられる。
【0042】
エポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールFグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の分子内に複数のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応により得られるエポキシポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0043】
ポリエステル(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、フタル酸、フマル酸、マレイン酸等のポリカルボン酸とエチレングリコール、ポリエチレングリコール(繰返し単位:2〜14)、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(繰返し単位:2〜14)、ブチレングリコール、ポリブチレングリコール(繰り返し単位数:2〜14)、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール(水酸基数:2〜4)から選ばれる2種以上と(メタ)アクリル酸とを縮合反応させて得られるポリエステルポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0044】
ビニルエーテル化合物の具体例としては、エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等が挙げられる。
【0045】
ビニルエステル化合物の具体例としては、例えば酢酸ビニル、酪酸ビニル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アジピン酸ジビニル等が挙げられる。
【0046】
アリル化合物の具体例としては、ジアリルフタレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物類等が挙げられる。
【0047】
その他ビニル系化合物の具体例としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系モノマー類等が挙げられる。
それらは一種単独で、または二種類以上を併用して用いることができる。
【0048】
それらの中でも、低粘度で希釈作用を有することから、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジメチロールジトリシクロデカンジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリル酸エステル等が好ましい。
【0049】
本発明の組成物には、(B)成分を必要に応じて含有させればよく、特にその含有量は限定されないが、本発明の組成物100質量%中に25〜90質量%の範囲で含有することが好ましい。
【0050】
(B)成分が組成物中に25質量%より少ない場合には、得られる組成物の液粘度が高くなる傾向にあるため、精密な立体造形物を得る場合にはその製造が困難となる傾向にある。また、(B)成分が90質量%を超える場合には、得られる立体造形物の機械的強度が不足する傾向にあり、また重合に伴う体積収縮率が増加する傾向もある。
その中でも、(B)成分の含有量は、高い耐熱性と機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率)との特性を兼ね備えることができる傾向にあることから、30〜85質量%の範囲であることがより好ましい。
【0051】
本発明の組成物は、前記成分を含むことにより、(i)本発明の組成物を光エネルギー照射により迅速に硬化させる、(ii)得られる立体造形物の機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)が良好である、(iii)得られる立体造形物の透明性が良好であるといった全ての性能を兼ね備えた組成物である。
【0052】
本発明の組成物は、所望に応じて加熱及び/又は活性エネルギー線により硬化させることができる。その中でも、短時間で立体造形物が得られることから活性エネルギー線により硬化させることが好ましい。
また、本発明の組成物には、必要に応じて熱及び/又は光重合開始剤等の重合開始剤を添加してもよい。その中でも、本発明の組成物を活性エネルギー線により硬化させる場合には、光重合開始剤を添加することが好ましい。
【0053】
それらの中でも、短時間で硬化させることができ、しかも高精度の立体造形物が得られることから、光学的立体造形法により、本発明の組成物を活性エネルギー線で硬化させることが特に好ましい。
【0054】
光重合開始剤の具体例としては、例えばベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノンや、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。
それらは、一種単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
【0055】
本発明の組成物において、重合開始剤の添加量は特に限定されないが、(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対して、0.01〜15質量部であることが好ましい。
重合開始剤の添加量が0.01質量部より少ない場合には、組成物の硬化性が著しく低下し、立体造形物の生産性が著しく低下する傾向にある。また、重合開始剤の添加量が15質量部を超える場合には、特に組成物を硬化させるために用いる光エネルギーの照射量が少ないと得られる立体造形物に臭気が残る傾向にある。
さらにその中でも、重合開始剤の添加量は、その0.1〜10質量部であることがより好ましい。
【0056】
本発明の組成物には、本発明の要求性能を損なわない範囲であれば、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。
【0057】
例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン等の公知の光増感剤を添加することもできる。
【0058】
また、本発明の組成物の硬化深度を制御する目的で、紫外線吸収剤を必要に応じて適宜選択し添加してもよい。
【0059】
その他、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光剤、連鎖移動剤等の、各種添加剤を用途に応じて適宜添加することができる。
また、本発明の組成物には、得られる立体造形物の性能を損なわない範囲で、必要に応じて有機溶剤、水を添加してもよい。
【0060】
次に、本発明の立体造形物について、以下説明する。
本発明の立体造形物は、前記した本発明の組成物を硬化させて得られるものである。
その構造、形状、大きさ等は特に制限されるものではなく、用途に応じて適宜設計することができる。
立体造形物の製造方法としては、特に限定されるものではなく、公知の光学的立体造形法を採用することができる。
【0061】
本発明の立体造形物を得るために、薄膜を硬化させる際に用いる光線の種類としては、特に限定されるものではなく、例えばArレーザー、He−Cdレーザー、He−Neレーザー、ArFエキシマレーザー、CO2レーザー、Nd:YAGレーザー、半導体レーザー、Dyeレーザー等から出射されるレーザー光線や、キセノンランプ、メタルハライドランプ、水銀灯、蛍光灯等から出射される紫外線等の活性エネルギー光線が挙げられる。
【0062】
それらの中でも、本発明においてはレーザー光線を用いることが好ましい。
レーザー光線を用いれば、照射エネルギー量を高くすることができ、硬化時間を短縮化できること、さらに照射する光線の形状が小さいため、1回の光照射面積を小さくすることができ、造形精度の高い立体造形物が容易に得られる傾向にある。
【0063】
本発明の立体造形物は、そのまま製品としてもよいし、さらに、その機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)や形状安定性等を向上させる目的で、それに対して光照射や加熱によるポストキュア等を行ったものを製品としても良い。
