JP4902040B2 - 窒化物半導体素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光ダイオード等に用いられる窒化物半導体素子に係り、特に、封止材料の劣化を防止し、発光ダイオードの高輝度を維持できる窒化物半導体素子に関する。
【0002】
【従来技術】
窒化物半導体は広いバンドギャップを持ち、直接遷移型であることから、短波長の発光素子、例えば発光ダイオード(LED)の材料として利用される。特に窒化物半導体素子を用いた高輝度の青色発光LEDは、LEDディスプレイ、交通信号灯、イメージスキャナー光源等の各種光源として実用化されている。
【0003】
LEDは、基本的には半導体素子、電極及び封止材料から構成されている。半導体素子は、透光性絶縁基板上に形成された少なくとも半導体接合を有するp型及びn型の窒化物半導体により構成されている。
【0004】
半導体素子の具体的な一例として窒化物半導体素子を挙げると、図6のように透光性絶縁基板であるサファイア、スピネル等の基板61の上に窒化物半導体層との格子定数の不整合を緩和させるバッファ層(図示せず)、n電極68とオーミック接触を得るためのSiがドープされたGaNよりなるn型コンタクト層62、キャリア結合により光を発生させるGaN及びInGaNよりなる活性層(発光層)63、キャリアを活性層に閉じこめるためのMgがドープされたAlGaN及びMgがドープされたInGaNよりなるp型クラッド層64、p電極67とオーミック接触を得るためのMgがドープされたGaNよりなるp型コンタクト層65が順に積層されている窒化物半導体と、この窒化物半導体をp型窒化物半導体層側からエッチングして形成させたn型窒化物半導体の露出面Bに所望の形状に形成させたn電極68と、p型窒化物半導体層の表面Aのほぼ全面を覆う全面電極66上に所望の形状に形成させたp電極67とを有し、これら窒化物半導体及び各電極を外部から保護し短絡を防ぐ目的で形成させた絶縁層69とから構成される。この窒化物半導体素子を透光性のエポキシ系樹脂等の封止材料80で封止して、例えば図8に示すような砲弾型のLEDとなる。このようなLEDに通電させると、窒化物半導体素子中の活性層から発光した光が、p型窒化物半導体層の表面A及び活性層の端面D1から放出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年のLEDの高出力化及び窒化物半導体の小型化に伴い、窒化物半導体素子を封止しているエポキシ系樹脂が、LEDから発せられる光によって劣化するという問題が顕在化してきた。
【0006】
エポキシ系樹脂は一般に、窒化物半導体との密着性が良く、機械的強度に優れ、また化学的にも安定しており、価格が安価である等の理由から、封止材料として現在最もよく用いられている材料である。しかし、太陽光等の外部からの弱い光及び熱に対しては耐候性に優れているものの、LED内部から、すなわち、封止している窒化物半導体素子からの強い光及び熱に対しては弱いという性質を有する。特に青色を発光可能な窒化物半導体素子を用いたLEDの場合、他色に比べてエネルギーが高いため、エポキシ系樹脂が劣化して黒褐系色に着色し、LEDからの光を吸収してしまう。そのため、長時間の使用により、窒化物半導体素子が劣化していないにもかかわらず、LEDの発光強度が低下してしまうという問題が生じている。
【0007】
また、フォトレジスト技術の精度の向上により、全面電極がp型窒化物半導体最上面の外周付近にまで形成可能になったため、全面電極の大きさを小さくすることなく窒化物半導体素子を小型化できるようになり、1枚のウエハーからより多くの窒化物半導体素子が得られるようになった。しかし、上記のようなエポキシ系樹脂の劣化は、このような小型化した窒化物半導体素子を用いたLEDにより強く発生する傾向がある。
【0008】
エポキシ系樹脂の劣化を防ぐためには、窒化物半導体素子の保護膜(絶縁層)の膜厚を厚くするという方法が考えられるが、それでは別の問題が生じてくる。例えば、絶縁材料としてよく用いられているSiO2は無機材料であり、LEDからの光に対して非常に安定であるが、衝撃に弱く、活性層の横方向に成長させて厚く形成させることが困難である等の問題がある。
【0009】
