JP2003120408A - 内燃機関の触媒早期暖機制御システムの異常診断装置 - Google Patents

内燃機関の触媒早期暖機制御システムの異常診断装置

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JP2003120408A
JP2003120408A JP2001317588A JP2001317588A JP2003120408A JP 2003120408 A JP2003120408 A JP 2003120408A JP 2001317588 A JP2001317588 A JP 2001317588A JP 2001317588 A JP2001317588 A JP 2001317588A JP 2003120408 A JP2003120408 A JP 2003120408A
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sensor
activation
air
fuel ratio
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JP2001317588A
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Masakazu Yamada
山田  正和
Akira Ichikawa
彰 市川
Hisashi Iida
飯田  寿
Yoshihiro Majima
摩島  嘉裕
Shujiro Morinaga
森永  修二郎
Tatsuya Oka
達也 岡
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Denso Corp
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    • Y02T10/146
    • Y02T10/47

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒早期暖機システムの異常診断を行う機能
を低コスト化の要求を満たしながら実現する。 【解決手段】 触媒早期暖機制御中は、点火時期を遅角
して排気温度を上昇させることで、排気系の空燃比セン
サの温度上昇を促進するが、触媒早期暖機制御システム
が異常になると、排気温度が正常時よりも低くなるた
め、空燃比センサの温度上昇が正常時よりも遅れてしま
い、始動から空燃比センサが活性化するまでの時間CN
Tが正常時よりも長くなると共に、空燃比センサのヒー
タ電力積算値WHSMが正常時よりも大きくなる。そこ
で、空燃比センサの温度(活性度合)を空燃比センサの
素子インピーダンスZdcにより検出して、空燃比セン
サが活性化するまでの時間CNTとヒータ電力積算値W
HSMを測定し、これらを判定値と比較して触媒早期暖
機制御システムの異常の有無を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排出ガ
ス浄化用の触媒の暖機を促進する触媒早期暖機制御シス
テムの異常の有無を診断する内燃機関の触媒早期暖機制
御システムの異常診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車は、排出ガスを浄化するた
めに三元触媒等の触媒を搭載しているが、この触媒は、
エンジン始動後に活性温度に暖機されるまでは、排出ガ
ス浄化率が低いため、エンジン始動後に触媒が活性温度
に暖機されるまで、点火時期遅角制御等により触媒早期
暖機制御を実行して、排気熱量を増加させて触媒を短時
間で暖機するようにしている。この触媒早期暖機システ
ムの故障等によって触媒早期暖機制御中の排気熱量が減
少して触媒に供給する熱量が不足すると、触媒の暖機
(活性化)が遅れて、エンジン始動後の排気エミッショ
ンが悪化してしまうため、触媒早期暖機システムの異常
を早期に検出する必要がある。
【0003】そこで、特開2001−132438号公
報に示すように、触媒の温度を検出する触媒温度センサ
を設け、この触媒温度センサで検出した触媒温度と、始
動後の積算吸入空気量に基づいて推定した推定触媒温度
とを比較して、触媒早期暖機システムの異常の有無を診
断することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報の構
成では、触媒温度を検出するための触媒温度センサを新
たに設ける必要があるため、その分、コストアップして
しまい、近年の重要な技術的課題である低コスト化の要
求を満たすことができない。
