JP4476685B2 - ガス浄化装置 - Google Patents

ガス浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4476685B2
JP4476685B2 JP2004138831A JP2004138831A JP4476685B2 JP 4476685 B2 JP4476685 B2 JP 4476685B2 JP 2004138831 A JP2004138831 A JP 2004138831A JP 2004138831 A JP2004138831 A JP 2004138831A JP 4476685 B2 JP4476685 B2 JP 4476685B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
electric field
electrode
gas
counter electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004138831A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005320895A5 (ja
JP2005320895A (ja
Inventor
元史 田中
祐之 安井
彰 石井
邦行 荒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2004138831A priority Critical patent/JP4476685B2/ja
Publication of JP2005320895A publication Critical patent/JP2005320895A/ja
Publication of JP2005320895A5 publication Critical patent/JP2005320895A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4476685B2 publication Critical patent/JP4476685B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)
  • Electrostatic Separation (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)

Description

本発明は、粒子状物質等の有害物質を含む浄化対象ガスから有害物質を除去して浄化するガス浄化装置に関する。
従来、エンジン等の排ガス発生源から排出された排ガスから粒子状物質(PM;Particulate Matter)等の有害物質を浄化するためのガス浄化装置として、PMを含む排ガスのガス流路にPMフィルタを設け、このPMフィルタによりPMを捕捉する装置がある。このガス浄化装置では、PMフィルタに捕捉されたPMに含まれる炭素等の物質が加熱ヒータにて燃焼除去され、PMフィルタの機能が再生される(例えば、特許文献1参照)。
このガス浄化装置においては、PMの捕捉に機械的集塵を用いているために排ガスの圧力損失が高く、エンジン等の排ガス発生源に対する負荷が高くなるという問題がある。
また、PMフィルタに捕捉されたPMに含まれる炭素等の物質を酸素との燃焼反応により除去するため、ガスの温度を600℃程度に加熱する必要がある。そのため、外部加熱ヒータの追設が必要となり、特に排ガス温度が低温(特に200℃以下)である場合にはPMを効率良く除去することが困難である。
そこで、排ガスの流れ方向に交差してコロナ放電を行い、コロナ放電により排ガスを活性化した後、触媒の作用により排ガスを浄化するガス浄化装置が提案される(例えば、特許文献2参照)。このガス浄化装置では、排ガスの電子温度を高くして触媒を併用することにより排ガス中の有害物質を分解するため、排ガスを加熱せずに低温のまま浄化することができる。
さらに、コロナ放電を利用したガス浄化装置において、パルス状の電源電力を短パルス高繰返しスイッチング素子を介してコロナ放電管に供給することにより、電源印加時間を短くして浄化効率を高めた技術が提案される(例えば、特許文献2参照)。この技術では、スイッチング素子の構成を工夫することにより装置の小型化も試みられている。
特開平11−062558号公報(第3頁−第5頁、図1) 特開平11−128658号公報(第3頁−第5頁、図1) 特開平11−128674号公報(第3頁−第5頁、図1)
従来のコロナ放電を利用したガス浄化装置では、コロナ放電を発生させて排ガス中の有害物質を活性化する構成であるため、排ガスとコロナ放電との接触領域をより広範囲にすることが重要となる。しかし、コロナ放電が起こる範囲は、通常限定的であり、排ガスが流れるガス流路にコロナ放電が十分に生成されない恐れがある。
このため、排ガス中の有害物質を十分に活性化するためにはガス流路を狭くしたり、ガス流路の形状を複雑にする必要がある。従って、従来のガス浄化装置では、大流量の排ガスを浄化しようとする場合には、圧力損失が上昇する恐れがある。
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、浄化対象ガスのガス流路をより広く確保し、より大容量の浄化対象ガスから有害物質を加熱することなく低温でより効率的に除去して浄化対象ガスを浄化することが可能なガス浄化装置を提供することを目的とする。
本発明に係るガス浄化装置は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、浄化対象ガスが流れるガス流路に放電用の電界を形成して放電プラズマを生成し、前記浄化対象ガスに含まれる粒子状物質を前記放電プラズマの作用により荷電するとともに燃焼処理させる第1の電界形成手段と、集塵用の電界を形成することによって電気的集塵機能により前記荷電された粒子状物質を捕捉させる第2の電界形成手段とを備え、前記第2の電界形成手段は、前記集塵用の電界により前記ガス流路の断面積にしめる前記放電プラズマの領域を拡大させるように構成したことを特徴とするものである。
本発明に係るガス浄化装置においては、浄化対象ガスのガス流路をより広く確保し、より大容量の浄化対象ガスから有害物質を加熱することなく低温でより効率的に除去して浄化対象ガスを浄化することができる。
本発明に係るガス浄化装置およびガス浄化装置に使用する放電反応体の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るガス浄化装置の第1の実施形態を示す構成図である。
ガス浄化装置1は、例えば自動車から排出される排ガス等の浄化対象ガスXの流路上に設けられる放電反応部2、放電反応部2と放電用電気系統3aを介して接続された放電用電源4および放電反応部2と集塵用電気系統3bを介して接続された集塵用電源5を備える。
放電反応部2は誘電体6、放電電極7、放電電極7にそれぞれ対向して設けられる放電用対向電極8および集塵用対向電極9を備える。誘電体6は例えば平板あるいは筒状構造であり、例えば自動車から排出される排ガス等の浄化対象ガスXの流路上に設けられる。このため、誘電体6内部には浄化対象ガスXが導かれて浄化対象ガスXのガス流路10が形成される。
ガス流路10には例えば線状の放電電極7と平面状の集塵用対向電極9とが互いに対向して設けられる。放電電極7および集塵用対向電極9は、例えば誘電体6のガス流路10側の任意の部位に接触するようにそれぞれ直接プリントされて設けられる。さらに、放電反応部2の放電用対向電極8は放電電極7と誘電体6を挟んで対向配置される。放電用対向電極8は例えば平面状に形成され、誘電体6のガス流路10が形成されない側の任意の部位に直接プリントされて設けられる。
また、放電用電源4の一方の極は、放電反応部2の放電電極7と、他方の極は放電用対向電極8と、それぞれ放電用電気系統3aを介して接続される。放電用電源4は、例えば一次側と二次側の電源で構成される。一次側の電源としては、AC100Vでφ50Hzまたはφ60Hzの交流電源やDC12VまたはDC24Vの直流電源が使用される。また二次側の電源の出力電圧は、パルス状(正極性、負極性、正負の両極性)、交流状(正弦波、断続正弦波)の波形を有する出力電圧とされる。
そして、放電用電源4から放電電極7と放電用対向電極8との間に例えば数kVから数十kV程度の電圧を印加することにより、ガス流路10に電界を形成するとともに放電し、ガス流路10内部に放電プラズマYを生成できるように構成される。この際、放電電極7と放電用対向電極8との間には誘電体6が存在し、かつ誘電体6は放電電極7と接触して設けられるため、ガス流路10における放電は、誘電体6に沿って形成される沿面放電となる。
すなわち、放電用電気系統3aを介して互いに接続された放電用電源4、放電電極7および放電用対向電極8により第1の電界形成手段が形成される。
尚、放電電極7、放電用対向電極8および集塵用対向電極9の形状は任意であるが、放電電極7の形状を例えば線状、点状、スリット状あるいは網目状にして放電電極7近傍の電気力線が密になるようすると、放電プラズマYが容易に生成できるため効果的である。また、集塵用対向電極9の形状も平面状に限らず、スリット状や網目状としてもよい。
