JP2006291898A - Pm捕集装置 - Google Patents

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Yoshihiko Ito
由彦 伊藤
Yuji Sakakibara
雄二 榊原
Koji Sakano
幸次 坂野
Masaya Ibe
将也 井部
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Abstract

【課題】フロースルー型のPM捕集装置において、PM捕集率をさらに向上させる。
【解決手段】PMを帯電させる帯電部と、帯電したPMを静電気力によって捕集する捕集部と、を備え、捕集部には磁性体からなるコート層13を形成した。
コート層13の磁場によってPMの軌道が変化し、捕集部に衝突する速度が低下すると考えられる。そのため、衝突時の反動によってPMが捕集されずに飛散するのを抑制でき、また衝突時の衝撃によって捕集されていたPMが再飛散するのを抑制できる。
【選択図】 図1

Description

ディーゼルエンジンなどの排ガスに含まれるカーボンを主とする粒子状物質(以下PMという)を効率よく捕集できるPM捕集装置に関する。
ディーゼルエンジンの排ガス中には、カーボン、 SOF(Soluble Organic Fraction)、高分子有機化合物、硫酸ミストなどからなるPMが含まれ、大気汚染及び人体への悪影響の面からPMの排出を抑制しようとする動きが高まっている。PMの排出を抑制するには、フィルタによってPMを捕集する方法と、フロースルー型の触媒を用いてPMを燃焼除去する方法の2種類があり、それぞれのあるいは両方を組み合わせた技術開発が進められている。
PMを捕集するフィルタとして、ハニカム形状の耐熱性基材の両端開口を互い違いに市松状に閉塞したウォールフロー型のものが用いられている。このフィルタでは、流入側セルに流入した排ガスは多孔質のセル隔壁を通過して流出側セルから排出されるが、セル隔壁を通過時にPMが濾過されるので、PMを高い捕集率で捕集することができる。しかしフィルタによってPMを捕集する方法では、PMの堆積によって排気圧損が上昇するという問題があり、振動により堆積したPMを払い落とす、あるいは高温で熱処理するなどして堆積したPMを除去する保守が必要となる。
そこで、フロースルー型でありPMの燃焼性能も兼ね備えた捕集装置を用いることが考えられる。例えば特許第 3056626号公報には、帯電させたPMを強誘電体からなるペレットに静電気力で捕集し、ペレット間でマイクロプラズマを発生させることで捕集されたPMを燃焼除去する方法が開示されている。このようにすればフロースルー型としてもPMの捕集効率を格段に高めることができ、かつ捕集されたPMを効率よく燃焼除去することができる。
また特開2003−035128号公報には、PMを帯電させる帯電部と、帯電したPMを静電気力によって捕集する捕集部と、放電によって捕集部に捕集されたPMを酸化する放電部とを備え、捕集部には少なくとも酸化活性を有する触媒を含む排ガス浄化装置が提案されている。この排ガス浄化装置によれば、排ガス中のPMは、帯電部を通過することによって帯電し、捕集部に静電気力で捕集される。そして捕集部に捕集されたPMは、捕集部に含まれる触媒によって酸化燃焼されるため、捕集部に堆積するのが抑制され圧損の増大が防止されている。
しかし始動時などの低温域では、触媒が活性温度にまで到達しておらず、PMの酸化燃焼が困難となる。そのような場合には放電部が駆動され、放電プラズマによって捕集部に捕集されたPMが燃焼除去される。また捕集部に堆積したPMによって触媒が覆われ、活性が低下したとしても、放電部の駆動により堆積したPMを燃焼除去することができ、触媒を再び活性化させることができる。したがって、触媒と放電部とを使い分けるあるいは同時に用いることにより、低温域から高温域まで安定してPMを燃焼除去することができ、圧損の増大も防止できる。
特許第 3056626号 特開2003−035128号
