JP2012098465A - 光導波路、その光導波路の製造方法、及びその光導波路を用いた光導波路モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】低弾性率材料により作製した光導波路を切削加工する際に凹みや歪み等の発生を抑制し、且つ、切削面に発生する切削スジを抑えて、光伝搬損失、特にミラー反射損失の値が低減された光導波路、その製造方法、及びその光導波路を用いた光導波路を提供すること。
【解決手段】弾性率が300MPa以下の樹脂からなるコア層及びクラッド層を有し、少なくともクラッド層上にコア層が積層された光導波路であって、前記コア層、又は、該コア層及び前記クラッド層が、外円周上に複数の非切削刃部分と複数の切削刃部分とを備えた円形回転ブレードであって、該円形回転ブレードの外円周方向における複数の非切削刃部分の長さの和と複数の切削刃部分の長さの和との比(非切削刃部分の長さの和/切削刃部分の長さの和)が1/8〜2/3の範囲である円形回転ブレードにより切削加工されて形成された切削面を有する、光導波路。
【選択図】図1

Description

本発明は、光導波路、その光導波路の製造方法、及びその光導波路を用いた光導波路モジュールに関する。
電子素子間や配線基板間の高速・高密度信号伝送において、従来の電気配線による伝送では、信号の相互干渉や減衰が障壁となり、高速・高密度化の限界が見え始めている。これを打ち破るため電子素子間や配線基板間を光で接続する技術、いわゆる光インターコネクションが提案されており、電気配線と光配線の複合化に関して種々の検討が行われている。特に近年では、携帯電話やノート型パソコンのヒンジ部に光配線を導入する試みがなされている。このヒンジ部は、曲げやスライドを伴う部分であるため、高屈曲性の材料からなる光導波路を有するフレキシブル光電気複合基板が使用される。
光導波路材料として、ゴム系の樹脂を用い、弾性率を低減することで曲げやスライドの耐性を向上することが知られている。一般的に、弾性率が300MPa以下の樹脂が用いられる。例えば、特許文献1、2では、シリコーンゴムやシリコーン樹脂を材料とした光導波路フィルムを備えた導波路型光モジュールが開示されている。その光導波路フィルムの導波路コアには、45°ブレードを用いてダイシングソーの切削加工により形成された、45°の光路変換用ミラー面が形成されている。導波路コア内を通る光は、光路変換用ミラー面で反射し、光路が変えられる。
特開2006−011210号公報 特開2006−017885号公報
しかしながら、低弾性率材料により作製した光導波路に光路変換用ミラー面を形成する際、例えば、図4のような外円周上に切削刃のみを備えたブレード101を用いて切削加工を行った場合に、切削加工により光導波路のコア層に凹みや歪み等が生じてしまうことが多い。凹みや歪み等が生じることで、光伝搬損失、特にミラー反射損失が大きくなり、ミラー面としての機能を発揮できない場合がある。
また、図5のようなノコギリ状のブレード102を用いて切削加工を行った場合、切削加工によるコア層の凹みや歪みが抑えられるが、切削面に切削スジが発生してしまい、光伝搬損失、特にミラー反射損失の値が大きくなる。
本発明は、上記問題点に鑑み、低弾性率材料により作製した光導波路を切削加工する際に凹みや歪み等の発生を抑制し、且つ、切削面に発生する切削スジを抑えて、光伝搬損失、特にミラー反射損失の値が低減された光導波路、その製造方法、及びその光導波路を用いた光導波路を提供することを課題とする。
本発明者らは、特定の円形回転ブレードを用いて切削加工された切削面を有する光導波路が、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[3]を提供するものである。
[1]弾性率が300MPa以下の樹脂からなるコア層及びクラッド層を有し、少なくともクラッド層上にコア層が積層された光導波路であって、前記コア層、又は、該コア層及び前記クラッド層が、外円周上に複数の非切削刃部分と複数の切削刃部分とを備えた円形回転ブレードであって、該円形回転ブレードの外円周方向における複数の非切削刃部分の長さの和と複数の切削刃部分の長さの和との比(非切削刃部分の長さの和/切削刃部分の長さの和)が1/8〜2/3の範囲である円形回転ブレードにより切削加工されて形成された切削面を有する、光導波路。
[2]上記[1]に記載の光導波路の製造方法であって、複数の非切削刃部分と複数の切削刃部分とが円周方向において交互に形成され、前記円形回転ブレードの外円周方向における前記複数の非切削刃部分の長さが互いに同じであり、前記円形回転ブレードの外円周方向における前記複数の切削刃部分の長さが互いに同じである、円形回転ブレードであって、該円形回転ブレードの外円周方向における複数の非切削刃部分の長さの和と複数の切削刃部分の長さの和との比(非切削刃部分の長さの和/切削刃部分の長さの和)が1/8〜2/3の範囲である円形回転ブレードを用いて、弾性率が300MPa以下の樹脂からなる前記コア層、又は該コア層及び前記クラッド層を、該コア層側から該クラッド層側に向けて切削加工して切削面を形成する工程を含む、光導波路の製造方法。
[3]上記[1]に記載の光導波路を用いた、光導波路モジュール。
本発明によれば、低弾性率材料により作製した光導波路を切削加工する際に凹みや歪み等の発生を抑制し、且つ、切削面に発生する切削スジを抑えて、光伝搬損失、特にミラー反射損失の値が低減された光導波路、及びその光導波路の製造方法を提供することができる。また、本発明の光導波路を用いた光導波路モジュールは、高精度のミラー加工が施された光導波路を備えているため、様々な光インターコネクションの分野において適用しうる。
本発明の光導波路の一例を示す模式図である。 本発明の光導波路の製造方法で用いる円形回転ブレードの一例を示した図であり、(a)当該円形回転ブレードの平面図、(b)(a)の円形回転ブレードの非切削刃部分及び切削刃部分の拡大図、(c)切削刃部分における円形回転ブレードの半径方向の断面図である。 本発明の光導波路の製造方法の一例を示す模式図である。 従来の光導波路の製造方法で用いられていた円形回転ブレードの一例である。 従来の光導波路の製造方法で用いられていた円形回転ブレードの一例である。
