JP4894521B2 - 空燃比センサの劣化診断装置 - Google Patents

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本発明は、車両用の空燃比センサの劣化診断装置に関し、特に排気通路中の酸素濃度を検出するセンサの劣化診断装置に関する。
一般に、車両の排気通路中には、エンジンから排出される排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサが設けられており、コントロールユニットは当該センサの検出値に基づいて空燃比フィードバック制御等を行っている。
しかし、酸素濃度センサは劣化すると応答性が悪化するため、適切な空燃比フィードバック制御を行うことができなくなり、排気性能や燃費の悪化を招くこととなる。
そこで、車両運転時等に酸素濃度センサの劣化診断を行う方法が知られている。例えば、酸素濃度センサは劣化すると酸素濃度の変化に対する応答時間が長くなるという特性を利用し、燃料噴射量を空燃比がストイキよりリッチな状態とリーンな状態との間で周期的に変化させ、実際に酸素濃度センサがリッチ状態、リーン状態を検出するまでの応答時間と、予め設定しておいた酸素濃度センサが正常な場合の応答時間とを比較する劣化診断装置が知られている。しかしながら、この劣化診断装置によると、本来ストイキで運転すべきところをリッチ状態、リーン状態に変化させるため、排気性能や運転性が悪化するという問題がある。
この問題を解決するために、特許文献1では、減速時燃料カット終了後の空燃比の変化に対する応答時間を用いて劣化診断を行う劣化診断装置が開示されている。具体的には、減速時燃料カット中には空気のみが排出されるため排気がストイキよりもリーンになり、エンジン回転数がアイドル回転数付近まで低下すると、アイドル回転数維持のため燃料カットを終了するので空燃比がストイキもしくはリッチになるので、このときの応答時間を用いて劣化診断を行うものである。
特開平9−170966号公報
しかしながら、信号停止時にエンジンを停止するアイドルストップ車両や、駆動力源としてエンジンとモータとを併せ持つハイブリッド車両のように、減速時燃料カット開始後にそのままエンジンを停止させる場合がある車両の場合には、エンジン停止時に排気の流れが停止するため、特許文献1に記載された劣化診断装置では正確な劣化診断を行うことができない。
そこで、本発明では、アイドルストップ車両やハイブリッド車両等について、排気性能や燃費性能を悪化させることなく、空燃比センサの劣化診断を行うことを目的とする。
本発明の空燃比センサの劣化診断装置は、所定の運転条件が成立した場合に燃料噴射を停止することにより前記エンジンを停止させるアイドルストップ制御を実行する車両に備えられ、エンジンから排出される排気の空燃比を検出する空燃比センサの劣化診断装置であって、エンジン始動時のクランキング開始から、燃料噴射開始後に空燃比センサが正常動作可能であればエンジンのクランキング中にシリンダ排出リーン空気によってストイキよりもリーン側になった空燃比センサのセンサ電圧が、燃料噴射開始後の排気によってストイキもしくはストイキよりもリッチ側になる時間経過するまでの前記空燃比センサの検出値の変化に基づいて劣化診断を行う劣化診断部を備える。この劣化診断部は、アイドルストップ制御を実行する毎に燃料噴射停止からエンジン再始動時に燃料噴射を再開するまでの間にエンジンから排出されるシリンダ排出リーン空気量を検出し、シリンダ排出リーン空気量が予め劣化診断を行うのに十分な空気量として設定した診断可能空気量以上になった場合にのみ、空燃比センサが劣化しているか否かの判定を行なう。
本発明によれば、クランキング中はストイキよりもリーンな排気が排出されるために空燃比センサの検出値がストイキよりもリーン側になり、燃料噴射開始後はストイキもしくはストイキよりもリッチな排気が排出されるために空燃比センサの検出値がストイキもしくはストイキよりもリッチ側になる、というエンジン始動時の排気空燃比の変化を利用して空燃比センサの劣化診断を行うので、アイドルストップ車両やハイブリッド車両等であっても、空燃比センサの劣化診断の機会を確保することができ、さらに、空燃比センサの検出値を変化させるための燃料噴射量制御が不要なので、排気性能や燃費性能を悪化させることもない。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態を適用するエンジンの概略図である。1はエンジン、2は吸気通路、3は排気通路、4は吸気バルブ、5は排気バルブ、15はコントロールユニットである。エンジン本体1にはシリンダ6を設け、シリンダ6内にはピストン10を摺動可能に配置する。また、シリンダ6の天井面にはシリンダ6内の混合気に火花点火をする点火栓11を設ける。
