JP3920245B2 - 多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多段マッハツェンダ型光回路の特性の調整方法およびその方法により特性調整された多段マッハツェンダ型光回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
大量の情報を伝送する手段として、光領域での波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)通信システムが広く用いられている。このWDM通信システムにおいて、対称マッハツェンダ型干渉計若しくは非対称マッハツェンダ型干渉計のいずれか一方または両方を縦列接続した多段マッハツェンダ型光回路は、特性可変の波長フィルタ、分散補償器、利得等化器などを実現可能なデバイスとして用いられている。
【0003】
上記多段マッハツェンダ型光回路において、所望の特性を実現するためには、各干渉計の光路長差を光信号の波長以下のオーダで正確に設定する必要がある。しかしながら、作製プロセスの誤差などにより、光路長差の設計値からのずれ(位相誤差)がたびたび生じる。この位相誤差を補償する手段として、各干渉計上に屈折率を制御する位相制御部を設け、その位相制御部による屈折率制御によって、干渉計での光信号の位相制御が行われる。そのため、各干渉計上の位相特性を測定した上で、位相制御部の制御を行なう必要がある。このような多段マッハツェンダ型光回路における特性の調整方法を、図1および図2を用いて説明する。
【0004】
図1は多段マッハツェンダ型光回路の特性の従来の調整方法を説明するための図であり、図2は対称マッハツェンダ型干渉計に設けられた位相制御部を用いて位相をφ変化させた際の光出力の強度特性を説明するための図である。
【0005】
図1は、多段マッハツェンダ型光回路として最も一般的に用いられる構成例の概念であり、対称マッハツェンダ型干渉計と非対称マッハツェンダ型干渉計とが交互に縦列接続されて光回路を構成している。
【0006】
より具体的に説明すると、対称マッハツェンダ型干渉計は、前方側に配置されて光信号を分岐・結合する方向性結合器211と、後方側に配置されて光信号を分岐・結合する方向性結合器212と、これら方向性結合器211と方向性結合器212とにより挟まれて互いに同一の光路長となるように設定された2つの光導波路と、方向性結合器211と方向性結合器212とにより挟まれた2つの光導波路の一方に配設されて光信号の位相を制御する位相制御部221とで構成されている。一方、非対称マッハツェンダ型干渉計は、前方側に配置されて光信号を分岐・結合する方向性結合器212と、後方側に配置されて光信号を分岐・結合する方向性結合器213と、これら方向性結合器212と方向性結合器213とにより挟まれて互いに異なる光路長となるように設定された2つの光導波路と、方向性結合器212と方向性結合器213とにより挟まれた2つの光導波路の一方に配設されて光信号の位相を制御する位相制御部222とで構成されている。そして多段マッハツェンダ型光回路は、上述した構成を有する対称マッハツェンダ型干渉計と非対称マッハツェンダ型干渉計とが、方向性結合器212を共有しつつ交互に縦列接続されて構成される。また、多段マッハツェンダ型光回路の最前方には、光信号の入力部分となる光導波路241、242が配設される。
【0007】
上記多段マッハツェンダ型光回路では、上記構成の対称マッハツェンダ型干渉計と非対称マッハツェンダ型干渉計とが交互に縦列接続されることにより多段構成されるため、図1において、方向性結合器を符号211〜21Mで示し、位相制御部を221〜22Lで示した。また、モニタ用ポートを231〜234で示し、被測定干渉計を25、モニタ用ポートが付加された干渉計部を26で示した。なお、方向性結合器211〜21Mは1つの線で表しているが、実際には、方向性結合器211〜21Mは、2つの光導波路が、適切な間隔を有して平行に近接されて設けられるものである。
【0008】
このような構成の多段マッハツェンダ型光回路の特性を調整するための従来方法では、図1中のモニタ用ポート231〜234が付加された干渉計部26のように、測定対象となる被測定干渉計の前後段にモニタ用ポートを近接して設ける(非特許文献1参照)。例えば、被測定干渉計25の特性の調整を行う場合、被測定干渉計25の前段に設けたモニタ用ポート231又は232から光信号を入射し、被測定干渉計25の位相制御部22J-1によって光導波路の位相を変化させ、被測定干渉計25の後段に設けたモニタ用ポート233又は234からの出力光の強度変化を測定する。なお、各々のモニタ用ポート231〜234は、方向性結合器21K-5、21K-4、21K+1、21K+2により、被測定干渉計25の前後段に接続される。また、被測定干渉計25内に示す方向性結合器21K-2、21K-1は、前段側あるいは後段側の他の被測定干渉計のためのモニタ用ポートを接続するためのものである。
【0009】
被測定干渉計25のために設けられたモニタ用ポート231と233との間では、同一の光路長となるように設定された2本の光導波路が設けられて対称マッハツェンダ型干渉計が構成され、位相制御部22J-1による位相変化φに応じて図2に示すような出力光の強度変化が生じる。したがって、この強度変化を測定することにより、被測定干渉計25の位相制御部22J-1の駆動量(位相制御信号に相当)を把握し、位相制御部22J-1に適切な駆動量を設定することで、光信号の位相に所望の特性をもたせることができる。なお、図2の位相−出力光強度のグラフは、方向性結合器21K-3、21Kの結合率を50%(3dB方向性結合器)とし、最大強度で強度の規格化をして計算したものである。
【0010】
なお、図1では、モニタ用ポートを用いる部分と用いない部分との違いを明確にするために、干渉計部26にのみモニタ用ポート231〜234を設置した構成を示した。しかし実際には、マッハツェンダ型光回路の入出力部となる両端の干渉計を除くすべての干渉計の前後段にモニタ用ポートを設置し、他の干渉計も同様の手順を用いて位相特性の測定と設定を実行する。マッハツェンダ型光回路の入出力部となる両端の干渉計は、入力用ポートまたは出力用ポートとなる光導波路をモニタ用ポートとして使用可能でありわざわざモニタ用ポートを設ける必要はない。
【0011】
【非特許文献1】
K. Takiguchi et. al., IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS, VOL. 6, NO.1, pp.86-88 (1994)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の特性調整方法では、上述したように、多段マッハツェンダ型光回路の干渉計の前後段にモニタポートを近接して設ける構成をとる必要があるため、(1)モニタポートの設置により素子規模が大きくなってしまう点、および、(2)モニタポートへの漏れ光が生じてデバイス損失が増加してしまう点、が問題となる。
