JP4894719B2 - 光導波路 - Google Patents

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本発明は、ポリマ材料で形成される光導波路に関するものである。
インターネットに代表される光通信の高速処理のニーズとは別に、装置内で大量の画像情報を伝送する分野などにおいて、光伝送を採用することによって、高速処理や電磁ノイズ回避を実現するニーズが高まっている。これには、LSIやICチップ間を従来の電気伝送に替えて光で伝送しようという装置内光コネクションが重要な技術となっている。
そしてこの分野では、長距離光通信で使用されているような、波長1.3μmや1.5μm台の波長を用いる断面径が10μm以下のシングルモード導波路ではなく、導波路の光入出力部と受発光素子の位置合せが容易になる断面径が30〜100μmのマルチモード導波路が最適であり、このようなマルチモード導波路において、光の損失が小さく、量産性に優れ、電気回路基板との一体化が容易なポリマ導波路の実用が望まれている。
このようなポリマ導波路を作製するポリマ材料としては、透明性が高い熱可塑性樹脂や光あるいは熱で硬化する硬化性樹脂が使用されている。
しかし、アクリル樹脂、PET、シクロオレフィンポリマなど熱可塑性樹脂を用いる場合(例えば、特許文献1等参照)、熱可塑性樹脂は高温が作用すると溶融するため、半田付けに耐えることができないものであり、また熱可塑性樹脂は接着力が低いため、層間密着性の高い光導波路を作製することが難しいものであり、実用化が困難であるという問題がある。
一方、硬化性樹脂は耐熱性が高く、層間密着性も良好であるので、ポリマ材料として硬化性樹脂を用いることが主流になっている。
例えば、特許文献2には、オキセタン樹脂、エポキシ樹脂、光重合開始剤を含有する液状の光硬化性樹脂をクラッド用やコア用のポリマ材料として用い、この光硬化性樹脂液を塗布して形成した後に、パターン露光、現像を行なってコアを形成する工程を有する工法で、光導波路を作製する技術が開示されている。
また特許文献3には、多官能の反応性オリゴマーと光重合開始剤を含有する液状の光硬化性エポキシ樹脂をクラッド用やコア用のポリマ材料として用い、この光硬化性エポキシ樹脂液を塗布して形成した後に、パターン露光、現像を行なってコアを形成する工程を有する工法で、光導波路を作製する技術が開示されている。
特開平1−302308号公報 特開2001−343539号公報 特許第3063903号公報
しかし、上記の特許文献2,3のように、ポリマ材料として液状の光硬化性樹脂を用いる場合、光硬化性樹脂液を塗布する塗工工程が必要となり、生産性に問題を有するものであった。また特許文献2,3のものでは、光硬化性樹脂液の塗布層にパターン露光をした後に現像を行なうにあたって、有機溶剤を用いて現像を行なう必要があり、有機溶剤は引火・爆発のおそれや作業環境での人体に対する悪影響があるという問題もあった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ラミネートプロセスにより生産性高く製造することができると共に、また有機溶剤を用いることなく現像を行なってコアを形成することができ、しかも光の損失が小さい光導波路を提供することを目的とするものである。
本発明に係る光導波路は、クラッドと、クラッド内のコアとから形成される光導波路において、クラッドは、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、固形ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、及びカチオン硬化開始剤を含有するエポキシ樹脂組成物で形成される硬化性フィルムをラミネートした後に硬化することによって作製されるものであり、コアは、3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂、固形ビスフェノール型エポキシ樹脂、及び光カチオン硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物で形成される光硬化性フィルムをラミネートした後に、パターン露光し、露光されていない部分を水系フラックス洗浄剤を用いて除去する現象処理をすることによって作製されるものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、クラッド用の硬化性フィルムと、コア用の光硬化性フィルムを用いて、ラミネートプロセスにより生産性高く光導波路を形成することができると共に、有機溶剤を用いることなく現像を行なってコアを形成することができ、しかも光の損失が小さく、フレキシブルな光導波路を形成することができるものである。
また本発明は、上記のコア用の光硬化性フィルムを形成するエポキシ樹脂組成物に、フェノキシ樹脂をも含有することを特徴とするものである。
この発明によれば、光の損失がより小さい光導波路を形成することができるものである。
また本発明は、上記のコア用の光硬化性フィルムを形成するエポキシ樹脂組成物に、式(1)の化学構造を有するエポキシ樹脂をも含有することを特徴とするものである。
Figure 0004894719
