JP4903543B2 - 磁気センサ及びその製造方法 - Google Patents

磁気センサ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4903543B2
JP4903543B2 JP2006328280A JP2006328280A JP4903543B2 JP 4903543 B2 JP4903543 B2 JP 4903543B2 JP 2006328280 A JP2006328280 A JP 2006328280A JP 2006328280 A JP2006328280 A JP 2006328280A JP 4903543 B2 JP4903543 B2 JP 4903543B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
hall elements
distance
plate
sensitivity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006328280A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007333721A (ja
Inventor
曜 山縣
誠 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei EMD Corp
Original Assignee
Asahi Kasei EMD Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei EMD Corp filed Critical Asahi Kasei EMD Corp
Priority to JP2006328280A priority Critical patent/JP4903543B2/ja
Publication of JP2007333721A publication Critical patent/JP2007333721A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4903543B2 publication Critical patent/JP4903543B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、磁気センサ及びその製造方法に関し、より詳細には、ホール素子と磁気増幅機能を有する磁性体とを備え、ホール素子の感磁面の中心位置を磁性体の端部から所定の距離だけ内側に配置された磁気センサ及びその製造方法に関する。
従来から、ホール素子と磁気増幅機能を有する磁性体(磁気収束板)とを組み合わせた磁気センサは知られている。図1は、従来の磁気センサを説明するための構成図である。半導体回路1は、半導体基板3とこの半導体基板3に設けられたホール素子4a,4bからなり、この半導体回路1上には保護層5と接着層6が順次設けられ、さらにその上に磁気収束板2が設けられている。
この種の磁気センサに用いられる磁気収束板を作製するためには、通常、磁性体テープが用いられている。つまり、半導体プロセスによって形成されたホール素子と集積回路上にエポキシ接着剤を塗布し、磁性体テープをこのエポキシ接着剤上に搭載して、3次元の方向を検出する磁気センサを実現していた。この磁気収束板は、厚い磁性体テープをウエットエッチングで加工して作製していた。この場合に、ホール素子の感磁面の中心位置を磁気収束板の円周縁付近に配置するように作製されていた。
なお、ホール素子と磁気増幅機能を有する磁性体(磁気収束板)とを組み合わせた磁気センサに関する特許文献としては、以下のものがある。例えば、特許文献1に記載のものは、磁場の方向を2次元で決定できるようにした磁場方向検出センサに関するもので、平らな形状を有する磁気収束板と、第1のホール効果素子及び第2のホール効果素子とを備え、これらのホール効果素子が磁気収束板の端部領域に配置してなるものである。
また、特許文献2に記載のものは、磁気増幅機能を有する磁気収束板を備え、その磁気収束板の端部より漏れる磁束を半導体ホール素子により検出する磁気センサに関するもので、半導体ホール素子を形成した後、電解鍍金により軟磁性薄膜を堆積して磁気収束板を形成するようにしたもので、スパッタリングにより第1の金属膜であるTi薄膜を堆積させた後、第2の金属膜であるNi−Fe合金薄膜を堆積させたもので、2層構造を有しており、第1の金属層であるTi薄膜は、下地絶縁層とNi−Fe合金薄膜の密着性を上げるためのものである。
特開2002−71381号公報 特開2003−142752号公報
しかしながら、図1に示した磁気センサにおいて、ホール素子の感磁面の中心位置を磁気収束板の円周縁付近に配置してあるので、磁気収束板の直径変動や水平面内の位置ずれに対して、X軸・Y軸の感度のバラツキが大きくなり、X軸・Y軸の感度とZ軸の感度のバランスが悪くなるという問題があった。
