JP4903742B2 - 発酵による精密化学物質の製造方法 - Google Patents
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Description
アミノ酸リシンの工業的生産は経済的に重要な工業製法となっている。リシンは、他のアミノ酸の吸収を高めることにより飼料の品質を改善する能力があるため、動物の飼料補給剤として、ヒトの医薬においては、特に、輸液の成分として、さらには医薬産業においても、商業的に用いられている。
本発明は、少なくとも部分的に、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)におけるペントースリン酸経路の鍵酵素コード遺伝子、例えば、フルクトース1,6-ビスホスファターゼの発見、ならびに、フルクトース1,6-ビスホスファターゼの調節解除(deregulation)、例えば、発現または活性の増加により、リシン生成が増加するという発見に基づく。さらには、フルクトース1,6-ビスホスファターゼの発現または活性を調節解除、例えば、増加することによりリシン生成中の炭素収量を高めると、リシン生成が増加することもわかっている。一実施形態では、炭素源はフルクトースまたはスクロースである。従って、本発明は、フルクトースまたはスクロースが基質である、微生物、例えば、C. glutamicumによるリシンの生成を増加するための方法を提供する。
本発明は、少なくとも部分的に、ペントースリン酸経路の必須酵素をコードする遺伝子(例えば、Corynebacterium glutamicum遺伝子)の同定に基づく。本発明は、炭素収量が増加し、特定の望ましい精密化学物質(例えば、リシン)が生成される(例えば、高収量で生成される)ように、微生物(例えば、Corynebacterium glutamicum)におけるペントースリン酸生合成経路を操作することを含む方法を特徴とする。具体的には、本発明は、調節解除(例えば、増加)したフルクトース1,6-ビスホスファターゼ発現または活性を有する微生物(例えば、Corynebacterium glutamicum)の発酵により、精密化学物質(例えば、リシン)を生産する方法を含む。一実施形態では、フルクトースまたはサッカロースを微生物の発酵における炭素源として用いる。フルクトースは、微生物から精密化学物質(例えば、リシン)を生成させるのに低効率の基質であることが確認されている。しかし、本発明は、フルクトースまたはスクロースが基質である微生物(例えば、C. glutamicum)によるリシンの生成を最適化する方法を提供する。フルクトース1,6-ビスホスファターゼ発現または活性の調節解除(例えば、増幅)により、ペントースリン酸経路を介した流入が高くなり、その結果、NADPH生成およびリシン収量が増加する。
アミノ酸は、すべてのタンパク質の基本構造単位を含み、それ自体であらゆる生物において正常な細胞の機能に必須である。用語「アミノ酸」は当分野で認識されている。タンパク質生成アミノ酸は、20種あり、タンパク質の構造単位として働き、それらはペプチド結合によって結合される。これに対し非タンパク質生成アミノ酸(数百種が知られている)は、通常、タンパク質には存在しない(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、A2巻、p.57-97 VCH: Weinheim (1985) 参照)。アミノ酸は、DまたはL光学配置のいずれでもよいが、Lアミノ酸は、一般に、天然に存在するタンパク質にしか認められないタイプである。20種のタンパク質生成アミノ酸の各々の生合成および分解経路が、原核および真核細胞の両方において十分に特性決定されている(例えば、Stryer, L. Biochemistry、第3版、第578-590頁 (1988)参照)。「必須」アミノ酸(ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、およびバリン)は、その生合成が複雑であるために一般に栄養要求性であることから、このように称されるが、これらは、単純な生合成経路により、残る11種の「非必須」アミノ酸(アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、プロリン、セリン、およびチロシン)に容易に変換される。高等動物は、これらアミノ酸のいくつかを合成する能力は保持しているが、正常なタンパク質合成を起こすために必須アミノ酸を食餌から供給しなければならない。
ビタミン、補因子、および栄養剤は、細菌のような他の生物により容易に合成されるが、高等動物は合成する能力を失ったために、摂取しなければならない別の分子群を含む。これらの分子は、それ自体が生物活性物質であるか、あるいは、様々な代謝経路の電子キャリヤーまたは中間体として働きうる生物学的に活性の物質の前駆体である。その栄養価値以外に、これらの化合物には、着色剤、抗酸化剤、および触媒もしくはその他の加工補助剤として有意な工業的価値がある(これら化合物の構造、活性、および工業用途の概要については、例えば、Ullman’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, “Vitamins” A27巻、p.443-613, VCH: Weinheim, 1996を参照)。用語「ビタミン」は、当分野では認識されており、正常に機能する上で生物が必要とするが、生物はそれ自身で合成することができない栄養素を含む。ビタミン群は、補因子および栄養剤化合物を包含し得る。用語「補因子」は、正常な酵素活性が起こるのに必要な非タンパク質性化合物を含む。このような化合物は、有機または無機のいずれでもよいが、本発明の補因子分子は有機であるのが好ましい。用語「栄養剤」は、植物および動物、特にヒトにおける健康利益を有する食餌補給剤を含む。このような分子の例として、ビタミン、抗酸化剤、および特定の脂質(例えば、多飽和脂肪酸)が挙げられる。
プリンおよびピリミジン代謝遺伝子、ならびにそれらの対応するタンパク質は、腫瘍性疾患およびウイルス感染の治療のために重要な標的である。「プリン」または「ピリミジン」という用語は、核酸、補酵素、およびヌクレオチドの成分である含窒素塩基を包含する。用語「ヌクレオチド」は、核酸分子の基本構造単位を意味し、この単位は、含窒素塩基、ペントース糖(RNAの場合には、糖はリボースであり;DNAの場合には、糖はD-デオキシリボースである)、ならびにリン酸から構成される。用語「ヌクレオシド」は、ヌクレオチドの前駆体として働くが、ヌクレオチドにはあるリン酸部分が欠如している分子である。これら分子の生合成、または核酸分子を形成するその動態化を阻害することにより、RNAおよびDNA合成を阻害することができ;癌細胞をターゲッティングした様式でこの活性を阻害することにより、腫瘍細胞が分裂して複製する能力を阻害することができる。これ以外にも、核酸分子は形成しないが、エネルギー貯蔵所として(すなわち、AMP)、または補酵素として(すなわち、FADおよびNAD)働くヌクレオチドもある。
トレハロースはα,α-1,1結合で結合した2つのグルコース分子からなる。これは、甘味料、乾燥または凍結食品用の添加物として食品産業で、また飲料にも一般に用いられている。しかしまた、医薬、香粧品およびバイオテクノロジー産業にも用途がある(例えば、以下の文献を参照:Nishimotoら、(1998) 米国特許第5,759,610号;Singer, M.A.およびLindquist, S. (1998) Trends Biotech. 16: 460-467;Paiva, C.L.A. およびPanek, A.D. (1996) Biotech. Ann. Rev. 2: 293-314;ならびにShiosaka, M. (1997) J. Japan 172: 97-102)。トレハロースは、多種の微生物から酵素により生成されて、自然に周囲の培地に放出されるため、そこから、当分野で周知の方法により回収することができる。
