JP2004076669A - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

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Hisashi Kuno
久野 央志
Masaru Kakihana
垣花 大
Hiroto Hirata
平田 裕人
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Abstract

【課題】内燃機関から排出される排気ガス中のパティキュレート(PM)を捕集し、かつ効率良く燃焼・除去する排気ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】放電電極、及び電熱材料からなる対向電極を含む放電部、これら電極間の放電を発生させるための放電用電圧印加回路、並びに対向電極を発熱させるための発熱用電圧印加回路を含んで排気ガス浄化装置を構成する。上記両電極間の放電によって排気ガス中のPMを帯電して捕集し、さらに上記対向電極を発熱させて、捕集したPMを効率よく燃焼・除去する。
さらに、排気ガス流路中にディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)を配置し、その排気ガス流れ方向下流に上記放電を利用した排気ガス浄化装置を配置する。これにより、DPFにより捕集しきれなかった微小なPMを排気ガス浄化装置が捕集、燃焼・除去し、排気ガス中のPMが著しく低減される。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関等からの排気ガスの浄化装置に関するものであって、特に、ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質(パティキュレート:以下「PM」という。)を除去するための排気ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンは、自動車特に大型車に多く搭載されているが、近年特にその排気ガス中の窒素酸化物、一酸化炭素、炭化水素等とともに、PMの排出を低減することが強く望まれている。そのため、エンジンの改良又は燃焼条件の最適化等により根本的にPMを低減する技術開発とともに、排気ガス中のPMを効率的に除去するための技術の確立が望まれている。
【0003】
ディーゼルエンジンから排出されるPMを除去する方法として、従来から、セラミックスハニカム製フィルター、合金製フィルター、及びセラミックス繊維製フィルターが用いられている。しかし、これらのフィルターはそれ自身では、PMを燃焼することはできず、PMの捕集とともに、フィルターが目詰まりを起こし、通気抵抗が増加することにより、エンジンに負担をかける。また、フィルターの貫通孔より小さな粒子を捕集することはできないという欠点を有している。
【0004】
また、ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置として、放電を利用した装置が知られている。例えば特許第2698804号公報には、ニードル電極と偏向電極とを囲んで配置した捕集電極を備え、電極間の放電によりディーゼルエンジン排気ガス中のPMを帯電させて、PMを捕集電極に捕集する装置が開示されている。しかし、この装置は、PMの捕集を行うのみであって、PMを積極的に燃焼除去する装置ではなく、捕集したPMの処理が別途必要であり、この装置にPMの燃焼除去効果を期待することはできない。
【0005】
また、特公平7−293227号公報には、網状等の放電電極、及び酸化セリウム又は白金属触媒を担持した金属製セル状受電極を対向配置して構成され、排気ガス中の汚染分子である窒素酸化物、炭化水素の除去効率向上を目的とした排気ガス浄化装置が開示されているが、この場合もPM燃焼についての記載も示唆もなく、またこの装置の構成のみではPM燃焼を充分に行えるものではない。
【0006】
