JP4896629B2 - 排気ガス処理装置 - Google Patents

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本発明は、排気ガス処理装置に関する。更に詳しくは、排気ガス中に含まれる微粒子を効率よく凝集させてフィルタにて捕集する排気ガス処理装置に関する。
自動車用エンジン、建設機械用エンジン、産業機械用定置エンジン等の内燃機関、その他の燃焼機器等から排出される排気ガス中の微粒子や有害物質は、環境への影響を考慮して排気ガス中から除去する必要性が高まっている。特にディーゼルエンジンから排出される微粒子(以下「PM」ということがある)の除去に関する規制は世界的に強化される傾向にあり、PMを除去するための捕集フィルタ(ディーゼルパティキュレートフィルタ:以下「DPF」ということがある)としてハニカムフィルタの使用が注目され、種々のシステムが提案されている。
上記DPFは、通常、流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を備え、一方の端部が開口され且つ他方の端部が目封止された所定のセル(所定のセル)と、一方の端部が目封止され且つ他方の端部が開口された残余のセル(残余のセル)とが交互に配設され、所定のセルが開口する一方の端部から流入した流体(排気ガス)を、隔壁を透過させて残余のセル内に透過流体として流出させ、透過流体を残余のセルが開口する他方の端部から流出させることにより、排気ガス中のPMを捕集除去するものである。
また、上記したようなPMを含む排気ガスを処理する排気ガス処理装置として、例えば、排気ガスが通過する流路の内部に設けた衝突ガイド部材に衝突させて凝集させた後、帯電体で負に帯電させて、正の帯電体に吸着させることにより、電気的に捕集するものが開示されている(特許文献1参照)。正の帯電体を通過したPMは、下流のフィルタで捕集され、正の帯電体に通電してヒーターとして機能させることで焼却除去される。
このような排気ガス処理装置は、流路構成が複雑となるため圧力損失が高くなる欠点があり、製作も容易ではない。また、十分な凝集効果が得られず、微粒子が凝集しないまま装置を通り抜けて放出されてしまう。
このようなことから、内燃機関の排気管により形成され該排気管の軸線方向に排ガスが流通する排気通路に、排気ガス中の排気微粒子を凝集させる凝集器として、両者の間に高電圧が印加されコロナ放電による電荷を授受する電荷放出及び電荷回収の2種類よりなる電極を、第1の種類の電極の電荷授受部が上記排気通路の径方向の略中心部に位置するように配設して、前記コロナ放電による電荷により排気微粒子を帯電し、電荷を回収する電極において凝集させる凝集器を備えた排気処理装置が開示されている(特許文献2参照)。
また、上記したような排気処理装置に用いられ、コロナ放電により帯電された排気微粒子を凝集部により凝集する排気処理装置用凝集器として、凝集部には、帯電部の排気ガス流れの下流側に配置される第1の導電性体を備え、第1の導電性体は、正電位に印加されている排気処理装置用凝集器が開示されている(特許文献3参照)。
更に、エンジンの排気経路に配設され、エンジンの排気ガスに含まれる粒子状物質を凝集して粒径の大きな粒子状物質(凝集PM)を生成するPM凝集手段と、このPM凝集手段より排気ガスの流れ方向下流に配設され、PM凝集手段により凝集された凝集PMを捕集するPM捕集手段とを備えた排気浄化装置が開示されている(特許文献4参照)。
特開2001−41024号公報 特開2005−320955号公報 特開2005−324094号公報 特開2006−29267号公報
しかしながら、特許文献2に開示された排気処理装置は、電荷により帯電させた微粒子を電界で移動させて、電荷を回収する電極(下流側の電極)にて凝集するものであるため、帯電させた微粒子が電極まで移動するための滞留時間を確保しなければならない。このため、十分な微粒子の凝集効果を得るためには、電極間の距離を長くする必要があり、装置が大型になってしまうという問題があった。このように排気処理装置が大型化した場合には、自動車等に設置して排気ガスを処理することが極めて困難になる。
また、この特許文献2に開示された排気処理装置においては、電荷を回収する電極(下流側の電極)の面積が極めて小さいため、多くの微粒子が電極に補足されることなく、電極をすり抜けてしまうことから、微粒子を凝集させる効果が少なく、実際には微粒子をほとんど凝集させることができないという問題もあった。
また、特許文献3に記載された排気処理装置用凝集器は、凝集部を構成する第1の導電性体に高電圧を印加して、帯電させた微粒子を引き寄せるように構成されたものであり、特許文献2に開示された排気処理装置と比較して、帯電させた微粒子の移動距離を短くすることができ、更に、凝集効果も高くなっている。しかしながら、電極(帯電部及び凝集部)の構成が極めて複雑であり、大きな振動等が加わる自動車等に用いることが困難であるという問題があった。また、この排気処理装置用凝集器においては、凝集部を構成する第1の導電性体に高電圧を印加して、帯電させた微粒子を引き寄せるように構成されたものであるが、カーボンが含まれる抵抗率の低い微粒子を付着させるため、絶縁構造が極めて難しく、実用的ではないという問題もあった。
また、通常、排気ガス中に含まれる微粒子は、上記した方法による凝集(電荷を与えて電極に引き寄せることによる凝集)とは他に、ブラウン運動の自由拡散によって互いに衝突を繰り返し、衝突した微粒子が結合することによって肥大化(凝集)が行われる。
