JP2014153581A - 光導波路用ドライフィルム、それを用いた光導波路及び光電気複合配線板、並びに光電気複合配線板の製造方法 - Google Patents

光導波路用ドライフィルム、それを用いた光導波路及び光電気複合配線板、並びに光電気複合配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い透明性とメッキ密着性を併せ持ったドライフィルム、それを使用した光導波路及び光電複合配線板、並びに光電複合配線板の製造方法を提供すること。
【解決手段】光導波路用ドライフィルムであって、キャリアフィルム、メッキ密着層、未硬化のクラッド層及びカバーフィルムの順に積層されてなり、前記メッキ密着層が、平均のエポキシ当量が450未満のビフェニル型エポキシ樹脂(A)と、平均のエポキシ当量が450以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)と、分子中にトリアジン環を有するフェノール系ノボラック樹脂(C)とを含有し、前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)に対する前記エポキシ樹脂(B)の質量比が、0.25〜2であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物からなる層であり、その厚みが1〜10μmであることを特徴とする、光導波路用ドライフィルム。
【選択図】図3

Description

本発明は、高い透明性とメッキ密着性を有する光導波路用ドライフィルムに関する。さらに本発明は、このようなドライフィルムを用いた光導波路及び光電気複合配線板、並びにその製造方法に関する。
従来、FTTH(Fiber to the Home)や車載分野の長距離、中距離通信の分野で伝送媒体として光ファイバーが主流であった。近年、1m以内の短距離においても光を用いた高速伝送が必要となってきている。この領域には、光ファイバーではできない、高密度配線(狭ピッチ、分岐、交差、多層化等)、表面実装性、電気基板との一体化、小径での曲げが可能な光導波路型の光配線板が適している。
光配線板には、大別すると次の2つのニーズがある。1つ目はプリント配線板(PWB)の置き換えである。2つ目は小型端末機器のヒンジに使用するフレキシブルプリント基板(FPC)の置き換えである。
どちらのタイプも受発光素子であるVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)やPD(Photo Diode)やIC等を動作させるための電気配線や低速信号の伝送が不可欠であることから、光回路と電気回路が混載された光・電気複合配線板の形態が理想的である(例えば、特許文献1参照)。
この光導波路基板においては、光導波路だけが内蔵されたタイプと、受発光素子であるVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)やPD(Photo Diode)、それらを駆動するIC等を実装したタイプの2種に分けられる。後者は、部品に給電するための電気回路も複合化されているため、一般に光電複合配線板と呼ばれる。この応用先として、非常に高速な信号処理が要求されるルーター・サーバー、スーパーコンピュータ等が考えられている。
光導波路と電気回路を複合化する方法には、1.光導波路上に接着層を介してプリント配線板を貼り付ける方法、2.クラッド樹脂付き銅箔上にコア、クラッドを順次形成し、基板に貼り付ける方法、3.光導波路に直接金属層を形成する方法が知られている。
前記1の光導波路上に接着層を介してプリント配線板を貼り付ける方法では、次の問題がある。
・光回路と電気回路を別々に作製し、後で貼り付けるため、電気回路と導波路の位置精度が悪くなるために、その後の受発光素子の実装ができなくなる場合が発生し歩留りが悪くなる。
・プリント配線板は通常不透明であるために基板を予め開口しておく必要があり、その部分に接着層が回りこみ表面凹凸ができてしまうため、結合効率が減少する。
・プリント配線板は厚みがあるため、その厚さと接着層分、受発光素子と導波路間の距離が広がるため結合損失が悪くなる。
さらに、前記2のクラッド樹脂付き銅箔をコアが形成された基板に貼り付ける方法では、銅箔があるためにクラッド材料を光硬化することができないためパターニングができない。このことで基板全面にクラッド層が形成されることになり、構成上の制約ができてしまう。また、電気回路のパターニングをする場合、上面から光導波路を確認できないため、導波路と電気回路の位置関係を合わせにくいという問題もある。
前記1〜3の方法の中で、3の方法は、光部品とミラーとの距離を縮めることができるため、光の入出射効率を向上できる点でより好ましいと考えられる。
しかしながら、前記1の方法において、光導波路に直接金属層を形成するためには、材料が化学的処理によりアンカー効果が得られる凹凸が形成される必要がある。通常、透明な材料は組織が均一であり、それゆえに透明性が得られる。この材料にメッキの前処理である過マンガン酸処理を行うと組織が均一であるためにエッチングレートが等しく、全体的に厚みが減少するだけで凹凸が得られにくい。そこで、一般的にはベースの材料よりも化学処理されやすいあるいはされにくい材料を配合し、ベース材料に不均一性を持たせるが、そうすると、材料が不透明になることが多く、ハイレベルの透明性を要求される用途に対応できる透明性と密着性を両立する材料がないという問題があった。また、材料の透明性を確保するため、フィラーやゴム成分等の密着性向上のための添加剤をベースの材料自体に入れることが困難なため、これまでは充分なメッキ密着性を有する光配線用材料が存在しなかったのが現状である。
一方、基板上に光導波路を形成することを容易にするために、光導波路用のドライフィルムを用いることが知られている。これまでに、光導波路用ドライフィルムとして、ベースフィルム、硬化後の屈折率が異なる少なくとも2つの感光性樹脂層を有するドライフィルムが知られている(例えば、特許文献2)。
特開2009−104084号公報 特開平6−258537号公報
しかしながら、前記特許文献2記載のドライフィルムでは、透明性と密着性の両立を課題としておらず、メッキ密着層を設けることも開示されていない。
そこで、本発明は、透明性と密着性の両立を実現できる、光導波路用ドライフィルム、それを使用する光導波路及び光電複合配線板、並びに前記ドライフィルムを用いた光電複合配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の手段により前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の一つの局面に関する光導波路用ドライフィルムは、
キャリアフィルム、メッキ密着層、未硬化のクラッド層及びカバーフィルムの順に積層されてなり、
前記メッキ密着層が、平均のエポキシ当量が450未満のビフェニル型エポキシ樹脂(A)と、平均のエポキシ当量が450以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)と、分子中にトリアジン環を有するフェノール系ノボラック樹脂(C)とを含有し、前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)に対する前記エポキシ樹脂(B)の質量比が、0.25〜2であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物からなる層であり、その厚みが1〜10μmであることを特徴とする。
前記光導波路用ドライフィルムにおいて、前記キャリアフィルムが離型性を有することが好ましい。
また、前記光導波路用ドライフィルムにおいて、前記クラッド層がエネルギー線によって硬化する性質を有することが好ましい。
本発明の他の局面に関する光導波路は、上記ドライフィルムを用いてなることを特徴とする。
本発明のさらなる局面に関する光電気複合配線板は、上記光導波路を備えることを特徴とする。
本発明のさらなる局面に関する光電複合配線板の製造方法は、
上記ドライフィルムを光導波路のクラッド及びコアが形成された基板上に積層する積層工程、
メッキ密着層および未硬化のクラッド層を硬化する硬化工程、
メッキ密着層の表面を粗化する粗化工程、及び
電気回路を形成する回路形成工程
を少なくとも含むことを特徴とする。