〔光導波路の構成〕
初めに、本発明の光導波路について、図1を用いて説明する。本発明の光導波路1は、図1に示すように、基板11上に形成されていてもよい。図1では、基板11上に、下部クラッド層12aが積層され、その上にコア層13が積層されている。なお、図1のように、少なくともコア層上に、更に上部クラッド層12bが積層されていてもよい(以下、下部クラッド層12aと上部クラッド層12bをまとめて、クラッド層12ともいう)。ここで、コア層13には、露光処理を行い、コアパターンを形成しているものも含まれる。なお、コアパターンが形成されている場合、上部クラッド層12bは、コア層13及び下部クラッド層12a上に積層される。
クラッド層12及びコア層13は、弾性率が300MPa以下の樹脂からなる。当該樹脂の詳細については後述する。ここで、基板11と下部クラッド層12aとの接着性が弱い場合は、必要に応じて基板11と下部クラッド層12aとの間に接着剤層を設けてもよい。
切削面14は、特定の円形回転ブレードにより切削加工されてコア層13及びクラッド層12に形成された面である。図1においては、切削面14は、コア層13又はクラッド層12の水平面に対して傾斜しているが、コア層13又はクラッド層12の水平面に対して、略垂直に形成されていてもよい。切削面14のコア層13又はクラッド層12(下部クラッド層12a又は上部クラッド層12b)の水平面に対する傾斜角θは、光導波路の用途に応じて、適宜設定することができる。例えば、切削面14をミラー面とする場合、傾斜角θとしては、適宜設定できるが、好ましくは30〜60度、より好ましくは40〜50度、更に好ましくは44〜46度である。
また、図1では、上部クラッド層12bは、切削加工前に積層され、コア層13と下部クラッド層12aと共に切削加工されているが、下部クラッド層12aとコア層13を積層し、切削加工後に積層されていてもよい。
<光導波路の各構成について>
以下、本発明の光導波路の各構成部分について説明する。
(基板)
本発明の光導波路は基板上に形成することができる。基板の種類としては、特に制限されるものではないが、寸法安定性のある厚みのある非可撓性の基板を用いることで、光導波路自体の寸法安定性を付与させることができる。寸法安定性のある厚みのある基板の材料としては、特に限定されないが、寸法安定性の観点からフレキシブルプリント配線板、FR−4基板、半導体基板、シリコン板、ガラス板や金属板等が好適に挙げられる。上記に挙げた寸法安定性のある厚みのある非可撓性の素材に離型処理を施すことで光導波路との再剥離性を付与させることができる。基板の厚さとしては、板の反りや寸法安定性により、適宜変えてよいが、好ましくは0.1〜10.0mmである。
また、基板に光導波路との剥離性を持たせるために、上記の非可撓性の基板に表面が平坦なフィルムを貼り付けてもよい。フィルムの材料としては、特に限定されないが、強靭性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等が挙げられる。再剥離性且つ耐熱性の観点からフィルムの材料としてはポリイミドやアラミドが好適に挙げられる
フィルムの厚さは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、好ましくは5〜250μmである。
基板と光導波路のクラッド層との接着には、再剥離性のある接着剤や接着フィルムからなる接着剤層を設けてもよい。ただし、基材に再剥離性が備わっている場合は接着剤又は接着フィルムを用いる必要はない。接着剤又は接着フィルムの材料としては、片面微粘着の両面テープ、ホットメルト接着剤、UV又は熱剥離型接着剤等が好適に挙げられる。
また、非可撓性の素材と光導波路に対して離型性のあるフィルムを貼り合わせる等の場や、クラッド層又は基板に接着力がないため接着剤を介する必要がある場合等の再剥離を必要としない接着には、耐熱性のある接着剤又は接着フィルムが好ましい。再剥離する必要がない場合に用いる接着剤又は接着フィルムの材料としては、特に限定されないが、耐熱性の観点からプリプレグ、ビルドアップ材、耐熱性の接着剤等が好適に挙げられる。
接着剤層及び接着フィルムの厚さは、特に限定されないが、好ましくは5μm〜3.0mmである。基板と光導波路とを上記離型性のシートを挟んで接着する場合は、接着剤層及び接着フィルムの厚さは、離型性のシートよりも5μm以上厚いことが好ましい。
(クラッド層)
クラッド層としては、クラッド層形成用樹脂又はクラッド層形成用樹脂フィルムを用いることができる。
クラッド層形成用樹脂としては、弾性率が300MPa以下の樹脂であり、コア層より低屈折率で、光又は熱により硬化する樹脂組成物であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂組成物や感光性樹脂組成物を好適に使用することができる。より好適にはクラッド層形成用樹脂が、(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物及び(C)光重合開始剤を含有する樹脂組成物により構成されることが好ましい。なお、上部クラッド層を更に形成する場合、上部クラッド層の樹脂組成物に含有する成分が、下部クラッド層と同一であっても異なっていてもよく、該樹脂組成物の屈折率が同一であっても異なっていてもよい。
