JP4894725B2 - 組電池の状態監視装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数個の電池セルが直列接続されて構成される組電池の状態を監視する組電池の状態監視装置に関する。
この種の状態監視装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、組電池を構成する同一個数の電池セルからなる複数の電池モジュールのうちの1つをマルチプレクサによってフライングキャパシタと選択的に接続することで、当該電池モジュールの電圧を検出するものも提案されている。これによれば、フライングキャパシタの電圧として、電池モジュールの電圧を検出することができるため、組電池を備える高圧システムと、低圧システムとの絶縁を図りつつも、低圧システムによって電池モジュールの電圧を把握することが可能となる。
更に、上記特許文献1では、フライングキャパシタの電圧を初期化した後、マルチプレクサによって特定の電池モジュールをフライングキャパシタに接続する際のフライングキャパシタの電圧に基づき、電池モジュールとフライングキャパシタとの接続経路の断線の有無を診断することも提案されている。
特開2003−84015号公報
ところで、近年、車載高圧バッテリに用いられる組電池を構成する電池セルとして、リチウム電池を用いることが提案されている。リチウム電池は、ニッケル水素電池等と比較して、過度に充電される状態(過充電状態)等によって信頼性が低下しやすい。このため、リチウム電池を用いて組電池を構成する場合には、その充電状態等を監視することが望まれる。
ここで、単一の電池セル又は隣接するいくつかからなる電池セルのいずれかをブロックとし、これら各ブロック毎に、その状態を監視する監視ユニットを設けることが考えられる。ただし、この場合、上記電池モジュールとフライングキャパシタとの接続経路が断線していたとしても、監視ユニットが迂回経路となって電池モジュール内のいくつかの電池セルとフライングキャパシタとで閉ループ回路が形成されるおそれがある。そしてこの場合には、上記手法によっては、電池モジュールとフライングキャパシタとの接続経路の異常の有無を診断することができない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、組電池の単一の電池セル及び隣接するいくつかからなる電池セルのいずれかである第1の直列接続体毎にその状態を監視する監視ユニットを備える場合であれ、隣接する電池セルいくつかからなる第2の直列接続体とその両端の電圧を検出する検出手段との接続経路の異常の有無を適切に診断することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、複数個の電池セルが直列接続されて構成される組電池を、単一の電池セル及び隣接するいくつかからなる電池セルのいずれかである第1の直列接続体にグループ化して且つ、これら各第1の直列接続体毎にその状態を監視する監視ユニットと、隣接する前記電池セルのいくつかからなる第2の直列接続体の両端の電圧を検出する検出手段とを備える組電池の状態監視装置において、前記第2の直列接続体は、前記第1の直列接続体と同一またはこれを包含するものであり、前記監視ユニットは、前記状態の監視として、前記第2の直列接続体を構成する電池セル数よりも少ない数の電池セル毎のそれぞれの一対の端子に接続された配線間の電圧と閾値電圧とを比較する比較手段の比較結果に基づき、過充電状態または過放電状態であるか否かを判断する処理を行なうものであり、前記検出手段は、フライングキャパシタと、該フライングキャパシタの両端の電圧を検出する電圧検出回路とを備えて構成され、前記第2の直列接続体と前記フライングキャパシタとを選択的に電気接続可能なものであり、前記組電池の電池セル同士を接続する接続箇所と前記監視ユニット及び前記検出手段のそれぞれとの接続経路は共有部分を有し、前記第2の直列接続体の両端の電圧を検出すべくこれと前記検出手段とが接続状態とされる期間における前記第2の直列接続体を構成する電池セルについての前記監視ユニットによる監視結果に基づき、前記共有部分の異常の有無を診断する診断手段を備え、前記監視ユニットにおいては、当該監視ユニット内部を静電気による過電圧から保護する静電気保護手段としてのダイオードが、前記過充電状態または過放電状態の判断対象となる前記少ない数の電池セルであって且つ前記共有部分に接続されるものに逆並列接続されており、
前記フライングキャパシタと前記第2の直列接続体とが接続状態とされる場合、該フライングキャパシタ、第2の直列接続体を構成する電池セルのうちの前記逆並列接続されるダイオードに並列接続される電池セルを除いた部分、および該逆並列接続されるダイオードを備えるループ回路が、該ダイオードがオン状態となることで閉ループ回路となり、前記診断手段は、前記フライングキャパシタと前記第2の直列接続体とが接続状態とされることで前記監視ユニットにおいて一時的に過充電状態または過放電状態のいずれかが検出される場合に前記共有部分の異常と診断することを特徴とする。
上記共有部分に異常がある場合、第2の直列接続体(の一部)と監視ユニットと検出手段とによって閉ループ回路が形成されるおそれがある。そしてこの場合、検出手段の検出結果によっては、上記接続経路の異常の有無を診断することができない。ただし、この場合、監視ユニットを経由して第2の直列接続体と検出ユニット間に電流が流れる際に監視ユニットにおいて電圧降下が生じることなどに起因して、監視ユニット内で監視される監視結果が、上記異常に対応したものとなる。上記発明では、この点に着目し、監視結果に基づき異常の有無を診断することができる。