また、特開平7−265652号公報には、プラズマ法を利用した、NOx、SOxをNO、SOへ酸化し、捕集しやすい形態に変化させるための、ワイヤ型放電電極とハニカム状の対向電極からなる排気ガス浄化装置が開示されている。また、特開平5−59934号公報には、直線状のタングステン材からなる放電電極と、円筒状の受電極からなる排気ガス浄化装置が開示されている。しかし、これらの技術も、PM燃焼除去を目的としたものではなく、PM燃焼についての記載も示唆もなく、またその効果もPMを充分に燃焼できるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、従来公知の、放電を利用した排気ガス浄化装置は、PMの燃焼除去に関してはきわめて不充分であり、ディーゼルエンジン等から排出される排気ガス中のPMを捕集するとともに、PMの燃焼除去効率を高める必要があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決して排気ガス中のPMの燃焼・除去を実現するため、放電電極、及び電熱材料からなる対向電極を含む放電部、前記放電電極及び対向電極の間に放電を発生させるための放電用電圧印加回路、並びに前記対向電極を発熱させるための発熱用電圧印加回路を含んで構成された、放電を利用した排気ガス浄化装置であって、前記放電用電圧印加回路によって放電用電圧を印加して、前記放電電極及び前記対向電極間に放電を発生させることにより、排気ガス中のパティキュレートを帯電させて前記対向電極表面に捕集するとともに、前記発熱用電圧印加回路によって発熱用電圧を印加することにより、前記対向電極を発熱させて、前記捕集したパティキュレートを燃焼させることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明のもう一つの排気ガス浄化装置は、ディーゼルパティキュレートフィルター(以下「DPF」ともいう。)、及び上記排気ガス浄化装置を含み、DPFに対してディーゼルエンジンからの排気ガス流れ方向の下流位置に上記の放電を利用した排気ガス浄化装置を配置することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、放電電極、対向電極、放電電極と対向電極との間に放電を発生させるための放電用電圧印加回路、及び、対向電極を発熱させるための発熱用電圧印加回路を含んで構成された排気ガス浄化装置とし、排気ガス流路中に配置した排気ガス浄化装置内部の放電電極と対向電極との間の放電によってPMを帯電させることにより、PMを対向電極に捕集するとともに、この対向電極を加熱することによって捕集したPMを良好に燃焼除去できることを見出し完成したものである。
【0011】
さらに、本発明のもう一つの排気ガス浄化装置は、排気ガスの流れ方向の上流位置にDPFを配置し、かつDPFに対して、排気ガス流れ方向の下流位置に配置された上記排気ガス浄化装置を含む構成とし、排気ガス中のPMをまずDPFによって捕集し、DPFに捕集されずに通過したPMを上記排気ガス浄化装置内部の放電電極及び対向電極間の放電により帯電させ、さらに帯電したPMを対向電極へ捕集するとともに、対向電極に捕集したPMを対向電極の発熱によって燃焼除去することによって、内燃機関、特にディーゼルエンジンから排出されるPMを効率よく除去できることを見出し完成したものである。
【0012】
以下、本発明を図1及び図2に示した実施形態に基づいて具体的に説明するが、図1及び図2は本発明を構成する排気ガス浄化装置の例を示す概念図であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0013】
以下、図1と図2に分けて説明する。
図1において、20は放電電極であり、30は対向電極である。放電電極20と非接触の状態に、対向電極30を配置する。対向電極30は、外筒40に内接する螺旋形状を有する。放電電極20、対向電極30、及び外筒40を含んで放電部10を構成する。ここで、放電電極20及び対向電極30を固定するための固定具等は図示していない。放電用電圧発生器50から、放電電極20及び対向電極30に放電用電圧を印加するための放電用電圧印加回路60が、切替スイッチ90を含んで設けられている。さらに、電流を通じることによって発熱する電熱材料からなる対向電極30に、発熱用電源70から発熱用電圧を印加するための発熱用電圧印加回路80が切替スイッチ90を含んで設けられている。
【0014】
PMを含む排気ガスは、図1の左方向から右方向に流れ、外筒40が取り囲む空間内を通過する。そして、切替スイッチ90の端子1及び2を短絡させることで、放電用電圧発生器50により発生させた放電用電圧を、放電用電圧印加回路60を通じて放電電極20及び対向電極30に印加して、放電部10において放電を発生させる。この放電によって排気ガス中のPMは帯電し、対向電極30に捕集される。さらに、切替スイッチ90の端子1及び端子3を短絡させることで、発熱用電圧印加回路80を通じて、発熱用電源70から発熱用電圧を対向電極30に印加して、対向電極30を発熱させる。対向電極30に捕集されたPMは、その熱によって燃焼され除去される。
【0015】