(A)ベースポリマーはクラッド層を形成し、該クラッド層の強度を確保するためのものであり、該目的を達成し得るものであれば特に限定されず、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等、あるいはこれらの誘導体等が挙げられる。これらのベースポリマーは1種単独でも、また2種以上を混合して用いてもよい。上記で例示したベースポリマーのうち、耐熱性が高いとの観点から、主鎖に芳香族骨格を有することが好ましく、特にフェノキシ樹脂が好ましい。また、3次元架橋し、耐熱性を向上できるとの観点からは、エポキシ樹脂、特に室温で固形のエポキシ樹脂が好ましい。更に、後に詳述する(B)光重合性化合物との相溶性が、クラッド層形成用樹脂の透明性を確保するために重要であるが、この点からは上記フェノキシ樹脂及び(メタ)アクリル樹脂が好ましい。なお、ここで(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂を意味するものである。
フェノキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA、ビスフェノールA型エポキシ化合物又はそれらの誘導体、及びビスフェノールF、ビスフェノールF型エポキシ化合物又はそれらの誘導体を共重合成分の構成単位として含むものは、耐熱性、密着性及び溶解性に優れるため好ましい。ビスフェノールA又はビスフェノールA型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。また、ビスフェノールF又はビスフェノールF型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールF型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂の具体例としては、東都化成(株)製「フェノトートYP−70」(商品名)が挙げられる。
室温で固形のエポキシ樹脂としては、例えば、東都化学(株)製「エポトートYD−7020、エポトートYD−7019、エポトートYD−7017」(いずれも商品名)、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1010、エピコート1009、エピコート1008」(いずれも商品名)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
(B)光重合性化合物としては、紫外線等の光の照射によって重合するものであれば特に限定されず、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物や分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物等が挙げられる。
分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物としては、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルピリジン、ビニルフェノール等が挙げられるが、これらの中で、透明性と耐熱性の観点から、(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレートとしては、1官能性のもの、2官能性のもの、3官能性以上の多官能性のもののいずれをも用いることができる。なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを意味するものである。
分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能又は多官能芳香族グリシジルエーテル、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂等の2官能又は多官能脂肪族グリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能脂環式グリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル等の2官能芳香族グリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の2官能脂環式グリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2官能又は多官能芳香族グリシジルアミン、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート等の2官能脂環式エポキシ樹脂、2官能複素環式エポキシ樹脂、多官能複素環式エポキシ樹脂、2官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの(B)光重合性化合物は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
(C)成分の光重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば(B)成分にエポキシ化合物を用いる場合の開始剤として、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリルセレノニウム塩、ジアルキルフェナジルスルホニウム塩、ジアルキル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩、スルホン酸エステル等が挙げられる。
また、(B)成分に分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物を用いる場合の開始剤としては、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、2−メルカプトベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール類、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類、9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。なお、コア層及びクラッド層の透明性を向上させる観点からは、上記化合物のうち、芳香族ケトン及びフォスフィンオキサイド類が好ましい。
これらの(C)光重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