上記した特許文献2及び3の排気処理装置においては、微粒子を負の電荷により帯電させるため、電極間を移動する微粒子は、単一の電荷(具体的には、負の電荷)を持った微粒子しか存在しないこととなる。単一の電荷を持った微粒子は、電気的反発力によって上記した衝突が阻害されることとなり、ブラウン運動による凝集はほとんど行われなくなってしまう。
また、特許文献4に記載された排気浄化装置に用いられるPM凝集手段は、上記特許文献2及び3に示すような、電荷により帯電させた微粒子を電界で移動させて、電極(下流側の電極)にて凝集するものであるため、装置が大型化したり、構成が極めて複雑であり、大きな振動等が加わる自動車等に用いることが困難であるという問題があった。
本発明は、上述のような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、排気ガス中に含まれる微粒子を効率よく凝集させてフィルタにて捕集する排気ガス処理装置を提供する。
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、排気ガス中に含まれる微粒子において、正の電荷を与えた微粒子と負の電荷を与えた微粒子とを、一つの排気系にて生成し、それぞれの電荷が与えられた微粒子を凝集させ、凝集させた微粒子をハニカムフィルタによって捕集することにより、前記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下の排気ガス処理装置が提供される。
[1] 排気ガスが通過する流路となる管体と、前記管体の内部に配置された、前記排気ガス中に含まれる微粒子を凝集させるための静電凝集器と、前記静電凝集器によって凝集させた微粒子を捕集するためのハニカムフィルタと、を備えた排気ガス処理装置であって、前記静電凝集器が、前記微粒子に正又は負の電荷を与えるための第一の放電を生じさせる第一放電電極部と、前記微粒子に前記第一の放電とは異なる極性の電荷を与えるための第二の放電を生じさせる第二放電電極部とを有し、前記第一放電電極部によって生じる前記第一の放電の荷電量と、前記第二放電電極部によって生じる前記第二の放電の荷電量とを、それぞれ独立して制御可能に構成された排気ガス処理装置。
[2] 前記第一の放電と前記第二の放電によってそれぞれ極性の異なる電荷に帯電させた前記微粒子同士をクーロン力によって引き寄せあわせて、少なくとも空間で凝集させる前記[1]に記載の排気ガス処理装置。
[3] 前記管体の一部は、前記排気ガスの流れ方向に平行となるようにその内部空間が二つに仕切られて、第一流路と第二流路とが形成されており、前記第一流路に前記第一放電電極部が配置されるとともに、前記第二流路に前記第二放電電極部が配置されている前記[1]又は[2]に記載の排気ガス処理装置。
[4] 前記第一放電電極部及び前記第二放電電極部の少なくとも一方は、前記管体の内側面を対向電極としてコロナ放電を行うように構成されたものである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の排気ガス処理装置。
[5] 前記第一放電電極部及び前記第二放電電極部の少なくとも一方は、誘電体を有し、前記誘電体の表面に沿面放電を行うように構成されたものである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の排気ガス処理装置。
] 前記静電凝集器が、前記第一放電電極部及び前記第二放電電極部の少なくとも一方を二つ以上有するものであり、二つ以上の前記第一放電電極部及び/又は前記第二放電電極部が、前記管体の内部に、前記排気ガスの流れ方向にそれぞれ直列に配置されている前記[1]〜[]のいずれかに記載の排気ガス処理装置。
] 前記ハニカムフィルタが、前記排気ガスが通過する流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を備え、一方の端部(フィルタ入口端部)が開口され且つ他方の端部(フィルタ出口端部)が目封じされた所定のセル(入口開放セル)と、前記フィルタ入口端部が目封じされ且つ前記フィルタ出口端部が開口された残余のセル(出口開放セル)とが交互に配設されてなるものである前記[1]〜[]のいずれかに記載の排気ガス処理装置。
] 前記ハニカムフィルタは、前記隔壁の表面及び/又は前記隔壁の内部に触媒が担持されたものである前記[]に記載の排気ガス処理装置。
] 前記ハニカムフィルタは、そのセル密度が、50〜300セル/cmのものである前記[]又は[]に記載の排気ガス処理装置。
10] 前記ハニカムフィルタは、その平均細孔径が、20〜150μmのものである前記[]〜[]のいずれかに記載の排気ガス処理装置。
11] 前記ハニカムフィルタは、その気孔率が、30〜80%のものである前記[]〜[10]のいずれかに記載の排気ガス処理装置。
本発明の排気ガス処理装置は、排気ガス中に含まれる微粒子において、第一の放電と第二の放電とによって、それぞれ極性の異なる電荷に帯電させた微粒子、即ち、正の電荷を与えた微粒子と負の電荷を与えた微粒子とを、一つの排気系にて生成し、それぞれの電荷に帯電させた微粒子を凝集させるため、微粒子を効率よく凝集させることができ、凝集させた微粒子をハニカムフィルタにて良好に捕集することができる。また、ブラウン運動の自由拡散による微粒子の衝突を阻害することがないため、ブラウン運動による微粒子の凝集効果についても期待することができる。特に、本実施形態の排気ガス処理装置は、それぞれ極性の異なる電荷に帯電させた微粒子同士をクーロン力によって引き寄せあわせて、少なくとも空間で凝集させることができるため、簡便且つ効率よく微粒子を凝集させることができる。