特に、上記共有部分に異常がある場合において、監視ユニットを経由して電流が流れる際の監視ユニットの監視結果は、例えば電池セルの充電状態に異常がある場合等の監視ユニットの監視結果と一致するおそれがある。ただし、上記共有部分に異常がある場合において監視ユニットを介して電流が流れるのは検出手段と第2の直列接続体とが電気的に接続状態とされたときである。このため、他の要因による監視結果との一致は、接続状態とされてから生じるものである。上記発明では、検出手段と第2の直列接続体とが電気的に接続状態とされた後の所定のタイミングと、その前及び後の少なくとも一方との間の監視結果の変化に着目することで、監視結果が上記他の要因に起因するものであるのか上記共有部分の異常に起因するものであるのかを好適に区別することができる
なお、上記処理は、上記第2の直列接続体と前記検出手段とを導通及び遮断する導通制御手段を備えることで実現することができる。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記検出手段は、検出対象とする前記第2の直列接続体を複数有して且つ、これら複数のうちの2つの第2の直列接続体の両端の電圧を検出するに際しての前記フライングキャパシタの充電極性が互いに逆となるものであり、前記診断手段は、前記フライングキャパシタの充電極性が逆となるような電圧検出処理がなされる際に前記診断を行うことを特徴とする。
フライングキャパシタの充電極性が逆となる際には、フライングキャパシタを介して流れる電流量も多く、またこの電流の流動時間も比較的長くなる。このため、検出手段と第2の直列接続体とが接続状態とされる際の監視結果の変化が顕著に生じやすく、また、この変化がある程度継続する。このため、上記共有部分の異常の有無をいっそう高精度に診断することができる。
なお、上記充電極性が互いに逆となるような処理を可能とする具体的な構成としては、前記複数の第2の直列接続体を前記検出手段に選択的に接続するマルチプレクサを備えることで行うことができる。
以下、本発明にかかる組電池の状態監視装置をハイブリッド車に搭載される組電池の状態監視装置に適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、上記組電池及び状態監視装置の構成を示す。
以下では、まず図1に示す状態監視装置による状態監視機能について説明し、その後、状態監視装置の静電破壊保護機能、状態監視装置の備える断線検出機能について順に説明する。
<状態監視機能について>
組電池10は、複数(ここではm×n個)のリチウム2次電池(電池セルB11〜Bnm)の直列接続体として構成されている。組電池10は、ブレーキ時の制動エネルギ等を車載発電機により電力回収する際の受け皿として機能するとともに、蓄えた電力を、DC−DCコンバータを介して低圧(例えば「12V」)の車載バッテリに供給するものである。また、組電池10は、車両加速時にはモータでエンジンをアシストする際の電力供給源として機能する。
一方、状態監視装置12は、「m(≧2)」個ずつの電池セルB11〜B1m,…,Bn1〜Bnmを、1つのブロックとして、これら各ブロックの両端の電圧を選択的に検出するためのフライングキャパシタ14を備えている。すなわち、フライングキャパシタ14と、各ブロックの電池セルBi1〜Bim(i=1〜n)の両端とは、検出ラインCL1〜CL(n+1)とスイッチング素子SW1〜SW(n+1)とによって、選択的に電気接続可能(導通可能)となっている。この際、互いに隣接するブロックの電池セルBi1〜Bimと電池セルBj1〜Bjm(j=i+1、i=1〜n−1)とでは、その正極と接続されるフライングキャパシタの端子が互いに異なるように設定されている。フライングキャパシタ14の電圧は、スイッチング素子SWa,SWbを介して、電圧検出回路16に取り込まれる。そして、電圧検出回路16によって検出されるフライングキャパシタの両端の電圧が、マイクロコンピュータ(マイコン24)に取り込まれる。
なお、上記スイッチング素子SW1〜SW(n+1)と、スイッチング素子SWa,SWbとは、電池セルの両端電圧の高々数倍の電圧にて低圧駆動されるマイコン24側と高圧の組電池10側とを絶縁する高耐圧の絶縁素子によって構成されている。この高耐圧の絶縁素子は、例えばフォトMOSリレーとすればよい。
更に、状態監視装置12は、ブロックの状態を監視する監視ユニットU1〜Unを備えている。これら各監視ユニットUi(i=1〜n)は、クロック信号CLKを取り込むクロック入力端子T1と、クロック信号CLKを電流に変換して出力するクロック出力端子T2と、隣接する監視ユニットUj(j=i−1)の出力信号を取り込む入力端子T3と、出力信号を出力する出力端子T4とを備えている。
上記マイコン24は、組電池10の各電池セルBijの所定の状態を監視させる旨の指示信号としてのクロック信号CLKを、監視ユニットU1〜Unに出力する。詳しくは、シリアルラインL1及びフォトカプラ26を介して、最上流の監視ユニットU1のクロック入力端子T1にクロック信号CLKを出力する。ここで、フォトカプラ26は、低圧駆動されるマイコン24と、組電池10側との絶縁を取るための素子である。なお、マイコン24の出力信号の論理値と、フォトカプラ26の出力信号の論理値とは互いに逆であるが、以下では、説明の便宜上、クロック信号CLKの論理値を、フォトカプラ26の出力信号の論理値と定義する。