この発明によれば、光の損失がより小さい光導波路を形成することができるものである。
また本発明は、上記のクラッド用の硬化性フィルムを形成するエポキシ樹脂組成物に、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物をも含有することを特徴とするものである。
この発明によれば、光の損失がより小さい光導波路を形成することができるものである。
本発明によれば、クラッド用の硬化性フィルムと、コア用の光硬化性フィルムを用いて、ラミネートプロセスにより生産性高く光導波路を形成することができると共に、有機溶剤を用いることなく現像を行なってコアを形成することができ、しかも光の損失が小さく、フレキシブルな光導波路を形成することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明において、クラッドを形成するために使用される硬化性フィルムは、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、固形ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、及びカチオン硬化開始剤を含有するエポキシ樹脂組成物によって形成されるものである。
上記のポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルを含有することによって、その分子構造に起因する優れた柔軟性を硬化物に発現することができ、クラッドのTgを下げて光導波路のフレキシブル化が容易になるものであり、かつ屈折率を低くすることができると共に透明性を高くすることができ、光損失を低減することができるものである。また硬化性フィルムのタック性(粘着性)を高めて層間の密着性を向上することができるものである。ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルの含有量が多くなり過ぎると、Tgが低くなり過ぎて耐熱性が低下したり、タック性が強くなり過ぎて取り扱いに問題が生じたりするので、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルの含有量は、樹脂分全量に対して5〜20質量%の範囲が好ましい。
このポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルとしては、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルなどを用いることができる。
また上記の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を含有することによって、クラッドのTgを下げて光導波路のフレキシブル化が容易になるものであり、かつ屈折率を低くすることができると共に透明性を高くすることができ、光損失を低減することができるものである。この水添ビスフェノール型エポキシ樹脂として、常温で液状のもの、常温で固形のもの、いずれでも使用することができるので、液状のものを用いることによって硬化性フィルムのタック性を高めることができ、また固形のものを用いることによって硬化性フィルムのタック性を下げることができ、硬化性フィルムのタック性を調整することができるものである。水添ビスフェノール型エポキシ樹脂の含有量は、樹脂分全量に対して20〜50質量%の範囲が好ましい。
この水添ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールE型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールS型エポキシ樹脂などを用いることができる。
また上記の常温(室温)で固形である固形ビスフェノール型エポキシ樹脂を含有することによって、硬化物の脆さを抑えてクラッドの強靭性を高めることができると共にTgを低めに調整することができ、光導波路のフレキシブル化が容易になるものであり、かつ屈折率を低くすることができると共に透明性を高くすることができ、光損失を低減することができるものである。また硬化性フィルムのタック性が低くなるように調整することもできる。固形ビスフェノール型エポキシ樹脂の含有量は、樹脂分全量に対して10〜40質量%の範囲が好ましい。
この固形ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、固形ビスフェノールF型エポキシ樹脂、固形ビスフェノールE型エポキシ樹脂、固形ビスフェノールS型エポキシ樹脂などを用いることができる。
また上記のフェノキシ樹脂を含有することによって、硬化物の脆さを抑えてクラッドの強靭性を高めることができると共にTgを低めに調整することができ、光導波路のフレキシブル化が容易になるものであり、かつ屈折率を低くすることができると共に透明性を高くすることができ、光損失を低減することができるものである。また、硬化性フィルムを作製する際に調製する溶剤溶液(ワニス)の粘度が高くなるように調整することができ、硬化性フィルムの作製が容易になるものであり、また硬化性フィルムのタック性を低く抑えるように調整することもできるものである。フェノキシ樹脂の含有量が多くなり過ぎると、ワニスのチクソ性が高くなって硬化性フィルムを作製する際の塗工性に適さなくなるので、フェノキシ樹脂の含有量は、樹脂分全量に対して10〜25質量%の範囲が好ましい。
