JPH10135570A - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子

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JPH10135570A
JPH10135570A JP28493396A JP28493396A JPH10135570A JP H10135570 A JPH10135570 A JP H10135570A JP 28493396 A JP28493396 A JP 28493396A JP 28493396 A JP28493396 A JP 28493396A JP H10135570 A JPH10135570 A JP H10135570A
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JP
Japan
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nitride semiconductor
layer
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grown
semiconductor layer
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JP28493396A
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Masayuki Senoo
雅之 妹尾
Keiji Sakamoto
恵司 坂本
Shuji Nakamura
修二 中村
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 放熱性が良く、さらに生産性に優れた窒化物
半導体レーザ素子を提供することにあり、具体的には発
光チップの基板を薄くして、発光チップの放熱性を向上
させて、素子寿命を向上させる。 【構成】 絶縁性基板上に、互いに異なる導電型を有す
る窒化物半導体層が積層されてなる窒化物半導体レーザ
素子において、前記絶縁性基板の厚さが80μm以下に
調整されてなり、特にスピネル基板にすると薄く研磨で
きて放熱性が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化物半導体(InX
YGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりなるレ
ーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化物半導体よりなる青色LED、緑色
LEDが最近実用化され、現在各研究機関で活発に研究
が行われている。窒化物半導体は格子整合する基板が今
のところ存在しないため、大きな格子定数差(13.5
%)にもかかわらず、サファイアが成長基板として使用
されている。前記LEDもサファイア基板の上にダブル
へテロ構造を有する窒化物半導体が成長されてなってい
る。
【0003】基板にはサファイアの他に、窒化物半導体
と格子定数差の少ないSiC、スピネル(MgAl
24)を使用することも提案されているが{例えば、J.
I.Pankove : RCA Review 32,383(1972)、M.E.Lin : App
l.Phys.Lett 62,702(1993)}、現実に主流となっている
のはサファイアを用いた窒化物半導体素子である。
【0004】サファイアの上に窒化物半導体が成長され
た素子では、窒化物半導体とサファイアとの格子定数、
熱膨張係数等が異なるため、その界面には歪みによる応
力が係っている。しかも窒化物半導体は1000℃以上
の高温で成長されるため、窒化物半導体成長後、ウェー
ハを常温に冷却すると歪みは顕著になる。そのため、成
長後のウェーハが平面状ではなく、反り返ったりする場
合がある。さらに窒化物半導体、サファイアともモース
硬度が9とダイヤモンドに近い非常に堅い物質であるた
め、ウェーハから規則的な形状のチップに分離するのが
難しいという問題がある。このため特開平5−1669
23号では、サファイア基板を研磨して薄くしてからス
クライブで切断する技術が示されている。このように、
サファイアを基板としたLED素子では100μm前後
にサファイア基板を薄くしてから切断されている。
【0005】一方、窒化物半導体はレーザ素子の材料と
しても非常に有望であるが、レーザ素子ではLEDと異
なり、素子自体の発熱量が格段に大きく、素子寿命を向
上させて、閾値電流を低下させるためには、素子自体の
放熱性を高める必要がある。しかしながら、窒化物半導
体自体が注目されるようになってから、具体的に窒化物
半導体よりなるレーザ素子の放熱性を高める技術は提案
されていないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
とするところは放熱性が良く、さらに生産性に優れた窒
化物半導体レーザ素子を提供することにあり、具体的に
は発光チップの基板を薄くして、発光チップの放熱性を
向上させて、素子寿命を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化物半導体レ
ーザ素子は、絶縁性基板上に、互いに異なる導電型を有
する窒化物半導体層が積層されてなる窒化物半導体レー
ザ素子において、前記絶縁性基板の厚さが80μm以下
に調整されてなることを特徴とする。基板の好ましい厚
さは70μm以下、さらに好ましくは60μm以下、最