本発明の立体造形物は、例えば設計の途中で外観デザインを検証するためのモデル、部品の機能性をチェックするためのモデル、実部品として機械製品等に組み込み、性能を確認するためのモデル、樹脂型、金型を制作するための母型用や、試作金型用の直接型の作製等、様々な用途において好適に用いることができる。
【0064】
本発明の立体造形物は、優れた機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)と透明性を有し、かつ、しかも光エネルギー照射により迅速に硬化するため精度よく、安定して、かつ効率よく得ることができることから、その中でも、具体的には、精密部品、電気・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物、金型、母型用のモデルや加工用モデル等の製作等の用途に好適である。
特に本発明の立体造形物は、その優れた機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)と透明性という特性を活かして、繰り返し疲労試験用部品の試作品、例えば家電製品の嵌合部分の設計用、複雑な構造の機械的強度解析用部品用として極めて有用である。
【0065】
【実施例】
次に、本発明について、実施例を挙げてさらに詳細に説明する。
なお、実施例中、得られた立体造形物の評価方法は、以下に示す。
【0066】
(評価方法)
1.速硬化性
得られた硬化物に対して、紫外線照射装置(シーメット社製、商品名:UV−500BL)を用いて3kWの紫外線を10分間照射してポストキュアを行い、ポストキュア前の硬さとポストキュア後の硬さを指触により確認し、下記基準に基づき評価する。
○:硬化が充分であり、指触による形状変化なし
×:硬化が不充分であり、指触による形状変化があり、さらに時間をかけて熱によるポストキュア等を行なわないと、充分な硬化物が得られなかった。
【0067】
2.透明性
得られた立体造形物の透明性を目視にて観察し、下記判断基準に基づいて評価する。
○:表面平滑性が良好で、透明性あり
×:表面平滑性が不良で、一部又は全体が白濁
【0068】
3.機械的特性
得られた立体造形物の引張特性をJIS K 7113に準拠して測定する。[引張強度(MPa)] 最大点応力が45MPa以上である場合を○とし、45MPa未満である場合を×として評価する。
[引張伸度(%)] 破断点伸度が10%以上である場合を○とし、10%未満である場合を×として評価する。
[引張弾性率(MPa)] ヤング率が1500MPa以上である場合を○、1500MPa未満である場合を×として評価する。
【0069】
4.熱変形温度
得られた立体造形物について、JIS K7207A法に準拠して熱変形温度(HDT)を測定する。なお、熱変形温度が55℃以上である場合を○とした。
【0070】
(合成例1) ウレタンアクリレート(UA1:化合物(A))の製造
(1) 攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、N−ヒドロキシエチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシエトキシエチル)イソシアヌレート35質量%とN,N’,N”−トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート65質量%との混合物(但し、この混合物の全量を100質量%とする)(東亞合成(株)社製、商品名:アロニクスM−313)を4590g(総ヒドロキシ基含有当量:3.9モル当量)、及びジブチル錫ジラウレート1.0gを仕込んでウオーターバスで内温が65℃になるように加熱した。
(2) 一方、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(武田薬品工業(株)社製、商品名:TMXDI)440g(総イソシアネート基含有当量:3.6モル当量)を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を上記(1)のフラスコ中の内容物に対して滴下した。なお、上記(1)のフラスコ中の内容物を攪拌しつつ、フラスコ内温を65〜75℃に保持しながら、4時間かけて等速滴下により滴下した。さらに、滴下終了後、フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保持しながら4時間反応させることにより、無色透明なウレタン(メタ)アクリレート(UA1)を製造した。
なお、この反応の終点は、残存イソシアネート当量を測定し、残存イソシアネート当量が1%未満となった時点とした。
【0071】
(合成例2) ウレタンアクリレート(UA2:化合物(A))の製造
テトラメチルキシリレンジイソシアネートの代わりに、イソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)社製、商品名:デスモジュールI)400g(総イソシアネート基含有当量:3.6モル当量)を用いる以外は合成例1と同様にして、無色透明なウレタンアクリレート(UA2)を得た。
なお、この反応の終点は、残存イソシアネート当量を測定し、残存イソシアネート当量が1%未満となった時点とした。
【0072】
(合成例3) ウレタンアクリレート(UA3)の製造
(1)攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(大阪有機化学(株)社製、商品名:HPA)2440g(総ヒドロキシ基含有当量:18.9モル当量)、及びジブチル錫ジラウレート0.8gを仕込んでウオーターバスで内温が55℃になるように加熱した。
(2)一方、イソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)社製、商品名:デスモジュールI)2000g(総イソシアネート基含有当量:18.0モル当量)を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を上記(1)のフラスコ中の内容物に対して滴下した。なお、上記(1)のフラスコ中の内容物を攪拌しつつ、フラスコ内温を55〜65℃に保持しながら、4時間かけて等速滴下により滴下した。さらに、滴下終了後、フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保持しながら4時間反応させることにより、無色透明なウレタンアクリレート(UA3)を得た。
なお、この反応の終点は、残存イソシアネート当量を測定し、残存イソシアネート当量が1%未満となった時点とした。
【0073】
(合成例4) ウレタンアクリレート(UA4)の製造
(1)攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、ペンタエリスリトールトリアクリレート(第一工業薬品(株)社製、商品名:PET−3)3500g(総ヒドロキシ基含有当量:7.2モル当量)、及びジブチル錫ジラウレート1.2gを仕込んでウオーターバスで内温が45℃になるように加熱した。
(2)一方、イソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)社製、商品名:デスモジュールI)780g(総イソシアネート基含有当量:7.0モル当量)を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を上記(1)のフラスコ中の内容物に対して滴下した。なお、上記(1)のフラスコ中の内容物を攪拌しつつ、フラスコ内温を45〜55℃に保持しながら、4時間かけて等速滴下により滴下した。さらに、滴下終了後、フラスコ内容物の温度を65〜75℃に保持しながら4時間反応させることにより、無色透明なウレタンアクリレート(UA4)を得た。
なお、この反応の終点は、残存イソシアネート当量を測定し、残存イソシアネート当量が1%未満とした。
【0074】
(実施例1)
<組成物の調製>