【0013】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、モニタ用ポートを設けることなく、多段マッハツェンダ型光回路の特性を正確かつ簡便に調整可能とする方法およびその調整方法により特性調整された多段マッハツェンダ型光回路を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、第1の入出力光導波路対と、第2の入出力光導波路対と、前記第1および第2の入出力光導波路対の間に配置されたM個(Mは3以上の整数)の方向性結合器と、前記M個の方向性結合器のうちの互いに隣接する方向性結合器間に配置され、当該隣接する方向性結合器間に位置する光導波路対の少なくとも一方の光導波路に設けられ、当該光導波路対の一方の光導波路と他方の光導波路を通過する光の相対的位相を位相制御信号に応じて制御する(M−1)個の位相制御手段と、を備え、前記互いに隣接する方向性結合器と、当該隣接する方向性結合器間に設けられた位相制御手段と、当該方向性結合器間に位置し同一の光路長を有する光導波路対と、により対称マッハツェンダ型光干渉計を構成する一方、前記互いに隣接する方向性結合器と、当該隣接する方向性結合器間に設けられた位相制御手段と、当該方向性結合器間に位置し異なる光路長を有する光導波路対と、により非対称マッハツェンダ型光干渉計を構成し、これによりマッハツェンダ型光干渉計が(M−1)個縦列接続されている多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法であって、前記非対称マッハツェンダ型干渉計の最小光路長差より短いコヒーレンス長を有する低コヒーレンス光を前記多段マッハツェンダ型光回路の入力側に設けられた前記第1の入出力光導波路対の一方の光導波路から入力し、前記対称マッハツェンダ型干渉計に配設された前記位相制御手段の位相制御信号と前記多段マッハツェンダ型光回路の出力側に設けられた前記第2の入出力光導波路対の一方の光導波路から出力される光強度との相関に基づく前記位相制御信号の設定を全ての対称マッハツェンダ型干渉計について順次実行する第1のステップと、波長可変なコヒーレント光を前記多段マッハツェンダ型光回路の入力側に設けられた前記第1の入出力光導波路対の一方または他方の光導波路から入力し、前記非対称マッハツェンダ型干渉計に配設された前記位相制御手段の位相制御信号と前記多段マッハツェンダ型光回路の出力側に設けられた前記第2の入出力光導波路対の一方または他方の光導波路から出力される光強度との相関に基づく前記位相制御信号の設定を全ての非対称マッハツェンダ型干渉計について順次実行する第2のステップと、前記第1のステップおよび前記第2のステップで求めた位相制御信号と出力光強度との前記相関を基に、前記多段マッハツェンダ型光回路からの出力光が所望の特性になるように、前記位相制御手段の各々の位相制御信号を最適化する第3のステップと、を備えていることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、第1の入出力光導波路対と、第2の入出力光導波路対と、前記第1および第2の入出力光導波路対の間に配置された2(N+1)個(Nは1以上の整数)の方向性結合器と、前記2(N+1)個の方向性結合器のうちの互いに隣接する方向性結合器間に配置され、当該隣接する方向性結合器間に位置する光導波路対の少なくとも一方の光導波路に設けられ、当該光導波路対の一方の光導波路と他方の光導波路を通過する光の相対的位相を位相制御信号に応じて制御する(2N+1)個の位相制御手段と、を備え、前記互いに隣接する方向性結合器と、当該隣接する方向性結合器間に設けられた位相制御手段と、当該方向性結合器間に位置し同一の光路長を有する光導波路対と、により対称マッハツェンダ型光干渉計を構成する一方、前記互いに隣接する方向性結合器と、当該隣接する方向性結合器間に設けられた位相制御手段と、当該方向性結合器間に位置し異なる光路長を有する光導波路対と、により非対称マッハツェンダ型光干渉計を構成し、(N+1)個の前記対称マッハツェンダ型光干渉計とN個の前記非対称マッハツェンダ型光干渉計とが交互に縦列接続されている多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法であって、前記非対称マッハツェンダ型干渉計の最小光路長差より短いコヒーレンス長を有する低コヒーレンス光を前記多段マッハツェンダ型光回路の入力側に設けられた前記第1の入出力光導波路対の一方の光導波路から入力し、前記対称マッハツェンダ型干渉計に配設された前記位相制御手段の位相制御信号と前記多段マッハツェンダ型光回路の出力側に設けられた前記第2の入出力光導波路対の一方の光導波路から出力される光強度との相関に基づく前記位相制御信号の設定を全ての対称マッハツェンダ型干渉計について順次実行する第1のステップと、波長可変なコヒーレント光を前記多段マッハツェンダ型光回路の入力側に設けられた前記第1の入出力光導波路対の一方または他方の光導波路から入力し、前記非対称マッハツェンダ型干渉計に配設された前記位相制御手段の位相制御信号と前記多段マッハツェンダ型光回路の出力側に設けられた前記第2の入出力光導波路対の一方または他方の光導波路から出力される光強度との相関に基づく前記位相制御信号の設定を全ての非対称マッハツェンダ型干渉計について順次実行する第2のステップと、前記第1のステップおよび前記第2のステップで求めた位相制御信号と出力光強度との前記相関を基に、前記多段マッハツェンダ型光回路からの出力光が所望の特性になるように、前記位相制御手段の各々の位相制御信号を最適化する第3のステップと、を備えていることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の多段マッハツェンダ型光回路の特性の調整方法において、前記第1のステップおよび前記第2のステップにおける前記多段マッハツェンダ型光回路への光入力は、2つの光入力部と2つの光出力部とを有し当該光入力部と光出力部との間の光路選択可能な光路切替手段を用い、前記2つの光入力部の各々を前記低コヒーレント光または前記波長可変コヒーレント光に接続するとともに、前記2つの光出力部と前記第1の入出力光導波路対とを接続し、前記光路切替手段により光路切替することにより前記低コヒーレンス光または前記波長可変コヒーレント光が入力光として選択されて実行されることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の多段マッハツェンダ型光回路の特性の調整方法において、前記第1のステップにおける位相制御信号の設定は、前記第2の入出力光導波路対の一方の光導波路からの光出力強度に基づいて、前記対称マッハツェンダ型干渉計の強度結合率が0%または100%となるときの当該対称マッハツェンダ型干渉計に配設された前記位相制御手段の位相制御信号となるように実行され、前記第2のステップにおける位相制御信号の設定は、前記非対称マッハツェンダ型干渉計の両端各々の最近隣に位置する2つの前記対称マッハツェンダ型干渉計の強度結合率が50%であり当該2つの対称マッハツェンダ型干渉計以外の対称マッハツェンダ型干渉計の強度結合率が0%または100%となるように、前記対称マッハツェンダ型干渉計に配設された