JP5399671B2 - 光電複合基板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂材料で形成される光導波路と電気回路が設けられた光電複合基板及びその製造方法に関するものである。
インターネットに代表される光通信の高速処理のニーズとは別に、装置内で大量の画像情報を伝送する分野に光伝送を採用し、高速処理や電磁ノイズ回避を実現しようというニーズが高まっている。これにはLSIやICチップの間を従来の電気伝送に替えて光で伝送する装置内インターコネクションが重要な技術となる。この分野では、長距離光通信で使用されている、波長1.3μmや1.5μm台の波長を用いる断面が10μm以下のシングルモード導波路ではなく、光導波路の光入出力部と受発光素子の位置合せを容易にするために断面が30〜100μmのマルチモード導波路が最適である。
そして、装置内に高速伝送を形成するには、マルチモード導波路が最適であるが、低速伝送も必要であり、また電源回路は必ず必要である。このため、光導波路(光回路)と電気回路が一体となった光電複合基板が望まれている。
このような光導波路と電気回路を複合化した光電複合基板としては、電気回路を設けたプリント配線板を用い、プリント配線板の基板に透明樹脂をクラッドやコアとして積層することによって光導波路を形成するようにしたものが従来から提案されている(例えば特許文献1、特許文献2等参照)。
このような光電複合基板において、プリント配線板の基板にその電気回路に接続した状態で受発光素子が実装されるものであり、基板にスルーホール等を形成すると共に、コアに45°の傾斜面などを加工してミラーを形成し、スルーホールを通して受発光素子とミラーとを光学的に結合することによって、光導波路による光伝送が行なわれるようになっている。
国際公開WO01/01176号パンフレット 特開2004−20767号公報
プリント配線板の基板は一般に光を透過させないために、上記のようにスルーホール等を基板に加工し、受発光素子と光導波路との間の光の受け渡しをスルーホール等を通して行なうようにしているのである。
そしてプリント配線板の基板にスルーホールを形成する加工は、基板に光導波路を形成する前に行なう必要があるが、このように基板にスルーホールが開口していると、基板の表面にクラッド用の樹脂やコア用の樹脂を順次積層するビルドアップ工法で光導波路を形成する場合、スルーホールの部分で光導波路に凹凸が生じるために、ミラーの形成が困難になる。このために光導波路をビルドアップ工法で形成することができず、別の工程で光導波路を形成しておき、この光導波路をプリント配線板の基板に転写するという無駄の多い工法を採用せざるを得ないものであった。また敢えてビルドアップ工法を採用する場合には、プリント配線板の基板に形成したスルーホールを透明体で埋めたり、仮埋めしたりして基板の表面をフラットにした後に、クラッド用の樹脂やコア用の樹脂を積層するようにする必要があり、工数が増えることになるという問題があった。
また、プリント配線板の基板の表面にビルドアップ工法で光導波路を作製するにあたっては、基板の表面に透明樹脂を第1のクラッドとして積層した後、第1のクラッドより屈折率が高い透明樹脂を第1のクラッドの表面に積層してコアを形成し、さらにコアの上から第1のクラッドと同じ屈折率の透明樹脂を第1のクラッドの表面に積層して第2のクラッドを形成することによって行なわれており、透明樹脂を3層に積層する必要があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、プリント配線板の基板にスルーホール等を設ける必要がなく、また光導波路を2層の透明樹脂の積層で形成することができる光電複合基板及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る光電複合基板は、ガラス繊維の屈折率をnとすると、n+0.03〜n+0.06の範囲の屈折率を有する高屈折率樹脂と、n−0.04〜n−0.08の範囲の屈折率を有する低屈折率樹脂とを混合して、ガラス繊維基材と略同じ屈折率に調整した樹脂組成物をガラス繊維基材に含浸・硬化して作製される透明基板1の片面に電気回路2を設けて形成されるプリント配線板3、及び、透明基板1を第1のクラッドCL1として、透明基板1より屈折率が高い透明樹脂4をこの透明基板1の電気回路2を設けていない面に積層して形成され、電気回路2に接続して透明基板1の電気回路2を設けた面に実装される受発光素子5の受発光面6に対応する箇所において、光路を受発光面6の方向に偏向させるミラー7を設けたコアCOと、透明基板1と屈折率が略同じ透明樹脂8を透明基板1の電気回路2を設けた面と反対側の面にコアCOの上から積層して形成され、コアCOを被覆する第2のクラッドCL2とを備えた光導波路9を具備して成ることを特徴とするものである。
この発明によれば、透明基板1に電気回路2を設けて形成されるプリント配線板3を用いることで、コアCOのミラー7とプリント配線板3に実装した受発光素子5の受発光面6との光学的な結合を、透明基板1を通して行なうことができるものであり、光学的結合のためにスルーホールをプリント配線板3に設けるような必要がなくなるものである。またビルドアップ工法で光導波路9を形成するにあたって、プリント配線板3の透明基板1を第1のクラッドCL1として、コアCO用の透明樹脂4と第2のクラッドCL2用の透明樹脂8を積層することによって、2層の透明樹脂4,8の積層で光導波路9を形成することができるものである。
また本発明は、第2のクラッドCL2の上記プリント配線板3と反対側の面に、第2のプリント配線板10が積層されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、光電複合基板の両面にプリント配線板3,10を配置して設けることができ、電気伝送路を増加することができるのは勿論、寸法安定性を高めて信頼性を向上することができるものである。