クロック信号CLKが取り込まれると、各監視ユニットUiは、各電池セルBi1〜Bimの状態のうちクロック信号CLKの論理値に応じた状態を監視する。ここで、本実施形態では、論理「L」のときには、各電池セルBi1〜Bimの両端の電圧が、電池セルBi1〜Bimの信頼性の低下を招く過度な高圧である異常状態(過充電状態)にあるか否かを監視する。また、論理「H」のときには、各電池セルBi1〜Bimの両端の電圧が、電池セルBi1〜Bimの信頼性の低下を招く過度な低圧である異常状態(過放電状態)にあるか否かを監視する。そして、監視結果に応じた信号と、隣接する上流の監視ユニットUj(j=i+1)の出力信号との合成信号を出力端子T4から出力する。
上記フォトカプラ26の受光素子のコレクタは、組電池10の正極側と接続されており、受光素子のエミッタからクロック信号CLKが出力される。更に、組電池10の正極側と、電池セルB11〜B1mの負極側との間に、コレクタ及びエミッタが接続されるトランジスタ28が備えられており、そのベースには、クロック信号CLKに応じた信号が取り込まれる。これにより、最上流の監視ユニットU1の入力端子T3には、電池セルB11〜Bnmの状態が正常である旨と対応する信号として、トランジスタ28のコレクタ電圧が印加される。そして、最上流の監視ユニットU1では、入力端子T3に印加される信号と、監視結果とを論理合成した信号を生成し、出力端子T4を介して出力する。
そして、最上流以外の各監視ユニットUi(i=2〜n)は、隣接する上流の監視ユニットU(i−1)のクロック出力端子T2から出力される信号を、クロック入力端子T1を介して取り込む。また、隣接する上流の監視ユニットU(i−1)の出力端子T4から出力される出力信号を、入力端子T3を介して取り込む。そして、クロック入力端子T1から取り込まれる信号に応じて、上記2つの状態のいずれか一方を監視し、監視結果に応じた信号と、入力端子T3から取り込まれた信号とを論理合成した信号を生成し、出力端子T4を介して出力する。
そして、最下流の監視ユニットUnの出力信号は、トランジスタ30のベースに出力される。トランジスタ30のエミッタは、組電池10の負極側と接続されており、トランジスタ30のコレクタは、フォトカプラ32の発光ダイオードを介して、電池セルBn1〜Bnmの正極側と接続されている。これにより、最下流の監視ユニットUnの出力信号が、フォトカプラ32及びシリアルラインL2を介してマイコン24に取り込まれる。このフォトカプラ32も、マイコン24側と組電池10側との絶縁をとるための部材である。
なお、最下流の監視ユニットUnのみは、クロック出力端子T2を有しない構成となっている。
図2に、監視ユニットUi(i=1〜n)の構成を示す。
図示されるように、クロック入力端子T1から取り込まれるクロック信号CLKは、トランジスタ70のベースに入力される。トランジスタ70のコレクタは、ブロック内の電池セルBi1〜Bimの正極側と接続されており、エミッタがクロック出力端子T2と接続されている。これにより、クロック入力端子T1から取り込まれるクロック信号CLKが、クロック出力端子T2を介して下流の監視ユニットUj(j=i+1)へと出力される(ただし、上述したように、最下流の監視ユニットUnは、クロック出力端子T2を備えない)。
また、ブロック内のm個の電池セルBi1〜Bim(i=1〜n)のそれぞれの状態は、検出部40によって検出され、検出結果が2つの信号に集約されて検出合成部50に出力される。検出合成部50では、集約された2つの信号と、クロック信号CLKとを論理合成することで、単一の監視結果信号を生成し、これを合成部60に出力する。合成部60には、監視結果信号に加えて、クロック入力端子T1から取り込まれるクロック信号CLKと、入力端子T3から取り込まれる上流の監視ユニットUj(j=i−1)の出力信号とが取り込まれる(ただし、監視ユニットU1については、入力端子T3から、トランジスタ28のコレクタ電圧が取り込まれる)。詳しくは、入力端子T3には、トランジスタ71のベースが接続されており、ベースに入力される信号に応じて、電池セルBi1〜Bimの両端と接続されるコレクタ及びエミッタ間に電流が流れるようになっている。そして、コレクタの電位が、合成部60に取り込まれる。
合成部60では上記3つの信号が論理合成され、これが、トランジスタ72のベースに出力される。そして、トランジスタ72は、エミッタが電池セルBi1〜Bimの正極側と接続され、コレクタが出力端子T4と接続されている。このため、合成部60の出力信号(電圧信号)は、トランジスタ72によって電流信号に変換されて、外部へと出力されることとなる。
図3に、検出部40の構成を示す。
検出部40は、各電池セルBij(j=1〜m)毎に、その両端の電圧を閾値電圧と比較するコンパレータ41を備えている。コンパレータ41の反転入力端子には、各電池セルBijの負極電位を基準とする基準電圧源42の基準電圧Vrefが印加されている。一方、コンパレータ41の非反転入力端子には、各電池セルBijの両端の電圧の所定の分圧が印加される。そして、この分圧と基準電圧Vrefとによって、閾値電圧が設定されるようになっている。
具体的には、各電池セルBijの両端には、抵抗43,44の直列接続体が接続されており、これら抵抗43及び抵抗44の接続点であるノードNaがコンパレータ41の非反転入力端子と接続されている。また、各電池セルBij(j=1〜m)の正極側には、トランジスタ46のコレクタが接続されており、トランジスタ46のエミッタが抵抗45を介してノードNaと接続されている。そして、トランジスタ46のベースは、ダイオード47、スイッチング素子SWのコレクタ及びエミッタを介して、電池セルBi1〜Bimの負極側と接続されている。