位相制御手段の各々の位相制御信号を前記第1のステップで求められた前記相関に基づいて設定するとともに、前記非対称マッハツェンダ型干渉計の強度結合率が0%または100%となるように実行されるものであることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の多段マッハツェンダ型光回路の特性の調整方法において、前記第1のステップおよび前記第2のステップにおける前記多段マッハツェンダ型光回路への光入力は、2つの光入力部と2つの光出力部とを有し当該光入力部と光出力部との間の光路選択可能な光路切替手段を用い、前記2つの光入力部の各々を前記低コヒーレンス光または前記波長可変コヒーレント光に接続するとともに、前記2つの光出力部と前記第1の入出力光導波路対とを接続し、前記光路切替手段により光路切替することにより前記低コヒーレンス光または前記波長可変コヒーレント光が入力光として選択されて実行されることを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1または2に記載の多段マッハツェンダ型光回路の特性の調整方法において、前記第1のステップおよび前記第2のステップの各々における前記位相制御信号の設定は、前記多段マッハツェンダ型光回路の出力側に配設された前記位相制御手段から入力側に配設された前記位相制御手段へ、順次実行されるものであることを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の多段マッハツェンダ型光回路の特性の調整方法において、前記第1のステップおよび前記第2のステップにおける前記多段マッハツェンダ型光回路への光入力は、2つの光入力部と2つの光出力部とを有し当該光入力部と光出力部との間の光路選択可能な光路切替手段を用い、前記2つの光入力部の各々を前記低コヒーレンス光または前記波長可変コヒーレント光に接続するとともに、前記2つの光出力部と前記第1の入出力光導波路対とを接続し、前記光路切替手段により光路切替することにより前記低コヒーレンス光または前記波長可変コヒーレント光が入力光として選択されて実行されることを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の多段マッハツェンダ型光回路の特性の調整方法において、前記第1のステップおよび前記第2のステップの各々における前記位相制御信号の設定は、前記多段マッハツェンダ型光回路の出力側に配設された前記位相制御手段から入力側に配設された前記位相制御手段へ、順次実行されるものであることを特徴とする。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の多段マッハツェンダ型光回路の特性の調整方法において、前記第1のステップおよび前記第2のステップにおける前記多段マッハツェンダ型光回路への光入力は、2つの光入力部と2つの光出力部とを有し当該光入力部と光出力部との間の光路選択可能な光路切替手段を用い、前記2つの光入力部の各々を前記低コヒーレンス光または前記波長可変コヒーレント光に接続するとともに、前記2つの光出力部と前記第1の入出力光導波路対とを接続し、前記光路切替手段により光路切替することにより前記低コヒーレント光または前記波長可変コヒーレント光が入力光として選択されて実行されることを特徴とする。
【0023】
さらに、上述した方法により多段マッハツェンダ型光回路を特性調整することにより、モニターポートを必要とすることなく構成された、低損失の多段マッハツェンダ型光回路が提供される。
【0024】
本発明により、モニター用ポート(モニター回路)を設ける必要がなくなり、素子サイズや光信号損失の増大といった問題を回避することができる。また、位相シフト量の正確な設定が可能となるため、製造誤差を容易に修正できるとともに複雑な多段マッハツェンダ型光回路の精密な位相設定をすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、図面に示す実施例を参照して詳細に説明する。
【0026】
図3は本発明の実施形態の一例を示す多段マッハツェンダ型光回路の特性の調整方法のフローチャートであり、図4は図3中の第1の実施手順を説明するための多段マッハツェンダ型光回路の概念図、図5は図3中の第2の実施手順を説明するための多段マッハツェンダ型光回路の概念図である。以下に、図3に示す多段マッハツェンダ型光回路の特性の調整方法を図4および図5に示す多段マッハツェンダ型光回路を用いて説明する。なお、図4および図5に示した構成の多段マッハツェンダ型光回路は、最も一般的に用いられる典型例であり、(P+1)個の対称マッハツェンダ型干渉計と、P個の非対称マッハツェンダ型干渉計とが交互に縦列接続され、最前段と最後段には対称マッハツェンダ型干渉計が配置されている。そして、各干渉計の2本の光導波路のうち一方のアーム(光導波路)上に、光信号の位相を制御するための位相制御部が設置されて構成されている。なお、詳細は後述するが、本発明は上記構成の多段マッハツェンダ型光回路に限らず、対称マッハツェンダ型干渉計と非対称マッハツェンダ型干渉計を、任意の数および/または任意の接続順序で構成した多段マッハツェンダ型光回路にも適用可能である。
【0027】
図4および図5に示した多段マッハツェンダ型光回路の具体的な構成は、以下のとおりである。すなわち、対称マッハツェンダ型干渉計は、前方側に配置されて光信号を分岐・結合する方向性結合器11と、後方側に配置されて光信号を分岐・結合する方向性結合器12と、これら方向性結合器11と方向性結合器12とにより挟まれており互いに同一の光路長に設定された2つの光導波路(アーム)と、方向性結合器11と方向性結合器12とにより挟まれた2つの光導波路(アーム)の一方に配設され光信号の位相の制御を行なう位相制御手段21とから構成されている。また、非対称マッハツェンダ型干渉計は、前方側に配置されて光信号を分岐・結合する方向性結合器12と、後方側に配置されて光信号を分岐・結合する方向性結合器13と、これら方向性結合器12と方向性結合器13とにより挟まれており互いに異なる光路長に設定された2つの光導波路(アーム)と、方向性結合器12と方向性結合器13とにより挟まれた2つの光導波路(アーム)の一方に配設された位相制御手段22とから構成されている。そして、これらの対称マッハツェンダ型干渉計と非対称マッハツェンダ型干渉計とが、隣り合う方向性結合器12を共有しつつ交互に縦列接続されて多段マッハツェンダ型光回路が構成されている。また、多段マッハツェンダ型光回路の前方には、光信号の入力部分となる光導波路91および92が配設されている。
【0028】
このような構成の多段マッハツェンダ型光回路では、上述した構成の対称マッハツェンダ型干渉計と非対称マッハツェンダ型干渉計とが交互に縦列接続されて多段構成されているため、図4および図5においては、方向性結合器を符号11〜12P+2で示し、位相制御部を21〜22P+1で示すとともに、ポートを31〜36、41〜46で示し、被測定干渉計を10、11で示した。なお、図中の方向性結合器11〜12P+2は簡略化のために1つの線で表されているが、実際の方向性結合器11〜12P+2は2つの光導波路が適切な間隔を有して平行に近接されて設けられるものである。