吸気通路2はシリンダ6に開口し、この開口部を吸気バルブ4により開閉する。同様に排気通路3はシリンダ6に開口し、この開口部を排気バルブ5により開閉する。
吸気通路2には、吸気流の上流側から順に、吸入空気量を測定するエアフローメータ9、シリンダ6に流入する空気量を調整するスロットルバルブ8、吸気通路4内に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁7を設ける。
排気通路3には、排気を浄化するための排気浄化触媒14を介装し、排気浄化触媒14の上流側には空燃比センサ12、下流側には酸素センサ13を設ける。排気浄化触媒14としては、三元触媒や吸蔵還元型NOx触媒等を用いることができる。空燃比センサ12及び酸素センサ13はいずれも排気中の酸素濃度を検出するセンサである。また、空燃比センサ12及び酸素センサ13は、センサ素子を加熱するためのヒータをそれぞれ備えており、冷間始動時等にも早期にセンサを活性状態にすることで排気性能の悪化を抑制する。
コントロールユニット15は、エアフローメータ9、空燃比センサ12、酸素センサ13、エンジン回転数センサ16、アクセル開度センサ17、車速センサ18、その他図示しないセンサ類の検出値に基づいて、スロットルバルブ8の開度制御、燃料噴射量制御、点火時期制御、減速時の燃料カット制御、アイドルストップ制御、空燃比フィードバック制御等を行う。
上記の空燃比フィードバック制御は、排気の空燃比がストイキな状態を維持するために、空燃比センサ12、酸素センサ13の検出値に基づいて燃料噴射量の増減を行う制御である。コントロールユニット15は、エアフロメータ9の検出値等に基づいて、空燃比がストイキとなるように燃料噴射量を設定するが、例えば燃料噴射弁7の製造誤差や経年劣化等により、実際に噴射する燃料量とコントロールユニット15が設定した燃料噴射量とが乖離が生じる場合もある。そこで、実際の排気の空燃比を検出し、これを燃料噴射量制御にフィードバックすることにより排気の空燃比をストイキに保持する。
ところで、空燃比センサ12または酸素センサ13が経年劣化等して、燃料噴射量の増減に対する応答性が悪化すると、精度のよい空燃比フィードバック制御を行うことが難しくなり、結果として排気性能の悪化を招くこととなる。
そこで、本実施形態では、劣化診断部としてのコントロールユニット15が空燃比センサ12、酸素センサ13の劣化診断を以下のように2段階に分けて行う。なお、以下の説明では空燃比センサ12の劣化診断について説明するが、酸素センサ13についても同様の診断制御により劣化診断を行うことが可能であり、また、1回の診断制御で空燃比センサ12及び酸素センサ13について同時に診断することも可能である。
図2は、コントロールユニット15が実行する第1の劣化診断(ステージ1診断)の制御ルーチンを表すフローチャートである。なお、本制御ルーチンは所定の周期で繰り返し行う。
ステップS101では、空燃比センサ12が正しく排気空燃比を示すことができるか否かについての判定(診断前条件判定)を行う。具体的には、空燃比センサ12のヒータがONの状態であり、空燃比センサ12が活性状態になっており、エンジン回転数が所定回転数以上であるときに、診断前条件を満たしていると判定する。診断前条件を満たしている場合はステップS102に進み、満たしていない場合にはそのまま処理を終了する。
ステップS102では、アイドルストップ要求が発せられ、これにより燃料カット制御が開始されたか否かの判定を行う。アイドルストップ要求が発せられる条件は、例えば、低車速・低回転数時にアクセルOFFかつブレーキON、等のように予め設定しておく。この場合、車速やエンジン回転数についての条件はエンジン仕様ごとに設定する。
なお、車両の駆動源としてエンジン1の他にモータを備える、いわゆるハイブリッド車両の場合には、走行条件に応じた出力(要求出力)や車速状態、そしてモータを駆動するバッテリの充電量等によりエンジン1を駆動するか否かが決定されるため、通常走行時であってもアイドルストップ要求により燃料カットが行われる場合もある。