なお、上述した特許文献1においては、ホール素子の感磁面の中心位置を磁気収束板の端部領域に配置してあるもので、特許文献2においては、ホール素子の感磁面の中心位置と磁気収束板の端部との関係については言及されていない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ホール素子と磁気増幅機能を有する磁性体とを組み合わせ、ホール素子の感磁面の中心位置を磁性体の端部から所定の距離だけ内側に配置されて、X軸・Y軸の感度変動とZ軸の感度変動を制御した2次元又は3次元磁気センサの提供、そしてX軸・Y軸の感度とZ軸の感度とのバランスを良好にした3次元磁気センサ及びこれらの製造方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、複数のホール素子が設けられた半導体回路と、該半導体回路上に設けられた磁気増幅機能を有する磁性体とを備えた磁気センサにおいて、前記半導体回路上に、前記複数のホール素子の領域を覆うように設けられた中間層と、該中間層上に設けられた円形状の磁気増幅機能を有する磁性体とを備え、前記磁性体の中心位置から前記複数のホール素子の感磁面の中心位置までの距離と、前記磁性体の中心位置からの半径距離との比が87:115〜87:120であり、前記複数のホール素子の感磁面と前記磁性体の底面との距離が10μm以上20μm以下であり、前記磁性体の厚みが15μm以上であることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記中間層が、ポリイミド層と、該ポリイミド層上に設けられたTiW及びCuからなる下地金属層とからなることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記磁性体が、電解めっきにより形成されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、複数のホール素子が設けられた半導体回路と、該半導体回路上に設けられた磁気増幅機能を有する円形状の磁性体とを備えた磁気センサの製造方法において、半導体基板の表面に前記複数のホール素子を埋め込み形成する工程と、前記半導体基板上に、前記複数のホール素子の領域を覆うようにポリイミド層を形成する工程と、該ポリイミド層上に下地金属層を形成する工程と、前記下地金属層上に、前記複数のホール素子上が空隙部となるようにレジストパターンニングによりレジストを形成する工程と、前記下地金属層上の前記空隙部に前記磁気増幅機能を有する磁性体を形成する工程とを有し、前記磁性体の中心位置から前記複数のホール素子の感磁面の各中心位置までの距離と、前記磁性体の中心位置からの半径距離との比が87:115〜87:120であり、前記複数のホール素子の感磁面と前記磁性体の底面との距離が10μm以上20μm以下であり、前記磁性体の厚みが15μm以上であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記下地金属層が、TiWとCuからなることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、前記下地金属層をスパッタリング法により形成することを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項4,5又は6に記載の発明において、前記レジストパターンニングをフォトリソグラフィーにより形成することを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項4乃至7のいずれかに記載の発明において、前記磁性体を電解めっきにより形成することを特徴とする。
本発明によれば、半前記半導体回路上に、複数のホール素子の領域を覆うように設けられた中間層と、この中間層上に設けられた円形状の磁気増幅機能を有する磁性体とを備え、磁性体の中心位置から複数のホール素子の感磁面の中心位置までの距離と、磁性体の中心位置からの半径距離との比が87:115〜87:120であり、複数のホール素子の感磁面と磁性体の底面との距離が10μm以上20μm以下であり、磁性体の厚みが15μm以上であるので、磁気収束板の直径変動や水平面内の位置ずれに対して、X軸・Y軸の感度のバラツキが小さくなり、X軸・Y軸の感度とZ軸の感度とのバランスを良好にした磁気センサを実現できるという効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
図2は、本発明に係る磁気センサの一実施例を説明するための構成図で、図中符号11は半導体回路、12は磁気収束板、13は半導体基板、14a,14bはホール素子、15はポリイミド層(保護層)、16は下地金属層を示している。
本発明の磁気センサは、ホール素子14a,14bが形成された半導体回路11と磁気収束板12とを組み合わせたものである。半導体回路11は、半導体基板13と、この半導体基板13の表面と略平行になるように互いに所定の距離を隔てて半導体基板13の表面に埋め込まれた複数のホール素子14a,14bとから構成されている。