成分(A)として合成例1で得られたウレタンアクリレート(UA1)40質量部、成分(B)としてアクリロイルモルホリン((株)興人製、商品名:ACMO)40質量部、及びヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン2モル付加物のジアクリル酸エステル(日本化薬(株)製、商品名:カヤラッドHX220)20質量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3質量部、さらに紫外線吸収剤として2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)2H−ベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)0.05質量部を混合し、組成物を得た。
<立体造形物の製造>
得られた組成物4リットルを、超高速光造形システム(帝人製機(株)製、商品名:SOLIFORM250)の槽内に入れた後、スライスピッチ(積層厚み)を0.2mm、一層あたりの平均造形時間を2分、固体レーザー光(出力100mW、波長355nm)をその組成物の液表面に対して垂直に照射して光学的造形を行い、JIS 7113に準拠するダンベル形状の硬化物を得た。
得られた硬化物をイソプロピルアルコールで洗浄して、付着している未硬化の組成物を除去した後、3kWの紫外線を10分間照射してポストキュアを行い、立体造形物を得た。その立体造形物について、前記した評価方法にて評価した結果を表1に示す。
【0075】
(実施例2〜3、比較例1〜4)
表1に示す組成及び組成比とする以外は実施例1と同様にして組成物を得た。次いで、得られた組成物を用い、実施例1と同様にして立体造形物を得た。
その立体造形物について、実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
【0076】
なお、表1において、各成分の使用量の単位は「質量部」を示す。また、表1中の各略号は、下記化合物を示す。
UA1:合成例1で得たウレタンアクリレート
UA2:合成例2で得たウレタンアクリレート
UA3:合成例3で得たウレタンアクリレート
UA4:合成例4で得たウレタンアクリレート
ACMO:アクリルモルホリン((株)興人製)
HX−220:ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2)のジアクリル酸エステル(日本化薬(株)製)
CEL−2021P:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’−4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学(株)製)
OXT−121:1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン(東亞合成(株)製)
Irg−184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
UVA:紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)
UVI−6990:トリアリルスルホニウムヘキサフルオロフォスホネート塩(ユニオンカーバード社製)
MBX−8:架橋ポリメタクリル酸メチル(平均粒径8μm)(積水化成品工業(株)製)
【0077】
【表1】
【0078】
(比較例の考察)
比較例1及び比較例2は、本発明に用いる(a1)成分を用いずに合成したウレタン(メタ)アクリレート(UA3)、(UA4)を含む組成物を用いる例である。
比較例1で得られた立体造形物は透明性及び硬化性は良好であったが、機械的特性のうち引張強度及び弾性率が不良で、熱変形温度が低く耐熱性も不良であった。
また比較例2で得られた立体造形物は透明性及び硬化性は良好であったが、機械的特性のうち引張伸度が不良で、熱変形温度が低く耐熱性も不良であった。
比較例3は、特開平10−158385号公報記載の実施例1と同じ組成物を用いた例である。比較例3で得られた立体造形物は、紫外線によるポストキュア後も充分硬化しないため硬度が不充分で柔らかく、熱変形温度を測定することができなかった。また引張強度、引張伸度、及び弾性率も不良であった。
比較例4は、特開平7−26060号公報記載の実施例1と同じ組成物を用いた例である。比較例4で得られた立体造形物は、硬化性及び耐熱性が良好であったが、透明性が不良で白濁しており、また引張強度及び引張伸度が不良であった。
【0079】
【発明の効果】
このように、本発明は、(A)成分の特定構造のウレタン(メタ)アクリレートを含む組成物とすれば、光エネルギー照射により迅速に硬化可能となり、しかもそれを用いれば機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)及び透明性を全て兼ね備えた立体造形物が得られるという優れた効果が発現することを見出したものである。
そのため、本発明の組成物を用いれば、所望の形状や寸法を有する立体造形物を、精度良く、安定して、かつ効率良く製造することができ、産業上の利用度は大である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、立体造形物を製造する際に有用な立体造形用組成物、及びその組成物を硬化させて得られる立体造形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
立体造形物の製造方法として、光エネルギー硬化性組成物からなる薄膜を形成する工程と、該薄膜に対して光エネルギーを照射し硬化させる工程とを複数回繰り返すことにより、硬化した薄膜を複数積層させ、所望の形状の立体造形物を製造する光学的立体造形法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
この光学的立体造形法は、製造する立体造形物の形状が複雑であっても、簡易にかつ比較的短時間で、所望の立体造形物を製造することができるという利点を有している。
そのため、そのようにして得られる立体造形物は、形状評価用として用いられている。
【0003】
その際に用いる光エネルギー硬化性組成物としては、例えば、架橋脂環式炭化水素基を有するエチレン性不飽和化合物を含有する光学的立体造形用樹脂組成物(特許文献3参照)、特定の化学構造を持つウレタン(メタ)アクリレートを含有し、硬化後の立体造形物の耐熱性を改善した光学的立体造形用樹脂組成物(特許文献4参照)、オキセタン環を有するカチオン性有機物質を含有する光学的立体造形用樹脂組成物(特許文献5参照)、特定の形状を持つ有機及びまたは無機固体微粒子を含有する光学的立体造形用樹脂組成物(特許文献6参照)等が挙げられる。
【0004】
一方で、近年、光学的立体造形法により得られる立体造形物は、組込み部品の実用試験用や、実部品用等広い用途で用いられる傾向にあり、またその需要量も増加傾向にある。
但し得られる立体造形物を広い用途で用いるには、用いる組成物に取り扱い性、光造形速度、光造形精度等の観点から、(i)光エネルギー照射により迅速に硬化することが、得られる立体造形物には(ii)得られる立体造形物の機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)が要求される。
ここで、光エネルギー照射により迅速に硬化するということは、光学的立体造形物の生産性を高める為に必要な要素である。
また、光学的立体造形用組成物の要求性能として、それらに加えて(iii)硬化後の立体造形物の透明性も要求されている。
それは、得られる立体造形物が透明であれば、例えば水、オイル等の液状の物質を光学的立体造形法にて作成した配管内を流す実験において、その流れる状態を外部から確認することができるため、評価器具としてそのまま用いることができるからである。
【0005】
しかしながら、上述した特許文献3記載の組成物の場合には、光エネルギー照射により迅速に硬化し、透明な立体造形物を得ることができるが、得られた立体造形物の引張強度、引張伸度、引張弾性率が十分ではなく脆いという欠点があった。
また、特許文献4記載の組成物の場合には、光エネルギー照射により迅速に硬化し、透明で耐熱性に優れる立体造形物が得られるが、得られた立体造形物の引張強度、引張伸度、引張弾性率が十分ではなく脆いという欠点があった。
特許文献5記載の組成物の場合には、機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)が良好な立体造形物を得ることができるが、光エネルギー照射による硬化性が不良で迅速に硬化しないという欠点があった。
