JP3876843B2 - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関等からの排気ガスの浄化装置に関するものであって、特に、ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質(パティキュレート:以下「PM」という。)を除去するための排気ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンは、自動車、特に大型車に多く搭載されているが、近年特にその排気ガス中の窒素酸化物、一酸化炭素、炭化水素等とともに、PMの排出を低減することが強く望まれている。そのため、エンジンの改良又は燃焼条件の最適化等により根本的にPMを低減する技術開発とともに、排気ガス中のPMを効率的に除去するための技術の確立が望まれている。
【0003】
排気ガス中のPMの除去のためには一般に、セラミックスハニカム製フィルター、合金製フィルター及びセラミックス繊維製フィルターが用いられている。しかしながらこれらの手法では使用時間が経過するにつれ、捕集された粒状物質によりフィルターが目詰まりを起こし、通気抵抗が増加し、エンジンに負担をかける結果となる。また、ナノサイズPMは基材連通孔での物理的衝突捕集を逃れて捕集されない場合がある。また、従来のフィルターでPMを捕集した場合であっても、排気熱のみの作用によってはPMの充分な酸化除去は期待できない。
【0004】
更にディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置として、従来から放電を利用した装置が知られている。例えば特許文献1には、ニードル電極と偏向電極とを囲んで配置した捕集電極を備え、電極間の放電によりディーゼルエンジン排気中のPMを帯電させて、PMを捕集電極に捕集する装置が開示されている。しかし、この装置は、PMの捕集を行うのみであって、PMを積極的に燃焼除去する装置ではなく、捕集したPMの処理が別途必要であり、この装置にPMの燃焼除去効果を期待することはできない。これは、金属捕集電極上にPMを堆積させた場合には、捕集部自体の高い導電性によりPMに電流が流れず、PMを通電燃焼させることができないからである。
【0005】
また同様に、例えば特許文献2では、電極間に絶縁性のペレットを配置した装置も開示されている。しかしこの装置では、単に安全性のために反応炉ヘッドと電源装置とを近接させ、好ましくは接地した導電室に納めることを意図しているのみであり、電界の方向と排気ガスの流通方向との関係による効果、及び排ガスを流通させる絶縁体の形状による効果を認識していない。
【0006】
【特許文献1】
特許2698804号公報
【特許文献2】
特公表2001−511493号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、従来公知の放電を利用した排気ガス浄化装置は、PMの捕集のための電界の利用について充分には認識しておらず、又はPMの燃焼除去に関してはきわめて不充分である。従ってディーゼルエンジン等から排出される排気ガス中のPMの捕集効率及び燃焼除去効率を高める必要があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、絶縁性ハニカム構造体及び一対の平面電極を有する、パティキュレートの捕集及び燃焼を行う排気ガス浄化装置であって、ハニカム構造体が、対面する外側表面を有し、且つ一対の平面電極が、ハニカム構造体の対面する外側表面のそれぞれに配置されており、それによってこの一対の平面電極が、ハニカム構造体内の排気ガス流路の方向に対して非平行の電界、特にハニカム構造体内の排気ガス流路の方向に対して45°又は60°よりも大きい角度の電界、より特にハニカム構造体内の排気ガス流路の方向に対して垂直な電界を、ハニカム構造体内に作るようにされていることを特徴とする、パティキュレートの捕集及び燃焼を行う排気ガス浄化装置に関する。
【0009】
