JP4902447B2 - 波長分散補償回路 - Google Patents

波長分散補償回路 Download PDF

Info

Publication number
JP4902447B2
JP4902447B2 JP2007178757A JP2007178757A JP4902447B2 JP 4902447 B2 JP4902447 B2 JP 4902447B2 JP 2007178757 A JP2007178757 A JP 2007178757A JP 2007178757 A JP2007178757 A JP 2007178757A JP 4902447 B2 JP4902447 B2 JP 4902447B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuits
waveguide
lattice
circuit
transversal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007178757A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009015156A (ja
Inventor
浩一 瀧口
学 小熊
浩 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2007178757A priority Critical patent/JP4902447B2/ja
Publication of JP2009015156A publication Critical patent/JP2009015156A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4902447B2 publication Critical patent/JP4902447B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Communication System (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

本発明は、大容量および/または長距離光ファイバ通信において、伝送品質の劣化要因となる光ファイバ中での波長分散を補償する波長分散補償回路に関する。
光ファイバ中での波長分散(すなわち、群遅延時間の波長依存性)の補償方法としては、図1に示すような分散補償ファイバを伝送路の途中に挿入する方法が従来用いられてきた(非特許文献1)。図1において、1は光信号送信機、2は伝送用ファイバ、3は分散補償ファイバ、4は光信号受信機である。所望の波長帯域において、伝送用ファイバ2の分散特性を補償するように、分散補償ファイバ3の断面内屈折率分布を制御して作製し、配置している。
A. M. Vengsarkar and W. A. Reed,"Dispersion-compensatingsingle-mode fibers : efficient designs for first- and second-order compensation,"Opt. Lett., vol.18, pp.924-926, 1993, K. Takiguchi, K. Jinguji, K. Okamoto, and Y. Ohmori,"Variable group-delay dispersion equalizer using lattice-form programmable optical filter on planar lightwave circuit, "J. Sel. Topics Quantum Electron., vol.2, no.2, pp.270-276, 1996 K. Sasayama, M. Okuno, and K. Habara, "Coherent optical transversal filter using silica-based waveguides for high-speed signal processing, "J. Lightwave Technol., vol.9, no.10, pp.1225-1230, 1991 梶原尚文、北山研一、“光信号処理装置、”日本国特許第2768997号
上述の従来の波長分散の補償方法では、分散特性の補償に光ファイバを用いているため、分散補償特性が固定となっている。そのため、温度変動等で分散値が変化した場合の補償が不可能である。
これに対し、ラティス型、あるいはトランスバーサル型回路、光ファイバにおける2次の波長分散用の可変波長分散補償器として用いることができる。なお、2次の波長分散とは、素子の伝達関数における位相を周波数あるいは波長で2階微分した特性のことで、群遅延時間特性を周波数あるいは波長で1階微分した特性にも相当する。分散補償量の増大、回路調整の容易化を目的として、2個以上の上記のいずれかの回路を用意し、入出力を1対ずつ縦続接続する手法が考えられる。しかしながら、この様な構成の場合、周波数(あるいは波長)に対する群遅延時間特性に非線形ひずみが生じ、所望の線型群遅延時間補償特性が得にくくなる。
本発明は、上記のような課題に鑑みて成されたもので、複数の回路の中心周波数をずらさない場合よりも、群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近い少なくとも2個の回路の中心周波数をずらすことによって、全体としての群遅延時間のリプル特性を向上させた特性可変の波長分散補償回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の波長分散補償回路は、2本の導波路を複数箇所で近接させて形成した複数個の方向性結合器を有し、該複数個の方向性結合器間で導波路長が等しい部分と異なる部分とに分かれている、ラティス型回路をQ個(Qは2以上の整数)と、前記ラティス型回路の前記2本の導波路に接続するポートを介して前記Q個のラティス型回路の入出力を1対ずつ縦続接続する接続部とを有し、前記Q個のラティス型回路のうち、少なくとも2個のラティス型回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近く、該少なくとも2個のラティス型回路における所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、該少なくとも2個のラティス型回路の中心波長がFSR(Free Spectral Range)内で互いにずらして設定されていることを特徴とする。