特許文献6記載の組成物の場合には、耐熱性に優れる立体造形物が得られるものの、その透明性は不良であった。
【0006】
【特許文献1】特開昭60−247515号公報
【特許文献2】特開平2−145616号公報
【特許文献3】特許2525216号公報
【特許文献4】特許2844583号公報
【特許文献5】特開平10−158385号公報
【特許文献6】特開平7−26060号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、(i)光エネルギー照射により迅速に硬化すること、(ii)得られる立体造形物の機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)が良好であること、(iii)得られる立体造形物の透明性が良好であるという全てを満足し、光学的立体造形法により立体造形物を得ることが可能な組成物が所望されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(I)で示される化合物(a1)と、有機ジイソシアネート化合物(a2)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(A)を含む立体造形用組成物、及びそれを硬化させて得られる立体造形物にある。
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、X1およびX2はアクリロイル基あるいはメタクリロイル基、水素原子、水酸基、またはアルキル基を示し、これらのうち少なくとも1個はアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、R1、R2、およびR3はオキシアルキレン基、またはポリオキシアルキレン基を示す。)
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
なお本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸又はメタクリル酸」、「(メタ)アクリロイル基」は「アクリロイル基又はメタクリロイル基」、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」をそれぞれ意味する。
【0012】
以下、本発明の組成物の各成分について詳述する。
本発明に用いる前記一般式(I)で示される化合物(以下、(a1)成分と略記)と有機ジイソシアネート化合物(以下、(a2)成分と略記)とを反応して得られるウレタン(メタ)アクリレート(以下、(A)成分と略記)は、得られる立体造形物の引張強度、引張伸度、引張弾性率を損なわずに耐熱性を付与する成分である。
【0013】
この(A)成分の具体的な合成方法としては、例えば、(a1)成分の総ヒドロキシル基含有当量で2.0モル当量を合成釜内に仕込み、これに加熱・攪拌下で(a2)成分の有機ジイソシアネート1.0モル当量を滴下して得る方法が挙げられる。ここでいうモル当量とは、用いる化合物のモル数と官能基数とを乗じた数を意味する。
【0014】
(a1)成分の具体例としては、例えばN−ヒドロキシエチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(エトキシ)(繰返し単位=1〜6)エチル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−n−プロピル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(エトキシ)(繰返し単位=1〜6)−n−プロピル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−i−プロピル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(エトキシ)(n=1〜6)−i−プロピル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−n−ブチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(エトキシ)(繰返し単位=1〜6)−n−ブチル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−i−ブチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(エトキシ)(繰返し単位=1〜6)−i−ブチル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−t−ブチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(エトキシ)(繰返し単位=1〜6)−t−ブチル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシエチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(プロピルオキシ)(繰返し単位=1〜6)エチル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−n−プロピル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(プロピルオキシ)(繰返し単位=1〜6)−n−プロピル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−i−プロピル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(プロピルオキシ)(繰返し単位=1〜6)−i−プロピル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−n−ブチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(プロピルオキシ)(繰返し単位=1〜6)−n−ブチル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−i−ブチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(プロピルオキシ)(繰返し単位=1〜6)−i−ブチル)イソシアヌレート、N−ヒドロキシ−t−ブチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシポリ(プロピルオキシ)(繰返し単位=1〜6)−t−ブチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
それらは一種単独で、または二種類以上を併用して用いることができる。
【0015】
それらの中でも、得られる立体造形物に高耐熱性を付与できることから、N−ヒドロキシエチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシエトキシエチル)イソシアヌレートが好ましい。
【0016】
(a2)成分である有機ジイソシアネート化合物の具体例としては、例えばイソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−イソシアナトフェニル)メタン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、トリス(4−イソシアナトフェニル)メタン、1,2−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、1,2−水添キシレンジイソシアネート、1,4−水添キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらは一種単独で、または二種類以上を併用して用いることができる。
【0017】
それらの中でも、合成の簡便さの点から、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,2−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,2−水添キシレンジイソシアネート、1,4−水添キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートが好ましい。