本発明の特徴によれば、排気ガスの流通方向と電界の効果によってクーロン力でPMが引き寄せられる方向とを異ならせることによって、ハニカム壁面へのPMの堆積を促進し、且つハニカム構造体を絶縁体によって作ることにより、ハニカム構造体にではなく堆積したPMに優先的に電流が流れるようにして、堆積したPMを通電及び排気熱により燃焼除去させる。すなわち特定の方向の電界及び絶縁性ハニカム構造体を使用することによって、高い捕集効率の利益を受けつつ、小さい通気抵抗及びPM燃焼の利益を受ける。尚、PMはハニカム構造体に達する前に任意の手段によって帯電させること若しくはハニカム構造体内の電界によって帯電させることができ、又は特別の手段を用いなくても帯電しているものであり、このPMの帯電は例えば放電によって行うことができる。
【0010】
本発明の1つの実施形態では、ハニカム構造体とその対面する外側表面に配置された一対の平面電極との組み合わせを複数組有する。この場合には、ハニカム構造体と一対の平面電極との1つの組み合わせは、ハニカム構造体と一対の平面電極との1又は複数の他の組み合せに対して互いに平行に配置することができ、またこれら2つの隣接するハニカム構造体の間の平面電極は共通の平面電極とすることができる。この実施形態によれば、それぞれの対となる平面電極間の距離を短くすることができ、それによって比較的低い電圧で強い電界を作ることが可能になる。具体的には、平面電極間の電界の強さは平面電極間の電圧に比例し、且つ平面電極間の距離に反比例するので、電極間の距離を半分にすると、所定の電界の強さを得るために必要とされる電圧は半分で済む。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、平面電極が交流電源によって電圧を印加される。この実施形態によれば、PMが正と負のいずれか一方に優先的に帯電している場合に、PMを引き寄せる方向を異なる方向に切り替えることによって、ハニカム構造体のハニカム壁面を有効に活用することができる。すなわちこの実施形態によれば、一方のハニカム壁面にPMを堆積させている間に、他方のハニカム壁面に堆積したPMを燃焼除去することができ、より長期間にわたってPMによるハニカム構造体の目詰まりを防ぐことができる。
【0012】
また本発明は、絶縁性ハニカム構造体及び電極を有する、パティキュレートの捕集及び燃焼を行う排気ガス浄化装置であって、ハニカム構造体が、2組の対面する外周平面を有し、特に直方体形であり、電極が、2組の対面する平面電極を含み、且つこの対面する平面電極のそれぞれが、ハニカム構造体の対面する外周平面、特に排気ガスの流れに対して平行な面にそれぞれ配置されており、それによって2組の対面する平面電極が、ハニカム構造体内の排気ガス流路の方向に対して非平行の2方向の電界、特にハニカム構造体内の排気ガス流路の方向に対して45°又は60°よりも大きい角度の2方向の電界、より特にハニカム構造体内の排気ガス流路の方向に対して垂直な2方向の電界を、ハニカム構造体内に切り換えて作れることを特徴とする、パティキュレートの捕集及び燃焼を行う排気ガス浄化装置に関する。
【0013】
本発明の特徴によれば、排気ガスの流通方向と電界の効果によってクーロン力でPMが引き寄せられる方向とを異ならせることによって、ハニカム壁面へのPMの堆積を促進し、且つハニカム構造体を絶縁体によって作ることにより、ハニカム構造体にではなく堆積したPMに優先的に電流が流れるようにして、堆積したPMを通電及び排気熱により燃焼除去する。すなわち特定の方向の電界及び絶縁性ハニカム構造体を使用することによって、高い捕集効率の利益を受けつつ、小さい通気抵抗及びPM燃焼の利益を受ける。尚、PMはハニカム構造体に達する前に任意の手段によって帯電させること若しくはハニカム構造体内の電界によって帯電させることができ、又は特別の手段を用いなくても帯電しているものであり、このPMの帯電は例えば放電によって行うことができる。
【0014】
またこの特徴によれば、2組の対面する平面電極が、2方向の電界をハニカム構造体内に切り換えて作るようにすることによって、PMを堆積させるハニカム壁面を交互に切り替えてハニカム壁面を有効に活用することができる。
【0015】
また本発明の1つの実施形態では、平面電極が交流電源によって電圧を印加される。この実施形態によれば、PMが正と負のいずれか一方に優先的に帯電している場合に、PMを引き寄せる方向を異なる方向に切り替えることによって、ハニカム構造体のハニカム壁面を有効に活用することができる。すなわちこの実施形態によれば、一方のハニカム壁面にPMを堆積させている間に、他方のハニカム壁面に堆積したPMを燃焼除去することができ、より長期間にわたってPMによるハニカム構造体の目詰まりを防ぐことができる。