また、エポキシ樹脂組成物に硬化性を付与するための硬化開始剤として、上記のようにカチオン硬化開始剤を含有することによって、クラッドの透明性を高めることができ、光損失を低減することができるものである。このカチオン硬化剤としては、光によってのみ硬化を開始できる光カチオン硬化開始剤、熱によってのみ硬化を開始できる熱カチオン硬化開始剤、光によっても熱によっても硬化を開始できる光・熱カチオン硬化開始剤があるが、これらのいずれのものも使用することができ、またこれらを単独で使用する他に複数種を併用してもよい。カチオン硬化開始剤の含有量は必要に応じて設定されるが、一般に、樹脂分全量に対して0.5〜2質量%の範囲が好ましい。
上記の樹脂成分や硬化開始剤の各材料を組み合わせて調製したエポキシ樹脂組成物から硬化性フィルムを作製し、この硬化性フィルムを硬化させることによって、透明性に優れ、且つフレキシブル性の高いクラッドを、ラミネート時のボイドの混入少なく作製することができるものであり、光損失が小さく、フレキシブルな光導波路のクラッドを得ることができるものである。
クラッド形成用の硬化性フィルムを作製するエポキシ樹脂組成物は、上記の成分が必須であるが、上記の成分の他に、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物を含有することが好ましい。このものは常温で液体の透明な脂環式エポキシであり、硬化物のTgを高めに調整することができ、またクラッドの屈折率を低くすることができると共に透明性を高くすることができるものであり、光損失を低減することができるものである。2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物の含有量は、樹脂分全量に対して3〜15質量%の範囲が好ましい。3質量%未満であると、含有による効果を十分に得ることができないものであり、逆に15質量%を超えると、硬化物の柔軟性が低下し、クラッドの耐屈曲性が低下するので、フレキシブル光導波路を作製する上で好ましくない。
クラッド形成用の硬化性フィルムを作製するエポキシ樹脂組成物には、さらに、本発明の趣旨を阻害ない範囲で、各種エポキシ樹脂、各種オキセタン樹脂、各種のアクリレートやメタクリレートなど反応性二重結合を有する化合物、各種の液状又は固形のゴム状物質などを含有することもできるものであり、また増感剤や表面調整剤(レベリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤)などを含有することもできるものである。
次に、本発明において、コアを形成するために使用される光硬化性フィルムは、3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂、固形ビスフェノール型エポキシ樹脂、及び光カチオン硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物で形成されるものである。
上記の3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂を含有することによって、コアの透明性を高くすることができ、光損失を低減することができるものである。またタック性が強くなるように調整することができ、硬化過程において速い硬化速度を有する光硬化性フィルムを得ることができるものであり、さらに分子構造に応じてTgを高くしたり低くしたりすることができ、硬化物のTgを調整することができるものである。また、光硬化性フィルムをパターン露光・現像して導波路のコアを作製する際に、コアの両側面は現像によって荒れが発生し易く、このコアの両側面で光が散乱してクラッドへと逃げ易くなって光導波損失が一般に生じるが、3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂を含有することによってコアのこの側面の部分の屈折率がコア内部よりも低下する現象がみられ、コアの両側面からクラッドへと逃げる光の量が少なくなって光導波損失を低減することができるものである。3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂の含有量は、樹脂分全量に対して5〜20質量%の範囲が好ましい。
この3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂としては、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどを用いることができる。
また上記の常温で液状である液状ビスフェノール型エポキシ樹脂を含有することによって、硬化物の脆さを抑えてコアの強靭性を高めることができると共にTgを低めに調整することができ、光導波路のフレキシブル化が容易になるものであり、かつ屈折率を高くすることができると共に透明性を高くすることができ、光損失を低減することができるものである。また硬化性フィルムのタック性が強くなるように調整することもできる。液状ビスフェノール型エポキシ樹脂の含有量は、樹脂分全量に対して10〜40質量%の範囲が好ましい。