一方、集塵用電源5の一方の極は、放電反応部2の集塵用対向電極9と、他方の極は、放電反応部2の放電電極7とそれぞれ集塵用電気系統3bを介して接続される。集塵用電源5は、例えば一次側と二次側の電源で構成される。一次側の電源としては、AC100Vでφ50Hzまたはφ60Hzの交流電源やDC12VまたはDC24Vの直流電源が使用される。また二次側の電源の出力電圧は、直流状(正極性、負極性、正負の両極性)、パルス状(正極性、負極性、正負の両極性)、整流波形(単波整流波形、両波整流波形)の出力電圧とされる。
そして、集塵用電源5から放電電極7と集塵用対向電極9との間に例えば数kV程度の電圧を印加することにより、ガス流路10に電界を形成することができるように構成される。すなわち、集塵用電気系統3bを介して互いに接続された集塵用電源5、放電電極7および集塵用対向電極9により第2の電界形成手段が形成される。
次にガス浄化装置1の作用について説明する。
まず、自動車から排出される排ガス等の浄化対象ガスXが放電反応部2に形成されたガス流路10に導かれ、放電反応部2内に流入する。
ここで、放電反応部2内のガス流路10において、放電用電源4から放電電極7と放電用対向電極8との間にパルス状(正極性、負極性、正負の両極性)あるいは交流状(正弦波、断続正弦波)の電圧が印加される。このため、放電電極7と放電用対向電極8との間、特に放電電極7の近傍には集中的に電界が形成されて誘電体6に沿う沿面放電が起こり、沿面放電に伴って放電プラズマYが発生する。
このとき発生する放電プラズマYは、放電用電源4の2次側の出力電圧として、パルス状(正極性、負極性、正負の両極性)あるいは交流状(正弦波、断続正弦波)の出力電圧のものを使用しているため、誘電性の誘電体6をはさんでいても、誘電体6表面に表面電荷が蓄積して放電を停止させたり、放電がアーク放電に移行したりすることのない、一様で安定な放電プラズマYとなる。
ただし、アーク放電に移行する恐れがない場合のように、使用目的や環境によっては、誘電体6を設けずに省略し、他の任意の材料を用いてガス流路10を形成してもよい。
一方、集塵用電源5から放電電極7と集塵用対向電極9との間に直流状(正極性、負極性、正負の両極性)、パルス状(正極性、負極性、正負の両極性)あるいは整流波形(単波整流波形、両波整流波形)の電圧が印加される。
図2は、図1に示す集塵用電源5の出力電圧波形を示す図である。
図2(a),(b),(c)において、縦軸は集塵用電源5の出力電圧Vを示し、横軸は時間tを示す。
集塵用電源5の出力電圧は、例えば図2(a)に示すような直流状の出力電圧A1、図2(b)に示すようなパルス状の出力電圧A2、図2(c)に示すような整流波形(両波整流波形)の出力電圧A3とされる。すなわち、時間的に極性が変化しないような電圧が集塵用電源5から放電電極7と集塵用対向電極9との間に印加され、放電電極7と集塵用対向電極9との間には一様な電界が形成される。
この結果、放電電極7と集塵用対向電極9との間に形成された電界の作用により、放電プラズマYは放電電極7からガス流路10内部に大きく引き出される。そして、放電反応部2内のガス流路10を通流する浄化対象ガスXに含まれる有害物質であるPMは、ガス流路10内部に大きく引き出されて形成された放電プラズマYにより生成された電子やイオンの衝突により荷電される。
すなわち、放電電極7と集塵用対向電極9との間に電界を形成することにより、ガス流路10内部に放電プラズマYを引き出し、ガス流路10の断面積にしめる放電プラズマYの領域を拡大させて、ガス流路10を通流するPMのうち荷電されるPMの割合を高めることができる。
また、集塵用電源5の出力電圧特性により、放電電極7と集塵用対向電極9との間に形成される電界の向きは時間的に変化しないため、ガス流路10内部に引き出される放電プラズマYは、プラスあるいはマイナスのうち一方の極性を有する放電プラズマYとなる。従って、PMの大半もプラスあるいはマイナスに荷電される。
このため、ガス流路10内で荷電されたPMは集塵用電源5の作用で放電電極7と集塵用対向電極9との間に形成された電界の電気集塵的機能に加え、放電プラズマYの電気的な力により、放電電極7側に引き寄せられて放電電極7近傍の誘電体6に捕捉される。すなわち、プラスあるいはマイナスのいずれかに荷電されたPMは電界および単極性の放電プラズマYの作用により一様な方向に電気的な力を受けて誘電体6に捕捉される。
つまり集塵用電源5の作用により形成された電界は、放電プラズマYの引き出し効果によるガス流路10内におけるPMの荷電効率の向上の他、荷電されたPMに電気的な力を与えて効率的に誘電体6に捕捉させる役割を有する。
特に、集塵用電源5の出力電圧を図2(a)に示すように直流状の出力電圧A1とすれば、電圧印加時間をより長くすることが可能となり、PMの荷電効率および集塵効率を向上させることができる。
その反面、集塵用電源5の出力電圧を直流状として長時間連続的に放電電極7と集塵用対向電極9との間に高い電圧を印加すると、放電電極7と集塵用対向電極9との間に放電が起こる恐れがある。そこで、集塵用電源5の出力電圧を図2(b)に示すようにパルス状の出力電圧A2とすれば、スパークへの移行を防止しつつ、より高い電圧を放電電極7と集塵用対向電極9との間に印加することができる。
また、集塵用電源5の出力電圧を図2(c)に示すように整流波形の出力電圧A3とすれば、交流電源と整流器で簡易に集塵用電源5を構成できるため、集塵用電源5のコストを低減させることができる。
ここで、集塵用電源5の出力電圧Vは、放電電極7と集塵用対向電極9との間の距離をDとして、式(1)の条件を満たすようにすることにより、PMの集塵効率を向上できるということが確認された。
[数1]
1≦V/D≦30(kV/cm) ・・・(1)
図3は、図1に示す集塵用電源5の電圧印加により放電電極7と集塵用対向電極9との間に形成される電界の大きさとPMの集塵効率との関係を示す図である。
図3において、縦軸はPMの集塵効率ηを示し、横軸は集塵用電源5の電圧印加により放電電極7と集塵用対向電極9との間に形成される電界Eの大きさを示す。
図3に示すように、放電電極7と集塵用対向電極9との間に電圧を印加せずに、放電電極7のみの電気集塵的機能によりPMを集塵した場合には、集塵率ηは20%程度である。そして、徐々に放電電極7と集塵用対向電極9との間の電圧を大きくしていくと、電界Eが1kV/cm以上となったところで、集塵率ηが比例的に増加し、集塵用電源5の電圧印加による効果が現れることが分かる。
さらに、放電電極7と集塵用対向電極9との間の電圧を大きくしていくと、電界Eが30kV/cm程度となったところで集塵率ηは95%となる。そして、電界Eが30kV/cmを超えると放電電極7と集塵用対向電極9との間にスパークが起こり、放電プラズマYの領域が縮まってPMの荷電効率、すなわち集塵率ηが低下していくことが分かる。
以上より放電電極7と集塵用対向電極9との間に形成させる電界Eの適切な範囲は、1kV/cmから30kV/cmであり、式(1)を満たすように集塵用電源5の出力電圧Vを制御すれば、放電プラズマYを安定して生成しつつ集塵用電源5の電圧印加による効果を得ることができると考えられる。
そして、このような放電電極7と集塵用対向電極9との間に形成された電界によりPMが荷電されて誘電体6に補足される。
また、放電反応部2内のガス流路10には、放電プラズマYによって生じた高エネルギー電子が浄化対象ガスXと衝突することにより、O、OH、O3等の酸化ラジカルが生成される。そしてこの酸化ラジカルの作用により誘電体6に捕捉されたPMに含まれる炭素や炭化水素等の物質は逐次二酸化炭素等に変化し、燃焼処理される。この際、放電電極7の近傍に生じた沿面放電は誘電体6に沿って形成されるため、酸化ラジカルとPMとの距離が短いため、より効率的にPMに含まれる炭素や炭化水素等の物質を燃焼させることができる。
このため、放電反応部2内のガス流路10、誘電体6あるいは放電電極7は常に清浄に保たれ、ガス流路10、誘電体6あるいは放電電極7の汚損による放電プラズマYの減少や、電気集塵的機能の低下を防ぐことができる。
そして、このようにしてPMが除去された浄化対象ガスXは、放電反応部2の外部に排出される。
すなわち、以上のようなガス浄化装置1は、浄化対象ガスXに含まれるPMを補足するために、放電用電源4によって放電反応部2内のガス流路10に放電プラズマYを形成してPMを荷電する一方、荷電されたPMを集塵用電源5によって形成された電界による電気集塵的機能により捕捉する構成である。
このため、ガス浄化装置1によれば、浄化対象ガスXから有害物質であるPMを加熱することなく低温でより効率的に除去し、浄化対象ガスXを浄化することができる。さらに、放電反応部2内のガス流路10や放電電極7の汚損による放電プラズマYの減少や、電気集塵的機能の低下を防ぐことができる。
さらに、PMの捕捉に機械的集塵を用いていないため、排ガス等の浄化対象ガスXの圧力損失の増加を抑制し、エンジン等の排ガス発生源に対する負荷の増加も抑制することができる。
尚、図1に示すガス浄化装置1において、集塵用電源5および集塵用対向電極9を設けずに、放電電極7と放電用対向電極8との間に形成された電界による電気集塵的効果を利用して、PMを補足させるように構成することもできる。
図4は、図1に示すガス浄化装置1において、集塵用電源5および集塵用対向電極9を省略した例を示す構成図である。
図4に示すガス浄化装置1Aは、放電反応部2、放電反応部2と単一の電気系統3を介して接続された放電用電源4を備える。放電反応部2は例えば平板あるいは筒状構造の誘電体6、放電電極7、放電電極7に対向して設けられる放電用対向電極8を備える。誘電体6内部には浄化対象ガスXが導かれて浄化対象ガスXのガス流路10が形成される。