【0029】
図4および図5に示した多段マッハツェンダ型光回路の構成を一般表現すると以下のようになる。すなわちこの光回路は、2本の光導波路と、これら2本の光導波路を2(P+1)箇所(Pは1以上の整数)の異なる位置で近接させる2(P+1)個の方向性結合器とを有している。そして、これらの2(P+1)個の方向性結合器相互間に挟まれることとなる(2P+1)箇所には、互いに同一の光路長に設定された(P+1)組の2本の光導波路と、互いに異なる光路長に設定されたP組の2本の光導波路とが、交互に配設されており、最両端には互いに同一の光路長に設定された2組の2本の光導波路が配設されている。
【0030】
また、これら互いに同一の光路長に設定された(P+1)組の2本の光導波路および互いに異なる光路長に設定されたP組の2本の光導波路の各々の光導波路ペアのうちの少なくとも一方の光導波路には、光信号の位相を制御するための位相制御部が配設されている。ここで、互いに同一の光路長に設定され、かつ、少なくとも一方の光導波路に位相制御部が配設されている2本の光導波路は対称マッハツェンダ型干渉計を構成し、互いに異なる光路長に設定され、かつ、少なくとも一方の光導波路に位相制御部が配設されている2本の光導波路は非対称マッハツェンダ型干渉計を構成している。
【0031】
つまり、図4および図5に示した多段マッハツェンダ型光回路は、(P+1)組の対称マッハツェンダ型干渉計とP組の非対称マッハツェンダ型干渉計とが交互に縦列に接続され、それらの最両端の各々に上述した対称マッハツェンダ型干渉計を備えている。
【0032】
本発明の方法により多段マッハツェンダ型光回路の特性調整を実行する際には、可干渉性の低い光を出力する低コヒーレンス光源5および波長可変コヒーレント光を出力する波長可変光源6を、2つの接続用ポート71、72を介して光路切替装置8に接続する。ここで、光路切替装置8は、低コヒーレンス光源5および波長可変光源6の出力光の何れかを、多段マッハツェンダ型光回路に導くために光路切替するためのもので、この光路切替装置8により選択された光は光路切替装置8の出力側に接続された2本の光導波路91、92のいずれか一方により多段マッハツェンダ型光回路へと導かれる。
【0033】
以下に、図3〜5を用いて本発明の多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法の手順を説明するが、ここでは、光導波路材料として石英系ガラスを用いた多段マッハツェンダ型光回路を例として説明することとする。
【0034】
最初に、図3に示すステップS1の手順を図4を参照しつつ説明する。ステップS1では、光路切替装置8を用いて、低コヒーレンス光源5のみを多段マッハツェンダ型光回路の光導波路91に接続する状態とする。ここで、低コヒーレンス光源5のスペクトル幅の条件としては、非対称マッハツェンダ型干渉計の2本の光導波路の最少光路長差よりも短いコヒーレンス長を有するスペクトル幅である必要がある。低コヒーレンス光源としては、例えば、発光ダイオード(LED)、高輝度発光ダイオード(SLD)、希土類ドープ光ファイバ増幅器あるいは半導体レーザ増幅器の自然放出光(ASE光源)等を用いることができる。
【0035】
光源のコヒーレンス長(可干渉距離:光を2つに分け、異なる光路長を伝搬させた後に再び合波した際に干渉が生じる最大光路長差)LCは、光源のスペクトル形状をガウス型と仮定した場合、次式で与えられる。
【0036】
LC=λ0 2/Δλ (1)
式(1)において、λ0は光源の中心波長、Δλは光源のスペクトル半値全幅である。例えば、低コヒーレンス光源としてSLDを用いた場合には、λ0=1550nm、Δλ=50nm程度であり、LCは約48.1μmとなる。
【0037】
また、真空中の光速をc、光導波路の等価屈折率をn、FSR(Free Spectrum Range)をfFSRとすると、非対称マッハツェンダ型干渉計の光路長差△Lは、
△L=c/(n×fFSR) (2)
で与えられる。通常、WDM通信用の光フィルタは、数10GHz〜数100GHz程度のFSRで用いられるので、石英系ガラスによる光導波路の構成(nが1.5程度)を考えると、△Lは数100μm〜数10mm程度の値となる。
【0038】
式(1)および(2)による典型的なLCおよびΔLの値から、LC<<ΔLとなることが容易に実現できることがわかる。つまり、低コヒーレンス光のコヒーレンス長LCに比較して、非対称マッハツェンダ型干渉計の2本の光導波路(アーム)間の光路長差△Lは充分に長い。このため、低コヒーレンス光は、非対称マッハツェンダ型干渉計において干渉条件(ΔL≦LC)を満足せず、干渉は生じない。しかし、対称マッハツェンダ型干渉計では、アーム間の光路長が互いに等しくなるように設計されているため、低コヒーレンス光は、干渉条件(ΔL≦LC)を満足して干渉を生じ、アーム間での位相差φに応じて、例えば図2に示したような光出力の強度特性が得られることとなる。
【0039】
通常、対称マッハツェンダ型干渉計の作製誤差による光路長差のずれは波長の数10分の1程度であり、位相φに換算すると2πの数10分の1程度となる。そのため、2つの3dB方向性結合器を備えた対称マッハツェンダ型干渉計では、大部分の光はクロスポートに出射し、ごく僅かな一部の光がスルーポートに漏れる。そのため、図4において光導波路91に光を入射させた場合を考えると、大部分の光は図中の矢印で示したクロスポート側を伝搬する。
【0040】
低コヒーレンス光のこのような特質を利用して、被測定対称マッハツェンダ型干渉計の特性の測定及び設定を行なう手順を説明する。なお、図4において、被測定対称マッハツェンダ型干渉計10を破線で囲んで示す。また、被測定干渉計10の入力側となる2つの光導波路をポート31、32とし、出力側となる2つの光導波路をポート33、34とし、最後段の出力側の2つの光導波路をポート35、36とする。
【0041】
被測定対称マッハツェンダ型干渉計10の入力側となるポート31、32に入射する光は、コヒーレンス長より大きな光路長差ΔLを有する光導波路を経由した後の光であるため、位相情報間に相関はない。従って、ポート31、32の入力光の強度比をr:(1−r)とすると(但し、r>>1−r)、ポート33、34における各々の光強度OUT1、OUT2は、それぞれ以下のように表される。
【0042】
【数1】
【0043】
ここで、I0は被測定対称マッハツェンダ型干渉計10に入射する光強度、位相φQ-1は位相制御部2Q-1での位相である。
【0044】
通常の作製条件では起こりえないr=0.5以外の条件下では、位相φQ-1の変化に伴って光強度OUT1、OUT2が変化して、最後段のポート35、36での出力も変化することとなる。すなわち、最後段のポート35、36での出力変化は、それぞれOUT1、OUT2の出力変化に対応するから、最後段のポート35、36での出力をモニタし、出力が最大または最小になる点(すなわち、強度結合率が0%または100%となる点)の位相制御部の駆動量(位相制御信号に相当)を測定する。
【0045】