この液状ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールE型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールS型エポキシ樹脂などを用いることができる。
また上記の常温で固形である固形ビスフェノール型エポキシ樹脂を含有することによって、硬化物の脆さを抑えてコアの強靭性を高めることができると共にTgを低めに調整することができ、光導波路のフレキシブル化が容易になるものであり、かつ屈折率を高くすることができると共に透明性を高くすることができ、光損失を低減することができるものである。また硬化性フィルムのタック性が低くなるように調整することもできる。固形ビスフェノール型エポキシ樹脂の含有量は、樹脂分全量に対して40〜80質量%の範囲が好ましい。
この固形ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、固形ビスフェノールF型エポキシ樹脂、固形ビスフェノールE型エポキシ樹脂、固形ビスフェノールS型エポキシ樹脂などを用いることができる。
また、エポキシ樹脂組成物に光硬化性を付与するための光硬化開始剤として、上記のように光カチオン硬化開始剤を含有することによって、コアの透明性を高めることができ、光損失を低減することができるものである。光カチオン硬化剤の含有量は必要に応じて設定されるが、一般に、樹脂分全量に対して0.5〜2質量%の範囲が好ましい。
上記の樹脂成分や硬化開始剤の各材料を組み合わせて調製したエポキシ樹脂組成物から光硬化性フィルムを作製し、この硬化性フィルムをパターン露光して現像することによって、透明性に優れ、且つフレキシブル性の高いコアを、ラミネート時のボイドの混入少なく作製することができるものであり、光損失が小さく、フレキシブルな光導波路のコアを得ることができるものである。また上記のエポキシ樹脂組成物から作製した光硬化性フィルムは、水系フラックス洗浄剤を現像液として用いて現像することができるものであり、現像に有機溶剤を用いる必要がなくなって、引火・爆発の問題や作業環境での人体に対する悪影響の問題を回避することができるものである。
コア形成用の硬化性フィルムを作製するエポキシ樹脂組成物は、上記の成分が必須であるが、上記の成分の他に、フェノキシ樹脂を含有させるようにするのが好ましい。フェノキシ樹脂を含有することによって、硬化物の脆さを抑えてコアの強靭性を高めることができると共にTgを低めに調整することができ、光導波路のフレキシブル化が容易になるものであり、かつ屈折率を高くすることができると共に透明性を高くすることができ、光損失を低減することができるものである。特に、このように硬化物の脆さを抑えてコアの強靭性を高めることができるため、露光・現像してパターン状に形成したコアのエッジに欠けや傷など物理的損傷が発生することを防ぐことができるものであり、導波路損失を低減することができるものである。また、光硬化性フィルムを作製する際に調製する溶剤溶液(ワニス)の粘度が高くなるように調整することができ、光硬化性フィルムの作製が容易になるものであり、さらに光硬化性フィルムのタック性を低く抑えるように調整することもできるものである。フェノキシ樹脂の含有量は、樹脂分全量に対して1〜5質量%の範囲が好ましい。1質量%未満であると、フェノキシ樹脂を含有することによる効果を十分に得ることができないものであり、逆に5質量%を超えると、水系フラックス洗浄剤で現像を行なうことが難しくなるので、好ましくない。
またコア形成用の光硬化性フィルムを作製するエポキシ樹脂組成物には、上記の成分の他に、上記の式(1)の化学構造を有するエポキシ樹脂を含有させるようにするのが好ましい。この式(1)の化学構造を有するエポキシ樹脂を含有することによって、透明性の高いコアを形成できるものであり、光損失の小さい光導波路を形成することができるものである。この式(1)の化学構造を有するエポキシ樹脂を含有しない場合には、エポキシ樹脂組成物の組成によってはベンゼン環の有無や分子量の違いなどにより、作製した光硬化性フィルムの透明性が霞んで低下するが、式(1)の化学構造を有するエポキシ樹脂を含有することで光硬化性フィルムの透明性が高まることから、式(1)の化学構造を有するエポキシ樹脂は光硬化性フィルムを形成するエポキシ樹脂同士の相溶化剤として作用していると考えられるものであり、そしてこのような特殊な作用によって、エポキシ樹脂はミクロな相分離のない硬化物となってコアが形成されるものであり、光導波損失を低減できるものと考えられる。式(1)の化学構造を有するエポキシ樹脂の含有量は、樹脂分全量に対して5〜20質量%が好ましい。
コア形成用の光硬化性フィルムを作製するエポキシ樹脂組成物には、さらに、本発明の趣旨を阻害ない範囲で、各種エポキシ樹脂、各種オキセタン樹脂、各種のアクリレートやメタクリレートなど反応性二重結合を有する化合物、各種の液状又は固形のゴム状物質などを含有することもできるものであり、また増感剤や表面調整剤(レベリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤)などを含有することもできるものである。