また、それぞれの電荷に帯電させた微粒子は、ハニカムフィルタの上流側の空間だけでなく、ハニカムフィルタに流入した後、その内部空間においても凝集が行われるため、微粒子を効率よく凝集させることができる。
また、本発明の排気ガス処理装置は、それぞれの電荷に帯電させた微粒子を、管体によって形成される流路内又はハニカムフィルタ内の空間中で凝集させるため、従来のような、微粒子を引き寄せるための電極等を用いる必要がなく、極めて簡素な構成であり、従来の排気ガス処理装置と比較して部品点数を大幅に削減することができる。このように簡素な構成であり、振動等によって破損し難いため、大きな振動等が加わる自動車の排気ガス処理装置としても好適に用いることができる。
本発明を実施するための実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は、これらに何ら限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものであることは言うまでもない。
[排気ガス処理装置]
図1は、本発明の排気ガス処理装置の一の実施形態を模式的に説明する説明図であり、排気ガスが通過する流路の流れ方向に平行な面で切断した断面図である。また、図2は、図1の排気ガス処理装置を構成する静電凝集器の構成を模式的に示す説明図であり、図3は、図2に示す静電凝集器を流路の流れ方向に垂直な面で切断した断面図である。
図1〜図3に示すように、本実施形態の排気ガス処理装置1は、排気ガス6が通過する流路となる管体4と、管体4の内部に配置された、排気ガス6中に含まれる微粒子5を凝集させるための静電凝集器2と、静電凝集器2によって凝集させた微粒子15(以下、「凝集微粒子」ということがある)を捕集するためのハニカムフィルタ3と、を備えた排気ガス処理装置1であって、静電凝集器2が、一の微粒子5に正又は負の電荷を与えるための第一の放電17を生じさせる第一放電電極部7と、他の微粒子5に第一の放電17とは異なる極性の電荷を与えるための第二の放電18を生じさせる第二放電電極部8とを有する排気ガス処理装置1である。
図1〜図3に示す排気ガス処理装置1を構成する静電凝集器2は、一の微粒子5に正の電荷を与えるための第一の放電17を生じさせる正放電電極部(第一放電電極部7)と、他の微粒子5に負の電荷を与えるための第二の放電18を生じさせる負放電電極部(第二放電電極部8)とを有するものである。
本実施形態の排気ガス処理装置1によれば、第一の放電17と第二の放電18とによって、それぞれ極性の異なる電荷に帯電された微粒子5、即ち、正の電荷を与えた微粒子5aと負の電荷を与えた微粒子5bとを生成し、それぞれの電荷に帯電させた微粒子5a,5bを凝集させるため、微粒子5を効率よく凝集させることができ、凝集させた微粒子15をハニカムフィルタ3にて良好に捕集することができる。特に、それぞれの電荷に帯電させた微粒子5a,5bをクーロン力によって引き寄せあわせて、少なくとも空間、具体的には、正放電電極部7及び負放電電極部8よりも下流側の空間で凝集させることができるため、簡便な構成の装置であっても、極めて効率よく微粒子を凝集させることができる。このような凝集微粒子15を含む排気ガス6は、ハニカムフィルタ3によって浄化され、浄化された浄化ガス9は、ハニカムフィルタ3の下流側より排出される。特に、本実施形態の排気ガス処理装置1においては、肥大化した凝集微粒子15をハニカムフィルタ3にて捕集するため、従来の排気ガス処理装置に用いられるハニカムフィルタよりも、セル密度や隔壁の平均細孔径等の大きなハニカムフィルタを用いたとしても、捕集効率を低下させることなく微粒子を良好に捕集することができる。このようなハニカムフィルタは、初期状態の圧力損失が小さく、エンジン等の内燃機関に掛かる負担を軽減することができる。
また、本実施形態の排気ガス処理装置1は、従来の排気ガス処理装置のように全ての微粒子を単一の電荷に帯電させるものではないため、ブラウン運動の自由拡散による微粒子5の衝突を阻害することがなく、ブラウン運動による凝集効果についても期待することができる。
また、それぞれの電荷に帯電させた微粒子5a,5bは、ハニカムフィルタ3の上流側の空間(流路を形成する管体4の内部空間)だけではなく、ハニカムフィルタ3に流入した後、ハニカムフィルタ3内の空間においても凝集が行われるため、静電凝集器2とハニカムフィルタ3とを近接させて配置したとしても、微粒子5a,5bを良好に凝集させることができる。更に、このような微粒子5a,5bは、上記した空間にて凝集させるだけでなく、例えば、流路を形成する管体4の表面に付着させることによっても凝集させることができる。
また、本実施の形態の排気ガス処理装置1は、それぞれ極性の異なる電荷に帯電させた微粒子5a,5b同士をクーロン力によって引き寄せあわせて、流路を形成する管体4の内部空間及びハニカムフィルタ3内の空間で凝集させるため、従来の排気ガス処理装置(例えば、特許文献2参照)ような、微粒子を引き寄せるための電極等を用いる必要がなく、極めて簡素な構成であり、従来の排気ガス処理装置と比較して部品点数を大幅に削減することができる。このため、大きな振動等が加わる自動車等の排気ガス処理装置として好適に用いることができる。
