JP4896447B2 - パーマネントヘア加工用薬剤 - Google Patents
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Description
(I)下記式(1)および/または下記式(2)で示される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするパーマネントヘア加工用薬剤。
れていてもよい。)
(II)上記式(1)中のR1が水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基のいず
れかであり、R2が炭素数1〜4のアルコキシ基と炭素数1〜8のアルキレン基とからな
るアルコキシアルキル基(ただし、R2を構成する上記アルキレン基にはエーテル結合が
含まれていてもよい。)である上記式(1)で示される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする上記(I)に記載のパーマネントヘア加工用薬剤。
(III)上記式(2)中のR3が炭素数1〜4のアルコキシ基と炭素数1〜8のアルキ
レン基とからなるアルコキシアルキル基(ただし、R3を構成する上記アルキレン基には
エーテル結合が含まれていてもよい。)である上記式(2)で示される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする上記(I)に記載のパーマネントヘア加工用薬剤。
(IV)上記式(1)および/または上記式(2)で示される化合物がチオグリコール酸還元力換算で0.5〜30%となる量含有されていることを特徴とする上記(I)に記載のパーマネントヘア加工用薬剤。
(V)上記式(1)および/または上記式(2)で示される化合物を2種以上含むことを特徴とする上記(I)または上記(IV)に記載のパーマネントヘア加工用薬剤。
(VI)pHが5.5〜9.7となるように調整されていることを特徴とする上記(I)に記載のパーマネントヘア加工用薬剤。
(VII)メルカプトカルボン酸とアルコールとの脱水反応、あるいは
メルカプトカルボン酸メチルエステル、もしくはメルカプトカルボン酸エチルエステルとアルコールとのエステル交換反応により上記式(1)または上記式(2)で示される化合物を製造し、
該化合物を用いて、上記(I)に記載のパーマネントヘア加工用薬剤を製造する方法。
(VIII)上記式(1)および/または上記式(2)で示される少なくとも1種の化合物を使用することを特徴とする髪の毛のパーマネント加工方法。
本発明に係るパーマネントヘア加工用薬剤は、下記式(1)および/または下記式(2)で示されるメルカプトカルボン酸アルコキシアルキルエステルが少なくとも1種含まれていることを特徴とする。
まず、化合物(1)について説明する。化合物(1)は下記式(1)で示される化合物である。
れていてもよい。)
上記式(1)中のR1は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、好ましくは
、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基のいずれかである。
らなる。このアルキレン基部分は、その炭素原子が酸素原子に置換されてエーテル結合を含んでもよい。R2の総炭素数は3〜15が好ましい。R2に含まれる上記アルコキシ基部分の炭素数は1〜4が好ましい。R2に含まれる上記アルキレン基部分の炭素数は1〜8
が好ましい。
エチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−イソブトキシエチル、2−tert-ブトキシエチル、5−メトキシ−3−オキサペンチル、5−エトキシ−3−オキ
サペンチル、5−プロポキシ−3−オキサペンチル、5−イソプロポキシ−3−オキサペンチル、5−ブトキシ−3−オキサペンチル、5−イソブトキシ−3−オキサペンチル、5−tert−ブトキシ−3−オキサペンチル、8−メトキシ−3,6−ジオキサオクチル、8−エトキシ−3,6−ジオキサオクチル、8−プロポキシ−3,6−ジオキサオクチル、8−イソプロポキシ−3,6−ジオキサオクチル、8−ブトキシ−3,6−ジオキサオクチル、8−イソブトキシ−3,6−ジオキサオクチル、8−tert−ブトキシ−3,6−ジオキサオクチル、2−メトキシ−1−メチルエチル、2−エトキシ−1−メチルエチル、2−プロポキシ−1−メチルエチル、2−イソプロポキシ−1−メチルエチル、2−ブ