上記目的を達成するため、請求項2の波長分散補償回路は、1本の導波路を分岐部で2本に分岐した後、結合部で再度1本に結合する構成を有し、該分岐部と該結合部の間で2本の導波路を複数箇所で近接させて形成した複数個の方向性結合器を有し、該複数個の方向性結合器間で導波路長が等しい部分と異なる部分とに分かれている、ラティス型回路をQ個(Qは2以上の整数)と、前記ラティス型回路の前記1本の導波路に接続するポートを介して前記Q個のラティス型回路の入出力を1対ずつ縦続接続する接続部とを有し、前記Q個のラティス型回路のうち、少なくとも2個のラティス型回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近く、該少なくとも2個のラティス型回路における所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、該少なくとも2個のラティス型回路の中心波長がFSR(Free Spectral Range)内で互いにずらして設定されていることを特徴とする。
上記目的を達成するため、請求項3の波長分散補償回路は、2本の導波路を複数箇所で近接させて形成した複数個の方向性結合器を有し、該複数個の方向性結合器間で導波路長が等しい部分と異なる部分とに分かれている、第1のラティス型回路をR個(Rは1以上の整数)と、1本の導波路を分岐部で2本に分岐した後、結合部で再度1本に結合する構成を有し、該分岐部と該結合部の間で2本の導波路を複数箇所で近接させて形成した複数個の方向性結合器を有し、該複数個の方向性結合器間で導波路長が等しい部分と異なる部分とに分かれている、第2のラティス型回路をS個(Sは1以上の整数)と、前記第1のラティス型回路の前記2本の導波路に接続するポート、および前記第2のラティス型回路の前記1本の導波路に接続するポートを介して、前記R個の第1のラティス型回路の入出力と前記S個の第2のラティス型回路入出力を任意の組合せで1対ずつ縦続接続する接続部とを有し、前記第1と第2のラティス型回路のうち、少なくとも2個のラティス型回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近く、該少なくとも2個のラティス型回路における所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、該少なくとも2個のラティス型回路の中心波長がFSR(Free Spectral Range)内で互いにずらして設定されていることを特徴とする。
上記目的を達成するため、請求項4の波長分散補償回路は、1本の導波路から光を複数の位置でタップする複数のタップ部と、該複数のタップ部の各タップ導波路を合流する合流部とを有し、最初のタップ部から合流部までの複数の光路の光路長がそれぞれ異なる、トランスバーサル型回路をQ個(Qは2以上の整数)と、前記トランスバーサル型回路の前記1本の導波路に接続するポートを介して前記Q個のトランスバーサル型回路の入出力を1対ずつ縦続接続する接続部とを有し、前記Q個のトランスバーサル型回路のうち、少なくとも2個のトランスバーサル型回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近く、該少なくとも2個のトランスバーサル型回路における所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、該少なくとも2個のトランスバーサル型回路の中心波長がFSR(Free Spectral Range)内で互いにずらして設定されていることを特徴とする。
上記目的を達成するため、請求項5の波長分散補償回路は、1本の導波路をそれぞれ長さが異なる複数の導波路に分岐する分岐器と、該複数の導波路の全部に、あるいは1本を除いて、該導波路の途中に配置された振幅重み付け回路と、該複数の導波路を合流する合流器とを有するトランスバーサル型回路をQ個(Qは2以上の整数)と、前記トランスバーサル型回路の前記1本の導波路に接続するポートを介して前記Q個のトランスバーサル型回路の入出力を1対ずつ縦続接続する接続部とを有し、前記Q個のトランスバーサル型回路のうち、少なくとも2個のトランスバーサル型回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近く、該少なくとも2個のトランスバーサル型回路における所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、該少なくとも2個のトランスバーサル型回路の中心波長がFSR(Free Spectral Range)内で互いにずらして設定されていることを特徴とする。
上記目的を達成するため、請求項6の波長分散補償回路は、1本の導波路から光を複数の位置でタップする複数のタップ部と、該複数のタップ部の各タップ導波路を合流する合流部とを有し、最初のタップ部から合流部までの複数の光路の光路長がそれぞれ異なる、第1のトランスバーサル型回路をR個(Rは1以上の整数)と、1本の導波路をそれぞれ長さが異なる複数の導波路に分岐する分岐器と、該複数の導波路の全部に、あるいは1本を除いて、該導波路の途中に配置された振幅重み付け回路と、該複数の導波路を合流する合流器とを有する第2のトランスバーサル型回路をS個(Sは1以上の整数)と、前記第1のトランスバーサル型回路の前記1本の導波路に接続するポート、および前記第2のトランスバーサル型回路の前記1本の導波路に接続するポートを介して、前記R個の第1のトランスバーサル型回路の入出力と前記S個の第2のトランスバーサル型回路の入出力を任意の組合せで1対ずつ縦続接続する接続部とを有し、前記第1と第2のトランスバーサル型回路のうち、少なくとも2個のトランスバーサル型回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近く、該少なくとも2個のトランスバーサル型回路における所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、該少なくとも2個のトランスバーサル型回路の中心波長がFSR(Free Spectral Range)内で互いにずらして設定されていることを特徴とする。