本発明の方法は、好ましくは本明細書に記載するようなベクターまたは遺伝子(例:野生型および/または突然変異遺伝子)を含む、および/または所望の精密化学物質の生成を達成するような様式で培養した微生物、例えば、組換え微生物を特徴とする。用語「組換え」微生物とは、それが由来する天然に存在する微生物と比較して、改変、修飾もしくは異なる遺伝子型および/または表現型を示す(例えば、遺伝的改変が微生物のコード核酸配列に影響するとき)ように、遺伝子的に改変、修飾もしくは操作(例えば、遺伝子工学操作)された微生物(例えば、細菌、酵母細胞、真菌細胞など)を含む。ここで、本発明の「組換え」微生物は、本明細書に記載する少なくとも1つの細菌遺伝子または遺伝子産物、好ましくは、生合成酵素コード遺伝子(例えば、本明細書に記載する組換えベクター内に含まれるフルクトース1,6-ビスホスファターゼ)および/または生合成酵素(例えば、組換えベクターから発現させたフルクトース1,6-ビスホスファターゼ)を過剰発現するように、遺伝子工学操作により作製されたものが好ましい。当業者であれば、遺伝子産物を発現または過剰発現する微生物が、核酸配列および/または遺伝子産物をコードする遺伝子の発現または過剰発現の結果、遺伝子産物を産生または過剰産生することは理解されよう。一実施形態では、前記組換え微生物は、増加された生合成酵素(例えば、フルクトース1,6-ビスホスファターゼ)活性を有する。
・フィードバック耐性アスパルトキナーゼをコードするask遺伝子(国際公開番号WO2004069996に開示されている);
・ジヒドロジピコリン酸シンターゼをコードするdapA遺伝子(国際公開番号WO200100843において、配列番号55および56にそれぞれ開示されている);
・アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードするasd遺伝子(欧州公開番号1108790において、配列番号3435および6935にそれぞれ開示されている);
・ジヒドロジピコリン酸レダクターゼをコードするdapB遺伝子(国際公開番号WO200100843において、配列番号35および36にそれぞれ開示されている);
・ジアミノピメリン酸デヒドデヒドロゲナーゼをコードするddh遺伝子(欧州公開番号1108790において、配列番号3444および6944にそれぞれ開示されている);
・ジアミノピメリン酸エピメラーゼをコードするlysA遺伝子(欧州公開番号1108790において、配列番号3451および6951にそれぞれ開示されている);
・リシンエクスポーターをコードするlysE遺伝子(欧州公開番号1108790において、配列番号3455および6955にそれぞれ開示されている);
・ピルビン酸カルボキシラーゼをコードするpycA遺伝子(欧州公開番号1108790において、配列番号765および4265にそれぞれ開示されている);
・グルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼをコードするzwf遺伝子(国際公開番号WO200100844において、配列番号243および244にそれぞれ開示されている);
・ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼをコードするpepCL遺伝子(欧州公開番号1108790において、配列番号3470および6970にそれぞれ開示されている);
・グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼをコードするgap遺伝子(国際公開番号WO200100844において、配列番号67および68にそれぞれ開示されている);
・RPFタンパク質前駆体をコードするzwa1遺伝子(欧州公開番号1108790において、配列番号917および4417にそれぞれ開示されている);
・トランスケトラーゼをコードするtkt遺伝子(国際公開番号WO200100844において、配列番号247および248にそれぞれ開示されている);
・トランサルドラーゼをコードするtad遺伝子(国際公開番号WO200100844において、配列番号245および246にそれぞれ開示されている);
・メナキニンオキシドレダクターゼをコードするmqo遺伝子(国際公開番号WO200100844において、配列番号596および570にそれぞれ開示されている);
・トリオースリン酸イソメラーゼをコードするtpi遺伝子(国際公開番号WO200100844において、配列番号61および62にそれぞれ開示されている);
・3-ホスホグリセリン酸キナーゼをコードするpgk遺伝子(国際公開番号WO200100844において、配列番号69および70にそれぞれ開示されている);
・RNAポリメラーゼσ因子sigCをコードするsigC遺伝子(欧州公開番号1108790において、配列番号284および3784にそれぞれ開示されている)。
・ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼをコードするpepCK遺伝子(国際公開番号WO200100844において、配列番号179および180にそれぞれ開示されている);
・リンゴ酸酵素をコードするmal E遺伝子(欧州公開番号1108790において、配列番号3328および6828にそれぞれ開示されている);
・グリコーゲンシンターゼをコードするglgA遺伝子(欧州公開番号1108790において、配列番号1239および4739にそれぞれ開示されている);
・グルコース6-リン酸イソメラーゼをコードするpgi遺伝子(国際公開番号WO200100844において、配列番号41および42にそれぞれ開示されている);
・ATP依存性RNAヘリカーゼをコードするdead遺伝子(欧州公開番号1108790において、配列番号1278および4778にそれぞれ開示されている);
・o-スクシニル安息香酸-CoAリガーゼをコードするmenE遺伝子(欧州公開番号1108790において、配列番号505および4005にそれぞれ開示されている);
・クエン酸リアーゼβ鎖をコードするcitE遺伝子(国際公開番号WO200100844において、配列番号547および548にそれぞれ開示されている);
・転写レギュレーターをコードするmikE17遺伝子(欧州公開番号1108790において、配列番号411および3911にそれぞれ開示されている);
・ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードするpoxB遺伝子(国際公開番号WO200100844において、配列番号85および86にそれぞれ開示されている);
・RPFタンパク質前駆体をコードするzwa2遺伝子(欧州公開番号1106693に開示されている);および
・スクシニル-CoA-シンテターゼをコードするsucC遺伝子(欧州公開番号1103611に開示されている)。
操作された生合成酵素または生合成酵素の組合せによっては、精密化学物質(例えば、リシン)が生産されるように、本発明の微生物に少なくとも1種のペントースリン酸経路生合成前駆体を提供(例えば、供給)するのが望ましい、または必要となることもある。用語「ペントースリン酸経路生合成前駆体」または「前駆体」とは、微生物の培地に供給、接触、もしくは含有させると、ペントースリン酸生合成を増強または増大する働きをする剤または化合物を含む。一実施形態では、ペントースリン酸生合成前駆体または前駆物質はグルコースである。別の実施形態では、ペントースリン酸生合成前駆体はフルクトースである。添加するグルコースまたはフルクトースの量は、好ましくは、微生物の生産性を増強するのに十分な培地中の濃度(例えば、精密化学物質(例:リシン)の生成を増強するのに十分な濃度)をもたらす量である。本発明のペントースリン酸生合成前駆体は、濃縮溶液または懸濁液(例えば、水またはバッファーなど好適な溶剤中)の形態、または固体の形態(例えば、粉末の形態)で添加することができる。さらには、本発明のペントースリン酸生合成前駆体は、単一のアリコートとして、所与の期間にわたり連続的または断続的に添加してもよい。