トキシ−1−メチルエチル、2−イソブトキシ−1−メチルエチル、2−tertブトキシ−1−メチルエチル、5−メトキシ−1,4−ジメチル−3−オキサペンチル、5−エトキシ−1,4−ジメチル−3−オキサペンチル、5−プロポキシ−1,4−ジメチル−3−オキサペンチル、5−イソプロポキシ−1,4−ジメチル−3−オキサペンチル、5−ブトキシ−1,4−ジメチル−3−オキサペンチル、5−イソブトキシ−1,4−ジメチル−3−オキサペンチル、5−tert−ブトキシ−1,4−ジメチル−3−オキサペンチル、8−メトキシ−1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサオクチル、8−エトキシ−1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサオクチル、8−プロポキシ−1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサオクチル、8−イソプロポキシ−1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサオクチル、8−ブトキシ−1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサオクチル、8−イソブトキシ−1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサオクチル、8−tert−ブトキシ−1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサオクチルなどが挙げられる。これらの中でも2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−メトキシ−1−メチルエチル、2−エトキシ−1−メチルエチルが好ましい。
つぎに、化合物(2)について説明する。化合物(2)は下記式(2)で示される化合物である。
また、上記式(2)中のR3は末端のアルコキシ基とそれに結合するアルキレン基とか
らなる。このアルキレン基部分は、その炭素原子が酸素原子に置換されてエーテル結合を含んでもよい。R3の総炭素数は3〜15が好ましい。R3に含まれる上記アルコキシ基部分の炭素数は1〜4が好ましい。R3に含まれる上記アルキレン基部分の炭素数は1〜8
が好ましい。
本発明に用いられる上記式(1)、(2)で示されるメルカプトカルボン酸アルコキシアルキルエステルは、好適には、メルカプトカルボン酸もしくはそのエステル(以下総称して「メルカプトカルボン酸類」ということもある。)を酸触媒存在下にアルコキシアルキルアルコールと混合加熱して脱水反応もしくはエステル交換反応を行うことにより得ることができる。
アルコキシアルキルアルコールの使用量は、通常、メルカプトカルボン酸類に対して等モル、もしくは、溶媒を兼ねて等モル以上、好ましくは、メルカプトカルボン酸類1モルに対して1〜10モルである。なお、アルコキシアルキルアルコールをメルカプトカルボン酸エステルに対して過剰に使用した場合には、反応後、未反応の原料を回収して再使用することが好ましい。
本発明に係るパーマネントヘア加工用薬剤は、上記式(1)で示されるメルカプトカルボン酸アルコキシアルキルエステルが少なくとも1種含まれていること、および/または上記式(2)で示されるメルカプトカルボン酸アルコキシアルキルエステルが少なくとも1種含まれていることを特徴とする。
ことができる。
還元性物質の含有率(チオグリコール酸として)(%)=0.4606×A
また、化粧品分類のパーマネントウエーブ用剤(カーリング剤)も同様の規制値により使用量が規定されている。
−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、エチルカルビトール、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、尿素、2−メチルピロリドンなどが挙げられる。
その他、油剤としては、パラフィン、流動パラフィン、ミツロウ、スクワラン、ホホバ油、オリーブ油、エステル油、トリグリセリド、ワセリン、ラノリンなどが挙げられる。