本発明によれば、高い透明性と密着性を併せ持った光導波路用ドライフィルムを得ることができる。また、前記ドライフィルムを使用することにより、光損失が少なくかつ密着性に優れた光導波路及び光電複合配線板を提供することができる。
また、さらに本発明は、光導波路と電気回路を高密着に簡単に複合化でき、受発光素子と光回路の結合損失に優れ、光導波路の損失に優れ、基板に対してビルドアップにより光回路と電気回路を形成可能とできる光・電気複合配線板の製造方法を提供する。
図1は、従来の光導波路用ドライフィルムの断面概略図である。 図2は、基板に従来の光導波路用ドライフィルムを接着する工程を示した概略図である。 図3は、本発明の光導波路用ドライフィルムの一実施態様断面概略図である。 図4は、基板に本発明の光導波路用ドライフィルムを接着する工程の一実施態様を示した概略図である。 図5は、本発明の光導波路用ドライフィルムの製造工程の一実施態様を示す概略図である。 図6は、本発明の光導波路用ドライフィルムを用いた光電複合配線板を製造する工程の一実施態様を示す概略図である。
(光導波路用ドライフィルム)
以下に、本発明を実施するための一実施形態を具体的に説明する。
従来の光導波路用のフィルムは、図1に示すように、2枚のフィルム(キャリアフィルム2およびカバーフィルム3)の間に光導波路用材料である固形状の透明樹脂(光材料、例えば、クラッド層1)が挟まれた構造をしている。
また、従来の光導波路用ドライフィルムでは、図2に示すように、カバーフィルム3と呼ばれる保護フィルム(従来例ではOPPフィルム)を剥ぎ、真空ラミネータ等で、基板に対して加熱加圧接着した後、必要に応じて材料を硬化、変質させ、キャリアフィルム2(従来例ではPETフィルム)を剥ぐことで、材料のみの層が形成される。これが、光配線用のクラッド層1(あるいはコア層)として使用される。
メッキ密着性が望まれているのは、キャリアフィルムを剥いだあとの表層部分である。特にメッキ密着性が必要とされているのは、最も表層にくるクラッド用の材料についてである。そこで、本発明者らは、キャリアフィルムと光導波路材料層(クラッド層)との間にメッキ密着性を有する材料を挟みこめば、キャリアフィルム剥離後の表層に、その密着性を有する材料が露出し、表層メッキ密着性の確保が可能となることを見出した(図4)。
すなわち、本実施形態に係る光導波路用ドライフィルムは、図3に示すように、キャリアフィルム2、メッキ密着層4、未硬化のクラッド層1及びカバーフィルム3の順に積層されてなり、前記メッキ密着層が、平均のエポキシ当量が450未満のビフェニル型エポキシ樹脂(A)と、平均のエポキシ当量が450以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)と、分子中にトリアジン環を有するフェノール系ノボラック樹脂(C)とを含有し、前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)に対する前記エポキシ樹脂(B)の質量比が、0.25〜2であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物からなる層であり、その厚みが1〜10μmであることを特徴とする。
まず、キャリアフィルムとしてはポリエチレンテレフタレート(PET)が主に使われるが、特にこれに限るものではなく、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド等のフィルムを用いても構わない。一方、カバーフィルムとしてはOPPが主に使われるが、これも特に限定されるものではない。
さらに、キャリアフィルムには表面に離型処理がしてあることが好ましい。キャリアフィルム剥離の際に、メッキ密着層とキャリアフィルムとの界面にてよりスムーズに剥離できるからである。このような離型フィルムは市販のものを使用することもでき、その具体例としては、東洋紡株式会社製のTN100や、東レ株式会社製のWZ等がある。
次に、メッキ密着層を構成するメッキ密着性を有する材料としては、平均のエポキシ当量が450未満のビフェニル型エポキシ樹脂(A)と、平均のエポキシ当量が450以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)と、分子中にトリアジン環を有するフェノール系ノボラック樹脂(C)とを含有し、前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)に対する前記エポキシ樹脂(B)の質量比が、0.25〜2であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物を用いる。
このエポキシ樹脂組成物は、低反応性部分と高反応性部分を混在化させた材料であり、そのため、硬化時に架橋密度の濃淡ができる。よって、デスミアの際のエッチング量にも濃淡ができ、アンカー効果を有する粗化面を形成することが可能となると考えられ、ひいては優れたメッキ密着性を発揮できる。なお、本明細書においては、架橋密度に濃淡が存在する状態まで硬化させることを1次硬化と呼び、メッキ後に完全硬化させることを2次硬化と呼ぶ。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物に関しては、WO2008/133246号明細書に記載されているが、以下にその詳細を記載する。
本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物は、平均のエポキシ当量が450未満のビフェニル型エポキシ樹脂(A)と、平均のエポキシ当量が450以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)と、分子中にトリアジン環を有するフェノール系ノボラック樹脂(C)とを含み、前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)に対する前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)の質量比(B/A)が、0.25〜2であることを特徴とするものである。なお、前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)及び前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)の合計の含有量が、全エポキシ樹脂量に対して、40質量%以上であることが好ましく、さらに50質量%以上であることがより好ましい。
前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)は、平均のエポキシ当量が450未満のものであり、400以下が好ましく、350以下がより好ましい。エポキシ当量が450以上の場合には、このエポキシ樹脂によって形成される硬化部分の架橋密度が、後述するビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)によって形成される硬化部分の架橋密度とあまり変わらず、全体的に架橋密度の比較的低い硬化物となる傾向がある。よって、粗化処理すると表面粗さが大きくなりすぎて、高密度化した多層プリント配線板を得ることが困難になることがある。また、前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)の平均のエポキシ当量は、150以上であることが好ましい。平均のエポキシ当量が小さすぎる場合には、架橋密度の高すぎる硬化部分が形成されるので、粗化処理して形成される表面の表面粗さが小さくなりすぎて、メッキ密着性が低下する傾向がある。
前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)の具体例としては、例えば、下記一般式(1)に示すような構造を有する日本化薬(株)製のNC3000H(平均のエポキシ当量290)や日本化薬(株)製のNC3000FH(平均のエポキシ当量336)等が挙げられる。
Figure 2014153581

(式中、nは、1〜10を示す。)