しかしながらフロースルー型のPM捕集装置においては、静電捕集などを利用したとしても、PM捕集率は上記したウォールフロー型のフィルタには及ばない。本発明は、フロースルー型のPM捕集装置においてPM捕集率をさらに向上させることを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明のPM捕集装置の特徴は、内燃機関からの粒子状物質を含む排ガスから粒子状物質を除去するPM捕集装置であって、粒子状物質を帯電させる帯電部と、帯電した粒子状物質を静電気力によって捕集する捕集部と、を備え、捕集部には磁性体を含むことにある。
捕集部には、磁性体を含むコート層が形成されていることが望ましい。また、自発磁化を有する磁性体を用いることが望ましい。
本発明のPM捕集装置によれば、排ガス中のPMは、帯電部を通過することによって帯電し、捕集部に静電気力で捕集される。このとき、捕集部は磁性体を含んでいるため、捕集部表面には様々な方向を向いた磁場が形成されている。したがって磁場によってPMの軌道が変化し、捕集部に衝突する速度が低下すると考えられる。そのため、衝突時の反動によってPMが捕集されずに飛散するのを抑制でき、また衝突時の衝撃によって捕集されていたPMが再飛散するのを抑制できるので、PMの捕集率が向上する。
本発明のPM捕集装置は、帯電部と捕集部とを備えている。帯電部には、PMを帯電可能な手段を用いることができ、排ガスに数キロボルト程度の直流電圧を印加する手段、10キロボルト程度の交流パルス電圧を印加する手段、排ガス中で放電させる手段、高周波やイオンシャワーを照射する手段、摩擦による帯電手段などを利用することができる。帯電部ではPMを帯電するに足るだけのエネルギーが消費されるだけなので、大きな電力を消費することもない。帯電部の電極形状は、針電極と筒からなる形状、平行平板状など、特に制限されない。
また捕集部は、帯電したPMを静電気力で吸着して捕集する部位であり、例えばアース電位にある部位とすることができる。捕集部の形状は特に制限されず、排ガス流路の壁面に形成してもよいし、板状、筒状、ペレット状、ハニカム状、メッシュ状などとすることもできる。また捕集部は、帯電部の下流側に帯電部と別に設けることもできるし、帯電部が捕集部を兼ねるように構成することも可能である。例えば排ガス中に存在する一対の電極間に直流電圧もしくは直流パルス電圧を印加すれば、高圧極における放電によりPMは高圧極と同じ極性に帯電され、静電気力によりアース側の電極に捕集される。
捕集部に含まれる磁性体としては、反磁性体、常磁性体、強磁性体、反強磁性体などを用いることができるが、Fe、Ni、Co、Gdなどの強磁性体、あるいは一部の反強磁性体(フェリ磁性体)など、自発磁化を有するものが望ましい。自発磁化が大きいことが好ましいが、捕集空間全体に均一な磁場を発生させる必要はなく、磁化の方向が揃う必要もない。したがって永久磁石のような磁気強度は不要である。
磁性体を捕集部に含ませるには、捕集部を形成する場合に原料粉末中に磁性体粉末を混合してもよいが、捕集部の表面に磁性体からなるコート層を形成することが望ましい。捕集部の最表面に磁性体を表出させることで、磁場を効率よくPMに伝えることができPM捕集率がさらに向上する。またコート層として形成するのであれば、捕集部の材質にはほとんど無関係に形成することができる。
捕集部には、担体に貴金属を担持した酸化触媒、三元触媒、NOx 吸蔵還元型触媒、溶融塩型触媒など、少なくとも酸化活性を有する触媒を含むことも好ましい。これにより捕集されたPMを酸化燃焼させることができ、PMの堆積による排気圧損の上昇を抑制することができる。また、捕集部のPM捕集能も回復する。
捕集部には、捕集部に捕集されたPMを放電によって酸化する放電部をさらに備えることも好ましい。放電部を備えることで、捕集されたPMを放電エネルギーによって燃焼除去することができる。具体的には、10〜50kV程度の高電圧の印加によってプラズマ放電が発生するように構成される。この高電圧源としては、直流電圧、交流電圧あるいは交流パルス電圧などを用いることができる。そして捕集部内にあるいは捕集部に隣接して一対以上の電極を形成し、その電極間で放電させることでプラズマを発生させ、捕集されたPMを燃焼除去することができる。電極の形状には特に制限はないが、針状、エッジ状など放電しやすい形状とすることが望ましい。