そして、ガス浄化装置1Aでは、放電用電源4により放電電極7と放電用対向電極8との間にパルス状、交流状あるいは直流状の両極性の電圧が印加される。このため、放電電極7と放電用対向電極8との間に電界が形成されて沿面放電が起こり、放電プラズマYが発生する。さらに、浄化対象ガスXに含まれるPMは、放電プラズマYにより荷電され、放電電極7と放電用対向電極8との間に形成された電界の電気集塵的機能により捕捉される。さらに、補足されたPMは、放電プラズマYの作用により消滅処理される。
このため、ガス浄化装置1Aによれば、図1に示すガス浄化装置1と同様に浄化対象ガスXから有害物質であるPMを加熱することなく低温でより効率的に捕捉して除去し、かつ、捕捉されたPMは放電プラズマYの作用により燃焼されて消滅せしめられるため、放電反応部2内のガス流路10や放電電極7の汚損による放電プラズマYの減少や、電気集塵的機能の低下を防ぐことができる。また、PMの捕捉に機械的集塵を用いていないため、浄化対象ガスXの圧力損失の増加も抑制することができる。
しかしながら、ガス浄化装置1Aでは、装置構成を簡易にできる反面、放電電極7に印加される電圧がパルス状あるいは交流状の電圧であるため、電界の形成時間が短くなり、電気集塵的効果も小さくなることとなる。また、ガス浄化装置1Aでは、図1に示すガス浄化装置1と異なり集塵用対向電極9がなく安定した電界が形成されないため、放電プラズマYが放電電極7近傍に発生するものの、図4に示すように放電プラズマYがガス流路10に引き出されることもない。
このため、浄化対象ガスXからPMを十分に捕捉するためにはガス流路10を狭くする必要がある。従って、ガス浄化装置1Aでは、大流量の浄化対象ガスXを浄化しようとする場合には機械的集塵を用いていないとしても、圧力損失が上昇する恐れがある。
また、ガス浄化装置1Aでは、放電電極7に直流状の電圧を印加した場合には、発生する放電プラズマYが不安定になったり局所的になり、広範囲に安定した放電プラズマYを生成することが困難となる。
逆に、放電電極7に交流状あるいは両極性のパルス状の電圧を印加した場合には、放電電極7と放電用対向電極8との間に形成される電界の向きが時間的に変化し、しかも、放電プラズマYはプラスの電荷を有するものとマイナスの電荷を有するものとが混在することとなる。このため、マイナスあるいはプラスの一方に荷電したPMは図4に示すように電気集塵的効果により進行方向を変化させながら蛇行することとなり、良好な集塵効率を得ることが困難である。
以上のことから、ガス浄化装置1Aでは、電界形成による電気集塵的効果や放電プラズマYによる消滅処理といった効果を十分な効率で発揮できない恐れがある。
一方、図1に示すガス浄化装置1は、ガス流路10内のPMを十分に捕捉するために、集塵用電源5によって形成された電界によって、放電プラズマYをガス流路10内に引き出し、電界の形成時間が短くとも、PMと放電プラズマYとの接触確率を高めてPMを十分に荷電させるようにしたものである。
このため、ガス浄化装置1によれば、浄化対象ガスXのガス流路10をより広く確保し、より大容量の浄化対象ガスに対しても十分な電気集塵的効果を発揮させることができる。
また、ガス浄化装置1では、電気集塵的効果を発揮させ、かつ放電プラズマYを引き出すための電界形成には、直流状、パルス状、整流状の単極性の電圧を用いる一方、放電プラズマYを発生させるための電界形成には、安定した放電プラズマYの生成が可能な交流状、パルス状等の両極性の電圧を用いる構成である。
このため、ガス流路10には、安定した放電プラズマYが生成され、かつプラスあるいはマイナスの一方の電荷を有する放電プラズマYを引き出すことができる。さらに、電気集塵的効果を発揮させるための電界の向きは定時的に一定であるため、荷電したPMに一方向に電気的な力を与えることにより、図1に示すように一様な軌跡となるようにし、より効率的にPMを捕捉することができる。
図5は本発明に係るガス浄化装置の第2の実施形態を示す構成図である。
図5に示されたガス浄化装置1Bでは、誘電体6、放電電極7、放電用対向電極8および集塵用対向電極9の配置並びに誘電体6の代わりに任意素材の壁材20でガス流路10を形成した点が図1に示すガス浄化装置1と相違する。他の構成および作用については図1に示すガス浄化装置1と実質的に異ならないため、同一の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
ガス浄化装置1Bでは、例えば平板あるいは筒状構造の壁材20によりガス流路10が形成され、壁材20のガス流路10側に放電電極7と放電用対向電極8が互いに離れた状態で設けられる。放電電極7と放電用対向電極8とは、放電用電源4の電圧印加により放電用の電界が浄化対象ガスXの進行方向を横切るように対向配置される。さらに、放電電極7と放電用対向電極8との間には、集塵用対向電極9が放電電極7に対向して設けられる。放電電極7と放電用対向電極8との間の任意の部位には、必要に応じて誘電体6が設けられる。例えば放電電極7が誘電体6で覆われる。
尚、壁材20は、誘電体6である必要はなく、ガス流路10を形成することができれば、例えば金属等の材料で構成してもよい。
そして、ガス浄化装置1Bでは、放電電極7と放電用対向電極8との間に電圧印加されるが、放電電極7と放電用対向電極8との間は離れておりガス流路10が存在するため、放電はガス流路10側に生じる空間放電となる。このため、放電プラズマYは、集塵用対向電極9と放電電極7との間に形成される電界によりガス流路10側に引き出される。さらに、図1に示すガス浄化装置1と同様な原理により浄化対象ガスXに含まれるPMが除去される。
すなわち、ガス浄化装置1Bは、図1に示すガス浄化装置1が沿面放電を引き起こす構成であるのに対し、空間放電が引き起こされるようにしたものである。このため、ガス浄化装置1Bは、図1に示すガス浄化装置1と同等な効果に加え、放電領域が広く放電プラズマYをより広範囲に発生させることができる。そして、PMと放電プラズマYの接触確率を高め、PMの荷電効率を向上させて、より効率的にPMを捕捉することが可能になる。
また、放電電極7と放電用対向電極8との間に誘電体6を設ければ、放電は誘電体バリア放電となり、スパークに移行することがない。このため、より高い電圧を放電電極7と放電用対向電極8との間に印加することが可能となり、特に浄化対象ガスXが高温時で流量が多い場合に有利である。逆に、放電電極7と放電用対向電極8との間に誘電体6を設けなければ、より放電領域が広く確保することができる。
図6は本発明に係るガス浄化装置の第3の実施形態を示す構成図である。
図6に示されたガス浄化装置1Cでは、誘電体6、放電用対向電極8および集塵用対向電極9の配置並びに誘電体6でガス流路10を形成した点が図5に示すガス浄化装置1Bと相違する。他の構成および作用については図5に示すガス浄化装置1Bと実質的に異ならないため、同一の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
ガス浄化装置1Cでは、例えば平板あるいは筒状構造の誘電体6によりガス流路10が形成され、誘電体6のガス流路10側に放電電極7と集塵用対向電極9とが対向配置される。この結果、放電電極7と集塵用対向電極9との間に集塵用の電界を形成させると、形成された集塵用の電界は浄化対象ガスXの進行方向を横切る向きとなる。
また、放電電極7と集塵用対向電極9および誘電体6を挟んで、すなわち誘電体6のガス流路10と逆側に放電用対向電極8が放電電極7と集塵用対向電極9を挟んで対向して設けられる。このため、放電電極7と放電用対向電極8との間に形成された放電用の電界も浄化対象ガスXの進行方向を横切る向きとなる。
そして、ガス浄化装置1Cでは、放電電極7と放電用対向電極8との間に電圧印加されるが、放電電極7と放電用対向電極8との間にはガス流路10および誘電体6が存在するため、放電はガス流路10側に生じる安定したコロナ放電による空間放電となる。このため、図5に示すガス浄化装置1Bと同様な原理により浄化対象ガスXに含まれるPMを除去することができる。
以上のようなガス浄化装置1Cによれば、図5に示すガス浄化装置1Bと同等な効果に加え、ガス流路10を形成する誘電体6で集塵用対向電極9を支持することができるため、製造が容易となる。
図7は本発明に係るガス浄化装置の第4の実施形態を示す構成図である。
図7に示されたガス浄化装置1Dでは、放電用対向電極8および集塵用対向電極9の配置並びに誘電体6が設けられない点が図5に示すガス浄化装置1Bと相違する。他の構成および作用については図5に示すガス浄化装置1Bと実質的に異ならないため、同一の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
ガス浄化装置1Dでは、例えば平板あるいは筒状構造の壁材20によりガス流路10が形成され、壁材20のガス流路10側に放電電極7、放電用対向電極8および集塵用対向電極9が設けられる。放電電極7と放電用対向電極8とは、放電用電源4の電圧印加により形成される電界の少なくとも一部の向きがおよそ浄化対象ガスXの進行方向となり、浄化対象ガスXの進行方向成分を有する電界が形成されるように対向配置される。
さらに、集塵用対向電極9が放電電極7に対向して設けられる。この際、集塵用対向電極9は、集塵用電源5の電圧印加により放電電極7と集塵用対向電極9との間に浄化対象ガスXの進行方向を横切って電界が形成されるような位置に配置される。
尚、壁材20は、誘電体6である必要はなく、ガス流路10を形成することができれば、例えば金属等の材料で構成してもよい。