また、集積回路を保護するポリイミド層15は、ホール素子14a,14bの上方に配置されるように半導体回路11上に設けられ、このポリイミド層15上には、TiWとCuからなる下地金属層16が設けられ、ポリイミド層15と下地金属層16とで中間層を構成している。さらに、この下地金属層16上には、磁気増幅機能を有する磁気収束板12が設けられ、この磁気収束板12はNiFeからなっており、円形又は多角形が好ましい。
本発明における複数のホール素子14a,14bの感磁面の中心位置と磁気収束板12の端部間の距離Aは、複数のホール素子14a,14bの感磁面の中心位置が磁気収束板12の中心位置から半径距離の約60〜約90%の領域内に位置するような距離である。あるいは、磁性体(円盤状の磁気収束板の幾何学的な)中心から半径距離の約0.6〜約0.9倍の領域内に位置するような距離である。例えば、磁気収束板の半径が115μmの場合には、115×0.6〜115×0.9=69〜103.5μmの領域内にホール素子の感磁面の中心位置が配置されるようにする。つまり、磁気収束板の端部から11.5〜46μm内側の領域内に感磁面の中心位置を配置する。
実際には、半導体基板に設けられたホール素子の位置に対してその上に磁気収束板が最終的に形成されることになるので、複数のホール素子間距離の中心から、ホール素子の感磁面の中心位置を水平方向に87μmの距離を離して、そこから28μm離れた位置に磁気収束板の端部を配置するようにするためには、半径が115μmの磁気収束板を形成することになる。
例えば、磁気収束板の半径が135μmの場合には、135×0.6〜135×0.9=81〜121μmの領域内にホール素子の感磁面の中心位置が配置されるようにする。つまり、磁気収束板の端部から14〜57μm内側の領域内に感磁面の中心位置を配置する。
実際には、半導体基板に設けられたホール素子の位置に対してその上に磁気収束板が最終的に形成されることになるので、複数のホール素子間距離の中心から、ホール素子の感磁面の中心位置を水平方向に87μmの距離を離して、そこから48μm離れた位置に磁気収束板の端部を配置するようにするためには、半径が135μmの磁気収束板を形成することになる。
なお、図2には示されていないが、実際には半導体回路11と保護層15の間には、(SiOやSiNなどの絶縁層と交互に)IC配線層が設けられている。IC配線最上層から保護するパッシべーション膜は15に含まれる。後述する図9(a)以降の製造方法を説明する図においては、IC配線層等が図示してある。
図3は、本発明の磁気センサにおけるホール素子の周辺の磁束分布を示す図である。図中実線で示した曲線は、水平−垂直磁気変換特性を示している。半導体基板13の端部でそれぞれピーク値を示し、中心に向かってなだらかな傾斜を有している。この特性図から分かるように、半導体基板の内側になだらかな傾斜が存在し、その傾斜部分にホール素子を配置することにより、磁気収束板の直径変動や水平面内の位置ずれに対して、X軸・Y軸の感度のバラツキが小さくなり、X軸・Y軸の感度とZ軸の感度とのバランスを良好にすることができる。
図4は、ホール素子(感磁面の中心位置)から磁気収束板の縁が離れていったときの感度変動傾向を示す図である。磁気収束板の半径(サイズ)が増えていき、ホール素子と磁気収束板の縁との距離が離れていくにつれて感度は低下していくものの、感度変化が小さくなっていくのが分かる。以下では、積分要素法に基づく3次元静磁場解析の結果を示す。比透磁率、ホール素子の水平面内位置を固定して計算してある。縦軸は入力磁界強度に対する磁気増幅度を示している。磁場プロファイル中の直線的な領域になるほど磁気増幅度の変化は一様であることが分かる。
図5は、磁気収束板の直径に対するX軸・Y軸の磁気感度の関係を示す図で、水平方向の磁気感度を示している。ホール素子の水平面内位置を固定した状態で、磁気収束板の厚みと半径Rと、ホール素子の上面と磁気収束板の底面間距離をパラメーターとして計算したものである。
ホール素子の水平面内位置から磁気収束板の縁位置が遠くに離れるにつれて(半径Rが増えていくにつれて)、X軸とY軸の感度が小さくなっていき、磁気収束板の厚みが15μmでは、およそ直径2Rが270μm強で、水平方向の磁気的な増幅度が1となることが分かる。磁気収束板の厚みもバリエーションをいくつか考えると、例えば、磁気収束板の厚み4〜5〜μmも考慮するならば、磁気収束板の直径は280μm程度が妥当である(半径Rでは140μm相当であり、ホール素子の感磁面の中心位置87μmから磁気収束板の端部まで53μmの距離だけ離れており、比では87/140=0.62となる)。
仮に、2R=200μmならば、比は87/100=0.87となる。磁気収束板の出来上がり寸法の公差も加味すると、上限は0.9位は必要となる。
図6は、磁気収束板の直径に対するZ軸の磁気感度の関係を示す図で、垂直方向の磁気感度を示している。ホール素子の水平面内位置を固定した状態で、磁気収束板の厚みと半径Rと、ホール素子の上面と磁気収束板の底面間距離をパラメーターとして計算したものである。