また、前記エポキシ樹脂組成物において、平均のエポキシ当量が300以下のエポキシ樹脂であって、前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)以外のエポキシ樹脂を含んでいてもよい。このようなエポキシ樹脂の具体例としては、例えば、平均のエポキシ当量が300以下の、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能フェノールのジグリシジルエーテル化合物、多官能アルコールのジグリシジルエーテル化合物、フェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物のグリシジルエーテル化物であるフェノール系ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、平均のエポキシ当量が300以下のフェノール系ノボラック型エポキシ樹脂(E)が、得られる硬化物のガラス転移温度Tgを向上させ、強度面に優れる硬化部が得られるという点で好ましい。さらに、平均のエポキシ当量が300以下のフェノール系ノボラック型エポキシ樹脂(E)と、平均のエポキシ当量が300以下のビスフェノールA型エポキシ樹脂(F)とを併用することによって、より伸びやすい硬化物を形成でき、メッキの追従性が高いという効果をより発揮できる点でより好ましい。このような伸びやすい硬化物は、振動等に対するメッキの追従性が高くなるため、メッキのより剥がれにくい基材を得ることができると考えられる。
前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)は、平均のエポキシ当量が450以上のものである。前記平均のエポキシ当量が450未満の場合には、このエポキシ樹脂によって形成される硬化部分の架橋密度が、前記エポキシ樹脂(A)によって形成される硬化部分の架橋密度とあまり変わらず、全体的に架橋密度の比較的高い硬化物となる。よって、前記表面粗さが小さくなりすぎて、メッキ密着性が低下する。また、前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)の平均のエポキシ当量が500以下であることが好ましい。平均のエポキシ当量が大きすぎる場合には、架橋密度の低すぎる硬化部分が形成されるので、前記表面粗さが大きくなりすぎる傾向がある。前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)の好ましい具体例は、例えば、大日本インキ化学工業(株)製1051(ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂,平均のエポキシ当量480)等が挙げられる。
また、前記エポキシ樹脂組成物において、平均のエポキシ当量が450以上のエポキシ樹脂であって、前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)以外のエポキシ樹脂を含んでいてもよい。このようなエポキシ樹脂の具体例としては、例えば、平均のエポキシ当量が450以上の、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能フェノールのジグリシジルエーテル化合物、多官能アルコールのジグリシジルエーテル化合物、フェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物のグリシジルエーテル化物であるフェノール系ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)及び前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)としては、前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)の平均のエポキシ当量と前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)の平均のエポキシ当量との差が、200〜400となるようなエポキシ樹脂の組合せを選択することが好ましい。前記平均のエポキシ当量の差が小さすぎる場合は、前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)及び前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)の両エポキシ樹脂により形成される架橋密度の異なる硬化部分の粗化剤に対する溶解性の差が不充分になり、表面粗さが小さいにもかかわらず高いメッキ密着性を備えるという本発明の効果の発現が小さくなる傾向がある。また、前記平均のエポキシ当量の差が大きすぎる場合は、架橋密度の差が大きすぎて、表面粗さと密着性のバランスに優れた粗化表面を形成することが困難になる傾向がある。
また、前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)に対する前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)の質量比(B/A)が、0.25〜2である。この質量比が低すぎる場合には、架橋密度が高い部分の割合が高くなりすぎて、粗化処理によって形成される表面の表面粗さが小さくなりすぎる。また、高すぎる場合には、架橋密度が低い部分の割合が高すぎて、粗化処理によって形成される表面の表面粗さが大きくなりすぎる。したがって、前記範囲の質量比であると、樹脂絶縁層内に形成される架橋密度の比較的高い硬化部分と架橋密度の比較的低い硬化部分との比率が好適となり、より高いメッキ密着性を発揮する。
さらに、難燃性をさらに向上させる観点から、分子中にリン原子を有するリン含有エポキシ樹脂(D)をさらに含むことが好ましい。
前記リン含有エポキシ樹脂(D)としては、例えば、分子中にホスファフェナントレン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、分子中にホスファフェナントレン構造を有するビフェニル型エポキシ樹脂(D1)、分子中にホスファフェナントレン構造を有するビスフェノール型エポキシ樹脂(D2)、及び分子中にホスファフェナントレン構造を有するフェノール系ノボラック型エポキシ樹脂(D3)がより好ましい。
分子中にホスファフェナントレン構造を有するビフェニル型エポキシ樹脂(D1)としては、下記一般式(2)に示すような構造を有する9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド又はその誘導体を用いてビフェニル型エポキシ樹脂を公知の方法で変性することにより得られる各種のホスファフェナントレン構造を有するビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの具体例としては、例えば、下記一般式(3)に示すような構造を有するジャパンエポキシレジン(株)製のYX4000を、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドを用いて変性して得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2014153581
Figure 2014153581
分子中にホスファフェナントレン構造を有するビスフェノール型エポキシ樹脂(D2)としては、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド又はその誘導体を用いて、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂を公知の方法で変性することにより得られる各種のホスファフェナントレン構造を有するビスフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは市販品として、例えば、下記式(4)に示すような構造を有する東都化成(株)製のFX305等が入手しうる。
Figure 2014153581
分子中にホスファフェナントレン構造を有するフェノール系ノボラック型エポキシ樹脂(D3)としては、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド又はその誘導体を用いてフェノール系ノボラック型エポキシ樹脂を公知の方法で変性することにより得られる各種のホスファフェナントレン構造を有するフェノール系ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは市販品として、例えば、下記式(5)に示すような構造を有する東都化成(株)製のFX289ZA等が入手しうる。
Figure 2014153581