【0005】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、触媒早期暖機システ
ムの異常診断を行う機能を低コスト化の要求を満たしな
がら実現することができる内燃機関の触媒早期暖機制御
システムの異常診断装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の内燃機関の触媒早期暖機制御シ
ステムの異常診断装置は、排出ガスの酸素濃度等のガス
成分濃度、空燃比、リッチ/リーンのいずれかを検出す
る排出ガスセンサを備え、内燃機関の始動後に排出ガス
センサの活性化の進み具合をセンサ活性判定手段により
判定し、その判定結果に基づいて排出ガスセンサの活性
化が異常に遅れているか否かを異常診断手段により判定
して触媒早期暖機制御システムの異常の有無を診断する
ようにしている。
【0007】近年の電子制御化された内燃機関では、排
気通路中の触媒の上流側(又は触媒の上流・下流の両
側)に排出ガスの酸素濃度等のガス成分濃度、空燃比、
リッチ/リーンのいずれかを検出する排出ガスセンサを
設置し、この排出ガスセンサの出力に基づいて空燃比を
理論空燃比付近にフィードバック制御することで、触媒
の排出ガス浄化効率を高めるようにしている。内燃機関
の始動後は、排出ガスセンサも、触媒と同じく、排気熱
によって温度上昇し(ヒータ内蔵の排出ガスセンサで
は、ヒータの発熱と排気熱の両方によって温度上昇
し)、それによって、排出ガスセンサの活性化が進むに
従って、排出ガスセンサの出力レベルが正常レベルへ上
昇する。もし、触媒早期暖機制御システムの故障等によ
って触媒早期暖機制御中の排気熱量が減少して触媒の暖
機(活性化)が遅れると、排出ガスセンサの活性化も遅
れることになる。
【0008】本発明は、このような触媒の暖機の進み具
合と排出ガスセンサの活性化の進み具合との相関関係に
着目し、内燃機関の始動後に排出ガスセンサの活性化の
進み具合を判定することで、間接的に触媒の暖機の進み
具合を判断して、触媒早期暖機制御システムの異常の有
無を診断するものである。この場合、触媒早期暖機制御
システムの異常診断に利用する排出ガスセンサは、空燃
比制御のために設置されている排出ガスセンサを利用す
れば良いため、触媒温度センサ等の新たなセンサを設け
る必要がなく、低コスト化の要求を満たしながら、触媒
早期暖機システムの異常診断を行う機能を実現すること
ができる。
【0009】この場合、排出ガスセンサの活性化の進み
具合を判定する方法としては、請求項2のように、排出
ガスセンサが活性化するまでの時間又はそれに相関する
パラメータを用いて判定するようにしても良い。例え
ば、排出ガスセンサが活性化するまでの時間が長くなれ
ば、排出ガスセンサの活性化の進み具合が遅いと判断す
ることができる。
【0010】また、ヒータを内蔵した排出ガスセンサの
場合は、請求項3のように、排出ガスセンサの活性化の
進み具合を、該排出ガスセンサが活性化するまでのヒー
タの消費電力積算値又はそれに相関するパラメータを用
いて判定するようにしても良い。前述したように、ヒー
タ内蔵の排出ガスセンサは、ヒータの発熱と排気熱の両
方によって活性化が進むため、触媒早期暖機制御システ
ムの異常によって排出ガスセンサに供給する排気熱が少
なくなれば、その分、排出ガスセンサが活性化するまで
に供給するヒータ熱(ヒータの消費電力積算値)を増加
する必要がある。従って、排出ガスセンサが活性化する
までのヒータの消費電力積算値が多くなれば、排気熱に
よる排出ガスセンサの活性化の進み具合が遅いと判断す
ることができる。
【0011】この場合、排出ガスセンサの活性化の進み
具合の判定は、内燃機関の始動直後から開始するように
しても良いが、請求項4のように、内燃機関の始動後に
排出ガスセンサが所定の活性度合に達してから該排出ガ
スセンサの活性化の進み具合の判定を開始するようにし
ても良い。このようにすれば、内燃機関の始動当初の排
出ガスセンサの温度(活性度合)が異なっていても、排
出ガスセンサの活性化の進み具合の判定を常に同じ条件
で開始することができ、活性化の進み具合の判定精度を
向上することができる。
【0012】一般に、内燃機関の始動後に内燃機関の運
転状態がある程度安定するまで暫く待ってから点火時期
遅角制御等の触媒早期暖機制御が開始されることを考慮
し、請求項5のように、内燃機関の始動後に触媒早期暖
機制御が開始されてから該排出ガスセンサの活性化の進
み具合の判定を開始するようにしても良い。このように
すれば、触媒早期暖機制御が開始される前の内燃機関の
運転状態のばらつきの影響を受けずに、触媒早期暖機制