また本発明は、上記の第2のプリント配線板10の基板11は、第2のクラッドCL2と略同じ屈折率の透明基板であることを特徴とするものである。
この発明によれば、第2のプリント配線板10の基板11によって第2のクラッドCL2の一部を形成するようにすることができ、第2のクラッドCL2の厚みを薄く形成することができるものである。
また本発明は、コアCOのミラー7に対応する箇所、受発光素子5の実装部を除いて、上記プリント配線板3の透明基板1の電気回路2を形成した面をソルダーレジスト12で被覆したことを特徴とするものである。
この発明によれば、コアCOのミラー7に光を入出力させるのに必要な部分を除いて透明基板1の表面をソルダーレジスト12で覆うことができ、ノイズとなる光が透明基板1を通してコアCOに入ることを防いで、ノイズの発生を低減することができるものである。
本発明に係る光電複合基板の製造方法は、ガラス繊維の屈折率をnとすると、n+0.03〜n+0.06の範囲の屈折率を有する高屈折率樹脂と、n−0.04〜n−0.08の範囲の屈折率を有する低屈折率樹脂とを混合して、ガラス繊維基材と略同じ屈折率に調整した樹脂組成物をガラス繊維基材に含浸・硬化して作製される透明基板1の片面に電気回路2を設けて形成されるプリント配線板3を用い、透明基板1を第1のクラッドCL1として、透明基板1の電気回路2を設けていない面に、透明基板1より屈折率が高い透明樹脂4を積層すると共にパターニング加工してコアCOを形成する工程と、電気回路2に接続して透明基板1の電気回路2を設けた面に実装される受発光素子5の受発光面6に対応する箇所において、電気回路2を透明基板1を通して見ながら、電気回路2を基準に位置決めした位置でコアCOを加工して光路を受発光面の方向に偏向させるミラー7を形成する工程と、透明基板1と屈折率が略同じ透明樹脂8を透明基板1の電気回路2を設けた面と反対側の面にコアCOの上から積層して、コアを被覆する第2のクラッドを形成する工程とから、光導波路9を形成することを特徴とするものである。
この発明によれば、透明基板1に電気回路2を設けて形成されるプリント配線板3を用いることで、コアCOのミラー7とプリント配線板3に実装した受発光素子5の受発光面6との光学的な結合を、透明基板1を通して行なうことができるので、光学的結合のためにスルーホールをプリント配線板3に加工する必要がなくなるものであり、またプリント配線板3の透明基板1を第1のクラッドCL1として、コアCO用の透明樹脂4と第2のクラッドCL2用の透明樹脂8を積層することで、2層の透明樹脂4,8をビルドアップすることによって光導波路9を形成することができるものである。しかも、コアCOにミラー7を形成するにあたっては、受発光素子5を接続する電気回路2を透明基板1を通して見ながら位置合せをして行なうことができるものであり、ミラー7の形成を位置精度高く行なうことができるものである。
本発明によれば、透明基板1に電気回路2を設けて形成されるプリント配線板3を用いることで、コアCOのミラー7とプリント配線板3に実装した受発光素子5の受発光面6との光学的な結合を、透明基板1を通して行なうことができるものであり、光学的結合のためにスルーホールをプリント配線板3に設けるような必要がなくなるものである。またビルドアップ工法で光導波路8を形成するにあたって、プリント配線板3の透明基板1を第1のクラッドCL1として、コアCO用の透明樹脂4と第2のクラッドCL2用の透明樹脂8を積層することによって、2層の透明樹脂4,8の積層で光導波路9を形成することができるものであり、光導波路9を少ない工数で形成することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明で用いるプリント配線板3は、透明基板1の片面に電気回路2を設けることによって形成されるものである。
そしてこの透明基板1は、ガラス繊維より屈折率の大きい高屈折率樹脂と、ガラス繊維より屈折率の小さい低屈折率樹脂とを混合して、屈折率がガラス繊維の屈折率に近似するように調整した樹脂組成物を用い、この樹脂組成物をガラス繊維基材に含浸・硬化することによって、作製することができるものである。
上記のガラス繊維より高屈折率の樹脂として、シアネートエステル樹脂を用いるのが好ましい。シアネートエステル樹脂は、1分子中に2個以上のシアネート基を有するシアネートエステル化合物が3量化でトリアジン環を生成して重合したものであり、シアネートエステル化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアナートフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)エタン等、あるいはこれらの誘導体など、芳香族シアネートエステル化合物を用いることができる。これらは単独で用いる他、複数種を組み合わせて用いるようにしてもよい。このシアネートエステル樹脂は剛直な分子骨格を有するものであり、このため、硬化物に高いガラス転移温度を与えるものである。またシアネートエステル樹脂は常温で固形であるので、後述のように樹脂組成物をガラス繊維の基材に含浸して乾燥することによってプリプレグを調製する際に、指触乾燥することが容易になるので、プリプレグの取り扱い性が良好になるものである。
ここで、ガラス繊維の屈折率が例えば1.56である場合、高屈折率樹脂として用いるシアネートエステル樹脂は屈折率が1.6前後のものが好ましく、ガラス繊維の屈折率をnとすると、n+0.03〜n+0.06の範囲のものであることが望ましい。尚、本発明において、樹脂の屈折率は、いずれも硬化した樹脂の状態での屈折率をいうものであり、ASTM D542で試験した値である。
一方、上記のガラス繊維より低屈折率の樹脂としては、低屈折率であれば任意のエポキシ樹脂を用いることができるが、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。ガラス繊維の屈折率が例えば1.56である場合、この低屈折率のエポキシ樹脂としては屈折率が1.5前後のものが好ましく、ガラス繊維の屈折率をnとすると、n−0.04〜n−0.08の範囲のものであることが望ましい。