上記目的を達成するため、請求項7の波長分散補償回路は2本の導波路を複数箇所で近接させて形成した複数個の方向性結合器を有し、該複数個の方向性結合器間で導波路長が等しい部分と異なる部分とに分かれている、ラティス型回路をT個(Tは0以上の整数)と、1本の導波路を分岐部で2本に分岐した後、結合部で再度1本に結合する構成を有し、該分岐部と該結合部の間で2本の導波路を複数箇所で近接させて形成した複数個の方向性結合器を有し、該複数個の方向性結合器間で導波路長が等しい部分と異なる部分とに分かれている、ラティス型回路をU個(Uは0以上の整数、但しT+Uは1以上の整数)と、1本の導波路から光を複数の位置でタップする複数のタップ部と、該複数のタップ部の各タップ導波路を合流する合流部とを有し、最初のタップ部から合流部までの複数の光路の光路長がそれぞれ異なる、トランスバーサル型回路をV個(Vは0以上の整数)と、1本の導波路をそれぞれ長さが異なる複数の導波路に分岐する分岐器と、該複数の導波路の全部に、あるいは1本を除いて、該導波路の途中に配置された振幅重み付け回路と、該複数の導波路を合流する合流器とを有するトランスバーサル型回路をW個(Wは0以上の整数、但しV+Wは1以上の整数)と、前記ラティス型回路のポート、および前記トランスバーサル型回路の前記1本の導波路に接続するポートを介して、前記ラティス型回路の入出力と前記トランスバーサル型回路の入出力を任意の組合せで1対ずつ縦続接続する接続部とを有し、複数個からなる前記ラティス型回路と前記トランスバーサル型回路のうち、少なくとも任意の2個の回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近く、該少なくとも2個の回路における所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、該少なくとも2個の回路の中心波長がFSR(Free Spectral Range)内で互いにずらして設定されていることを特徴とする。
ここで、少なくとも1つの前記ラティス型回路において、前記方向性結合器間の導波路長が異なる部分の中で、回路両端の2か所の導波路長差(ΔL1)と、その他の部分の導波路長差(ΔL2)との間に、ΔL2=2ΔL1の関係があることを特徴とすることができる。
また、少なくとも1つの前記ラティス型回路において、前記方向性結合器間の導波路長が異なる部分の中で、回路両端の2か所の導波路長差(ΔL1)と、その他の部分の導波路長差(ΔL2)との間に、ΔL2=ΔL1の関係があることを特徴とすることができる。
また、少なくとも1つの前記ラティス型回路において、前記方向性結合器間の導波路長が等しい部分と異なる部分が交互に接続され、回路両端では導波路長が等しい部分となることを特徴とすることができる。
また、少なくとも1つの前記ラティス型回路において、前記方向性結合器間の導波路長が等しい部分と異なる部分が交互に接続され、回路両端では導波路長が異なる部分となることを特徴とすることができる。
2個以上のラティス型、あるいはトランスバーサル型回路を用意し、縦続接続する可変波長分散補償回路構成の遅延時間特性は、後述するように、その線形近似特性からのずれ量の絶対値が同一に近く、符号で正負逆になる部分が近接する場合が多い。従って、本発明の上記構成のように、任意の組合わせの少なくとも2個のラティス型、あるいはトランスバーサル型回路を用意し、それら2個の回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近く、2個の回路における所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、その2個の回路の中心波長をFSR(Free Spectral Range)内で互いにずらして設定した上で、その2個の回路の入出力を1対ずつ縦続接続することによって、遅延時間部の非線形ひずみを相殺することができる。その結果、本発明によれば、波長分散補償回路の群遅延時間特性の非線形ひずみを補正することができ、かつ群遅延時間補償特性が改善された可変波長分散補償回路を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明に好適な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図2は、本発明による波長分散補償回路の第1の実施形態の構成例を示す。図2に示すように、本実施形態の波長分散補償回路は、ポート(入出力ポート)10、ラティス型回路11、および接続部12を備える。ラティス型回路11は、例えば図2の一点鎖線の四角枠内に示すように、2本の導波路13を複数箇所で近接させることによって複数の方向性結合器14を構成し、これら方向性結合器14間で導波路長が等しい部分と異なる部分とに分かれている構成を有している。15は導波路の精密位相調節を行う位相調節部である。ラティス型回路11部分の一構成例として、方向性結合器14間で導波路長が等しい部分と異なる部分とが交互に接続され、その両端では導波路長が等しい部分となる構成(すなわち、対称マッハツェンダ型干渉計と、長さの異なる導波路ペアが交互に縦続接続され、両端は対称マッハツェンダ型干渉計となる構成)を図2において一点鎖線の四角枠で示している。
なお、2つのラティス型回路11−1、11−2において、群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が互いにほぼ同じ形状に近い群遅延時間特性が得られれば、対称マッハツェンダ型干渉計の個数、および長さの異なる導波路ペアの個数は、これら2つのラティス型回路11−1、11−2間で必ずしも同じである必要はない。ラティス型回路、および後述のトランスバーサル型回路の場合には、波長分散補償量の絶対値の上限が、方向性結合器間で導波路長が異なる部分の数に依存し、その数が多いほど増加する。しかしながら、その数をあまり増やすと(通常20以上の場合)、回路の調整が難しくなる、あるいは/また同一導波路ウエハ上に全ての構成要素を集積化することが難しくなる。そのため、図1に示すように、2分割(あるいはそれ以上分割)して入出力を1対ずつ縦続接続する構成が用いられる。この場合、通常、ラティス型回路の単位構成(11−1、あるいは11−2)は、ほぼ同一の特性(群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性の特性)に設定される。