御による排出ガスセンサの活性化の進み具合を判定する
ことができ、活性化の進み具合の判定精度を向上するこ
とができる。
【0013】ところで、排出ガスセンサに供給する排気
熱量は、排出ガス流量と排気温度とによって決まり、排
出ガス流量は、吸入空気量によって変化し、排気温度
は、点火時期、空燃比、可変バルブタイミング機構のバ
ルブオーバーラップ量、排気管の温度(冷却水温、油
温)等によって変化し、更に、排気管の温度は、排気管
を冷やす走行風量(車速)や外気温等によって変化す
る。従って、内燃機関の吸入空気量等の運転条件や外気
温等の環境条件に応じて、排出ガスセンサに供給する排
気熱量が変化して排出ガスセンサの活性化の進み具合が
変化する。
【0014】この点を考慮して、請求項6のように、排
出ガスセンサの活性化の進み具合を判定する期間中の内
燃機関の運転条件及び/又は環境条件に応じて排出ガス
センサの活性化の進み具合の判定結果(活性化に要する
時間、ヒータ消費電力積算値等)又は異常診断の判定条
件を補正手段により補正するようにしても良い。或は、
補正が困難な運転条件及び環境条件の時は、異常判定を
保留するようにしても良い。このようにすれば、内燃機
関の運転条件や環境条件が違っても、常に、ほぼ同じ条
件で排出ガスセンサの活性化の進み具合を判定すること
ができ、活性化の進み具合の判定精度を向上することが
できる。
【0015】また、排出ガスセンサの温度(活性度合)
に応じて素子インピーダンスが変化することに着目し
て、請求項7のように、排出ガスセンサの活性度合を表
すパラメータとして該排出ガスセンサの素子インピーダ
ンスを検出するようにしても良い。このようにすれば、
排出ガスセンサの温度を検出する温度センサを設けなく
ても、素子インピーダンスの検出値から排出ガスセンサ
の温度(活性度合)を精度良く検出することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制
御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関である
エンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリー
ナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、
吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられ
ている。このエアフローメータ14の下流側には、スロ
ットルバルブ15とスロットル開度を検出するスロット
ル開度センサ16とが設けられている。
【0017】更に、スロットルバルブ15の下流側に
は、サージタンク17が設けられ、このサージタンク1
7に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設
けられている。また、サージタンク17には、エンジン
11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が
設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート
近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り
付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッド
には、各気筒毎に点火プラグ21が取り付けられ、各点
火プラグ21の火花放電によって筒内の混合気に点火さ
れる。
【0018】また、エンジン11のシリンダブロックに
は、冷却水温を検出する冷却水温センサ22や、エンジ
ン回転速度を検出するクランク角センサ23が取り付け
られている。
【0019】一方、エンジン11の排気管24には、排
出ガス中のCO,HC,NOx等を低減させる三元触媒
等の触媒25が設けられ、この触媒25の上流側に排出
ガスの空燃比を検出する空燃比センサ26(排出ガスセ
ンサ)が設けられている。この空燃比センサ26のセン
サ素子27(図2参照)は、活性温度が高いため(約6
00〜700℃以上)、排出ガスの熱のみでは、エンジ
ン始動後にセンサ素子27を早期に活性化することは困
難である。そこで、空燃比センサ26は、ヒータ28を
内蔵し、このヒータ28の発熱によりセンサ素子27を
早期に活性化させると共に、エンジン運転中にセンサ素
子27の温度を活性温度範囲に維持するようにヒータ2
8への通電を制御するようにしている。この空燃比セン
サ26のセンサ素子27のインピーダンス(以下「素子