【0018】
また、更に得られる立体造形物の耐候性に優れることから、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂環族骨格の有機ジイソシアネート化合物がより好ましい。
【0019】
本発明において用いる(A)成分は、前記(a1)成分及び前記(a2)成分のみを反応させて得る方法の他、本発明の特性を損なわない範囲でポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールから選ばれるジオール(以下、(a3)成分と略記)を前記(a1)成分と前記(a2)成分と併せて反応させて得てもよい。
そのようなジオールであれば、得られる立体造形物の機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)を容易に制御することができる傾向にある。
【0020】
(a3)成分を用いて得られる(A)成分は、得られる立体造形物の柔軟性と伸度の両方の性能を向上させることができる。(a3)成分としては、特に限定されるものではなく、得られる組成物及び立体造形物の要求性能に応じて適宜選択すればよい。
【0021】
(a3)成分の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール(繰り返しn=6〜20)、ポリプロピレングリコール(繰返し単位=6〜20)、ポリブチレングリコール(繰返し単位=6〜20)、1−メチルブチレングリコール(繰返し単位=6〜20)、ポリカプロラクトンジオール、アルキレン(炭素数2〜10)ジオールのカプロラクトン付加(繰返し単位=2〜10)ジオール、ポリカーボネートジオール(炭素数4〜6の脂肪族骨格)、フタル酸とアルキレンジオールから誘導されたポリエステルジオール、マレイン酸とアルキレンジオールから誘導されたポリエステルジオール、フマル酸とアルキレンジオールから誘導されたポリエステルジオール等が挙げられる。
それらは一種単独で、または二種類以上を併用して用いることができる。
【0022】
また、(a3)成分として種々市販されている保土ヶ谷化学工業(株)社製商品名PTG−850SNや、ダイセル化学工業(株)社製商品名プラクセル205等を用いてもよい。
【0023】
それらの中でも、低粘度であることから、(a3)成分は質量平均分子量が300〜2500程度であることが好ましい。
【0024】
さらにそれらの中でも、引張強度と引張伸度のバランスに優れることから、ポリブチレングリコール(繰返し単位=6〜20)、ポリカプロラクトンジオール、アルキレン(炭素数2〜10)ジオールのカプロラクトン付加(繰返し単位=2〜10)ジオールがより好ましい。
【0025】
本発明の組成物に用いる(A)成分は、(a1)成分及び(a2)成分、又はさらに(a3)成分を必要に応じて適宜配合して反応させて得ればよく特に限定されない。その中でも、それらの配合比率(反応性官能基の含有モル当量比)が、(a1):(a2):(a3)=1.2〜3.0:2:0〜0.8の範囲であることが好ましい。
その範囲内であれば、高い耐熱性と良好な引張強度、引張伸度、及び引張弾性率を兼ね備えた立体造形物が得られる傾向にあるため好ましい。
【0026】
さらにその中でも、(a1):(a2):(a3)=1.0〜2.5:2:0〜1.0の範囲であることがより好ましく、(a1):(a2):(a3)=1.5〜2.3:2:0〜0.5の範囲であることが特に好ましい。
【0027】
本発明の組成物は(A)成分を含むものであればよいが、その中でも、優れた耐熱性を有する立体造形物が得られる傾向にあることから、組成物100質量%中に(A)成分が10〜75質量%の範囲で含有することが好ましい。
(A)成分が10質量%より少ない場合には、得られる立体造形物の機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)が低下し、それら引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性を兼ね備えることが困難となる傾向にあり、また重合に伴う体積収縮率が増加する傾向にある。また(A)成分が75質量%を超える場合には、得られる組成物の液粘度が高くなる傾向にあり、精密な立体造形物が得られにくい傾向にあり、光学的立体造形法では成形困難となる傾向にある。
【0028】
さらにその中でも、(A)成分は15〜70質量%の範囲であることがより好ましい。
【0029】
本発明の組成物には、その特性が損なわれない範囲で、(A)成分以外に分子内に少なくとも1個のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(以下、(B)成分と略記)を添加してもよい。
【0030】
(B)成分は、(A)成分の反応性希釈剤として、また、(A)成分と共重合することで、得られる立体造形物に高い引張弾性率、耐熱性等を付与する成分として用いることができる。
【0031】
(B)成分としては、例えば、各種のアルキルモノ、あるいはポリアルコールから誘導されるエステル型モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、及びヘキサ(メタ)アクリレート、モノ、及びジ(メタ)アクリルアミド類、(A)成分を除くウレタンポリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ビニルエーテル化合物、ビニルエステル化合物、その他ビニル系化合物、アリル化合物等から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。それらは、得られる組成物及び立体造形物の要求性能に応じて適宜選択して用いればよい。
【0032】
(B)成分のうち、例えば各種のアルキルモノ、あるいはポリアルコールから誘導されるエステル型モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、及びヘキサ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば下記化合物が挙げられる。
【0033】
モノ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸モルフォリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル等のモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0034】
ジ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール(繰返し単位:5〜14)、ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール(繰返し単位:5〜14)、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール(繰返し単位:3〜16)、ジ(メタ)アクリル酸ポリ(1−メチルブチレングリコール)(繰返し単位:5〜20)、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのジ(メタ)アクリレート;
【0035】
ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのγ−ブチロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキサンジメタノールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリル酸エステル、
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル等のジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0036】
トリ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリル酸エステル、グリセリントリ(メタ)アクリル酸エステル、グリセリンエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0037】