ステップS102での判定結果が肯定的な場合はステップS103に進み、否定的な場合はそのまま処理を終了する。
ステップS103では、燃料カット制御開始後にエンジン1から排出される空気量(シリンダ排出リーン空気量)を演算する。具体的には、下式にように演算する。
なお、このシリンダ排出リーン空気量演算は、燃料カット制御開始から後述するエンジン1再始動時まで行う。したがって、高速・高回転領域からの減速のようにエンジン1が停止するまでの時間が長いほど、シリンダ排出リーン空気量が多くなる。
ステップS104では、空燃比センサ12のセンサ電圧の最大値、最小値、時間当たりの変化量の最大値をそれぞれ更新する。なお、車両運転中はセンサ電圧のモニタを継続する。
ステップS105では、エンジン1の再始動時に、シリンダ排出リーン空気量が判定可能MIN空気量以上であるか否かの判定を行う。判定可能MIN空気量以上の場合はステップS106に進み、判定可能MIN空気量より少ない場合にはそのまま処理を終了する。
ここで用いる判定可能MIN空気量とは、空燃比センサ12が正常動作可能であれば、後述する判定用の閾値として設定したストイキよりもリーンな空燃比を示す空気量である。したがって、エンジン1から空燃比センサ12までの排気通路3の容積に応じて異なる空気量になるので、本制御を適用する車両ごとに設定する。また、図1の酸素センサ13のように排気浄化触媒14下流側に設けたセンサを診断する場合には、前記排気通路3の容積に加えて排気浄化触媒14の酸素ストレージ量を考慮して設定することが望ましい。
ステップS106ではエンジン1を再始動してからの時間をカウントし、ステップS107では、エンジン1再始動後、所定時間が経過したか否かの判定を行う。ここで用いる所定時間は、空燃比センサ12が正常動作可能であれば、エンジン1再始動時のクランキング中にシリンダ排出リーン空気量によってストイキよりもリーン側になった空燃比センサ12のセンサ電圧が、燃料噴射再開後の排気によってストイキもしくはストイキよりもリッチ側に戻るのに十分な時間を設定する。したがって、シリンダ排出リーン空気量の判定に用いる所定値のように、本制御を適用する車両の仕様に応じて異なる値となる。
ステップS107で所定時間が経過したと判定したときはそのままステップS108に進み、所定時間が経過していないと判定した場合には、所定時間が経過するまで判定を繰り返してからステップS108に進む。
ステップS108ではセンサ電圧の最大値、最小値、時間当たりの変化量の最大値が、それぞれ予め設定した閾値を超えたか否かの判定を行う。最大値、最小値、時間当たりの変化量の最大値のいずれもが閾値を超えた場合にはステップS112に進み、空燃比センサ12は正常動作可能と判定して処理を終了する。ここで用いる各閾値は、空燃比センサ12が正常動作可能な場合にとるべきセンサ電圧の最大値、最小値、時間当たりの変化量の最大値であり、実験等により予め測定しておく。
いずれか1つでも閾値を超えなかったものがある場合には、ステップS109に進み、NGカウンタをカウントアップする。ステップS110では、NGカウンタが所定値以上であるか否かの判定を行い、所定値以上の場合はステップS111に進み、ステージ1診断では劣化していると判定して後述するステージ2診断に進む。
ステージ1診断を実行した場合のシリンダ排出リーン空気量、空燃比センサ12のセンサ電圧等の変化について図4のタイムチャートに表す。
エンジン回転数低下中のt1において、アイドルストップ要求に応じて燃料カット制御を開始すると、エンジン回転数は低下してやがてエンジン1は停止する。エンジン1が停止するまでの間は、燃料カット制御により燃料は噴射されないものの、吸気バルブ4及び排気バルブ5は通常走行時と同様に開閉するので、空気のみがシリンダ6を通過することになり、シリンダ排出リーン空気量が増加する。そしてエンジン1が停止している間は、エンジン1の吸気バルブ4及び排気バルブ5は停止しているので、シリンダ排出リーン空気量はエンジン1停止時の値のままである。すなわち、シリンダ排出リーン空気が排気通路3に停滞している。したがって空燃比センサ12のセンサ電圧は、ほぼエンジン1停止時の値のままとなる。