インピーダンス」という)Zdcは、センサ素子27の
温度に依存し、センサ素子27の温度が上昇するに従っ
て、素子インピーダンスZdcが低下するという特性が
ある(図16参照)。
【0020】この空燃比センサ26は、センサ制御回路
29によって制御される。センサ制御回路29には、エ
ンジン制御回路30との間でデータを送受信するサブマ
イクロコンピュータ(以下「サブマイコン」と略記す
る)31が設けられている。エンジン制御回路30は、
サブマイコン31に対するホストマイコンの役割を果た
すと共に、エンジン11全体の制御を行う主体となるマ
イクロコンピュータであり、そのROM(図示せず)に
記憶された点火・噴射制御ルーチンに従って演算した点
火指令信号と噴射信号を点火装置42と燃料噴射弁20
に出力して点火・噴射動作を制御する。
【0021】一方、サブマイコン31は、CPU32、
ROM33(記憶媒体)、RAM34、バッテリ(図示
せず)でバックアップされたバックアップRAM35等
を内蔵し、センサ素子27の印加電圧を制御するため
に、印加電圧指令信号をD/A変換器36を介して素子
印加電圧制御回路37に出力し、通常の空燃比検出時に
は、この素子印加電圧制御回路37によってセンサ素子
27の印加電圧(センサ素子27の両端の電圧差)を所
定電圧で保持するように制御する。素子印加電圧制御回
路37には、排出ガス中の空燃比に応じてセンサ素子2
7に生じる素子電流を検出する電流検出回路38が内蔵
され、この電流検出回路38で検出された素子電流に応
じた電圧がA/D変換器39を介して空燃比検出信号と
してサブマイコン31内に取り込まれる。
【0022】また、サブマイコン31は、デューティ信
号をヒータ制御回路40に入力して、このヒータ制御回
路40によってヒータ28の通電率(デューティ比)を
制御する。このヒータ28の両端の電位差(ヒータ電
圧)とヒータ電流がヒータ制御回路40によって検出さ
れ、その検出信号がA/D変換器41を介してサブマイ
コン31に入力される。
【0023】このサブマイコン31のROM33には、
ヒータ28の電流(以下「ヒータ電流」という)を制御
するための図3及び図7の各ルーチンが記憶されてい
る。以下、サブマイコン31によって実行される各ルー
チンの処理内容を説明する。
【0024】図3に示すヒータ制御ルーチンは、所定の
周期(例えば128ms周期)でタイマ割り込み処理に
て起動される。本ルーチンが起動されると、まず、ステ
ップ101で、空燃比センサ26の素子インピーダンス
Zdcが所定の半活性判定値(例えば200Ω)以下に
低下したか否かで、センサ素子27が半活性状態に達し
たか否かを判定する。
【0025】この際、素子インピーダンスZdcは、次
のようにして検出される。図4に示すように、素子イン
ピーダンスZdcの検出時に空燃比センサ26の印加電
圧を一時的に正方向に変化させた後、負方向に変化させ
る。そして、印加電圧を正方向(又は負方向)に変化さ
せた時の電圧変化量ΔVと電流変化量ΔIとから素子イ
ンピーダンスZdcを次式により算出する。Zdc=Δ
V/ΔI
【0026】尚、この検出方法は一例であって、正負両
側の電圧及び電流の変化量に基づいて素子インピーダン
スZdcを検出したり、負の印加電圧Vnegを印加し
た時のセンサ電流Inegから素子インピーダンスZd
c(=Vneg/Ineg)を算出しても良い。
【0027】上記ステップ101で、素子インピーダン
スZdcが半活性判定値(200Ω)以下に低下してい
ないと判定された場合は、センサ素子27が半活性状態
に達していないと判断して、ステップ102に進み、ヒ
ータ28の通電を「100%通電制御」で制御する。こ
の100%通電制御は、ヒータ28の通電率(デューテ
ィ比)を100%に維持して、ヒータ28の発熱量を最
大に維持してセンサ素子27の温度上昇を促進する制御
である。センサ素子27が半活性状態に達していない期
間中は、この100%通電制御が継続して実施される。
【0028】その後、ヒータ28の発熱によりセンサ素
子27の温度が上昇し、ステップ101で、素子インピ
ーダンスZdcが半活性判定値(200Ω)以下に低下
したと判定されたときに、センサ素子27が半活性状態
に達したと判断して、ステップ103に進み、素子イン
ピーダンスZdcが素子インピーダンスフィードバック
制御(以下「素子インピーダンスF/B制御」と表記す
る)を開始するための所定の判定値以下であるか否かを
判定する。ここで、素子インピーダンスF/B制御開始
の判定値は、センサ素子27の温度が活性温度付近まで
昇温したか否か(つまりセンサ素子27が活性化したか