【0016】
本発明で使用する絶縁性ハニカム構造体は、ハニカム壁面上のPMを燃焼させるための触媒が担持されていてよい。ここでこの触媒としては、CeO2、Fe/CeO2、Pt/CeO2、Pt/Al23を挙げることができる。このように絶縁性ハニカム構造体のハニカム壁面上にPMを燃焼させるための触媒が担持されることによって、PMがハニカム壁面上に堆積したときに、PMの通電燃焼が促進される。
【0017】
本発明の装置を使用して放電を行う場合、PMをハニカム構造体上に捕集するだけでなく、放電によって排気ガス成分中に発生する活性酸素、オゾン、NOx、酸素ラジカル、NOxラジカル等の酸化力の強いガス成分の作用によって、捕集した排気ガス中のPMの燃焼を促進することができる。また高電圧によりプラズマを発生させてPMの捕集及び燃焼を促進することもできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下では本発明を図に示した実施形態に基づいて具体的に説明するが、これらの図は本発明を構成する排気ガス浄化装置の概略を示す図であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0019】
本発明の第1の実施形態について図1及び2を用いて説明する。ここで図1は本発明の第1の実施形態の排気ガス浄化装置の斜視図であり、図2は図1の排気ガス浄化装置を排気ガス流れの上流方向から見た正面図である。
【0020】
図1及び図2において、10はストレートフロー型の絶縁性ハニカム構造体であり、20〜24はメッシュ状電極である平面電極であり、40は電圧発生器であり、且つ60及び61はハニカム構造体10内に作られる電界の方向を示す矢印である。平面電極20〜24のうち、21及び23で示される平面電極は、電圧発生器40に接続されており、残りの20、22及び24で示される平面電極はアースされている。平面電極20〜24は、間に絶縁性ハニカム構造体10が配置されることにより隣接する平面電極と電気的に絶縁されている。PMを含む排気ガスは、矢印50で示すように平面電極20〜24でサンドイッチ状に挟まれた絶縁性ハニカム構造体10内の流路を通過する。尚、ここでは絶縁性ハニカム構造体とその対面する外側表面に配置された一対の平面電極との組み合せを複数組有する態様を説明しているが、絶縁性ハニカム構造体とその平面電極とが一組のみ存在する態様では、例えば電圧発生器40に接続された平面電極21及びアースされた平面電極20と、これらの平面電極の間に挟まれた1つの絶縁性ハニカム構造体のみが存在し、このハニカム構造体内を排気ガス流れが流通することになる。
【0021】
図1及び図2で示す排気ガス浄化装置の使用においては、電圧発生器40を作用させることにより平面電極20、22及び24と、それぞれ隣接する平面電極21及び23と間に電界を作る。例えば平面電極21及び23をアノードとし、平面電極20、22及び24をカソードとして、図2(a)の矢印60で示す方向の電界をハニカム構造体10内に作る。またカソード/アノードを切り替えると、図2(b)の矢印61で示す方向の電界がハニカム構造体10内に作られる。すなわち、ハニカム構造体10の流路内を流れる排気ガスの流通方向に対して横断方向に電界を作る。この電界60又は61によるクーロン力によってPMはハニカム構造体10のハニカム壁面上に押し付けられ、PMの捕集が促進される。
【0022】
以下に図1及び図2に示した本発明の第1の実施形態の排気ガス浄化装置を構成する各部について更に具体的に説明する。
【0023】
絶縁性ハニカム構造体10は、セラミックハニカム構造体、例えばコージェライト製ハニカム構造体でよい。またハニカム構造体はストレートフロー型であってもウォールフロー型であってもよいが、通電のためのPMのパスができやすくするためにはウォールフロー型が望ましい。また通気抵抗に関してはストレートフロー型が望ましい。ここでこのハニカム構造体10は十分な絶縁性を有し、それによってPMよりも導電性が低いようにし、電圧を印可したときにPM自体に電流が流れてPMが通電燃焼されることを確実にすべきである。
