JP4896584B2 - フランジ - Google Patents

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本発明は、電子写真感光体の基体(ドラム)用フランジに関し、より詳しくは、合成樹
脂製のフランジに関する。
従来、一般的には、静電複写機、静電プリンタ、ファクシミリ等における静電的な画像処理のための電子写真感光体の分野では、外表面に感光層を有し、両端開放穴に一般にフランジが装着された感光体ドラムの周囲に各種ユニットが配置され、感光体ドラムは回転しながらそれらユニットにより像露光、現像、転写、除電、清掃等の必要又は所望の処理が表面感光層になされる。
電子写真感光体は、所望の表面状態にまで加工され感光層を有するシリンダ状ドラム基体と、芯取り加工されたフランジ部材とを組立てることにより製作され、すなわち、ドラム基体とフランジ部材とが別個に製作された後に組立てられていた。
合成樹脂等でなるフランジ部材10は、例えば図14に示されるように、シリンダ状感光ドラム(基体)20の両端内側に挿入される挿入部(ドラム嵌合部)1と鍔部2を有し、可動側Bに突出している挿入部1は感光ドラムの内側面に嵌着されてフランジ部材10を感光ドラム20にしっかり固着する役割を負い、鍔部2は感光ドラムの両端に突当たり感光ドラムとフランジ部材の位置関係を固定する役割を有する。鍔部2の外側部分には、外接する駆動部ギヤ(図示せず)と歯合し回転力が伝達されるハスバギヤ3(以下単にギヤ部とも記す)が形成されている。また、フランジ部材10を固定側Aから回転可能に支持するためその軸心部には軸穴4が形成されている。P/Lは、基準面を表している。図15に、別形状のギヤ付きフランジ部材の一例を中心軸を通る側断面図で示す。このフランジ部材10では、薄い鍔部2の固定側Aに、鍔部2より小径のハスバギヤ3が突出形成されていて、挿入部(ドラム嵌合部)1と鍔部2およびハスバギヤ3を貫通して同軸状の軸穴4が設けられている。
従来技術においては、感光ドラムへ圧入するフランジ部材が樹脂製の場合、その樹脂製フランジ部品には挿入部(ドラム嵌合部)及び圧入停止部(例えば突当てのための鍔部端面)が設けられている。又、フランジ部材の形状については、フランジ部材が外れることやフランジ部材に回転方向に力が加わった時にフランジ部材が空回りすることがないように、フランジ部材の接着面積を大きくする必要があり、その為、フランジ部材の感光ドラムに接するドラム嵌合部外面は平坦になっている。
この種の感光ドラム用フランジは、例えば、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕にも開示されている。また、〔特許文献3〕、〔特許文献4〕、〔特許文献5〕等には、フランジを有して構成された電子写真感光体が開示されている。
画像形成装置では、潜像担持体である感光体に対してトナーを含む現像剤を供給して潜像の可視像処理を行う現像装置が設けられている。現像装置は、現像方式の一つとして現像ローラ表面にトナーを含む現像愛をブラシ状に担持し、ブラシ状の現像剤を感光体側の潜像に接触させてこれを可視像処理する方式がひろく採用されている。
ところで、表面にブラシ状とされた現像剤を担持する現像ローラには、例えば、磁性現像剤を用いる場合、内部に現像主極および搬送磁極となる複数の磁石を配置し、搬送磁極を用いて表面上を搬送された現像剤を現像主極により穂立ちさせ感光体表面に接触させる構成が知られている。現像ローラ表面に担持されている現像剤はその穂立ちの高さが磁力に作用されるため、現像ローラと感光体との間の間隔、いわゆる現像ギャップを規定して現像剤の接触状態および供給状態を最適化する必要がある(この点の詳細については、例えば特許文献6参照)。
特開平7−13468号公報 特開平10−319782号公報 特開2003−233271号公報 特開2003−241573号公報 特開2003−255759号公報 特開2004−184452号公報
感光体ドラムの支承及び回転は、一般的に両端に装着されたフランジに設けられた回転軸又は回転軸受け、或いはギヤを介して伝達される動力により行われるので、フランジは正確かつ強固に感光体ドラム両端開放穴に装着されねばならず、また感光体ドラムの円滑かつ狂いのない回転のためフランジの中心は常に回転軸中心を保持しなければならない。