否か)を判定するものであり、バックアップRAM24
内に記憶保持されている目標インピーダンスZdcTG
よりも10Ω程度大きい値に設定される。例えば、目標
インピーダンスZdcTGの初期値(センサ劣化前の
値)が30Ωである場合、素子インピーダンスF/B制
御開始の判定値は30+10=40Ωに設定される。
【0029】このステップ103で「No」と判定され
た場合、センサ素子27の温度が活性温度付近まで昇温
していない(活性化していない)と判断して、ステップ
104に進み、ヒータ28の通電を「電力制御」により
制御する。この際、素子インピーダンスZdcに応じて
図5に示すマップより電力指令値が決定され、その電力
指令値に応じてヒータ28のデューティ比Dutyが算
出される。この電力制御は、センサ素子27が半活性状
態で且つ活性化が完了する前の期間に実施される。
【0030】その後、ステップ108に進み、電力指令
値が電力ガード値設定ルーチン(図示せず)によって算
出された所定の電力ガード値WHGD以上であるか否か
を判定し、もし、電力指令値が電力ガード値WHGD以
上であれば、ステップ109に進み、電力指令値を電力
ガード値WHGDでガード処理して(電力指令値=WH
GD)、本ルーチンを終了する。一方、電力指令値が電
力ガード値WHGDよりも小さければ、ステップ104
で算出した電力指令値をそのまま採用して本ルーチンを
終了する。
【0031】その後、センサ素子27の温度が活性温度
付近まで昇温すると、本ルーチンが起動されたときに、
ステップ103で「Yes」と判定され、ステップ10
5に進み、後述する図7の目標インピーダンス設定ルー
チンを実行して、目標インピーダンスZdcTGを設定
する。この後、ステップ106に進み、素子インピーダ
ンスF/B制御を実施する。この素子インピーダンスF
/B制御では、例えばPID制御を用いてヒータ28の
通電率であるデューティ比Dutyを次のようにして算
出する。
【0032】まず、次の(1)〜(3)式により比例項
GP、積分項GI、微分項GDを算出する。 GP=KP・(Zdc−ZdcTG) ……(1) GI=GI(i-1) +KI・(Zdc−ZdcTG) ……(2) GD=KD・{Zdc−Zdc(i-1) } ……(3) ここで、KPは比例定数、KIは積分定数、KDは微分
定数であり、GI(i-1)及びZdc(i-1) は前回処理時
の値である。
【0033】そして、上記比例項GP、積分項GI、微
分項GDを積算して、ヒータ28のデューティ比Dut
yを算出すると共に(Duty=GP+GI+GD)、
算出したデューティ比Dutyに対応する電力指令値を
算出する。尚、デューティ比Dutyの制御は、上記P
ID制御に限定されるものではなく、PI制御やP制御
を用いても良い。
【0034】そして、次のステップ107で、素子イン
ピーダンスF/B実行フラグXFBを「1」にセットす
る。このフラグXFBは、素子インピーダンスF/B制
御が実施されているか否かを示すものであり、XFB=
1は素子インピーダンスF/B制御の実施を意味し、X
FB=0は素子インピーダンスF/B制御の未実施を意
味する。尚、このフラグXFBは、イグニッションキー
のオン操作時に「0」にリセットされる。
【0035】素子インピーダンスF/B制御期間中も、
電力ガード値設定ルーチン(図示せず)によって電力ガ
ード値WHGDが算出され、電力指令値のガード処理が
行われる(ステップ108、109)。このとき、電力
指令値が電力ガード値WHGDに達している場合には、
上記ステップ106で算出したデューティ比Dutyが
電力ガード値WHGDに応じて修正される。
【0036】以上のようにして、センサ素子27の温度
上昇(素子インピーダンスZdcの低下)に応じて、ヒ
ータ28の制御を100%通電制御→電力制御の順に実
行してセンサ素子27の温度を活性温度付近まで上昇さ
せ、その後は、素子インピーダンスF/B制御により素
子インピーダンスZdcを目標インピーダンスZdcT
Gに維持することで、センサ素子27の温度を活性温度
に保持する。
【0037】ところで、センサ素子27の温度の目標値
(最適活性温度)を例えば700℃とした場合、図6に
示すように、空燃比センサ26の劣化前には目標インピ
ーダンスZdcTGを30Ωに設定すると、センサ素子
27の温度が最適活性温度700℃程度に維持される
が、空燃比センサ26が劣化すると、目標インピーダン
スZdcTGが30Ωでは、素子温度が最適活性温度7
00℃を大きく越えてしまう(このときの素子温度は、
劣化が進むほど上昇する)。
【0038】そこで、本実施形態では、図7に示す目標