ホール素子の水平面内位置から磁気収束板の縁位置が遠くに離れるにつれて(半径Rが増えていくにつれて)、Z軸の感度が小さくなっていき、磁気収束板の厚みが15μmでは、およそ直径2Rが300μm強で、水平方向の磁気的な増幅度が1となることが分かる。磁気収束板の厚みもバリエーションをいくつか考えると、例えば、磁気収束板の厚み30μmも考慮するならば、磁気収束板の直径は300μm以上が妥当である(半径Rでは150μm相当であり、ホール素子の感磁面の中心位置87μmから磁気収束板の端部まで63μmの距離だけ離れており、比では87/150=0.58となる)。
図7は、磁気収束板の直径に対するX軸・Y軸の磁気感度/Z軸の磁気感度の比の関係を示す図で、水平方向の磁気感度と垂直方向の磁気感度の比を示している。ホール素子の水平面内位置を固定した状態で、磁気収束板の厚みと半径Rと、ホール素子の上面と磁気収束板の底面間距離をパラメーターとして計算したものである。
ホール素子の水平面内位置から磁気収束板の縁位置が遠くに離れるにつれて(半径Rが増えていくにつれて)、X軸とY軸の感度が小さくなっていき、およそ直径2Rが260μm強で、水平方向の磁気的な増幅度と垂直方向の磁気的な増幅度との比が1となることが分かる。磁気収束板の厚みもバリエーションをいくつか考えると、例えば、磁気収束板の厚み4〜5〜μmも考慮するならば、磁気収束板の直径は280μm程度が妥当である(半径Rでは140μm相当であり、ホール素子の感磁面の中心位置87μmから磁気収束板の端部まで53μmの距離だけ離れており、比では87/140=0.62となる)。磁気収束板の出来上がり寸法の公差も加味すると、下限は少なくとも0.6位は必要である。
仮に、ホール素子が(X,Y)=(87,20)μmの位置にある場合は、正確には、各感磁面中心の幾何学的な中心からホール素子の感磁面中心迄の距離は、89.27μmとなる。従って、87から89.27に変更し、プロセスによる磁気収束板の変動幅を仮に2.5μmとし、半径を100〜150μmとした場合は、比は以下の表1のようになる。従って、このケースでは、最小0.58<〜<最大0.92の範囲であれば良い。
Figure 0004903543
図8は、磁気収束板の半径に対する感度変化量の関係を示す図で、磁気収束板のサイズの変動及び垂直方向の離間距離変動に関する磁気感度変動を示している。相対的な感度変化に置き換えて、磁気収束板のサイズ変化に対してプロットしたものである。ホール素子の水平面内位置を固定した状態で、磁気収束板の水平平面内の位置・垂直方向の位置と厚みと半径Rの中心とホール素子上面―磁気収束板底面間距離を決めて、中心半径での感度を基準1として、半径を増減させたときの磁気増幅度の変化をプロットしたものである。 基準とした半径を中心として表示した。ホール素子の水平面内位置から磁気収束板の縁位置が遠くに離れるにつれて(半径Rが増えていくにつれて)、感度変化が一様になっていくことが分かる。
図9は、印加磁界と平行な方向に磁気収束板の位置がシフトした量に対する感度変化量の関係を示す図で、水平面内の磁気収束板の位置ずれに関する磁気感度変動を示している。感度変化を相対的な変化に置き換えて、磁気収束板の位置のシフト量に対してプロットしたものである。ホール素子の水平面内位置を固定した状態で、磁気収束板の厚みと半径Rと、ホール素子の上面と磁気収束板の底面間距離を固定して、(複数のホール素子の各感磁面中心からなる幾何学的な中心と円形状磁気収束板の半径中心が一致した条件の下で)目標半径をセンタとした時の感度を基準に感度変化を表している。ホール素子との水平面内の位置関係において、磁気収束板の縁位置が遠くに離れるにつれて(半径Rが増えていくにつれて)、感度変化が小さくなっていくことが分かる。
図3、図4〜7、表1、図8〜9を基にして、実用的な範囲を挙げる。例えば、磁気収束板半径R=〜96〜100〜130〜150〜[μm]、ホール素子―磁気収束板底面間垂直離間距離=〜9〜10〜11〜12〜20〜[μm]、磁気収束板厚みT=〜4〜10〜16〜30〜[μm]位が実際的な範囲である。
その時の各ホール素子の感磁面中心位置と磁気収束板端部間の距離Aを 磁気収束板半径に対する比で表すと、例えば、半径の0.58〜0.92の領域内に各ホール素子の感磁面中心があるのが、感度バラツキの低減、或いは、X軸・Y軸の感度とZ軸の感度比のバランシングを図る上で望ましい。多少の条件の違いも考慮すると、半径の〜0.55〜0.95〜なる領域が目安となる。
図10(a)〜(c)及び図11(d)〜(f)は、本発明に係る磁気センサの製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。
まず、図10(a)に示すように、SiやGaAsからなる半導体基板13中に、この半導体基板13の表面と同一の平面になるように互いに所定の距離を隔てて複数のホール素子14a,14bを埋め込み形成し、次に、半導体基板13上に、SiOやSiNなどの絶縁層を介しながらIC配線層17を形成して、半導体回路11を形成する(磁気センサチップの作製)。さらにその上に、通常のIC形成時に行われるパッシベーション保護膜やポリイミド膜をパターニングすることにより、半導体回路11上にポリイミドからなる保護層15を5μmの厚さで形成する(ポリイミドパターニング)。