も好ましくは50μm以下に調整される。また下限は特
に限定しないが通常10μm以上あることが望ましい。
【0008】また、本発明のレーザ素子は、絶縁性基板
がスピネルよりなることを特徴とする。また、スピネル
基板の窒化物半導体が成長される面は(111)面であ
ることがさらに好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】レーザ素子の基板には、サファイ
ア(Al23、A面、C面、R面を含む)、スピネル
(MgAl24)の他、例えば特開平2−229475
号公報に示されているような窒化物半導体に格子整合し
た酸化物基板、若しくは格子定数の近い酸化物基板を用
いることができる。その中でもスピネルは窒化物半導体
との、格子定数不整が9.5%と少なく、また窒化物半
導体との密着性も良く、基板を薄くしても基板自体が割
れることは少ない。
【0010】窒化物半導体を積層するには、例えばMO
VPE(有機金属気相成長法)、MBE(分子線気相成
長法)、HDVPE(ハライド気相成長法)等の窒化物
半導体を成長させるために提案されている従来の気相成
長技術を用いることができる。そして、これらの気相成
長技術を用いて、窒化物半導体をn型、p型等の導電型
になるように積層することによりレーザ素子の構造を作
製することができる。窒化物半導体はノンドープ(不純
物をドープしない状態)でも結晶自信が持つ格子欠陥の
ためにn型となる性質があるが、好ましくはSi、G
e、Sn、S等のドナー不純物を結晶成長中にドープす
ることにより、キャリア濃度の高い好ましいn型とする
ことができる。またp型はMg、Zn、Cd、Be等の
II族元素よりなるアクセプター不純物を結晶成長中にド
ープすることにより得られるが、これらのアクセプター
不純物は結晶中の水素原子と結合して、アクセプターを
不活性化しているため、結晶成長後にアニーリング(熱
処理)して結晶中の水素を除去してやることにより、低
抵抗な好ましいp型が得られる。
【0011】成長後の基板は例えばダイヤモンド粉、S
iC粉等を研磨剤として、通常の研削装置を用いてラッ
ピングすることにより、膜厚を調整できる。また、ラッ
ピング後、そのラッピング面をさらに細かい研磨剤を用
いてポリシングしても良い。一方、エッチングにはドラ
イエッチングとウェットエッチングがありどちらを用い
ても良い。ドライエッチングでは例えば、RIE(反応
性イオンエッチング)装置、RIBE(反応性イオンビ
ームエッチング)装置、ECR(電子サイクロトロンエ
ッチング)装置、イオンミリング装置等を用いることが
できる。ウェットエッチングでは例えば硫酸+過酸化水
素、硫酸+リン酸の混酸等でエッチング可能である。ま
たウェットエッチングとドライエッチングを併用するこ
ともできる。
【0012】基板膜厚調整後の窒化物半導体を成長した
ウェーハを分割して発光チップとするには、例えばダイ
シング、スクライブ等の手段がある。本発明では好まし
くスピネル基板を使用して、さらにそのスピネル基板を
80μm以下と非常に薄く調節しているため、ダイシン
グ、スクライブいずれの方法においても、正確な位置で
切断可能となる。特に、スピネルはサファイアほどの硬
度を有していないので、ダイサーででも切断可能であ
り、さらに、基板を薄くしているので、用意に切断でき
る。一方、スクライブも同様に、スピネル(111)面
は(100)面に劈開性があるため、その劈開性を用い
れば、ウェーハを簡単に分離できる。
【0013】[実施例1]図1を元にして本発明の方法
によるLD素子を作製する方法について説明する。(1
11)面を成長面とする1インチφ、厚さ300μmの
スピネル基板11(MgAl24)を反応容器内にセッ
トし、反応容器内を水素で十分置換した後、水素を流し
ながら、基板の温度を1050℃まで上昇させ、基板の
クリーニングを行う。
【0014】続いて、温度を510℃まで下げ、キャリ
アガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメ
チルガリウム)とを用い、スピネル基板上にGaNより
なるバッファ層12を約200オングストロームの膜厚
で成長させる。バッファ層はAlN、GaN、AlGa
N等が、900℃以下の温度で、膜厚数十オングストロ
ーム〜数百オングストロームで形成できる。このバッフ
ァ層は基板と窒化物半導体との格子定数不正を緩和する
ために形成されるが、窒化物半導体の成長方法によって
は省略することも可能である。
【0015】バッファ層12成長後、TMGのみ止め
て、温度を1030℃まで上昇させる。1030℃にな
ったら、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガス、ド
ーパントガスにシランガスを用い、n型コンタクト層1
3としてSiドープn型GaN層を5μmの膜厚で成長
させる。n型コンタクト層はInXAlYGa1-X-Y
(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、特
にGaN、InGaN、その中でもSi若しくはGeを
ドープしたGaNで構成することにより、キャリア濃度
の高いn型層が得られ、また負電極と好ましいオーミッ
ク接触が得られる。負電極の材料としてはAl、Ti、
W、Cu、Zn、Sn、In等の金属若しくは合金が好
ましいオーミックが得られる。
【0016】次に、温度を800℃にして、原料ガスに
TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニ
ア、不純物ガスにシランガスを用い、SiドープIn0.