本発明の特に好ましい実施形態は、精密化学物質、例えば、リシンを生産するための高収量生産方法であり、この方法は、リシンが有意に高い収量で生成されるような条件下で、操作された微生物を培養することを含む。「高収量生産方法」という表現、例えば、所望の精密化学物質、例えば、リシンを生産するための高収量生産方法は、同等の生産方法を用いた通常の場合より高い、またはこれを超えるレベルで、所望の精密化学物質の生産をもたらす方法を意味する。好ましくは、高収量生産方法は、有意に高い収量で所望の化合物の生産をもたらす。「有意に高い収量」という表現は、同等の生産方法を用いた通常の場合より十分に高い、またはこれを超える、例えば、所望する生成物の商業的生産(例えば、商業的に実現可能なコストでの生成物の生産)に十分なレベルまで高められた生産レベルまたは収量を意味する。一実施形態では、本発明は、リシンを生産するための高収量生産方法であって、その際、2g/L、10g/L、15g/L、20g/L、25g/L、30g/L、35g/L、40g/L、45g/L、50g/L、55g/L、60g/L、65g/L、70g/L、75g/L、80g/L、85g/L、90g/L、95g/L、100g/L、110g/L、120g/L、130g/L、140g/L、150g/L、160g/L、170g/L、180g/L、190g/L、もしくは200g/Lより高いレベルでリシンが生成されるような条件下で、操作した微生物を培養することを含む上記方法を特徴とする。
本発明の別の態様は、本発明の方法に用いる、タンパク質(例えば、C. glutamicumタンパク質)、例えば、コリネバクテリウムペントースリン酸生合成酵素(例えば、C. glutamicumペントースリン酸酵素)をコードする単離された核酸分子を特徴とする。一実施形態では、本発明の方法で用いる単離された核酸分子は、フルクトース1,6-ビスホスファターゼ核酸分子である。
本発明はさらに、本明細書に記載の核酸分子および/または遺伝子(例えば、単離された核酸分子および/または遺伝子)、好ましくはコリネバクテリウム遺伝子、さらに好ましくはCorynebacterium glutamicum遺伝子、さらにまた好ましくはCorynebacterium glutamicumフルクトース1,6-ビスホスファターゼ遺伝子を含む組換え核酸分子(例えば、組換えDNA分子)を特徴とする。
本発明の別の形態は、単離されたタンパク質(例:ペントースリン酸生合成酵素、例えば、フルクトース1,6-ビスホスファターゼ)を特徴とする。一実施形態では、タンパク質(例:単離されたペントースリン酸生合成酵素、例えば、フルクトース1,6-ビスホスファターゼ)は、組換えDNA技術により生産され、標準的タンパク質精製方法を用いた適切な精製スキームにより本発明の微生物から単離することができる。別の実施形態では、標準的ペプチド合成技術を用いて、化学的にタンパク質を合成する。
菌株
American Type and Culture Collection(米国マナッサス)からCorynebacterium glutamicum ATCC 21526を取得した。このホモセリン栄養要求性菌株は、協奏的アスパラギン酸キナーゼ阻害の副路のために、Lトレオニン制限の間、リシンを排出する。5g L-1のフルクトースまたはグルコースを含む複合培地で前培養物を増殖させた。寒天プレートの場合には、さらに12 g L-1の寒天で複合培地を修正した。トレーサー実験用の接種材料としての細胞の生産およびトレーサー実験自体のために、1mg ml-1パントテン酸カルシウム・HClで修正した最少培地を用いた(Wittmann, C.およびE. Heinzle. 2002. Appl. Environ. Microbiol. 68:5843-5859)。この培地において、炭素源グルコースまたはフルクトース、必須アミノ酸トレオニン、メチオニンおよびロイシン、ならびにクエン酸の濃度を下記のように変えた。
前培養は、以下の3つのステップからなる:(i)接種材料としての寒天プレートからの細胞を含む複合培地における出発培養、(ii)最少培地への適応のための短時間の培養、ならびに(iii)高められた濃度の必須アミノ酸を含む最少培地での長時間の培養。寒天プレートから接種した前培養物を10 ml複合培地上で100 mlのバッフル付き振盪フラスコにおいて一晩増殖させた。その後、遠心分離(8800g、2分、30℃)により細胞を回収して、最少培地に接種した後、最適密度2まで増殖させることにより、最少培地に適応した、指数的に増殖する細胞を得た。その後、滅菌した0.9%NaClを用いた洗浄ステップを含む遠心分離(8800g、2分、30℃)により細胞を回収した。次に、これら細胞を50 mlのバッフル付き振盪フラスコ中の6ml最少培地に接種するが、この培地は、初期濃度:0.30 g L-1のトレオニン、0.08 g L-1のメチオニン、0.20 g L-1のロイシン、ならびに0.57 g L-1のクエン酸を含んでいた。炭素源として、70 mMグルコースまたは80 mMフルクトースをそれぞれ添加した。必須アミノ酸の欠失まで細胞を増殖させるが、これはHPLC分析により確認した。増殖期の終了時に、細胞を回収し、滅菌したNaCl(0.9%)を用いて洗浄した。次に、25 mlのバッフル付き振盪フラスコ中の4ml最少トレーサー培地に前記細胞を移し、リシン生成条件下で代謝流入分析を実施する。トレーサー培地は、トレオニン、メチオニン、ロイシンおよびクエン酸を一切含んでいない。各炭素源について、2つの平行フラスコ:(i)40 mMの[1-13C]標識された基質を含むものと(ii)20 mMの[13C6]標識された基質および20 mMの天然に標識された基質を含むものをインキュベートした。培養はすべて、回転振盪機(Inova 4230, New Brunswick, Edison, NJ, USA)を用いて、30℃および150 rpmで実施した。
99%[1-13C]グルコース、99%[1-13C]フルクトース、99%[13C6]グルコースおよび99%[13C6]フルクトースをCampro Scientific(オランダ、Veenendaal)から購入した。酵母抽出物およびトリプトンをDifco Laboratories(米国ミシガン州デトロイト)から取得した。使用したその他すべての化学品は、Sigma(米国ミシガン州セントルイス)、Merk(ドイツ、Darmstadt)もしくはFluka(スイス、Buchs)からそれぞれ取得し、これらはすべて分析等級のものである。
細胞濃度は、光度計(Marsha Pharmacia biotech;ドイツ、フライブルグ)または重量分析計を用いて、660 nm(OD660nm)での細胞密度の測定により決定した。重量分析は、3,700gで10分室温の培養ブロスから10 mlの細胞を採取することにより決定したが、これには水での洗浄ステップが含まれる。洗浄した細胞を重量が一定になるまで80℃で乾燥させた。乾燥した細胞の乾燥質量とOD660nmの相関係数(gバイオマス/OD660nm)を0.353として決定した。
13C標識分析