また、前記リン含有エポキシ樹脂(D)を含有させる場合、リン原子の含有率が、全エポキシ樹脂量に対して、0.5〜1.5質量%であることが好ましい。この含有率が低すぎる場合、リン含有エポキシ樹脂(D)による難燃性の向上の効果が少なくなる傾向があり、また、この含有率が高すぎる場合、吸水性や耐熱性が悪化する傾向がある。
前記エポキシ樹脂組成物は、硬化剤として、分子中にトリアジン環を有するフェノール系ノボラック樹脂(C)を含有する。分子中にトリアジン環を有するフェノール系ノボラック樹脂(C)とは、トリアジン環を有する化合物に由来する構成単位を含有するフェノール系ノボラック樹脂であり、トリアジン環の窒素原子を含有している。硬化剤として、トリアジン環の窒素原子を含有しているフェノール系ノボラック樹脂(C)を用いると、窒素原子を含有しないクレゾールノボラック樹脂等のフェノールノボラック樹脂を用いる場合と比較して、架橋密度の比較的高い硬化部分と架橋密度の比較的低い硬化部分とが均一に混在するので、凹凸の密度がより高まり、より高いメッキ密着性を発揮できる。
前記フェノール系ノボラック樹脂(C)の好ましい具体例としては、例えば、アミノトリアジンノボラック樹脂(C1)等が挙げられる。前記アミノトリアジンノボラック樹脂(C1)は、架橋密度の比較的高い硬化部分と架橋密度の比較的低い硬化部分とがより分散して混在する。よって、凹凸の密度がより高まり、より高いメッキ密着性を発揮できる。さらに、アミノトリアジンノボラック樹脂(C1)に含まれるアミノ基が、エポキシ基と架橋密度の低い部分を形成しやすくなる。
また、前記フェノール系ノボラック樹脂(C)は、分子中に多数の窒素原子を有するので、燃焼時に分解ガスとして窒素ガス等の不燃性ガス又は不活性ガスが大量に発生して、比較的高い難燃性を発揮する。また、前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)も比較的難燃性が高い。これらのことから、ビフェニル型エポキシ樹脂(A)とフェノール系ノボラック樹脂(C)とが分散されている本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物の硬化物は、ハロゲンを含有しなくても、充分な難燃性を発揮できる。また、フェノール系ノボラック樹脂(C)の水酸基当量(OH当量)は、100〜200であることが好ましい。
前記フェノール系ノボラック樹脂(C)の配合量は、前記エポキシ樹脂(A)と前記エポキシ樹脂(B)とを含む全エポキシ樹脂の平均のエポキシ当量に対するフェノール系ノボラック樹脂(C)の水酸基当量の比(OH当量/エポキシ当量)が、0.3〜0.7になるように調整することが好ましい。この比が低すぎる場合や高すぎる場合には、硬化物の耐熱性が低下する傾向がある。
また、前記フェノール系ノボラック樹脂(C)の窒素含有率が、5%以上であることが好ましい。窒素含有率が低すぎる場合、メッキ密着性が低下する。
前記フェノール系ノボラック樹脂(C)の好ましい具体例としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の「フェノライトシリーズ」として、「フェノライトLA1356(窒素含有率19%)」、「フェノライトLA3018(窒素含有率18%)」、「フェノライトLA7052(窒素含有率8%)」等が挙げられる。
また、前記エポキシ樹脂組成物は、硬化反応を促進するために硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤としては、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進することができるものであれば、特に制限することなく使用することができる。具体的には、例えば、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリエチレンジアミン等の三級アミン類、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記エポキシ樹脂組成物は、さらに、本発明の効果を損なわない範囲でその他の添加剤、例えば、難燃剤、難燃助剤、レベリング剤、着色剤等を必要に応じて含有してもよい。
また、前記エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて有機溶剤を含有させ、ワニス状にして用いてもよい。前記有機溶剤としては、特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール等のアルコール類、セロソルブ類等を挙げることができる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、クラッド層用光導波路材料としては、コア層に用いる光導波路材料よりも屈折率が低くなる透明な樹脂であれば、常温で固形である、エポキシ、フェノキシ、アクリル、アクリレート等の光反応性、もしくは、熱反応性の材料を適宜用いることができる。本実施形態において、光とは、紫外線を代表とするエネルギー線を指す。光反応性とは、エネルギー線を当てることで、硬化、屈折率の変化、特定の液への溶解性変化、等を発生させる性質である。熱反応性とは、加熱することで、硬化、屈折率の変化、特定の液への溶解性変化、等を発生させる性質である。
また、本実施形態で用いるクラッド層用光導波路材料は、クラッド層がエネルギー線によって硬化する性質を有するようになるものが望ましい。露光マスクを用いて選択的に硬化させることにより、層内の一部のみに光層を形成することが可能となり、基板設計の自由度が向上するためである。
より具体的には、例えば、本実施形態において、クラッド層を形成するために使用されるクラッド層用光導波路材料は、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、及びカチオン硬化開始剤を含有するエポキシ樹脂組成物によって形成されるものである。
前記の2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物を含有することによって、クラッド層の屈折率を低くすることができると共に透明性を高くすることができるものであり、光損失を低減することができるものである。また硬化性フィルムのタック性を弱めるように調整することができ、さらに硬化物のTgを高めに調整することができるものである。2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物の含有量が多くなり過ぎると、硬化性フィルムが脆くなって取り扱い性が悪くなるので、含有量は樹脂成分全量に対して30〜70質量%の範囲が好ましい。
また前記のビスフェノール型エポキシ樹脂を含有することによって、硬化物のTgを低めに調整して硬化物の脆さを低減することができ、また透明性を高くすることができるものであり、光損失を低減することができるものである。このビスフェノール型エポキシ樹脂として、常温で液状のもの、常温で固形のもの、いずれでも使用することができるので、液状のものを用いることによって硬化性フィルムのタック性を高めることができ、さらに固形のものを用いることによって硬化性フィルムのタック性を下げることができ、硬化性フィルムのタック性を調整することができるものである。ビスフェノール型エポキシ樹脂の含有量は、樹脂分全量に対して10〜30質量%の範囲が好ましい。
このビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などを用いることができる。
また前記のフェノキシ樹脂を含有することによって、硬化物の脆さを抑えてクラッドの強靭性を高めることができると共にTgを低めに調整することができ、かつ屈折率を高くすることができると共に透明性を高くすることができ、光損失を低減することができるものである。また、硬化性フィルムを作製する際に調製する溶剤溶液(ワニス)の粘度が高くなるように調整することができ、硬化性フィルムの作製が容易になるものであり、また硬化性フィルムのタック性を低く抑えるように調整することもできるものである。フェノキシ樹脂の含有量が多くなり過ぎると、ワニスのチクソ性が高くなって硬化性フィルムを作製する際の塗工性に適さなくなるので、フェノキシ樹脂の含有量は、樹脂分全量に対して10〜25質量%の範囲が好ましい。