シリコン基板上に石英導波路(クラッド:SiO2、コア:SiO2−GeO2)を形成する石英平面光波回路技術を用いて、ポート(入出力ポート)10、ラティス型回路11、および接続部12を作製することで、安定化および低損失化を図っている。位相調節部15はCr、Ta2N等の薄膜ヒータを用い、熱光学効果を用いて導波路の位相調節を行っている。なお、上記石英導波路部分を、半導体導波路、LN(LiNbO3:ニオブ酸リチュウム)等の強誘電体導波路、ポリマー導波路、あるいは光ファイバなど、またはこれらを複合した導波路構成で置き換えることももちろん可能である。この場合、位相調節手段はそれぞれの導波路に適したものが用いられる。例えば、強誘電体導波路の位相調節には電気光学効果が用いられる。
図2の一点鎖線の四角枠内の回路で、ラティス型回路11の位相調節部15を調節することにより、長い波長成分は相対的に短い光路を通り、短い波長成分は相対的に長い光路を通るように、あるいはその逆に、長い波長成分は相対的に長い光路を通り、短い波長成分は相対的に短い光路を通るように任意に設定できる。そのため、ラティス型回路11は可変の波長分散補償器として動作することができる。なお、ラティス型回路単体に関する詳細は、非特許文献2に記載されている。
図2の一点鎖線の四角枠内の回路で、両端に位置する対称マッハツェンダ型干渉計内の位相調節部15−1と15−(N−1)(N:整数)における位相は、π/2+Jπ(J:整数)のいずれかの値に固定しても良い。すなわち初段および/あるいは最後段の対称マッハツェンダ型干渉計は、強度結合率50%の固定方向性結合器、あるいは強度分岐率50%のY分岐導波路で置き換えても良い。この場合、ラティス型回路11は、方向性結合器間で導波路長が等しい部分と、異なる部分が交互に接続され、その両端では導波路長が異なる部分となる構成となる。すなわち、非対称マッハツェンダ型干渉計と長さの等しい導波路ペアが交互に縦続接続され、両端は非対称マッハツェンダ型干渉計となる構成となる。この構成例(すなわち、両端を結合率50%の固定方向性結合器での構成)を図3に示す。また、図3の破線の四角枠AA内には、両端の固定方向性結合器をY分岐導波路16とした構成を示す。Y分岐導波路16を用いた場合は、1本の導波路を分岐部である前段のY分岐導波路16で2本に分岐した後、結合部である後段のY分岐導波路16により再度1本に結合する構成を有し、2つのY分岐導波路16の間で2本の導波路を複数箇所で近接させて形成した複数個の方向性結合器14を有し、複数個の方向性結合器14間で導波路長が等しい部分と異なる部分とに分かれている構成となる。
図3に記載の14−P、15−(P−1)等における、Pは4以上の偶数を表す。なお、両ラティス型回路11−1、11−2はその両方ともに、図2中の一点鎖線の四角枠内の回路、あるいは図3で示す回路である必要はなく、そのそれぞれを1つずつ用いて組み合わせても何ら構わない。また、その組合せ個数も1つずつとは限らず、任意の複数個ずつの組合せでもよい。
図4に、図2の構成における波長分散補償回路の群遅延時間特性の一例を実線で示し、(A)は周波数に対する強度透過特性を示し、(B)は周波数に対する遅延特性を示す。本例では、2つのラティス型回路11−1、11−2の特性は同一に設定している。すなわち、ラティス型回路11−1、11−2の中心周波数も互いに同一にしている。従って、ラティス型回路11−1、11−2の単独特性は、(A)、(B)とも実線の1/2の値となり、その形状を破線で示す。
図4は、両端2か所の長さの異なる導波路ペア{図2の一点鎖線の四角枠内の回路における、方向性結合器14−2、14−3、および14−(N−2)、14−(N−1)間、あるいは、図3の方向性結合器14−1、14−2、および14−(P−1)、14−P間}の導波路長差(ΔL1)と、その他の長さの異なる導波路ペアの導波路長差ΔL2の間に、ΔL2=2ΔL1の関係があり、FSR(Free Spectral Range):100GHz{FSR=c/(nΔL1)}、c:真空中の光速、n:導波路の屈折率、図2の一点鎖線の四角枠内の回路、あるいは図3の回路の方向性結合器間で長さの異なる導波路ペアの個数が12である場合の計算結果を示している。
なお、2つのラティス型回路11−1、11−2において、ΔL2=ΔL1の場合でも、FSRが等しい場合には、ΔL2=2ΔL1の場合と同一の分散可変特性が得られる。しかしながら、ΔL2=2ΔL1の場合には、ΔL2=ΔL1の場合と異なり、対称マッハツェンダ型干渉計内の位相調節部15の位相設定値を同一値に保ちながら変化させることによって、可変波長分散特性を実現できる利点がある。
また、ΔL2=2ΔL1、あるいはΔL2=ΔL1以外の条件の場合(例えば、長さの異なる導波路ペアの導波路長差が全部異なる場合)でも、図4に示す特性、あるいはそれに近似した特性を実現することが可能ではあるが、これには膨大な数の組み合わせの例が存在するので、本明細書ではその説明を省略する。その組合せの事例の詳細は、特許文献1に記載されている。
図4から分かるように、2つのラティス型回路11−1.11−2の中心周波数が互いに等しい場合、理想的な線型遅延特性からのひずみ(すなわち、遅延リプル)が生じる。その遅延リプルは通常、所定の帯域において、群遅延時間特性を最小二乗近似した理想線形特性からのずれ(ピーク・トゥー・ピーク値)で定義される。図4の(B)に示す特性では、遅延リプルは、帯域36GHz(中心から±18GHz)で39.0psである。遅延リプルは光信号の伝送特性に悪影響を及ぼすが、通常20.0ps程度までは許容される。
遅延リプルの大きい部分(図4の(B)中の、破線の丸印(Ci,Di(i=1,2)で指示)は、所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になっており、位置は近接している。そのため、群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性の特性がほぼ同一の2つのラティス型回路11−1.11−2の中心周波数(あるいは波長)を、その特性の形(群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状)をほぼ同一に保持しながら、互いに遅延リプルの大きさの絶対値がほぼ等しく、符号が逆になるように、FSR内で相対的にずらすことによって、上記のひずみ(遅延リプル)を相殺することができる。