次に、図10(b)に示すように、保護層15上に、Ti、W又はTiW合金からなる膜厚0.01〜1μmの第1の金属膜16aをスパッタリング法又は真空蒸着法により形成する(第1下地層形成)。
次に、図10(c)に示すように、第1の金属膜16a上に、Cuからなる膜厚0.1〜2μmの第2の金属膜16bをスパッタリング法又は真空蒸着法により形成する(第2下地層形成)。この第1下地層及び第2下地層は、UBM層(Under Bump Metal)にあたる。保護層15と下地金属層16a,16bの合計の厚みは約6μmである。
次に、図11(d)に示すように、第2の金属膜16b上に、ホール素子14a,14b上が空隙部18aとなるように、フォトリソグラフィーによるレジストパターンニングによりフォトレジスト18を形成する(レジストパターン形成)。ここにおいて、空隙部18aは、複数のホール素子14a,14bの感磁面の中心位置が、空隙部18aの中心位置から半径距離の0.58〜0.92倍の領域内に位置するように形成する。
次に、図11(e)に示すように、第2の金属膜16b上の空隙部18aに、膜厚5〜30μmの磁気増幅機能を有する磁気収束板12を電解めっきで形成する(磁性体メッキ処理)。これにより、複数のホール素子14a,14bの感磁面の中心位置が、磁気収束板12の中心位置から半径距離の0.58〜0.92倍の領域内に位置することになる。
この磁気収束板12は、Fe−Ni系合金を電解メッキにより作製したもので、パーマロイやスーパーマロイ(Fe−Ni系合金)からなることが好ましく、それにCoを添加したものは、磁気ヒステリシスが減少するのでより好ましい。さらには、パーメンジュール(Fe−Co系合金)又はセンダスト(Fe−Si−Al系合金)からなることが好ましい。
次に、図11(f)に示すように、フォトレジスト18を除去する(レジストパターン除去)。その結果、磁気収束板12が第2の金属膜16b上に残ることになる。
次に、図示しないが、NiFeをマスクとしてCuエッチングする。この場合、NiFeはエッチングされずにCuのみ選択エッチングされる(Cuエッチング)。また、NiFeをマスクとしてTiエッチングする。この場合、NiFeはエッチングされずにTiのみ選択エッチングされる(Tiエッチング)。PAD上のAlなどは選択的にエッチングされない。
最後に、複数の磁気センサチップをダイシングにより単体のチップに分離する(ダイシング)。
このように、磁性体の中心位置から複数のホール素子14a,14bの感磁面の中心位置までの距離と、磁性体の中心位置からの半径距離との比が87:115〜87:120であり、複数のホール素子の感磁面と磁性体の底面との距離が10μm以上20μm以下であり、磁性体の厚みが15μm以上であるので、磁気収束板の直径変動や水平面内の位置ずれに対して、X軸・Y軸の感度のバラツキが小さくなり、(各軸の感度バラツキも含めて)X軸・Y軸の感度とZ軸の感度とのバランスを良好にした磁気センサを実現できる。


従来の磁気センサを説明するための構成図である。 本発明に係る磁気センサの一実施例を説明するための構成図である。 本発明の磁気センサにおけるホール素子の周辺の磁束分布を示す図である。 ホール素子(感磁面の中心位置)から磁気収束板の縁が離れていったときの感度変動傾向を示す図である。 磁気収束板の直径に対するX軸・Y軸の磁気感度の関係を示す図である。 磁気収束板の直径に対するZ軸の磁気感度の関係を示す図である。 磁気収束板の直径に対するX軸・Y軸の磁気感度/Z軸の磁気感度の比の関係を示す図である。 磁気収束板の半径に対する感度変化量の関係を示す図である。 印加磁界と平行な方向に磁気収束板の位置がシフトした量に対する感度変化量の関係を示す図である。 本発明に係る磁気センサの製造方法の一実施例を説明するための工程断面図(その1)である。 本発明に係る磁気センサの製造方法の一実施例を説明するための工程断面図(その2)である。
符号の説明
1 半導体回路
2 磁気収束板
3 半導体基板
4a,4b ホール素子
5 保護層
6 接着層
11 半導体回路
12 磁気収束板
13 半導体基板
14a,14b ホール素子
15 ポリイミド層(保護層)
16 下地金属層
16a 第1の金属膜
16b 第2の金属膜
17 IC配線層
18 フォトレジスト
18a 空隙部

Claims (8)

  1. 複数のホール素子が設けられた半導体回路と、該半導体回路上に設けられた磁気増幅機能を有する磁性体とを備えた磁気センサにおいて、
    前記半導体回路上に、前記複数のホール素子の領域を覆うように設けられた中間層と、
    該中間層上に設けられた円形状の磁気増幅機能を有する磁性体と
    を備え、前記磁性体の中心位置から前記複数のホール素子の感磁面の中心位置までの距離と、前記磁性体の中心位置からの半径距離との比が87:115〜87:120であり、
    前記複数のホール素子の感磁面と前記磁性体の底面との距離が10μm以上20μm以下であり、