1Ga0.9Nよりなるクラック防止層14を500オング
ストロームの膜厚で成長させる。このクラック防止層1
4はInを含むn型の窒化物半導体、好ましくはInG
aNで成長させることにより、次に成長させるAlを含
む第1のn型窒化物半導体層15を厚膜で成長させるこ
とが可能となり、非常に好ましい。LDの場合は、光閉
じ込め層となる層を、好ましくは0.1μm以上の膜厚
で成長させる必要がある。従来ではGaN、AlGaN
層の上に直接、厚膜のAlGaNを成長させると、後か
ら成長させたAlGaNにクラックが入るので素子作製
が困難であったが、このクラック防止層14が、次に成
長させるAlを含む第1のn型窒化物半導体層15にク
ラックが入るのを防止することができる。なおこのクラ
ック防止層は100オングストローム以上、0.5μm
以下の膜厚で成長させることが好ましい。100オング
ストロームよりも薄いと前記のようにクラック防止とし
て作用しにくく、0.5μmよりも厚いと、結晶自体が
黒変する傾向にある。なお、このクラック防止層14は
成長方法、成長装置等の条件によっては省略することも
できるがLDを作製する場合には成長させる方が望まし
い。
【0017】次に温度を1030℃にして、原料ガスに
TMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、NH3
SiH4を用い、Siドープn型Al0.2Ga0.8Nより
なる第1のn型窒化物半導体層15を0.5μmの膜厚
で成長させる。この第1のn型窒化物半導体層15はキ
ャリア閉じ込め層、及び光閉じ込め層として作用し、上
記のようにAlを含む窒化物半導体、好ましくはAlG
aNを成長させることが望ましく、100オングストロ
ーム以上、2μm以下、さらに好ましくは500オング
ストローム以上、1μm以下で成長させることにより、
結晶性の良いキャリア閉じ込め層が形成できる。
【0018】続いて、1030℃でSiドープn型Ga
Nよりなる第2のn型窒化物半導体層16を0.2μm
の膜厚で成長させる。この第2のn型窒化物半導体層1
6は、光ガイド層として作用し、GaN、InGaNを
成長させることが望ましく、通常100オングストロー
ム〜5μm、さらに好ましくは200オングストローム
〜1μmの膜厚で成長させることが望ましい。
【0019】次に、原料ガスにTMG、TMI、アンモ
ニアを用いて活性層17を成長させる。活性層は温度を
800℃に保持して、まずノンドープIn0.2Ga0.8N
よりなる井戸層を25オングストロームの膜厚で成長さ
せる。次にTMIのモル比を変化させるのみで同一温度
で、ノンドープIn0.01Ga0.95Nよりなる障壁層を5
0オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を2
回繰り返し、最後に井戸層を積層した多重量子井戸構造
の活性層17を成長させる。
【0020】次に、温度を1050℃に上げ、TMG、
TMA、NH3、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグ
ネシウム)を用い、活性層よりもバンドギャップエネル
ギーが大きい、Mgドープp型Al0.1Ga0.9Nよりな
る第1のp型窒化物半導体層18を300オングストロ
ームの膜厚で成長させる。この第1のp型窒化物半導体
層18はp型としたが、膜厚が薄いため、n型不純物を
ドープしてキャリアが補償されたi型としても良く、最
も好ましくはp型とする。第1のp型窒化物半導体層1
8の膜厚は0.1μm以下、さらに好ましくは500オ
ングストローム以下、最も好ましくは300オングスト
ローム以下に調整する。0.1μmより厚い膜厚で成長
させると、第1の窒化物半導体層中にクラックが入りや
すくなり、結晶性の良い窒化物半導体層が成長しにくい
からである。またキャリアがこのエネルギーバリアをト
ンネル効果により通過できなくなる。また、Alの組成
比が大きいAlGaN程薄く形成するとLD素子は発振
しやすくなる。例えば、Y値が0.2以上のAlYGa
1-YNであれば500オングストローム以下に調整する
ことが望ましい。第1の窒化物半導体層18の膜厚の下
限は特に限定しないが、10オングストローム以上の膜
厚で形成することが望ましい。
【0021】続いて1050℃で、バンドギャップエネ
ルギーが第1のp型窒化物半導体層18よりも小さい、
Mgドープp型GaNよりなる第2のp型窒化物半導体
層19を0.2μmの膜厚で成長させる。この層は、光
ガイド層として作用し、第2のn型窒化物半導体層16
と同じくGaN、InGaNで成長させることが望まし
い。また、この層は第3のp型窒化物半導体層20を成
長させる際のバッファ層としても作用し、100オング
ストローム〜5μm、さらに好ましくは200オングス
トローム〜1μmの膜厚で成長させることにより、好ま
しい光ガイド層として作用する。