また、エポキシ樹脂組成物に硬化性を付与するための硬化開始剤として、前記のようにカチオン硬化開始剤を含有することによって、クラッドの透明性を高めることができ、光損失を低減することができるものである。このカチオン硬化剤としては、光によってのみ硬化を開始できる光カチオン硬化開始剤、熱によってのみ硬化を開始できる熱カチオン硬化開始剤、光によっても熱によっても硬化を開始できる光・熱カチオン硬化開始剤があるが、これらのいずれのものも使用することができ、またこれらを単独で使用する他に複数種を併用してもよい。カチオン硬化剤の含有量は必要に応じて設定されるが、一般に、樹脂分全量に対して0.5〜2質量%の範囲が好ましい。
クラッド形成用の硬化性フィルムを作製するエポキシ樹脂組成物は、前記の成分に加えてに、下記式(6)のエポキシ樹脂を含有することが好ましい。この場合、カチオン硬化開始剤として、熱カチオン硬化開始剤と光カチオン硬化開始剤を併用することが好ましい。
Figure 2014153581
式(6)のエポキシ樹脂はトリメチロールプロパン型エポキシ樹脂であり、極めて透明性が高く、透明性の高いクラッドを形成して光導波路の光損失を低減できるものである。また式(6)のエポキシ樹脂を含有すると、エポキシ樹脂組成物にカチオン硬化開始剤として熱カチオン硬化開始剤が含まれていても、エポキシ樹脂のワニスを塗工して硬化性フィルムを作製するにあたって、乾燥の過程で樹脂の硬化が進み難く、可使時間が長くラミネート性に優れた硬化性フィルムを得ることができるものである。また式(6)のエポキシ樹脂を含有させるエポキシ樹脂組成物のカチオン硬化開始剤として、熱カチオン硬化開始剤と光カチオン硬化開始剤を併用することによって、このエポキシ樹脂組成物で作製した硬化性フィルムをコアの上からラミネートし、露光して硬化させてクラッドを形成するにあたって、光照射できない部分があって、この部分の光硬化が不十分な場合でも、加熱によってこの部分を熱硬化して硬化不足を防ぐことができ、コアとクラッドとの密着性を高めて光の損失がより小さい光導波路を形成することができるものである。式(6)のエポキシ樹脂の配合量は、樹脂成分全量に対して3〜25質量%の範囲が好ましい。3質量%未満であると、配合することによる効果を十分に得ることができないものであり、逆に25質量%を超えると、硬化性フィルムのタック性が強くなり過ぎて好ましくない。また熱カチオン硬化開始剤と光カチオン硬化開始剤を併用するにあたって、その比率は、熱カチオン硬化開始剤が20〜80質量%になるように設定するのが好ましい。熱カチオン硬化開始剤が20質量%未満であると、光硬化していない部分の熱硬化が不十分になり、逆に熱カチオン硬化開始剤が80質量%を超えると、光硬化を十分に行なうことができなくなる。
クラッド層形成用のエポキシ樹脂組成物には、前記の成分の他にさらに、3,4−エポキシシクロヘキセニル構造を1分子中に複数有する室温で液状のエポキシ樹脂を含有することが好ましい。この場合、カチオン硬化開始剤として光カチオン硬化開始剤のみを用いるのが好ましい。
この3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂は透明性が極めて高いものであり、透明性の高が高く且つ屈折率が低いクラッドを形成することができ、光損失の小さい光導波路を作製することができるものである。また内部エポキシとよばれる構造を持つので、カチオン硬化が進み易く、短時間で十分な硬化を行なうことができるものである。また、タック性が強い硬化性フィルムを得ることができるものであり、さらに分子構造に応じてTgを高くしたり低くしたりすることができ、硬化物のTgを調整することができるものである。さらに、エポキシ樹脂組成物にこの3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂を含有させるにあたって、カチオン硬化開始剤として光カチオン硬化開始剤のみを用いる場合、このエポキシ樹脂組成物で作製した硬化性フィルムをコアの上からラミネートし、露光して硬化させると共に加熱アフターキュアーしてクラッドを形成することによって、光導波路の導波損失が極めて低くなるものである。3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂の配合量は、樹脂成分全量に対して5〜50質量%の範囲が好ましい。
この3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂としては、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどを用いることができる。
クラッド層形成用のエポキシ樹脂組成物には、さらに、本発明の趣旨を阻害ない範囲で、各種エポキシ樹脂、各種オキセタン樹脂、各種のアクリレートやメタクリレートなど反応性二重結合を有する化合物、各種の液状又は固形のゴム状物質などを含有することもできるものであり、また増感剤や表面調整剤(レベリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤)などを含有することもできるものである。
前記各組成を用いた本実施形態の光導波路用ドライフィルムの作製は、例えば、以下のように行うことができる。
まず、メッキ密着層用のワニス7を作製する。このワニス7をキャリアフィルム2(例えば、PET)上に塗工し(図5(a))、乾燥することで溶剤を除去する(図5(b))。これにより、キャリアフィルム2上に固形状のメッキ密着層4が積層される(図5(c))。このメッキ密着層は未硬化であってもよいし、あるいは硬化させてから後述のクラッド層を積層してもよい。
なお、この時の形成されるメッキ密着層4の厚みは重要である。メッキ密着層4の上にメッキで実装パッドを形成し光部品を実装するが、メッキ密着層4が厚すぎると、部品とミラーとの距離が遠くなり、メッキでの回路形成の有用性が失われてしまう。また光材料が紫外線硬化タイプの場合、厚すぎると紫外線がADP材を透過できなる問題がある。逆に薄すぎると、充分な粗化ができず、メッキ密着性が損なわれるおそれがある。よって、メッキ密着層の厚みとしては、1〜10μmであることが望ましく、さらに3〜7μmであることがより好ましい。
その後、上述したようなクラッド層用光導波路材料を用いてクラッド層用ワニス8を準備し、メッキ密着層4の上に所望の厚みで塗工する(図5(d))。さらに、塗工したワニス8から溶剤を蒸発させるために乾燥させる(図5(e)〜(f))。最後に、カバーフィルム3として、例えばOPPフィルムを貼り合わせて完成となる(図5(g))。
得られたドライフィルム全体の厚みは、10〜100μm程度であり、光導波路および/または光電複合配線板の製造に用いることができる。
本実施形態のドライフィルムは透明性とメッキ密着性に優れるため、それを用いることによって、製造工程を簡素化することができ、さらに電気回路と光導波路コアとの距離を短くすることができるため、チップとの結合損失も抑えることができる。
(光導波路および光電複合配線板の製造方法)
得られた光導波路用ドライフィルムを用いて、優れた光導波路および/または光電複合配線板を製造することができる。
すなわち、本実施形態に係る光電複合配線板の製造方法は、上述のドライフィルムを光導波路のクラッド及びコアが形成された基板上に積層する積層工程、メッキ密着層および未硬化のクラッド層を硬化する硬化工程、メッキ密着層の表面を粗化する粗化工程、及び電気回路を形成する回路形成工程を少なくとも含むことを特徴とする。また、さらに前記工程に加え、前記硬化工程と粗化工程の間に、メッキ密着層およびクラッド層を現像する現像工程を備えていてもよい。
以下、その一実施態様について、図6を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る光電複合配線板の製造の前工程として、電気プリント基板、ガラス基板、その他プラスチック基板をベース基板とし、光導波路用のコアパターニングまでを実施する。具体的には、まずクラッド層用光導波路材料とコア層用光導波路材料を作製する。コア層用光導波路材料としては、例えば、特開2009−104084号公報などに記載されている材料を使用することができる。
そして、例えば、最初に表層に内層回路9を形成したベース基板5を作製する(図6(a))。
ベース基板5上にクラッド層用光導波路材料を貼り付け、必要に応じてフォトマスクを介して紫外線等のエネルギー線を照射し、現像を経ることで、下クラッド層10を形成する(図6(b))。
下クラッド層10の上にコア用光導波路材料を貼り付け、必要に応じてフォトマスクを介して紫外線等のエネルギー線を照射し、現像を経ることで、コアパターン11を形成する(図6(c))。