[静電凝集器]
ここで、本実施の形態の排気ガス処理装置に用いられる静電凝集器について更に具体的に説明する。この静電凝集器2は、微粒子5に正又は負の電荷(図1においては、正の電荷)を与えるための第一の放電17を生じさせる第一放電電極部7と、微粒子5に第一の放電7とは異なる極性の電荷(図1においては、負の電荷)を与えるための第二の放電18を生じさせる第二放電電極部8との二つの電極部を有しており、排気ガス6中に含まれる微粒子の一部を正の電荷に帯電させるとともに、残りの微粒子を負の電荷に帯電させることができる。
第一放電電極部7と第二放電電極部8とは、それぞれの放電(第一の放電17及び第二の放電18)の発生の妨害をしないような位置に配置されている。図1〜図3に示す排気ガス処理装置1においては、管体4における流れ方向の中央部分に、それぞれの電極部の先端が管体4の内側面の反対側を向くように配置されている。
図1〜図3に示す排気ガス処理装置1においては、第一放電電極部7及び第二放電電極部8が、流路を形成する管体4の内側面をそれぞれの対向電極としてコロナ放電を行うように構成された場合の例を示している。なお、例えば、本実施形態の排気ガス処理装置1においては、図4及び図5に示すように、第一放電電極部7及び第二放電電極部8が、それぞれ誘電体19を有し、誘電体19の表面にそれぞれ極性の異なる沿面放電を行うように構成されたものであってもよい。ここで、図4は、本発明の排気ガス処理装置の他の実施形態に用いられる静電凝集器の構成を模式的に示す説明図であり、図5は、図4に示す静電凝集器を流路の流れ方向に垂直な面で切断した断面図である。更に、本実施形態の排気ガス処理装置においては、図示は省略するが、第一放電電極部と第二放電電極部とが異なる構成、例えば、異なる形状や、異なる放電方式であってもよい。具体的には、一方の電極部が図2に示すようなコロナ放電を行うように構成され、他方の電極部が図4に示すような沿面放電を行うように構成されたものであってもよい。
図1〜図3に示すようなコロナ放電を行うように構成された電極部(第一放電電極部7及び第二放電電極部8)は、電極構造が簡単であるとともに、直流電源(DC電源)、交流電源(AC電源)、パルス電源等のすべての高圧電源での使用が可能である。特に、直流電源はスイッチング周波数の高周波化により小型化が可能であり、排気ガス処理装置全体の小型化に大きく寄与することができる。一方、図4及び図5に示すような誘電体19の表面に沿面放電を行うように構成された電極部(第一放電電極部7及び第二放電電極部8)は、低抵抗率の微粒子が付着することによる絶縁低下やガス温度、ガス性状などの影響がなく、安定した放電を行うことができる。
図1〜図3に示すような、コロナ放電を行うように構成された電極部(第一放電電極部7及び第二放電電極部8)は、鋭角に形成されたそれぞれの電極部の先端と、管体4の内側面との間に高電圧を印加することによってコロナ放電を行うものである。このような電極部の形状等については特に制限はないが、例えば、針状や棒状、板状等の先端が鋭く電界が集中する形状であることが好ましい。
管体4の内側面をそれぞれの対向電極としてコロナ放電を行う場合には、それぞれの電極部(第一放電電極部7及び第二放電電極部8)の先端と、管体4の内側面との間隔が、5〜40mmであることが好ましく、15〜30mmであることが更に好ましい。電極部の先端と、管体の内側面との間隔が、5mm未満であると、針状の電極部の先端と管体の内側面との間隔(放電電極間距離)が狭すぎて、イオンの移動も管体への移動と管体上での凝集が主体となり、排気ガス全体の荷電及び凝集が効率的に行われなくなることがある。また、針状の電極部の先端での電界集中が小さくなり、安定した放電が難しくなることがある。一方、40mmを超えると、針状の電極部の先端と管体の内側面との間隔が広くなりすぎて放電が生じ難くなったり、放電を生じさせるのに極めて大きな電圧が必要となることがある。
また、図4及び図5に示すような、沿面放電を行うように構成された電極部(第一放電電極部7及び第二放電電極部8)は、電源20の高電圧部22に接続された高電圧の導電体28が誘電体19の表面にコイル状に捲回されるとともに、誘電体19の内部に接地電極24が配置されており、接地電極24のゼロ電位に対して、それぞれの導電体28に正又は負の高電圧が印加されて誘電体19の表面に沿面放電を生じるように構成されている。
なお、このような沿面放電を行うように構成された電極部(第一放電電極部7及び第二放電電極部8)を用いた場合は、この電極部単独で沿面放電を行うことが可能であるが、例えば、管体4の内側面をそれぞれの電極部の接地電極とし、この電極部と管体4との間に更に電界を生じさせてもよい。
図4及び図5に示すような沿面放電を行うように構成された電極部に用いられる誘電体は、誘電体として好適に用いることができるものであれば、その材料については特に制限はないが、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、ムライト、スピネル、コージェライト、マグネシウム−カルシウム−チタン系酸化物、バリウム−チタン−亜鉛系酸化物、及びバリウム−チタン系酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。このような化合物を含む誘電体は、温度変動が発生しても破壊し難く、耐熱衝撃性に優れたものである。