培養上清におけるリシンおよびトレハロースの標識パターンをGC-MSにより定量した。これによって、単一質量アイソトポマー画分を決定した。現在の研究では、これらはM0(非標識質量アイソトポマー画分の相対量)、M1(単一標識質量アイソトポマー画分の相対量)というように、高くなる標識レベルに応じた記号で定義されている。リシンのGC-MS分析は、以前記載されている(Rubino, F. M. 1989. J. Chromatogr. 473:125-133)ように、t-ブチル-ジメチルシリル(TMDMS)誘導体への変換後実施した。質量アイソトポマー分布の定量は、イオンクラスターm/z 431-437の選択的イオンモニタリング(SIM)法で実施した。このイオンクラスターは、フラグメントイオンに対応し、これは、誘導体化残基からのt-ブチル基の喪失により形成されるため、リシンの完全な炭素骨格を含む(Wittmann, C., M. HansおよびE. Heinzle. 2002. Analytical Biochem. 307:379-382)。トレハロースの標識パターンは、以前記載されている(Wittmann, C., H. M. KimおよびE. Heinzle. 2003. Metabolic flux analysis at miniaturized scale. submitted)ように、そのトリメチルシリル(TMS)誘導体から決定する。トレハロースの標識パターンは、トレハロースの完全なモノマー単位、従って、グルコース6-リン酸のそれと等しい炭素骨格を含むフラグメントイオンに対応するm/z 361-367でのイオンクラスターにより推定した。すべてのサンプルをまずスキャンモードで測定し、これにより、分析対象の生成物とその他のサンプル成分間のアイソバリック干渉を排除する。SIMによる測定はすべて2回繰り返して実施する。フルクトースでのトレーサー実験における単一質量アイソトポマー画分の実験誤差は、[1-13C]フルクトースでのリシンの場合、0.85%(M0)、0.16 %(M1)、0.27%(M2)、0.35%(M3)、0.45%(M4);[1-13C]フルクトースでのトレハロースの場合、0.87%(M0)、0.19%(M1)、0.44%(M2)、0.45%(M3)、0.88%(M4);ならびに、50%[13C6]フルクトースでのトレハロースの場合、0.44%(M0)、0.54%(M1)、0.34%(M2)、0.34%(M3)、0.19%(M4)、0.14%(M5)および0.52%(M6)であった。グルコーストレーサー実験でのMS測定の実験誤差は、[1-13C] グルコースでのリシンの場合、0.47%(M0)、0.44 %(M1)、0.21%(M2)、0.26%(M3)、0.77%(M4);[1-13C] グルコースでのトレハロースの場合、0.71%(M0)、0.85%(M1)、0.17%(M2)、0.32%(M3)、0.46%(M4);ならびに、50%[13C6] グルコースでのトレハロースの場合、1.29%(M0)、0.50%(M1)、0.83%(M2)、0.84%(M3)、1.71%(M4)、1.84%(M5)および0.58%(M6)であった。
代謝シミュレーションはすべて、パーソナルコンピューターで実施した。リシン生産性C. glutamicumの代謝ネットワークをMatab 6.1およびSimulink 3.0(Mathworks, Inc.;米国MAナチック)で実行した。ソフトウエアの実行には、ネットワークにおける13C標識分布を計算するSimulinkでのアイソトポマーモデルを含んだ。パラメーター推定のために、アイソトポマーモデルをMatlabの対話型最適化アルゴリズムと結合させた。使用したコンピュータ計算ツールに関する詳細は、WittmannおよびHeinzleにより記載されている(Wittmann, C.およびE. Heinzle. 2002. Appl. Environ. Microbiol. 68:5843-5859)。
得られた代謝流入の統計的分析は、以前記載されているモンテカルロ手法(Wittmann, C.およびE. Heinzle. 2002. Appl. Environ. Microbiol. 68:5843-5859)により実施した。各菌株について、100パラメーター評価ランにより統計的分析を実施したところ、測定した質量アイソトポマー比および測定した流入を含む実験データは統計的にばらばらであった。得られたデータから、単一パラメーターについての90%信頼限界を算出した。
リシン生産性C. glutamicumの代謝流入をグルコースおよびフルクトースを用いた比較バッチ培地において分析した。このために、予め増殖させた細胞をトレーサー培地に移し、約5時間インキュベートした。トレーサー実験の開始および終了時の基質および生成物の分析から、2つの炭素源間には顕著な違いがあることが明らかにされた。グルコースでは総量11.1 mMのリシンが生成されたのに対し、フルクトースでは、これより低い8.6 mMの濃度にしか達しなかった。5時間にわたるインキュベーションの間、細胞濃度は、3.9gL-1から6.0gL-1(グルコース)まで、また3.5gL-1から4.4gL-1(フルクトース)まで増加した。トレオニンとメチオニンは培地に存在しないことから、内部供給源は恐らく細胞によりバイオマス合成のために使用されたと考えられる。平均比糖取込み率は、グルコース(1.71 ミリモルg-1 h-1)よりフルクトース(1.93 ミリモルg-1 h-1)の方が高かった。表1に示すように、C. glutamicum ATCC 21526から得られた収量は、フルクトースとグルコースとの間で著しく違っていた。これは、主生成物であるリシンと様々な副産物を含んでいた。リシンに関しては、フルクトースでの収量は244 ミリモル モル-1であったため、グルコースでの収量(281 ミリモル モル-1)より低かった。加えて、炭素源はバイオマス収量に顕著な影響を及ぼし、グルコースと比較してフルクトースではほぼ50%もバイオマスが減少した。副産物形成に対する炭素源の最も有意な影響は、ジヒドロキシアセトン、グリセロール、および乳酸について認められた。フルクトースの場合、これらの副産物の蓄積が極めて増加された。グリセロールの収量は10倍高く、また、ジヒドロキシアセトンと乳酸の分泌は6倍高かった。ジヒドロキシアセトンはフルクトースの主要な副産物であった。バイオマス収量が低下したために、フルクトース増殖細胞では、同化前駆体に対する要求が有意に減少した(表2)。
分泌されたリシンおよびトレハロースの相対質量アイソトポマー画分をGC-MSにより定量した。これらの質量アイソトポマー画分は、細胞内流入に対して感受性であるため、試験した生物系のフラクソーム(fluxome)のフィンガープリントを展示する。図2に示すように、分泌されたリシンおよびトレハロースの標識パターンは、C. glutamicumのグルコースおよびフルクトース増殖細胞で有意に違っていた。このような相違は、両者を使用したトレーサー標識および両方の測定された生成物で認められる。これは、炭素流入パターンが、使用した炭素源に応じて実質的に相違することを示す。以前記載されているように、[1-13C]および[13C6]グルコースの混合物でのC. glutamicumの2つの並行培養からの質量アイソトポマー画分はほとんど同じである(Wittmann, C., H. M. KimおよびE. Heinzle. 2003. Metabolic flux analysis at miniaturized scale. Submitted)。従って、観測された相違は、明らかに代謝流入の基質特異的相違に関連すると考えられる。
実施した試験の主要な課題は、炭素源としてグルコースおよびフルクトースを用いたリシン生成中のC. glutamicumの細胞内流入の比較研究であった。このために、トレーサー実験から得られた実験データを用いることにより、前記の流入推定ソフトウエアを使用して、各基質の代謝流入分布を計算した。パラメーター推定は、実験および計算質量アイソトポマー画分間の偏差を最小限にすることにより実施した。実施した手法では、最適化のステップ毎に代謝物均衡を使用する。これには、(i)生成物分泌に関する化学量論データ(表2)および(ii)バイオマス前駆体の同化要求に関する化学量論データ(表3)が含まれた。実験標識パターンとシミュレートした標識パターンとの間の偏差が最小であった細胞内流入のセットを細胞内流入分布の最良推定値として採用した。両シナリオについて、複数の初期化値で同じ流入分布が得られたが、これは、大域的最小が確認されたことを示している。明らかに、実験により決定した質量アイソトポマー比と算出された質量アイソトポマー比の間に良好な一致が達成された(表4)。