    前記磁性体の厚みが15μm以上であることを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記中間層が、ポリイミド層と、該ポリイミド層上に設けられたTiW及びCuからなる下地金属層とからなることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記磁性体が、電解めっきにより形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気センサ。
  4. 複数のホール素子が設けられた半導体回路と、該半導体回路上に設けられた磁気増幅機能を有する円形状の磁性体とを備えた磁気センサの製造方法において、
    半導体基板の表面に前記複数のホール素子を埋め込み形成する工程と、
    前記半導体基板上に、前記複数のホール素子の領域を覆うようにポリイミド層を形成する工程と、
    該ポリイミド層上に下地金属層を形成する工程と、
    前記下地金属層上に、前記複数のホール素子上が空隙部となるようにレジストパターンニングによりレジストを形成する工程と、
    前記下地金属層上の前記空隙部に前記磁気増幅機能を有する磁性体を形成する工程と
    を有し、前記磁性体の中心位置から前記複数のホール素子の感磁面の各中心位置までの距離と、前記磁性体の中心位置からの半径距離との比が87:115〜87:120であり、
    前記複数のホール素子の感磁面と前記磁性体の底面との距離が10μm以上20μm以下であり、
    前記磁性体の厚みが15μm以上であることを特徴とする磁気センサの製造方法。
  5. 前記下地金属層が、TiWとCuからなることを特徴とする請求項4に記載の磁気センサの製造方法。
  6. 前記下地金属層をスパッタリング法により形成することを特徴とする請求項4又は5に記載の磁気センサの製造方法。
  7. 前記レジストパターンニングをフォトリソグラフィーにより形成することを特徴とする請求項4,5又は6に記載の磁気センサの製造方法。
  8. 前記磁性体を電解めっきにより形成することを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の磁気センサの製造方法。
JP2006328280A 2006-05-18 2006-12-05 磁気センサ及びその製造方法 Active JP4903543B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006328280A JP4903543B2 (ja) 2006-05-18 2006-12-05 磁気センサ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006139021 2006-05-18
JP2006139021 2006-05-18
JP2006328280A JP4903543B2 (ja) 2006-05-18 2006-12-05 磁気センサ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007333721A JP2007333721A (ja) 2007-12-27
JP4903543B2 true JP4903543B2 (ja) 2012-03-28

Family

ID=38933318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006328280A Active JP4903543B2 (ja) 2006-05-18 2006-12-05 磁気センサ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4903543B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101768254B1 (ko) * 2013-06-12 2017-08-16 매그나칩 반도체 유한회사 반도체 기반의 자기 센서 및 그 제조 방법

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5194781B2 (ja) 2007-12-26 2013-05-08 ソニー株式会社 表示装置及びその駆動方法と電子機器
JP6222897B2 (ja) * 2012-06-22 2017-11-01 旭化成エレクトロニクス株式会社 多軸磁気センサ、および、その製造方法
JP2017166927A (ja) * 2016-03-15 2017-09-21 エスアイアイ・セミコンダクタ株式会社 磁気センサおよびその製造方法
JP6868963B2 (ja) * 2016-03-15 2021-05-12 エイブリック株式会社 磁気センサおよびその製造方法
JP6701047B2 (ja) * 2016-09-29 2020-05-27 旭化成エレクトロニクス株式会社 磁気センサおよび磁気センサの製造方法
JP2021071488A (ja) * 2021-01-05 2021-05-06 エイブリック株式会社 磁気センサ