【0024】
平面電極20〜24は、これらの電極間に電圧を印加することができる材料で製造できる。その材料としては、導電性の材料や半導体等の材料を使用することができるが、なかでも金属材料が好ましい。この金属材料として、具体的にはCu、W、ステンレス、Fe、Pt、Al 等が使用でき、特にステンレスがコスト及び耐久性の点から好ましい。またここでは平面電極としてメッシュ状電極を使用しているが、金属板電極、箔電極の使用を考慮することもでき、また導電性ペーストをハニカム構造体10の側面に適用して作ることもできる。
【0025】
電圧発生器40は、パルス状又は定常の直流又は交流電圧を発生させるものでよい。また図では平面電極20、22及び24はアースされているが、電圧発生器40に接続されて平面電極21及び23と反対の電圧を印可されるようにしてもよい。平面電極間の印加電圧としては、一般的には5kV以上、好ましくは10kV以上の電圧を使用する。印加電圧のパルス周期は、10ms以下、1ms以下が好ましい。直流電圧、交流電圧、周期的な波形の電圧等を電極間に印加することができるが、特に直流パルス電圧が、コロナ放電を良好に起こさせることができるために好ましい。直流パルス電圧を用いる場合、印加電圧、パルス幅、パルス周期は、両電極間にコロナ放電を起こすことができる範囲で任意に選択できる。印加電圧の電圧等については、装置の設計や経済性等からの一定の制約を受ける可能性があるが、高電圧且つ短パルス周期の電圧であることがコロナ放電を良好に発生させる点から望ましい。
【0026】
またこの実施形態においては、絶縁性ハニカム構造体10の壁面上にPMを燃焼させるための触媒が担持されていてよい。ここでこの触媒としては、CeO2、Fe/CeO2、Pt/CeO2、又はPt/Al23を挙げることができる。これらの金属酸化物の1種又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。この金属酸化物をハニカム構造体10の排気ガス流路表面に担持するために、例えばウォッシュコート等の公知の方法を使用することができる。ハニカム構造体10に担持する金属酸化物の量は、担持することができる範囲内で任意に選択できる。ウォッシュコートによりハニカム構造体10の排気ガス流路表面に金属酸化物を担持した場合は、その後ハニカム構造体10を焼成することが好ましい。焼成する時の条件は、当業者により公知の条件が使用できるが、例えば450〜550℃が好ましい。金属酸化物を担持した後に焼成した場合は、金属酸化物を担持し焼成していない場合と比較してPM燃焼効率が向上するという効果が得られる。
【0027】
本発明の第2の実施形態について図3〜5を用いて説明する。ここで図3は本発明の第2の実施形態の排気ガス浄化装置の斜視図であり、図4はこの形態の排気ガス浄化装置を排気ガス流れの上流方向から見た正面図であり、図5は、この形態の排気ガス浄化装置のハニカム構造体のハニカムセルのうちの1つハニカムセルの拡大図である。
【0028】
図3及び4において、15はストレートフロー型の絶縁性ハニカム構造体であり、25〜28はメッシュ状電極である平面電極であり、且つ45及び47は電圧発生器である。平面電極25〜28は、間に絶縁性ハニカム構造体15が配置されることにより互いに電気的に絶縁されている。平面電極25〜28のうち、25及び27で示される平面電極は、それぞれ電圧発生器45及び47に接続されており、残りの26及び28で示される平面電極はアースされている。PMを含む排気ガスは、矢印55で示すように平面電極20〜24で囲まれた絶縁性ハニカム構造体15内の流路を通過する。また図5において、70はハニカムセルのハニカム壁面であり、80はハニカム壁面70に堆積したPMである。
【0029】