従って、本発明は、窒化物半導体素子を封止しているエポキシ系樹脂の劣化を抑制し、LEDの高輝度を維持する窒化物半導体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、窒化物半導体素子を封止しているエポキシ系樹脂のうち、特に劣化が激しいのは活性層端面周辺であり、窒化物半導体素子の形状を改良することで上記問題を解決出来ることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち本発明の窒化物半導体素子は、基板上にn型窒化物半導体層、活性層及びp型窒化物半導体層が積層され、p型窒化物半導体層側からのエッチングにより露出されたn型窒化物半導体層の露出面Bに設けられたn電極と、p型窒化物半導体層の表面Aに設けられた全面電極上にp電極が形成されてなる窒化物半導体素子において、
前記窒化物半導体素子の端部に、前記p型窒化物半導体層の表面Aと、前記n型窒化物半導体層の露出面Bとの間に形成された積層面方向とほぼ平行な第2の露出面Cを有する窒化物半導体素子であって、
前記第2の露出面Cは、前記p型窒化物半導体層の表面Aと、前記活性層の端面D1の上端との間に形成され、
前記活性層の端面D1は、絶縁層で覆われていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の窒化物半導体素子は、前記第2の露出面Cが、前記活性層の端面D1の下端とn型窒化物半導体層の露出面Bとの間に形成され、絶縁層が少なくとも前記第2の露出面Cに形成されており、前記第2の露出面Cにおける、積層面に垂直方向に対する前記絶縁層の最小膜厚H1が、前記第2の露出面から前記活性層の端面D1の上端までの高さH2よりも大きいことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の窒化物半導体素子は、絶縁層の材料としては、SiO2が好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の窒化物半導体素子は、基板上にn型窒化物半導体層、活性層及びp型窒化物半導体層が積層された窒化物半導体素子である。以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施の形態の窒化物半導体素子について説明する。
【0015】
(実施の形態1)
本発明に係る実施の形態1の窒化物半導体素子について説明する。本実施の形態1の窒化物半導体の正面図を図2に、また、図2のX−X’面における断面図を図1に示す。また、図1の活性層端面D周辺の拡大図を図3に示す。本実施の形態1に係る窒化物半導体は、図1で示すように透光性絶縁基板であるサファイア、スピネル等の基板11の上に窒化物半導体層との格子定数の不整合を緩和させるバッファ層(図示せず)、n電極18とオーミック接触を得るためのSiがドープされたGaNよりなるn型コンタクト層12、キャリア結合により光を発生させるGaN及びInGaNよりなる活性層(発光層)13、キャリアを活性層に閉じこめるためのMgがドープされたAlGaN及びMgがドープされたInGaNよりなるp型クラッド層14、p電極17とオーミック接触を得るためのMgがドープされたGaNよりなるp型コンタクト層15が順に積層されている。
【0016】
バッファ層は低温によって結晶成長を行ったGaNで、膜厚は10〜500Åが好ましい。n型コンタクト層12は、SiがドープされたGaNから構成され、膜厚は1〜20μmが好ましく、さらに好ましくは2〜6μmである。n型コンタクト層12の上に例えばSiがドープされたAlGaNからなるn型クラッド層を膜厚100〜500Åの厚さで形成させてもよい。活性層13は膜厚25〜300ÅのInGaNから構成されてもよいし、あるいは、膜厚50ÅのGaN及び膜厚30ÅのInGaNを1〜10層形成し、最後に膜厚50ÅのGaNを形成した単一あるいは多重量子井戸層として構成されてもよい。
【0017】
p型クラッド層14はMgがドープされたAlGaN及びMgがドープされたInGaNから構成され、膜厚は100Å〜0.2μmが好ましい。p型コンタクト層15はMgがドープされたGaNから構成され、膜厚は0.05〜0.2μmが好ましい。
【0018】
その後、窒化物半導体をエッチング加工するが、本実施の形態1においては、図1に示すように、窒化物半導体の端部に、p型窒化物半導体層の表面Aとn型窒化物半導体層の露出面Bとの間に形成された積層面方向とほぼ平行な第2の露出面Cを有し、この第2の露出面Cは、p型窒化物半導体の表面Aと活性層13の端面Dの上端との間に形成される。すなわち、本実施の形態1における第2の露出面Cは、p型窒化物半導体層に形成されており、p型クラッド層またはp型コンタクト層のいずれに形成されていても良い。