ここで、図1〜図3に示す排気ガス処理装置において、微粒子を凝集する過程について更に具体的に説明する。図1〜図3に示す排気ガス処理装置1は、交流電源20を直流に整流して電源として用いた直流方式の静電凝集器2を備えたものである。具体的な電源の構成としては、図2に示すように、交流電源20にトランス21が接続され、このトランス21にてエネルギーを蓄積し、これを放出することによって高電圧部22が形成されている。そして、ダイオード23の整流作用によって高電圧部22は直流に変換され、抵抗27(高抵抗、例えば、500k〜20MΩ)を経由して、第一放電電極部7(正極側)に接続されている。高電圧が印加された第一放電電極部7は、管体4の内側面を対向電極(負極側)としてコロナ放電(第一の放電)を行う。なお、抵抗27は、電極部と管体との間のインピーダンスが下がった場合に、流れる電流を制限して、放電がアーク放電になることを抑制するための制限抵抗として用いられている。
一方、第二放電電極部8については、管体4の内側面を対向電極とするため、管体4の内側面に、交流電源20を直流に整流した高電圧を印加し、管体4の内側面から第二放電電極部8に向けてコロナ放電(第二の放電)を行う。即ち、管体4の内側面が正極側となり、第二放電電極部8が負極側となる。
第一放電電極部7によるコロナ放電(第一の放電17)においては、針状の電極部(第一放電電極部7)の先端に正の高電圧を印加すると、針状の電極部の先端近傍でコロナ放電が発生し弱電離のプラズマが形成される。プラズマ中では正イオンと電子が発生するが、発生した電子は針状の先端から第一放電電極部7に流れ、第一の放電17によってできた正イオンは対向する電極(管体4の内側面)に移動する。排気ガス6中の微粒子5aがこの正イオンと衝突することで、微粒子5aを正の電荷に帯電させる。
一方、第二放電電極部8によるコロナ放電(第二の放電18)においては、針状の電極部(第二放電電極部8)の先端に負の高電圧を印加すると、針状の電極部の先端近傍でコロナ放電が発生し弱電離のプラズマが形成される。プラズマ中では正イオンと電子が発生するが、発生した正イオンは針状の電極部の先端で電子と結合して直ぐに中和される。残った電子は、特に電子付着性のよい酸素等に付着することでイオン化し、この酸素イオンによって、排気ガス6中の微粒子5bを負の電荷に帯電させる。
このようにして、正又は負の電荷に帯電させた微粒子5a,5bは、クーロン力によって極性の異なる微粒子に引き寄せられ、互いが結合することによって凝集する。また、それぞれの微粒子5a,5bは、ブラウン運動の自由拡散によっても衝突を繰り返すため、更に凝集が促進される。
なお、図1〜図3に示す排気ガス処理装置においては、ダイオード23の整流作用を利用した整流式の回路を用いたものを示しているが、直流電源については、例えば、フライバック方式、フォワード方式、共振方式等の回路を用いたものであってもよい。
また、本実施形態の排気ガス処理装置においては、例えば、図6に示すように、交流電源20にトランス21が接続され、このトランス21にエネルギーを蓄積し、放出することによって高電圧部22を形成し、この高電圧部22における高電圧を交流のまま、それぞれの印加する電圧の極性が異なるように、即ち、第一放電電極部7と第二放電電極部8とに印加する電圧波形が半周期ずれるように、それぞれの電極部に電圧を印加して、極性の異なるコロナ放電を生じさせるものであってもよい。
なお、上記した交流電源20から供給される電圧は、図6に示すような正弦波の電圧に限定されることなく、例えば、パルス電圧を供給する電源や方形波の電圧を供給する電源であってもよい。このような電圧を印加する場合には、電圧極性が反転する毎に、第一放電電極部7と第二放電電極部8とにおける荷電電荷の極性が変わることになる。
なお、パルス電圧を供給する電源を用いる場合には、ダイオード等によって整流を行う必要がないため、電源の構成を簡素化することができ、電源を低コストに製造することができる。また、パルス電圧を供給する電源を用いる場合には、電源のトランスを小型化することもできる。
正弦波、方形波、パルス等のトランスに正負に交番する電圧を印加する電源を用いる場合には、その周期については特に制限はないが、下記式(1)で示される荷電時定数τよりも長くすることが好ましい。この荷電時定数τより、使用する交流電圧の周期が短い場合には、微粒子の荷電が十分でなく、所望の凝集性能が得られないことがある。
荷電時定数τ=4・ε・E/J (1)
(但し、εは真空の誘電率、Eは電界、Jはイオン電流密度を示す)
また、電源から供給される電圧をパルス電圧とした場合には、フラッシュオーバー電圧を高くすることができ、コロナ電流密度を高くすることができるため好ましい。特に、パルス電圧におけるパルス幅を短くすると、フラッシュオーバー電圧をより高くすることができる。具体的には、パルス幅を50ns〜100μsとすることが好ましく、100ns〜20μsとすることが更に好ましい。なお、本明細書において、パルス幅とは、波高値の50%位置(立上り、立下り)の時間幅をいう。
また、電源から供給される電圧をパルス電圧とした場合には、電界Eの値を大きくすることができる。微粒子に与えられる電荷量は、この電界Eに比例するため、飽和電荷量を増大させることができる。
また、本実施形態の排気ガス処理装置においては、図7に示すように、第一放電電極部7と第二放電電極部8とのそれぞれに電圧を印加するための二つの電源20a,20bを用いたものであってもよい。このように、二つの電源20a,20bを用いる場合には、第一放電電極部7と第二放電電極部8とに印加させる極性が異なるように電源20a,20bの制御を行い、極性の異なる二つの放電を生じさせる。