テトラ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0038】
ペンタ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物のペンタ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0039】
それら以外のポリ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物のヘキサ(メタ)アクリル酸エステルといったヘキサ(メタ)アクリレートや、N,N’,N”−トリス((メタ)アクリロキシポリ(エトキシ)エチル)イソシアヌレート等のポリ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールカプロラクトン(4〜8モル)付加物のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールカプロラクトン(4〜8モル)付加物のテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールカプロラクトン(4〜12モル)付加物のペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールカプロラクトン(4〜12モル)付加物のヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、N,N’,N”−トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(アクリロキシエチル)−N”−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等のポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0040】
モノ、及びジ(メタ)アクリルアミド類の具体例としては、例えばアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
【0041】
前記(A)成分を除くウレタンポリ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート化合物の3量体や及びこれらのジイソシアネートとアルキルポリアルコール(例えばトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等)との付加体ポリイソシアネート、トリス(4−イソシアナトフェニル)メタン等に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートやそれらのカプロラクトン付加体等の水酸基を有する(メタ)アクリレートを付加した(A)成分を除くウレタンポリ(メタ)アクリレート等の化合物が挙げられる。
【0042】
エポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールFグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の分子内に複数のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応により得られるエポキシポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0043】
ポリエステル(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、フタル酸、フマル酸、マレイン酸等のポリカルボン酸とエチレングリコール、ポリエチレングリコール(繰返し単位:2〜14)、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(繰返し単位:2〜14)、ブチレングリコール、ポリブチレングリコール(繰り返し単位数:2〜14)、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール(水酸基数:2〜4)から選ばれる2種以上と(メタ)アクリル酸とを縮合反応させて得られるポリエステルポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0044】
ビニルエーテル化合物の具体例としては、エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等が挙げられる。
【0045】
ビニルエステル化合物の具体例としては、例えば酢酸ビニル、酪酸ビニル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アジピン酸ジビニル等が挙げられる。
【0046】
アリル化合物の具体例としては、ジアリルフタレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物類等が挙げられる。
【0047】
その他ビニル系化合物の具体例としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系モノマー類等が挙げられる。
それらは一種単独で、または二種類以上を併用して用いることができる。
【0048】
それらの中でも、低粘度で希釈作用を有することから、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジメチロールジトリシクロデカンジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリル酸エステル等が好ましい。
【0049】
本発明の組成物には、(B)成分を必要に応じて含有させればよく、特にその含有量は限定されないが、本発明の組成物100質量%中に25〜90質量%の範囲で含有することが好ましい。
【0050】
(B)成分が組成物中に25質量%より少ない場合には、得られる組成物の液粘度が高くなる傾向にあるため、精密な立体造形物を得る場合にはその製造が困難となる傾向にある。また、(B)成分が90質量%を超える場合には、得られる立体造形物の機械的強度が不足する傾向にあり、また重合に伴う体積収縮率が増加する傾向もある。
その中でも、(B)成分の含有量は、高い耐熱性と機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率)との特性を兼ね備えることができる傾向にあることから、30〜85質量%の範囲であることがより好ましい。
【0051】
本発明の組成物は、前記成分を含むことにより、(i)本発明の組成物を光エネルギー照射により迅速に硬化させる、(ii)得られる立体造形物の機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)が良好である、(iii)得られる立体造形物の透明性が良好であるといった全ての性能を兼ね備えた組成物である。
【0052】
本発明の組成物は、所望に応じて加熱及び/又は活性エネルギー線により硬化させることができる。その中でも、短時間で立体造形物が得られることから活性エネルギー線により硬化させることが好ましい。
また、本発明の組成物には、必要に応じて熱及び/又は光重合開始剤等の重合開始剤を添加してもよい。その中でも、本発明の組成物を活性エネルギー線により硬化させる場合には、光重合開始剤を添加することが好ましい。
【0053】
それらの中でも、短時間で硬化させることができ、しかも高精度の立体造形物が得られることから、光学的立体造形法により、本発明の組成物を活性エネルギー線で硬化させることが特に好ましい。
【0054】
光重合開始剤の具体例としては、例えばベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノンや、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。
それらは、一種単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
【0055】