上述したように、感光ドラムを使用する電子写真装置において高解像度を得るために現像ギャップを規定して現像剤の接触状態および供給状態を最適化するためには、感光体の高精度化が有効である。具体的には両端部のフランジを基準とした感光ドラムの振れ精度を高める必要があり、そのためにはフランジの高精度化が必要となってくる。
しかしながら、感光ドラムとフランジの組立は、多くの場合圧入(必要に応じて接着併用)で行われており、組付後の感光ドラム外周とフランジの中心穴の同軸度は組付けた成行きで決まっていた。この場合、圧入によるフランジの変形以外にも、フランジ部品そのものの圧入部、外周と中心穴との同軸度のずれが大きく影響し、組付後の感光ドラム外周とフランジ中心穴との同軸度精を向上させることが困難であった。
特に、従来の感光ドラム用フランジは、プラスチックの射出成形により形成されたものが一般的に使用されていたが、用いる金型の精度、金型の劣化、金型分解清掃時の組立再現性、樹脂ロットばらつき、成形ばらつき等の様々な要因により、フランジ精度出しに限界が生じていた。具体的な特性値としては、フランジの中心軸穴とドラム嵌合部の径の同軸度が15μm、各々の真円度10μmが量産維持を考慮した場合の設定規格値の限界であった。しかし前述したように、画像形成の高精度化にはフランジの高精度化が欠かせない。この場合、成形品を二次加工し切削により高精度の部品にしなければならないが、既知技術(方法・設備)では、熟練を要する上多くの工数を費やしてしまう。
また、感光ドラム用のフランジには、駆動を伝えるためのギヤを機能として備えている場合が多く、その場合はかみ合い精度が重要な特性値となってくる。しかしながら、射出成形による感光ドラム用のフランジの場合、ギヤ精度と軸穴およびドラム嵌合部径の3箇所の同軸精度を出すことは金型構造上極めて困難であった(図14、図15参照)。
本発明は上述した事情に鑑みなされたもので、従来の金型を用いた射出成形フランジを用いた感光ドラムに比べて同軸精度を格段に向上させたフランジを提供することを目的とし、感光ドラム両側に装着するフランジの振れ精度を0.05mm以下に安定して品質維持することが可能となる、フランジを提案する。本発明では、最終的に画像形成装置の画像品質高精度化に寄与することを意図している。
本発明は、合成樹脂製のフランジにおいて、射出成形のみによって限界であった精度出しを、切削加工で重要箇所2箇所を切削加工することにより、精度を大幅に改善するためのものである。本発明の感光ドラム用フランジは、感光ドラムの両端部夫々に、ドラム嵌合部側筒面で取付けられるフランジであって、合成樹脂製のフランジ素材を、前記ドラム嵌合部側筒面および中心基準穴所定の内径・外径に同軸状になるように加工したことを特徴とする。この感光ドラム用フランジは、旋盤のチャックへの一回のクランプ状態でドラム嵌合部および中心基準穴を切削加工し、両者の同軸度およびドラム嵌合部の真円度を0.005mm以下として、現像ギャップの変動幅を抑えることができ、高品質の画像を得ることができる。
更に、ドラム嵌合部側筒面の外径を、ドラム突き当て部から近傍にかけて嵌合径より0.1mm〜0.5mm小径としている。感光ドラム端部の内バリの噛みこみ等を防止するために、突き当て部近傍を若干小径にして落とし込み部とし嵌合状態を安定化させている。なお、この段差は射出成形だけでは高精度で形成することができないもので、切削加工により実現できたものである。ドラム突き当て部に段差を付けたのでドラム端部のバリやかえりを噛みこむことなく、良好に組立ができる。
また、ドラム嵌合部側筒面および中心基準穴の切削加工時に当該フランジをクランプするための円筒部を、ドラム嵌合部と反対側のフランジ外側端面に形成しても良い。ギヤを有さないフランジの場合にチャック箇所を設けるために、フランジに円筒部を設けるようにする。このフランジにおいては、円筒部をフランジ端面に設けたので、ギヤが不要のものでもチャック可能となり、ドラム嵌合部および中心軸穴の切削加工が一回のクランプで可能となる。