そして、ガス浄化装置1Dでは、放電用電源4の電圧印加により放電プラズマY発生用の電界がおよそ浄化対象ガスXの進行方向となるように形成される。このため、ガス浄化装置1Dでは、図5に示すガス浄化装置1Bと同等な効果に加え、集塵用電源5の電圧印加により浄化対象ガスXの進行方向を横切って形成される集塵用の電界のひずみを小さくすることができるため、集塵効率を向上させることができる。
図8は本発明に係るガス浄化装置の第5の実施形態を示す構成図である。
図8に示されたガス浄化装置1Eでは、放電電極7と放電用対向電極8との間に誘電体6を設けた点が図7に示すガス浄化装置1Dと相違する。他の構成および作用については図7に示すガス浄化装置1Dと実質的に異ならないため、同一の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
ガス浄化装置1Eでは、放電電極7と放電用対向電極8との間に誘電体6が設けられる。例えば、放電用対向電極8が誘電体6で覆われる。このため、ガス浄化装置1Eでは、図7に示すガス浄化装置1Dと同等な効果に加え、放電が誘電体バリア放電となり、スパークに移行することがないため、より高い電圧を放電電極7と放電用対向電極8との間に印加することが可能となる。
図9は本発明に係るガス浄化装置の第6の実施形態を示す構成図である。
図9に示されたガス浄化装置1Fでは、放電電極7、放電用対向電極8および集塵用対向電極9の配置が図6に示すガス浄化装置1Cと相違する。他の構成および作用については図6に示すガス浄化装置1Cと実質的に異ならないため、同一の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
ガス浄化装置1Fでは、例えば平板あるいは筒状構造の誘電体6によりガス流路10が形成され、誘電体6のガス流路10側に放電電極7と集塵用対向電極9とが対向配置される。この際、放電電極7と集塵用対向電極9との間に形成される集塵用の電界は、浄化対象ガスXの進行方向を横切る向きとされる。
また、放電電極7と誘電体6を挟んで、すなわち誘電体6のガス流路10と逆側で、かつ集塵用対向電極9が設けられない側に放電用対向電極8が対向して設けられる。この際、放電電極7は、誘電体6との間に空間が存在するような位置に配置される。この結果、放電電極7と放電用対向電極8との間にコロナ放電による空間放電が起こり、プラスとマイナスの電荷の放電プラズマYが生成される。また、空間放電に伴って生じた放電プラズマYのうち、マイナスあるいはプラスの電荷を有する放電プラズマYは、集塵用の電界の作用により集塵用対向電極9に引き出される。
このため、ガス浄化装置1Fでは、図6に示すガス浄化装置1Cと同様な効果の他、放電プラズマYの生成領域を広くすることができる。
図10は本発明に係るガス浄化装置の第7の実施形態を示す構成図である。
図10に示されたガス浄化装置1Gでは、放電電極7、放電用対向電極8および集塵用対向電極9の形状が図7に示すガス浄化装置1Dと相違する。他の構成および作用については図7に示すガス浄化装置1Dと実質的に異ならないため、同一の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
ガス浄化装置1Gの放電電極7、放電用対向電極8および集塵用対向電極9の一方あるいは双方の形状は、それぞれ鋭利な部位のない形状とされ、放電電極7、放電用対向電極8および集塵用対向電極9近傍における電気力線の密度が過剰に大きくならないようにされる。望ましくは放電用対向電極8および集塵用対向電極9の双方の形状がそれぞれ鋭利な部位のない形状とされる。つまり電界の局所的な偏りが緩和される。このため、集塵用対向電極9と放電電極7との間および集塵用対向電極9と放電用対向電極8との間におけるコロナ放電の開始電圧をより大きくし、より大きな集塵用の電圧を集塵用対向電極9と放電電極7との間に印加してもコロナ放電が起きないようにすることができる。
これによりガス浄化装置1Gでは、図7に示すガス浄化装置1Dと同等の効果に加え、より集塵用の電圧を大きくして集塵効率を向上させることができる。
尚、ガス浄化装置1Gでは、集塵用対向電極9と放電電極7との間および集塵用対向電極9と放電用対向電極8との間に形成される集塵用の電界により放電電極7および放電用対向電極8から放電が起きなければよいため、少なくとも放電電極7および放電用対向電極8の形状が鋭利な部位のない形状とされれば、集塵用対向電極9の形状は任意である。
図11は本発明に係るガス浄化装置の第8の実施形態を示す構成図である。
図11に示されたガス浄化装置1Hでは、放電電極7、放電用対向電極8および集塵用対向電極9の形状および数が図1に示すガス浄化装置1と相違する。他の構成および作用については図1に示すガス浄化装置1と実質的に異ならないため、同一の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
ガス浄化装置1Hでは、複数個の放電電極7が浄化対象ガスXの進行方向に沿って設けられ、放電用対向電極8および集塵用対向電極9が放電電極7の配置に応じて浄化対象ガスXの進行方向により広い幅で設けられる。
このため、ガス浄化装置1Hでは、図1に示すガス浄化装置1の効果と同等な効果に加え、より広範囲に放電用の電界を形成させて放電プラズマYを生成させるとともに集塵用の電界を形成させることが可能となる。そして、PMの放電プラズマY中における滞留時間をより長くし、PMと放電プラズマYとの接触確率とともにPMの低減効率を向上させることができる。
図12は本発明に係るガス浄化装置の第9の実施形態を示す構成図である。
図12に示されたガス浄化装置1Iでは、放電電極7の構成が図11に示すガス浄化装置1Hと相違する。他の構成および作用については図11に示すガス浄化装置1Hと実質的に異ならないため、同一の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
ガス浄化装置1Iでは、放電電極7の形状、数および浄化対象ガスXの進行方向の間隔が調整される。すなわち、浄化対象ガスXの上流側では、PMの濃度が大きいため、より大量の放電プラズマYが生成されるように電力が消費される放電電極7の構成とされる一方、浄化対象ガスXの下流側では、PMの濃度が小さいため、より小量の放電プラズマYが生成されるように電力が消費される放電電極7の構成とされる。
例えば、浄化対象ガスXの上流側では、放電電極7の浄化対象ガスXの進行方向の間隔pがより狭く、単位面積当たりの放電電極7の数が多くされる一方、浄化対象ガスXの下流側では、放電電極7の浄化対象ガスXの進行方向の間隔pがより広く、単位面積当たりの放電電極7の数が少なくされる。また、例えば、浄化対象ガスXの上流側では、放電電極7の浄化対象ガスXの進行方向の幅bがより短く、より局所的に電気力線が密となるような放電電極7の形状とされる一方、浄化対象ガスXの下流側では、放電電極7の浄化対象ガスXの進行方向の幅bがより長く、局所的に電気力線がより粗くなるような放電電極7の形状とされる
このため、ガス浄化装置1Iでは、図11に示すガス浄化装置1Hと同等な効果に加え、浄化対象ガスXの流れ方向におけるPMの濃度勾配に応じてPMの燃焼のために消費される電力を調整することが可能となり、電力消費の効率を向上させることができる。
図13は本発明に係るガス浄化装置の第10の実施形態を示す構成図である。
図13に示されたガス浄化装置1Jでは、集塵用対向電極9を設ける代わりに複数組、例えば2組の対向する放電電極7および放電用対向電極8を設けた点が図1に示すガス浄化装置1と相違する。他の構成および作用については図1に示すガス浄化装置1と実質的に異ならないため、同一の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
ガス浄化装置1Jでは、例えば平板あるいは筒状構造の誘電体6によりガス流路10が形成される。誘電体6のガス流路10側には、複数組、例えば2組の放電電極7(第1の放電電極7aおよび第2の放電電極7b)が設けられる一方、誘電体6のガス流路10と逆側には、2組の放電用対向電極8(第1の放電用対向電極8aおよび第2の放電用対向電極8b)が設けられる。第1の放電電極7aおよび第2の放電電極7bは、互いにガス流路10を挟んでそれぞれ誘電体6に接触して設けられる。さらに、第1の放電電極7aと誘電体6を挟んで対向する位置に第1の放電用対向電極8aが配置され、第2の放電電極7bと誘電体6を挟んで対向する位置に第2の放電用対向電極8bが配置される。
また、第1の放電電極7aおよび第1の放電用対向電極8aは、第1の放電用電源4aと放電用電気系統3aを介して接続され、第1の放電用電源4aにより第1の放電電極7aと第1の放電用対向電極8aとの間にパルス状あるいは交流状の電圧を印加することにより放電用の電界を形成させて放電を起こし、放電プラズマYを生成できるように構成される。
同様に、第2の放電電極7bおよび第2の放電用対向電極8bは、第2の放電用電源4bと放電用電気系統3aを介して接続され、第2の放電用電源4bにより第2の放電電極7bと第2の放電用対向電極8bとの間に両極性のパルス状あるいは交流状の電圧を印加することにより放電用の電界を形成させて放電を起こし、放電プラズマYを生成できるように構成される。
このとき、第1の放電電極7aと第1の放電用対向電極8aとの間には誘電体5が存在し、かつ第1の放電電極7aと誘電体5は密着しているため、引き起こされる放電は安定したコロナ放電であり、第1の放電電極7a近傍において誘電体5に沿う沿面放電となる。第2の放電電極7bにおいて引き起こされる放電も同様である。