(A)ベースポリマーの配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、5〜80質量%とすることが好ましい。また、(B)光重合性化合物の配合量は、(A)及び(B)成分の総量に対して、95〜20質量%とすることが好ましい。
この(A)成分及び(B)成分の配合量として、(A)成分が5質量%以上であり、(B)成分が95質量%以下であると、樹脂組成物を容易にフィルム化することができる。一方、(A)成分が80質量%以下あり、(B)成分が20質量%以上であると、(A)ベースポリマーを絡み込んで硬化させることが容易にでき、光導波路を形成する際に、パターン形成性が向上し、且つ光硬化反応が十分に進行する。以上の観点から、この(A)成分及び(B)成分の配合量として、(A)成分10〜85質量%、(B)成分90〜15質量%がより好ましく、(A)成分20〜70質量%、(B)成分80〜30質量%が更に好ましい。
(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部とすることが好ましい。この配合量が0.1質量部以上であると、光感度が十分であり、一方10質量部以下であると、露光時に感光性樹脂組成物の表層での吸収が増大することがなく、内部の光硬化が十分となる。更に、光導波路として使用する際には、重合開始剤自身の光吸収の影響により伝搬損失が増大することもなく好適である。以上の観点から、(C)光重合開始剤の配合量は、0.2〜5質量部とすることがより好ましい。
また、このほかに必要に応じて、クラッド層形成用樹脂中には、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤等のいわゆる添加剤を本発明の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
本発明においては、クラッド層の形成方法は特に限定されず、例えば、クラッド層形成用樹脂の塗布又はクラッド層形成用樹脂フィルムのラミネートにより形成すればよい。
塗布による場合には、その方法は限定されず、例えば、前記(A)〜(C)成分を含有する樹脂組成物を常法により塗布すればよい。
また、ラミネートに用いるクラッド層形成用樹脂フィルムは、例えば、前記樹脂組成物を溶媒に溶解して、支持体フィルムに塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。
クラッド層形成用樹脂フィルムの製造過程で用いられる支持体フィルムは、その材料については特に限定されず、種々のものを用いることができる。支持体フィルムとしての柔軟性及び強靭性の観点から、上記した、基材に用いることの出来るフィルム材料として例示したものが同様に挙げられる。
支持体フィルムの厚さは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、5〜250μmであることが好ましい。5μm以上であると強靭性が得易いという利点があり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。
ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は30〜80質量%程度であることが好ましい。
クラッド層の厚さに関しては、乾燥後の厚さで、5〜500μmの範囲が好ましい。5μm以上であると、光の閉じ込めに必要なクラッド厚さが確保でき、500μm以下であると、膜厚を均一に制御することが容易である。以上の観点から、クラッド層の厚さは、更に10〜100μmの範囲であることがより好ましい。
また、上部クラッド層が形成される場合、上部クラッド層の厚さは、下部クラッド層と同一であっても異なってもよいが、コア層を埋め込むために、上部クラッド層の厚さを、コア層の厚さよりも厚くすることが好ましい。
(コア層形成用樹脂及びコア層形成用樹脂フィルム)
本発明においては、クラッド層に積層するコア層の形成方法は特に限定されず、例えば、コア層形成用樹脂の塗布又はコア層形成用樹脂フィルムのラミネートにより形成すればよい。
コア層形成用樹脂としては、弾性率が300MPa以下の低弾性率の樹脂であり、クラッド層より高屈折率であるように設計され、活性光線によりコア層を形成し得る樹脂組成物を用いることができ、感光性樹脂組成物が好適である。具体的には、前記クラッド層形成用樹脂で用いたのと同様の樹脂組成物を用いることが好ましい。
塗布による場合には、方法は限定されず、前記樹脂組成物を常法により塗布すればよい。
以下、ラミネートに用いるコア層形成用樹脂フィルムについて詳述する。
コア層形成用樹脂フィルムは、前記樹脂組成物を溶媒に溶解してクラッド層上に塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は、通常30〜80質量%であることが好ましい。
コア層形成用樹脂フィルムの厚さについては特に限定されず、乾燥後のコア層の厚さが、通常は10〜100μmとなるように調整される。該フィルムの厚さが10μm以上であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバーとの結合において位置合わせトレランスが拡大できるという利点があり、100μm以下であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバーとの結合において、結合効率が向上するという利点がある。以上の観点から、該フィルムの厚さは、更に30〜70μmの範囲であることが好ましい。
コア層形成用樹脂の製造過程で用いる支持体フィルムは、コア層形成用樹脂を支持する支持体フィルムであって、その材料については特に限定されないが、後にコア層形成用樹脂を剥離することが容易であり、且つ、耐熱性及び耐溶剤性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等が好適に挙げられる。