低屈折率の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂において、ビスフェノール型としては、ビスフェノールA型の他に、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型などを用いることもできる。
また、低屈折率の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、常温で固形の固形型水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。常温で液状の液状型水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を使用することもできるが、プリプレグを調製する際に、指触で粘着性のある状態にまでしか乾燥することができず、プリプレグの取り扱い性が悪くなるので、固形型水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を使用するのが好ましいのである。さらに、低屈折率のエポキシ樹脂として、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂以外のものを併用することも可能であり、例えば1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを含むエポキシ樹脂を併用することができる。このエポキシ樹脂は屈折率を微調整するために併用するものであり、また常温で固体であるために透明基板1の成形を容易にするためにも最適な樹脂である。
そして、上記の高屈折率のシアネートエステル樹脂と、低屈折率の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂などエポキシ樹脂とを混合して、ガラス繊維の屈折率に近似した樹脂組成物を調製して用いるものである。高屈折率のシアネートエステル樹脂と低屈折率のエポキシ樹脂の混合比率は、ガラス繊維の屈折率に近似させるように、任意に調整されるものである。ここで、樹脂組成物の屈折率はガラス繊維の屈折率にできるだけ近いことが望ましいが、ガラス繊維の屈折率をnとすると、n−0.02〜n+0.02の範囲で近似するように調整するのが好ましい。
またこの樹脂組成物は、その硬化樹脂のガラス転移温度(Tg)が170℃以上になるように調製されるのが好ましい。ガラス転移温度が170℃以上であることによって、透明基板1の耐熱性を高めることができるものである。ガラス転移温度の上限は特に設定されるものではないが、実用的には280℃程度がガラス転移温度の上限である。ガラス転移温度の調整は、樹脂組成物中の上記のシアネートエステル樹脂の配合比率を変えることによって行なうことができるものであり、併用する低屈折率樹脂の種類に左右されるが、樹脂組成物の樹脂分中、シアネートエステル樹脂が約30質量%以上であれば、樹脂組成物のガラス転移温度を170℃以上に調整することができる。ここで、本発明において、ガラス転移温度は、JIS C6481 TMA法に準拠して測定した値である。
さらに樹脂組成物には、硬化開始剤(硬化剤)を配合することができる。この硬化開始剤としては、有機金属塩を用いることができる。そしてこの有機金属塩としては、例えば、オクタン酸、ステアリン酸、アセチルアセトネート、ナフテン酸、サリチル酸等の有機酸と、Zn、Cu、Fe等の金属との塩を挙げることができる。これらは一種を単独で用いる他に、二種以上を併用することもできるが、中でも、オクタン酸亜鉛が好ましい。硬化開始剤としてオクタン酸亜鉛を用いることによって、硬化樹脂のガラス転移温度を高めることができるものである。樹脂組成物中のオクタン酸亜鉛など有機金属塩の含有量は、特に限定されるものではないが、0.01〜0.1PHRの範囲が好ましい。
また硬化開始剤として、カチオン系硬化剤を用いることもできる。このようにカチオン系硬化剤を用いることによって樹脂の透明性を高めることができるものである。カチオン系硬化剤としては、特に限定されるものではないが、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、アンモニウム塩、アルミニウムキレート、三フッ化ホウ素アミン錯体などを用いることができる。樹脂組成物中のカチオン系硬化剤の含有量は、特に限定されるものではないが、0.2〜3.0PHRの範囲が好ましい。
さらに硬化開始剤として、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン、2−エチル−4−イミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−イミダゾール(2E4MZ)などの硬化触媒を用いることもできる。樹脂組成物中の硬化触媒の含有量は、特に限定されるものではないが、0.5〜5PHRの範囲が好ましい。
上記のように高屈折率のシアネートエステル樹脂、低屈折率の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂などエポキシ樹脂、硬化開始剤を配合することによって樹脂組成物を調製することができるものである。この樹脂組成物は、必要に応じて溶剤に溶解乃至分散して樹脂ワニスとして使用するものである。この溶剤としては、特に限定されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジアセトンアルコール、N,N’−ジメチルアセトアミドなどを用いることができる。