図5は、2つのラティス型回路11−1.11−2の中心周波数の差Δfを10GHzに設定した場合の群遅延時間特性を示し、(A)は周波数に対する強度透過特性を示し、(B)は周波数に対する遅延特性を示す。それぞれ長さの異なる破線はラティス型回路11−1,11−2の単独特性、実線はラティス型回路11−1,11−2を接続した場合の特性を示す。ここで、中心周波数の差Δf以外のパラメータは図4の場合と同一に設定した。図5では、遅延リプルは19.0psに低減されている一方、強度透過特性は劣化していない。ラティス型回路11−1.11−2の中心周波数の変化は、方向性結合器14間で長さの異なる導波路ペアに設置された位相調節部15の位相変化量(各位相調節部15で同一値)に比例する。この場合、特性の形(群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状)自体は保持される。従って、方向性結合器間で長さの異なる導波路ペアに設置された位相調節部15への駆動電力を変化させることによって、中心周波数の差Δfを所望の値に変化させることができる。位相調節部15の位相変化量が2πのとき、中心周波数はFSR分ずれる。
図6、図7は、それぞれ、単位ラティス型回路の特性を固定し、2つのラティス型回路11−1.11−2の中心周波数の差Δfのみを変化させた場合の、遅延リプル特性と分散特性の変化を示す。いずれも帯域36GHzの範囲で評価を行い、中心周波数の差Δf以外のパラメータは図4の場合と同一に設定している。分散特性を示す図7と、遅延リプル特性を示す図6とから、中心周波数の差Δf=10GHz付近において、初期設定波長分散値の低下が無く、遅延リプルを20.0ps内に抑えることができることがわかる。波長分散補償値がそれほど大きく必要のない光通信システムでの使用を想定する場合では、波長分散補償値の低下はある程度許容でき、中心周波数の差Δf=15GHz付近で遅延リプルは最小値をとる。
図2においては、2個のラティス型回路11−1.11−2を縦続接続した場合を示しているが、もちろん図2の一点鎖線の四角枠内の回路、図3の回路を任意の個数ずつ用いて3個以上を縦続接続しても良い。そのような場合でも、ラティス型回路は線形素子であるので、複数個のラティス型回路から、任意の2個のみを選択し、選択した2個の回路の特性をほぼ同一形状(群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状がほぼ同じ)に設定し、それらの中心周波数をFSR内で上述のように互いにずらして接続した場合でも、遅延リプル低減の効果が生ずる。また、4個以上のラティス型回路が接続された場合に、2個のペアを複数ペア選択し、それぞれのペア内で群遅延時間特性をほぼ同一のカーブ形状に設定し、それらの中心周波数をFSR内で互いにずらして接続すれば、2個のみに本操作を施す場合よりも遅延リプル低減の効果は大きくなる。また、そのペア数が多くなるほど遅延リプル低減の効果は大きくなる。この場合、ペア間での群遅延時間特性の同一のカーブ形状、および中心周波数のずれの設定は、それぞれのペア内の遅延リプル特性に応じて独立して行ってよい。
(第2の実施形態)
図8は、本発明による波長分散補償回路の第2実施形態の構成例を示す。図8に示すように、本実施形態の波長分散補償回路は、ポート(入出力ポート)20、トランスバーサル型回路21、および接続部22を備える。トランスバーサル型回路21の一例を一点鎖線の四角枠内に示す。一点鎖線の四角枠内に示すトランスバーサル型回路21は、入力導波路23からの光を複数の位置で、1入力(あるいは2入力)、2出力構成の対称マッハツェンダ型干渉計24を用いてタップし、タップした複数の光を、複数のタップ導波路25と位相調節部26とを介して、合流器27に接続し、合流器27を用いて複数の光を出力導波路28に合流する構成を備えている。最初のタップ部24−1からタップ導波路25を経て出力導波路28に至るK個(K:2以上の整数)の部分の各長さは、それぞれ異なるように設定されている。通常は長さの差ΔLが順次、ΔL=c/(nFSR)となるように設定する(c:真空中の光速、n:導波路の屈折率)。
図8の一点鎖線の四角枠内の回路で、タップ部24の分配率、および位相調節部26の位相を調節することにより、長い波長成分は相対的に短い光路を通り、短い波長成分は相対的に長い光路を通るように、あるいはその逆に、長い波長成分は相対的に長い光路を通り、短い波長成分は相対的に短い光路を通るように任意に設定できる。そのため、トランスバーサル型回路21は可変の波長分散補償器として動作することができる。なお、トランスバーサル型回路単体に関する詳細は、非特許文献3に記載されている。
トランスバーサル型回路の他の構成例を図9に示す。図9に示すように、このトランスバーサル型回路は、入力導波路30からの光を分岐器31によりそれぞれ長さが異なる複数の導波路32に分岐し、その複数の導波路32の全部の途中に、あるいは1本を除いて残りの全部の途中において、1入力(あるいは2入力)、2出力構成の対称マッハツェンダ型干渉計型振幅重み付け回路33がそれぞれ配置され、重み付け回路33の出力側の複数の導波路34が、位相調節部35を介して合流器36に接続し、複数の光を合流器36を用いて出力導波路37に合流する構成を備えている。図9の回路の基本動作原理は図8の一点鎖線の四角枠内の回路と同じであって、M(M:2以上の整数)=Kの場合、図8の一点鎖線の四角枠内の回路と同じ可変波長分散特性が得られる。
なお、図8、図9で示した合流器27,36および分岐器24として、Y分岐導波路、あるいは方向性結合器、あるいは対称マッハツェンダ型干渉計をツリー状に配置したもの、多モード干渉(MMI)カプラ、スターカプラなどを用いることができる。