支持体フィルムの厚さは、5〜50μmであることが好ましい。5μm以上であると、支持体フィルムとしての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であると、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという利点がある。以上の観点から、支持体フィルムの厚さは10〜40μmの範囲であることがより好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
なお、本発明において用いられる光導波路は、コア層及びクラッド層を有する高分子層を複数積層し、多層光導波路であってもよい。
〔円形回転ブレード〕
本発明の光導波路の切削面14を形成する上で用いる円形回転ブレードは、外円周上に複数の非切削刃部分と複数の切削刃部分とを備えたものである。
本発明で用いる円形回転ブレードの外円周方向における複数の非切削刃部分の長さの和と複数の切削刃部分の長さの和との比(非切削刃部分の長さの和/切削刃部分の長さの和)が1/8〜2/3の範囲であり、好ましくは1/7〜1/2の範囲、より好ましくは1/6〜1/5の範囲である。当該範囲であれば、弾性率が300MPa以下の低弾性率の樹脂からなるコア層及びクラッド層を切削加工しても、凹みや歪みの発生を抑えられ、切削面に発生する切削スジも低減することができる。つまり、低減当該比が1/8未満であると、図4のブレード101を用いた場合と同様に、切削時にコア層に凹みや歪みが発生してしまい、光伝搬損失、特にミラー反射損失の値が大きくなるため好ましくない。また、当該比が2/3より大きいと、図5のブレード102を用いた場合と同様に、切削面に切削スジが発生してしまい、光伝搬損失、特にミラー反射損失の値が大きくなるため好ましくない。
なお、非切削刃部分の長さとは、図2の(b)のL1の長さを示し、切削刃部分の長さとは、図2の(b)のL2の長さを示す。
図2に、本発明で用いられる円形回転ブレードの一例を示す。図2に示す円形回転ブレード50は、複数の非切削刃部分51と複数の切削刃部分52と円周方向において交互に備え、非切削刃部分51は、円形回転ブレード50の中心方向内側に向けて形成されたU字形状のスリット53からなる。スリット53の形状については、図2のように円形回転ブレード50の円の法線方向に伸びるU字形状でもよく、所定の角度で中心に向けて伸びる形状であってもよい。非切削刃部分51は、上述のようなスリット53からなることで、切削加工の際に発生する切削粉をこのスリットから排出することができるため好ましい。
また、U字形状のスリット53の深さは、切り込む深さより大きくする必要があり、例えば下部クラッド層25μm、コア層50μm上部クラッド層25μmの光導波路の場合では下部クラッド層に10μm〜15μm切り込みを入るとして、少なくとも(15+50+25=)80μm以上であればよい。
また、図2の円形回転ブレード50において、各非切削刃部分51の長さは、それぞれL1で互いに同じである。同様に、各切削刃部分52の長さも、それぞれL2で互いに同じである。各非切削刃部分51の長さL1、及び各切削刃部分52の長さL2がそれぞれ同じであることで、常に良好な切削面を形成することができるため好ましい。
非切削刃部分51及び切削刃部分52のそれぞれの個数としては、円形回転ブレードの直径により適宜選択されるが、好ましくは50〜80個である。50個以上であれば、切削時にコア層に凹みや歪みの発生を抑制でき、80個以下であれば、切削面の切削スジの発生を抑制できる。なお、非切削刃部分51と切削刃部分52は、円周方向において交互に形成されるため、両者の個数は同じとなる。
円形回転ブレード50の直径は、ブレードを装置に取り付けるためのフランジの外径の観点から、好ましくは51〜56mm、より好ましくは51〜53mm、更に好ましくは51〜52mmである。
切削刃部分52における円形回転ブレードの半径方向の断面形状は、特に制限は無いが、光導波路にミラー面を形成する観点から、図2の(c)に示す断面形状であることが好ましい。図2の(c)は、切削刃部分52における円形回転ブレードの半径方向の断面形状を表しており、lはコア層13又はクラッド層12の水平面を示し、αはコア層又はクラッド層の水平面に対する切削刃部分における先端角度を示している。当該先端角度としては、好ましくは30〜60度、より好ましくは40〜50度、更に好ましくは44〜46度である。
円形回転ブレードの粗さは、レジン砥粒を用いたブレードではJIS規格相当品で、好ましくは1000〜3000番、より好ましくは1500〜1700番であり、ダイヤモンド砥粒を用いたブレードではJIS規格相当品で、好ましくは3000〜7000番、より好ましくは3000〜4500番である。円形回転ブレードの粗さが粗過ぎると切り込みの切削面が粗い面となり伝搬光を散乱する。一方、ブレードの粗さが細か過ぎると、ブレードが目詰まりし易く、光導波路1が基板11から剥がれるおそれがある。
円形回転ブレードの厚さは、45°斜面を形成する深さによるが、好ましくは100〜320μm、より好ましくは140〜180μmである。
〔光導波路の製造方法〕
本発明の光導波路の製造方法について、図3を用いて説明する。図3では、上部クラッド層12bを有する光導波路が示されているが、それに限定はされない。
まず、図3の(a)において、フレキシブルプリント配線板等の基板11上に下部クラッド層12aを積層し、その上にコア層13を積層する。該コア層13は、露光処理を行ない、コアパターンを形成してもよい。そして、更に上部クラッド層12bを積層し切削加工前光導波路2を得る。本発明においては、切削加工前光導波路2の製造方法は、特に限定されず、例えば実施例に記載の方法が挙げられる。また、基板11と下部クラッド層12aとの接着性が悪い場合には、必要に応じて接着剤層を介して、基板11と下部クラッド層12aとを接着してもよい。