上記のエポキシ樹脂組成物を用いてクラッド用の硬化性フィルムやコア用の光硬化性フィルムを作製するにあたって、エポキシ樹脂組成物を溶剤に溶解して溶剤溶液(ワニス)を調製し、このワニスを剥離フィルムの表面にコーターで塗布し、これを乾燥することによって行なうことができる。
次に、このクラッド用の硬化性フィルムとコア用の光硬化性フィルムを用いて光導波路を製造する方法について説明する。ここで、クラッド用硬化性フィルムの屈折率は、コア用光硬化性フィルムの屈折率よりも低く形成されるものである。
まず、フレキシブルプリント配線基板など回路11が形成されたフレキシブルな基板11の表面に図1(a)のようにクラッド用硬化性フィルム1をラミネートし、次に紫外線などの光照射や加熱をしてクラッド用硬化性フィルム1を硬化させることによって、図1(b)のように、基板11の表面にアンダークラッド3aを積層して形成する。
次に、アンダークラッド3aの表面にコア用光硬化性フィルム2をラミネートし、図1(c)のようにコアパターンのスリット12が形成されたマスク13を重ね、スリット12を通して紫外線など光硬化が可能な光を照射することによって、コア用光硬化性フィルム2にコアパターンで露光する。このように露光した後、コア用光硬化性フィルム2を現像処理して、露光されていない部分のコア用光硬化性フィルム2を除去することによって、露光して光硬化されたコア4を図1(d)のようにパターン形状でアンダークラッド3aの表面に形成する。ここで本発明では、現像液として水性フラックス洗浄剤を用いて現像を行なうことができる。また露光は、このようにマスク13を用いて光照射することによって行なう他に、レーザ光をパターン形状に走査して照射する直接描画方式で行なうこともできる。
この後、クラッド用硬化性フィルム1をラミネートして、コア4を覆うようにアンダークラッド3aの上に図1(e)のように重ね、光照射や加熱をしてクラッド用硬化性フィルム1を硬化させることによって、図1(f)のようにオーバークラッド3bを積層して形成する。
このようにして、アンダークラッド3aとオーバークラッド3bからなるクラッド3内にコア4が埋入された光導波路Aを基板10の表面に形成することができるものである。そしてこの光導波路Aは、フレキシブルに形成されるものであり、基板10として回路11を有するフレキシブルプリント配線基板を用いることによって、光電複合フレキシブル配線板を得ることができるものである。
上記のようにして光導波路Aを製造するにあたって、クラッド3やコア4はクラッド用硬化性フィルム1やコア用光硬化性フィルム2をラミネートするラミネートプロセスで製造を行なうことができ、塗工のような工程を必要とすることなく、生産性高く光導波路Aを製造することができるものである。またクラッド3やコア4はクラッド用硬化性フィルム1やコア用光硬化性フィルム2によって、均一で精度が高い厚みで形成することができるものである。
尚、図1(d)のようにコア用光硬化性フィルム2を現像してコア4を形成する際に、現像液がアンダークラッド3aに作用し、アンダークラッド3aが現像液で膨潤したり、アンダークラッド3aとコア4が層間剥離したりすることがあるが、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物を含有するエポキシ樹脂組成物で作製したクラッド用硬化性フィルム1を用いてアンダークラッド3aを形成することによって、このような膨潤や層間剥離の発生を防ぐことができるものである。このように膨潤や層間剥離を防ぐことができるのは、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物は、多官能な脂環式エポキシ樹脂であって、グリシジルエーテル型ではない外部エポキシであるという化学構造式に起因していると考えられる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(クラッド用硬化性フィルムとコア用光硬化性フィルムの作製)
各材料として次のものを用いた。
(1)ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル
・ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル:東都化成(株)製「PG207N」
(2)3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂
・3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート:ダイセル化学工業(株)製「セロキサイド2021P」
・ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート:ダイセル化学工業(株)製「セロキサイド2081」
(3)水添ビスフェノール型エポキシ樹脂
・液状の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン(株)製「YX8000」
・固形の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン(株)製「YL7170」
(4)固形ビスフェノール型エポキシ樹脂
・固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1006FS」