さらに、第1の放電電極7aおよび第2の放電電極7bは、それぞれ集塵用電気系統3bを介して集塵用電源5と接続され、集塵用電源5により第1の放電電極7aと第2の放電電極7bとの間に直流状、単極性のパルス状、整流波形状の電圧を印加することにより時間的に向きが一定の集塵用の電界を形成させることができるように構成される。
このため、集塵用の電界の作用により第1の放電電極7a近傍および第2の放電電極7b近傍において生成された各放電プラズマYのうち、マイナスの電荷あるいはプラスの電荷を有する放電プラズマYがガス流路10側に引き出される。尚、このとき、集塵用の電界であり、かつ放電プラズマYの引き出し用にも利用される電界の向きは一定であるため、ガス流路10側に引き出された各放電プラズマYの極性は互いに逆となる。
そして、放電プラズマYにより荷電されたPMは、第1の放電電極7aと第2の放電電極7bとの間に形成された集塵用の電界の電気的集塵効果により極性に応じた向きで電気的な力を受けて誘電体6に捕捉され、さらに捕捉されたPMは、第1の放電電極7aおよび第2の放電電極7bの近傍に沿面放電により生成された放電プラズマYにより燃焼処理される。
つまり、ガス浄化装置1Jは、2組の放電電極7a,7bを対向配置させて集塵用の電界を形成させることにより、図1に示すガス浄化装置1における第2の電界形成手段の構成要素である集塵用対向電極9としての機能を放電電極7a,7bが互いに兼ねた構成である。
このため、ガス浄化装置1Jによれば、図1に示すガス浄化装置1における効果の他、誘電体6のガス流路10側の表面近傍において、より広い範囲で放電プラズマYを生成させることができる。例えば図13に示すように放電電極7が2つの場合には、2箇所で放電プラズマYを生成させることが可能となるため、誘電体2の各所に捕捉されたPMをより効率的に燃焼処理することができる。
特に、例えば図1に示すガス浄化装置1のように、放電プラズマYの電荷が単極性であり、かつ1箇所から生成されるような場合には、放電プラズマYの極性と同じ極性に荷電されたPMは、放電プラズマYが生成されない側に引き寄せられて捕捉されることとなる。この場合、捕捉されたPMを十分に燃焼できない恐れがある。
一方、ガス浄化装置1Jによれば、PMがいずれの向きに電気的に力を受けて誘電体6で捕捉されても、放電プラズマYにより燃焼処理することができる。
さらに、ガス浄化装置1Jにおいて、放電用の電界形成のための電圧印加、すなわち第1の放電電極7aと第1の放電用対向電極8aとの間における電圧印加並びに第2の放電電極7bと第1の放電用対向電極8aとの間における電圧印加を交互に切り換えて断続的に行なうと、より効率的にPMを除去することができる。
すなわち、仮に第1の放電電極7aと第1の放電用対向電極8aとの間における電圧印加並びに第2の放電電極7bと第1の放電用対向電極8aとの間における電圧印加を同時に行なうと、第1の放電電極7aおよび第2の放電電極7bからそれぞれ同時に放電プラズマYが生成される。しかし、各放電プラズマYの極性は互いに異なり、ガス流路10の中心部分では、双方の極性を有する放電プラズマYが混在することとなる。また、第1の放電電極7aおよび第2の放電電極7b近傍において、集塵用の電界による影響の小さい部位においても双方の極性を有する放電プラズマYが混在する。
このため、放電用に大きな電圧が印加され、集塵用の電界による電気的集塵効果に影響を与える程、放電プラズマYの量が多いような場合には、双方の極性を有する放電プラズマYが混在する領域において、荷電されたPMの移動が阻害される恐れがある。特に第1の放電電極7aおよび第2の放電電極7bの近傍には、双方の極性を有する放電プラズマYがより大量に生成され、誘電体6付近に引き寄せられたPMの移動が阻害される可能性が高い。Yそこで、放電を放電電極7a,7bごとに切り換えて行なえば、放電用により大きな電圧を印加したとしてもこのようなPMの集塵阻害を回避することができる。
尚、第1の放電用電源4aおよび第2の放電用電源4bを共通化し、単一の放電用電源4を用いて第1の放電電極7aと第1の放電用対向電極8aとの間における電圧印加並びに第2の放電電極7bと第1の放電用対向電極8aとの間における電圧印加を行なうようにしてもよい。また、第1の放電用電源4aおよび第2の放電用電源4bのそれぞれの出力電圧は、同一であっても異なるものであってもよい。
図14は本発明に係るガス浄化装置の第11の実施形態を示す構成図である。
図14に示されたガス浄化装置1Kでは、集塵用対向電極9を設ける代わりに2つの放電用対向電極8を対向させて設けた点および集塵用電源5をバイアス電源30で構成した点が図1に示すガス浄化装置1と相違する。他の構成および作用については図1に示すガス浄化装置1と実質的に異ならないため、同一の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
ガス浄化装置1Kでは、例えば平板あるいは筒状構造の壁材20によりガス流路10が形成される。壁材20のガス流路10側には、放電電極7と、この放電電極7に対向する複数の、例えば2つの放電用対向電極8(第1の放電用対向電極8aおよび第2の放電用対向電極8b)が設けられる。そして、第1の放電用対向電極8aと放電電極7との間、第2の放電用対向電極8bと放電電極7との間それぞれにおいて、ガス流路10を横切って電界が形成されるような位置に、放電電極7、第1の放電用対向電極8aおよび第2の放電用対向電極8bが配置される。
また、第1の放電用対向電極8aと放電電極7との間、第2の放電用対向電極8bと放電電極7との間には誘電体6が設けられる。例えば、放電電極7が誘電体6により覆われる。
さらに、放電電極7および第1の放電用対向電極8aは、第1の放電用電源4aと放電用電気系統3aを介して接続され、放電電極7および第2の放電用対向電極8bは、第2の放電用電源4bと放電用電気系統3aを介して接続される。また、放電電極7および第1の放電用対向電極8aは、集塵用電源5を構成する第1のバイアス電源30aと集塵用電気系統3bを介して接続され、放電電極7および第2の放電用対向電極8bは、集塵用電源5を構成する第2のバイアス電源30bと集塵用電気系統3bを介して接続される。
そして、第1の放電用電源4aにより放電電極7と第1の放電用対向電極8aとの間にパルス状あるいは交流状の電圧が、第1のバイアス電源30aにより放電電極7と第1の放電用対向電極8aとの間にバイアス電圧がそれぞれ印加される。同様に、第2の放電用電源4bにより放電電極7と第2の放電用対向電極8bとの間にパルス状あるいは交流状の電圧が、第2のバイアス電源30bにより放電電極7と第2の放電用対向電極8bとの間にバイアス電圧がそれぞれ印加される。
図15は図14に示す各放電用対向電極8a,8bと放電電極7との間にそれぞれ印加される電圧波形の一例を示す図である。
図15において、縦軸は、各放電用対向電極8a,8bと放電電極7との間にそれぞれ印加される電圧Eを示し、横軸は時間tを示す。また図15において実線は第1の放電用対向電極8aと放電電極7との間に印加される電圧A4を示し、点線は第2の放電用対向電極8bと放電電極7との間に印加される電圧A5を示す。
第1の放電用対向電極8aと放電電極7との間に印加される電圧A4は、図15に示すように、例えば第1の放電用電源4aから印加される交流電圧と、第1のバイアス電源30aから印加される正のバイアス電圧Vb1により、正方向にシフトした交流波形の電圧となる。一方、第2の放電用対向電極8bと放電電極7との間に印加される電圧A5は、図15に示すように、例えば第2の放電用電源4bから印加される交流電圧と、第2のバイアス電源30bから印加される負のバイアス電圧Vb2により、負方向にシフトした交流波形の電圧となる。
この結果、実質的には、第1の放電用対向電極8aと第2の放電用対向電極8bとの間には常に一定の電圧Vが印加されているのと等価となる。そして、この一定の電圧Vにより第1の放電用対向電極8aと第2の放電用対向電極8bとの間には集塵用の電界が形成される一方、第1の放電用対向電極8aと放電電極7との間に印加される交流波形の電圧A4および第2の放電用対向電極8bと放電電極7との間に印加される交流波形の電圧A5により、第1の放電用対向電極8aと放電電極7との間および第2の放電用対向電極8bと放電電極7との間にそれぞれ放電用の電界が形成されて放電が行なわれる。
このとき、第1の放電用対向電極8aと放電電極7との間および第2の放電用対向電極8bと放電電極7との間には、空間が存在するため、各放電は空間放電となる。
そして、空間放電により生成された放電プラズマYにより荷電されたPMが、第1の放電用対向電極8aと第2の放電用対向電極8bとの間に形成される集塵用の電界の作用により捕捉され、捕捉されたPMは放電プラズマYにより燃焼処理される。
つまり、ガス浄化装置1Kは、2つの放電用対向電極8a,8bを対向配置し、実質的に直流電圧とみなせる電圧を印加して集塵用の電界を形成させることにより、図1に示すガス浄化装置1における第2の電界形成手段の構成要素である集塵用対向電極9としての機能を放電用対向電極8a,8bが互いに兼ねた構成である。
このため、ガス浄化装置1Kでは、図1に示すガス浄化装置1における効果の他、放電プラズマYとともに集塵用の電界をより広範囲に形成させることができるため、PMの集塵効率を向上させることが可能となる。
図16は本発明に係るガス浄化装置の第11の実施形態を示す構成図である。