インピーダンス設定ルーチンを実行することで、空燃比
センサ26が劣化したときでも、センサ素子27の温度
を最適活性温度700℃付近に維持できるように、目標
インピーダンスZdcTGをセンサ素子27の劣化度合
に応じて増加側に補正する。
【0039】図7の目標インピーダンス設定ルーチン
は、図3のヒータ制御ルーチンのステップ105で実行
されるサブルーチンである。本プログラムが起動される
と、まず、ステップ111で、素子インピーダンスF/
B制御の実行中(XFB=1)であるか否かを判定す
る。素子インピーダンスF/B制御が開始されていない
場合(XFB=0の場合)、ステップ112に進み、バ
ックアップRAM24から目標インピーダンスZdcT
Gを読み出し、それを初期値として設定する。この目標
インピーダンスZdcTGの初期値は、前記ステップ1
06の素子インピーダンスF/B制御の開始時に使用さ
れる。
【0040】その後、素子インピーダンスF/B制御
(XFB=1)に切り換えられたときに、ステップ11
3に進み、その時のヒータ電圧Vhとヒータ電流Ihと
からヒータ電力WH(=Vh×Ih)を算出し、次のス
テップ114で、算出したヒータ電力WHが電力ガード
値WHGD以上であるか否かを判定する。もし、WH<
WHGDと判定されれば、ステップ115に進み、「W
H≧WHGD」の状態の継続時間を計測するカウンタを
「0」にクリアし、続くステップ116で、目標インピ
ーダンスZdcTGをその時の値(例えばセンサ劣化前
の初期状態であれば、30Ω)に保持して本ルーチンを
終了する。
【0041】一方、上記ステップ114でWH≧WHG
Dと判定されれば、ステップ117に進み、「WH≧W
HGD」の状態の継続時間を計測するカウンタの値をカ
ウントアップする。そして、次のステップ118で、前
記カウンタ値に基づき、「WH≧WHGD」の状態の継
続時間が所定時間(例えば5分間)以上になったか否か
を判定する。もし、「WH≧WHGD」の状態の継続時
間が所定時間未満であれば、まだ空燃比センサ26が劣
化していないと判断して、ステップ116に進み、目標
インピーダンスZdcTGの値をそのまま保持する。こ
れに対し、「WH≧WHGD」の状態の継続時間が所定
時間以上の場合は、空燃比センサ26が劣化していると
判断して、ステップ119に進み、目標インピーダンス
ZdcTGを所定値αだけ増加側に補正して本ルーチン
を終了する。
【0042】上記ステップ119で補正した目標インピ
ーダンスZdcTGは、バックアップRAM35に格納
され、エンジンの停止中も記憶保持される。そして、こ
の補正後の目標インピーダンスZdcTGは、次のエン
ジン始動後に本ルーチンを起動したときに、前記ステッ
プ112で読み込まれる。
【0043】一方、エンジン制御回路30は、イグニッ
ションスイッチ(図示せず)のオン後に所定クランク角
毎に図2の触媒早期暖機制御ルーチンを実行し、次のよ
うにして触媒早期暖機制御を実行する。本ルーチンが起
動されると、まずステップ201で、触媒早期暖機制御
実行条件が成立しているか否かを判定する。この触媒早
期暖機制御実行条件としては、例えば、触媒25が暖機
前(活性前)であること、点火時期遅角制御を実行可能
な運転状態であること(例えばアイドル運転時)等であ
り、これらの条件が全て満たされたときに触媒早期暖機
制御実行条件が成立する。尚、触媒25が暖機前である
か否かは、始動後経過時間と冷却水温で判断したり、或
は、始動後の吸入空気量積算値又は燃料噴射量積算値で
判断するようにして良く、要は、始動後に触媒25に与
える総熱量に関係するパラメータを用いて触媒25が暖
機前であるか否かを判定すれば良い。
【0044】触媒早期暖機制御実行条件が成立している
場合は、ステップ202に進み、点火時期遅角制御を実
行して、排気熱量を増加させて触媒25の暖機を促進す
る。その後、触媒早期暖機制御実行条件が成立しなくな
った時点で、ステップ203に進み、触媒早期暖機制御
を終了して通常の点火時期制御に移行する。
【0045】また、エンジン制御回路30は、図9の触
媒早期暖機制御異常診断ルーチンを所定の周期(例えば
128ms周期)でタイマ割り込み処理にて起動して、
触媒早期暖機制御システムの異常診断を実行し、特許請
求の範囲でいう異常診断手段としての役割を果たす。
尚、本ルーチンは、サブマイコン31で実行するように
しても良い。
【0046】ここで、本ルーチンによる触媒早期暖機制
御システムの異常診断方法を概略的に説明する。エンジ
ン始動後は、空燃比センサ26の周辺を流れる排出ガス
の熱とヒータ28の発熱によって空燃比センサ26が加
熱されて温度上昇し、それによって、空燃比センサ26