放電電極20は、この電極と対向電極30との間に電圧を印加することによって放電を起こすことができる材料で製造することができる。その材料としては、導電性の材料や半導体等の材料を使用することができるが、なかでも金属材料が好ましい。この金属材料として、具体的にはCu、W、ステンレス、Fe、Pt、Al等を使用することが好ましく、ステンレスがコスト及び耐久性の点から特に好ましい。本発明で使用できる放電電極20は、金属製ワイヤーが一般的であるが、中空の線状電極を使用することもできる。
【0016】
本発明の排気ガス浄化装置では、放電電極20の表面にPM燃焼触媒を担持してもよい。このPM燃焼触媒としては、PM燃焼を促進する作用を有することが知られている金属酸化物をあげることができる。具体的には、例えばSiO、Al、CeO、TiO、ZrO等から選択したものを放電電極20の表面にコートすることができ、特にCeO、TiOを担持することがPM燃焼促進の点から好ましい。これらの金属酸化物のうちから1種又は2種以上を組み合わせたものを放電電極表面にコートすることができる。金属酸化物を放電電極20の表面にコートするための方法として、たとえばウォッシュコート等の公知の方法を使用することができる。放電電極20の表面にコートする金属酸化物の量は、コート可能な範囲内で任意に選択できる。放電電極20の表面に、ウォッシュコートによって金属酸化物をコートした場合には、さらに放電電極20を焼成することが好ましい。焼成条件は、当業者により公知の条件が使用できるが、例えば450〜550℃が好ましい。
【0017】
金属酸化物をコートした放電電極20の表面に、さらに遷移金属及び/又は貴金属を担持することができる。そのために用いることができる遷移金属及び/又は貴金属としては、Fe、Mn、Ni、Co、Cu等の遷移金属、Pt、Rh、Pd、Ru、Ag等の貴金属が好ましい。PM燃焼効率の向上の点から、特に好ましい金属は、Mn、Co、Niであり、最も好ましくはMnである。放電電極20に担持する金属の量は、金属酸化物に対して0.01〜10質量%であり、特に好ましくは1〜5質量%である。これらの遷移金属及び/又は貴金属は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。複数の金属を電極表面に担持する場合は、例えば電極表面に一種の金属を担持した後に別の金属を担持して、異なる金属を多層状に担持することもできる。電極表面への金属の担持は、例えば、その金属の金属塩又は錯塩の水溶液を用いて吸水担持させたのち、乾燥、焼成する方法によって行うことができる。金属酸化物をコートした放電電極20の表面に、これらの遷移金属及び/又は貴金属を担持することにより、PM燃焼効率が金属酸化物のみをコートした場合よりも、さらに向上するという効果が得られる。放電電極20にPM燃焼触媒を担持することによって、本発明の排気ガス処理装置を長時間運転した後でも、放電電極20へのPMの堆積を防止することができ、それにより、放電電極20と対向電極30の間に安定した放電を継続して起こさせることができる。
【0018】
図1に示した対向電極30は、放電電極20との間に電圧を印加して放電することができる材料であって、かつ、通電により発熱することが知られている電熱材料で製造する。そのような電熱材料として、電熱合金として知られる金属材料を用いることが好ましい。電熱合金は、さらに具体的には、JIS C 2520の電熱線及び帯に記載されている材料が好ましく、ニッケルクロム電熱線又は電熱帯、鉄クロム電熱線又は電熱帯が例示でき、特に耐SOx腐食性に優れることから、ニッケルクロム電熱線又は電熱帯を用いることが好ましい。
【0019】
図1において、対向電極30は、線状又は帯状の電熱合金を螺旋状に成形し、放電電極20の周囲を取り囲むように配置している。電熱合金は、通電によって発熱するが、電熱合金の太さ及び長さによって、通電開始からPMを燃焼するのに充分な温度まで昇温するために必要な時間が異なる。すなわち、対向電極30として、長い電熱合金を使用するほど、また太い電熱合金を使用するほど、同一電圧を印加した場合の昇温速度は遅くなる。短時間にPMを燃焼させるためには、電熱合金の昇温速度は速いほうが好ましい。一方、対向電極30及び放電電極20の間で放電させ、対向電極30の表面にPMを捕集するためには、PM捕集のための電極表面積は大きいほうが好ましいことから、PM捕集効率を高くするためには対向電極30の長さは長い方が好ましい。すなわち、図1の実施形態においては、対向電極30として用いる電熱材料の長さ、太さは、対向電極30の放電時のPMの捕集効率、及び対向電極30の発熱時の昇温速度を考慮して、最適なものを選ぶことができる。