【0022】続いて1050℃で、バンドギャップエネ
ルギーが第2の窒化物半導体層19よりも大きい、Mg
ドープp型Al0.2Ga0.8Nよりなる第3のp型窒化物
半導体層20を0.5μmの膜厚で成長させる。この層
は第1のn型窒化物半導体層15と同じく、キャリア閉
じ込め層、及び光閉じ込め層として作用し、Alを含む
窒化物半導体、好ましくはAlGaNを成長させること
が望ましく、100オングストローム以上、2μm以
下、さらに好ましくは500オングストローム以上、1
μm以下で成長させることにより、結晶性の良いキャリ
ア閉じ込め層が形成できる。
【0023】本実施例のようにInGaNよりなる井戸
層を有する活性層17の場合、その活性層17に接し
て、膜厚0.1μm以下のAlを含む第1のp型窒化物
半導体層18を設け、その第1のp型窒化物半導体層1
8よりも活性層から離れた位置に、第1のp型窒化物半
導体層よりもバッドギャップエネルギーが小さい第2の
p型窒化物半導体層19を設け、その第2のp型窒化物
半導体層19よりも活性層から離れた位置に、第2のp
型窒化物半導体層19よりもバンドギャップが大きいA
lを含む窒化物半導体よりなる第3のp型窒化物半導体
層20を設けることは非常に好ましい。しかもこの第1
のp型窒化物半導体層104の膜厚を0.1μm以下と
薄く設定してあるため、キャリアのバリアとして作用す
ることはなく、p層から注入された正孔が、トンネル効
果により第1のp型窒化物半導体層を通り抜けることが
できて、活性層で効率よく再結合し、LDの出力が向上
する。つまり、注入されたキャリアは、第1のp型窒化
物半導体層18のバンドギャップエネルギーが大きいた
め、半導体素子の温度が上昇しても、あるいは注入電流
密度が増えても、キャリアは活性層をオーバーフローせ
ず、第1のp型窒化物半導体層19で阻止されるため、
キャリアが活性層に貯まり、効率よく発光することが可
能となる。従って、半導体素子が温度上昇しても発光効
率が低下することが少ないので、閾値電流の低いLDを
実現することができる。
【0024】最後に、第3のp型窒化物半導体層20の
上に、1050℃でMgドープp型GaNよりなるp型
コンタクト層21を0.5μmの膜厚で成長させる。p
型コンタクト層21はp型のInXAlYGa1-X-Y
(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、好
ましくはMgをドープしたGaNとすれば、p電極32
と最も好ましいオーミック接触が得られる。なお、p型
コンタクト層と好ましいオーミックが得られるp電極の
材料としては、例えばNi、Pd、Ni/Au等を挙げ
ることができる。
【0025】反応終了後、温度を室温まで下げ、さらに
窒素雰囲気中、ウェーハを反応容器内において、700
℃でアニーリングを行い、p型層をさらに低抵抗化す
る。
【0026】アニーリング後、ウェーハを反応容器から
取り出し、RIE装置でにより最上層のp型コンタクト
層21と、第3のp型窒化物半導体層20とをエッチン
グして、2μmのストライプ幅を有するリッジ形状とす
る。このように、活性層よりも上部にあるp型層をスト
ライプ状のリッジ形状とすることにより、活性層の発光
がストライプリッジの下に集中するようになって閾値が
低下する。特に活性層よりも上にあるAlを含むp型窒
化物半導体層以上の層をリッジ形状とすることが好まし
い。リッジ形成後、リッジ表面にマスクを形成し、図1
に示すように、ストライプ状のリッジに対して左右対称
にして、n型コンタクト層13の表面を露出させる。
【0027】次にp型コンタクト層21の表面にNiと
Auよりなるp電極32をストライプ状に形成する。一
方、TiとAlよりなるn電極31をストライプ状のn
型コンタクト層1のほぼ全面に形成する。なおほぼ全面
とは80%以上の面積をいう。
【0028】次に、図1に示すように、n電極31とp
電極32との間に露出した窒化物半導体層の表面にSi
2よりなる絶縁膜40を形成し、この絶縁膜40を介
してp電極32と電気的に接続したパッド電極33を形
成する。このパッド電極33は実質的なp電極32の表
面積を広げて、p電極32側をワイヤーボンディングで
きるようにする作用がある。
【0029】以上のようにして、n電極とp電極とを形
成したウェーハを研磨装置に移送し、ダイヤモンド研磨
剤を用いて、窒化物半導体を形成していない側のスピネ
ル基板をラッピングし、スピネル基板の厚さを50μm
とする。ラッピング後、さらに細かい研磨剤で1μmポ
リシングして基板表面を鏡面状とする。
【0030】基板研磨後、研磨面側をスクライブして、
ストライプ状の電極に垂直な方向でバー状に劈開し、劈
開面に共振器を作製する。なお劈開面はスピネル基板の
上に成長した窒化物半導体面の
【外1】 面とする。外1面とは窒化物半導体を正六角柱の六方晶
系で近似した場合に、その六角柱の側面に相当する四角