なお、光強度のデシベル測定が可能である市販の光パワーメータを用いた場合、出力最小点付近での出力変化は最も精度良く測定できるため、通常は出力最小点の駆動量を測定する。例えば、石英系ガラスの光導波路では熱光学効果を介した電力値が、半導体光導波路では電気光学効果を介した電圧値が、屈折率変化と比例関係にあることが知られている。したがって、これらの量を測定することで位相制御部の駆動量を知ることができる。
【0046】
出力最小の2点での駆動量POQ-1、min1、POQ-1、min2(POQ-1、min1<POQ-1、min2)を測定し記録した後、これらの情報を用いて、ポート31または32と、ポート33または34との間の強度結合率が正確に0%あるいは100%となるように設定する。この設定を実行しない状態でも以降の測定に特に支障はないが、他の対称マッハツェンダ型干渉計の測定をより正確かつ容易にするために有効である。上記手順を他の対称マッハツェンダ型干渉計にも次々に適用して、各対称マッハツェンダ型干渉計の位相情報を求める。
【0047】
なお、対称マッハツェンダ型干渉計の測定順序は任意であるが、最後段から最前段へと順次測定を行うこととすると、得られる位相情報は未測定の対称マッハツェンダ型干渉計に起因する位相誤差の影響を受けにくくなるという利点がある。また、LC>△Lとなるコヒーレント光源(通常の半導体レーザなど)を用いることとすると、そのようなコヒーレント光は非対称マッハツェンダ型干渉計部でも干渉を生じてしまい、上記の測定は行なうことができないので注意が必要である。
【0048】
次に、図3に示すステップS2における手順を説明する。図5に示した多段マッハツェンダ型光回路の構成は、図4に示した多段マッハツェンダ型光回路の構成と同じものであり、手順の説明の便宜のために、被測定非対称マッハツェンダ型干渉計11を破線で囲んで示し、その前後段の対称マッハツェンダ型干渉計12および13を一点鎖線で示す。また、被測定非対称マッハツェンダ型干渉計11の入力側となる2つの光導波路をポート41、42とし、出力側となる2つの光導波路をポート43、44とし、さらに、最後段の出力側の2つの光導波路をポート45、46とする。
【0049】
先ず、光路切替装置8を用いて、波長可変光源6のみを多段マッハツェンダ型光回路の光導波路91に接続した状態とする。波長可変光源6は、LC>△Lの条件を満足しており、出射光の波長は一例として光回路の動作中心周波数に設定する。
【0050】
このステップでは、被測定非対称マッハツェンダ型干渉部11の特性の測定及び設定を行なう。具体的には、上述したステップS1の手順を用いて測定した対称マッハツェンダ型干渉計の駆動量情報を基に、図5における2つの対称マッハツェンダ型干渉計12および13の強度結合率を50%に設定する。その際の対称マッハツェンダ型干渉計アーム上の必要駆動量POrは、一例として、干渉計12の場合、
POr=POU-1、min1+(POU-1、min2−POU-1、min1)/4 (5)
と求められる。
【0051】
図6(a)〜(c)は、各強度結合率における対称マッハツェンダ型干渉計の強度特性を説明するための図で、具体的には、図5に示した対称マッハツェンダ型干渉計12および13の強度結合率をパラメータとした場合の、位相制御部2Uの位相変化φUに対するポート41、43間における強度特性を示している。図6(a)はこの強度結合率が20%の場合であり、図6(b)は50%の場合であり、図6(c)は80%の場合である。なお、対称マッハツェンダ型干渉計12、13の各特性は、結合率50%の場合に最大強度となるように規格化を行っている。対称マッハツェンダ型干渉計の結合率は0%または100%以外の結合率であれば任意の値でよいが、図6(a)〜(c)に示すように、結合率50%とすると、光出力強度の最大値と最小値との間の強度差を最大化することが可能となり、その結果として測定も容易かつ正確になるという利点がある。
【0052】
なお、図5において、被測定非対称マッハツェンダ型干渉計11の直近の2つ対称マッハツェンダ型干渉計12および13以外の対称マッハツェンダ型干渉計の強度透過率は、上述したステップS1の測定情報に基づいて、0%あるいは100%に設定する。これは本ステップS2で用いている波長可変光がコヒーレント光であるため、被測定非対称マッハツェンダ型干渉計11以外の非対称マッハツェンダ型干渉計において干渉を生じる可能性があり、かかる干渉が被測定非対称マッハツェンダ型干渉計11についての測定の妨害となることを可能な限り回避するためである。従って、12、13以外の対称マッハツェンダ型干渉計の透過率をクロスポートに対して100%となるように設定すると、位相φUが2πの整数倍の場合には光は図中の矢印で示すように伝搬し、被測定非対称マッハツェンダ型干渉計11以外の非対称マッハツェンダ型干渉計で干渉することなく伝搬することとなる。
【0053】
各干渉計について上記設定を実行し、被測定非対称マッハツェンダ型干渉計11からの出力光を最後段のポート45、46で測定する。そして、出力光強度が最小又は最大となる(すなわち、強度結合率が0%または100%となる)位相制御部2Uでの駆動量POU、minを測定して記録する。これらの手順を他の非対称マッハツェンダ型干渉計にも次々に施して、非対称マッハツェンダ型干渉計の各位相制御部の駆動量を測定・記録する。
【0054】
なお、非対称マッハツェンダ型干渉計の測定順序は任意であるが、最後段から最前段へと順次測定を行うこととすると、得られる位相情報は未測定の非対称マッハツェンダ型干渉計に起因する位相誤差の影響を受けにくくなるという利点がある。
【0055】
最後に、図3のステップS3の手順を実施する。多段マッハツェンダ型光回路の光出力特性を所望のものとするためには、その多段マッハツェンダ型光回路の用途(例えば、光フィルタ、分散補償器、利得等化器など)や備えるべき特性に応じて各対称マッハツェンダ型干渉計における必要位相シフト量ηVを計算によって求めることが必要となる。この位相シフト量ηVとステップS1で測定した駆動量の情報が得られると、対称マッハツェンダ型干渉計で実際に設定する駆動量POv、rは以下の式で与えられる。
ここで、POV、min1およびPOV、min2は、ステップS1で求めた駆動量である。
【0056】
この駆動量POv、rを基に各対称マッハツェンダ型干渉計の位相設定を実行し、ステップS2で求めたPOW、minを用いて対称マッハツェンダ型干渉計部と同様に各非対称マッハツェンダ型干渉計の位相設定を行うと、最終的に所望の特性を得ることができる。
【0057】
なお、ステップS1およびステップS2の位相測定の際には、必要に応じて光導波路の位相変調を行い、ロックインアンプなどを用いて同期検波を行うことにより設定の精度を上げることもできる。
【0058】
これまで説明してきた本発明の多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法の手順を纏めると以下のとおりとなる。
【0059】
対称マッハツェンダ型干渉計と非対称マッハツェンダ型干渉計とを縦列接続させた多段マッハツェンダ型光回路では、非対称マッハツェンダ型干渉計の最小光路長差よりもコヒーレンス長が短い低コヒーレンス光を入射させた場合、光は対称マッハツェンダ型干渉計でのみ干渉を起こし非対称マッハツェンダ型干渉計では干渉を起こさない。