【0020】
図1の外筒40は、ガラス、絶縁性のセラミックス材料等の公知の絶縁性材料を用いることができ、特に耐熱性に優れるセラミックス製円筒が好ましい。この外筒40に囲まれた空間内を排気ガスが通過する。
【0021】
本発明は、対向電極30に通電することによって発生する熱エネルギーによって、対向電極30の表面に捕集されたPMを燃焼するものであるため、対向電極30の表面にさらにPMの燃焼促進作用を有することが知られている金属酸化物をコートすること、さらにその金属酸化物に貴金属又は遷移金属を担持することは特に必要がない。しかし、所望により、対向電極30の表面に上記金属酸化物をコートし、さらにその金属酸化物に貴金属又は遷移金属を担持してもよい。PM燃焼触媒作用を有することが知られている金属酸化物としては、SiO、Al、CeO、TiO、ZrO等を用いることができる。これらの金属酸化物の1種又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。対向電極30の表面に金属酸化物をコートした場合は、その金属酸化物に、さらに遷移金属及び/又は貴金属を担持することができる。この遷移金属及び/又は貴金属としては、Fe、Mn、Ni、Co等の遷移金属及び/又はPt、Rh、Pd、Ru、Ag等の貴金属を用いることができる。
【0022】
図1の放電用電圧印加回路60は、放電電極20及び対向電極30の両電極、これら両電極間に放電を起こさせるための放電用電圧発生器50、並びに切替スイッチ90を含む回路である。すなわち、放電電極20をカソードとし、対向電極30をアノードとして、切替スイッチ90によって端子1及び端子2を接続することにより、放電用電圧発生器50から放電のための電圧をこれら両電極間に印加する。放電のための電圧は、直流電圧、交流電圧、周期的な波形の電圧等を用いることができるが、特に直流パルス電圧が、コロナ放電を良好に起こさせることができるため好ましい。直流パルス電圧を用いる場合に、印加電圧、パルス幅、パルス周期は、両電極間にコロナ放電を起こすことができる範囲で任意に選択できる。印加電圧は、装置の設計や経済性等からの一定の制約を受ける可能性があるが、高電圧かつ短パルス周期の電圧であることがコロナ放電を良好に発生させる点から望ましい。この印加電圧としては、一般的には10kV以上、好ましくは50kV以上、さらには100kV以上の電圧を使用することが好ましい。印加電圧のパルス周期は、10ms以下、1ms以下が好ましく、0.1ms以下がさらに好ましい。なお、対向電極30は、アースすることもできる。
【0023】
図1の発熱用電圧印加回路80は、発熱用電源70を含み、切替スイッチ90により端子1及び端子3を短絡することにより、発熱用電源70から、対向電極30を発熱させるための電圧を印加するための回路である。発熱用電源70は、直流電圧、交流電圧、周期的な波形の電圧等を用いることができるが、直流電圧又は交流電圧が好ましい。用いる電圧は、電熱合金からなる対向電極30に付着したPMを速やかに燃焼させるために速やかにPM燃焼温度まで対向電極30の温度を上昇させることができれば、特に制限はなく、例えば12〜200Vの直流又は交流電圧を用いることができる。
【0024】
図1の切替スイッチ90は、端子1及び端子2を短絡させることによって、放電用電圧を放電電極20及び対向電極30の間に印加することができ、切替スイッチ90を切替えて、端子1及び端子3を短絡させることにより、放電電極20及び対向電極30への上記放電用電圧の印加を停止し、対向電極30に発熱用電圧を印加させることができる。切替スイッチ90の切替は、あらかじめマイコンに設定した一定時間ごとにリレー等の手段を用いて切り替えることも、あるいは、特定のパラメーターをセンサーによって測定し、その値に応じて切り替えるようにすることもでき、任意に選択できる。
【0025】
放電電極20をカソードとし、対向電極30をアノードとして、これら両電極間に放電用電圧を印加して放電させると、放電部10を通過して帯電したPMは、対向電極30の表面に捕集される。次に、上述したように切替スイッチ90を切替えて、放電を停止し、対向電極30に発熱用電圧を印加すると、電熱合金からなる対向電極30が発熱してPM燃焼温度以上になることで、対向電極30の表面に捕集されたPMが容易に燃焼除去される。対向電極30の表面に捕集されたPMを燃焼除去した後、再び切替スイッチ90を切替え、放電電極20と対向電極30との間に放電用電圧を印加して放電させ、PMを対向電極30に捕集する。放電を利用したPMの対向電極30の表面への捕集及び対向電極30の発熱によるPMの燃焼除去を交互に行うことにより、継続して排気ガス中のPMを除去することができる。