図3〜5で示す排気ガス浄化装置の使用においては、電圧発生器45を作用させることにより平面電極25とそれに対面する平面電極26との間に電界を作り、また電圧発生器47を作用させることにより平面電極27とそれに対面する平面電極28との間に電界を作る。例えば平面電極25をアノードとし、平面電極26をカソードとして、図4(a)の矢印65で示す方向の電界をハニカム構造体15内に作り、また平面電極27をアノードとし、平面電極28をカソードとして、図4(c)の矢印67で示す方向の電界をハニカム構造体15内に作る。これらのそれぞれの場合においてアノードとカソードとを反対にすると、図4(b)及び(d)においてそれぞれ矢印66及び68で示す方向の電界が作られる。すなわち、いずれの場合においても、ハニカム構造体15の流路内を流れる排気ガスの流通方向に対して横断方向に電界を作る。この電界によってPMはハニカム構造体15のハニカム壁面上に押し付けられ、PMの捕集が促進される。
【0030】
図4(a)〜(d)で示すように電界の方向を切り替えることの効果は、1つのセルの拡大図を示す図5で示されている。ここで70はハニカムセルのハニカム壁面であり、80はハニカム壁面70に堆積したPMである。図4(a)又は(b)で示すように平面電極25から平面電極26に向かう方向65又はその反対向きの方向66に電界を作る場合、図5(a)で示すように、PMがハニカム壁面70の上側及び下側に優先的に堆積する。このようにPMがハニカム壁面の上側及び下側に優先的に堆積している間に、ハニカム壁面70の横側に堆積したPMを通電及び排気熱の効果により燃焼除去し、次の堆積に備えるようにすることができる。また図4(c)又(d)で示す方向67又は68の電界を作る場合には、図5(b)で示すようにPMがハニカム壁面70の右側及び左側に優先的に堆積し、この間にハニカム壁面70の上側及び下側に堆積したPMを燃焼除去することができる。このように、ハニカムセルの壁面を交互に使用することにより、ハニカムセルのハニカム壁面70を有効に利用することができる。また特にPMが正と負のいずれか一方に優先的に帯電し、上側面と下側面のいずれか一方又は左右の面のいずれか一方にのみ優先的にPMが堆積する場合には、更に電界の方向を図4の(a)及び(b)で示すように又は(c)及び(d)で示すように切り変えることによって、より均等にハニカム壁面を利用することができる。
【0031】
以下に、図3〜5に示した排気ガス浄化装置を構成する各部について更に具体的に説明する。
【0032】
平面電極25〜28は、第1の実施形態において平面電極20〜24に関して示したのと同様な材料で製造できる。絶縁性ハニカム構造体15、電圧発生器45及び47、並びに絶縁性ハニカム構造体15の壁面上の触媒については、第1の実施形態について説明したものと同様である。
【0033】
以下に本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
【実施例】
〔実施例1〜6〕
実施例1
図1に示した実施形態に基づき本発明の排気ガス浄化装置を調製した。すなわち図6の(a)に示すように、直方体型ストレートフロー型コージェライト製ハニカム(セル密度200セル/平方インチ、気孔率65%、平均孔径25μm、縦15セル、横5セル、奥行き50mm)と、金属メッシュ(SUS304製、縦24mm、奥行き45mm)の300メッシュ品又は30メッシュ品をサンドイッチ型に交互に挟んだ構造にして、本発明の排気ガス浄化装置を形成した。実験においては、図の矢印方向にガスが流れるようにこの排気ガス浄化装置を配置した。電源には直流電源(DC)を用いて極性を+とグランドとで交互にした。すなわち電源に接続された側がアノードとなり、アースされた側がカソードとなるようにした。
【0035】
実施例2
実施例1のハニカムにCeO2 粉末1.5gをウォッシュコートし、450℃で2時間焼成した後、FeをFe(NO33 水溶液を用いて吸水担持(CeO2 粉末に対して2wt%)、乾燥、450℃で2時間焼成した。その後、実施例1と同じようにメッシュ電極とサンドイッチ構造にして排気ガス浄化装置を作成した。実施例1と同様にして電源にはDCを用いて極性を+とグランドと交互とした。すなわち電源に接続された側がアノードとなり、アースされた側がカソードとなるようにした。
【0036】
実施例3
実施例1のハニカムにAl23 粉末1.5gをウォッシュコートし、450℃で2時間焼成した後、PtをジニトロジアンミンPt水溶液を用いて吸水担持(Al23 粉末に対して2wt%)、乾燥、450℃で2時間焼成した物を使用した以外は実施例1と同じである。実施例1と同様にして電源にはDCを用いて極性を+とグランドと交互とした。すなわち電源に接続された側がアノードとなり、アースされた側がカソードとなるようにした。