t2直前に再始動要求に応じてクランキングを開始すると、燃料噴射開始までの間はエンジン1から排気通路3中に空気のみが排出されるので、シリンダ排出リーン空気量が増加する。また、エンジン1から新たなシリンダ排出リーン空気が排出されることで、排気通路3内に停滞していたシリンダ排気リーン空気が流れるので、空燃比センサ12のセンサ電圧はストイキよりもリーン側の値を示す。t2で燃料噴射を開始すると、エンジン1から排出される排気の空燃比は略ストイキになるので、クランキング開始に伴ってストイキよりもリーン側に振れたセンサ電圧はストイキの値を示す。
しかしながら、t2付近でのエンジン1再始動ではシリンダ排出リーン空気量が判定可能MIN空気量に達していないので、正常動作可能か否かの判定は行わない。
その後t3〜t4で、t1〜t2と同様にアイドルストップ〜エンジン1再始動が行われている。t4ではシリンダ排出リーン空気量が判定可能MIN空気量を超えているので、燃料噴射を開始してから所定時間をカウントし(t4〜t5)、正常動作可能か否かの判定を行う。
上述したステージ1診断をまとめると、次のとおりである。アイドルストップ時には燃料カットによりエンジン1を停止させるので、燃料カット開始からエンジン1が停止するまでの間、エンジン1は空気のみを吸排気することとなり、排気通路3には空気が溜まる。そして、エンジン1再始動時のクランキングには、エンジン1停止前に排気通路3に溜まっていた空気が空燃比センサ12を通過し、空燃比センサ12はストイキよりもリーンな値を示す。その後燃料噴射を開始すると、ストイキもしくはストイキよりリッチな排気が排出されるので、空燃比センサ12はストイキもしくはストイキよりもリッチな値を示す。そこで、エンジン再始動時の空燃比センサ12のセンサ電圧の最大値、最小値、時間当りの変化量に基づいて劣化診断を行う。なお、エンジン1再始動時にシリンダ排出リーン空気量が判定可能MIN空気量に達しない場合には、誤診断のおそれがあるため診断を行わない。また、停止前の運転状況等のバラツキによる誤診断を防止するために、NGカウンタが所定値以上になるまで劣化しているとの判定を行わない。
次に、ステージ1診断で劣化していると判定された場合に実行する第2の劣化診断(ステージ2診断)について図3を参照して説明する。図3はステージ2診断の制御ルーチンを表すフローチャートである。
ステップS201、S202はステージ1診断のステップS101、S102と同様なので説明を省略する。
ステップS202でアイドルストップ要求による燃料カット制御を開始したら、ステップS203で燃料カットリカバを禁止する。
ステップS204〜S206はステージ1診断のステップS103〜S105と同様なので説明を省略する。ただし、ステップS206の判定に用いる判定可能MIN空気量は、ステージ1診断で用いる判定可能MIN空気量よりも大きな値を設定してもよい。ステージ1診断より大きな値を設定すると、より多くのシリンダ排出リーン空気が流れる状況で劣化診断を行うことになり、例えばシリンダ内の残留ガス量や壁流量等のように、運転状況により異なり、かつ排気空燃比に影響を与える因子の影響を排除し、より正確な劣化診断を行うことができる。
ステップS206でシリンダ排出リーン空気量が判定可能MIN空気量以上であった場合には、ステップS207で燃料カットリカバの禁止を解除する。
ステップS208では、燃料カットリカバが実行されたか否かの判定を行い、実行された場合にはステップS209へ進み、実行されていない場合には実行されるまで判定を繰り返す。
ステップS209〜S211はステージ1診断のステップS106〜S108と同様であるので説明を省略する。
ステップS211での判定の結果、センサ電圧の最大値、最小値、時間当たりの変化量の最大値がいずれも閾値を超えなかった場合にはステップS212で空燃比センサ12は劣化していると判定し、いずれか一つでも閾値を超えた場合にはステップS213で空燃比センサ12は正常動作可能と判定する。
ステージ1診断と同じ状況においてステージ2診断を実行した場合のシリンダ排出リーン空気量、空燃比センサ12のセンサ電圧等の変化について図5のタイムチャートに表す。
車両走行中のt1でアイドルストップ要求に応じて燃料カット制御を開始するのはステージ1診断と同様であるが、燃料カット制御の開始と略同時に燃料カットリカバが禁止される。
そして、t2の直前にエンジン1再始動要求に応じてクランキングが開始されると、シリンダ排出リーン空気量が増加する。ステージ1診断の場合には、シリンダ排出リーン空気量が判定可能MIN空気量に達しなかったため、ここでは判定を行わなかったが、ステージ2診断では燃料カットリカバーが禁止されているため、シリンダ排出リーン空気量が増加し続ける。t2−2で判定可能MIN空気量に達すると、燃料カットリカバの禁止が解除され、シリンダ排出リーン空気が流れることでストイキよりもリーン側となっていたセンサ電圧がストイキに戻る。