スイッチング素子SWは、クロック信号CLKに応じて駆動される。すなわち、上記クロック入力端子T1は、抵抗74,76を介して電池セルBi1〜Bimの負極側と接続されており、抵抗74,76の接続点がスイッチング素子SWのベースと接続されることで、クロック信号CLKが論理「H」であるときに、スイッチング素子SWが導通状態となる。これにより、トランジスタ46がオンとなるため、ノードNaの電圧が変化する。これは以下の理由による。
今、抵抗43,44,45の抵抗値をそれぞれ抵抗値R1,R2,R3とし、各電池セルBij(j=1〜m)の両端の電圧値を電圧Vとする。このとき、トランジスタ46がオフ状態であるときには、ノードNaの電圧は、「V×R2/(R1+R2)」となる。一方、トランジスタ46がオン状態となると、ノードNaの電圧は、「V×R2/{R1×R3/(R1+R3)+R2}」となる。このように、トランジスタ46がオンとなることで、非反転入力端子に入力される値が上昇する。このため、トランジスタ46をオンさせることで、各電池セルBij(j=1〜m)の両端の電圧と比較する閾値電圧を低下させるのと同一の効果を得ることができる。そして、本実施形態では、クロック信号CLKが論理「H」であるときの閾値電圧VthLを、上記過放電状態と対応する電圧とする。また、クロック信号CLKが論理「L」であるときの閾値電圧VthHを、上記過充電状態と対応する電圧とする。
上記「m」個の各コンパレータ41の出力から、OR回路48によって、それらの論理和信号が生成されるとともに、AND回路49によって、それらの論理積信号が生成される。そして、これら論理和信号及び論理積信号が、上記検出合成部50に出力される。
図4(a)に、検出合成部50の構成を示す。検出合成部50は、上記OR回路48の論理反転信号と上記AND回路49の論理反転信号との論理積信号a1を生成するAND回路52と、クロック信号CLKと上記AND回路49の出力の論理反転信号との論理積信号a2を生成するAND回路54と、クロック信号CLKと上記OR回路48の出力の論理反転信号との論理積信号a3を生成するAND回路56とを備えている。そして、OR回路58では、これら論理積信号a1〜a3の論理和信号OUT1を生成する。
図4(b)に、上記クロック信号CLK、AND回路49の論理積信号AND、OR回路48の論理和信号OR、論理積信号a1〜a3、論理和信号OUT1の関係を示す。図示されるように、クロック信号CLKが論理「L」である過充電状態検出時において、論理和信号OUT1が論理「H」であるときには、電池セルBi1〜Bimの全てが過充電ではなく正常であることを意味する。また、同過充電検出時において、論理和信号OUT1が論理「L」であるときには、電池セルBi1〜Bimのうち少なくとも1つが過充電状態であるか、監視ユニットUiに異常があるかのいずれかであることを意味する。
一方、クロック信号CLKが論理「H」である過放電検出時において論理和信号OUT1が論理「L」であるときには、電池セルBi1〜Bimの全てが過放電ではなく正常であることを意味する。また、同過放電検出時において、論理和信号OUT1が論理「H」であるときには、電池セルBi1〜Bimのうち少なくとも1つが過放電状態であるか、監視ユニットUiに異常があるかのいずれかであることを意味する。
論理和信号OUT1は、1つのブロック内の電池セルBi1〜Bimの状態の監視結果を示す監視結果信号であり、これと、上記入力端子T3から取り込まれる信号とが、上記合成部60にて論理合成される。
図5(a)に、合成部60の構成を示す。
合成部60は、上記論理和信号OUT1と上記入力端子T3から取り込まれる入力信号INとの論理積信号b1を生成するAND回路62と、クロック信号CLKと上記入力端子T3から取り込まれる入力信号INとの論理積信号b2を生成するAND回路64と、クロック信号CLKと上記論理和信号OUT1の論理積信号b3を生成するAND回路66とを備えている。そして、OR回路68では、これら論理積信号b1〜b3の論理和信号である出力信号OUT2を生成する。
図5(b)に、上記クロック信号CLK、入力端子T3から取り込まれる入力信号IN、論理和信号OUT1、論理積信号b1〜b3、出力信号OUT2の関係を示す。図示されるように、クロック信号CLKが論理「L」である過充電状態検出時において、出力信号OUT2が論理「H」であるときには、当該監視ユニットUi及びその上流の監視ユニットUj(j=1〜i−1)の監視対象とする電池セルBj1〜Bjm(j=1〜i)の全てが過充電ではなく正常であることを意味する。また、同過充電検出時において、出力信号OUT2が論理「L」であるときには、上記監視対象とする電池セルBj1〜Bjm(j=1〜i)のうち少なくとも1つが過充電状態であるか、監視ユニットUj(j=1〜i)に異常があるかのいずれかであることを意味する。
一方、クロック信号CLKが論理「H」である過放電検出時において出力信号OUT2が論理「L」であるときには、当該監視ユニットUi及びその上流の監視ユニットUj(j=1〜i−1)の監視対象とする電池セルBj1〜Bjm(j=1〜i)の全てが過放電ではなく正常であることを意味する。また、同過放電検出時において、出力信号OUT2が論理「H」であるときには、上記監視対象とする電池セルBj1〜Bjm(j=1〜i)のうち少なくとも1つが過放電状態であるか、監視ユニットUj(j=1〜i)に異常があるかのいずれかであることを意味する。