【0037】
実施例4
図6(a)で示した排気ガス浄化装置と同様に、コージェライト製ハニカム及び金属メッシュ(SUS304製、縦24mm、奥行き45mm)を図のようにサンドイッチ型に交互に挟んだ構造にして、本発明の排気ガス浄化装置を形成した。但し、ここではメッシュ電極として全て300メッシュ品を使用し、また電源には交流電源(AC)を用いて極性が+と−との間で交互に切り替わるようにした。実験においては、図の矢印方向にガスが流れるようにこの排気ガス浄化装置を配置した。
【0038】
実施例5
実施例2と同様にしてFe/CeO2をコートした以外は、実施例4と同じである。
【0039】
実施例6
実施例3と同様にしてPt/Al23をコートした以外は、実施例4と同じである。
【0040】
性能評価 PM捕集
断面34×48mmのアクリル管の内部に実施例1〜6のハニカムをアルミナマットを巻いて保持する。ここに、排気量2400ccの直噴ディーゼルエンジン搭載車からの排気ガスの一部(100L/分)をポンプで引き込み、実施例1〜3まではDC電源を用いて4kVの電圧を印加した(投入電力約3W)。また実施例4〜6まではAC電源を用いて4kV、60Hzの電圧を印加した。このハニカムの上流と下流でのPMの濃度をエレクトリカル・ロー・プレッシャー・インパクター(ELPI)を用いて計測し、その差をPM浄化率とする。この値は高いほど性能が優れることを意味している。なお、エンジンの運転条件はアイドリング状態(回転数700rpm)である。
【0041】
性能評価 PM酸化
PMを十分に捕集させた実施例1〜6のハニカムを取り出し、乾燥機を用いて120℃で24時間乾燥させた後、秤量を行いこれを初期重量とする。これらのハニカムをPM捕集の場合と同様にアクリル管内部に保持し(雰囲気は空気)、10kVの電圧を20分間にわたって印加した後、ハニカムを取り出し120℃で24時間乾燥させ秤量した。これを処理後重量とする。処理後重量と初期重量の差からPM酸化量を算出し、このPM酸化量で投入エネルギー(電圧×電流×時間)を割って、PM酸化に必要なエネルギーを算出した。この値は小さいほど性能が優れている。尚、PMを熱で酸化させる場合の投入エネルギーは290kJ/gである。
【0042】
【表1】
Figure 0003876843
PM捕集の結果からは、電圧の印加によってPM捕集効率が改良されることが分かる。またPM酸化の結果からは、熱のみによるPM酸化と比較して、通電を利用するとPM酸化エネルギーを小さくできること、及び触媒を利用することによってPM酸化エネルギーを更に小さくできることが分かる。
〔実施例7及び8〕
実施例7
図3に示した実施形態に基づき本発明の排気ガス浄化装置を調製した。すなわち図6の(b)に示すように、直方体型ストレートフロー型コージェライト製ハニカム(セル密度200セル/平方インチ、気孔率65%、平均孔径25μm、縦15セル、横15セル、奥行き50mm)と、金属メッシュ(SUS304製、縦20mm、奥行き40mm)の300メッシュ品及び30メッシュ品を、ハニカム構造体の4面に配置した構造の本発明の排気ガス浄化装置を形成した。実験においては、図の矢印方向にガスが流れるようにこの排気ガス浄化装置を配置した。電源には直流電源(DC)を用いて極性を+とグランドにした。すなわち電源に接続された側がアノードとなり、アースされた側がカソードとなるようにした。
【0043】
実施例8
全ての電極を300メッシュ品(SUS304製、縦20mm、奥行き40mm)としたハニカムに対して、電源として交流電源(AC)を用いて極性が+と−との間で交互に切り替わるようにして実験を行った。
【0044】
性能評価 PM捕集
断面34×48mmのアクリル管の内部に実施例7及び8のハニカムをアルミナマットを巻いて保持する。ここに、排気量2400ccの直噴ディーゼルエンジン搭載車からの排気ガスの一部(100L/分)をポンプで引き込み、実施例7はDC電源を用いて10kVの電圧を印加し(投入電力約7.5W)、10秒毎に電界の向きをx方向とy方向とで切り替えた。また実施例8ではAC電源を用いて10kV、60Hzの電圧を印加した。このハニカムの上流と下流でのPMの濃度をELPIを用いて計測し、その差をPM浄化率とする。この値は高いほど性能が優れることを意味している。なお、エンジンの運転条件はアイドリング状態(回転数700rpm)である。