このように、ステージ2診断は判定可能MIN空気量になるまで燃料カットリカバを禁止し、強制的にクランキングを継続することで、エンジン1再始動時に確実に空燃比センサ12の劣化診断を行う。
上述したステージ2診断をまとめると、次のようになる。
ステージ2診断は、ステージ1診断で劣化していると判定された場合に、判定の確実を期すために実行するものである。基本的にはステージ1診断と同様の診断であるが、アイドルストップ要求に応じた燃料カット制御開始後に、シリンダ排出リーン空気量が判定可能MIN空気量に達するまで燃料カットリカバを禁止する点が異なる。このように燃料カットリカバを禁止することで、判定可能MIN空気量になるまで強制的にクランキングが継続することとなるので、エンジン1の再始動時に確実に空燃比センサ12の劣化診断を行うことができる。また、判定可能MIN空気量をステージ1診断の判定可能MIN空気量よりも大きく設定することで、運転状況の違い等によるバラツキを排除し、精度の高い判定を行うことができる。
以上により、本実施形態では次のような効果を得ることができる。
エンジン1始動時のクランキング開始から所定時間経過するまでの空燃比センサ12の検出値の変化に基づいて劣化診断を行うので、アイドルストップ車両やハイブリッド車両のように、減速時に燃料カット制御を開始した後にそのままエンジン1を停止する車両にも適用することができる。また、空燃比を強制的にリーン、リッチに振ったりするようなことがないので、劣化診断のために排気性能や運転性を損なうことがない。
アイドルストップ制御を実行する毎にシリンダ排出リーン空気量を検出し、シリンダ排出リーン空気量が判定可能MIN空気量以上になった場合にのみ空燃比センサ12が劣化しているか否かの判定を行なうので、運転状態によってシリンダ排出リーン空気量が少ない場合には劣化診断を行うことはない。これにより、例えば空燃比センサ12は正常であるにもかかわらず、シリンダ排出リーン空気量が少ないためにセンサ電圧がストイキよりもリーン側に大きく振れなかった場合等に、誤って空燃比センサ12は劣化していると判定することを防止できる。また、劣化診断のために燃料噴射量や噴射時期、点火時期等を変更することがないので、エンジン1の再始動性を損なうことがない。
エンジン1再始動時のクランキング開始から燃料噴射開始後に空燃比センサが正常動作可能であればエンジンのクランキング中にシリンダ排出リーン空気によってストイキよりもリーン側になった空燃比センサのセンサ電圧が、燃料噴射開始後の排気によってストイキもしくはストイキよりもリッチ側になるのに十分な時間経過するまでの空燃比センサ12の検出値の最大値、最小値及び時間当たりの変化率の最大値のいずれもが、空燃比センサが正常動作可能な場合にとるべき判定用閾値を超えた場合には、空燃比センサ12は正常動作可能であると判定するので、運転状態のバラツキ等によっていずれか一つが判定用閾値を超えた場合等に、誤って正常動作可能であると判定することを防止できる。
運転開始から運転終了までの1トリップ中、アイドルストップ制御を実行する毎に劣化診断を行うので劣化診断の機会が多くなり、より早期に劣化を検出することができる。
また、エンジン再始動時のクランキング開始から燃料噴射開始後に空燃比センサが正常動作可能であればエンジンのクランキング中にシリンダ排出リーン空気によってストイキよりもリーン側になった空燃比センサのセンサ電圧が、燃料噴射開始後の排気によってストイキもしくはストイキよりもリッチ側になるのに十分な時間経過するまでの空燃比センサ12の検出値の最大値、最小値、時間当たりの変化率の最大値の少なくとも一つが、空燃比センサが正常動作可能な場合にとるべき判定用閾値を超えなかった回数が予め設定した所定回数となった場合に、ステージ1診断の診断結果として、空燃比センサ12は劣化していると判定する、すなわち、1回の診断結果だけでは空燃比センサ12が劣化していると判定しないので、運転状態のバラツキ等による誤診断を防止することができる。