一方、ガラス繊維としては、透明基板1の耐衝撃性を高める効果の点からEガラスやNEガラスであることが好ましい。Eガラスは無アルカリガラスとも称され、樹脂強化用ガラス繊維として汎用されるガラスであり、NEガラスはNewEガラスのことである。またガラス繊維には、耐衝撃性を向上させる目的で、ガラス繊維処理剤として通常使用されているシランカップリング剤によって表面処理しておくことが好ましい。ガラス繊維の屈折率は1.55〜1.57の範囲であることが好ましく、1.555〜1.565の範囲であることがさらに好ましい。ガラス繊維の屈折率がこの範囲であれば、視認性に優れた透明基板1を得ることができるものである。ガラス繊維の基材としては、ガラス繊維の織布あるいは不織布を使用することができる。
そしてガラス繊維の基材に樹脂組成物のワニスを含浸し、加熱して乾燥することによって、プリプレグを調製することができる。乾燥条件は特に限定されるものではないが、乾燥温度100〜160℃、乾燥時間1〜10分間の範囲が好ましい。
次にこのプリプレグを1枚、あるいは複数枚重ね、加熱加圧成形することによって、樹脂組成物を硬化させて、透明基板1を得ることができるものである。加熱加圧成形の条件は、特に限定されるものではないが、温度150〜200℃、圧力1〜4MPa、時間10〜120分間の範囲が好ましい。
そしてこのとき、銅箔などの金属箔をプリプレグの片面に重ねた状態で、上記のように加熱加圧成形をすることによって、金属張りの透明基板1を作製することができるものであり、透明基板1の片面に積層した金属箔に露光・エッチング等のプリント配線加工をすることによって電気回路2を形成することができ、図2(a)に示すような、透明基板1の片面に電気回路2を設けたプリント配線板3を得ることができるものである。
ここで、上記のように作製される透明基板1にあって、高屈折率のシアネートエステル樹脂と低屈折率の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂が重合して形成される樹脂マトリクスは、シアネートエステル樹脂を含有することによってガラス転移温度が高いものであり、耐熱性に優れた透明基板1を得ることができるものである。またシアネートエステル樹脂や水添ビスフェノール型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂はいずれも透明性に優れるものであり、高い透明性を確保した透明基板1を得ることができるものである。この透明基板1において、ガラス繊維の基材の含有率は25〜65質量%の範囲であることが好ましく、この範囲であれば、ガラス繊維による補強効果で高い耐衝撃性を得ることができると共に、十分な透明性を得ることができるものである。
またガラス繊維の基材としては、透明性を高く得るために、厚みの薄いものを複数枚重ねて用いるのが好ましい。具体的には、ガラス繊維基材として厚み50μm以下のものを用い、この50μm以下の厚みのガラス繊維基材を2枚以上重ねて使用するのが好ましい。ガラス繊維基材の厚みの下限は特に限定されるものではないが、10μm程度が実用上の下限である。またガラス繊維基材の枚数も特に限定されるものではないが、20枚程度が実用上の上限である。このように複数枚のガラス繊維基材を用いて透明基板1を製造する場合、各ガラス繊維基材に樹脂組成物を含浸・乾燥してプリプレグを作製し、このプリプレグを複数枚重ねて加熱加圧成形することによって透明基板1を得ることができるが、複数枚のガラス繊維基材を重ねた状態で樹脂組成物を含浸・乾燥してプリプレグを作製し、このプリプレグを加熱加圧成形して透明基板1を得るようにしてもよい。
本発明は上記のような透明基板1の片面に電気回路2を設けたプリント配線板3を用いて光電複合基板を製造するものであり、まずこの透明基板1の電気回路2を設けた面と反対側の面に、図2(b)のように透明樹脂4を積層する。この透明樹脂4としては、透明基板1の屈折率よりも高い屈折率を有するものを用いるものであり、透明基板1を形成する樹脂と同系統の樹脂であることが好ましい。透明樹脂4の積層厚みは、特に限定されるものではないが、20〜100μm程度が好ましい。また透明基板1と透明樹脂4の密着性を高めるために、少なくとも一方にプラズマ処理を施しておくのが好ましい。
透明基板1への透明樹脂4の積層は、例えば図3(a)のように、転写フィルム16に透明樹脂4の層をラミネートすると共に透明樹脂4の層の表面にカバーフィルム17を張ったラミネートフィルムを用い、カバーフィルム17を剥がした状態で透明樹脂4の層を透明基板1の表面に貼って転写した後、転写フィルム16を透明樹脂4の層から剥がす、ラミネートの工法で行なうことができる。勿論、これに限定されるものではなく、透明基板1の表面に透明樹脂4のコーティング液をスピンコート、ディップコートなどの塗布法で塗布することによって、透明樹脂4を積層するようにしてもよい。
このように透明基板1の片側表面に透明樹脂4を積層した後、透明樹脂4を図2(c)のようにパターン形状に加工して光導波路9のコアCOを形成する。パターンニング加工は、例えば、未硬化状態の透明樹脂4の表面に光回路パターンを施したマスクを重ね、マスクの上から紫外線等の光を照射することによって、透明樹脂4を光回路パターンの部分のみ硬化させ、現像液で未硬化の部分を溶解除去することによって、透明樹脂4を光回路パターン形状で残すようにして、行なうことができる。現像液としては、有機溶剤を用いることができるものであり、例えばアセトン、イソプロピルアルコール、トルエン、エチレングリコール等を挙げることができる。また特開2007−292964号公報に開示される水系の現像液も良好に使用することができる。現像方法としては、現像液をスプレーにより噴射する方法、超音波洗浄を利用する方法など、任意の方法を採用することができる。
次に、図2(d)のようにコアCOにミラー7を形成する。ミラーは、光導波路の光路を直角に屈曲して、光導波路に光が入出力されるようにするためのものである。後述の図1のようにプリント配線板3には、光導波路を設けた反対側の面において透明基板1に受発光素子5が実装されるので、この受発光素子5の受発光面6と対応する位置において、コアCOにミラー7を形成するようにしてある。