グルコースおよびフルクトースでのリシン生産性C. glutamicumについて得られた細胞内流入分布を図(4、5)に示す。明らかに、細胞内流入は、使用した炭素源によって甚だしく相違した。グルコースでは、62%の炭素流入がPPPに向かったのに対し、解糖鎖(glycolytic chain)を通過したのは35%に過ぎなかった(図4)。このために、比較的高い量である124%NADPHがPPP酵素グルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼおよび6-ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼにより、比較的高い量の124%NADPHが生成された。フルクトースに関する状況は完全に違っている(図5)。実施した流入分析から、フルクトース取込みについて2つのPTSのin vivo活性が明らかになり、これによれば、92.3%のフルクトースがフルクトース特異的PTSFructoseにより取り込まれた。同等に小さな画分である7.7%のフルクトースがPTSMannoseにより取り込まれた。従って、フルクトースの大部分は、フルクトース1,6-ビスホスホファターゼのレベルで解糖に流入したが、上流のフルクトース6-リン酸では小さな画分しか解糖鎖に向かわなかった。グルコース増殖細胞と比較して、PPPはわずか14.4%という極めて低減した活性を呈示した。グルコース6-リン酸イソメラーゼは2つの炭素源で反対方向に動作した。グルコース増殖細胞では、36.2%正味流入が、グルコース6-リン酸からフルクトース6-リン酸に向かったのに対し、15.2%の反対方向正味流入がフルクトースで観察された。
A.基質特異的培養の特徴
フルクトースおよびグルコースをそれぞれ用いたリシン生産性C. glutamicumの培養から、増殖および生成物形成が、使用する炭素源に著しく左右されることが明らかになった。フルクトースでリシンおよびバイオマスの収量の有意な減少がC. glutamicumの別の菌株でもすでに報告されており、それによると、リシンおよびバイオマスの収率が、グルコースと比較して、それぞれ30%および20%低かった(Kiefer, P., E. HeinzleおよびC. Wittmann. 2002. J. Ind. Microbiol. Biotechnol. 28:338-43)。フルクトースでのC. glutamicumおよびC. melassecolaを培養した場合、グルコースと比較して、高い二酸化炭素生成率を伴う(Dominguez, H., C. Rollin, A. Guyonvarch, J. L. Guerquin-Kern, M. Cocaign-BousquetおよびN. D. Lindley. 1998. Eur. J. Biochem. 254:96-102;Kiefer, P., E. HeinzleおよびC. Wittmann. 2002. J. Ind. Microbiol. Biotechnol. 28:338-43)。これは、この炭素源について本発明の実験で観察されたTCA回路を介した高い流入と一致している。基質に特異的な相違が副産物についても認められた。トレハロースの形成は、グルコースより、フルクトースでの方で低かった。これは、解糖へのグルコースおよびフルクトースの流入点がそれぞれ異なることに関連していると思われる(Kiefer, P., E. HeinzleおよびC. Wittmann. 2002. J. Ind. Microbiol. Biotechnol. 28:338-43)。C. glutamicumにおける取込み系を考慮すれば、グルコースを使用した場合、トレハロース前駆体グルコース6-リン酸の形成に導くのに対し、フルクトースはフルクトース1,6-ビスホスファターゼに変換されるため、グルコース6-リン酸から下流の中心代謝に入いる(Dominguez, H., C. Rollin, A. Guyonvarch, J. L. Guerquin-Kern, M. Cocaign-BousquetおよびN. D. Lindley. 1998. Eur. J. Biochem. 254:96-102)。フルクトースを炭素源として使用すると、ジヒドロキシアセトン、グリセロール、および乳酸のようなその他の副産物が著しく増加した。リシン生成の観点から言うなら、炭素の実質的画分が中心代謝から引き出され、形成された副産物に流入するため、これは望ましくない。フルクトースでのこの比基質取込み(1.93 ミリモル g-1h-1)は、グルコース(1.77 ミリモル g-1h-1)より高かった。この結果は、指数的に増殖するC. melassecola ATCC 17965 に関する以前の試験(Dominguez, H., C. Rollin, A. Guyonvarch, J. L. Guerquin-Kern, M. Cocaign-BousquetおよびN. D. Lindley. 1998. Eur. J. Biochem. 254:96-102)とは違っていた。この試験では、フルクトースおよびグルコースで同様の比取込み率が観測されている。本発明の試験で、フルクトースの方に高い取込み率が観測されたのは、被試験菌株が違っていたという事実のためと思われる。C. melassecolaとC. glutamicumは近縁の種であるが、特定の代謝特性が違っていると考えられる。本発明の実験で試験した菌株は、古典的菌株最適化により以前取得されたたものである。これは、基質取込みに影響を及ぼす突然変異を導入した可能性もある。上記のほかに、培養条件の相違も考えられる。制限された増殖およびリシン生産の条件下でフルクトースはさらに効果的に使用できるであろう。
グルコースおよびフルクトースについて得られたリシン生産性C. glutamicumの細胞内流入分布から、驚くべき相違が明らかになった。得られた流入の統計的評価は、狭い90%信頼区間を示したため、得られた流入差は、明らかに使用した炭素源に起因すると考えられる。最も顕著な差の1つは、解糖とPPPの間の流入分配に関する。グルコースの場合、炭素の62.3%がPPPを通過した。この基質でのリシン生産性C. glutamicumのPPPの優勢は、以前の様々な研究でも認められている(Marx, A., A. A. de Graaf, W. Wiechert, L. Eggelingおよび H. Sahm. 1996. Biotechnol. Bioeng. 49:111-129;Wittmann, C.およびE. Heinzle. 2001. Eur. J. Biochem. 268:2441-2455;Wittmann, C.およびE. Heinzle. 2002. Appl. Environ. Microbiol. 68:5843-5859)。フルクトースでは、PPPへの流入は14.4%に減少した。実施した代謝流入分析により確認されたように、これは、主として、フルクトース1,6-ビスリン酸のレベルでのフルクトースの流入と、フルクトース1,6-ビスホスファターゼの不活性という好ましくない組合せによるものであった。観察されたフルクトース1,6-ビスホスファターゼの不活性は、グルコースおよびフルクトースをそれぞれ用いた指数的増殖中のC. melassecola ATCC 17965の酵素測定値とよく一致している(Dominguez, H., C. Rollin, A. Guyonvarch, J. L. Guerquin-Kern, M. Cocaign-BousquetおよびN. D. Lindley. 1998. Eur. J. Biochem. 254:96-102)。