K=M=13の場合で、図8、図9に示す回路における特性を計算した結果、図4と同じ群遅延時間特性が得られることを確認した。そのため、図2の構成と同様に、群遅延時間特性がほぼ同一のトランスバーサル型回路21を2つ用意して、これらを縦続接続し、これらトランスバーサル型回路21−1,21−2の中心周波数を、群遅延時間特性のカーブ形状を保持しながらFSR内で相対的にずらして、群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように調整することによって、遅延リプルを低減することができる。すなわち、図8、図9の構成を用いることによっても、図5〜図7に示した特性を実現することができる。なお、上記の調整を行うには、位相調節部26,35のシフト量を同一値で変化させる。中心波長のずれはこのシフト量に比例し、シフト量が2πのときFSR分ずれる。
なお、トランスバーサル型回路21−1、21−2は、両方ともに、図8中の一点鎖線の四角枠内の回路、あるいは図9の回路である必要はなく、そのそれぞれを1つずつ用いて組み合わせても構わない。また、その組合せ個数も1つずつとは限らず、任意の複数個ずつの組合せでもよい。
トランスバーサル型回路21を図8の一点鎖線の四角枠の回路、図9の回路を任意の個数ずつ用いて、3個以上接続する場合に、トランスバーサル型回路21は線形素子であるので、複数個のトランスバーサル型回路21から任意の2個のみを選択し、それら選択した2個の回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性の特性をほぼ同一カーブ形状に設定し、その中心周波数をFSR内で互いにずらして接続した場合でも、遅延リブル低減の効果が生ずる。また、4個以上のトランスバーサル型回路21が接続された場合に、2個のペアを複数ペア選択し、それぞれのペア内での群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性の特性をほぼ同一のカーブ形状に設定し、それらの中心周波数をFSR内で互いにずらして接続すれば、2個のみに本操作を施す場合よりも遅延リブル低減の効果は大きくなる。また、そのペア数が多くなるほど遅延リプル低減の効果は大きくなる。この場合、ペア間での特性の同一のカーブ形状、および中心周波数のずれの設定は、それぞれのペア内の遅延リプル特性に応じて独立で行ってよい。
(第3の実施形態)
図10は、本発明による波長分散補償回路の第3実施形態の構成例を示す。図10に示すように、本実施形態の波長分散補償回路は、ポート(入出力ポート)40、ラティス型あるいはトランスバーサル型回路41(ただし41−1、41−2は互いに異なる型の回路とする)、および接続部42を備える。41−1、41−2のそれぞれに、ラティス型回路(図2の一点鎖線の四角枠内の回路Aと同じ構成)、トランスバーサル型回路(図8の一点鎖線の四角枠内の回路Bと同じ構成)を配置した例を示す。ラティス型回路、トランスバーサル型回路を入れ替えて接続しても良い。また、ラティス型回路、トランスバーサル型回路は、それぞれ、図3、図9に示す構成の回路でもよい。
第1の実施形態、および第2の実施形態についての説明により、特性がほぼ同一のラティス型回路とトランスバーサル型回路を接続した場合でも、それらの中心周波数を、群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性の特性のカーブの形状を保持しながら、FSR内で相対的にずらし、群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、2個の回路の特性を調整することによって、遅延リプルを低減することができる。すなわち、図10に示す構成を用いることによっても、図5〜図7に示す特性を実現することができる。
ラティス型回路、トランスバーサル型回路を、任意の構成、任意の個数ずつ用いて3個以上縦続接続する場合に、ラティス型回路、トランスバーサル型回路は線形素子であるので、複数個のそれらの回路から任意の2個のみを選択し、それら選択した2の回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性の特性をほぼ同一のカーブ形状に設定し、その中心周波数をFSR内で互いにずらして接続した場合でも、遅延リプル低減の効果が生ずる。また、ラティス型回路、トランスバーサル型回路が4個以上接続された場合に、2個のペアを複数ペア選択し、それぞれのペア内で群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性の特性をほぼ同一のカーブ形状に設定し、それらの中心周波数を互いにずらして接続すれば、2個のみに本操作を施す場合よりも遅延リプル低減の効果は大きい。また、ペア数が多くなるほど遅延リプル低減の効果は大きくなる。この場合、ペア間での特性の同一のカーブ形状、および中心周波数のずれの設定は、それぞれのペア内の遅延リプル特性に応じて独立で行ってよい。
(他の実施の形態)
上記では、本発明の好適な実施形態を例示して説明したが、本発明の実施形態は上記例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内であれば、その構成部材等の置換、変更、追加、個数の増減、形状の設計変更等の各種変形は、全て本発明の実施形態に含まれる。
従来の波長分散の補償手段を示す回路図である。 本発明による可変波長分散補償回路の第1の実施形態の構成例を示す回路図である。 図2に示すラティス型回路の別の構成例を示す回路図である。 図2の構成の可変波長分散補償回路における特性の周波数依存性の一例を示す特性図である。 図2の構成の可変波長分散補償回路における特性の周波数依存性の他の例を示す特性図である。 図2の構成の可変波長分散補償回路における中心周波数差に対する遅延リプルの一例を示す特性図である。 図2の構成の可変波長分散補償回路における中心周波数差に対する分散特性の一例を示す特性図である。 本発明による可変波長分散補償回路の第2の実施形態の構成例を示す回路図である。 図8に示すトランスバーサル型回路の別の構成例を示す回路図である。 本発明による可変波長分散補償回路の第3の実施形態の構成例を示す回路図である。
符号の説明
1 光信号送信機
2 伝送用ファイバ
3 分散補償ファイバ
4 光信号受信機
10,20,40 ポート
11 ラティス型回路
12,22,42 接続部
13,32,34 導波路
14 方向性結合器
15,26,35 位相調節部
16 Y分岐導波路
21 トランスバーサル型回路
23,30 入力導波路
24,33 対称マッハツェンダ型干渉計
25 タップ導波路
27,36 合流器
28,37 出力導波路
31 分岐器
41 ラティス型あるいはトランスバーサル型回路