【0019】
前述したように小型化された窒化物半導体素子を用いたLEDの方が、活性層端面周辺のエポキシ系樹脂の劣化が著しいのは、p型窒化物半導体層の表面A上の全面電極がの端部近辺にまで形成されているのが原因のひとつであると考えられる。
【0020】
ここで、第2の露出面Cが形成されていない窒化物半導体素子(図6、図7)と、本実施の形態1の窒化物半導体素子(図1、図3)を比較すると、窒化物半導体素子の大きさ及び各電極の大きさが同じで、絶縁層の膜厚Sも同じとした場合、活性層の端面D1とエポキシ系樹脂との距離は絶縁層の膜厚Sに等しいので、ほぼ同じである。しかし、全面電極端面と活性層の端面D1までの積層面にほぼ平行な方向の距離Lを比較すると、第2の露出面Cを設けた方が距離が大きくなっている。
【0021】
全面電極が形成されていない部分の直下は、電流が流れにくく活性層は発光していないと考えると、全面電極の端面のほぼ直下の活性層を実質的な活性層の端面D2とすると、この活性層の端面D2とエポキシ系樹脂の間には、幅Lの発光しない窒化物半導体が形成されていることになる。活性層の端面D1に設けられた絶縁層の膜厚Sがたとえ同じであっても、このように窒化物半導体素子の端面の形状を改良することで、実質的な活性層の端面D2とエポキシ系樹脂との距離を大きくすることができ、この発光しない窒化物半導体層によって、活性層からの光をエポキシ系樹脂に達するまでに拡散させて、劣化を抑制することができる。
【0022】
また、第2の露出面Cの、積層面とほぼ平行な方向の幅Wは、あまり小さすぎると上述したように実質的な活性層の端面D2と活性層の端面D1との距離Lが小さくなってしまうので光を拡散させる効果が少なくなり、エポキシ系樹脂の劣化を抑制する効果も少なくなるので好ましくない。しかし、n型窒化物半導体層の露出面Bを少なくしすぎると、ウエハーを分割する際に不良が起こりやすくなるので好ましくない。n型窒化物半導体層の露出面Bを設けるのは、n電極を形成させるためであると共に、分割前のウエハーにおける素子と素子の間を少しでも薄くすることで、より正確に分割し易くするためでもある。ウエハーは通常、基板側から分割されるが、基板からn型窒化物半導体層の露出面Bにかけて分割されれば問題はないが、この露出面Bの幅が狭いと、分割面が露出面Cに達する恐れがある。そうなると、分割する前には活性層の端面D1に形成されていた絶縁層が、窒化物半導体素子と共に無くなってしまい、短絡を起こしやすくなるので好ましくない。
【0023】
本実施の形態1の窒化物半導体素子において、第2の露出面C上には絶縁層が形成されていなくても何ら差し支えないが、活性層の端面D1は短絡を防ぐために絶縁層で覆われるのが好ましい。絶縁層の膜厚Sは、特に厚くする必要はなく、短絡を防ぐことが可能な範囲で任意の厚さとすることができる。
【0024】
(実施の形態2)
本発明に係る実施の形態2の窒化物半導体素子の正面図は図2とほぼ同じ形態であるので省略するが、図2のX−X’面における断面図を図4に示す。また、図4の活性層端面D周辺の拡大図を図5に示す。
【0025】
本発明の形態2の窒化物半導体素子は、窒化物半導体素子の端部に、活性層43の端面Dの下端とn型窒化物半導体層42の露出面Bの間に形成された、積層面とほぼ平行な第2の露出面Cを有し、絶縁層49が少なくとも第2の露出面Cに形成されており、第2の露出面Cおける、積層面に垂直方向に対する絶縁層の最小膜厚H1が、第2の露出面Cから活性層43の端面Dの上端までの高さH2よりも大きいことを特徴とする。
【0026】
ここで、第2の露出面Cが形成されていない窒化物半導体素子(図6、図7)と本実施の形態2の窒化物半導体素子(図4、図5)を比較すると、窒化物半導体素子の大きさ及び各電極の大きさが同じとした場合、全面電極と活性層の端面D1までの積層面にほぼ平行な方向の距離Lはほぼ同じである。しかし、第2の露出面C上の絶縁層49が、活性層43の端面Dを覆うように厚く形成されているため、活性層の端面D1とエポキシ系樹脂との距離は、本実施の形態2の方が大きくなっている。
【0027】