湿潤剤あるいは乳化剤としては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ソルビトール、植物抽出エキス、ビタミン類、ヒアルロン酸塩、コンドロイチン硫酸塩、カチオン性、アニオン性、両性、非イオン性の界面活性剤やポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステエアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテルなどのエーテル型非イオン界面活性剤、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコンオイル、アルコール変性シリコンオイル、フッ素変性シリコンオイル、ポリエーテル変性シリコンオイル、アルキル変性シリコンオイルなどのシリコン誘導体などが挙げられる。
本発明に係る薬剤のpHについては特に制限はなく、pH9程度のアルカリ性で使用してもよいが、好ましくはpH5.5〜9.7、より好ましくは、pH6〜8.5の範囲で使用することが好ましい。薬剤のpHが上記範囲内にあると皮膚刺激性も少なく、毛髪や頭皮の損傷を引き起こす原因となならないからである。また、本発明に係る薬剤はpHを上記範囲内として使用してもパーマネント加工の実用的な性能を発揮することができる。
〔パーマネント加工方法〕
上記薬剤を含むパーマネントヘア加工用薬剤の使用方法にはパーマネントヘア加工に用いられる限り特に制限するものはないが、例えば、毛髪に対するパーマネントウエーブ処理に用いる場合には、下記の方法で使用できる。なお、パーマネントウエーブ処理とは、パーマネントウエーブ形成処理、パーマネントウエーブ処理によるウエーブのばし処理お
よび縮毛矯正処理を含めたものをいう。
(1)本発明に係るメルカプトカルボン酸アルコキシアルキルエステルを含む薬剤を毛髪に湿潤し、毛髪に型付けをするためのロッドで巻き込む。
なお、縮毛矯正の際には、ロッドを使用しない。また、水巻などで毛髪を固定して上記薬剤を湿潤しても良い。
(2)上記薬剤で毛髪を湿潤した後に静置する。その際、30℃から40℃程度の温度に加温することが好ましい。
(3)酸化剤を含有する組成物によって毛髪を酸化して、毛髪を固定する。
(4)固定した毛髪からロッドを取り外し、毛髪を洗浄、シャンプー処理をし、乾燥する。
なお、(3)で使用する酸化剤としては、一般的に使用される臭素酸ナトリウムの3〜8%程度の水溶液や過酸化水素、過ホウ酸ナトリウムなどの希釈液が使用できる。
〔合成例1〕
チオグリコール酸2−メトキシエチルエステル(TGE−1)の合成
温度計、冷却管付きの1000mLの4つ口フラスコにチオグリコール酸メチル300g、2−メトキシエタノール320g、および95%硫酸3.6gを入れ、温度80℃下、5時間撹拌を行った。上記反応中、冷却管上部からアスピレーターを使用して微減圧とすることで、反応の進行により生成するメタノールを留去した。反応終了後、反応液の一部をサンプリングして、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定により収率を求めた。反応液中の目的成分濃度から換算して、収率42%であった。
HPLC分析:
カラム:昭和電工株式会社製
Shodex NN−G(ガードカラム)+ NN−814
検出器:RI検出器、UV検出器(210nm)
溶離液:0.1%リン酸+0.008Mリン酸二水素一カリウム水溶液
流量:1.0mL/min
インジェクション量:20μL
得られたTGE−1をガスクロマトグラフ質量(GC−MS)分析及び赤外吸光(IR)分析により同定したときの分析チャートを図1及び図2に示す.また、分析結果を以下に示す。
GC−MS:118,77,58,45,31
IR(Zn−Ce):2932,2889,1732,1408,1123,1099,1033,865
なお、同定に用いた分析機器及び条件を以下に示す。
装置:島津株式会社製GC−17A+GCMS−QP5000
カラム:GLサイエンス TC−5(内径0.25mm、膜厚0.25μm、長さ30m)
キャリアガス:ヘリウム
流量:0.87cc/min
スプリット比:80:1
昇温プログラム:70℃(5min)→10℃/min→250℃(10min)
インジェクション量:1μL
IR分析