の活性化が進むに従って、空燃比センサ26の出力レベ
ルが正常レベルへ上昇する。もし、触媒早期暖機制御シ
ステムの故障等によって触媒早期暖機制御中の排気熱量
が減少して触媒25の暖機(活性化)が遅れると、空燃
比センサ26の活性化も遅れることになる。
【0047】このような触媒25の暖機の進み具合と空
燃比センサ26の活性化の進み具合の相関関係に着目
し、エンジン始動後に空燃比センサ26の活性化の進み
具合を判定することで、間接的に触媒25の暖機の進み
具合を判断して、触媒早期暖機制御システムの異常の有
無を診断するものである。
【0048】この際、空燃比センサ26の活性化の進み
具合を判定は、エンジン始動から空燃比センサ26が活
性化するまでの時間とヒータ28の消費電力積算値(以
下「ヒータ電力積算値」という)を用いて判定する。つ
まり、触媒早期暖機制御システムの故障等によって触媒
早期暖機制御中の排気熱量が減少すると、空燃比センサ
26が活性化するまでの時間が長くなると共に、ヒータ
電力積算値が増加するため、エンジン始動から空燃比セ
ンサ26が活性化するまでの時間とヒータ電力積算値を
それぞれ判定値と比較して空燃比センサ26の活性化が
異常に遅れているか否かを判定することで、間接的に触
媒25の暖機が異常に遅れているか否かを判定して触媒
早期暖機制御システムの異常の有無を診断するものであ
る。
【0049】以下、この触媒早期暖機制御システムの異
常診断を行う図9の触媒早期暖機制御異常診断ルーチン
の処理内容を説明する。本ルーチンが起動されると、ま
ず、ステップ301で、空燃比センサ26の素子インピ
ーダンスZdcが所定の活性判定値(例えば40Ω)よ
りも大きいか否かで、センサ素子27が活性化する前で
あるか否かを判定する。この活性判定値は、前記図3の
ステップ103で用いた素子インピーダンスF/B制御
開始の判定値と同じ値に設定すれば良い。
【0050】ステップ301で、素子インピーダンスZ
dcが所定の活性判定値よりも大きいと判定された場合
は、センサ素子27が活性化する前と判断して、ステッ
プ302に進み、始動から前回までのヒータ電力積算値
WHSM(i-1) に前記図7のステップ113で算出した
今回のヒータ電力WHを加算して、ヒータ電力積算値W
HSMの記憶値を更新する。
【0051】この後、ステップ303に進み、始動後の
経過時間を計測する始動後経過時間カウンタCNTをカ
ウントアップし、更に、次のステップ304で、始動か
ら前回までの吸入空気量積算値GASM(i-1) に今回の
吸入空気量GAを加算して、吸入空気量積算値GASM
の記憶値を更新する。
【0052】その後、空燃比センサ26が活性化して空
燃比センサ26の素子インピーダンスZdcが所定の活
性判定値(例えば40Ω)以下になった時点で、ステッ
プ301で「No」と判定されて、ステップ305に進
み、異常診断の判定値KWHSM、KCNT を次式により算出
する。 KWHSM=BWHSM×CWHSMCNT =BCNT ×CCNT
【0053】ここで、BWHSMとBCNT はベース値であ
り、予め、基準となるエンジン運転条件で設定した判定
値に相当する。CWHSMとCCNT は、それぞれエンジン運
転条件に応じてベース値BWHSM、BCNT を補正するため
の補正係数である。このステップ305の処理が特許請
求の範囲でいう補正手段としての役割を果たす。
【0054】本ルーチンでは、空燃比センサ26に供給
する排気熱量が吸入空気量GA(排出ガス流量)によっ
て変化することを考慮して、ステップ304で、始動か
ら空燃比センサ26が活性化するまでの吸入空気量積算
値GASMを求め、空燃比センサ26の活性後に、ステ
ップ305に進み、図10及び図11のマップにより吸
入空気量積算値GASMに応じて補正係数CWHSM、C
CNT を算出する。この際、吸入空気量積算値GASMが
多くなるほど、空燃比センサ26に供給する排気熱量が
多くなって空燃比センサ26の活性化が早くなることを
考慮して、吸入空気量積算値GASMが多くなるほど、
補正係数CWHSM、CCNT が小さくなるように設定され、
吸入空気量積算値GASMが基準値のときに補正係数C
WHSM、CCN T が1.0となる。ベース値BWHSM、BCNT
は、吸入空気量積算値GASMが基準値のときに実験又
はシミュレーション等で設定した判定値KWHSM、KCNT
に相当する。
【0055】尚、吸入空気量積算値GASMの代わりに
吸入空気量GAの平均値を算出して、吸入空気量GAの
平均値に応じて補正係数CWHSM、CCNT を算出するよう
にしても良い。また、空燃比に応じて排気温度が変化し