次に、図3の(b)のように、切削面14を形成する。切削面14は、上述の円形回転ブレードを用いて、上部クラッド層12b及びコア層13側から、下部クラッド層12a側に向けて切削加工することで形成される。図3の(b)では、切削面14を形成することで、ミラー面を有する光導波路が作製されている。この際、ブレードの先端部分は丸みを帯びており、切削面14を平面状に仕上げるために、切削加工は、コア層13だけでなく、コア層13の下に位置する下部クラッド層12aの一部も切削されることが好ましい。切削される下部クラッド層12aの深さとしては、好ましくは5〜20μm、より好ましくは10〜15μmである。
切削加工の際には、発熱を抑えるために、ブレードクーラー水を1.0〜2.0L/分、シャワー水を0.5〜2.0L/分程度供給することが好ましい。
円形回転ブレードの回転数は、切削面を滑らかな面とする観点から、好ましくは20,000〜60,000rpm、より好ましくは25,000〜40,000rpmである。
また、円形回転ブレードの送り速度は、好ましくは1mm/s〜10mm/s、より好ましくは1mm/s〜5mm/sである。この範囲の送り速度は、半導体素子製造時のブレードの送り速度の約1/10である。このようにゆっくりした送り速度でコア層13及びクラッド層12を切削することにより、切削面を滑らかな面に形成することができる。
なお、当該切削加工は、上向き削り(アップカット)、下向き削り(ダウンカット)のいずれでもよい。
上記の条件により、切削加工がなされて形成された切断面は、光伝搬損失、特にミラー面の反射損失の値を低く抑えることができる。本発明の光導波路のミラー面の反射損失の値は、好ましくは0.7dB以下、より好ましくは0.65dB以下、更に好ましくは0.60dB以下である。
〔光電気複合モジュール〕
本発明の光導波路は、更に電気配線板を備えた、光電気複合基板とすることができる。
電気配線版としては、特に限定されるものではなく、光電気複合部材に用いられる種々の電気配線板を用いることができ、例えば、基板に直接配線が設けられているフレキシブルプリント配線板等や、片面に銅が貼り付けられたポリイミド基板を用い、光導波路と接合後に、電気配線パターンを形成したものであってもよい。更に、上記の配線板を多層化してあってもよい。
このような本発明の光導波路を備えた光電気複合基板は、光損失、特にミラー面の反射損失の値が低減されているため、様々な光インターコネクションの分野に適用しうる、光電気複合モジュールとなり得る。本発明の光導波路を用いた光電気複合モジュールとしては、例えば、AOC(Active Optical Cable)等が挙げられる。
〔製造例〕
以下の如くに各工程を実施し、切削加工前の光導波路を作製した。
(1)クラッド層形成用樹脂フィルムの作製
(A)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成(株)製)48質量部、(B)光重合性化合物として、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート(商品名:KRM−2110、分子量:252、旭電化工業(株)製)49.6質量部、(C)光重合開始剤として、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩(商品名:SP−170、旭電化工業(株)製)2質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を広口のポリ瓶に秤量し、メカニカルスターラ、シャフト及びプロペラを用いて、温度25℃、回転数400rpmの条件で、6時間攪拌し、クラッド層形成用樹脂ワニスを調合した。その後、孔径2μmのポリフロンフィルタ(商品名:PF020、アドバンテック東洋(株)製)を用いて、温度25℃、圧力0.4MPaの条件で加圧濾過し、更に真空ポンプ及びベルジャーを用いて減圧度50mmHgの条件で15分間減圧脱泡した。
上記で得られたクラッド層形成用樹脂ワニスを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA4100、東洋紡績(株)製、厚さ:50μm)の非処理面上に塗工機(マルチコーターTM−MC、(株)ヒラノテクシード製)を用いて塗布し、80℃、10分、その後100℃、10分乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム(株)、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚さは、塗工機のギャップを調節することで、任意に調整可能であり、本実施例では硬化後の膜厚が、25μmとなるように調節した。また、得られたクラッド層形成用樹脂の弾性率は285MPaであった。
(2)コア層形成用樹脂フィルムの作製
(A)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成(株)製)26質量部、(B)光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業(株)製)36質量部、及びビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業(株)製)36質量部、(C)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は、上記クラッド層形成用樹脂フィルムの作製例と同様の方法及び条件でコア層形成用樹脂ワニスを調合した後、加圧濾過、及び減圧脱泡した。
上記で得られたコア層形成用樹脂ワニスを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績(株)製、厚さ:16μm)の非処理面上に、上記製造例と同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:A31、帝人デュポンフィルム(株)、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、コア層形成用樹脂フィルムを得た。本実施例では硬化後の膜厚が50μmとなるよう、塗工機のギャップを調整した。また、得られたコア層形成用樹脂の弾性率は285MPaであった。