以下に示す計算により、フルクトースおよびグルコースでのリシン生産性C. glutamicumのNADPH代謝の比較が提供される。グルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ、6-ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ、およびイソクエン酸デヒドロゲナーゼによる推定流入から、NADPHの全供給を計算した。グルコースの場合、PPP酵素グルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ(62.0%)およびグルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ(62.0%)がNADPHの主要画分を供給していた。イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(52.9%)は、小さい程度しか寄与していない。フルクトースでは、NADPH供給に対するPPPおよびTCA回路の完全に相違する寄与が観測され、その際、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(83.3%)がNADPHの主要供給源であった。グルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ(14.4%)およびグルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ(14.4%)はフルクトースでははるかに少ないNADPHを生成した。NADPHは、リシンの増殖および形成に必要である。増殖のためのNADPH要求は、11.51 ミリモルNAPDH(gバイオマス)-1の化学量論要求(これはグルコースおよびフルクトースについて同一と推定される(Dominguez, H., C. Rollin, A. Guyonvarch, J. L. Guerquin-Kern, M. Cocaign-BousquetおよびN. D. Lindley. 1998. Eur. J. Biochem. 254:96-102))、および本発明の実験のバイオマス収量(表1)から計算した。C. glutamicumは、グルコースの場合、バイオマス生成のために62.3%のNADPHを消費したが、これは、炭素源としてフルクトースを用いた場合(32.8%)と比較してはるかに高かった。生成物合成に必要なNADPHの量は、リシンへの推定流入(表1)、および対応する化学量論NADPH要求である4モル(モルリシン)-1から決定した。その量は、グルコースからのリシン生成のためには112.4%であり、フルクトースからのリシン生成のためには97.6%であった。グルコースでの総NADPH供給は、フルクトース(112.1%)より有意に高かった(176.7%)が、これは、主に、グルコースではPPP流入が増加するためと考えられる。グルコースの場合、NADPHバランスがほとんど閉じている。対照的に、フルクトースでは、18.3%というNADPHの明らかな欠失が認められた。これにより、既述した酵素グルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ、6-ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼおよびイソクエン酸デヒドロゲナーゼのほかに、NADPHを供給することができる代謝反応を触媒する酵素についての疑問が発生する。可能性の高い候補はNADPH依存性リンゴ酸酵素のようである。グルコースで増殖させた細胞と比較して、フルクトースで増殖させたC. melassecolaに関して、上記酵素の比活性の増加がすでに検出されている(Dominguez, H., C. Rollin, A. Guyonvarch, J. L. Guerquin-Kern, M. Cocaign-BousquetおよびN. D. Lindley. 1998. Eur. J. Biochem. 254:96-102)。しかし、この特定の酵素からの流入は、本発明の試験での実験セットアップによって解明することはできなかった。リンゴ酸酵素を失われたNADPHを生成する酵素として仮定すると、18.3%という流入は、見掛け上失われたNADPHを供給するのに十分である。グルコースを炭素源として用いたC. glutamicumの詳細な流入研究から、リンゴ酸酵素には有意な活性がないことが明らかにされた(Petersen, S., A. A. de Graaf, L. Eggeling, M. Moellney, W. WiechertおよびH. Sahm. 2000. J. Biol. Chem. 75:35932-35941)。しかし、フルクトースを用いた状況は、この酵素のin vivo活性増加と関連すると考えられる。
フルクトースを用いた場合、C. glutamicumは、NADH形成酵素の活性を高めることがわかった。フルクトースでは421.2%のNADHが、グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、2-オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ、およびマレイン酸デヒドロゲナーゼにより形成された。グルコースでは、NADH生成は322.4%しかなかった。加えて、同化NADH要求はフルクトースの方がグルコースより有意に低かった。有意に増加されたNADH生成は代謝要求の低下につながることから、NADH/NAD比を増加させる可能性がある。C. melassecolaの場合には、フルクトースが、グルコースと比べて増加したNADH/NAD比をもたらすことがすでに示されている(Dominguez, H., C. Rollin, A. Guyonvarch, J. L. Guerquin-Kern, M. Cocaign-BousquetおよびN. D. Lindley. 1998. Eur. J. Biochem. 254:96-102)。これによって、フルクトースでのリシン生成中にNADHを再生する機構についての疑問が発生する。フルクトースで増殖させた細胞は、ジヒドロキシアセトン、グリセロールおよび乳酸の増加された分泌を示した。ジヒドロキシアセトンおよびグリセロール形成の増加は、高いNADH/NAD比によるものと考えられる。NADHは、グリセルアルデヒドデヒドロゲナーゼを阻害することがすでに示されており、従って、ジヒドロキシアセトンおよびグリセロールのオーバーフローはこの酵素の流入能力の低下と関連している可能性がある。ジヒドロキシアセトンのグリセロールへの還元は高いNADH/NAD比によってさらに促進されるため、これが過剰NADHの再生に寄与すると考えられる。NADHを要求するピルビン酸からの乳酸形成もグリセロールの生成と同様のバックグラウンドを有すると考えられる。指数的増殖と比較して、比較的高いTCA回路活性および低いバイオマス収量を特徴とするリシン生成条件下でのNADH過剰はさらに高くなるであろう。
得られた流入パターンに基づき、フルクトースでのC. glutamicumによるリシン生成の最適化のためのいくつかの潜在的な標的を作成することができる。重要な点はNADPHの供給である。フルクトース1,6-ビスホスファターゼは、NADPHの供給を増加する1つの標的である。調節解除、例えば、その活性の増幅により、PPPからの高い流入をもたらし、その結果、NADPH生成およびリシン収量を増加させる。フルクトース1,6-ビスホスファターゼの増幅によるPPPからの流入の増加はまた、芳香族アミノ酸の生成にも有益である(Ikeda, M. 2003. Adv. Biochem. Eng. Biotechnol. 79: 1-36)。フルクトースで増殖中のフルクトース1,6-ビスホスファターゼの不活性は、リシン生成の観点から有害であるが、糖での増殖中にこの糖新生酵素は必要ではなく、恐らく抑制されることから、意外ではない。原核生物において、この酵素は、例えば、フルクトース1,6-ビスホスファターゼ、フルクトース2,6-ビスホスファターゼ、金属イオンおよびAMPにより効率的な代謝制御を受けている(Skrypal, I. G.およびO. V. Iastrebova. 2002. Mikrobiol Z. 64:82-94)。C. glutamicumは、酢酸での増殖が可能であることは知られており(Wendisch, V. F., A. A. de Graaf, H. Sahm H. and B. Eikmans. 2000. J. Bacteriol. 182:3088-3096)、その際、この酵素は糖新生を維持するのに必須である。PPPからの流入を増加させる別の潜在的な標的は、フルクトース取込みのためのPTSである。PTSFructoseとPTSMannoseの間の流入分配を改変すると、高い比率のフルクトースを生成することができ、これがフルクトース6-リン酸のレベルで流入するため、PPP流入を増加させる。加えて、フルクトースの場合、恐らくNADPH供給に有意に寄与するリンゴ酸酵素の増幅が興味深い標的となりうる。