Claims (11)

  1. 2本の導波路を複数箇所で近接させて形成した複数個の方向性結合器を有し、該複数個の方向性結合器間で導波路長が等しい部分と異なる部分とに分かれている、ラティス型回路をQ個(Qは2以上の整数)と、
    前記ラティス型回路の前記2本の導波路に接続するポートを介して前記Q個のラティス型回路の入出力を1対ずつ縦続接続する接続部とを有し、
    前記Q個のラティス型回路のうち、少なくとも2個のラティス型回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近く、該少なくとも2個のラティス型回路における所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、該少なくとも2個のラティス型回路の中心波長がFSR(Free Spectral Range)内で互いにずらして設定されていることを特徴とする波長分散補償回路。
  2. 1本の導波路を分岐部で2本に分岐した後、結合部で再度1本に結合する構成を有し、該分岐部と該結合部の間で2本の導波路を複数箇所で近接させて形成した複数個の方向性結合器を有し、該複数個の方向性結合器間で導波路長が等しい部分と異なる部分とに分かれている、ラティス型回路をQ個(Qは2以上の整数)と、
    前記ラティス型回路の前記1本の導波路に接続するポートを介して前記Q個のラティス型回路の入出力を1対ずつ縦続接続する接続部とを有し、
    前記Q個のラティス型回路のうち、少なくとも2個のラティス型回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近く、該少なくとも2個のラティス型回路における所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、該少なくとも2個のラティス型回路の中心波長がFSR(Free Spectral Range)内で互いにずらして設定されていることを特徴とする波長分散補償回路。
  3. 2本の導波路を複数箇所で近接させて形成した複数個の方向性結合器を有し、該複数個の方向性結合器間で導波路長が等しい部分と異なる部分とに分かれている、第1のラティス型回路をR個(Rは1以上の整数)と、
    1本の導波路を分岐部で2本に分岐した後、結合部で再度1本に結合する構成を有し、該分岐部と該結合部の間で2本の導波路を複数箇所で近接させて形成した複数個の方向性結合器を有し、該複数個の方向性結合器間で導波路長が等しい部分と異なる部分とに分かれている、第2のラティス型回路をS個(Sは1以上の整数)と、
    前記第1のラティス型回路の前記2本の導波路に接続するポート、および前記第2のラティス型回路の前記1本の導波路に接続するポートを介して、前記R個の第1のラティス型回路の入出力と前記S個の第2のラティス型回路入出力を任意の組合せで1対ずつ縦続接続する接続部とを有し、
    前記第1と第2のラティス型回路のうち、少なくとも2個のラティス型回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近く、該少なくとも2個のラティス型回路における所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、該少なくとも2個のラティス型回路の中心波長がFSR(Free Spectral Range)内で互いにずらして設定されていることを特徴とする波長分散補償回路。
  4. 1本の導波路から光を複数の位置でタップする複数のタップ部と、該複数のタップ部の各タップ導波路を合流する合流部とを有し、最初のタップ部から合流部までの複数の光路の光路長がそれぞれ異なる、トランスバーサル型回路をQ個(Qは2以上の整数)と、
    前記トランスバーサル型回路の前記1本の導波路に接続するポートを介して前記Q個のトランスバーサル型回路の入出力を1対ずつ縦続接続する接続部とを有し、
    前記Q個のトランスバーサル型回路のうち、少なくとも2個のトランスバーサル型回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近く、該少なくとも2個のトランスバーサル型回路における所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、該少なくとも2個のトランスバーサル型回路の中心波長がFSR(Free Spectral Range)内で互いにずらして設定されていることを特徴とする波長分散補償回路。
  5. 1本の導波路をそれぞれ長さが異なる複数の導波路に分岐する分岐器と、該複数の導波路の全部に、あるいは1本を除いて、該導波路の途中に配置された振幅重み付け回路と、該複数の導波路を合流する合流器とを有するトランスバーサル型回路をQ個(Qは2以上の整数)と、
    前記トランスバーサル型回路の前記1本の導波路に接続するポートを介して前記Q個のトランスバーサル型回路の入出力を1対ずつ縦続接続する接続部とを有し、
    前記Q個のトランスバーサル型回路のうち、少なくとも2個のトランスバーサル型回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近く、該少なくとも2個のトランスバーサル型回路における所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、該少なくとも2個のトランスバーサル型回路の中心波長がFSR(Free Spectral Range)内で互いにずらして設定されていることを特徴とする波長分散補償回路。
  6. 1本の導波路から光を複数の位置でタップする複数のタップ部と、該複数のタップ部の各タップ導波路を合流する合流部とを有し、最初のタップ部から合流部までの複数の光路の光路長がそれぞれ異なる、第1のトランスバーサル型回路をR個(Rは1以上の整数)と、
    1本の導波路をそれぞれ長さが異なる複数の導波路に分岐する分岐器と、該複数の導波路の全部に、あるいは1本を除いて、該導波路の途中に配置された振幅重み付け回路と、該複数の導波路を合流する合流器とを有する第2のトランスバーサル型回路をS個(Sは1以上の整数)と、
    前記第1のトランスバーサル型回路の前記1本の導波路に接続するポート、および前記第2のトランスバーサル型回路の前記1本の導波路に接続するポートを介して、前記R個の第1のトランスバーサル型回路の入出力と前記S個の第2のトランスバーサル型回路の入出力を任意の組合せで1対ずつ縦続接続する接続部とを有し、
    前記第1と第2のトランスバーサル型回路のうち、少なくとも2個のトランスバーサル型回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近く、該少なくとも2個のトランスバーサル型回路における所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、該少なくとも2個のトランスバーサル型回路の中心波長がFSR(Free Spectral Range)内で互いにずらして設定されていることを特徴とする波長分散補償回路。
  7. 2本の導波路を複数箇所で近接させて形成した複数個の方向性結合器を有し、該複数個の方向性結合器間で導波路長が等しい部分と異なる部分とに分かれている、ラティス型回路をT個(Tは0以上の整数)と、
    1本の導波路を分岐部で2本に分岐した後、結合部で再度1本に結合する構成を有し、該分岐部と該結合部の間で2本の導波路を複数箇所で近接させて形成した複数個の方向性結合器を有し、該複数個の方向性結合器間で導波路長が等しい部分と異なる部分とに分かれている、ラティス型回路をU個(Uは0以上の整数、但しT+Uは1以上の整数)と、
    1本の導波路から光を複数の位置でタップする複数のタップ部と、該複数のタップ部の各タップ導波路を合流する合流部とを有し、最初のタップ部から合流部までの複数の光路の光路長がそれぞれ異なる、トランスバーサル型回路をV個(Vは0以上の整数)と、
    1本の導波路をそれぞれ長さが異なる複数の導波路に分岐する分岐器と、該複数の導波路の全部に、あるいは1本を除いて、該導波路の途中に配置された振幅重み付け回路と、該複数の導波路を合流する合流器とを有するトランスバーサル型回路をW個(Wは0以上の整数、但しV+Wは1以上の整数)と、
    前記ラティス型回路のポート、および前記トランスバーサル型回路の前記1本の導波路に接続するポートを介して、前記ラティス型回路の入出力と前記トランスバーサル型回路の入出力を任意の組合せで1対ずつ縦続接続する接続部とを有し、
    複数個からなる前記ラティス型回路と前記トランスバーサル型回路のうち、少なくとも任意の2個の回路の群遅延時間の周波数(あるいは波長)依存性のカーブの形状が同一に近く、該少なくとも2個の回路における所定の動作帯域の群遅延時間とその線形近似特性とのずれ量の絶対値が同一に近く符号が正負逆になる2つの部分が近づくように、該少なくとも2個の回路の中心波長がFSR(Free Spectral Range)内で互いにずらして設定されていることを特徴とする波長分散補償回路。
  8. 少なくとも1つの前記ラティス型回路において、前記方向性結合器間の導波路長が異なる部分の中で、回路両端の2か所の導波路長差(ΔL1)と、その他の部分の導波路長差(ΔL2)との間に、ΔL2=2ΔL1の関係があることを特徴とする請求項1ないし3、および7のいずれかに記載の波長分散補償回路。
  9. 少なくとも1つの前記ラティス型回路において、前記方向性結合器間の導波路長が異なる部分の中で、回路両端の2か所の導波路長差(ΔL1)と、その他の部分の導波路長差(ΔL2)との間に、ΔL2=ΔL1の関係があることを特徴とする請求項1ないし3、および7のいずれかに記載の波長分散補償回路。
  10. 少なくとも1つの前記ラティス型回路において、前記方向性結合器間の導波路長が等しい部分と異なる部分が交互に接続され、回路両端では導波路長が等しい部分となることを特徴とする請求項1ないし3、および7ないし9のいずれかに記載の波長分散補償回路。
  11. 少なくとも1つの前記ラティス型回路において、前記方向性結合器間の導波路長が等しい部分と異なる部分が交互に接続され、回路両端では導波路長が異なる部分となることを特徴とする請求項1ないし3、および7ないし9のいずれかに記載の波長分散補償回路。
JP2007178757A 2007-07-06 2007-07-06 波長分散補償回路 Active JP4902447B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007178757A JP4902447B2 (ja) 2007-07-06 2007-07-06 波長分散補償回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007178757A JP4902447B2 (ja) 2007-07-06 2007-07-06 波長分散補償回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009015156A JP2009015156A (ja) 2009-01-22
JP4902447B2 true JP4902447B2 (ja) 2012-03-21