活性層の端面D1から積層面にほぼ平行な方向に絶縁層を厚く成長させるのは困難であるが、積層面と垂直方向に絶縁層を成長させるのは容易である。本発明の実施の形態2のように窒化物半導体素子の端面に第2の露出面Cを形成し、その上に絶縁層を形成させることで、n型窒化物半導体層の露出面Bにおける絶縁層の膜厚をあまり厚くさせることなく、活性層の端面D1の積層面とほぼ並行な方向に対する絶縁層を厚く形成させることができる。エポキシ系樹脂が劣化し易いのは活性層の端面D1周辺であるので、本実施の形態2のように厚く形成された絶縁層によって、活性層からの光をエポキシ系樹脂に達するまでに拡散させて、劣化を抑制することができる。
【0028】
また、本実施の形態2において、第2の露出面Cの幅Wは、あまり小さすぎると活性層43の端面Dの絶縁層の膜厚を厚くすることができず活性層の端面D1とエポキシ系樹脂が近接するので好ましくない。また、Wを大きくしすぎると、露出面Bの幅が小さくなり、ウエハーが分割しにくくなるので好ましくない。
【0029】
以上に説明したように、本発明の窒化物半導体素子は、活性層の端面D1または実質的な活性層の端面D2とエポキシ系樹脂との間の距離を大きくすることで光を拡散させてエポキシ系樹脂の劣化を抑制しており、そための手段として、実施の形態1では全面電極端面と活性層の端面D1との間の発光しない活性層を有する窒化物半導体層を用い、また、実施の形態2では第2の露出面C上に形成した絶縁層を用いている。どちらも活性層からの光をエポキシ系樹脂に達するまでに拡散させる機能を有し、これによってエポキシ系樹脂の劣化を抑制している。
【0030】
また、絶縁層の材料としては、SiO2や、ポリイミド系樹脂等の透明性の絶縁材料を好適に用いることができる。これらの材料は、エポキシ系樹脂と同様の無色透明の材料であり、エポキシ系樹脂に比べてLED内部の窒化物半導体素子からの波長の短い光に対して劣化しにくいので、長時間使用してもLEDの発光強度を低下させにくい。
【0031】
さらにまた、本発明の窒化物半導体素子は、LED等に用いることができ、例えば図8のような砲弾型のLEDに搭載することができるが、この形態にとどまらず、封止材料で窒化物半導体素子を封止するものであれば、外形は任意に選択することができるので、表面実装型等の各種LEDに用いることができるのは言うまでもない。
【0032】
【実施例】
[実施例1]
窒化物半導体として、下記のような構成を有する窒化物半導体を用いる。各半導体層は、基板上に有機金属気相成長方法(MOCVD法)により形成される。図1に示すように、サファイア基板上にGaNからなる膜厚約100Åのバッファ層(図示せず)、SiがドープされたGaNからなる膜厚約40000Åのn型コンタクト層兼クラッド層、GaN及びInGaNからなる膜厚約1600Åの多量子井戸構造の活性層(発光層)、MgがドープされたAlGaN及びMgがドープされたInGaNからなる膜厚約400Åのp型クラッド層、MgがドープされたGaNからなる膜厚約3000Åのp型コンタクト層の順に積層されている。
【0033】
この窒化物半導体のp型コンタクト層の表面Aから約3000Åの深さまでエッチングを行い、第2の露出面Cを形成させる。次いで、この露出面Cを端面から幅10μm残して、n型コンタクト層までエッチングして露出面Bを形成させる。露出面Bから露出面Cまでの距離は約7000Åである。
【0034】
上記で得られた窒化物半導体のp型コンタクト層表面Aと接し、全面を被覆する電極として金をスパッタリング法を用いて成膜した後、レジストマスクを利用してp型コンタクト層表面A外周から約8μm内側に全面電極16を形成させる。この全面電極の上に、p電極17として金を、また、n型窒化物半導体の露出面Bの上には、n電極18としてタングステン/アルミニウムをそれぞれ形成させる。その後、蒸着法によって全面に絶縁層として厚さ3000ÅのSiO2層を形成させる。
【0035】
次いで、レジストマスクを利用してエッチングさせることによりp電極17及びn電極18の表面を露出させた後、レジストマスクを除去してSiO2層19を露出させて、本発明の窒化物半導体素子を得る。
【0036】
[実施例2]
p型コンタクト層の表面Aから約7000Åの深さまでエッチングして、n型コンタクト層に露出面Cを形成させ、この露出面Cを端面から幅10μm残してさらに約3000Åエッチングして露出面Bを形成させ、露出面C上にSiO2膜を7000Åの膜厚で形成させる以外は、実施例1と同様に行い、本発明の窒化物半導体素子を得る。
【0037】
[比較例]
比較のために、窒化物半導体素子端部に露出面Cを形成しない以外は、実施例1と同様に行い、窒化物半導体素子を得る。
【0038】