上記課題解決のため、感光ドラム用フランジの加工装置として、感光ドラムの端面にドラム嵌合部で取付けられるフランジの中心基準穴の切削加工を行うフランジ加工装置であって、射出成形機により成形されたフランジをトレイに整列し、そのトレイを複数枚ストックして、そのストッカを切削機に接続し自動供給するものとすることができる。射出成形機により成形されたフランジをトレイに整列し、そのトレイを複数枚ストックして、そのストッカを切削機に接続し自動供給したので、効率よく射出成形〜切削の工程を接続することができる。
上記ストッカ部分に冷風を噴出させる冷却機構を設けても良い。このように、切削機へ供給する前のストックしたフランジに冷風を吹きかける装置を設けたれば、寸法の安定化を早めて時間的に効率よく切削工程と連繋することができる。
また、感光ドラムの端面にドラム嵌合部で取付けられるフランジの中心基準穴の切削加工を行うフランジ加工装置であって、糸状の切り粉を旋盤のチャック内側より吸引するものとすることができる。このように旋盤主軸のチャック内側から吸引する方法をとったので、中心軸穴切削時の削りかすを切削と同時に吸い取ることができフランジやバイトへの絡みつきを防止することができる。
上記課題解決のため、感光ドラム用フランジの加工方法として、感光ドラムの両端部夫々に、ドラム嵌合部側筒面で取付けられるフランジの加工方法であって、ギヤ部を有したフランジに対して、該ギヤ部を旋盤のチャックに一回クランプした状態で、ドラム嵌合部側筒面および中心基準穴の両方を切削加工するものとすることができる。ギヤ部外周をチャックしてドラム嵌合部(軸穴)および中心基準穴を切削加工することで、ギヤの全ピッチでのかみあい誤差を小さくすることができる(ギヤかみ合い精度の全ピッチでの誤差を殆ど無くしギヤ精度を高める)。また、前述した円筒部を形成したフランジに対しては、前記円筒部を旋盤のチャックに一回クランプした状態で、ドラム嵌合部側筒面および中心基準穴の両方を切削加工することを特徴とする。的確にドラム嵌合部側筒面および中心基準穴の両方を切削加工することができる。
上記感光ドラム用フランジの加工方法においては、フランジをクランプする旋盤のチャックにエアーバルーン方式を用いると好適である。低圧力でクランプするために、エアーバルーンチャックを用いる。あるいは、旋盤のチャックには、エアーバルーンチャックと同じように低圧力でクランプするために、ダイヤフラム方式を用いても良く、同等の作用効果を得ることができる。すなわち、旋盤のチャックにダイヤフラムチャックを採用することで、低圧でフランジをチャックすることができ変形を抑えることができる。ダイヤフラム方式チャックのチャック割り数は6分割〜8分割とするのが好ましい。チャックの割り数を6〜8にしたので、チャックの変形をより抑えることができる。
切削加工に際して、糸状の切り粉を旋盤のチャック内側より吸引すると好適である。また、中心基準穴切削時のバイト送りに3°〜45°の範囲の進入角度を持たせると良い。バイトの進入角度を3°〜45°の範囲としたので、削りはじめのバリ立ちを抑えることができる。また、中心基準穴切削時のバイト送りに3°〜45°の範囲の退出角度を持たせると良い。バイトの退出角度を3°〜45°の範囲としたので、削り終わり時のバリ立ちを抑えることができる。この他、切削加工に際しては、切削の削り代を0.05〜0.3mmの範囲とすると好ましい。削りかすが糸状に繋がり、除去が容易となった。
また、上述方法による切削時に、ワーク温度を測定し、使用樹脂の線膨張係数に応じて切削代を変化させることをフィードバック制御し、切削するようにする。切削代を使用樹脂の線膨張係数に応じて切削代を変化させるフィードバック機構を設けることで、切削時の室温およびフランジ表面温度が変化しても、フランジの出来上がり寸法が一定とすることができる。
本発明によれば、高精度の感光ドラム用フランジが確実に製作でき、従来、金型を用いた射出成形フランジを用いた感光ドラムよりもドラム両側に装着するフランジの振れ精度を格段に向上させた、0.05mm以下に安定して品質維持された感光ドラムを得ることができる。
以下、本発明について実施形態を挙げ、図面に従って説明する。図1は、本発明のフランジ(部材)の例(切削加工前)を示す概略斜視図であり、図2は、図1のフランジのドラム突き当て部に落とし込みを設けた状態を拡大して示す断面図(切削加工後)である。図3は、本発明のフランジの他の例(切削加工前)を示す概略斜視図である。図4は、ギヤを有しないフランジに円筒部を設けた本発明のフランジの形状例(切削加工前)を示す概略斜視図である。また、図5は本発明に係るフランジ加工装置(設備)の構成例を概略的に示すシステム構成図を示している。