また、図4及び図5に示すように、第一放電電極部7及び第二放電電極部8が、誘電体19の表面にそれぞれ極性の異なる沿面放電を行うように構成されたものである場合には、電源20として、正弦波、方形波、パルス等のトランスに正負に交番する電圧を印加する電源(図4においては、正弦波の交流電源)を用い、トランス21にてエネルギーを蓄積し、これを放出することによって高電圧部22を形成し、第一放電電極部7及び第二放電電極部8に極性の異なる高電圧を印加する。
第一放電電極部及び第二放電電極部に印加する電圧や電力の具体的な値については、流路となる管体の大きさ、流路を通過する排気ガスの流量や流速、更に排気ガスに含まれる微粒子の量や大きさ等によって、適切な放電を生じさせることができるように適宜選択されるものであるが、例えば、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスを処理する場合には、電圧は、2〜25kVであることが好ましく、5〜25kVであることが更に好ましい。また、電力は、1〜50Wであることが好ましく、5〜25Wであることが更に好ましい。このように構成することによって、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスを良好に処理することができる。
また、本実施形態の排気ガス処理装置においては、図1に示すように、管体4の一部が、排気ガス6の流れ方向に平行となるようにその内部空間が二つに仕切られて、第一流路25と第二流路26とが形成されており、第一流路25に一方の電極部(第一放電電極部7)が配置されるとともに、第二流路26に他方の電極部(第二放電電極部8)が配置されていてもよい。このように構成することによって、第一流路25と第二流路26とで、それぞれ極性の異なる電荷に帯電された微粒子5a,5bを良好に生成することができる。勿論、本実施形態の排気ガス処理装置においては、このように管体の内部空間を二つに仕切らずに、単に、第一放電電極部と第二放電電極部との先端が、管体の内側面の反対側を向くように配置されたものであってもよい。
また、本実施形態の排気ガス処理装置1においては、第一放電電極部7によって生じる第一の放電17の荷電量と、第二放電電極部8によって生じる第二の放電18の荷電量とを、それぞれ独立して制御可能に構成されたものであ。このように構成することによって、例えば、正の電荷を与えた微粒子5aと負の電荷を与えた微粒子5bとで、それぞれの荷電量を異ならせることができる。
このような微粒子5a,5bを凝集させた場合には、凝集微粒子15が正又は負のどちらか一方の電荷が残った状態となり、未だ凝集していない他の微粒子5a,5bや別の凝集微粒子15との凝集が連続して起こり易くなり、凝集効率をより向上させるとともに、凝集微粒子15の粒子径を大きくすることができる。これによって、ハニカムフィルタの捕集効率をより向上させることができる。特に、一方の電荷が残った状態の凝集微粒子は、比較的粒子径の小さい微粒子(例えば、未だ凝集していない他の微粒子)との凝集がより起こり易くなるため、凝集されずにハニカムフィルタに流入してしまう微粒子の量を減少させることができ、セル密度や隔壁の平均細孔径等の大きなハニカムフィルタを用いたとしても、捕集効率を低下させることなく微粒子を良好に捕集することができる。
また、これまでに説明した本実施形態の排気ガス処理装置においては、静電凝集器の第一放電電極部及び第二放電電極部は、それぞれ一つずつ管体の内部に配置されたものであるが、例えば、図示は省略するが、静電凝集器が、第一放電電極部及び第二放電電極部の少なくとも一方を二つ以上有するものであり、二つ以上の第一放電電極部及び/又は第二放電電極部が、管体の内部に、排気ガスの流れ方向にそれぞれ直列に配置されているものであってもよい。このように構成することによって、一度凝集させた凝集微粒子に再度電荷を与えて、凝集微粒子同士の凝集を更に促進させることができ、より粒子径の大きな凝集微粒子を生成することができる。
例えば、静電凝集器が、第一放電電極部及び第二放電電極部をそれぞれ二つ有し、それぞれの電極部が、管体の内部に、排気ガスの流れ方向にそれぞれ直列に配置されているものである場合には、まず、上流側の第一放電電極部及び第二放電電極部にて生じる放電によって微粒子に正又負の電荷を与え、これらの微粒子をクーロン力によって引き寄せあわせて、少なくとも空間で凝集させた後、下流側の第一放電電極部及び第二放電電極部にて生じる放電によって、得られた凝集微粒子に更に正又は負の電荷を与え、これらの凝集微粒子をクーロン力によって引き寄せあわせて更に凝集させることができる。
なお、このように、二つ以上の第一放電電極部及び/又は第二放電電極部が、管体の内部に、排気ガスの流れ方向にそれぞれ直列に配置されている場合には、帯電させた微粒子を、直列に配置されている電極部相互間で良好に凝集させることができるように、所定の間隔を隔てて直列に配置されていることが好ましい。なお、管体の内部に配置する第一放電電極部と第二放電電極部との数は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、本実施形態の排気ガス処理装置においては、上記した静電凝集器が第一放電電極部及び/又は第二放電電極部を二つ以上有する構成に代えて、例えば、静電凝集器自体を二つ以上備え、二つ以上の静電凝集器が、管体の内部に、排気ガスの流れ方向に直列に配置されているものであってもよい。このように構成することによって、同様の効果、即ち、一度凝集させた凝集微粒子に再度電荷を与えて、凝集微粒子同士の凝集を更に促進させることができ、より粒子径の大きな凝集微粒子を生成することができる。