次に、前記積層工程として、本実施形態のドライフィルムのカバーフィルム3を剥ぎ、前記で得られたコアパターニングまで実施された基板の上に、クラッド層1が基板5に接触するように置き、貼り付ける(図6(d)(e))。このとき、真空ラミネーターや真空プレスを用いて加圧加熱することで貼り付けを行う。その後、キャリアフィルム2を剥ぐことで、ベース基板5、パターニングされたコア11と、これを覆うクラッド層1、密着層4の順に積層された基板ができあがる(図6(f))。
次に、クラッド層材料の処理とメッキ密着層材料の1次硬化を行う(硬化工程)。
メッキ密着層材料の一次硬化は、例えば、熱処理(図6(h))が挙げられる。
また、メッキ密着層材料を1次硬化させるための、好ましい温度範囲は120〜180℃であるが、特に160〜180℃の温度範囲で、時間は30〜60分程度が好ましい。
また、クラッド層材料の処理としては、例えば、紫外線照射(図6(g))によって行われるが、それに限定されず、熱硬化開始剤を含む場合は、熱硬化であってもよい。この場合は、メッキ密着層の一次硬化との同時処理として行うことができる。パターニング性のあるクラッド層材料であれば、マスク露光にてフォトビアを空けることも可能である(図6(g))。
なお、クラッド層材料を熱反応させる場合は、条件によってはメッキ密着層材料の1次硬化も同時に行うことができる。クラッド層材料が光反応性の場合は、クラッド層材料とメッキ密着層材料のどちらを先に処理しても構わないが、パターニング等の現像を伴う処理を行う場合、未硬化のメッキ密着層材料では現像耐性に不安があるため、現像の前にメッキ密着層材料の1次硬化を行うことが好ましい。
次に、粗化工程の前に、水性フラックス洗浄剤等の現像液を用いて現像処理することにより、未硬化の部分の樹脂を除去する工程(現像工程)を行ってもよい(図6(i))。特に、本実施形態において、メッキ密着層およびクラッド層は、同時に現像することが好ましい。
このとき、現像液で除去される状態のクラッド層材料の上にも、メッキ密着層材料が硬化された状態で被さっていることになる。これは、現像液の超音波揺動にて破断除去されることになるが、メッキ密着層材料の厚みが大きすぎると綺麗に除去することができない。本実施形態においてメッキ密着層の厚みは10μm以下であるため問題とならない。メッキ密着層およびクラッド層を同時に現像しない場合は、メッキ密着層をレーザやドリルで加工することもできる。
次に、クラッド層材料の光・熱処理、パターニング、及び、メッキ密着層材料の1次硬化まで完了した基板について、メッキ密着層表面の粗化処理(デスミア)を行う(図6(j))(粗化工程)。
粗化処理は、例えば、粗化液に浸せきすることによって行う。粗化液の温度としては、40〜90℃、浸せき時間は1〜30分程度であることが好ましい。粗化液としては酸と酸化剤の両方又は一方を含むものであれば、特に限定されるものではない。例えば、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸塩、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸等の酸化剤等、又はこれを組み合わせたもので粗化処理することができる。また、粗化液の種類を適宜変えて段階的に粗化を行っても良い。
さらに市販の粗化剤であるアトテック社製「スウェリングディップセキュリガントP」、アトテック社製「コンセントレートコンパウンドCP」、アトテック社製「リダクションソリューションセキュリガントP500」の3種類からなるものをセットで粗化液として用いることもできる。これらの3種類をセットで用いる場合には、まず、光基板を「スウェリングディップセキュリガントP」に浸せきさせて樹脂を膨潤させ、次に前記光基板を「コンセントレートコンパウンドCP」に浸せきさせて樹脂を溶解させて、最後に前記光基板を「リダクションソリューションセキュリガントP500」に浸せきさせて塩基性下の状態を中和させることによって、粗化液による粗化処理(デスミア)を行うことができる。
その後、前記のように粗化処理されたメッキ密着層の表面に、例えば、公知のアディティブ法で外層回路を形成することによって(回路形成工程)、光導波路と電気回路が複合化した、光電複合配線板を得ることができる。アディティブ法にはフルアディティブ法とセミアディティブ法があり、本発明においてはいずれの方法を使用して外層回路を形成しても良い。例えば、セミアディティブの場合は、全体に無電解メッキを施し、回路を形成したくない部分にメッキレジスト13を形成する(図6(k))。さらに電解銅メッキ処理によりメッキ14を形成した(図6(l))後にメッキレジスト13を剥離し、無電解メッキをフラッシュエッチングにて除去する(図6(m))。
また、必要に応じてスルーホールを形成しておき、メッキにてベース基板と電気接続することもできる。この時、スルーホールはドリルやレーザにて空けても構わないし、パターニング性のあるクラッド材料であれば、マスク12(図6(g)参照)によるマスク露光にてフォトビア15(図6(i)参照)を空けることも可能である。
このように、本実施形態の製造方法は、クラッドとメッキ密着層を同時に形成できるため、光導波路表面に電気回路を形成するプロセスが簡素化されるという利点を有する。また、本実施形態によれば、光導波路の損失を損なうことなく、光導波路のコアと電気回路間の距離を低減でき、結合損失が小さくできる。さらに、ビルドアップにより光導波路上に電気回路を形成することもできる。
こうして得られる本実施形態の光電複合配線板は、例えば、スーパーコンピューターやサーバー等、超高速処理を要求されるIT機器内の伝送基板として好ましく用いられる。
本明細書は、上述したように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
本発明の一局面に係る光導波路用ドライフィルムは、キャリアフィルム、メッキ密着層、未硬化のクラッド層及びカバーフィルムの順に積層されてなり、前記メッキ密着層が、平均のエポキシ当量が450未満のビフェニル型エポキシ樹脂(A)と、平均のエポキシ当量が450以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)と、分子中にトリアジン環を有するフェノール系ノボラック樹脂(C)とを含有し、前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)に対する前記エポキシ樹脂(B)の質量比が、0.25〜2であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物からなる層であり、その厚みが1〜10μmであることを特徴とする。
このような構成によって、透明性と、光導波路および/または光電気複合配線板の表層のメッキ密着性を確保できるという優れた利点がある。
また、前記光導波路用ドライフィルムにおいて、前記キャリアフィルムが離型性を有することが好ましい。より操作性に優れるためである。
さらに、前記光導波路用ドライフィルムにおいて、前記クラッド層がエネルギー線によって硬化する性質を有することが好ましい。露光マスクを用いて選択的に硬化させることにより、層内の一部のみに光層を形成することが可能となり、基板設計の自由度が向上するからである。
本発明のその他の局面には、前記ドライフィルムからなる光導波路、並びにその光導波路を備えることを特徴とする光電気複合配線板が包含される。
本発明のさらなる局面に係る光電複合配線板の製造方法は、前記ドライフィルムを光導波路のクラッド及びコアが形成された基板上に積層する積層工程、メッキ密着層および未硬化のクラッド層を硬化する硬化工程、メッキ密着層の表面を粗化する粗化工程、及び電気回路を形成する回路形成工程を少なくとも含む。
本発明の光導波路用ドライフィルムは透明性とメッキ密着性に優れるため、それを用いることによって、光電複合配線板の製造工程を簡素化することができ、さらに電気回路と光導波路コアとの距離を短くすることができるため、チップとの結合損失も抑えることができる。
以下に、本発明について、実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
<実施例1>
(1)メッキ密着層用ワニスの作製