本発明の組成物において、重合開始剤の添加量は特に限定されないが、(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対して、0.01〜15質量部であることが好ましい。
重合開始剤の添加量が0.01質量部より少ない場合には、組成物の硬化性が著しく低下し、立体造形物の生産性が著しく低下する傾向にある。また、重合開始剤の添加量が15質量部を超える場合には、特に組成物を硬化させるために用いる光エネルギーの照射量が少ないと得られる立体造形物に臭気が残る傾向にある。
さらにその中でも、重合開始剤の添加量は、その0.1〜10質量部であることがより好ましい。
【0056】
本発明の組成物には、本発明の要求性能を損なわない範囲であれば、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。
【0057】
例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン等の公知の光増感剤を添加することもできる。
【0058】
また、本発明の組成物の硬化深度を制御する目的で、紫外線吸収剤を必要に応じて適宜選択し添加してもよい。
【0059】
その他、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光剤、連鎖移動剤等の、各種添加剤を用途に応じて適宜添加することができる。
また、本発明の組成物には、得られる立体造形物の性能を損なわない範囲で、必要に応じて有機溶剤、水を添加してもよい。
【0060】
次に、本発明の立体造形物について、以下説明する。
本発明の立体造形物は、前記した本発明の組成物を硬化させて得られるものである。
その構造、形状、大きさ等は特に制限されるものではなく、用途に応じて適宜設計することができる。
立体造形物の製造方法としては、特に限定されるものではなく、公知の光学的立体造形法を採用することができる。
【0061】
本発明の立体造形物を得るために、薄膜を硬化させる際に用いる光線の種類としては、特に限定されるものではなく、例えばArレーザー、He−Cdレーザー、He−Neレーザー、ArFエキシマレーザー、CO2レーザー、Nd:YAGレーザー、半導体レーザー、Dyeレーザー等から出射されるレーザー光線や、キセノンランプ、メタルハライドランプ、水銀灯、蛍光灯等から出射される紫外線等の活性エネルギー光線が挙げられる。
【0062】
それらの中でも、本発明においてはレーザー光線を用いることが好ましい。
レーザー光線を用いれば、照射エネルギー量を高くすることができ、硬化時間を短縮化できること、さらに照射する光線の形状が小さいため、1回の光照射面積を小さくすることができ、造形精度の高い立体造形物が容易に得られる傾向にある。
【0063】
本発明の立体造形物は、そのまま製品としてもよいし、さらに、その機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)や形状安定性等を向上させる目的で、それに対して光照射や加熱によるポストキュア等を行ったものを製品としても良い。
本発明の立体造形物は、例えば設計の途中で外観デザインを検証するためのモデル、部品の機能性をチェックするためのモデル、実部品として機械製品等に組み込み、性能を確認するためのモデル、樹脂型、金型を制作するための母型用や、試作金型用の直接型の作製等、様々な用途において好適に用いることができる。
【0064】
本発明の立体造形物は、優れた機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)と透明性を有し、かつ、しかも光エネルギー照射により迅速に硬化するため精度よく、安定して、かつ効率よく得ることができることから、その中でも、具体的には、精密部品、電気・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物、金型、母型用のモデルや加工用モデル等の製作等の用途に好適である。
特に本発明の立体造形物は、その優れた機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)と透明性という特性を活かして、繰り返し疲労試験用部品の試作品、例えば家電製品の嵌合部分の設計用、複雑な構造の機械的強度解析用部品用として極めて有用である。
【0065】
【実施例】
次に、本発明について、実施例を挙げてさらに詳細に説明する。
なお、実施例中、得られた立体造形物の評価方法は、以下に示す。
【0066】
(評価方法)
1.速硬化性
得られた硬化物に対して、紫外線照射装置(シーメット社製、商品名:UV−500BL)を用いて3kWの紫外線を10分間照射してポストキュアを行い、ポストキュア前の硬さとポストキュア後の硬さを指触により確認し、下記基準に基づき評価する。
○:硬化が充分であり、指触による形状変化なし
×:硬化が不充分であり、指触による形状変化があり、さらに時間をかけて熱によるポストキュア等を行なわないと、充分な硬化物が得られなかった。
【0067】
2.透明性
得られた立体造形物の透明性を目視にて観察し、下記判断基準に基づいて評価する。
○:表面平滑性が良好で、透明性あり
×:表面平滑性が不良で、一部又は全体が白濁
【0068】
3.機械的特性
得られた立体造形物の引張特性をJIS K 7113に準拠して測定する。[引張強度(MPa)] 最大点応力が45MPa以上である場合を○とし、45MPa未満である場合を×として評価する。
[引張伸度(%)] 破断点伸度が10%以上である場合を○とし、10%未満である場合を×として評価する。
[引張弾性率(MPa)] ヤング率が1500MPa以上である場合を○、1500MPa未満である場合を×として評価する。
【0069】
4.熱変形温度
得られた立体造形物について、JIS K7207A法に準拠して熱変形温度(HDT)を測定する。なお、熱変形温度が55℃以上である場合を○とした。
【0070】
(合成例1) ウレタンアクリレート(UA1:化合物(A))の製造
(1) 攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、N−ヒドロキシエチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシエトキシエチル)イソシアヌレート35質量%とN,N’,N”−トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート65質量%との混合物(但し、この混合物の全量を100質量%とする)(東亞合成(株)社製、商品名:アロニクスM−313)を4590g(総ヒドロキシ基含有当量:3.9モル当量)、及びジブチル錫ジラウレート1.0gを仕込んでウオーターバスで内温が65℃になるように加熱した。
(2) 一方、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(武田薬品工業(株)社製、商品名:TMXDI)440g(総イソシアネート基含有当量:3.6モル当量)を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を上記(1)のフラスコ中の内容物に対して滴下した。なお、上記(1)のフラスコ中の内容物を攪拌しつつ、フラスコ内温を65〜75℃に保持しながら、4時間かけて等速滴下により滴下した。さらに、滴下終了後、フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保持しながら4時間反応させることにより、無色透明なウレタン(メタ)アクリレート(UA1)を製造した。
なお、この反応の終点は、残存イソシアネート当量を測定し、残存イソシアネート当量が1%未満となった時点とした。
【0071】
(合成例2) ウレタンアクリレート(UA2:化合物(A))の製造
テトラメチルキシリレンジイソシアネートの代わりに、イソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)社製、商品名:デスモジュールI)400g(総イソシアネート基含有当量:3.6モル当量)を用いる以外は合成例1と同様にして、無色透明なウレタンアクリレート(UA2)を得た。
なお、この反応の終点は、残存イソシアネート当量を測定し、残存イソシアネート当量が1%未満となった時点とした。