装置:日本分光 FT/IR−7300
分析方法:KBr法、ATR法(Zn−Ce)
〔合成例2〕
チオグリコール酸2−エトキシエチルエステル(TGE−2)の合成
温度計、冷却管付きの1000mLの4つ口フラスコにチオグリコール酸メチル300g、2−エトキシエタノール374g、および95%硫酸3.6gを入れ、温度80℃下、5時間撹拌を行った。上記反応中、冷却管上部からアスピレーターを使用して微減圧とすることで反応の進行により生成するメタノールを留去した。反応終了後、反応液の一部をサンプリングして、ガスクロマトグラフィー(GC)測定により収率を求めた。反応液中の目的成分濃度から換算して、収率44%であった。
GC分析:
カラム:GLサイエンス TC−5(内径0.25mm、膜厚0.25μm、長さ30m)
キャリアガス:ヘリウム
流量:0.87cc/min
スプリット比:80:1
昇温プログラム:70℃(5min)→10℃/min→250℃(10min)
インジェクション量:1μL
TGE−2を同定したときの分析結果を以下に示す。
GC−MS:91,72,59,45,31
IR(Zn−Ce):2976,2870,1733,1275,1117,1038,961,863
〔合成例3〕
チオグリコール酸2−ブトキシエチルエステル(TGE−3)の合成
温度計、冷却管付きの1000mLの4つ口フラスコにチオグリコール酸メチル300g、2−n−ブトキシエタノール489g、および95%硫酸3.6gを入れ、温度80℃下、7時間撹拌を行った。上記反応中、冷却管上部からアスピレーターを使用して微減圧とすることで反応の進行により生成するメタノールを留去した。反応終了後、反応液の一部をサンプリングして、HPLC測定により収率を求めた。反応液中の目的成分濃度から換算して、収率35%であった。
GC−MS:145,134,118,101,85,64
IR(Zn−Ce):2957,2935,2869,1736,1456,1275,1120,1031
〔合成例4〕
チオグリコール酸5−メトキシ−3−オキサペンチルエステル(TGE−4)の合成
温度計、冷却管付きの1000mLの4つ口フラスコにチオグリコール酸メチル300g、ジエチレングリコールモノメチルエーテル339g、および95%硫酸3.3gを入れ、温度80℃下、5時間撹拌を行った。上記反応中、冷却管上部からアスピレーターを使用して微減圧とすることで反応の進行により生成するメタノールを留去した。反応終了後、反応液の一部をサンプリングして、HPLC測定により収率を求めた。反応液中の目的成分濃度から換算して、収率32%であった。
GC−MS:119,75,59,45,31
IR(Zn−Ce):2879,1733,1453,1277,1105,1043,961,849
〔合成例5〕
チオグリコール酸5−エトキシ−3−オキサペンチルエステル(TGE−5)
温度計、冷却管付きの1000mLの4つ口フラスコにチオグリコール酸メチル300g、ジエチレングリコールモノエチルエーテル409g、および95%硫酸3.0gを入れ、温度80℃下、5時間撹拌を行った。上記反応中、冷却管上部からアスピレーターを使用して微減圧とすることで、反応の進行により生成するメタノールを留去した。反応終了後、反応液の一部をサンプリングして、HPLC測定により収率を求めた。反応液中の目的成分濃度から換算して、収率31%であった。その後、反応液を直接濃縮し、さらに減圧蒸留(0.6kPa/沸点98℃)を行い、反応液を精製してチオグリコール酸5−エトキシ−3−オキサペンチルエステル(TGE−5)122gを得た。
GC−MS:162,135,118,86,72,59,45
IR(Zn−Ce):2869,1735,1449,1276,1108,1032
〔合成例6〕
チオグリコール酸8−メトキシ−3,6−ジオキサオクチルエステル(TGE−6)の合成
温度計、冷却管付きの1000mLの4つ口フラスコにチオグリコール酸メチル300g、トリエチレングリコールモノエチルエーテル462g、および95%硫酸3.1gを入れ、温度80℃下、5時間撹拌を行った。上記反応中、冷却管上部からアスピレーターを使用して微減圧とすることで反応の進行により生成するメタノールを留去した。反応終了後、反応液の一部をサンプリングして、HPLC測定によって測定により収率を求めた。反応液中の目的成分濃度から換算して、収率32%であった。