上記の実施例及び比較例で得られた窒化物半導体を、リード電極上にダイボンディング機器を用いてマウントさせる。窒化物半導体の各電極とリード電極とを金線を用いてワイヤボンディングさせ、電気的に導通を取る。次いで、エポキシ系樹脂により封止することによりLEDを得る。これらのLEDを駆動電流40mAで加速試験を行うと、比較例で得られる窒化物半導体素子を用いたLEDは、約1000時間経過後の発光強度は、初強度の約80%であったのに対し、実施例で得られる窒化物半導体素子を使用したLEDでは、初強度の約82%であった。発光強度が初強度の50%まで低下する時間をLEDの寿命とすると、実施例で得られる窒化物半導体素子を用いたLEDは大幅に寿命が延びることが予測できる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、活性層の端面D1の上端とp型窒化物半導体層の表面Aとの間に第2の露出面Cを設けることで、実質的な活性層の端面D2とエポキシ系樹脂との距離を大きくすることができ、活性層からの光を拡散させることができるので、樹脂の劣化を抑制することができる。また、活性層の端面D1の下端とn型窒化物半導体層の露出面Bとの間に第2の露出面Cを形成し、その上に活性層の端面D1上端よりも厚い絶縁層を設けることで、活性層の端面D1とエポキシ系樹脂の間に厚く形成される絶縁層が、活性層からの光を拡散させるので、樹脂の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の窒化物半導体素子の構成を示す図。
【図2】 本発明の実施の形態の窒化物半導体素子の構成を示す正面図
【図3】 本実施の形態1の窒化物半導体素子の活性層端面周辺を示す拡大図。
【図4】 本発明の実施の形態2の窒化物半導体素子の構成を示す図。
【図5】 本実施の形態2の窒化物半導体素子の活性層端面周辺を示す拡大図。
【図6】 従来の窒化物半導体素子の構成を示す図。
【図7】 従来の窒化物半導体素子の活性層端面周辺を示す拡大図。
【図8】 本発明の窒化物半導体素子を用いたLEDの一例を示す図。
【符号の説明】
11、41、61・・・基板
12、42、62・・・n型コンタクト層
13、43、63・・・活性層(発光層)
14、44、64・・・p型クラッド層
15、45、65・・・p型コンタクト層
16、46、66・・・全面電極
17、47、67・・・p電極
18、48、68・・・n電極
19、49、69・・・絶縁層
80・・・エポキシ系樹脂
81・・・リード電極
82・・・窒化物半導体素子
83・・・ワイヤ
Claims (4)
- 基板上にn型窒化物半導体層、活性層及びp型窒化物半導体層が積層され、p型窒化物半導体層側に露出されたn型窒化物半導体層の露出面Bに設けられたn電極と、p型窒化物半導体層の表面Aの外周まで設けられた全面電極上にp電極が形成されてなる窒化物半導体LED素子において、
前記窒化物半導体LED素子の端部全周に、前記p型窒化物半導体層の表面Aと、前記n型窒化物半導体層の露出面Bとの間に形成された積層面とほぼ平行な第2の露出面Cを有する窒化物半導体LED素子であって、
前記第2の露出面Cは、前記p型窒化物半導体層の表面Aと、前記活性層の端面D1の上端との間に形成され、
前記活性層の端面D1は絶縁層で覆われていることを特徴とする窒化物半導体LED素子。 - 基板上にn型窒化物半導体層、活性層及びp型窒化物半導体層が積層され、p型窒化物半導体層側に露出されたn型窒化物半導体層の露出面Bに設けられたn電極と、p型窒化物半導体層の表面Aに設けられた全面電極上にp電極が形成されてなる窒化物半導体LED素子において、
前記窒化物半導体LED素子の端部に、前記活性層の端面D1の下端と露出面Bとの間に設けられ、積層面とほぼ平行な第2の露出面C2を有し、
前記活性層の端面D1及び前記第2の露出面C2は絶縁層で覆われており、
前記第2の露出面C2における、積層面に垂直方向に対する前記絶縁層の最小膜厚H1が、前記第2の露出面C2から前記活性層の端面D1の上端までの高さH2よりも大きいことを特徴とする窒化物半導体LED素子。 - 絶縁層は、SiO2である請求項1又は2に記載の窒化物半導体LED素子。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の前記窒化物半導体LED素子を、樹脂の封止材料で覆ったLED。
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