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3086476B2 (ja) * 1990-09-04 2000-09-11 旭化成工業株式会社 高感度ホール素子
JP3959881B2 (ja) * 1999-02-08 2007-08-15 Tdk株式会社 磁気抵抗効果センサの製造方法
JP4936299B2 (ja) * 2000-08-21 2012-05-23 メレクシス・テクノロジーズ・ナムローゼフェンノートシャップ 磁場方向検出センサ
JP2003142752A (ja) * 2001-11-01 2003-05-16 Asahi Kasei Corp 磁気センサの製造方法
JP2003294818A (ja) * 2002-03-28 2003-10-15 Asahi Kasei Corp 磁気センサおよびその製造方法
JP4180321B2 (ja) * 2002-07-30 2008-11-12 旭化成エレクトロニクス株式会社 磁気センサおよび磁気センサの製造方法
WO2004013645A1 (de) * 2002-08-01 2004-02-12 Sentron Ag Magnetfeldsensor und verfahren zum betrieb des magnetfeldsensors
JP2004158668A (ja) * 2002-11-07 2004-06-03 Asahi Kasei Corp ハイブリッド磁気センサ及びその製造方法
JP2004257995A (ja) * 2003-02-27 2004-09-16 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 3次元磁気検出装置および半導体装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101768254B1 (ko) * 2013-06-12 2017-08-16 매그나칩 반도체 유한회사 반도체 기반의 자기 센서 및 그 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007333721A (ja) 2007-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4805344B2 (ja) 磁気センサ及びその製造方法
JP4903543B2 (ja) 磁気センサ及びその製造方法
US7698941B2 (en) Sensing unit and method of making same
JP5815353B2 (ja) コイル配線素子およびコイル配線素子の製造方法
US7628071B2 (en) Sensing unit and method of making same
CN104035056B (zh) 磁传感器及其制造方法
JP2004363157A (ja) 薄膜磁気センサ及びその製造方法
JP5064732B2 (ja) 磁気センサ及びその製造方法
EP2071349B1 (en) Magnetism detector and its manufacturing method
JP5064706B2 (ja) 磁気センサ及びその製造方法
JP4760073B2 (ja) 磁気センサおよびその製法
JP2007278733A (ja) 磁気センサ及びその製造方法
JP2007108011A (ja) 磁気センサ及びその製造方法
JP5053559B2 (ja) 磁気センサ
JP4518462B2 (ja) Gmr構造体を製造する方法
CN107369696A (zh) 传感器模块及制造方法
JP4893541B2 (ja) 磁気センサ
JP2891221B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドのモニター素子及びその製造方法
JP2007005702A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP6261707B1 (ja) センサデバイス装置
JP2007278734A (ja) 磁気センサ及びその製造方法
JP2006250678A (ja) 電子デバイス
JPH1154322A (ja) 平面磁気素子とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110617

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20110720

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111227

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4903543

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350