【0045】
性能評価 PM酸化
PMを十分に捕集させた実施例7及び8のハニカムを取り出し、乾燥機を用いて120℃で24時間乾燥させた後、秤量を行いこれを初期重量とする。これらのハニカムをPM捕集の場合と同様にアクリル管内部に保持し(雰囲気は空気)、10kVの電圧を20分間にわたって印加した後、ハニカムを取り出し120℃で24時間乾燥させ秤量した。これを処理後重量とする。処理後重量と初期重量の差からPM酸化量を算出し、このPM酸化量で投入エネルギー(電圧×電流×時間)を割って、PM酸化に必要なエネルギーを算出した。この値は小さいほど性能が優れている。尚、PMを熱で酸化させる場合の投入エネルギーは290kJ/gである。
【0046】
【表2】
Figure 0003876843
PM捕集の結果からは、電圧の印加によってPM捕集効率が改良されることが分かる。またPM酸化の結果からは、熱のみによるPM酸化と比較して、通電を利用するとPM酸化エネルギーを小さくできること、及び触媒を利用することによってPM酸化エネルギーを更に小さくできることが分かる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の装置の構成によれば、排気ガスの流通方向と、電界の効果によってPMが引き寄せられる方向とを異ならせることによって、ハニカム壁面へのPMの堆積を促進し、且つ絶縁性ハニカム構造体内に作られた電界によって堆積させたPMを燃焼除去する。すなわち絶縁性ハニカム構造体を使用することによって小さい通気抵抗及びPM燃焼の利益を受けつつ、排気ガスの流通方向とは異なる方向にPMを引き寄せることによって高い捕集効率の利益を受ける。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態の排気ガス浄化装置の斜視図である。
【図2】図2は、図1の排気ガス浄化装置を排気ガス流れの上流方向から見た正面図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施形態の排気ガス浄化装置の斜視図である。
【図4】図4は、図3の排気ガス浄化装置を排気ガス流れの上流方向から見た正面図である。
【図5】図5は、図3の排気ガス浄化装置のハニカム構造体のハニカムセルのうちの1つハニカムセルの拡大図である。
【図6】図6は、実施例において使用した本発明の排気ガス浄化装置の斜視図である。
【符号の説明】
10、15…絶縁体ハニカム構造体
20〜28…メッシュ電極
40、45、46…電圧発生器
50、55…PM含有排気ガス流れの方向
60、61、65〜68…電界の方向
70…ハニカムセル
80…堆積したPM

Claims (2)

  1. 絶縁性ハニカム構造体とその対面する外側表面に配置された一対の平面電極との組み合わせを複数組有する、パティキュレートの捕集及び燃焼を行う排気ガス浄化装置であって、前記一対の平面電極が、その両面に前記ハニカム構造体が存在するように配置されており、かつ隣り合う平面電極の極性は異なるものとし、それによって前記一対の平面電極が、前記ハニカム構造体内の排気ガス流路の方向に対して非平行の電界を、前記ハニカム構造体内に作るようにされていることを特徴とする、パティキュレートの捕集及び燃焼を行う排気ガス浄化装置。
  2. 絶縁性ハニカム構造体及び電極を有する、パティキュレートの捕集及び燃焼を行う排気ガス浄化装置であって、前記ハニカム構造体が、2組の対面する外周平面を有し、前記電極が、2組の対面する平面電極を含み、且つ前記対面する平面電極のそれぞれが、前記ハニカム構造体の対面する外周平面にそれぞれ配置されており、それによって前記2組の対面する平面電極が、ハニカム構造体内の排気ガス流路の方向に対して非平行の2方向の電界を、ハニカム構造体内に切り換えて作れることを特徴とする、パティキュレートの捕集及び燃焼を行う排気ガス浄化装置。
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