GC−MS:119,101,89,73,59,45,31
IR(Zn−Ce):2874,1734,1277,1098,1041,958,850
〔合成例7〕
チオグリコール酸2−メトキシ−1−メチルエチルエステル(TGE−7)の合成
温度計、冷却管付きの1000mLの4つ口フラスコにチオグリコール酸メチル213g、1−メトキシ−2−プロパノール195g、および95%硫酸2.2gを入れ、温度80℃下、5時間撹拌を行った。上記反応中、冷却管上部からアスピレーターを使用して微減圧とすることで反応の進行により生成するメタノールを留去した。反応終了後、反応液の一部をサンプリングして、GC測定により収率を求めた。反応液中の目的成分濃度から換算して、収率17%であった。
GC−MS:132,116,103,86,75,59,45,31
IR(Zn−Ce):2983,1729,1453,1274,1151,1110,1097,1074,968
〔合成例8〕
チオグリコール酸2−エトキシ−1−メチルエチルエステル(TGE−8)の合成
温度計、冷却管付きの1000mLの4つ口フラスコにチオグリコール酸メチル217g、1−エトキシ−2−プロパノール229g、および95%硫酸2.2gを入れ、温度80℃下、7時間撹拌を行った。上記反応中、冷却管上部からアスピレーターを使用して微減圧とすることで反応の進行により生成するメタノールを留去した。反応液の一部をサンプリングして、HPLC測定により収率を求めた。反応液中の目的成分濃度から換算して、収率27%であった。
GC−MS:132,119,103,87,75,59,45,31
IR(Zn−Ce):2978,2872,1732,1275,1144,1112,1063,960
〔合成例9〕
チオグリコール酸 8−メトキシ−3,6−ジオキサオクチルエステル(TGE−9)の合成
温度計、冷却管付きの1000mLの4つ口フラスコにチオグリコール酸メチル240g、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル361g、および95%硫酸2.4gを入れ、温度80℃下、5時間撹拌を行った。上記反応中、冷却管上部からアスピレーターを使用して微減圧とすることで反応の進行により生成するメタノールを留去した。反応終了後、反応液の一部をサンプリングして、HPLC測定により収率を求めた。反応液中の目的成分濃度から換算して、収率25%であった。
GC−MS:177,148,133,73,59,45
IR(Zn−Ce):2935,1732,1452,1274,1101,1061,1024,963
〔合成例10〕
チオ乳酸2−メトキシエチルエステル(TNE−1)の合成
温度計、冷却管付きの200mLの4つ口フラスコにチオ乳酸86g、2−メトキシエタノール61g、および95%硫酸1gを入れ、温度100℃下、5時間撹拌を行った。上記反応中、冷却管上部からアスピレーターを使用して微減圧とすることで反応の進行により生成する水を留去した。反応液の一部をサンプリングして、HPLC測定により収率を求めた。反応液中の目的成分濃度から換算して、収率54%であった。
TNE−1を同定したときの分析結果を以下に示す。
GC−MS:164,132,119,103,61,45,31
IR(Zn−Ce):2933,1736,1454,1328,1175
〔合成例11〕
チオ乳酸2−エトキシエチルエステル(TNE−2)の合成
温度計、冷却管付きの1000mLの4つ口フラスコにチオ乳酸202g、2−エトキシエタノール190g、および95%硫酸2.1gを入れ、温度100℃下、3時間撹拌を行った。上記反応中、冷却管上部からアスピレーターを使用して微減圧とすることで反応の進行により生成する水を留去した。反応終了後、反応液の一部をサンプリングして、HPLC測定により収率を求めた。反応液中の目的成分濃度から換算して、収率56%であった。
GC−MS:132,119,100,85,61,57
IR(Zn−Ce):2976,1733,1452,1243,1169,1121,1069,1028
〔合成例12〕
チオ乳酸2−ブトキシエチルエステル(TNE−3)の合成