固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂EPICLON 1051−75M(DIC(株)製)35質量部、液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂EPICLON 850S(DIC(株)製)17質量部、ビフェニル型エポキシ樹脂NC3000H(日本化薬(株)製)17質量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂EPICLON N690−75M(DIC(株)製)10質量部、熱硬化材としてのトリアジン含有フェノールノボラック樹脂LA3018−50P(DIC(株)製)20質量部、硬化促進剤としてのイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール2E4MZ−CN(四国化成工業(株)製) 0.06質量部、表面調整剤であるF470(DIC(株)製) 0.1質量部の各配合成分を、MEK22質量部の溶剤に溶解し、孔径1μmのメンブランフィルタで濾過した後、減圧脱泡することによって、メッキ密着層用ワニスを調整した。
(2)光導波路材料ワニスの作製
(2−1)クラッド層用材料(光硬化、熱硬化)
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロセキサン付加物であるエポキシ樹脂として、EHPE3150(ダイセル化学工業製)62質量部、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピクロン850S(DIC(株)製)12質量部、フェノキシ樹脂であるYP50(東都化成(株)製)18質量部、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂であるエポトートYH300(東都化成(株)製)8質量部、光カチオン硬化開始剤であるSP170(((株)アデカ製)1質量部の各成分を、トルエン24質量部、MEK56質量部の溶剤に溶解し、孔径1μmのメンブランフィルタで濾過した後、減圧脱泡することによって、光硬化性クラッド層用材料のワニスを調整した。
また、SP170の代わりに、熱カチオン硬化剤としてのSI−150L(三新化学工業(株)製)1質量部を加えたものについて、同様にトルエン24質量部、MEK56質量部の溶剤に溶解し、孔径1μmのメンブランフィルタで濾過した後、減圧脱泡することによって、熱硬化性クラッド層用材料のワニスを調整した。
(2−2)コア用材料
3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートであるセロキサイド2021P(CEL2021Pと略す;ダイセル化学工業(株)製)8質量部、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロセキサン付加物であるエポキシ樹脂として、EHPE3150(ダイセル化学工業製)12質量部、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート1006FS(ジャパンエポキシレジン(株)製)37質量部、3官能エポキシ樹脂であるVG−3101(三井化学(株)製)15質量部、固形ノボラック型エポキシ樹脂であるEPPN201(日本化薬製)18質量部、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピクロン850S(DIC(株)製)10質量部、光カチオン硬化開始剤であるSP170((株)アデカ製)1質量部、表面調整剤であるF470(DIC(株)製)0.1質量部の各配合成分を、トルエン24質量部、MEK56質量部の溶剤に溶解し、孔径1μmのメンブランフィルタで濾過した後、減圧脱泡することによって、コア用材料のワニスを調整した。
(3)ドライフィルムの作製
(3−1)密着層付ドライフィルムの製造(実施例のドライフィルム)−光硬化
前記(1)で調製したメッキ密着層用ワニスをヒラノテクシード製のコンマコータヘッドのマルチコータを用いてキャリアフィルム(東洋紡績製PETフィルム(品番 TN100))の離型処理面に塗布、乾燥して厚み5μmのフィルムを得た。このメッキ密着層の上から、前記(2−1)で調製した光硬化性クラッド層材料のワニスを同様のマルチコータにて塗布し、乾燥して厚み45μmのクラッド層を得た。さらにその上から、カバーフィルムとしてのOPPフィルム(王子特殊紙製OPP−MA420)を被せることで本発明の材料として完成させた。
(3−2)クラッド層付又はコア層付ドライフィルムの製造
前記(2−1)で調製した光硬化性クラッド層材料のワニスをヒラノテクシード製のコンマコータヘッドのマルチコータを用いてキャリアフィルム(東洋紡績製PETフィルム(品番 A4100))の離型処理面に塗布、乾燥して厚み15μm、45μmのフィルムを得た。さらにその上から、カバーフィルムとしてのOPPフィルム(王子特殊紙製OPP−MA420)を被せることでクラッド層を有するドライフィルム(以下、クラッド層付フィルムとも称す)完成させた。
同様に、前記(2−2)で調製したコア材料のワニスをヒラノテクシード製のコンマコータヘッドのマルチコータを用いてキャリアフィルム(東洋紡績製PETフィルム(品番 A4100))の離型処理面に塗布、乾燥して厚み35μmのフィルムを得た。さらにその上から、カバーフィルムとしてのOPPフィルム(王子特殊紙製OPP−MA420)を被せることでコア層を有するドライフィルム(以下、コア層付フィルムとも称す)として完成させた。
(4)光電複合配線板の作製
パナソニック製「R−1566」を用い、表面に内層回路が形成されたベース基板を作製した。
(3−2)で得られた15μm厚のクラッド層付フィルムにおいて、カバーフィルムを剥ぎ、前記ベース基板上にクラッド層が来るように重ね、真空ラミネータにて、温度50℃、圧力0.3Mpa、時間90sの条件で貼り付けた。その後、UV2J/cm(@365nm)を照射し、キャリア(PET)フィルムを剥ぎ、140℃30分の熱処理をかけた。
次に(3−2)で得られたコア層付フィルムにおいて、カバーフィルムを剥ぎ、クラッド層上にコア材料が来るように重ね、真空ラミネータにて、温度50℃、圧力0.3Mpa、時間90sの条件で貼り付けた。35μm幅100mm長の透明開口部を有するガラス製のクロムマスクを重ね、紫外線を2J/cm(@365nm)照射させることによって硬化させた。後処理として140℃のオーブンにて10分間熱処理をし、荒川化学製パインアルファ「ST−100SX」を用いた超音波洗浄にて、55℃、1.5分の現像処理を行った。
(3−1)で得られた実施例のドライフィルムにおいて、カバーフィルムを剥ぎ、パターニングされたコアの表面に、クラッド層が来るように重ね、真空ラミネータにて、温度80℃、圧力0.3Mpa、時間120sの条件で貼り付けた。90μm(直径)のクロム部を有するガラス製のマスクを容易し、ベース基板とのスルーホールを要する部分にクロム部が位置するように重ね、紫外線を2J/cm(@365nm)照射することで、クラッド層を硬化させた。その後、170℃のオーブンにて30分間、クラッド層の後硬化及び、メッキ密着層の1次硬化を兼ねた処理を行った。上述のコアにおける処理と同様にして、現像液として、荒川化学製パインアルファ「ST−100SX」を用い、超音波洗浄機にて55℃、1.5分の現像処理を行った。完成した基板には90μm(直径)のフォトビアが形成された。
こうして得られたサンプルに対して、粗化処理を以下の手順にて行った。
(i)アトテック社「スウェリングディップセキュリガントP」と水酸化ナトリウムの混合液中に80℃で3分間浸漬させた。
(ii)アトテック社「コンセントレートコンパウンドCP」と水酸化ナトリウムの混合液中に80℃で5分間浸漬させた。
(iii)アトテック社「リダクションソリューションセキュリガントP500」と98%硫化水素の混合液に40℃で5分間浸漬させた。
次に、粗化処理された面に対してセミアディティブ法を用いて回路形成した。すなわち、無電解銅メッキ処理を行ってメッキ密着層の表面に無電解メッキを形成した後、120℃60分の熱処理を行い、回路を形成したくない部分にメッキレジストを形成した。さらに電解銅メッキ処理を行った後にメッキレジストを剥離し、無電解メッキをフラッシュエッチングにて除去した。無電解銅メッキと電解銅メッキにて形成されたメッキの厚さは20±2μm、メッキ領域は、幅10mm、長さ100mmの領域、及び、フォトビアの周囲、側面にも施した。最後に180℃のオーブンにて60分間の2次硬化処理を行うことで、表層にメッキ密着層を有する光電複合配線板を完成させた。
(5)評価
(5−1)実施例のドライフィルムのUV透過率