【0026】
次に図2に示す実施形態に基づいて本発明を説明する。
図2においては、絶縁性材料からなる外筒130の内部に、放電電極110を排気ガス流路の排気ガス流れ方向上流に配置し、対向電極120を排気ガス流路の排気ガス流れ方向下流に配置して放電部100を構成する。放電電極110は、円とそれに内接する十字形電極、及びそれらが形成する平面に垂直に配された5本の針状電極を有する電極であり、対向電極120は、電熱合金を平面渦巻き形状に成形した電極である。放電電極110の針状電極先端部が、対向電極120に向くように配置する。また、対向電極120は、その渦巻状平面が排気ガス流路と垂直になるように配置する。放電電極110の針状電極先端部と対向電極120の渦巻状平面電極の間隔は、放電が安定に継続して起こり、かつ排気ガス中のPMを最も良好に捕集できるように、任意に定めることができる。放電電極110がカソード、対向電極120がアノードになるようにして、放電用電圧発生器140及び切替スイッチ180を含む放電用電圧印加回路150を設ける。さらに、対向電極120を発熱させるための、発熱用電源160及び切替スイッチ180を含む発熱用電圧印加回路170を設ける。切替スイッチ180により端子4及び端子5を短絡させることにより放電用電圧発生器140からの放電用電圧を放電電極110と対向電極120との間に印加して放電させる。この放電により、排気ガス中のPMは帯電し、帯電したPMは対向電極120に捕集される。次に、切替スイッチ180を切替え、端子4及び端子6を短絡させて、電熱合金からなる対向電極120に発熱用電圧を印加して発熱させることにより、対向電極120の表面に捕集されたPMは燃焼・除去される。この放電電極110と対向電極120との間の放電、及び対向電極120の発熱を交互に行うことによって、排気ガス中のPMの対向電極120表面への捕集、及び捕集したPMの燃焼・除去を行うことができる。
【0027】
図2に示す排気ガス浄化装置及び図1に示す排気ガス浄化装置は、その形態は異なるが、作動原理を同じくし、図2における放電電極110、対向電極120、外筒130は、それぞれ、図1における放電電極20、対向電極30、外筒40について先に記載した好ましい材料を用いることができる。また、図2の放電電極110及び対向電極120の表面へのPM燃焼触媒のコート及び担持に関しても、図1の放電電極20及び対向電極30へのPM燃焼触媒のコート及び担持について先に記載した態様をとることができる。さらに、図2における放電用電圧発生器140によって印加される放電用電圧は、図1における放電用電圧発生器50によって印加される放電用電圧について先に記載した態様を適用することができ、図2における発熱用電圧発生器160によって印加される発熱用電圧は、図1における発熱用電圧発生器70によって印加される発熱用電圧について先に記載した態様を適用することができる。図2における切替スイッチ180の切替えの態様も図1における切替スイッチ70について説明した態様を適用できる。
【0028】
以上図1及び図2に基づいて本発明を具体的に説明したが、本発明は、放電電極及び対向電極間の放電によりPMを帯電させ、PMを対向電極に捕集し、対向電極を加熱させることでPMを燃焼・除去するという考え方に基づく装置であり、図1及び図2に示した具体的形態に限定されるものではない。
【0029】
本発明の排気ガス浄化装置は、単独で使用することもできるが、排気ガスの流路中に複数の装置を直列に配置して使用することができる。例えば排気ガス流路中に直列に2つの排気ガス浄化装置を使用する場合には、これら2つの排気ガス浄化装置のうち、常に一方の排気ガス浄化装置が放電してPMを捕集している状態になるように、2つの装置の各対向電極に発熱用電圧を印加するタイミングをずらすことが、PMの捕集・燃焼除去のために好ましい。
【0030】
また、本発明の排気ガス浄化装置は、複数の装置を並列に使用することもできる。例えば2つの排気ガス浄化装置を並列に使用する場合、一方の排気ガス浄化装置では、放電電極及び対向電極に放電用電圧を印加し、排気ガスを通過させて、PMを対向電極に捕集させるとともに、他方の排気ガス浄化装置の対向電極には発熱用電圧を印加して捕集されたPMを燃焼させる。このPMの捕集及び燃焼を2つの排気ガス浄化装置で交互に行うことによって常に排気ガス中のPMの捕集・燃焼除去を行うことができる。
【0031】