図16に示されたガス浄化装置1Lでは、放電電極7と2対の放電用対向電極8との間に誘電体6を設けた点が図14に示すガス浄化装置1Kと相違する。他の構成および作用については図14に示すガス浄化装置1Kと実質的に異ならないため、同一の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
ガス浄化装置1Lでは、放電電極7と2対の放電用対向電極8との間に誘電体6が設けられる。例えば放電電極7が誘電体6で覆われる。このため、ガス浄化装置1Lでは、図14に示すガス浄化装置1Kと同等な効果に加え、放電が誘電体バリア放電となり、スパークに移行することがないため、より高い電圧を放電電極7と各放電用対向電極8との間に印加することが可能となる。
図17は本発明に係るガス浄化装置の第12の実施形態を示す構成図である。
図17に示されたガス浄化装置1Mでは、放電反応部2をディーゼル微粒子除去装置(DPF:Diesel Particle Filter)40の上流側に設けた点並びに動作制御部41とセンサ部42とを設けた点が図1に示すガス浄化装置1と相違する。他の構成および作用については図1に示すガス浄化装置1と実質的に異ならないため、同一の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
トラックやバス等のディーゼルエンジンを備えた車両の多くには、排ガスに含まれるPM等の有害物質を除去するためのDPF40が設けられる。そして、このようなDPF40が設けられたガス流路10のDPF40よりも上流側にガス浄化装置1Mの放電反応部2が設けられる。放電反応部2は放電用電気系統3aを介して放電用電源4と、集塵用電気系統3bを介して集塵用電源5と、それぞれ接続される。
尚、放電反応部2の構成は、図1に示すガス浄化装置1の放電反応部2に限らず、他の実施形態におけるガス浄化装置1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1J,1K,1Lの放電反応部2であってもよい。このため、ガス浄化装置1Mの放電反応部2の詳細構成については図示せず、説明を省略する。
また、ガス流路10の所要の部位、例えばDPF40と放電反応部2との間にはセンサ部42が設けられる。センサ部42は、ガス流路10を流れる浄化対象ガスXの温度あるいは流量を計測する機能を有する。さらに、センサ部42、放電用電源4および集塵用電源5は、動作制御部41と接続される。動作制御部41は、センサ部42から浄化対象ガスXの温度あるいは流量の計測値を入力し、入力した浄化対象ガスXの温度あるいは流量の計測値に基づいて放電用電源4および集塵用電源5に制御信号を与えることにより、電源のオンオフ動作を切り換える機能を有する。
一方、DPF40は、浄化対象ガスXに含まれるPMを捕捉する機能を有する。また、DPF40の上流側には、酸化触媒部43が設けられる。そして、DPF40によりPMを捕捉し、さらに捕捉されたPMを酸化触媒部43より生成された酸化剤により酸化除去できるように構成される。尚、酸化触媒部43を設けずに外部熱源によりDPF40に捕捉されたPMを焼却除去するようにしたものもある。
ここで、酸化触媒部43は、浄化対象ガスXの温度が一定以下であると、不活性状態となり十分な量の酸化剤を生成することが困難となる。このため、浄化対象ガスXの温度が低い場合には、DPF40に捕捉されたPMが十分に酸化処理されずに堆積量が増大し、DPF40のフィルタ圧損の増加に繋がる恐れがある。また、DPF40にPMが過剰に堆積した状態では、高負荷運転等でPMが自己着火し、発熱量が過大となりフィルタが溶損する恐れもある。
逆に、浄化対象ガスXの温度が十分に高い高温時には、酸化触媒部43が活性化され、DPF40に捕捉されたPMの酸化処理能力を良好に得ることができる。
そこで、ガス浄化装置1Mは、浄化対象ガスXの温度が低く、酸化触媒部43が不活性状態であるような場合に酸化触媒部43およびDPF40のPM除去を補完する手段として駆動される一方、逆に浄化対象ガスXの温度が高く、酸化触媒部43が活性状態であるような場合には動作を停止させて電力消費が低減できるように制御される。
図18は、図17に示すガス浄化装置1Mと酸化触媒部43およびDPF40との併用の際における電源の制御方法を説明するための理想的なPMの除去量および圧損を示す概念図である。
図18(a)は、浄化対象ガスXの温度と流量との関係を示す概念図であり、縦軸は浄化対象ガスXの温度Tを、横軸は浄化対象ガスXの流量qを示す。一般に車両から排出される排ガスが浄化対象ガスXである場合には、図18(a)に示すように、浄化対象ガスXの温度Tと流量qとは略比例関係にあることが知られている。
そして、酸化触媒部43は、ある臨界温度Tcを超えると活性化状態となり、PMを酸化除去するための酸化剤を生成することができる。そこで、浄化対象ガスXの温度Tが臨界温度Tc以上あるいは臨界温度Tcを超える温度となったときには、ガス浄化装置1Mの作動を停止させ、浄化対象ガスXの温度Tが臨界温度Tc未満あるいは臨界温度Tc以下となったときには、ガス浄化装置1Mの作動を開始させることにより、浄化対象ガスXの温度に依らず、安定してPMを捕捉し燃焼処理することができる。
また、浄化対象ガスXの温度Tと流量qとは略比例関係にあるため、浄化対象ガスXの温度Tが臨界温度Tcとなるとき浄化対象ガスXの流量qを臨界流量qcとして、浄化対象ガスXの流量qが臨界流量qc以上であるか否かあるいは超えるか否かによりガス浄化装置1Mの作動の停止および開始を切り換えるようにすることもできる。
そこで、センサ部42により、ガス流路10中における浄化対象ガスXの温度Tあるいは流量qを計測して計測値を動作制御部41に与える。そして、動作制御部41は、センサ部42から受けた浄化対象ガスXの温度Tあるいは流量qの計測値と酸化触媒が活性化状態となるときの臨界温度Tcあるいはqcとを比較し、酸化触媒が十分に活性化状態であると判定される場合には、放電用電源4および集塵用電源5に作動を停止させるべき旨の制御信号を与える一方、酸化触媒が十分に活性化状態でないと判定される場合には、放電用電源4および集塵用電源5に作動を開始させるべき旨の制御信号を与える。
そして、放電用電源4および集塵用電源5は動作制御部41から作動を停止させるべき旨の制御信号を受けた場合には、放電反応部2への電圧印加を停止することによりガス浄化装置1Mの動作を停止させ、動作制御部41から作動を開始させるべき旨の制御信号を受けた場合には、放電反応部2に電圧印加することによりガス浄化装置1Mの動作を開始させる。
このため、浄化対象ガスXの温度が低く低流量時である場合において、酸化触媒が不活性状態であっても、ガス浄化装置1Mの動作により浄化対象ガスX中のPMが電気集塵されて燃焼処理される。そして、DPF40の負荷を低減させる。逆に、浄化対象ガスXの温度が高く高流量時である場合、すなわち酸化触媒が活性状態である場合には、ガス浄化装置1Mの動作が停止し浄化対象ガスX中のPMは酸化触媒部43およびDPF40の作用により集塵されて酸化処理される。
この結果、PMの除去量を浄化対象ガスXの温度や流量に依らず安定して確保することができる。
図18(b)において、縦軸はPMの除去量Vを、横軸は浄化対象ガスXの流量qを示す。仮に、ガス浄化装置1Mがない場合には、酸化触媒部43とDPF40との作用のみにより浄化対象ガスXからPMが酸化処理されて除去される。このため、二点鎖線に示すように、浄化対象ガスXの流量qが臨界流量qc未満では酸化触媒が不活性化状態であり、PMの除去量V1は殆ど得られず、逆に浄化対象ガスXの流量qが臨界流量qc以上となると、性能に応じたPMの除去量V2が得られる。
一方、ガス浄化装置1Mを設けて、浄化対象ガスXの流量qが臨界流量qc以下であり酸化触媒が不活性化状態である場合に動作させると、浄化対象ガスXの流量qが臨界流量qc以下であってもPMが電気集塵された後、放電プラズマYにより燃焼処理されるため、実線で示すように浄化対象ガスXの流量qが臨界流量qc以上である場合と同等のPMの除去量V2を期待することができる。
換言すれば図18(b)のように安定したPMの除去量V2が浄化対象ガスの流量qないし温度に依らず得られるように動作制御部41によりガス浄化装置1Mの動作が制御される。そして、図18(b)のように浄化対象ガスXの流量qないし温度に依らずPMが安定して除去されると、DPF40におけるPMの堆積量の過剰な増加が抑制され、安定して圧損が低い状態となるように維持することができる。
図18(c)において、縦軸は浄化対象ガスXに対する圧損Dを示し、横軸は浄化対象ガスXの流量qを示す。仮に、ガス浄化装置1Mがない場合には、二点鎖線に示すように、浄化対象ガスXの流量qが臨界流量qc未満では酸化触媒が不活性化状態でPMが十分に酸化処理されないため、DPF40にPMが堆積して高い圧損D1となる。そして、浄化対象ガスXの流量qが臨界流量qc以上では酸化触媒が活性化状態となり、PMが十分に酸化処理されるため、DPF40に堆積したPMが除去されて低い圧損D2となる。
一方、ガス浄化装置1Mを設けて、浄化対象ガスXの流量qが臨界流量qc以下であり酸化触媒が不活性化状態である場合に動作させると、酸化触媒が不活性状態であってもPMが放電プラズマYにより燃焼処理されるため、PMのDPF40における過剰な堆積を抑制して、実線で示すように浄化対象ガスXの流量qが臨界流量qc以上である場合と同等の低い圧損D2を期待することができる。