[管体]
本実施形態の排気ガス処理装置を構成する管体は、自動車用エンジン、建設機械用エンジン、産業機械用定置エンジン等の内燃機関、その他の燃焼機器等から排出される排気ガスが通過する流路となり、その内部に静電凝集器が配置されたものである。更に、この管体は、第一の放電及び第二の放電がコロナ放電である場合には、第一放電電極部及び第二放電電極部の対向電極となるものである。
管体の材質については、特に制限はないが、導電性材料、例えば、自動車の排気管に使用されるステンレス材を好適に用いることができる。このような導電性材料は、コロナ放電を行うための電極部の対向電極として好適に用いることができるのは勿論のこと、このように構成された管体を、沿面放電を行うための電極部に対する接地電極として用いて、沿面放電を行うための電極部と管体との間に電界を生じさせることもできる。
[ハニカムフィルタ]
図1に示すように、本実施形態の排気ガス処理装置1に用いられるハニカムフィルタ3は、静電凝集器2によって凝集させた微粒子15を捕集するためのフィルタである。このようなハニカムフィルタ3としては、エンジン等の排気ガスに含有される微粒子を捕集するための従来公知のディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)として使用されるものを好適に用いることができる。
例えば、このようなハニカムフィルタ3としては、排気ガスが通過する流路となる複数のセル12を区画形成する多孔質の隔壁11を備え、一方の端部(フィルタ入口端部)が開口され且つ他方の端部(フィルタ出口端部)が目封じされた所定のセル(入口開放セル)と、フィルタ入口端部が目封じされ且つフィルタ出口端部が開口された残余のセル(出口開放セル)とが交互に配設されてなるものであることが好ましい。なお、符号13は、セル12の端部を目封じする目封じ部を示している。
ハニカムフィルタを構成する隔壁の材質は、特に限定されるものではない。強度、耐熱性の観点から、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、窒化珪素、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材、珪素−炭化珪素複合材、リチウムアルミニウムシリケート、チタン酸アルミニウム、Fe−Cr−Al系金属からなる群から選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
このようなハニカムフィルタは、捕集した微粒子が隔壁上に堆積してくると、その圧力損失が上昇するためにエンジンに負担が掛かり、燃費、ドライバビリティが低下する。このため、定期的にヒーター等の加熱手段を用いて再生を行ったり、エンジン制御によってポストインジェクションを実施し、未燃焼燃料を酸化して排気ガス温度を上昇させ、隔壁上に堆積した微粒子を燃焼させて再生を行ったりして、フィルタ機能を再生させることが好ましい。
このため、ハニカムフィルタは、上記した再生時における燃焼を促進させるため、隔壁の表面及び/又は隔壁の内部に触媒が担持されたものであることが好ましい。このような触媒としては、排気ガスの熱により微粒子を燃焼することができれば特に限定されるものではないが、例えば、貴金属元素、元素周期表VIa族の元素、及び、元素周期表VIII族の元素の中から選ばれる元素を担持させることができる。具体的には、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、セリウム(Ce)、銅(Cu)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、金(Au)、銀(Ag)等を挙げることができ、これらの中から選択される少なくとも一種の単体又は化合物を使用することができる。また、NOx選択還元型触媒成分やNOx吸蔵型触媒成分を担持してもよい。
また、上記したように、本実施形態の排気ガス処理装置においては、肥大化した凝集微粒子をハニカムフィルタにて捕集するため、従来の排気ガス処理装置に用いられるハニカムフィルタよりも、セル密度や隔壁の平均細孔径の大きなハニカムフィルタを用いたとしても、捕集効率を低下させることなく微粒子を良好に捕集することができる。このようなハニカムフィルタは、初期状態の圧力損失が小さく、エンジン等の内燃機関に掛かる負担を軽減することができる。
具体的には、本実施形態の排気ガス処理装置に用いられるハニカムフィルタは、そのセル密度が、50〜300セル/cmのものであることが好ましく、100〜200セル/cmのものであることが更に好ましい。また、ハニカムフィルタは、その隔壁の平均細孔径が、20〜150μmであることが好ましく、40〜100μmであることが更に好ましい。なお、この平均細孔径は、「JASO 自動車規格 自動車排気ガス浄化触媒セラミックモノリス担体の試験方法 M505−87の6.3に記載の全細孔容積、メジアン細孔径」の方法で測定された値である。