さらに本発明は、排気ガス流路中にディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)を配置し、その排気ガス流れ方向下流に配置した、上記放電を利用した排気ガス浄化装置を含む、排気ガス浄化装置を提供するものである。
【0032】
従来から、DPFを使用して、ディーゼルエンジンからの排気ガス中のPMを除去する方法が知られている。DPFには、多孔質セラミックス製ハニカム、多孔質金属製フィルター、セラミックス繊維又は金属製繊維型フィルター等が知られている。DPFは、PMを捕集することはできるが、それ自身がPMを燃焼する能力は有しない。さらに、非常に粒径の小さなPMは、DPFに捕集されずに通過してしまう。これに対して、本発明の上記放電を利用した排気ガス浄化装置は、電極間の放電を利用して静電的に捕集するため、PMの粒径の大小にかかわらず捕集することができる。すなわち、DPFで捕集しきれずに通過する極めて微小なPMを、本発明の上記排気ガス浄化装置を使用して捕集し、かつ燃焼除去することによって、排気ガス中に含まれるPMの除去率をよりいっそう高めることができる。
【0033】
すなわち、ディーゼルエンジン等からのPMを含む排気ガス流路にDPFを配置し、さらにその排気ガス流れ方向下流に、上記放電を利用した排気ガス浄化装置を配置する。上記PMを含む排気ガスは、まずDPFを通り、粒径が一定以上の大きさのPMはDPFによって捕集される。粒径が小さく、DPFによって捕集できずに通過したPMを含む排気ガスは、次に本発明の上記放電を利用した排気ガス浄化装置に入る。排気ガス中のPMは、上記の通り、この排気ガス浄化装置の放電により対向電極に捕集され、さらに対向電極を加熱することによって、燃焼・除去される。これにより、DPF単独で排気ガス中のPMを除去する場合よりも、PMの除去率を高くすることができる。
【0034】
以下に本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
【実施例】
[実施例1]
図1に示した実施形態に基づき、以下の排気ガス浄化装置を調製した。すなわち、図1に示すように、ニッケルクロム電熱線(Ni:Cr=80:20、直径1mm、長さ300mm、質量1.98g)を、コージェライト製セラミック円筒(外径30mm、長さ50mm)の内壁に接触する螺旋形状に配置した。さらに、セラミック円筒の中心に、白金線(直径1mm、長さ50mm)を、ニッケルクロム電熱線と非接触の状態で配置した。さらに図1に示すように、放電電極である上記白金線がカソード、対向電極である上記ニッケルクロム電熱線がアノードになるように放電電圧(直流パルス電圧20kV、パルス幅1ms)発生器、並びに放電電圧印加回路と発熱電圧印加回路を切り替えるための切替スイッチを含む放電電圧印加回路を構成した。また、図1に示すように、上記ニッケルクロム電熱線を発熱させるための発熱電圧(24V)発生器、ニッケルクロム電熱線、及び切替スイッチを含む発熱電圧印加回路を構成した。以上により排気ガス浄化装置を作成した。
【0036】
[実施例2]
図2に示した実施形態に基づき、以下の排気ガス浄化装置を調製した。すなわち、図2に示すように、ニッケルクロム電熱線(Ni:Cr=80:20、直径1mm、長さ200mm、質量1.32g)を平面渦巻状に成形した対向電極を作成した。また、白金線(直径1mm、長さ50mm)を加工し、直径約35mm外周円及びその円に内接する平面十字形の白金線上に長さが約5mmの針状電極5本を有する、図2に示した形状の放電電極を作成した。セラミック製円筒中に、上記放電電極を図2に示すように取り付け、さらにこの放電電極の針状電極先端部から35mm離れた位置に上記対向電極を、その渦巻形状を含む平面がセラミック製円筒長さ方向に対して垂直になるように取り付けた。さらに図2に示すように、放電電極である上記白金線がカソード、対向電極である上記ニッケルクロム電熱線がアノードになるように放電電圧(直流パルス電圧20kV、パルス幅1ms)発生器、並びに放電電圧印加回路と発熱電圧印加回路を切り替えるための切替スイッチを含む放電電圧印加回路を構成した。また、図2に示すように、上記ニッケルクロム電熱線を発熱させるための発熱電圧(24V)発生器、ニッケルクロム電熱線、及び切替スイッチを含む発熱電圧印加回路を構成した。
【0037】
[排気ガス浄化装置の性能評価]
上記実施例1及び実施例2で作成した排気ガス浄化装置を使用して、ディーゼルエンジンから排出される排気ガス中のPMの除去性能を評価した。
【0038】
[PM捕集試験]