温度計、冷却管付きの1000mLの4つ口フラスコにチオ乳酸196g、2−ブトキシエタノール253g、および95%硫酸1.9gを入れ、温度100℃下、3時間撹拌を行った。上記反応中、冷却管上部からアスピレーターを使用して微減圧とすることで反応の進行により生成する水を留去した。反応終了後、反応液の一部をサンプリングして、HPLC測定により収率を求めた。反応液中の目的成分濃度から換算して、収率77%であった。
GC−MS:146,105,86,57
IR(Zn−Ce):2959,2934,1735,1453,1326,1246,
1170,1124,1069
〔合成例13〕
チオ乳酸エステル2−エトキシ−1−メチルエチル(TNE−4)の合成
温度計、冷却管付きの1000mLの4つ口フラスコにチオ乳酸200g、1−エトキシ−2−プロパノール216g、および95%硫酸2.1gを入れ、温度100℃下、3時間撹拌を行った。上記反応中、冷却管上部からアスピレーターを使用して微減圧とすることで反応の進行により生成する水を留去した。反応終了後、反応液の一部をサンプリングして、HPLC測定により収率を求めた。反応液中の目的成分濃度から換算して、収率39%であった。
GC−MS:178,147,132,117,72
IR(Zn−Ce):2978,1732,1452,1173,1112,1061,1024
〔実施例1〕
合成例1で得たメルカプトカルボン酸アルコキシアルキルエステルTGE−1を含有する下記パーマネントウエーブ用第1液、および下記パーマネントウエーブ用第2液を用いてパーマネントウェーブ処理を行い、ウェーブ効率を求めた。
合成例1で得たメルカプトカルボン酸アルコキシアルキルエステルTGE−1 22mmol、プロピレングリコール10g、エデト酸二ナトリウム0.2g、およびポリオキシエチレンステアリルエーテル1gに、所望のpH(pH6.5,7.5,9)となるようにモノエタノールアミン、および精製水を加えて、全量で100gとなるように混合してパーマネントウエーブ用第1液を調製した。
〈パーマネントウエーブ用第2液の調製〉
臭素酸ナトリウム5g、および精製水95gを混合してパーマネントウエーブ用第2液を得た。
ウエーブ効率は、フレグランスジャーナル臨時増刊(1984年、No.5、442ページ)記載の方法に従い、キルビー法により評価した。比較薬剤としてはシステアミン塩酸塩を含む液を使用した。
A:キルビー器具の1番目と6番目の棒の間隔(棒の中心点を実測)
B:カールした毛髪の6山の長さ
C:カールした毛髪を直線に伸ばした時の6山分の長さ
〔実施例2〜13〕
実施例1で用いたTGE−1を、表1に記載のメルカプトカルボン酸アルコキシアルキルエステルに変更する以外は、実施例1と同様にパーマネントウエーブ用第1液の調製を行った。なお、これらパーマネントウエーブ用第1液の表1に記載のメルカプトカルボン酸アルコキシアルキルエステルの含有量はチオグリコール酸還元力換算で2%に相当する。
実施例1で用いたTGE−1を、表1に記載のシステアミン塩酸塩に変更する以外は、実施例1と同様にパーマネントウエーブ用第1液の調製を行った。なお、このようにして得られたパーマネントウエーブ用第1液のシステアミン塩酸塩の含有量はチオグリコール酸還元力換算で2%に相当する。
Claims (5)
- ケラチン還元物質として下記式(1)および/または下記式(2)で示される化合物を少なくとも一種のみ含有するパーマネントヘア加工用薬剤を毛髪に湿潤し、次いで酸化剤を含有する組成物を湿潤することを特徴とする髪の毛のパーマネント加工方法。
- 上記式(1)で示される化合物がチオグリコール酸2−メトキシエチルエステル、チオグリコール酸2−エトキシエチルエステル、チオグリコール酸2−メトキシ−1−メチルエチルエステルまたはチオグリコール酸2−エトキシ−1−メチルエチルエステルであることを特徴とする請求項1に記載の髪の毛のパーマネント加工方法。
- 上記式(1)および/または上記式(2)で示される化合物がチオグリコール酸還元力換算で0.5〜30%となる量含有されていることを特徴とする請求項1に記載の髪の毛のパーマネント加工方法。
- 上記式(1)および/または上記式(2)で示される化合物を2種以上含むことを特徴とする請求項1に記載の髪の毛のパーマネント加工方法。
- pHが5.5〜9.7となるように調整されていることを特徴とする請求項1に記載の髪の毛のパーマネント加工方法。
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