監視ユニットUiを上記構成とし、先の図1に示したマイコン24によって、シリアルラインL1を介してクロック信号CLKを出力することで、過充電状態及び過放電状態の2つの状態のいずれかを監視するように指示することができる。そして、マイコン24では、監視結果を、シリアルラインL2を介して取り込むことができる。
<状態監視装置の静電気保護機能について>
上記各監視ユニットUiは、集積回路(IC)としてチップ化されて構成されている。詳しくは、先の図1の破線で囲った部分が、チップ化されて構成されている。そしてこの場合、各監視ユニットUiを極力小型化するなどの目的から、各監視ユニットUiの耐圧は、各ブロック内の電池セルBi1〜Bimの電圧に応じて設定されている。しかし、この場合、例えば状態監視装置の製造時等において、監視ユニットUiの端子が何らかの部材と接触する際に静電気が生じることで、監視ユニットUiの端子に耐圧を超える電圧が印加されるおそれがある。
そこで本実施形態では、監視ユニットUiの各端子に、監視ユニットUiの内部の回路(素子)を静電気に起因する過電圧の印加から保護する保護機能を設けている。具体的には、例えば、先の図3に示すように、監視ユニットUiと、ブロック内の各電池セルBi1〜Bimの両電極間とを接続するための端子間に、ダイオードD9が設けられている。これにより、ブロック内の各電池セルBi1〜Bimの両電極間を接続するための端子と接触する部材の電位が過度に高かったり低かったりした場合であっても、監視ユニットUi内の回路(素子)を保護することができる。
<状態監視装置の断線検出機能について>
上述したように、上記状態監視装置12は、実際には先の図1に示す破線で囲った部材が同一基板上に形成されている。ここで、組電池10を構成する電池セルBijの両端と、監視ユニットUiやフライングキャパシタ14とを接続する接続箇所にはコネクタC等が必要となる関係上、この接続箇所が多くなるほど部品点数の増加や、組電池10及び状態監視装置12の大型化を招くこととなる。そこで、本実施形態では、図1に示されるように、電池セルBijの電極と状態監視装置12とを接続する接続箇所は、同一の電極については唯一つとするようにする。換言すれば、ブロックの両端の電池セルBi1、Bimと監視ユニットUiとを接続する箇所と、同電池セルBi1,Bimとフライングキャパシタ14とを接続する接続箇所とを、共有化する。具体的には、各電池セルBi1の正極及び電池セルBimの負極について、これと、状態監視装置12の基板側とを単一のコネクタCにて接続する。これにより、状態監視装置12や組電池10の大型化を回避することができ、また部品点数の増加を抑制することができる。
ただし、こうした構成の場合、電池セルBi1又はBimと監視ユニットUiとの接続経路と電池セルBi1又はBimとフライングキャパシタ14との接続経路との共有部分に断線が生じる場合、これをフライングキャパシタ14の電圧によっては検出することができなくなる。換言すれば、上記電池セルBi1の正極側と検出ラインCLiが接続されるコネクタCとの間の接続経路の断線や、上記電池セルBimの負極側と検出ラインCL(i+1)が接続されるコネクタCとの間の接続経路の断線が生じる場合などには、これをフライングキャパシタ14の電圧によっては検出することができなくなる。
図6(a)に、電池セルBi1〜Bimの両端の電圧をフライングキャパシタ14によって検出する際において、検出ラインCLiに接続されるコネクタC及び電池セルBi1の正極側の接続経路が断線した場合を示す。この場合、監視ユニットUiが迂回経路となって、電池セルBi2〜Bimと検出ラインCLiとが接続される。詳しくは、上記電池セルBi1に並列接続されるダイオードD9が迂回経路となって、電池セルBi2〜Bimと検出ラインCLiとが接続される。このため、フライングキャパシタ14の両端には、電池セルBi2〜Bimの両端の電圧が印加される。このため、フライングキャパシタ14は、電池セルBi2〜Bimの両端の電圧程度まで充電される。したがって、電池セルBi1〜Bimの両端の電圧を検出する処理時において、電池セルBi2〜Bimの両端の電圧に応じた電圧が検出されることとなるため、これは電池セルBi1〜Bimの両端の電圧としてはやや低いと認識される可能性はあるにせよ、上記断線であると判断することはできない。
同様に、図6(b)には、電池セルBi1〜Bimの両端の電圧をフライングキャパシタ14によって検出する際において、検出ラインCL(i+1)に接続されるコネクタC及び電池セルBimの負極側の接続経路が断線した場合を示す。この場合、監視ユニットUiが迂回経路となって、電池セルBi1〜Bi(m−1)と検出ラインCL(i+1)とが接続される。詳しくは、上記電池セルBimに並列接続されるダイオードD9が迂回経路となって、電池セルBi1〜Bi(m−1)と検出ラインCL(i+1)とが接続される。このため、フライングキャパシタ14の両端には、電池セルBi1〜Bi(m−1)の両端の電圧が印加される。このため、フライングキャパシタ14は、電池セルBi1〜Bi(m−1)の両端の電圧程度まで充電される。したがって、電池セルBi1〜Bimの両端の電圧を検出する処理時において、電池セルBi1〜Bi(m−1)の両端の電圧に応じた電圧が検出されることとなるため、これは電池セルBi1〜Bimの両端の電圧としてはやや低いと認識される可能性はあるにせよ、上記断線であると判断することはできない。