形の面(M面)に相当する面である。この他、RIE等
のドライエッチング手段により端面をエッチングして共
振器を作製することもできる。またこの他、劈開面を鏡
面研磨して作成することも可能である。
【0031】劈開後、共振器面にSiO2とTiO2より
なる誘電体多層膜を形成し、最後にp電極に平行な方向
で、バーを切断してレーザチップとした。次にチップを
フェースアップ(基板とヒートシンクとが対向した状
態)でヒートシンクに設置し、それぞれの電極をワイヤ
ーボンディングして、常温でレーザ発振を試みたとこ
ろ、室温において、しきい値電流密度2kA/cm2で、
発振波長400nmの連続発振が確認された。このよう
にスピネル基板を薄くすることによって、チップの放熱
性が向上するので、連続発振が可能となる。
【0032】[実施例2]実施例1において、窒化物半
導体を成長させて、同様に電極を形成したウェーハのス
ピネル基板を60μmにラッピングして、59μmにな
るまでポリシングする他は同様にしてLDを作製したと
ころ、実施例1とほぼ同等の特性を有するLDを作製す
ることができた。
【0033】[実施例3]実施例1において、窒化物半
導体を成長させて、同様に電極を形成したウェーハのス
ピネル基板を80μmにラッピングして、79μmにな
るまでポリシングする他は同様にしてLDを作製したと
ころ、実施例1と同様に室温でレーザ発振したが、寿命
は実施例1のものに比較して70%であった。
【0034】[実施例4]実施例1において、基板に2
インチφ、厚さ500μmのサファイアのC面を用いる
他は、同様にしてサファイア基板の上に窒化物半導体を
積層し、n電極と、p電極とを形成した後、ウェーハを
研磨装置に移送して、サファイア基板をラッピングし
て、基板の厚さを70μmとした他は同様にしてLDを
作製したところところ実施例1と同様に室温でレーザ発
振したが、寿命は実施例1のものに比較して60%であ
った。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると格
子不整合系基板の上に成長した窒化物半導体ウェーハで
も、基板を極限近くまで薄くすることができるので、き
れいにチップに分離することができる。つまり正確な位
置で一定の形状で歩留よくチップ状にすることができ
る。さらにLDを作製すると基板が薄いので、放熱効果
が高まり、窒化物半導体の連続発振が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレーザ素子の一構造を示す模式断面
図。
【符号の説明】
11・・・スピネル基板 12・・・バッファ層 13・・・n型コンタクト層 14・・・クラック防止層 15・・・第1のn型窒化物半導体層 16・・・第2のn型窒化物半導体層 17・・・活性層 18・・・第1のp型窒化物半導体層 19・・・第2のp型窒化物半導体層 20・・・第3のp型窒化物半導体層 21・・・p型コンタクト層 31・・・n電極 32・・・p電極 33・・・パッド電極 40・・・絶縁膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に、互いに異なる導電型を
    有する窒化物半導体層が積層されてなる窒化物半導体レ
    ーザ素子において、前記絶縁性基板の厚さが80μm以
    下に調整されてなることを特徴とする窒化物半導体レー
    ザ素子。
  2. 【請求項2】 前記絶縁性基板がスピネルよりなること
    を特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素
    子。
JP28493396A 1996-10-28 1996-10-28 窒化物半導体レーザ素子 Pending JPH10135570A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002009337A (ja) * 2000-06-21 2002-01-11 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体素子
JP2013009013A (ja) * 2005-07-29 2013-01-10 Osram Opto Semiconductors Gmbh オプトエレクトロニクス半導体チップ、オプトエレクトロニクスモジュールおよびオプトエレクトロニクス半導体チップの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8994000B2 (en) 2005-07-29 2015-03-31 Osram Opto Semiconductors Gmbh Optoelectronic semiconductor chip

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