ステージ1診断で空燃比センサ12は劣化していると判定した場合には、エンジン1再始動時にシリンダ排出リーン空気量が判定可能MIN空気量以上になるまで燃料噴射を禁止し、シリンダ排出リーン空気量が判定可能MIN空気量に達した後に燃料噴射を開始してステージ2診断を行う。すなわち、空燃比センサ12が劣化していると判定された場合には再度の劣化診断を行うので、より確実な診断を行うことができる。また、判定可能MIN空気量に達するまで燃料カットリカバを禁止するので、エンジン1再始動時に確実に劣化診断を行うことができる。
なお、ステージ1診断のステップS105で判定可能MIN空気量以上にならない、すなわち否定的な判定結果になる場合には、ステップS106に進まずに処理を終了するが、ステップS105で否定的な判定結果が連続する場合は、否定的な判定結果となった回数をカウントし、これが所定回数を超えた場合にはステージ2診断に進むようにしてもよい。
このようにすることで、運転状態によりステージ1診断を実行する機会が得られない場合にも、劣化診断を行うことができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
本実施形態を適用するエンジンの概略図である。 ステージ1診断の制御ルーチンを表すフローチャートである。 ステージ2診断の制御ルーチンを表すフローチャートである。 ステージ1診断を実行したときのタイムチャートである。 ステージ2診断を実行したときのタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 吸気通路
3 排気通路
4 吸気バルブ
5 排気バルブ
6 シリンダ
7 燃料噴射弁
8 スロットルバルブ
9 エアフローメータ
10 ピストン
11 点火栓
12 空燃比センサ
13 酸素センサ
14 排気浄化触媒
15 コントロールユニット
16 エンジン回転数センサ
17 アクセル開度センサ
18 車速センサ

Claims (4)

  1. 所定の運転条件が成立した場合に燃料噴射を停止することにより前記エンジンを停止させるアイドルストップ制御を実行する車両に備えられ、
    エンジンから排出される排気の空燃比を検出する空燃比センサの劣化診断装置であって、
    エンジン始動時のクランキング開始から、燃料噴射開始後に空燃比センサが正常動作可能であればエンジンのクランキング中にシリンダ排出リーン空気によってストイキよりもリーン側になった空燃比センサのセンサ電圧が、燃料噴射開始後の排気によってストイキもしくはストイキよりもリッチ側になる時間経過するまでの前記空燃比センサの検出値の変化に基づいて劣化診断を行う劣化診断部を備え
    前記劣化診断部は、アイドルストップ制御を実行する毎に燃料噴射停止からエンジン再始動時に燃料噴射を再開するまでの間に前記エンジンから排出されるシリンダ排出リーン空気量を検出し、前記シリンダ排出リーン空気量が予め前記劣化診断を行うのに十分な空気量として設定した診断可能空気量以上になった場合にのみ、前記空燃比センサが劣化しているか否かの判定を行なうものであることを特徴とする空燃比センサの劣化診断装置。
  2. 前記劣化診断部は、エンジン再始動時のクランキング開始から所定時間経過するまでの前記空燃比センサの検出値の最大値、最小値及び時間当たりの変化率の最大値のいずれもが空燃比センサが正常動作可能な場合にとるべき判定用閾値を超えた場合には、前記空燃比センサは正常動作可能であると判定することを特徴とする請求項1に記載の空燃比センサの劣化診断装置。
  3. 前記劣化診断部は、運転開始から運転終了までの1トリップ中、前記アイドルストップ制御を実行する毎に前記劣化診断を行い、エンジン再始動時のクランキング開始から所定時間経過するまでの前記空燃比センサの検出値の最大値、最小値、時間当たりの変化率の最大値の少なくとも一つが空燃比センサが正常動作可能な場合にとるべき判定用閾値を超えなかった回数が予め設定した所定回数となった場合に、前記空燃比センサは劣化していると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の空燃比センサの劣化診断装置。
  4. 前記劣化診断部は、前記空燃比センサは劣化していると判定した場合には、エンジン再始動時に前記シリンダ排出リーン空気量が予め前記劣化診断を行うのに十分な空気量として設定した診断可能空気量以上になるまで燃料噴射を禁止し、前記シリンダ排出リーン空気量が前記診断可能空気量に達した後に燃料噴射を開始して前記劣化診断を行うことを特徴とする請求項3に記載の空燃比センサの劣化診断装置。
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