台上に設置した排気量2000ccの直噴ディーゼルエンジンを回転数2000rpm、負荷30Nmの条件で運転し、そのエンジンからの排気ガスのうちの1/13を分岐させ、分岐させた排気ガスを上記実施例1又は実施例2の排気ガス浄化装置を通過させるとともに、放電電極及び対向電極間に、電圧20kV、パルス幅1msの直流パルス電圧を、繰り返し周期200Hzで加えた。その条件下で、上記排気ガス浄化装置を通過した排気ガス中のPMの単位時間あたりの積算量(PM量)をスモークメーターで測定した。また、上記排気ガス浄化装置を放電させない状態で、この浄化装置を通過した排気ガス中のPMの単位時間あたりの積算量を測定し、これをPM発生量とした。
【0039】
PM捕集効率を以下の式によって求めた。
PM捕集効率(%)=((PM発生量−PM量)/PM発生量)×100
得られた結果を表1に示す。
【0040】
[PM燃焼試験]
上記実施例1又は実施例2の排気ガス浄化装置の放電電極及び対向電極間に、電圧20kV、パルス幅1msの直流パルス電圧を、繰り返し周期200Hzで加えるとともに、台上に設置した排気量2000ccの直噴ディーゼルエンジンを回転数2000rpm、負荷30Nmの条件で運転し、そのエンジンからの排気ガスのうちの1/13を分岐させ、分岐させた排気ガスを60分間通過させ、排気ガス中のPMを上記対向電極に捕集した。次に、上記排気ガス浄化装置の切替スイッチを切替えて放電電圧の印加を停止し、かつ、対向電極に発熱電圧印加回路から24Vの電圧を1分間印加し、対向電極の発熱によって対向電極に捕集したPMを燃焼させた。燃焼させたPMから発生するCO及びCOの合計量をFT−IRで積算して求めた。発生したCO及びCOは全て対向電極に捕集されたPM中に含まれる炭素に由来し、かつPMは炭素100%からなるものとして、PM燃焼率を以下の式によって求めた。
【0041】
PM燃焼率(%)=(CO及びCOの合計量から換算した、対向電極に捕集され燃焼されたPMの量)÷(PM発生量×PM捕集効率(%)/100))×100
【0042】
得られた結果を上記PM捕集効率とともに表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 2004076669
本発明の排気ガス浄化装置は、高いPM捕集効率及びPM燃焼率を示す。
【発明の効果】
本発明の排気ガス浄化装置は、放電電極と電熱材料からなる対向電極との間の放電によって、排気ガス中のPMを帯電させ、静電的に対向電極に捕集し、さらに、この対向電極を発熱させることによって、対向電極に捕集されたPMを非常に効率的に燃焼・除去することができる。これによって、例えばディーゼルエンジン等から排出される排気ガス中のPMを効率良く除去することができる。さらに、排気ガス流路の上流にDPFを配置し、その下流に上記排気ガス浄化装置を配置することによって、まずDPFによりPMを捕集し、さらにDPFに捕集されずに通過する微粒子状PMを、本発明の排気ガス浄化装置によって捕集し、燃焼除去することによって、排気ガス中のPM含有量を著しく低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を表す概略図である。
【図2】本発明の別な一実施態様を表す概略図である。
【符号の説明】
1…端子
2…端子
3…端子
4…端子
5…端子
6…端子
10…放電部
20…放電電極
30…対向電極
40…外筒
50…放電用電圧発生器
60…放電用電圧印加回路
70…発熱用電源
80…発熱用電圧印加回路
90…切替スイッチ
100…放電部
110…放電電極
120…対向電極
130…外筒
140…放電用電圧発生器
150…放電用電圧印加回路
160…発熱用電源
170…発熱用電圧印加回路
180…切替スイッチ

Claims (2)

  1. 放電電極、及び電熱材料からなる対向電極を含む放電部、前記放電電極及び対向電極の間に放電を発生させるための放電用電圧印加回路、並びに前記対向電極を発熱させるための発熱用電圧印加回路を含み、前記放電用電圧印加回路によって放電用電圧を印加して、前記放電電極及び前記対向電極間に放電を発生させることにより、排気ガス中のパティキュレートを帯電させて前記対向電極表面に捕集するとともに、前記発熱用電圧印加回路によって発熱用電圧を印加することにより、前記対向電極を発熱させて、前記捕集したパティキュレートを燃焼させることを特徴とする排気ガス浄化装置。
  2. ディーゼルパティキュレートフィルター、及び前記ディーゼルパティキュレートフィルターに対してディーゼルエンジンからの排気ガス流れ方向下流位置に配置された請求項1記載の排気ガス浄化装置を含むことを特徴とする、排気ガス浄化装置。
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