ミラー7の形成は例えば図3(b)に示すように、コアCOの両端部をダイシングやルータ等の加工具19で45°の角度に切削加工することによって行なうことができるものである。コアCOにミラー7を形成する位置の位置決めは、例えば透明基板1にアライメントマークを設けておき、このアライメントマークを基準にしておこなうことができる。尚、ミラー7のこの45°の傾斜面は、傾斜する外面が透明基板1と反対側を向くように形成されるものである。またミラー7の加工した傾斜面の粗さを低減させるため、レーザーを用いて平滑化したり、コアCOと屈折率が近似した樹脂をコーティングしたりし、反射率を高めるようにするのが好ましい。さらにミラー7のこの傾斜面に蒸着やスパッタ等で金属の反射膜を形成することによって、ミラー7の反射効率をより高めることができるものである。反射膜の金属としては、信頼性の面から金が最も好ましいが、信頼性があまり厳しく要求されない用途に使用する場合には、他の金属であってもよい。
ここで、プリント配線板3の透明基板1の表面に図1のように実装される受発光素子5は、透明基板1に設けた電気回路2に接続した状態で実装されるものであり、電気回路2の位置と受発光素子5の位置とは相対的に決まっている。従って、電気回路2のパターンを基準にして透明基板1に実装される受発光素子5の位置を特定することができるものであり、また電気回路2のパターンは透明基板1を通してコアCOの側から視認することができる。そこで本発明では、電気回路2を透明基板1を通して見ながら、電気回路2を基準に位置合せしてコアCOのミラー7の形成位置を位置決めし、この状態でコアCOにミラー7を加工するようにしてあり、透明基板1にアライメントマークを設けるような必要なく、コアCOにミラー7を位置精度高く形成することができるものである。
上記のようにコアCOにミラー7を形成した後、図2(e)のように、コアCOの上から、透明基板1の電気回路2を形成した面と反対側の表面に透明樹脂8を積層し、透明樹脂8でコアCOを被覆する。この透明樹脂8はコアCOより屈折率が低く、透明基板1とほぼ同じ屈折率を有するものが用いられるものであり、透明基板1を形成する樹脂と同じ樹脂を用いるのが好ましいが、屈折率が透明基板1とほぼ同じであれば、他の樹脂であってもよい。
透明樹脂8の積層は、例えば図3(c)のように、転写フィルム16に透明樹脂8の層をラミネートすると共に透明樹脂8の層の表面にカバーフィルム17を張ったラミネートフィルムを用い、カバーフィルム17を剥がした状態で透明樹脂8の層をコアCOの上から透明基板1の表面に貼って転写した後、転写フィルム16を透明樹脂8の層から剥がす、ラミネートの工法で行なうことができる。勿論、これに限定されるものではなく、コアCOの上から透明基板1の表面に透明樹脂8のコーティング液をスピンコート、ディップコートなどの塗布法で塗布することによって、透明樹脂8を積層するようにしてもよい。
そして透明樹脂8に光照射や加熱等をして硬化させることによって、プリント配線板3の透明基板1が第1のクラッドCL1、透明樹脂8の硬化層が第2のクラッドCL2となり、コアCOをこのクラッドCL1,CL2間に設けた光導波路9を形成することができるものであり、図1に示すような、プリント配線板3に設けた電気回路2とこの光導波路9とを一体に備えた光電複合基板Aを得ることができるものである。そしてこの光電複合基板Aには、プリント配線板3に発光素子5aや受光素子5bからなる受発光素子5が、電気回路2に電気的に接続した状態で実装されるものである。
このように受発光素子5を実装した光電複合基板Aにあって、発光素子5aの下面の発光面6で発光された光は、プリント配線板3の透明基板1を透過してコアCOの一方の端部のミラー7で反射され、ミラー7で光路が偏向されることによってコアCO内に入射して、コアCO内を伝播される。このようにコアCO内を伝播された光は、コアCOの他方の端部のミラー7で反射され、再度光路が変更されることによってコアCOから出射し、透明基板1を透過して受光素子5bの受光面6で受光される。このように発光素子5aで発光した光を光導波路9のコアCOで伝播して受光素子5bで受光することによって、光伝送で情報を高速に伝送することができるものである。
ここで、受発光素子5とコアCOのミラー7との間にはプリント配線板3が介在しているが、プリント配線板3は透明基板1を基板とするので、受発光素子5とコアCOのミラー7との間の光の行き来は透明基板1を通して行なわれるものであり、プリント配線板3にスルーホールを設けるような必要なく、透明基板1を通して受発光素子5とコアCOのミラー7とを光学的に結合することができるものである。そしてこのようにプリント配線板3にスルーホールを設ける必要がないので、上記のようにプリント配線板3の透明基板1に透明樹脂4,8を順に積層するビルドアップ工法で、光導波路9を形成することが容易になるものである。
また上記のように形成される光導波路9は、プリント配線板3の透明基板1を第1のクラッドCL1として形成されるものである。従って、透明基板1の表面にコアCOを形成する透明樹脂4と第2のクラッドCL2を形成する透明樹脂8を積層するという、2層の積層で光導波路9の形成を行なうことができるものであり、光導波路9を少ない工数で形成することができるものである。