・固形ビスフェノールF型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート4007」
(5)液状ビスフェノール型エポキシ樹脂
・液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂:大日本インキ化学工業(株)製「エピクロン830S」
・液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂:大日本インキ化学工業(株)製「エピクロン850S」
(6)フェノキシ樹脂
・東都化成(株)製「YP50」
(7)式(1)のエポキシ樹脂
・三井化学(株)製「VG−3101」
(8)2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物のエポキシ樹脂
・ダイセル化学工業(株)製「EHPE3150」
(9)光カチオン硬化開始剤
・(株)アデカ製「SL−170」(SbF 系スルホニウム塩)
(10)熱カチオン硬化開始剤
・三新化学工業(株)製「SI−150L」(SbF 系スルホニウム塩)
(11)表面調整剤
・大日本インキ化学工業(株)製「F470」
(12)溶剤
・トルエン
・MEK
上記の材料を表1の配合に従って、ガラス容器に秤取し、還流下60℃で溶解した後、目開き1μmのPTFE製メンブランフィルターで濾過することによって、ワニスを調製した。そしてこのワニスを離型フィルム(帝人デュポン社製PETフィルム「OX−50」)の表面にヒラノテクシード社製のコンマコーターヘッドのマルチコーターを用いて塗布し、これを乾燥することによって、厚み10μmと厚み50μmのクラッド用硬化性フィルム1、及び厚み40μmのコア用光硬化性フィルム2を作製した。
尚、表1において、クラッド用硬化性フィルム1を作製するエポキシ樹脂組成物のうち、請求項1の要件を満たす組成を「クラッド実施例組成1」〜「クラッド実施例組成3」、請求項1の要件を満たさない組成を「クラッド比較例組成1」と表示し、コア用光硬化性フィルム2を作製するエポキシ樹脂組成物のうち、請求項1の要件を満たす組成を「コア実施例組成1」〜「コア実施例組成4」、請求項1の要件を満たさない組成を「コア比較例組成1」と表示した。
そして上記のクラッド用硬化性フィルム1とコア用光硬化性フィルム2の屈折率とTg(ガラス転移温度)を測定し、結果を表1に示す。
屈折率の測定は次のようにして行なった。上記と同様にして離型フィルムの表面に厚み80μmになるように作製したフィルムを、30mm×10mm×厚み4mmの高屈折率ガラス板(屈折率1.6)の平滑面に、加圧式真空ラミネーター(ニチゴー・モートン(株)製「V−130」)を用いて60℃、0.2MPaの条件でラミネートし、超高圧水銀灯で2J/cmの条件で紫外光を照射して露光して、離型フィルムを剥した後、150℃で1時間加熱処理を行なった。そしてフィルムの表面を平滑にするために研磨し、アタゴ社製の屈折率測定装置にてフィルムの屈折率を測定した。
またTgの測定は次のようにして行なった。上記と同様にして離型フィルムの表面に厚み80μmになるように作製したフィルムに、超高圧水銀灯で2J/cmの条件で紫外光を照射して露光し、100℃で5分間の加熱処理を行なった後、離型フィルムを剥し、さらにフィルムのみを150℃で1時間加熱処理した。この硬化済みのフィルムを5mm×50mmの大きさにカットし、粘弾性スペクトロメータ(セイコー電子工業(株)製「DMS200」)を用いて、複素弾性率(E”)のピーク温度をTgとして測定した。
Figure 0004894719
(実施例1)
厚み25μmのポリイミドフィルムの両面に厚み12μmの銅箔を積層したフレキシブル両面銅張積層板(松下電工(株)製「FELIOS(R−F775)」)を用い、片面の銅箔にパターニングを施して回路11を形成すると共に、他の片面の銅箔をエッチングして除去することによって、130mm×130mmの外形サイズのフレキシブルプリント配線基板からなる、図2(a)のようなフレキシブル基板10を作製した。そして140mm×140mm×厚み2mmのガラス板16の全面に再剥離タイプ両面粘着テープ17(寺岡製作所(株)製「No.7692」)の強粘着面を、加圧式真空ラミネーター(ニチゴー・モートン(株)製「V−130」)を用いて60℃、0.2MPaの条件でラミネートし、さらに両面粘着テープ17の弱粘着面にフレキシブル基板10の回路11を形成した面を真空ラミネーター「V−130」で同条件でラミネートすることによって、ガラス板16にフレキシブル基板10を図2(b)のように仮接着した。
次に、厚み10μmのクラッド用硬化性フィルム1として「クラッド実施例組成1」のものを用い、フレキシブル基板10の回路11を形成していない側の表面にこのクラッド用硬化性フィルム1を、真空ラミネーター「V−130」で上記と同条件で図2(c)のようにラミネートした。そして超高圧水銀灯で2J/cmの条件で紫外光をクラッド用硬化性フィルム1に照射し、さらに離型フィルムを剥した後に150℃で30分間熱処理し、また酸素プラズマ処理を施して、クラッド用硬化性フィルム1が硬化したアンダークラッド3aを形成した。