この放電部は、帯電部を兼ねるように構成することもできる。つまりPMの捕集時には比較的小さな電圧を印加することでPMを帯電させ、捕集部にPMがある程度堆積したときに高電圧を印加して放電させることでPMを燃焼すればよい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1に本発明の一実施例のPM捕集装置を示す。このPM捕集装置1は、円筒電極10と、円筒電極10の軸中心に配置された中心電極11とから構成されている。円筒電極10は、φ30mm× 100mmの円筒形状をなす金属製の基体12と、 Fe2O3粉末からなり基体12の内周表面に形成された厚さ 100μmのコート層13と、からなる。また中心電極11は、φ1mm× 100mmの針金状である。円筒電極10は接地電位とされ、中心電極11にはDC高圧電源2から電圧が印加されるように構成されている。
このPM捕集装置1をディーゼルエンジンの排気流路に配置し、流量 300L/分、温度 150℃の条件で排ガスを流通させた。このとき、DC高圧電源2から中心電極11に−17kVの電圧を印加し、円筒電極10と中心電極11の間でコロナ放電を発生させた。これにより排ガス中のPMはマイナスに帯電し、帯電したPMは円筒電極10の内周表面に向かって引き寄せられて捕集される。つまり、円筒電極10と中心電極11の間が帯電部に相当し、円筒電極10の内周表面が捕集部に相当する。
しかし円筒電極10の内周表面には、磁性体からなるコート層13が形成されているため、様々な方向を向いた磁場が形成されている。したがって磁場によってPMの軌道が変化し、円筒電極10に衝突する速度が低下すると考えられる。そのため、衝突時の反動によってPMが捕集されずに飛散するのを抑制でき、また衝突時の衝撃によって捕集されていたPMが再飛散するのを抑制できるので、PMの捕集率が向上する。
上記条件によるPM捕集を行う際、PM捕集装置1前後のガスからPMをそれぞれ10分間採取し、PM捕集装置1前後のPM採取重量減少割合からPM捕集率を算出した。結果を図2に示す。
(実施例2)
Fe2O3粉末からなるコート層13に代えて、ニッケルフェライト( NiFe2O4)粉末からなるコート層13を同量形成したこと以外は実施例1と同様のPM捕集装置を用いた。そして実施例1と同様にしてPM捕集率を測定し、結果を図2に示す。
(実施例3)
Fe2O3粉末からなるコート層13を形成しなかったこと以外は実施例1と同様のPM捕集装置を用いた。そして実施例1と同様にしてPM捕集率を測定し、結果を図2に示す。
(実施例4)
Fe2O3粉末からなるコート層13に代えて、アルミナ粉末からなるコート層13を同量形成したこと以外は実施例1と同様のPM捕集装置を用いた。そして実施例1と同様にしてPM捕集率を測定し、結果を図2に示す。
<評価>
実施例1〜2のPM捕集装置は、比較例1〜2に比べてPM捕集率が向上していることがわかり、磁性体からなるコート層13を形成したことによる効果が明らかである。
本発明のPM捕集装置は、それのみで使用してもよいが、その排ガス上流側及び/又は下流側に、排ガス浄化用触媒を用いることがさらに好ましい。
本発明の一実施例のPM捕集装置の構成を示す説明図である。 PM捕集率を示す棒グラフである。
符号の説明
1:PM捕集装置 2:DC高圧電源 10:円筒電極(捕集部)
11:中心電極 12:基体 13:コート層

Claims (3)

  1. 内燃機関からの粒子状物質を含む排ガスから該粒子状物質を除去するPM捕集装置であって、
    該粒子状物質を帯電させる帯電部と、帯電した該粒子状物質を静電気力によって捕集する捕集部と、を備え、該捕集部には磁性体を含むことを特徴とするPM捕集装置。
  2. 前記捕集部には前記磁性体を含むコート層が形成されている請求項1に記載のPM捕集装置。
  3. 前記磁性体は、自発磁化を有する請求項1又は請求項2に記載のPM捕集装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008139294A (ja) * 2006-11-08 2008-06-19 Honda Motor Co Ltd 検知装置及び方法

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