そこで本実施形態では、上記ダイオードD9に電流が流れるというまさにそのことを利用して断線の有無を診断する。図7に、本実施形態にかかる断線の有無の診断原理を示す。詳しくは、図7(a)に、先の図6(a)に示した断線時におけるフライングキャパシタ14の電圧の推移を示し、図7(b)に、先の図6(a)に示すノードN1−N2間の電圧の推移を示す。
図中、実線及び一点鎖線にて示されるように、スイッチング素子SW1〜SW(n+1)を備えて構成されるマルチプレクサMPXが切り替えられることで、フライングキャパシタ14の電圧が上昇する。ここで、フライングキャパシタ14の充電は、先の図6(a)に示した電池セルBi1に並列接続されるダイオードD9を介して電流が流れることでなされるため、フライングキャパシタ14の充電時において、ノードN2に対するノードN1の電圧は、ダイオードD9のオン時の電圧Vf程度低下する。したがって、ノードN2に対するノードN1の電圧が上記過放電状態を検出するための閾値電圧VthLを下回ることとなる。ただし、この状態は、フライングキャパシタ14の電圧が安定することでダイオードD9に電流が流れなくなると解消される。このため、マルチプレクサを切り替えることで電池セルBi1〜Bimの電圧を検出すべくフライングキャパシタ14の充電を開始する際に一時的に過放電状態が検出される場合に、検出ラインCLiに接続されるコネクタC及び電池セルBi1の正極端子間の接続経路の異常と判断することができる。
図8に、本実施形態にかかる断線の有無の診断処理の手順を示す。この処理は、マイコン24によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図8においては、検出ラインCLiに接続されるコネクタC及び電池セルBi1の正極端子間の接続経路の異常の有無を診断する処理を想定している。
この一連の処理では、まずステップS10において、スイッチング素子SW(i−1)及びスイッチング素子SWiのオン操作による電圧検出処理が完了しているか、スイッチング素子SW(i+1)及びスイッチング素子SW(i+2)のオン操作による電圧検出処理が完了しているかを判断する。この処理は、電池セルBi1〜Bimの両端の電圧を検出する際とは逆の充電極性にて、フライングキャパシタ14の充電がなされているか否かを判断するものである。ここで、先の図1に示すように、本実施形態では、隣接するブロック同士で、これらの電圧を検出する際のフライングキャパシタ14の充電極性が逆となるように検出ラインCL1〜CL(i+1)とフライングキャパシタ14とを接続する構成を採用している。このため、検出ラインCLiに接続されるコネクタC及び電池セルBi1の正極端子間の接続経路の異常の有無を診断するに先立ち、隣接するブロックの電圧検出処理が完了していることを条件とすることで、フライングキャパシタ14の充電極性を予め逆としておくことができる。
ステップS10において肯定判断される場合には、ステップS12において、監視ユニットUiに対して過放電検出指令を出す。続くステップS14においては、過放電状態が検出されたか否かを判断する。この処理は、検出ラインCLiに接続されるコネクタC及び電池セルBi1の正極端子間の接続経路の異常の有無の診断が可能か否かを判断するものである。すなわち、電池セルBi1〜Bimの電圧の検出処理に先立ち、既にいずれかの電池セルB11〜Bnmにおいて過放電状態が検出されているなら、スイッチング素子SWi,SW(i+1)のオン操作に伴う過放電状態の有無に基づき断線の有無を診断することができない。
上記ステップS14において過放電状態でないと判断される場合には、上記断線の有無の診断が可能と判断して、ステップS16に移行する。ステップS16においては、スイッチング素子SWi,SW(i+1)をオン操作する。続くステップS18では、監視ユニットUiに対して過放電検出指令を出す。そして、ステップS20においては、過放電状態であるか否かを判断する。なお、この処理は、実際には、検出ラインCLiの抵抗値やフライングキャパシタ14の静電容量によって定まるフライングキャパシタ14の充電の時定数に基づき、過放電状態が検出されると想定される期間(先の図7に示す検出可能期間)に限ってなされる。
そして、ステップS20において過放電状態があると判断される場合には、ステップS22において、検出ラインCLiに接続されるコネクタC及び電池セルBi1の正極端子間の接続経路の断線と判断する。
なお、上記ステップS22の処理が完了する場合や、ステップS10,S20において否定判断される場合、ステップS14において肯定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)フライングキャパシタ14及び電池セルBi1〜Bimが電気的に接続状態とされた後の所定のタイミングとその前との間の監視ユニットUiによる監視結果の変化に基づき、断線の有無を診断した。これにより、他の要因による過放電状態であるのか否かを好適に区別しつつ、監視結果を利用して断線の有無を診断することができる。
(2)電圧を検出する手段を、フライングキャパシタ14を備えて構成した。これにより、フライングキャパシタ14及び電池セルBi1〜Bimが接続状態とされる際の監視結果の変化が顕著に生じやすいため、上記接続経路の異常の有無を高精度に診断することができる。
(3)フライングキャパシタ14の充電極性が逆となるような電圧検出処理がなされる際に断線の有無を診断した。これにより、フライングキャパシタ14及び電池セルBi1〜Bim間を接続状態とした際にフライングキャパシタ14を介して流れる電流量が多く、またこの電流の流動時間(図7に示した検出可能期間)も比較的長くなる。このため、上記接続経路の異常の有無をいっそう高精度に診断することができる。