菌株構築の第1ステップでは、C. glutamicum ATCC13032におけるLysC野生型遺伝子の対立遺伝子置換が必要である。その際、LysC遺伝子におけるヌクレオチド置換を実施し、これによって、得られるタンパク質、すなわち311位のアミノ酸ThrをIleで置換する。PCR反応の鋳型としてATCC13032由来の染色体DNAから出発し、オリゴヌクレオチドプライマー配列番号3および配列番号4を用いて、Pfu Turbo PCR系(Stratagene USA)の使用により、製造者の使用説明書に従ってlysCを増幅する。C. glutamicum ATCC13032由来の染色体DNAは、Tauchら、(1995) Plasmid 33:168-179またはEikmannsら、(1994) Microbiology 140:1817-1828に従って調製する。増幅した断片は、その5’末端がSalI制限カットに、またその3’末端がMluI制限カットに隣接している。クローニングの前に、増幅した断片をこれら2つの制限酵素により消化し、GFXTM PCR DNAおよびゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia、フライブルグ)を用いて精製する。
5'-GAGAGAGAGACGCGTCCCAGTGGCTGAGACGCATC-3'
配列番号4
5'-CTCTCTCTGTCGACGAATTCAATCTTACGGCCTG-3'
得られたポリヌクレオチドを、SacBを組み込んだpCLIK5 MCSにおいてSalIおよびMluI制限カットを介してクローン化した(以後、pCIS(配列番号5)と呼ぶ)後、E. coli XL-1ブルーに形質転換する。プラスミド保有細胞の選択は、LB寒天を含むカナマイシン(20μg/mL)上で平板培養することにより達成する(Lennox, 1955, Virology, 1:190)。プラスミドを単離し、配列決定により、予想したヌクレオチド配列を確認する。プラスミドDNAの調製は、Quiagen社の方法に従い、その材料を用いて実施する。シークエンシング反応は、Sangerら(1977)Proceedings of the National Academy of Sciences USA 74:5463-5467に従い実施する。シークエンシング反応物をABI Prism 377(PE Applied Biosystems, Weiterstadt)を用いて分離し、分析する。得られたプラスミドpCIS lysCは配列番号6として記載する。
QuickChangeキット(社名:Stratagene/USA)を用いて、製造者の使用説明書に従い、C. glutamicum由来のlysC遺伝子の標的突然変異誘発を実施する。突然変異誘発は、プラスミドpCIS lysC(配列番号6)において実施する。QuickChange法(Stratagene)を用いて、以下に示すオリゴヌクレオチドプライマーを合成し、thr 311を311 ileで置換する:
配列番号7
5'-CGGCACCACCGACATCATCTTCACCTGCCCTCGTTCCG -3'
配列番号8
5'-CGGAACGAGGGCAGGTGAAGATGATGTCGGTGGTGCCG -3'
QuickChange反応にこれらのオリゴヌクレオチドプライマーを用いることにより、lysC遺伝子(配列番号9)において、932位のヌクレオチドの置換(CからT)が達成される。このようにしてlysC遺伝子中のアミノ酸置換Thr311 Ileは、E. coli XL-1ブルーでの形質転換およびプラスミド調製後、シークエンシング反応により確認する。このプラスミドには、pCIS lysC thr311 ileの名称をつけ、配列番号10として列挙する。
C. glutamicum ATCC13032由来の染色体DNAをTauchら、(1995) Plasmid 33:168-179またはEikmannsら(1994)Microbiology 140:1817-1828に従い調製する。
5’- TGGCCGTTACCCTGCGAATG -3’
および
配列番号12
5’- TGTATGTCCTCCTGGACTTC -3’
得られた約200 bpサイズのDNA断片は、GFXTM PCR DNAおよびゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia、フライブルグ)を用いて製造者の使用説明書に従い精製する。
5’- GAAGTCCAGGAGGACATACAATGAACCTAAAGAACCCCGA -3’
および
配列番号14
5’- ATCTACGTCGACCCAGGATGCCCTGGATTTC -3’
得られた約740 bpサイズのDNA断片は、GFXTM PCR DNAおよびゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia、フライブルグ)を用いて製造者の使用説明書に従い精製する。
5’- TATCAACGCGTTCTTCATCGGTAGCAGCACC -3’
および
配列番号16
5’- CATTCGCAGGGTAACGGCCACTGAAGGGCCTCCTGGG -3’
得られた約720 bpサイズのDNA断片は、GFXTM PCR DNAおよびゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia、フライブルグ)を用いて製造者の使用説明書に従い精製する。
Lieblら(1989)FEMS Microbiology Letters 53:299-303に記載されているように、エレクトロポレーションにより、プラスミドpCIS Peftu フルクトース1,6-ビスホファターゼをC. glutamicum ATCC13032に形質転換する。プロトコルの改変については、DE 10046870に記載されている。Sambrookら、(1989), Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harborに記載のように、サザンブロットおよびハイブリダイゼーションによる標準的方法を用いて、個々の形質転換体のフルクトース1,6-ビスホファターゼ遺伝子座の染色体配置を確認する。これにより、形質転換体は、フルクトース1,6-ビスホファターゼ遺伝子座で相同組換えにより形質転換プラスミドを組み込んだものを含むことを確認する。このようなコロニーを、抗生物質を一切含まない培地で一晩増殖させた後、サッカロースCM寒天培地(10%サッカロース)に細胞をプレーティングし、30℃で24時間インキュベートする。
40g/L サッカロース
60g/L 糖蜜(100%糖含有率に関して計算)
10g/L (NH4)2SO4
0.4g/L MgSO4*7H2O
0.6g/L KH2PO4
0.3 mg/L チアミン*HCl
1mg/L ビオチン(NH4OHでpH 8.0に調節した1mg/mL滅菌ろ過原液から)
2mg/L FeSO4
2mg/L MnSO4
NH4OHでpH 7.8に調節し、オートクレーブ処理(121℃、20分)
さらに、ストック液(200μg/mL、滅菌ろ過)からのビタミンB12(ヒドロキシコバラミン;Sigma Chemicals)を最終濃度100μg/Lまで添加する。
C. glutamicum ATCC13032由来の染色体DNAをTauchら(1995) Plasmid 33:168-179またはEikmannsら(1994)Microbiology 140:1817-1828に従い調製する。