図4(a)は本発明の他の実施の形態を示すものであり、第2のクラッドCLのプリント配線板3と反対側の表面に第2のプリント配線板10を積層して設けたものである。このように第2のプリント配線板10を積層することによって、上記のプリント配線板3の電気回路2と、第2のプリント配線板10に設けた電気回路21を、光電複合基板Aの両面に形成することができるものであり、電気伝送路を増やすことができるものである。またこのように、樹脂のみで形成されるコアCOや第2のクラッドCL2の両側を、ガラス繊維基材で補強されたプリント配線板3,10で挟む構成に形成することによって、強度の高い光電複合基板Aを得ることができるものであり、また樹脂が硬化する際の収縮や反り、使用環境における温度変化による寸法変化を抑制することができ、信頼性の高い光電複合基板Aを得ることができるものである。光電複合基板Aにスルーホール22を形成することによって、スルーホール22で両面の電気回路2,21を接続することができる。スルーホール22は例えば、エキシマレーザを照射して10μmφに形成することができるものであり、スルーホール2内に過マンガン酸デスミアによる表面処理、過酸化水系によるソフトエッチング処理を施した後に、パネルめっきを形成するようにしてもよい。
第2のプリント配線板10としては、通常の不透明な基板11からなるものを用いることができるものであり、基板11の片側の表面、両側の表面、内部のどの部分において電気回路21が設けてあってもよい。また第2のプリント配線板10の積層は、図2(e)のように透明樹脂8を積層して硬化させ、第2のクラッドCL2を作製した後に、第2のクラッドCLの表面に接着剤で第2のプリント配線板10を貼り付けることによって、行なうことができる。
あるいは図4(b)のように、第2のプリント配線板10の基板11の表面に透明樹脂8の層をラミネートすると共に透明樹脂8の層の表面にカバーフィルム17を張ったものを用い、図2(d)の工程で、カバーフィルム17を剥がした状態で透明樹脂8の層をコアCOの上から透明基板1の表面に貼り付けた後、透明樹脂8を硬化させることによって、第2のクラッドCL2の形成と第2のプリント配線板10の積層とを同時に行なうようにしてもよい。
また、第2のプリント配線板10としては、不透明な基板11からなるものの他に、第2のクラッドCL2とほぼ同じ屈折率を有する透明基板を基板11とするものを用いるようにしてもよい。このような透明基板としては、上記のプリント配線板3の透明基板1と同じものを用いることができるが、屈折率が第2のクラッドCL2とほぼ同じであれば他のものであってもよい。このように第2のプリント配線板10の基板11が、第2のクラッドCL2とほぼ同じ屈折率を有する透明基板であると、この透明な基板11で第2のクラッドCL2の一部を形成することができるものであり、図5に示すように、第2のクラッドCL2の厚みを薄くすることができるものである。従って、光電複合基板Aの厚みを薄型化することが可能になるものである。この場合、透明な基板11の第2のクラッドCL2側の表面には電気回路21が設けられていないことが望ましい。
上記のように光電複合基板Aのプリント配線板3に受発光素子5を実装するにあたって、プリント配線板3の透明基板1の電気回路2を形成した面には、電気回路2に受発光素子5やその他の実装部品を半田付けで接続する箇所を除いて、ソルダーレジスト12で被覆し、ソルダーレジスト12で電気回路2を保護した状態で半田付け加工をすることが行なわれる。そして本発明では、電気回路2に受発光素子5など実装部品を接続して実装する箇所の他に、コアCOのミラー7に対応する箇所を除いて、透明基板1の電気回路2を形成した面にソルダーレジスト12を被覆するようにしてある。このミラー7に対応する箇所は、ミラー7と受発光素子5の受発光面6との間で光が通過する箇所である。このソルダーレジスト12は、不透明なものであることが好ましい。
ミラー7に対応する箇所や受発光素子5を実装する部分など、一部を除いてソルダーレジスト12で被覆する方法としては、透明基板1の表面の全面にソルダーレジスト12を塗布し、被覆しない部分をマスキングして露光して露光部を硬化させた後に、現像して未露光部のソルダーレジスト12を溶解除去する方法がある。またソルダーレジスト12を硬化させた後に、部分的に物理的方法で除去するようにしてもよく、例えば、レーザ照射をしてソルダーレジスト12を部的に蒸散させる方法、機械的にソルダーレジスト12を切削する方法などがある。レーザとしては、KrF、ArFのエキシマレーザ等に代表される紫外線レーザや、Nd−YAG、COレーザに代表される赤外線レーザを用いることができる。機械的に切削する方法としてはドリル加工があり、この場合、先端をパッド径に一致させて平坦化しておく必要がある。またできるだけ電気回路2に傷を付けないように切削深さを1μm以下で制御するのが望ましい。いずれも、CCDカメラ等を用いた加工位置の視認と特定ができる機構と、NC制御等で特定した位置へ高精度に加工できる機構が必要となる。加工位置精度は光を効率良く入出力できるための位置ずれ量を考慮すると、一般的に10μm以下が要求されるものであるが、小さければ小さいほど望ましい。
このように透明基板1の表面をソルダーレジスト12で被覆することによって、ソルダーレジスト12が遮蔽膜となって、上記の受発光素子5以外の発光素子の光や、その他外部の光が、透明基板1を通して光導波路9のコアCOに漏れ入ることを、遮断して防ぐことができるものである。従って、プリント配線板3の透明基板1から外部の光が侵入してノイズが発生することを防ぐことができるものであり、しかも光の遮蔽はソルダーレジスト12を利用して行なうことができるものであって、光遮蔽用に別途特別な部材を用いるような必要がなくなるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
高屈折率樹脂として、固形型のビスフェノール型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1006」:屈折率1.60)を49質量部と、液状型のビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC(株)製「エピクロン830S」:屈折率1.60)を7質量部、低屈折率樹脂として、固形型の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製「YL7170」:屈折率1.50)を44質量部配合し、さらにカチオン系硬化剤としてSb−F6系スルホニウム塩(三新化学工業(株)製「SI−150L」を1.8質量部配合し、これにトルエン50質量部、メチルエチルケトン50質量部を添加して、温度70℃で攪拌溶解することによって、エポキシ樹脂組成物のワニスを調製した。このエポキシ樹脂組成物の硬化物の屈折率は1.56であり、またガラス転移温度Tgは110℃であった。