次に、厚み40μmのコア用光硬化性フィルム2として「コア実施例組成1」のものを用い、このコア用光硬化性フィルム2をアンダークラッド3aの表面に、真空ラミネーター「V−130」で上記と同条件で図2(d)のようにラミネートした。そして幅40μm、長さ120mmの直線パターンのスリット12を形成したネガマスク13をコア用光硬化性フィルム2の表面に重ね、超高圧水銀灯で3J/cmの条件で紫外光を照射することによって露光し、光硬化性フィルム1のスリット12に対応する部分を光硬化させた。
次に光硬化性フィルム1から離型フィルムを剥離した後、140℃で2分間熱処理を行ない、さらに現像液として55℃に調整した水系フラックス洗浄剤(荒川化学工業(株)製「パインアルファST−100SX」)を用いて現像処理することによって、光硬化性フィルム1の未露光部分を溶解除去し、さらに水で仕上げ洗浄してエアブローした後、100℃で10分間乾燥することによって、図2(e)のようにコア4を形成した。またこのように現像処理を行なった後の、アンダークラッド3aの表面状態を目視観察し、コア4の外観を実体顕微鏡で観察した。結果を表2に示す。
次に、図2(f)のようにコア4の両端から10mmの箇所に、導波光を90°偏向させるためのマイクロミラー19を形成した。すなわち、まず切削刃の頂角が90°の回転ブレード(ディスコ社製「#5000」ブレード)を用い、回転数10000rpm、移動速度0.1mm/sの条件で、コア1の両端からそれぞれ10mmの位置を横切るように移動させることによって、深さ50μmのV溝20を加工し、次に「クラッド実施例組成3」のワニスをトルエン:MEK=3:7の溶剤で50倍に希釈した溶液をV溝20にブラシで薄く塗布し、100℃で30分間乾燥した後に超高圧水銀灯で1J/cmの条件で紫外光を照射して露光し、さらに120℃で10分間熱処理を行なうことによって、V溝20の平滑化を行なった。この後、V溝20の部分のみが開口されたメタルマスクを被せて金を真空蒸着することによって、V溝20の表面に1000Å厚の金薄膜でマイクロミラー19を形成した。
次に、厚み50μmのクラッド用硬化性フィルム1として「クラッド実施例組成1」のものを用い、コア4の上からこのクラッド用硬化性フィルム1を、真空ラミネーター「V−130」で80℃、0.3MPaの条件で図2(g)のようにラミネートした。そして120℃で30分間熱処理した後、超高圧水銀灯で2J/cmの条件で紫外光をクラッド用硬化性フィルム1に照射し、さらに離型フィルムを剥した後に150℃で30分間熱処理し、クラッド用硬化性フィルム1を硬化させてオーバークラッド3bを形成した。
このようにコア4の上に形成したオーバークラッド3bの表面を酸素プラズマ処理した後、カバーレイフィルム21(松下電工(株)製「ハロゲンフリーカバーレイフィルムR−CAES」:ポリイミド製、厚み125μm、接着層15μm厚)をオーバークラッド3bの表面に、真空ラミネーター「V−130」で120℃、0.3MPaの条件で図2(h)のようにラミネートし、160℃で1時間加熱して硬化させた。
そして、図2(i)のように、両面粘着テープ17の弱粘着面からガラス板16を剥離してルーターで切り出すことによって、アンダークラッド3aとオーバークラッド3bからなるクラッド3内にコア4が埋入されて形成される光導波路Aが、回路11付のフレキシブル基板10の表面に設けられた構成の光電複合フレキシブル配線板Bを得た。尚、この光電複合フレキシブル配線板Bにおいて、光導波路Aに入射して出射される導波光の光路を図2(i)に矢印で示す。
(実施例2〜10、比較例1〜3)
クラッド用硬化性フィルム1とコア用光硬化性フィルム2として、表2に示す組み合わせで用いるようにした他は、上記の実施例1と同様にして、光電複合フレキシブル配線板Bを得た。
上記のようにして得た実施例1〜10、比較例1〜3の光電複合フレキシブル配線板Bについて、光損失の測定と耐屈曲性の測定を行なった。結果を表2に示す。
光損失の測定は次のようにして行なった。光電複合フレキシブル配線板Bのフレキシブル基板10の表面に、コア4の一方の端部のマイクロミラー19に対応する箇所においてコア径10μm、NA0.21の光ファイバーの端部をシリコーンオイルのマッチングオイルを介して接続すると共に、コア4の他方の端部のマイクロミラー19に対応する箇所においてコア径200μm、NA0.4の光ファイバーの端部をマッチングオイルを介して接続し、850nm波長のLED光源からの光をコア径10μm、NA0.21の光ファイバーから光導波路Aに入射させ、コア径200μm、NA0.4の光ファイバーを通して出射される光のパワー(P)をパワーメータで測定した。一方、この両者の光ファイバーの端面同士を突き当てて光導波路Aが介在しない状態での光のパワー(P)をパワーメータで測定した。そして、−10log(P/P)の計算式から、光電複合フレキシブル配線板Bに設けたマイクロミラー19付きの光導波路Aの挿入損失を求めた。結果を表2の「光導波路の挿入損失(1)」の欄に示す。