【0060】
従って、第1に、多段マッハツェンダ型光回路に、非対称マッハツェンダ型干渉計の最小光路長差よりもコヒーレンス長が短い低コヒーレンス光を入射させ、各々の対称マッハツェンダ型干渉計における位相制御部の駆動量(位相制御信号に相当し、例えば、石英系ガラス光導波路では印加熱光学電力、半導体光導波路では印加電圧である)を変化させたときの出力光の強度変化を測定することによって、各々の対称マッハツェンダ型干渉計における位相制御部の駆動量と実際の位相シフト量との関係を全ての対称マッハツェンダ型干渉計について順次測定することができる。
【0061】
第2に、多段マッハツェンダ型光回路に、波長可変なコヒーレント光源からの光を入射させ、測定対象とされている非対称マッハツェンダ型干渉計に隣接配置された2つの対称マッハツェンダ型干渉計の強度結合率を、上記対称マッハツェンダ型干渉計での測定を基にして50%に設定し、上記2つの対称マッハツェンダ型干渉計以外の対称マッハツェンダ型干渉計の強度結合率を0%または100%に設定する。このような強度結合率の条件では、強度結合率を0%または100%に設定された対称マッハツェンダ型干渉計に挟まれた非対称マッハツェンダ型干渉計は出力光に何ら影響を与えることなく、強度結合率が50%に設定された対称マッハツェンダ型干渉計に挟まれた非対称マッハツェンダ型干渉計、即ち測定対象とされている非対称マッハツェンダ型干渉計での位相変化によってのみ出力光が変化することとなる。従って、測定対象となる非対称マッハツェンダ型干渉計における位相制御部の駆動量を変えた際の出力光の強度変化を測定すれば、測定対象たる非対称マッハツェンダ型干渉計における位相制御部の駆動量と実際の位相シフト量との関係を測定することができる。そして、測定対象の非対称マッハツェンダ型干渉計を順次変更して全ての非対称マッハツェンダ型干渉計についての位相特性を測定することができる。
【0062】
そして第3に、上記測定手順により得られた各干渉計での位相制御部の駆動量の測定結果を基に、各々の干渉計の位相制御部に適切な駆動量を設定することで、各々の干渉計の位相制御量が所望の光出力の位相シフト量に一致するようにして光回路全体として所望の光特性が実現されることとなる。
【0063】
これまでは、位相制御部として、屈折率変化が熱光学電力に比例する石英系ガラス光導波路を用いた例について説明したが、石英系ガラス光導波路や光ファイバなどのガラス光導波路に限定されるものではない。例えば、屈折率変化が印加電界に比例するという関係を有する電気光学効果を利用して、誘電体光導波路や半導体光導波路などを備える多段マッハツェンダ型光回路の特性調整にも本発明を適用できる。さらに、いくつかの異なる種類の光導波路を組み合わせたハイブリッド構成の多段マッハツェンダ型光回路に対しても、各光導波路部の種類毎に位相制御効果を変えて本発明の特性調整を適切に行なうことにより、多段マッハツェンダ型ハイブリッド光回路全体の特性調整を実行することが可能である。
【0064】
また本発明は、図4や図5に示した構成の多段マッハツェンダ型光回路に限らず、対称マッハツェンダ型干渉計と非対称マッハツェンダ型干渉計を、任意の数および/または任意の接続順序で構成した多段マッハツェンダ型光回路にも適用可能であり、例えば図7や図8に示したような構成の多段マッハツェンダ型光回路にも適用可能である。
【0065】
図7は、対称マッハツェンダ型干渉計が3段縦列接続されている多段マッハツェンダ型光回路の構成例を説明するための概念図であり、以下に要点のみについて説明する。図4や図5に示したような1段対称マッハツェンダ型干渉計の場合には、その両端に位置する方向性結合器間の強度結合率が50%からずれた場合、対称マッハツェンダ型干渉計全体として0〜100%の範囲での任意の強度結合率を実現することが困難であるのに対して、図7に示すように対称マッハツェンダ型干渉計(71、72、73)が縦列接続された3段の対称マッハツェンダ型干渉計70の両端に位置する2つの対称マッハツェンダ型干渉計(71、73)を用いて調整を行なう場合には、この部分で強度結合率を正確に50%に設定することが容易となる。その結果、3段縦列接続された対称マッハツェンダ型干渉計70全体として0〜100%の任意の強度結合率を実現することが容易に可能となり、所望の回路特性を高精度で実現することも容易化される。
【0066】
図8は、光回路において部分的に対称マッハツェンダ型干渉計を省略し、その部分(80、80´)を強度結合率固定の方向性結合器(81、81´)で置き換えた構成の多段マッハツェンダ型光回路の例を説明するための概念図である。方向性結合器の強度結合率を固定することとした場合には、その分だけ光回路全体の特性調整も容易となることに加え、光回路サイズも縮小することができる。このような構成は、限定された範囲内での光回路特性を実現する場合などに特に有用であるといえる。
【0067】
なお、図7や図8に示したような多段マッハツェンダ型光回路の自由な構成変更は、対称マッハツェンダ型干渉計についての多段化や部分的省略に限らず、非対称マッハツェンダ型干渉計に同様の構成変更を加えることによってもよいことはいうまでもない。
【0068】
本発明の多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法の有効性を確認するために、モニタポートを有しない多段マッハツェンダ型光回路(回路1)を石英系ガラス光導波路技術を用いて作製し、この多段マッハツェンダ型光回路に本発明の特性調整方法を適用して特性調整をなした。また、特性比較を行なう対象として、モニターポートを有する従来構成の多段マッハツェンダ型光回路(回路2)を石英系ガラス光導波路技術により作製し、モニターポートを用いる従来方法によって特性調整を行なった。これらの多段マッハツェンダ型光回路は何れも分散補償器機能を有するように特性調整を行い、対称マッハツェンダ(MZ)型干渉性数は7、非対称マッハツェンダ(MZ)型干渉計の数は6で構成されている。
【0069】
表1は、これら2つの光回路のパラメータ値と特性測定結果を纏めたものである。
【0070】
【表1】
【0071】
なお、これら2つの光回路はモニタポートの有無に加えてFSR値を異にしているが、このFSR値の差異をトータル光路長差に換算すると4.133mm(回路2>回路1)に過ぎず、この程度のFSR値の違いは低損失な石英系光導波路(〜0.01dB/cm)では光損失には影響を及ぼすものではない。
【0072】
これらの光回路の損失を比較すると、従来構成の光回路(回路2)は9.1dBであるのに対して、本発明の光回路(回路1)は1.7dBであり、極めて低い光損失特性を有していることがわかる。また、光回路のサイズに注目すると、従来構成の光回路(回路2)は69×85mm2(5865mm2)であるのに対して、本発明の光回路(回路1)は33×75mm2(2475mm2)であり、光回路のサイズは約42%にまでコンパクト化されている。
【0073】