5’- tagctgccaattattccggg-3’
および
配列番号19
5’- GGGTAAAAAATCCTTTCGTA -3’
得られた約200 bpサイズのDNA断片は、GFXTM PCR DNAおよびゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia、フライブルグ)を用いて製造者の使用説明書に従い精製する。
5’- CCCGGAATAATTGGCAGCTACTGAAGGGCCTCCTGGG -3’
および
配列番号21
5’- TATCAACGCGTTCTTCATCGGTAGCAGCACC -3’
得られた約720 bpサイズのDNA断片は、GFXTM PCR DNAおよびゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia、フライブルグ)を用いて製造者の使用説明書に従い精製する。
5’- TACGAAAGGATTTTTTACCCATGAACCTAAAGAACCCCGA -3’
および
配列番号23
5’- ATCTACGTCGACCCAGGATGCCCTGGATTTC -3’
得られた約740 bpサイズのDNA断片は、GFXTM PCR DNAおよびゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia、フライブルグ)を用いて製造者の使用説明書に従い精製する。
Lieblら(1989)FEMS Microbiology Letters 53:299-303に記載されているように、エレクトロポレーションにより、プラスミドpCIS Psodフルクトース1,6-ビスホファターゼをC. glutamicum ATCC13032lysCfbrで形質転換する。プロトコルの改変については、DE 10046870に記載されている。Sambrookら(1989), Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harborに記載のように、サザンブロットおよびハイブリダイゼーションによる標準的方法を用いて、個々の形質転換体のフルクトース1,6-ビスホファターゼ遺伝子座の染色体配置を確認する。これにより、形質転換体は、フルクトース1,6-ビスホファターゼ遺伝子座で相同組換えにより形質転換プラスミドを組み込んだものを含むことを確認する。抗生物質を一切含まない培地で、このようなコロニーを一晩増殖させた後、サッカロースCM寒天培地(10%サッカロース)に細胞をプレーティングし、30℃で24時間インキュベートする。
40g/L サッカロース
60g/L 糖蜜(100%糖含有率に対して計算)
10g/L (NH4)2SO4
0.4g/L MgSO4*7H2O
0.6g/L KH2PO4
0.3 mg/L チアミン*HCl
1mg/L ビオチン(NH4OHでpH 8.0に調節した1mg/mL滅菌ろ過ストック液から)
2mg/L FeSO4
2mg/L MnSO4
NH4OHでpH 7.8に調節し、オートクレーブ処理(121℃、20分)
さらに、ストック液(200μg/mL、滅菌ろ過)からのビタミンB12(ヒドロキシコバラミン;Sigma Chemicals)を最終濃度100μg/Lまで添加する。
当業者であれば、本明細書に記載した本発明の具体的実施形態について多数の均等物を認識する、もしくは日常的な実験だけで確認することができよう。このような均等物も、添付の特許請求の範囲に包含されるものとする。
Claims (18)
- 微生物においてペントースリン酸経路を介した代謝流入を増加するための方法であって、ペントースリン酸経路を介した代謝流入が増加するような条件下で、過剰発現させた遺伝子を含む組換え微生物を培養することを含み、前記遺伝子がフルクトース1,6-ビスホスファターゼ遺伝子であり、且つ炭素源としてフルクトースまたはスクロースを用いる、上記方法。
- 炭素源としてフルクトースを用いる、請求項1に記載の方法。
- 前記フルクトース1,6-ビスホスファターゼ遺伝子がコリネバクテリウムに由来する、請求項1に記載の方法。
- 前記遺伝子がフルクトース1,6-ビスホスファターゼをコードする、請求項1に記載の方法。
- 前記フルクトース1,6-ビスホスファターゼが増加した活性を有する、請求項4に記載の方法。
- 前記微生物がグラム陽性微生物である、請求項1に記載の方法。
- 前記微生物がコリネバクテリウム属に属する、請求項1に記載の方法。
- 前記微生物がコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)である、請求項7に記載の方法。
- 前記微生物を発酵させることにより、精密化学物質を生産する、請求項1に記載の方法。
- 前記微生物が、1種以上の別の調節解除遺伝子をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記1種以上の別の調節解除遺伝子が、ask遺伝子、dapA遺伝子、asd遺伝子、dapB遺伝子、ddh遺伝子、lysA遺伝子、lysE遺伝子、pycA遺伝子、zwf遺伝子、pepCL遺伝子、gap遺伝子、zwa1遺伝子、tkt遺伝子、tad遺伝子、mqo遺伝子、tpi遺伝子、pgk遺伝子、およびsigC遺伝子からなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
- 前記1種以上の別の調節解除遺伝子を過剰発現させる、請求項11に記載の方法。
- 前記1種以上の別の調節解除遺伝子が、以下の、
フィードバック耐性アスパルトキナーゼ、ジヒドロジピコリン酸シンターゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ジヒドロジピコリン酸レダクターゼ、ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ、ジアミノピメリン酸エピメラーゼ、リシンエクスポーター、ピルビン酸カルボキシラーゼ、グルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ、RPFタンパク質前駆体、トランスケトラーゼ、トランスアルドラーゼ、メナキニンオキシドレダクターゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ、ならびにRNA-ポリメラーゼσ因子sigCからなる群より選択されるタンパク質をコードする、請求項10に記載の方法。 - 前記タンパク質が増加した活性を有する、請求項13に記載の方法。
- 前記1種以上の別の調節解除遺伝子が、pepCK遺伝子、mal E遺伝子、glgA遺伝子、pgi遺伝子、dead遺伝子、menE遺伝子、citE遺伝子、mikE17遺伝子、poxB遺伝子、zwa2遺伝子、およびsucC遺伝子からなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
- 前記1種以上の別の調節解除遺伝子を減弱、低減、もしくは抑制する、請求項15に記載の方法。
- 前記1種以上の別の調節解除遺伝子が、以下の、
ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ、リンゴ酸酵素、グリコーゲンシンターゼ、グルコース6-リン酸イソメラーゼ、ATP依存性RNAヘリカーゼ、o-スクシニル安息香酸CoAリガーゼ、クエン酸リアーゼβ鎖、転写レギュレーター、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、RPFタンパク質前駆体、ならびにスクシニルCoAシンセターゼから成る群より選択されるタンパク質をコードする、請求項10に記載の方法。 - 前記タンパク質が低減した活性を有する、請求項17に記載の方法。
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