図1のフランジ10Aは、射出成形された合成樹脂による概略2段円筒形状の部材で、旋盤等による切削加工によって図2に示す形状に仕上げられる。大径の主円筒部5の片側5aは、切削によって図示してない感光体ドラム端部の内周と嵌合するドラム嵌合部1となる円筒部5bを有しており、主円筒部5の他方の円形端面5c中央に主円筒部より小径のハスバギヤ3と軸支部となる軸筒6が突出形成されている。軸筒6の中心穴6aは、軸穴部4と連なる。図2に示されるように、ドラム嵌合部1は、切削加工によりハスバギヤ3と同軸に所定外径に加工される。ドラムのドラム突き当て部(鍔部)2から近傍にかけて、図2の加工後の断面図に示すように外径を嵌合径より0.1mm〜0.5mm小径とした狭幅の落とし込み部7が形成される。フランジの中心部の略筒状の軸部のうち軸筒6の中心穴部分6aの軸穴部4が切削加工によりドラム嵌合部1および(基準となる)ハスバギヤ3と同軸に切削形成される。
図3に示すフランジ10Bも、射出成形された合成樹脂による概略円筒形状の部材で、旋盤等による切削加工によって主円筒部5片側端面側5aに感光体ドラム端部の内周に嵌合するドラム嵌合部1となる円筒部5bを有しているが、図3のフランジ10Bでは、主円筒部5の他方の端面側(外方側)がハスバギヤ3として形成されている。ドラム嵌合部1は、後加工としてハスバギヤ3と同軸に切削加工される。ドラム嵌合部1のドラム突き当て部(ハスバギヤを含み鍔部)から近傍にかけて、外径を嵌合径より0.1mm〜0.5mm小径とした狭幅の落とし込み部(段差部)7が形成される。フランジの中心軸部のは、切削加工によりドラム嵌合部1および(基準となる)ハスバギヤ3と同軸の軸穴部4が切削形成される。
次に、図4の本発明のフランジ(切削加工前)10Cは、ギヤを有しないフランジであって、前述したものと同様に射出成形された合成樹脂による部材で、旋盤等による切削加工によって主円筒部片側端面側に感光体ドラム端部の内周に嵌合するドラム嵌合部となる円筒部を有した主円筒部の他方の端面5cには、その中央に主円筒部5より小径の(チャッキング用)円筒部8が突出形成されていて概略2段円筒形状をしている。円筒部8の内方には軸支部となる軸筒6が突出形成されている。フランジの中心部の軸筒6の中心穴部分は、円筒部8を基準として切削加工によりドラム嵌合部1と同軸の軸穴部4に形成される。ドラム嵌合部1は所定の外径に切削されるとともにそのドラム突き当て部(鍔部)から近傍にかけて、図2の場合と同様に外径を嵌合径より0.1mm〜0.5mm小径とした狭幅の落とし込み部7が形成される。
これらのフランジ10,10B,10C、は、その構成に起因して、ともに従来のものよりも一段と容易に、旋盤のチャックに一回クランプした状態で、ドラム嵌合部および中心基準穴を切削にて所定の内径・外径に加工し、これらドラム嵌合部外径と中心基準穴内径との同軸度、およびドラム嵌合部の真円度が0.005mm以下にすることができる。特に、後述する加工装置を用いること、および、後述する加工方法に依って切削加工することで、旋盤のチャックに一回クランプした状態で確実に同軸度および真円度を0.005mm以下にすることができる。
続いて、上述したフランジの切削加工に適した、図5に示したフランジ加工装置(設備)について説明する。図5のフランジ加工装置100は、後で詳述する切削加工機としての旋盤50を主体に構成されており、射出成形機60と連係して作業を効率化するための、ストッカ70を付加可能になっている。すなわち、射出成形により製作されたフランジが切削機に簡単に供給できるよう、移動可能なストッカ70を設けている。ストッカ70には、射出成形機60により成形されたフランジをストックするトレイ71を設け、そのトレイ71を複数毎ストックして、このストッカ70を旋盤50(以下、切削機とも記す)の横に接続しトレイ71から(フランジ部材)供給機72により切削機50のチャック51に自動供給することができる。