なお、コア層及びクラッド層の屈折率をMetricon社製プリズムカプラー(Model 2010)で測定したところ、波長830nmにて、コア層が1.584、クラッド層が1.550であった。
(3)接着フィルムの作製
PCT/JP2008/05465の実施例1に記載の接着フィルムを作製した。すなわち、(a)エポキシ樹脂としてYDCN−703(東都化成株式会社製商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210)55質量部、(b)硬化剤としてミレックスXLC−LL(三井化学株式会社製商品名、フェノール樹脂、水酸基当量175、吸水率1.8質量%、350℃における加熱重量減少率4%)45質量部、シランカップリング剤としてNUC A−189(日本ユニカー株式会社製商品名、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)1.7質量部とNUC A−1160(日本ユニカー株式会社製商品名、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン)3.2質量部、(d)フィラーとしてアエロジルR972(シリカ表面にジメチルジクロロシランを被覆し、400℃の反応器中で加水分解させた、メチル基等の有機基を表面に有するフィラー、日本アエロジル株式会社製商品名、シリカ、平均粒径0.016μm)32質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。これに(c)高分子化合物としてグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート3質量%を含むアクリルゴムHTR−860P−3(ナガセケムテックス株式会社製商品名、重量平均分子量80万)を280質量部、及び(e)硬化促進剤としてキュアゾール2PZ−CN(四国化成工業株式会社製商品名、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)を0.5質量部加え、攪拌混合、真空脱気した。この接着剤ワニスを厚さ75μmの離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ピューレックスA31)上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、膜厚が10μmの塗膜を形成した。次いで第2の保護フィルムとして25μmの離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ピューレックスA31)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、接着フィルムを得た。
(4)切削加工前光導波路の作製
下部クラッド層12aとして上述した方法で得られたクラッド層形成用樹脂フィルムを用い、下部クラッド層12aの上に、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、上記コア層形成用樹脂フィルムをラミネートし、次いで平板型ラミネータとして真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度50℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、コア層13を形成した。
そして、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を0.8J/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。その後、支持フィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=7/3、質量比)を用いて、コア層13からコアパターンを現像した。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥した。次に、厚さ60μmのクラッド層形成用樹脂フィルムを、平板型ラミネータとして真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度50℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、上部クラッド層12bを形成し光導波路フィルムを得た。
一方、基板11として、電気配線パターンを作製したフレキシブルプリント配線板(ユーピレックス12.5μm、電解銅箔9μm)を用い、該配線板に、前記接着フィルムの接着面を、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、ラミネートした。その後、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にて接着フィルム側から紫外線(波長365nm)を1J/cm2照射し、前記接着フィルムから保護フィルムである離型PETフィルム(ピューレックスA31)を剥離し、次いで作製した光導波路フィルムを前記フレキシブルプリント配線板に電極パターンとコアパターンとを位置合わせして仮止めした後、真空加圧式ラミネータにて密着させ、180℃1時間の加熱硬化処理を行って、フレキシブルプリント配線板上に切削加工前光導波路2を形成した。
〔実施例1〕