また、特に限定されることはないが、本実施形態の排気ガス処理装置に用いられるハニカムフィルタは、その隔壁の気孔率が、30〜80%であることが好ましく、40〜60%であることが更に好ましい。なお、上記した気孔率は、細孔容積より算出の方法で測定された値である。このようなハニカムフィルタを用いることによって、排気ガス処理装置の圧力損失を小さくすることができる。
本発明の排気ガス処理装置は、自動車用エンジン、建設機械用エンジン、産業機械用定置エンジン等の内燃機関、その他の燃焼機器等から排出される排気ガス中の微粒子や有害物質の除去に利用することができる。特に、排気ガス中の微粒子を効率的に除去するための排気ガス処理装置として好適に用いることができる。
本発明の排気ガス処理装置の一の実施形態を模式的に説明する説明図であり、排気ガスが通過する流路の流れ方向に平行な面で切断した断面図である。 図1の排気ガス処理装置を構成する静電凝集器の構成を模式的に示す説明図である。 図2に示す静電凝集器を流路の流れ方向に垂直な面で切断した断面図である。 本発明の排気ガス処理装置の他の実施形態に用いられる静電凝集器の構成を模式的に示す説明図である。 図4に示す静電凝集器を流路の流れ方向に垂直な面で切断した断面図である。 本発明の排気ガス処理装置の他の実施形態に用いられる静電凝集器の構成を模式的に示す説明図である。 本発明の排気ガス処理装置の他の実施形態に用いられる静電凝集器の構成を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1:排気ガス処理装置、2:静電凝集器、3:ハニカムフィルタ、4:流路、5,5a,5b:微粒子、6:排気ガス、7:第一放電電極部、8:第二放電電極部、9:浄化ガス、11:隔壁、12:セル、13:目封じ部、15:凝集させた微粒子(凝集微粒子)、17:第一の放電、18:第二の放電、19:誘電体、20,20a,20b:電源、21:トランス、22:高電圧部、23:ダイオード、24:接地電極、25:第一流路、26:第二流路、27:抵抗、28:導電体。

Claims (11)

  1. 排気ガスが通過する流路となる管体と、前記管体の内部に配置された、前記排気ガス中に含まれる微粒子を凝集させるための静電凝集器と、前記静電凝集器によって凝集させた微粒子を捕集するためのハニカムフィルタと、を備えた排気ガス処理装置であって、
    前記静電凝集器が、前記微粒子に正又は負の電荷を与えるための第一の放電を生じさせる第一放電電極部と、前記微粒子に前記第一の放電とは異なる極性の電荷を与えるための第二の放電を生じさせる第二放電電極部とを有し
    前記第一放電電極部によって生じる前記第一の放電の荷電量と、前記第二放電電極部によって生じる前記第二の放電の荷電量とを、それぞれ独立して制御可能に構成された排気ガス処理装置。
  2. 前記第一の放電と前記第二の放電によってそれぞれ極性の異なる電荷に帯電させた前記微粒子同士をクーロン力によって引き寄せあわせて、少なくとも空間で凝集させる請求項1に記載の排気ガス処理装置。
  3. 前記管体の一部は、前記排気ガスの流れ方向に平行となるようにその内部空間が二つに仕切られて、第一流路と第二流路とが形成されており、
    前記第一流路に前記第一放電電極部が配置されるとともに、前記第二流路に前記第二放電電極部が配置されている請求項1又は2に記載の排気ガス処理装置。
  4. 前記第一放電電極部及び前記第二放電電極部の少なくとも一方は、前記管体の内側面を対向電極としてコロナ放電を行うように構成されたものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の排気ガス処理装置。
  5. 前記第一放電電極部及び前記第二放電電極部の少なくとも一方は、誘電体を有し、前記誘電体の表面に沿面放電を行うように構成されたものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の排気ガス処理装置。
  6. 前記静電凝集器が、前記第一放電電極部及び前記第二放電電極部の少なくとも一方を二つ以上有するものであり、二つ以上の前記第一放電電極部及び/又は前記第二放電電極部が、前記管体の内部に、前記排気ガスの流れ方向にそれぞれ直列に配置されている請求項1〜のいずれか一項に記載の排気ガス処理装置。
  7. 前記ハニカムフィルタが、前記排気ガスが通過する流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を備え、一方の端部(フィルタ入口端部)が開口され且つ他方の端部(フィルタ出口端部)が目封じされた所定のセル(入口開放セル)と、前記フィルタ入口端部が目封じされ且つ前記フィルタ出口端部が開口された残余のセル(出口開放セル)とが交互に配設されてなるものである請求項1〜のいずれか一項に記載の排気ガス処理装置。
  8. 前記ハニカムフィルタは、前記隔壁の表面及び/又は前記隔壁の内部に触媒が担持されたものである請求項に記載の排気ガス処理装置。
  9. 前記ハニカムフィルタは、そのセル密度が、50〜300セル/cmのものである請求項又はに記載の排気ガス処理装置。
  10. 前記ハニカムフィルタは、その平均細孔径が、20〜150μmのものである請求項のいずれか一項に記載の排気ガス処理装置。
  11. 前記ハニカムフィルタは、その気孔率が、30〜80%のものである請求項10のいずれか一項に記載の排気ガス処理装置。
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