このストッカ70を有効に機能させるために、送風装置80が組み込まれている。射出成形によるフランジでは、射出成形した後、成形フランジは収縮がはじまり、通常は長時間放置しなければ寸法が安定しないが、切削加工と同期させるために短時間で収縮を完了させる必要がある。そこで、ストッカ70に収納したフランジの寸法を早く安定させるために、冷風を均一に吹き付ける冷却装置として送風装置80(図7参照)を組み込んである。
このように、ストックしたフランジに冷風を吹き付ける装置を用いて収縮を早め寸法を安定させることができた。ストッカ70には熱効率が良いように、周りはステンレス製の遮蔽板が取り付けてある。この冷却方法によれば低コストで冷却を促進できるが、更に短時間で安定させるためには、ストッカ全体を収納できる冷蔵室を使用する方法も考えられる。
旋盤50は、回転主軸に取付けられるチャック51として、6割りのダイヤフラムチャックを採用している。これは、チャック部の付近を切削時に通常のエアや油圧でチャックした場合、クランプ力のひずみによりフランジを変形させてしまう懸念があるためで、ダイヤフラム方式のチャック51を用いることにより、フランジを変形させない程度の低圧力でクランプできるようにしている。ダイヤフラムチャック51の圧力を制御することにより、切削前の射出成形品が変動した際に微妙な条件変更対応が可能となる。なお、旋盤50のチャックにエアーバルーンチャックを用いても同等の効果が得られる。
また、この旋盤50は、その主軸52の中心からエア吸引して糸状の切削かすを吸い取る機能を備えている。すなわち、削りかすを加工中に除去するために旋盤の主軸部分を中空にして吸気装置(図示せず)に接続してあり、主軸内側よりエアで吸い込む構造を採用している。これに合わせ、実際の切削作業時には、切削の削りかすがばらばらに残らず、切削かすが糸状に繋がって除去しやすい状態にするために、削り代を0.05〜0.3mmの適正範囲とするように留意する。なお、切削かす吸引のための構成は上述のものに限らない。
切削作業の一例を具体的に説明する。図1に示した形状のギヤを有した射出成形による樹脂製フランジを、端部に設けられているギヤ部の外周を6割りのチャックでクランプすることで旋盤にセットする。
まず、ドラム嵌合部を切削する。削りかすを糸状に繋げるために設定した削り代は、材料によって適正の削り代が変わってくるが、例えば一般的なポリカーボネートであれば0.15mm程度が好ましい。フランジのドラム突き当て部には落とし込みを設ける(図2参照)。深さは0.1〜0.5mm程度で、ドラム端部の処理状態に合わせて設定すればよいが、0.2mm落としたものにてドラムの端部のバリやかえりに影響を受けないことが確認できた。
軸穴切削時には、図6に示す構成により旋盤の主軸中心からエア吸引して糸状の切削かすを吸い取る。削りかすを糸状に繋げるためにポリカーボネートであれば削り代を0.15mm程度に設定する。材料によって適正の削り代とする。軸穴加工中は、糸状の切削かすが切削と同時に吸い込まれ、絡まることなく除去される。フランジ軸芯部へのバイトの進入により端部に生じるバリを無くすために、バイトの進入角度を変化させるのが好ましい。中心軸穴切削時のバイト送りのパターンを図8に示す。この加工方法により削り初めのバリ発生が防止できる。また、バイトの退出により端部に生じるバリを無くすために、バイトの退出角度を変化させるのが好ましい。中心軸穴切削時のバイト送りのパターンを図9に示す。この加工方法により削り終わりのバリ発生が防止できる。例えば、切削バイトの進入角度は30度で、退出は35度で切削すると好結果が得られている。
ギヤ外周をチャックしてドラム嵌合部と軸穴部を削ることにより、高精度の同軸度と個々の真円度を得ることができた。図11に実際に得られた同軸度および真円度を東京精密製の真円度測定機で測定した結果を示す。
ダイヤフラムチャックで6割りのチャックを採用し、実際に量産で図11に示す精度を達成することができたが、それ以上の割り数であっても良い。事前評価段階で3割りと8割の場合についても評価を実施したので、結果を図12に示す。3割りはおむすび型に変形する傾向が見られた。良好な加工結果を保証するには割数を増やし6割り以上とするのが好ましい。
ダイヤフラムチャックで圧力条件を0〜0.6Mpaに振って切削した際のデータを図10に示す。圧力制御することにより、切削前の射出成形品が変動した際に微妙な条件変更対応が可能となる。