また、光電複合フレキシブル配線板Bの光導波路Aの部分のみの光損失を測定するために、図3に示すように、光電複合フレキシブル配線板Bの両端部のマイクロミラー19の部分を切り落とし、長さが100mmで、両端部に40μm×40μmのコア4の端面が露出する光導波路Aが形成されるようにし、上記と同様に、コア4の各端面にそれぞれ光ファイバーを接続して、光導波路Aを通して出射される光のパワー(P)と、光導波路Aが介在しない状態での光のパワー(P)を測定し、−10log(P/P)の計算式から、光導波路Aの挿入損失を求めた。結果を表2の「光導波路の挿入損失(2)」の欄に示す。
耐屈曲性の測定は次のようにして行なった。光電複合フレキシブル配線板Bを曲率半径2mmで、片面ずつ交互に90°の角度で繰り返して折り曲げる屈曲試験を10万回行ない、屈曲試験の前後で上記の「光導波路の挿入損失(1)」と同じ測定を行なって、挿入損失を測定した。そして屈曲試験の前後で損失増分が1dB以下であるものを「○」、1dBを超えるものを「×」と評価した。
Figure 0004894719
表2にみられるように、「クラッド実施例組成1」〜「クラッド実施例組成3」のクラッド用硬化性フィルムと、「コア実施例組成1」〜「コア実施例組成4」のコア用光硬化性フィルムを組み合わせて用いた各実施例のものは、光導波路の損失が小さく、耐屈曲性が高いものであった。
また、「コア実施例組成1」のコア用光硬化性フィルムを用いた実施例1、実施例5、実施例8では、現像時にコアのエッジ部の一部に欠けが発生することがあり、光導波路の損失がわずかながら悪くなっているが、フェノキシ樹脂を含有する「コア実施例組成2」〜「コア実施例組成4」のコア用光硬化性フィルムを用いた実施例2〜実施例4、実施例6、実施例7、実施例9、実施例10では、このようなコアの欠けがなく、光導波路の損失の小さいものであった。さらに実施例4や実施例10では、式(1)のエポキシ樹脂を含有する「コア実施例組成4」のコア用光硬化性フィルムを用いているため、樹脂の相溶性が高まって透明性が向上し、光導波路の損失はさらに優れたものになっている。
また、「クラッド実施例組成1」のクラッド用硬化性フィルムを用いた実施例1〜実施例4では、現像後にアンダークラッドの表面に膨潤が発生することがあり、光導波路の特性に悪影響を与える可能性があるが、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物を含有する「クラッド実施例組成2」、「クラッド実施例組成3」のクラッド用硬化性フィルムを用いた実施例5〜実施例10では、このような膨潤の現象は発生しないものであった。
また、「クラッド実施例組成2」と「クラッド実施例組成3」の違いは、前者が光カチオン硬化開始剤と熱カチオン硬化開始剤を併用し、後者が光カチオン硬化開始剤を単独使用する点であるが、これらのクラッド用硬化性フィルムを用いた実施例5〜実施例10ではいずれも、同様の光導波路の損失特性が得られており、加熱によって硬化させる必要がある場合や、光照射の前に加熱で硬化が開始しないことが必要である場合など、加工工程の必要に応じて使い分けできることが確認される。
本発明の実施の形態の一例における、光導波路の製造の工程を示すものであり、(a)乃至(f)はそれぞれ断面図である。 実施例での製造の工程を示すものであり、(a)乃至(i)はそれぞれ断面図である。 光導波路の挿入損失(2)を測定するための、光導波路の断面図である。
符号の説明
1 クラッド用硬化性フィルム
2 コア用光硬化性フィルム
3 クラッド
4 コア

Claims (4)

  1. クラッドと、クラッド内のコアとから形成される光導波路において、クラッドは、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、固形ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、及びカチオン硬化開始剤を含有するエポキシ樹脂組成物で形成される硬化性フィルムをラミネートした後に硬化することによって作製されるものであり、コアは、3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂、固形ビスフェノール型エポキシ樹脂、及び光カチオン硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物で形成される光硬化性フィルムをラミネートした後に、パターン露光し、露光されていない部分を水系フラックス洗浄剤を用いて除去する現象処理をすることによって作製されるものであることを特徴とする光導波路。
  2. コア用の光硬化性フィルムを形成するエポキシ樹脂組成物には、フェノキシ樹脂をも含有することを特徴とする請求項1に記載の光導波路。
  3. コア用の光硬化性フィルムを形成するエポキシ樹脂組成物には、式(1)の化学構造を有するエポキシ樹脂をも含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路。
    Figure 0004894719
  4. クラッド用の硬化性フィルムを形成するエポキシ樹脂組成物には、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物をも含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光導波路。
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