次に、ガラス繊維クロス(旭シュエーベル(株)製「3313タイプ」:繊維径6μm、質量80.0g/m、Eガラス、屈折率1.562、アッベ数58)に、上記のエポキシ樹脂組成物のワニスを含浸し、150℃で5分間加熱することによって、溶剤を除去すると共にエポキシ樹脂を半硬化させてプリプレグを調製した。
そしてこのプリプレグに厚み18μmの銅箔を重ね、これをプレス機にセットして、170℃、2MPa、15分の条件で加熱加圧成形することによって、片面に銅箔を積層した厚み0.08mmの透明基板1を得た。
次にこの銅箔の表面に感光性レジストを塗布し、フォトマスクをその上に位置合せしてセットした後、紫外線を照射して露光を行ない、さらに現像処理して未硬化のレジストを除去し、この後にエッチング液に通してレジストで覆われていない部分の銅箔を溶解することによって、電気回路2を形成した。このようにして、透明基板1の片面に電気回路2を設けたプリント配線板3を作製した(図2(a))。
一方、3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製「セロキサイド2021P」)を8質量部、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキサニル)シクロヘキサン付加物のエポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製「EHPE3150」)を12質量部、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1006FS」)を37質量部、固形3官能エポキシ樹脂(三井化学工業(株)製「VG−3101」)を15質量部、固形ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「EPPN201」)を18質量部、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂(DIC(株)製「エピクロン850S」)を10質量部、光カチオン硬化開始剤((株)アデカ製「SL−170」)を1質量部配合し、さらにトルエンを15質量部、メチルエチルケトンを35質量部添加して、60℃で攪拌溶解することによって、エポキシ樹脂組成物のワニスを調製した。
そして転写フィルム16としてPETフィルム(帝人デュポン(株)製「OX−50」)を用い、この樹脂ワニスを転写フィルム16の表面にコンマコーターヘッドのマルチコーター((株)ヒラノテクシード製)を用いて塗布し、これを乾燥することによって、固形エポキシ樹脂からなる厚み40μmの透明樹脂4の層を形成した。この透明樹脂4の硬化後の屈折率は1.58であった。
次に、プリント配線板3の透明基板1の電気回路2を設けていない片面に、加圧式真空ラミネータ(ニチゴーモートン(株)「V−130」)を用いて、60℃、0.2MPaの条件で透明樹脂4をラミネートした(図2(b))。
そして幅40μm、長さ120mmの直線パターンのスリットを形成したネガマスクを、ネガマスクに設けたアライメントマークと上記の銅箔をエッチングする際に設けたアライメントマークとが合致するように位置合せして、透明樹脂4の表面に重ねた。次に、超高圧水銀灯で3J/cmの条件で照射することによって露光し、ネガマスクのスリットに対応する部分の透明樹脂4を光硬化させた。さらに140℃で2分間加熱処理をした後、現像液として55℃に調整した水系フラックス洗浄剤(荒川化学工業(株)製「パインアルファST−100SX」)を用いて、超音波洗浄器で現像処理することによって、透明樹脂4の未露光部分を溶解除去し、水で仕上げ洗浄してアエブローした後、100℃で10分間乾燥した。このようにして、透明樹脂4の硬化物からなるコアCOを形成した(図2(c))。
この後、コアCOの両端部の受発光素子5の受発光面6に対応する箇所を、上記の銅箔のエッチングで作製したアライメントマークを基準にして位置決めし、導波光を90°の角度で偏向させるマイクロミラー7を形成した。すなわち、切削刃の頂角が90°の回転ブレード(ディスコ社製「#5000」)を加工具19として用い、回転数10000rpm、移動速度0.1mm/sの条件でコアCOを横切るように移動させることによって、コアCOにV溝を切削して45°の傾斜面を形成した(図3(b))。
次に、上記の透明基板1の作製に用いた樹脂ワニスをトルエン:MEK=3:7の混合溶剤で50倍に希釈したものを、コアCOのV溝の傾斜面にブラシで塗布し、100℃で30分間加熱して乾燥した後、さらに超高圧水銀灯で1J/cmの条件で紫外線を照射して露光し、続いて120℃で10分間熱処理を行なうことによって、傾斜面の表面平滑化を行なった。この後、V溝の箇所が開口されたメタルマスクを被せて金を蒸着することによって、傾斜面に1000Å厚の金薄膜を形成し、ミラー7を仕上げた。コアCOのミラー7間の間隔長さは10cmに設定した(図2(d))。
一方、上記のプリント配線板3を作製する手順と同じ手順で、透明基板11の片面に電気回路21を設けた第2のプリント配線板10を作製した。この透明基板11の材料は、上記のプリント配線板3の透明基板1のものと同じである。そしてこの透明基板11の電気回路21を設けていない側の表面に、上記のプリント配線板3の透明基板1の製造に用いたエポキシ樹脂ワニスを自動バーコータにて塗布し、130℃で30分間乾燥させることによって、厚み50μmの透明樹脂8の層を形成した。