なお、旋盤のフランジをクランプするチャックには、ダイヤフラム方式と同じように低圧力でクランプするために、エアーバルーンチャックを用いても良く、同等の作用効果を得ることができる。
実際の切削加工にあたりフランジの温度が変化すると、フランジが膨張または収縮して、実際の切削量が変化する。室温が22℃〜27℃まで振れたときのフランジ外径変化について図13に示す。このようにフランジ外径は温度によって変化するので、実施形態装置では、温度変化に応じたフィードバック制御により切削バイトの食い込み量をコントロールして寸法ばらつきの安定化を図ることもできるようになっている。その場合に制御のための温度データは、状況に応じてワーク表面温度もしくは室温のどちらかを選択する。但し、室温差が2°C程度に抑えられるのであれば、この制御の効果は殆どなく一定の削り代の設定のままが良いので、室温管理の方法を実際には選択しても良い。
以上の説明は、図1のフランジの切削加工についてであるが、図3のフランジについても円筒部外周のギヤ部外周をチャックすることで、全く同様に高精度で加工することができる。また、図4に示す形状の射出成形によるギヤを有しない樹脂製フランジの場合は、端部に設けられている円筒部8を6割りのチャック51でクランプすることで旋盤50にセットする。ドラム嵌合部1および中心基準穴(軸穴)4の切削加工全てを、円筒部8を基準にして旋盤のチャックに一回クランプした状態で行うことで、精度高い切削加工が可能となる。
本発明は、両端にプラスチック製の樹脂のフランジを装着するローラ等の略円筒状の機構部品に広く適用でき真円度・同心度が向上し部品の回転性能が向上する。
本発明のフランジの切削加工前の外観を示す概略斜視図である。 図1のフランジのドラム突き当て部に落とし込みを設けた状態を拡大して示す断面図(切削加工後)である。 本発明の別なフランジの切削加工前の外観を示す概略斜視図である。 ギヤを有しないフランジに円筒部を設けた本発明のフランジの形状例(切削加工前)を示す概略斜視図である。 本発明に係るフランジ加工装置(設備)の構成例を概略的に示すシステム構成図である。 旋盤の主軸中心からエア吸引して糸状の切削かすを吸い取る構成を示す概略図である。 冷風を均一に吹き付ける装置の一例を示す概略図である。 中心軸穴切削時のバイト送りのパターンを説明する模式図である。 中心軸穴切削時のバイト送りのパターンを説明する模式図である。 切削した際のデータを示す図である。 実施形態の加工装置により実際に得られた同軸度および真円度を東京精密製の真円度測定機で測定した結果を示す表図である。 ダイヤフラムチャックでの割り数が6割り以外の例での加工結果を示す表図である。 室温が22℃〜27℃まで振れたときのフランジ外径変化について示す表図である。 ギヤ付きフランジの例を示す、中心軸を含む側断面図である。 ギヤ付きフランジの他の例を示す、中心軸を含む側断面図である。
符号の説明
1…ドラム嵌合部(挿入部)
2…鍔部
3…ギヤ部(ハスバギヤ)
4…軸穴部
5…主円筒部
6…軸筒(円筒部)
7…落とし込み部(段差部)
8…(チャッキング用)円筒部
10A,10B,10C…フランジ(部材)
20…感光ドラム(基体)
50…旋盤(切削加工機)
60…射出成形機
70…ストッカ
71…トレイ
72…(フランジ部材)供給機
80…送風装置(冷却装置)
100…フランジ加工装置(設備)

Claims (2)

  1. 感光ドラムの両端部夫々に、ドラム嵌合部側筒面で取付けられるフランジであって、
    合成樹脂製のフランジ素材を、前記ドラム嵌合部側筒面および中心基準穴所定の内径・外径に同軸状になるように加工したものであり、
    前記ドラム嵌合部側筒面の外径がドラム突き当て部から近傍にかけて嵌合径より0.1mm〜0.5mm小径となっている
    ことを特徴とする感光ドラム用フランジ。
  2. 前記ドラム嵌合部側筒面および前記中心基準穴の切削加工時に当該フランジをクランプするための円筒部を、ドラム嵌合部と反対側のフランジ外側端面に形成したことを特徴とする請求項1記載の感光ドラム用フランジ。
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