【0072】
(合成例3) ウレタンアクリレート(UA3)の製造
(1)攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(大阪有機化学(株)社製、商品名:HPA)2440g(総ヒドロキシ基含有当量:18.9モル当量)、及びジブチル錫ジラウレート0.8gを仕込んでウオーターバスで内温が55℃になるように加熱した。
(2)一方、イソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)社製、商品名:デスモジュールI)2000g(総イソシアネート基含有当量:18.0モル当量)を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を上記(1)のフラスコ中の内容物に対して滴下した。なお、上記(1)のフラスコ中の内容物を攪拌しつつ、フラスコ内温を55〜65℃に保持しながら、4時間かけて等速滴下により滴下した。さらに、滴下終了後、フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保持しながら4時間反応させることにより、無色透明なウレタンアクリレート(UA3)を得た。
なお、この反応の終点は、残存イソシアネート当量を測定し、残存イソシアネート当量が1%未満となった時点とした。
【0073】
(合成例4) ウレタンアクリレート(UA4)の製造
(1)攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、ペンタエリスリトールトリアクリレート(第一工業薬品(株)社製、商品名:PET−3)3500g(総ヒドロキシ基含有当量:7.2モル当量)、及びジブチル錫ジラウレート1.2gを仕込んでウオーターバスで内温が45℃になるように加熱した。
(2)一方、イソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)社製、商品名:デスモジュールI)780g(総イソシアネート基含有当量:7.0モル当量)を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を上記(1)のフラスコ中の内容物に対して滴下した。なお、上記(1)のフラスコ中の内容物を攪拌しつつ、フラスコ内温を45〜55℃に保持しながら、4時間かけて等速滴下により滴下した。さらに、滴下終了後、フラスコ内容物の温度を65〜75℃に保持しながら4時間反応させることにより、無色透明なウレタンアクリレート(UA4)を得た。
なお、この反応の終点は、残存イソシアネート当量を測定し、残存イソシアネート当量が1%未満とした。
【0074】
(実施例1)
<組成物の調製>
成分(A)として合成例1で得られたウレタンアクリレート(UA1)40質量部、成分(B)としてアクリロイルモルホリン((株)興人製、商品名:ACMO)40質量部、及びヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン2モル付加物のジアクリル酸エステル(日本化薬(株)製、商品名:カヤラッドHX220)20質量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3質量部、さらに紫外線吸収剤として2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)2H−ベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)0.05質量部を混合し、組成物を得た。
<立体造形物の製造>
得られた組成物4リットルを、超高速光造形システム(帝人製機(株)製、商品名:SOLIFORM250)の槽内に入れた後、スライスピッチ(積層厚み)を0.2mm、一層あたりの平均造形時間を2分、固体レーザー光(出力100mW、波長355nm)をその組成物の液表面に対して垂直に照射して光学的造形を行い、JIS 7113に準拠するダンベル形状の硬化物を得た。
得られた硬化物をイソプロピルアルコールで洗浄して、付着している未硬化の組成物を除去した後、3kWの紫外線を10分間照射してポストキュアを行い、立体造形物を得た。その立体造形物について、前記した評価方法にて評価した結果を表1に示す。
【0075】
(実施例2〜3、比較例1〜4)
表1に示す組成及び組成比とする以外は実施例1と同様にして組成物を得た。次いで、得られた組成物を用い、実施例1と同様にして立体造形物を得た。
その立体造形物について、実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
【0076】
なお、表1において、各成分の使用量の単位は「質量部」を示す。また、表1中の各略号は、下記化合物を示す。
UA1:合成例1で得たウレタンアクリレート
UA2:合成例2で得たウレタンアクリレート
UA3:合成例3で得たウレタンアクリレート
UA4:合成例4で得たウレタンアクリレート
ACMO:アクリルモルホリン((株)興人製)
HX−220:ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2)のジアクリル酸エステル(日本化薬(株)製)
CEL−2021P:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’−4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学(株)製)
OXT−121:1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン(東亞合成(株)製)
Irg−184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
UVA:紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)
UVI−6990:トリアリルスルホニウムヘキサフルオロフォスホネート塩(ユニオンカーバード社製)
MBX−8:架橋ポリメタクリル酸メチル(平均粒径8μm)(積水化成品工業(株)製)
【0077】
【表1】
【0078】
(比較例の考察)
比較例1及び比較例2は、本発明に用いる(a1)成分を用いずに合成したウレタン(メタ)アクリレート(UA3)、(UA4)を含む組成物を用いる例である。
比較例1で得られた立体造形物は透明性及び硬化性は良好であったが、機械的特性のうち引張強度及び弾性率が不良で、熱変形温度が低く耐熱性も不良であった。
また比較例2で得られた立体造形物は透明性及び硬化性は良好であったが、機械的特性のうち引張伸度が不良で、熱変形温度が低く耐熱性も不良であった。
比較例3は、特開平10−158385号公報記載の実施例1と同じ組成物を用いた例である。比較例3で得られた立体造形物は、紫外線によるポストキュア後も充分硬化しないため硬度が不充分で柔らかく、熱変形温度を測定することができなかった。また引張強度、引張伸度、及び弾性率も不良であった。
比較例4は、特開平7−26060号公報記載の実施例1と同じ組成物を用いた例である。比較例4で得られた立体造形物は、硬化性及び耐熱性が良好であったが、透明性が不良で白濁しており、また引張強度及び引張伸度が不良であった。
【0079】
【発明の効果】
このように、本発明は、(A)成分の特定構造のウレタン(メタ)アクリレートを含む組成物とすれば、光エネルギー照射により迅速に硬化可能となり、しかもそれを用いれば機械的特性(引張強度、引張伸度、引張弾性率、及び耐熱性)及び透明性を全て兼ね備えた立体造形物が得られるという優れた効果が発現することを見出したものである。
そのため、本発明の組成物を用いれば、所望の形状や寸法を有する立体造形物を、精度良く、安定して、かつ効率良く製造することができ、産業上の利用度は大である。
Claims (3)
- 分子内にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(B)を、組成物100質量%中に25〜90質量%含む請求項1記載の立体造形用組成物。
- 請求項1又は請求項2記載の立体造形用組成物を硬化させて得られる立体造形物。
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