前記(3−1)で製造したドライフィルムのUV透過率を、露光機から照射される紫外線を密着層付きクラッドを介して、313nm用UVセンサーで紫外線強度を測定することにより評価した。またリファレンスとして、密着層付きクラッドを除いた状態で紫外線強度を測定した。その結果、UV透過率は密着層付きクラッドで97%、密着層付きクラッドを除いた状態で98%と変化が少なく、UV透過性に優れることが確認できた。
(5−2)ピール強度の評価
90°ピール試験方法(JIS C6481)に従い、メッキにて作製した表層回路(幅10mm)のピール強度の測定を行った。結果は0.52[kg/cm]となった。
<実施例2>
(1)密着層付ドライフィルムの製造(実施例のドライフィルム)−熱硬化
実施例1(1)で調製したメッキ密着層用ワニスをヒラノテクシード製のコンマコータヘッドのマルチコータを用いてキャリアフィルム(東洋紡績製PETフィルム(品番 TN100))の離型処理面に塗布、乾燥して厚み5μmのフィルムを得た。このメッキ密着層の上から、実施例1の(2−1)で調製した熱硬化性クラッド層材料のワニスを同様のマルチコータにて塗布し、乾燥して厚み45μmのクラッド層を得た。さらにその上から、カバーフィルムとしてのOPPフィルム(王子特殊紙製OPP−MA420)を被せることで本発明の材料として完成させた。
(2)光電複合配線板の作製
実施例1と同様の材料、同様のプロセスを用いて、ベース基板上へのコアのパターニングまでを行った。
上記(1)で得られた実施例のドライフィルムにおいて、カバーフィルムを剥ぎ、パターニングされたコアの表面に、クラッド層が来るように重ね、真空ラミネータにて、温度80℃、圧力0.3Mpa、時間120sの条件で貼り付けた。その後、170℃のオーブンにて30分間、クラッド層の硬化及び、メッキ密着層の1次硬化を兼ねた処理を行った。
次に、エキシマレーザを用いて、ビアの形成を行った。用いたレーザはKr−Fエキシマレーザ(波長:248nm)であり、周波数100Hz、10分の1の光学系を有するものである。直径0.9mmのマスクを用いて基板側の回路と位置合わせをし、出力16mWにて80パルス照射することにより、直径90μmのビアを形成した。ビアは、基板との電気導通が必要な、実施例1で製造したものと同様の箇所に形成した。
こうして得られたサンプルに対して、実施例1と同様にして粗化処理、回路形成を行った。さらに実施例1と同様にして、ビアの側面にもメッキを施すことで、基板側との導通をとった。最後に180℃のオーブンにて60分間の2次硬化処理を行うことで、表層にメッキ密着層を有する光電複合配線板を完成させた。
(3)ピール強度の評価
90°ピール試験方法(JIS C6481)に従い、メッキにて作製した表層回路(幅10mm)のピール強度の測定を行った。結果は0.50[kg/cm]となり、光硬化タイプのクラッド層を使用した実施例1と同等の結果が得られることがわかった。
<比較例1>
(1)光電複合配線板の作製
実施例1と同様の材料、同様のプロセスを用いて、ベース基板上へのコアのパターニングまでを行った。
(3−2)で得られた45μm厚のクラッド層付フィルムにおいて、カバーフィルムを剥ぎ、パターニングされたコアの表面に、クラッド層が来るように重ね、真空ラミネータにて、温度80℃、圧力0.3Mpa、時間120sの条件で貼り付けた。90μm(直径)のクロム部を有するガラス製のマスクを容易し、ベース基板とのスルーホールを要する部分にクロム部が位置するように重ね、紫外線を2J/cm(@365nm)照射することで、クラッド層を硬化させた。その後、170℃のオーブンにて30分間、光材料部の後硬化を行った。コアと同様にして、現像液として、荒川化学製パインアルファ「ST−100SX」を用い、超音波洗浄機にて55℃、1.5分の現像処理を行った。完成した基板には90μmΦのフォトビアが形成された。
こうして得られたサンプルに対して、実施例と同様に、粗化処理を行った。
粗化処理された面に対して実施例と同様にして、表層回路とフォトビアの導通を行った。最後に150℃のオーブンにて30分間の2次硬化処理を行うことで、光電複合配線板を製造した。
(2)ピール強度の評価
90°ピール試験方法(JIS C6481)に従い、メッキにて作製した表層回路(幅10mm)のピール強度の測定を行った。0.06[kg/cm]と非常に弱い強度となった。
<実施例3>
(3−1)で得られた実施例のドライフィルムを積層する前に、以下の工程によってミラーを形成した以外は、実施例1と同様の方法で、光電複合配線板を製造した。
すなわち、コア層付フィルムを重ねて、現像処理を終えた後、コアの両端から10mmの箇所に、導波光を90°偏向させるためのマイクロミラーを形成した。まず切削刃の頂角が90°の回転ブレード(ディスコ社製「#5000」ブレード)を用い、回転数10000rpm、移動速度0.1mm/sの条件で、コアの両端からそれぞれ10mmの位置を横切るように移動させることによって、深さ50μmのV溝を加工し、次に前記クラッド層用材料のワニスをトルエン24質量部、MEK56質量部の溶剤で50倍に希釈した溶液をV溝にブラシで薄く塗布し、100℃で30分間乾燥した後に超高圧水銀灯で1J/cm(@365nm)の条件で紫外光を照射して露光し、さらに120℃で10分間熱処理を行なうことによって、V溝の平滑化を行なった。この後、V溝の部分のみが開口されたメタルマスクを被せて金を真空蒸着した。更にV溝の片側の45°面をストレートの切削刃を用いて金とともに加工することによって、45°面の表面に1000Å厚の金薄膜でマイクロミラーを形成した。
(評価)ミラー付き導波路の光損失
850nmのLED光源からの光をコア径10μm、NA0.21の光ファイバーを通して光電複合配線板の光回路の片側のミラーにシリコーンオイルをマッチングオイルを介して入射し、反対側からは同じマッチングオイルを介してコア径200μm、NA0.4の光ファイバーを通してパワーメータに接続して、ミラー入出射での光回路を挿入した場合のパワー(P1)を測定し、前記2つのファイバーを突き当てて測定した光回路の無い状態でのパワー(P0)を測定し、−10log(P1/Po)の計算式で光回路の挿入損失を算出した。
その結果、2.5dBであり、実施例において伝搬損失に優れた光電複合配線板が作製できたことが示された。
1 クラッド層
2 キャリアフィルム
3 カバーフィルム
4 メッキ密着層
5 基板
6、14 メッキ
7 メッキ密着層ワニス
8 クラッド層ワニス
9 内層回路
10 下クラッド
11 コア
12 マスク
13 メッキレジスト
15 フォトビア


Claims (6)

  1. 光導波路用ドライフィルムであって、
    キャリアフィルム、メッキ密着層、未硬化のクラッド層及びカバーフィルムの順に積層されてなり、
    前記メッキ密着層が、平均のエポキシ当量が450未満のビフェニル型エポキシ樹脂(A)と、平均のエポキシ当量が450以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)と、分子中にトリアジン環を有するフェノール系ノボラック樹脂(C)とを含有し、前記ビフェニル型エポキシ樹脂(A)に対する前記エポキシ樹脂(B)の質量比が、0.25〜2であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物からなる層であり、その厚みが1〜10μmであることを特徴とする、光導波路用ドライフィルム。
  2. 前記キャリアフィルムが離型性を有する、請求項1に記載の光導波路用ドライフィルム。
  3. 前記クラッド層がエネルギー線によって硬化する性質を有する、請求項1又は2に記載の光導波路用ドライフィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のドライフィルムを用いてなる光導波路。
  5. 請求項4に記載の光導波路を備えることを特徴とする光電気複合配線板。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載のドライフィルムを光導波路のクラッド及びコアが形成された基板上に積層する積層工程、
    メッキ密着層および未硬化のクラッド層を硬化する硬化工程、
    メッキ密着層の表面を粗化する粗化工程、及び
    電気回路を形成する回路形成工程
    を少なくとも含む、光電複合配線板の製造方法。

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