このため、ガス浄化装置1Mによれば、図1に示すガス浄化装置1と同等の効果に加え、DPF40および酸化触媒部43が設けられるガス流路10において、PMの除去量や圧損を浄化対象ガスXの温度や流量に依らず、良好な状態に保つことができる。また、DPF40への過剰なPMの堆積を抑制することができる。
尚、ガス浄化装置1Mにおいて、動作制御部41はガス浄化装置1Mにおける放電用の電界および集塵用の電界の形成あるいは非形成を切り換える機能を有すれば、放電用電源4や集塵用電源5に接続される必要はなく、例えば放電用電気系統3aや集塵用電気系統3bの遮断および接続を切り換えることができるようにしてもよい。
以上のような各実施形態におけるガス浄化装置1、1A、1B、1C、1D、1F、1G、1H、1I、1J、1K、1Lは特徴部分を互いに組み合わせて構成してもよい。例えば、図9に示すガス浄化装置1Fの放電電極7の形状を図10に示すガス浄化装置1Gの放電電極7のように鋭利な部分のない形状としてもよい。
尚、放電電極7とは別に電極を集塵用対向電極9に対向して設けることにより集塵用の電界を形成するように構成してもよい。
本発明に係るガス浄化装置の第1の実施形態を示す構成図。 図1に示す集塵用電源の出力電圧波形を示す図。 図1に示す集塵用電源の電圧印加により放電電極と集塵用対向電極との間に形成される電界の大きさとPMの集塵効率との関係を示す図。 図1に示すガス浄化装置において、集塵用電源および集塵用対向電極を省略した例を示す構成図。 本発明に係るガス浄化装置の第2の実施形態を示す構成図。 本発明に係るガス浄化装置の第3の実施形態を示す構成図。 本発明に係るガス浄化装置の第4の実施形態を示す構成図。 本発明に係るガス浄化装置の第5の実施形態を示す構成図。 本発明に係るガス浄化装置の第6の実施形態を示す構成図。 本発明に係るガス浄化装置の第7の実施形態を示す構成図。 本発明に係るガス浄化装置の第8の実施形態を示す構成図。 本発明に係るガス浄化装置の第9の実施形態を示す構成図。 本発明に係るガス浄化装置の第10の実施形態を示す構成図。 本発明に係るガス浄化装置の第11の実施形態を示す構成図。 図14に示す各放電用対向電極と放電電極との間にそれぞれ印加される電圧波形の一例を示す図。 本発明に係るガス浄化装置の第11の実施形態を示す構成図。 本発明に係るガス浄化装置の第12の実施形態を示す構成図。 図17に示すガス浄化装置と酸化触媒部およびDPFとの併用の際における電源の制御方法を説明するための理想的なPMの除去量および圧損を示す概念図。
符号の説明
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1J,1K,1L,1M ガス浄化装置
2 放電反応部
3 電気系統
3a 放電用電気系統
3b 集塵用電気系統
4,4a,4b 放電用電源
5 集塵用電源
6 誘電体
7,7a,7b 放電電極
8,8a,8b 放電用対向電極
9 集塵用対向電極
10 ガス流路
20 壁材
30,30a,30b バイアス電源
40 DPF
41 動作制御部
42 センサ部
43 酸化触媒部
X 浄化対象ガス
Y 放電プラズマ

Claims (19)

  1. 浄化対象ガスが流れるガス流路に放電用の電界を形成して放電プラズマを生成し、前記浄化対象ガスに含まれる粒子状物質を前記放電プラズマの作用により荷電するとともに燃焼処理させる第1の電界形成手段と、
    集塵用の電界を形成することによって電気的集塵機能により前記荷電された粒子状物質を捕捉させる第2の電界形成手段とを備え、
    前記第2の電界形成手段は、前記集塵用の電界により前記ガス流路の断面積にしめる前記放電プラズマの領域を拡大させるように構成したことを特徴とするガス浄化装置。
  2. 前記第1の電界形成手段は、前記放電プラズマを生成する放電電極を備え、この放電電極に誘電体を接触して設けることにより沿面放電により前記放電プラズマを生成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  3. 前記第1の電界形成手段は、前記放電プラズマを生成する放電電極とこの放電電極に対向する放電用対向電極とを備え、前記放電電極と前記放電用対向電極とを離して設けることにより空間放電により前記放電プラズマを生成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  4. 前記第1の電界形成手段は、前記放電プラズマを生成する放電電極と、この放電電極に対向する放電用対向電極とを備え、前記放電電極と前記放電用対向電極とを離して設け、かつ誘電体を前記放電電極と前記放電用対向電極との間に設けることにより空間放電により前記放電プラズマを生成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  5. 前記第1の電界形成手段は、前記放電プラズマを生成する放電電極とこの放電電極に対向する放電用対向電極とを備え、前記放電電極と前記放電用対向電極とを前記ガス流路を挟んで離して設けることにより前記浄化対象ガスの進行方向を横切る電界を形成し、空間放電により前記放電プラズマを生成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  6. 前記第1の電界形成手段は、前記放電プラズマを生成する放電電極とこの放電電極に対向する放電用対向電極とを備え、前記放電電極と前記放電用対向電極とを前記浄化対象ガスの進行方向に離して設けることにより前記浄化対象ガスの進行方向の成分を有する電界を形成し、空間放電により前記放電プラズマを生成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  7. 前記第1の電界形成手段は、前記放電プラズマを生成する放電電極とこの放電電極に対向する放電用対向電極とを備え、前記放電電極および前記放電用対向電極の少なくとも一方の形状を鋭利な部位のない形状としたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  8. 前記第1の電界形成手段は、前記放電プラズマを生成する放電電極とこの放電電極に対向する放電用対向電極とを備える一方、前記第2の電界形成手段は前記集塵用の電界を形成するための集塵用対向電極を備え、前記放電電極、前記放電用対向電極および前記集塵用対向電極の少なくとも一つの形状を鋭利な部位のない形状としたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  9. 前記第1の電界形成手段は、前記放電プラズマを生成する複数の放電電極を備え、これらの放電電極を互いに対向させることにより前記第2の電界形成手段を構成して前記集塵用の電界を形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  10. 前記第1の電界形成手段は、前記放電プラズマを断続的に交互に生成する複数の放電電極を備え、これらの放電電極を互いに対向させることにより前記第2の電界形成手段を構成して前記集塵用の電界を形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  11. 前記第1の電界形成手段は、前記放電プラズマを生成する複数の放電電極を前記浄化対象ガスの進行方向に沿って備えることを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  12. 前記第1の電界形成手段は、前記放電プラズマを生成する複数の放電電極を前記浄化対象ガスの進行方向に沿って備え、前記浄化対象ガスの上流側において下流側よりも大量の放電プラズマが生成されるような構成としたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  13. 前記第1の電界形成手段は、前記放電プラズマを生成する放電電極とこの放電電極に対向する複数の放電用対向電極とを備え、これらの放電用対向電極を互いに対向させて設けるとともに前記放電電極と各放電用対向電極との間にそれぞれバイアス電圧を印加することにより前記第2の電界形成手段を構成し、各放電用対向電極の間に前記集塵用の電界を形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  14. 前記第2の電界形成手段は、直流電圧を出力する集塵用電源を備え、前記集塵用の電界を直流電圧の印加により形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  15. 前記第2の電界形成手段は、パルス状の電圧を出力する集塵用電源を備え、前記集塵用の電界をパルス状の電圧の印加により形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  16. 前記第2の電界形成手段は、整流波形の電圧を出力する集塵用電源を備え、前記集塵用の電界を整流波形の電圧の印加により形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  17. 前記集塵用の電界を1kV/cm以上30kV/cm以下としたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  18. 前記ガス流路に設けられるディーゼル微粒子除去装置に捕捉された粒子状物質を酸化処理するための酸化剤を生成する酸化触媒部が十分に活性化状態であるか否かに応じて前記放電用の電界および集塵用の電界の形成あるいは非形成を切り換える動作制御部を設けたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  19. 前記第1の電界形成手段は、前記放電プラズマを生成する放電電極を備え、前記放電電極の形状を前記放電電極近傍の電気力線が密になるような形状にしたことを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