上記の製造例により得られた切削加工前の光導波路を用いて、以下のとおり切削加工を行った。用いた円形回転ブレードは、図2のような形状をした株式会社ディスコ社製(型番;NBC−Z222JLSST4、図2の(b)におけるL1/L2=1/5.34、メッシュ粒径;#5000、U字形状スリット;幅0.5mm深さ1.0mmスリット数60ヶ所、図2の(c)における先端角度α;45度、外径;51mm、内径;40mm、厚さ;140μm)のブレードを用いた。切削加工は、円形回転ブレードの回転数30,000rpm、送り速度1.0mm/秒の条件で、ブレードクーラー水を0.5L/分、シャワー水を0.8L/分程度供給しながら、ダウンカットを行い、切削面を形成し、その切削面がミラー面となる光導波路Aを得た。得られた光導波路Aのミラー角度(図1のθ)は、45.42度であった。また、切削面(ミラー面)には、凹みも歪みも見られず、且つ、切削時に生じる切削スジも見られなかった。また、同様の方法にて、光導波路B〜Jを作製した。
〔比較例1〕
円形回転ブレードを、図4のような形状をしたブレード(NBC−Z222JLT4 51×40×0.14×45°)(図2の(b)におけるL1/L2=0)を用いた以外は、実施例1と同様にして、光導波路Kを得た。得られた光導波路Kは、切削面(ミラー面)に歪みが見られ、ミラー角度を求めることもできなかった。
〔比較例2〕
円形回転ブレードを、図5のような形状をしたブレードCウェーブソー CWNX 55×0.2×40 S 100NT AG45(図2の(b)におけるL1≒0(先端が点のため)/L2=1.73mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、光導波路Lを得た。得られた光導波路Lのミラー角度(図1のθ)は、45.17度であった。
また、切削面(ミラー面)には、凹みも歪みも見られなかったが、切削スジが発生していた。また、同様の方法にて、光導波路M、Nを作製した。
作製した光導波路A〜Nについて、ミラー反射損失を算出した。その結果を表1に示す。なお、ミラー反射損失は、まず導波路の片方に45°ミラーを形成し、導波路の伝搬損失とミラー反射損失とファイバーブロックと導波路の結合損失を測定した後、45°ミラー部分を90°に切断し、導波路の伝搬損失を測定し、両者の差を45°ミラーの反射損失とした。また、光導波路の光伝搬損失は、光源に850nmの面発光レーザー((EXFO社製、FLS−300−01−VCL)を、受光センサに株式会社アドバンテスト製、Q82214を用い、カットバック法(測定導波路長10、5、3、2cm、入射ファイバ;GI−50/125マルチモードファイバ(NA=0.20)、出射ファイバ;SI−114/125(NA=0.22))により測定した。
表1に示すとおり、実施例の光導波路A〜Jはミラー反射損失が0.70dB以下と低く抑えられた。一方、比較例1では、切削面に歪みが生じたため、測定ができなかった。また、比較例2の光導波路L〜Nは、ミラー反射損失が2.20dB以上と高く、ミラー反射損失が十分に抑制されていない。
本発明の光導波路は、光損失、特にミラー面の反射損失の値が低減されているため、様々な光インターコネクションの分野に適用しうる、光電気複合モジュールとなり得る。
1;光導波路
2;切削加工前光導波路
11;基板
12a;下部クラッド層
12b;上部クラッド層
13;コア層(コアパターン)
14;切削面
50;円形回転ブレード
51;非切削刃部分
52;切削刃部分
53;スリット
101、102;ブレード

Claims (9)

  1. 弾性率が300MPa以下の樹脂からなるコア層及びクラッド層を有し、少なくともクラッド層上にコア層が積層された光導波路であって、
    前記コア層、又は、該コア層及び前記クラッド層が、外円周上に複数の非切削刃部分と複数の切削刃部分とを備えた円形回転ブレードであって、該円形回転ブレードの外円周方向における複数の非切削刃部分の長さの和と複数の切削刃部分の長さの和との比(非切削刃部分の長さの和/切削刃部分の長さの和)が1/8〜2/3の範囲である円形回転ブレードにより切削加工されて形成された切削面を有する、光導波路。
  2. 前記切削面が、コア層又はクラッド層の水平面に対して30〜60度傾斜した面であり、ミラー面が形成されてなる、請求項1に記載の光導波路。
  3. 前記ミラー面の反射損失が、0.7dB以下である、請求項2に記載の光導波路。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路の製造方法であって、
    複数の非切削刃部分と複数の切削刃部分とが円周方向において交互に形成され、前記円形回転ブレードの外円周方向における前記複数の非切削刃部分の長さが互いに同じであり、前記円形回転ブレードの外円周方向における前記複数の切削刃部分の長さが互いに同じである、円形回転ブレードであって、該円形回転ブレードの外円周方向における複数の非切削刃部分の長さの和と複数の切削刃部分の長さの和との比(非切削刃部分の長さの和/切削刃部分の長さの和)が1/8〜2/3の範囲である円形回転ブレードを用いて、弾性率が300MPa以下の樹脂からなる前記コア層、又は該コア層及び前記クラッド層を、該コア層側から該クラッド層側に向けて切削加工して切削面を形成する工程を含む、光導波路の製造方法。
  5. 前記非切削刃部分が、前記円形回転ブレードの中心方向内側に向けて形成されたU字形状のスリットからなる、請求項4に記載の光導波路の製造方法。
  6. 前記非切削刃部分及び切削刃部分のそれぞれの個数が、50〜80個である、請求項4又は5に記載の光導波路の製造方法。
  7. 前記円形回転ブレードの半径方向の断面形状において、切削刃部分の先端が、前記コア層又はクラッド層の水平面に対する先端角度が30〜60度に傾斜した形状である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の光導波路の製造方法。
  8. 前記円形回転ブレードの回転数が、20000〜60000rpmである、請求項4〜7のいずれか1項に記載の光導波路の製造方法。
  9. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路を用いた、光導波路モジュール。
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