(4)比較対象とする電池セルBijの電圧を閾値電圧と比較するコンパレータ41を備えて監視ユニットUiを構成した。これにより、比較的簡素な構成にて監視ユニットUiを構成することができる。
(5)監視ユニットUiに、当該監視ユニット内部を静電気による過電圧から保護する静電気保護手段としてのダイオードD9を備えた。これにより、静電気による監視ユニットUiの信頼性の低下を好適に回避できるものの、これが、フライングキャパシタ14と電池セルとを接続する迂回経路を構成する傾向にある。このため、本実施形態では、先の図8に示す処理の利用価値が特に高いものとなっている。
(6)組電池10の電池セルBij同士を接続する接続経路における監視ユニットUiとの接続箇所とフライングキャパシタ14との接続箇所とを共有した。これにより、部品点数の増加や、組電池10及び状態監視装置12の大型化、コストアップ等を抑制することができるものの、この場合、監視ユニットUiがフライングキャパシタ14と電池セルとを接続する迂回経路を構成する傾向にある。このため、本実施形態では、先の図8に示す処理の利用価値が特に高いものとなっている。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態では、マルチプレクサ(スイッチング素子SWi,SW(i+1))による電池セルBi1〜Bimとフライングキャパシタ14との接続に先立ち過放電状態が生じていない場合に、断線の有無の診断を行ったがこれに限らない。例えば、マルチプレクサ(スイッチング素子SWi,SW(i+1))による電池セルBi1〜Bimとフライングキャパシタ14との接続後、一旦過放電状態が検出された後、過放電状態が解消することを条件に断線である旨判断してもよい。これによっても、監視ユニットUiの異常や電池セルの異常と断線とを適切に区別することができる。
・上記実施形態では、断線の有無を診断すべく、マルチプレクサ(スイッチング素子SWi,SW(i+1))による電池セルBi1〜Bimとフライングキャパシタ14とを接続するに先立ち、フライングキャパシタ14を予め逆極性に充電しておいたがこれに限らない。例えば、フライングキャパシタ14に並列にリセットスイッチを設けておき、上記接続に先立ちリセットスイッチによって予めフライングキャパシタ14の電荷を放電させておいてもよい。先の図7の1点鎖線は、この場合の電圧の挙動を示している。この場合であっても、断線している場合には上記接続によって監視ユニットUiに比較的大きな電流が流れるため、断線の有無の診断を適切に行うことができる。
・上記実施形態では、電池セルBi1〜Bimの両端とフライングキャパシタ14とを接続する際に監視ユニットUiによって一時的に過放電状態が検出される場合に、検出ラインCLiと電池セルBi1とを接続する接続経路に異常があると判断したがこれに限らない。例えば監視ユニットUiによる過充電状態を利用して、検出ラインCL(i+1)と電池セルBimとを接続する接続経路に異常があると判断してもよい。図9に、検出ラインCL(i+1)及び電池セルBim間を接続する接続経路に異常がある場合についての電池セルBi1〜Bimの両端とフライングキャパシタ14とを接続する際のフライングキャパシタ14の電圧及び監視ユニットUi内の検出電圧の推移を示す。なお、図9(a)はフライングキャパシタ14の電圧の推移を示し、図9(b)は、先の図6(b)に示すノードN3及びノードN4間の電圧の推移を示す。この場合、先の図6(b)に示した経路にて電池セルBimに並列接続されたダイオードD9を介して電流が流れることから、ノードN3、N4間の電圧が電池セルBimの正極電圧と、ダイオードD9の閾値電圧の「1/2」との和となる。このため、過充電状態を検出するための閾値電圧VthH以上となり過充電状態と判断される。ただし、図9に示すように、フライングキャパシタ14の充電が進行するにつれて、ノードN3,N4間の電圧が低下し、過充電状態を検出する閾値電圧VthHを下回るようになる。
・上記実施形態では、監視ユニットUiのクロック出力端子T2を介して出力されるクロック信号CLKや出力端子T4を介して出力される出力信号等を、隣接する監視ユニットUj(j=i+1)に出力したがこれに限らない。例えば監視ユニットU(i+2)に出力してもよい。この場合、最下流の監視ユニットU(n−1)とUnとのそれぞれの出力信号をマイコン24に出力すればよい。
・監視ユニットUiによる状態の監視結果の伝達手法としては、上記実施形態で例示したものに限らない。例えば電池セルBi1〜Bimを指定し、これについての過充電状態及び過放電状態を監視する機能を備えてもよい。これは、クロック信号として、いずれの電池セルBi1〜Bimとするかの情報及び過充電状態及び過放電状態のいずれかを指定する情報が周波数変調により重畳された信号を用いるとともに、各監視ユニットUiにおいて、クロック信号を復調する機能を備えることで行うことができる。また、監視ユニットUiを各電池セルBij毎に設けてもよい。
・各監視ユニットUiが過充電や過放電についての監視結果を隣接する監視ユニットUiに出力する構成に限らず、例えばフォトカプラ等の絶縁手段を介して直接低圧系(マイコン24)に出力するようにしてもよい。