このように、本発明は光回路の低損失化と小サイズ化に有効であることが明らかになった。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、先ず、多段マッハツェンダ型光回路に、非対称マッハツェンダ型干渉計の最小光路長差よりもコヒーレンス長が短い低コヒーレンス光を入射させ、各々の対称マッハツェンダ型干渉計における位相制御部の駆動量(位相制御信号に相当し、例えば、石英系ガラス光導波路では印加熱光学電力、半導体光導波路では印加電圧である)を変化させたときの出力光の強度変化を測定する。次に、多段マッハツェンダ型光回路に、波長可変なコヒーレント光源からの光を入射させ、測定対象とされている非対称マッハツェンダ型干渉計に隣接配置された2つの対称マッハツェンダ型干渉計の強度結合率を、上記対称マッハツェンダ型干渉計での測定を基にして50%に設定し、上記2つの対称マッハツェンダ型干渉計以外の対称マッハツェンダ型干渉計の強度結合率を0%または100%に設定した後、非対称マッハツェンダ型干渉計の各々の位相制御条件を求める。そして最後に、上記測定手順により得られた各干渉計での位相制御部の駆動量の測定結果を基に、各々の干渉計の位相制御部に適切な駆動量を設定して多段マッハツェンダ型光回路全体の特性調整を行なうこととした。
【0075】
これにより、モニター用ポート(モニター回路)を設ける必要がなくなり、素子サイズや光信号損失の増大といった問題を回避することができる。また、位相シフト量の正確な設定が可能となるため、製造誤差を容易に修正できるとともに複雑な多段マッハツェンダ型光回路の精密な位相設定をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多段マッハツェンダ型光回路の特性の従来の調整方法を説明するための概念図である。
【図2】対称マッハツェンダ型干渉計の位相制御部の位相変化に対する光出力の強度特性を説明するための図である。
【図3】本発明の実施形態の一例を示す多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】図3のステップS1の手順を説明するための多段マッハツェンダ型光回路の概念図である。
【図5】図3のステップS2の手順を説明するための多段マッハツェンダ型光回路の概念図である。
【図6】強度結合率による対称マッハツェンダ型干渉計の強度特性を説明するための図で、(a)は強度結合率が20%の場合についての図、(b)は強度結合率が50%の場合についての図、(c)は強度結合率が80%の場合についての図である。
【図7】対称マッハツェンダ型干渉計が3段縦列接続されている多段マッハツェンダ型光回路の構成例を説明するための概念図である。
【図8】光回路において部分的に対称マッハツェンダ型干渉計を省略し、その部分を強度結合率固定の方向性結合器で置き換えた構成の多段マッハツェンダ型光回路の例を説明するための概念図である。
【符号の説明】
11〜12P+2 方向性結合器
21〜22P+1 位相制御手段
31〜36 ポート
5 低コヒーレンス光源
71、72 接続用ポート
8 光路切替装置
91、92 光導波路
10 被測定対称マッハツェンダ型干渉計
11 被測定非対称マッハツェンダ型干渉計
12、13 干渉計(対称マッハツェンダ型干渉計)
70 3段の対称マッハツェンダ型干渉計
71、72、73 対称マッハツェンダ型干渉計
80、80´ 強度結合率固定の方向性結合器
Claims (9)
- 第1の入出力光導波路対と、
第2の入出力光導波路対と、
前記第1および第2の入出力光導波路対の間に配置されたM個(Mは3以上の整数)の方向性結合器と、
前記M個の方向性結合器のうちの互いに隣接する方向性結合器間に配置され、当該隣接する方向性結合器間に位置する光導波路対の少なくとも一方の光導波路に設けられ、当該光導波路対の一方の光導波路と他方の光導波路を通過する光の相対的位相を位相制御信号に応じて制御する(M−1)個の位相制御手段と、を備え、
前記互いに隣接する方向性結合器と、当該隣接する方向性結合器間に設けられた位相制御手段と、当該方向性結合器間に位置し同一の光路長を有する光導波路対と、により対称マッハツェンダ型光干渉計を構成する一方、前記互いに隣接する方向性結合器と、当該隣接する方向性結合器間に設けられた位相制御手段と、当該方向性結合器間に位置し異なる光路長を有する光導波路対と、により非対称マッハツェンダ型光干渉計を構成し、これによりマッハツェンダ型光干渉計が(M−1)個縦列接続されている多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法であって、
前記非対称マッハツェンダ型干渉計の最小光路長差より短いコヒーレンス長を有する低コヒーレンス光を前記多段マッハツェンダ型光回路の入力側に設けられた前記第1の入出力光導波路対の一方の光導波路から入力し、前記対称マッハツェンダ型干渉計に配設された前記位相制御手段の位相制御信号と前記多段マッハツェンダ型光回路の出力側に設けられた前記第2の入出力光導波路対の一方の光導波路から出力される光強度との相関に基づく前記位相制御信号の設定を全ての対称マッハツェンダ型干渉計について順次実行する第1のステップと、
波長可変なコヒーレント光を前記多段マッハツェンダ型光回路の入力側に設けられた前記第1の入出力光導波路対の一方または他方の光導波路から入力し、前記非対称マッハツェンダ型干渉計に配設された前記位相制御手段の位相制御信号と前記多段マッハツェンダ型光回路の出力側に設けられた前記第2の入出力光導波路対の一方または他方の光導波路から出力される光強度との相関に基づく前記位相制御信号の設定を全ての非対称マッハツェンダ型干渉計について順次実行する第2のステップと、
前記第1のステップおよび前記第2のステップで求めた位相制御信号と出力光強度との前記相関を基に、前記多段マッハツェンダ型光回路からの出力光が所望の特性になるように、前記位相制御手段の各々の位相制御信号を最適化する第3のステップと、
を備えていることを特徴とする多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法。 - 第1の入出力光導波路対と、
第2の入出力光導波路対と、
前記第1および第2の入出力光導波路対の間に配置された2(N+1)個(Nは1以上の整数)の方向性結合器と、
前記2(N+1)個の方向性結合器のうちの互いに隣接する方向性結合器間に配置され、当該隣接する方向性結合器間に位置する光導波路対の少なくとも一方の光導波路に設けられ、当該光導波路対の一方の光導波路と他方の光導波路を通過する光の相対的位相を位相制御信号に応じて制御する(2N+1)個の位相制御手段と、を備え、
前記互いに隣接する方向性結合器と、当該隣接する方向性結合器間に設けられた位相制御手段と、当該方向性結合器間に位置し同一の光路長を有する光導波路対と、により対称マッハツェンダ型光干渉計を構成する一方、前記互いに隣接する方向性結合器と、当該隣接する方向性結合器間に設けられた位相制御手段と、当該方向性結合器間に位置し異なる光路長を有する光導波路対と、により非対称マッハツェンダ型光干渉計を構成し、(N+1)個の前記対称マッハツェンダ型光干渉計とN個の前記非対称マッハツェンダ型光干渉計とが交互に縦列接続されている多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法であって、