Family

ID=40356090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007178757A Active JP4902447B2 (ja) 2007-07-06 2007-07-06 波長分散補償回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4902447B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103842768B (zh) * 2011-09-26 2017-05-24 视乐有限公司 光学相干断层成像技术
CN107250857B (zh) * 2015-02-19 2020-03-17 日本电信电话株式会社 带波形整形功能的多级干涉仪电路、多载波光发送机以及多载波光接收机

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2768997B2 (ja) * 1989-10-06 1998-06-25 日本電信電話株式会社 光信号処理装置
JPH06261348A (ja) * 1993-03-02 1994-09-16 Toshiba Corp 可変光遅延回路
JP3262312B2 (ja) * 1995-09-05 2002-03-04 日本電信電話株式会社 光分散等化器
JP2001189696A (ja) * 1999-10-19 2001-07-10 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 分散スロープ補償器
JP2001177473A (ja) * 1999-12-15 2001-06-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> トランスバーサル型光フィルタ
JP3740357B2 (ja) * 2000-09-01 2006-02-01 日本電信電話株式会社 群遅延特性を改良した光合分波器
JP3920245B2 (ja) * 2002-07-10 2007-05-30 日本電信電話株式会社 多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法
JP3832743B2 (ja) * 2002-10-04 2006-10-11 日本電信電話株式会社 導波路型多チャネル波長分散補償器及びそれを用いた光モジュール
JP4550630B2 (ja) * 2005-03-11 2010-09-22 古河電気工業株式会社 可変分散補償器
JP4709694B2 (ja) * 2006-06-08 2011-06-22 日本電信電話株式会社 波長分散補償回路

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009015156A (ja) 2009-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10050717B2 (en) Multi-stage interferometer circuit with waveform shaping function
Doerr et al. Advances in silica planar lightwave circuits
JP5261542B2 (ja) 光回路装置
JP5520415B2 (ja) 光変調器
EP1426800B1 (en) Optical multi/demultiplexing circuit equipped with phase generating device
US8781331B2 (en) Controllable optical add/drop multiplexer
US10274680B2 (en) Delay line interferometer with polarization compensation at selective frequency
US6724957B2 (en) Optical filter
JP5868341B2 (ja) 光合分波器
JP4022766B2 (ja) 波長分散デバイス
JP4902447B2 (ja) 波長分散補償回路
JP3863815B2 (ja) 光合分波器
JP4709694B2 (ja) 波長分散補償回路
US8699834B2 (en) Bandwidth adjustable bandpass filter
Doerr et al. Planar lightwave circuits in fiber-optic communications
JP4197126B2 (ja) 光スイッチ及び光波長ルータ
JP2004199046A (ja) 位相生成機能を備えた光合分波回路
Madsen Optical filter synthesis
JP4783389B2 (ja) 波長分散および波長分散スロープの可変補償器
Mizuno et al. Interleave filter based on coherent optical transversal filter
Ikuma et al. Circulator-free reflection-type tunable optical dispersion compensator using tandem arrayed-waveguide gratings
JP2005195889A (ja) 光フィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090715

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100519

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100519

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100909

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111222

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4902447

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350