・監視ユニットUiとしては、電池セルBi1〜Bimのそれぞれの電圧と閾値電圧とを比較する比較手段を備えるものに限らない。例えばアナログ/ディジタル変換器(A/D変換器)を備え、各電池セルの両端の電圧をディジタルデータとして低圧系に出力するものであってもよい。この場合、例えば図7(b)に示す電圧の推移に着目し、ノードN2に対するノードN1の電圧が負になることに基づき、断線であると診断してもよい。
・上記実施形態では、監視ユニットUiの監視対象となる電池セルBi1〜Bimについて、その両端の電圧をフライングキャパシタによって検出するようにしたが、これに限らない。例えば隣接する2つの監視ユニットUi,U(i+1)の監視対象とする電池セルの両端の電圧を検出するようにしてもよい。
・電池セルBi1〜Bimの両端の電圧を検出する検出手段としては、単一のフライングキャパシタを備えるものに限らず、例えばフライングキャパシタ及び差動増幅回路を2つずつ備えるものであってもよい。更に、電池セルBi1〜Bimの両端の電圧を検出する検出手段としては、フライングキャパシタを備えるものに限らない。例えばマルチプレクサによって電池セルBi1〜Bimの両端と選択的に接続される差動増幅回路と、差動増幅回路の出力を低圧系に出力するフォトカプラ等の絶縁手段とを備えて構成してもよい。
・電池セルとしては、リチウム2次電池に限らない。要は、監視ユニットを備えるものにあっては、フライングキャパシタ14及び電池セルBi1〜Bim間の接続経路の断線時に監視ユニットが迂回経路となることでフライングキャパシタ14及び電池セルBi1〜Bimを備える閉ループ回路が構成されるおそれがあるため、本発明の適用が有効である。
・上記実施形態では、状態監視装置をハイブリッド車に搭載したが、これに限らず、例えば電気自動車に搭載してもよい。
一実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態の監視ユニットの構成を示す図。 同実施形態の検出部の構成を示す図。 同実施形態の検出合成部の構成及び動作を示す図。 同実施形態の合成部の構成及び動作を示す図。 同実施形態におけるフライングキャパシタ及びブロック間の接続経路の断線の有無の診断に関する問題点を説明する図。 同実施形態における上記接続経路の断線の有無の診断原理を示すタイムチャート。 同実施形態における上記接続経路の断線の有無の診断処理の手順を示す流れ図。 同実施形態の変形例における上記接続経路の断線の有無の診断原理を示すタイムチャート。
符号の説明
10…組電池、12…状態監視装置、14…フライングキャパシタ、16…電圧検出回路、24…マイコン(診断手段の一実施形態)、Bi1〜Bim…ブロック(第1及び第2の直列接続体の一実施形態)。

Claims (2)

  1. 複数個の電池セルが直列接続されて構成される組電池を、単一の電池セル及び隣接するいくつかからなる電池セルのいずれかである第1の直列接続体にグループ化して且つ、これら各第1の直列接続体毎にその状態を監視する監視ユニットと、隣接する前記電池セルのいくつかからなる第2の直列接続体の両端の電圧を検出する検出手段とを備える組電池の状態監視装置において、
    前記第2の直列接続体は、前記第1の直列接続体と同一またはこれを包含するものであり、
    前記監視ユニットは、前記状態の監視として、前記第2の直列接続体を構成する電池セル数よりも少ない数の電池セル毎のそれぞれの一対の端子に接続された配線間の電圧と閾値電圧とを比較する比較手段の比較結果に基づき、過充電状態または過放電状態であるか否かを判断する処理を行なうものであり、
    前記検出手段は、フライングキャパシタと、該フライングキャパシタの両端の電圧を検出する電圧検出回路とを備えて構成され、前記第2の直列接続体と前記フライングキャパシタとを選択的に電気接続可能なものであり、
    前記組電池の電池セル同士を接続する接続箇所と前記監視ユニット及び前記検出手段のそれぞれとの接続経路は共有部分を有し、
    前記第2の直列接続体の両端の電圧を検出すべくこれと前記検出手段とが接続状態とされる期間における前記第2の直列接続体を構成する電池セルについての前記監視ユニットによる監視結果に基づき、前記共有部分の異常の有無を診断する診断手段を備え、
    前記監視ユニットにおいては、当該監視ユニット内部を静電気による過電圧から保護する静電気保護手段としてのダイオードが、前記過充電状態または過放電状態の判断対象となる前記少ない数の電池セルであって且つ前記共有部分に接続されるものに逆並列接続されており、
    前記フライングキャパシタと前記第2の直列接続体とが接続状態とされる場合、該フライングキャパシタ、第2の直列接続体を構成する電池セルのうちの前記逆並列接続されるダイオードに並列接続される電池セルを除いた部分、および該逆並列接続されるダイオードを備えるループ回路が、該ダイオードがオン状態となることで閉ループ回路となり、
    前記診断手段は、前記フライングキャパシタと前記第2の直列接続体とが接続状態とされることで前記監視ユニットにおいて一時的に過充電状態または過放電状態のいずれかが検出される場合に前記共有部分の異常と診断することを特徴とする組電池の状態監視装置。
  2. 前記検出手段は、検出対象とする前記第2の直列接続体を複数有して且つ、これら複数のうちの2つの第2の直列接続体の両端の電圧を検出するに際しての前記フライングキャパシタの充電極性が互いに逆となるものであり、
    前記診断手段は、前記フライングキャパシタの充電極性が逆となるような電圧検出処理がなされる際に前記診断を行うことを特徴とする請求項記載の組電池の状態監視装置。
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