そして上記のプリント配線板3の透明基板1のコアCOを形成した面にコアCOの上から、第2のプリント配線板10に設けた透明樹脂8の層を、加圧式真空ラミネータ(ニチゴーモートン(株)「V−130」)を用いて、80℃、0.2MPaの条件でラミネートした。
そして150℃で60分間加熱処理をすることによって透明樹脂8を硬化させ、プリント配線板3の透明基板1が第1のクラッドCL1、透明樹脂8の硬化層が第2のクラッドCL2となり、コアCOをこのクラッドCL1,CL2間に設けて形成される光導波路9を作製し、光電複合基板Aを得た(図5)。
次に、プリント配線板3の透明基板1の電気回路2を形成した表面と、第2のプリント配線板10の透明基板11の電気回路21を形成した表面に、コアCOのミラー7に対応する箇所、受発光素子5の実装部を除いて、ソルダーレジスト12を被覆した。すなわちまずソルダーレジスト12を塗布し、加熱して塗膜を指触乾燥した後、フォトマスクを通してコアCOのミラー7に対応する箇所を除いて露光し、現像液で現像処理して未露光部のソルダーレジスト12を溶解除去し、さらに加熱処理してソルダーレジスト12を硬化させた。次に電気回路2に受発光素子5を実装する部分において、ソルダーレジスト12をレーザ照射によって除去した。
上記のように作製した光電複合基板Aの光導波路9の特性を評価した。すなわち、コアCOの両端部に設けたミラー7のうち、一方のミラー7に対応する位置においてプリント配線板3の透明基板1の表面に、波長850nmのLED光源に一端を接続した、コア径10μm、NA0.21の光ファイバーの他端をシリコーンオイルのマッチングオイルを介して密着させ、また他方のミラー7に対応する位置において透明基板1の表面に、パワーメーターに一端を接続した、コア径200μm、NA0.21の光ファイバーの他端をシリコーンオイルのマッチングオイルを介して密着させた。そして、LED光源から発光される光をコアCOに入射させ、コアCOから出射される光をパワーメーターで受光し、このときの光のパワー(P1)を測定した。また上記の各光ファイバーの他端同士を突き当てて密着させた状態で、LED光源から発光される光を直接パワーメーターで受光し、このときの光のパワー(P0)を測定した。このように測定したP1とP0を−10log(P1/P0)の計算式に導入して、光導波路9の挿入損失を算出したところ、2.5dBであり、光導波路9は光の伝送性に優れていることが確認された。
本発明の光電複合基板の実施の形態の一例を示す断面図である。 同上の光電複合基板の製造の各工程を示すものであり、(a)−(e)はそれぞれ断面図である。 同上の光電複合基板の製造の各工程を示すものであり、(a)−(c)はそれぞれ断面図である。 同上の光電複合基板の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は断面図、(b)は製造の一工程を示す断面図である。 同上の光電複合基板の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 透明基板
2 電気回路
3 プリント配線板
4 透明樹脂
5 受発光素子
6 受発光面
7 ミラー
8 透明樹脂
9 光導波路
10 第2のプリント配線板
11 基板
12 ソルダーレジスト

Claims (3)

  1. ガラス繊維の屈折率をnとすると、n+0.03〜n+0.06の範囲の屈折率を有する高屈折率樹脂と、n−0.04〜n−0.08の範囲の屈折率を有する低屈折率樹脂とを混合して、ガラス繊維基材と略同じ屈折率に調整した樹脂組成物をガラス繊維基材に含浸・硬化して作製される透明基板の片面に電気回路を設けて形成されるプリント配線板、及び、透明基板を第1のクラッドとして、透明基板より屈折率が高い透明樹脂をこの透明基板の電気回路を設けていない面に積層して形成され、電気回路に接続して透明基板の電気回路を設けた面に実装される受発光素子の受発光面に対応する箇所において、光路を受発光面の方向に偏向させるミラーを設けたコアと、透明基板と屈折率が略同じ透明樹脂を透明基板の電気回路を設けた面と反対側の面にコアの上から積層して形成され、コアを被覆する第2のクラッドとを備えた光導波路を具備し、第2のクラッドのプリント配線板と反対側の面に、第2のプリント配線板が積層され、第2のプリント配線板の基板は、第2のクラッドと略同じ屈折率の透明基板であることを特徴とする光電複合基板。
  2. コアのミラーに対応する箇所、受発光素子の実装部を除いて、上記プリント配線板の透明基板の電気回路を形成した面をソルダーレジストで被覆したことを特徴とする請求項に記載の光電複合基板。
  3. ガラス繊維の屈折率をnとすると、n+0.03〜n+0.06の範囲の屈折率を有する高屈折率樹脂と、n−0.04〜n−0.08の範囲の屈折率を有する低屈折率樹脂とを混合して、ガラス繊維基材と略同じ屈折率に調整した樹脂組成物をガラス繊維基材に含浸・硬化して作製される透明基板の片面に電気回路を設けて形成されるプリント配線板を用い、透明基板を第1のクラッドとして、透明基板の電気回路を設けていない面に、透明基板より屈折率が高い透明樹脂を積層すると共にパターニング加工してコアを形成する工程と、電気回路に接続して透明基板の電気回路を設けた面に実装される受発光素子の受発光面に対応する箇所において、電気回路を透明基板を通して見ながら、電気回路を基準に位置決めした位置でコアを加工して光路を受発光面の方向に偏向させるミラーを形成する工程と、透明基板と屈折率が略同じ透明樹脂を透明基板の電気回路を設けた面と反対側の面にコアの上から積層して、コアを被覆する第2のクラッドを形成する工程とから、光導波路を形成し、第2のクラッドのプリント配線板と反対側の面に、第2のプリント配線板を積層し、第2のプリント配線板の基板は、第2のクラッドと略同じ屈折率の透明基板であることを特徴とする光電複合基板の製造方法。
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