前記非対称マッハツェンダ型干渉計の最小光路長差より短いコヒーレンス長を有する低コヒーレンス光を前記多段マッハツェンダ型光回路の入力側に設けられた前記第1の入出力光導波路対の一方の光導波路から入力し、前記対称マッハツェンダ型干渉計に配設された前記位相制御手段の位相制御信号と前記多段マッハツェンダ型光回路の出力側に設けられた前記第2の入出力光導波路対の一方の光導波路から出力される光強度との相関に基づく前記位相制御信号の設定を全ての対称マッハツェンダ型干渉計について順次実行する第1のステップと、
波長可変なコヒーレント光を前記多段マッハツェンダ型光回路の入力側に設けられた前記第1の入出力光導波路対の一方または他方の光導波路から入力し、前記非対称マッハツェンダ型干渉計に配設された前記位相制御手段の位相制御信号と前記多段マッハツェンダ型光回路の出力側に設けられた前記第2の入出力光導波路対の一方または他方の光導波路から出力される光強度との相関に基づく前記位相制御信号の設定を全ての非対称マッハツェンダ型干渉計について順次実行する第2のステップと、
前記第1のステップおよび前記第2のステップで求めた位相制御信号と出力光強度との前記相関を基に、前記多段マッハツェンダ型光回路からの出力光が所望の特性になるように、前記位相制御手段の各々の位相制御信号を最適化する第3のステップと、
を備えていることを特徴とする多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法。 - 請求項1または2に記載の多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法において、
前記第1のステップおよび前記第2のステップにおける前記多段マッハツェンダ型光回路への光入力は、2つの光入力部と2つの光出力部とを有し当該光入力部と光出力部との間の光路選択可能な光路切替手段を用い、前記2つの光入力部の各々を前記低コヒーレント光または前記波長可変コヒーレント光に接続するとともに、前記2つの光出力部と前記第1の入出力光導波路対とを接続し、前記光路切替手段により光路切替することにより前記低コヒーレンス光または前記波長可変コヒーレント光が入力光として選択されて実行されることを特徴とする多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法。 - 請求項1または2に記載の多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法において、
前記第1のステップにおける前記位相制御信号の設定は、前記第2の入出力光導波路対の一方の光導波路からの光出力強度に基づいて、前記対称マッハツェンダ型干渉計の強度結合率が0%または100%となるときの当該対称マッハツェンダ型干渉計に配設された前記位相制御手段の位相制御信号となるように実行され、
前記第2のステップにおける前記位相制御信号の設定は、前記非対称マッハツェンダ型干渉計の両端各々の最近隣に位置する2つの前記対称マッハツェンダ型干渉計の強度結合率が50%であり当該2つの対称マッハツェンダ型干渉計以外の対称マッハツェンダ型干渉計の強度結合率が0%または100%となるように、前記対称マッハツェンダ型干渉計に配設された位相制御手段の各々の位相制御信号を前記第1のステップで求められた前記相関に基づいて設定するとともに、前記非対称マッハツェンダ型干渉計の強度結合率が0%または100%となるように実行されるものであることを特徴とする多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法。 - 請求項4に記載の多段マッハツェンダ型光回路の特性の調整方法において、
前記第1のステップおよび前記第2のステップにおける前記多段マッハツェンダ型光回路への光入力は、2つの光入力部と2つの光出力部とを有し当該光入力部と光出力部との間の光路選択可能な光路切替手段を用い、前記2つの光入力部の各々を前記低コヒーレンス光または前記波長可変コヒーレント光に接続するとともに、前記2つの光出力部と前記第1の入出力光導波路対とを接続し、前記光路切替手段により光路切替することにより前記低コヒーレンス光または前記波長可変コヒーレント光が入力光として選択されて実行されることを特徴とする多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法。 - 請求項1または2に記載の多段マッハツェンダ型光回路の特性の調整方法において、
前記第1のステップおよび前記第2のステップの各々における前記位相制御信号の設定は、前記多段マッハツェンダ型光回路の出力側に配設された前記位相制御手段から入力側に配設された前記位相制御手段へ、順次実行されるものであることを特徴とする多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法。 - 請求項6に記載の多段マッハツェンダ型光回路の特性の調整方法において、
前記第1のステップおよび前記第2のステップにおける前記多段マッハツェンダ型光回路への光入力は、2つの光入力部と2つの光出力部とを有し当該光入力部と光出力部との間の光路選択可能な光路切替手段を用い、前記2つの光入力部の各々を前記低コヒーレンス光または前記波長可変コヒーレント光に接続するとともに、前記2つの光出力部と前記第1の入出力光導波路対とを接続し、前記光路切替手段により光路切替することにより前記低コヒーレンス光または前記波長可変コヒーレント光が入力光として選択されて実行されることを特徴とする多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法。 - 請求項4に記載の多段マッハツェンダ型光回路の特性の調整方法において、
前記第1のステップおよび前記第2のステップの各々における前記位相制御信号の設定は、前記多段マッハツェンダ型光回路の出力側に配設された前記位相制御手段から入力側に配設された前記位相制御手段へ、順次実行されるものであることを特徴とする多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法。 - 請求項8に記載の多段マッハツェンダ型光回路の特性の調整方法において、
前記第1のステップおよび前記第2のステップにおける前記多段マッハツェンダ型光回路への光入力は、2つの光入力部と2つの光出力部とを有し当該光入力部と光出力部との間の光路選択可能な光路切替手段を用い、前記2つの光入力部の各々を前記低コヒーレンス光または前記波長可変コヒーレント光に接続するとともに、前記2つの光出力部と前記第1の入出力光導波路対とを接続し、前記光路切替手段により光路切替することにより前記低コヒーレント光または前記波長可変コヒーレント光が入力光として選択されて実行されることを特徴とする多段マッハツェンダ型光回路の特性調整方法。
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