JP2004138831A 2004-05-07 2004-05-07 ガス浄化装置 Expired - Lifetime JP4476685B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004138831A JP4476685B2 (ja) 2004-05-07 2004-05-07 ガス浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004138831A JP4476685B2 (ja) 2004-05-07 2004-05-07 ガス浄化装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005320895A JP2005320895A (ja) 2005-11-17
JP2005320895A5 JP2005320895A5 (ja) 2007-01-25
JP4476685B2 true JP4476685B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=35468353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004138831A Expired - Lifetime JP4476685B2 (ja) 2004-05-07 2004-05-07 ガス浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4476685B2 (ja)

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4817407B2 (ja) * 2005-03-07 2011-11-16 学校法人東海大学 プラズマ発生装置及びプラズマ発生方法
JPWO2007077897A1 (ja) * 2005-12-28 2009-06-11 日本碍子株式会社 集塵電極及び集塵機
JPWO2007139019A1 (ja) * 2006-05-26 2009-10-08 ダイハツ工業株式会社 プラズマ反応器用電極
WO2008062554A1 (fr) 2006-11-20 2008-05-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Dispositif de purification de gaz, système de purification de gaz et procédé de purification de gaz
JP5495219B2 (ja) * 2007-03-30 2014-05-21 国立大学法人豊橋技術科学大学 排ガス浄化装置
KR100933195B1 (ko) 2007-12-03 2009-12-22 한국전기연구원 하이브리드 폐가스 처리 시스템 및 그 방법
JP5349038B2 (ja) * 2008-12-25 2013-11-20 京セラ株式会社 誘電性構造体、誘電性構造体を用いた放電装置、流体改質装置、および反応システム
JP5058199B2 (ja) * 2009-03-30 2012-10-24 京セラ株式会社 放電装置および放電装置を用いた反応装置
JP5693287B2 (ja) * 2011-02-21 2015-04-01 富士電機株式会社 電気集塵装置
JP2011231928A (ja) * 2011-04-27 2011-11-17 Toshiba Corp ディフューザ
FR2975018B1 (fr) * 2011-05-10 2016-11-25 Commissariat Energie Atomique Dispositif pour le traitement des gaz par plasma de surface
JP5999368B2 (ja) * 2013-09-02 2016-09-28 株式会社デンソー ガス改質装置、排気浄化システム、空気清浄機
JP6193734B2 (ja) * 2013-11-12 2017-09-06 日野自動車株式会社 粒子荷電排気浄化装置
CN104179552A (zh) * 2014-09-10 2014-12-03 中投仙能科技(苏州)有限公司 一种基于低温等离子体的汽车尾气处理的装置及其方法
JP6126068B2 (ja) * 2014-12-02 2017-05-10 トヨタ自動車株式会社 排ガス浄化装置
CN108472662B (zh) * 2016-06-15 2021-03-02 富士电机株式会社 粒子状物质燃烧装置
CN108019252A (zh) * 2017-11-23 2018-05-11 郑州源冉生物技术有限公司 环保型发电机烟气除尘降噪音装置
JP7205135B2 (ja) * 2018-09-25 2023-01-17 富士電機株式会社 電気集塵機
CN113366198B (zh) * 2018-10-22 2023-08-15 上海必修福企业管理有限公司 一种发动机排放处理系统和方法
JP7307015B2 (ja) * 2020-03-24 2023-07-11 ダイハツ工業株式会社 排気ガス浄化用プラズマリアクタ
JP7381178B2 (ja) * 2020-03-30 2023-11-15 ダイハツ工業株式会社 排気ガス浄化用プラズマリアクタ
JP7418144B2 (ja) * 2020-06-30 2024-01-19 日本特殊陶業株式会社 プラズマ照射装置
CN114798179B (zh) * 2022-05-25 2024-03-19 南方电网电力科技股份有限公司 一种静电除尘器的控制方法及装置
CN115324720B (zh) * 2022-09-14 2024-03-12 江苏大学 一种基于介质阻挡放电原理的微燃烧室

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005320895A (ja) 2005-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4476685B2 (ja) ガス浄化装置
JP5693287B2 (ja) 電気集塵装置
US20100072055A1 (en) Gas purifying device, gas purifying system and gas purifying method
US7431755B2 (en) Dust-collecting electrode and dust collector
US7510600B2 (en) Gas purifying apparatus
AU647491B2 (en) Process and device for cleaning exhaust gases
EP1890014B1 (en) Exhaust emission control method and exhaust emission control system
KR101535362B1 (ko) 그을음 입자를 함유한 배기 가스의 처리 장치
JP2005320895A5 (ja)
US9010086B2 (en) Device and method for treating exhaust gas containing soot particles and motor vehicle having the device and carrying out the method
JP2007216193A (ja) 加熱機能付プラズマ放電反応器
JP2009243419A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
WO2019154302A1 (zh) 等离子体处理气体中污染物的方法
JP4896629B2 (ja) 排気ガス処理装置
JP6242059B2 (ja) 放電プラズマリアクタ
JP2005240738A (ja) プラズマリアクター用電源、プラズマリアクター、排ガス浄化装置及び排ガス浄化方法
JP2004261717A (ja) ガス浄化装置およびガス浄化装置に使用する放電反応体
JP2008000692A (ja) 電気集塵装置及び方法
WO2009119845A1 (ja) 排ガス浄化装置
JP2006026483A (ja) 排ガス浄化装置
JP2003003824A (ja) 排ガス浄化装置
JP4269768B2 (ja) Pm浄化リアクター
JP3876843B2 (ja) 排気ガス浄化装置
JP2003049628A (ja) 排気ガス物質の浄化装置
JP2003286819A (ja) Pm浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061121

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090804

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100310

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3