て空燃比センサ26に供給する排気熱量が変化するた
め、図12に示すように、始動から空燃比センサ26が
活性化するまでの空燃比積算値(又は平均値)に応じて
補正係数CWHSM、CCNTを設定しても良い。
【0056】或は、始動初期の排気管温度に応じて排気
温度が変化して空燃比センサ26に供給する排気熱量が
変化するため、図13に示すように、始動初期の排気管
温度に相関するパラメータ(例えば始動時の冷却水温、
油温、吸気温、エンジン停止時間等)に応じて補正係数
WHSM、CCNT を設定しても良い。
【0057】また、可変バルブタイミング機構を搭載し
たエンジンでは、バルブオーバーラップ量に応じて排気
温度が変化して空燃比センサ26に供給する排気熱量が
変化するため、図14に示すように、始動から空燃比セ
ンサ26が活性化するまでのバルブオーバーラップ量積
算値(又は平均値)に応じて補正係数CWHSM、CCNT
設定しても良い。
【0058】また、車速が速くなるに従って排気管24
を冷やす走行風量が増加して排気管24の温度上昇が少
なくなり、それによって、排気温度の上昇が少なくなっ
て、空燃比センサ26の活性化が遅れるため、図15に
示すように、始動から空燃比センサ26が活性化するま
での車速積算値(又は平均値)に応じて補正係数
WH SM、CCNT を設定しても良い。
【0059】尚、本ルーチンでは、1つのパラメータ
(吸入空気量積算値GASM)のみに基づいてベース値
WHSM、BCNT を補正するようにしたが、複数のパラメ
ータによって補正するようにしても良い。この場合は、
図10〜図15のマップ等から算出した複数の補正係数
を掛け合わせたり、或は、複数のパラメータを変数とす
るマップ又は数式を作製して、そのマップ又は数式から
補正係数を算出するようにしても良い。
【0060】また、本ルーチンでは、ベース値BWHSM
CNT を補正係数CWHSM、CCNT で補正して異常診断の
判定値KWHSM、KCNT を求めたが、始動から空燃比セン
サ26が活性化するまでのヒータ電力積算値WHSMや
始動後経過時間カウンタCNTのカウント値を補正係数
WHSM、CCNT で補正するようにしても良い(この場合
は、ベース値BWHSM、BCNT をそのまま異常診断の判定
値KWHSM、KCNT として用いれば良い)。
【0061】以上のようにして、ステップ305で異常
診断の判定値KWHSM、KCNT を算出した後、ステップ3
06に進み、次のとの条件を両方とも満たすか否か
で、空燃比センサ26の活性化が正常に進んだか否かを
判定し、それによって、触媒早期暖機制御システムの正
常/異常を診断する。
【0062】始動から空燃比センサ26が活性化する
までのヒータ電力積算値WHSMが判定値KWHSMよりも
少ないこと(WHSM<KWHSM) 始動から空燃比センサ26が活性化するまでの時間C
NTが判定値KCNT よりも短いこと(CNT<KCNT ) これら2つの条件,を両方とも満たせば、空燃比セ
ンサ26の活性化、ひいては触媒25の早期暖機が正常
に行われたと判断して、ステップ307に進み、正常判
定フラグを触媒早期暖機制御システムが正常であること
を意味する「ON」にセットして、本ルーチンを終了す
る。
【0063】これに対して、上記2つの条件,のい
ずれか一方でも満たさない条件があれば、空燃比センサ
26の活性化、ひいては触媒25の早期暖機が正常に行
われなかったと判断して、ステップ308に進み、異常
判定フラグを触媒早期暖機制御システムが異常であるこ
とを意味する「ON」にセットして、本ルーチンを終了
する。上記ステップ306の処理が特許請求の範囲でい
うセンサ活性判定手段としての役割を果たす。
【0064】尚、本ルーチンでは、上記2つの条件,
のいずれか一方でも満たさない条件があれば、触媒早
期暖機制御システムが異常であると判定するようにした
が、異常診断の判定値KWHSM、KCNT を大きめの値に設
定して、上記2つの条件,が両方とも満たされない
ときに、触媒早期暖機制御システムが異常であると判定
するようにしても良い。
【0065】或は、演算処理の簡略化のために、上記2
つの条件,のいずれか一方の演算、判定処理を省略
して、片方の演算、判定処理のみを実行するようにして
も良い。
【0066】以上説明した触媒早期暖機制御システムの
異常診断の実行例を図16のタイムチャートを用いて説
明する。図16は、エンジン始動後に点火時期を遅角し
て触媒早期暖機制御を実行した時の空燃比センサ26の
素子インピーダンスZdc、ヒータ電力WH、排気温度
等の変化の一例を示している。
【0067】エンジン始動後、空燃比センサ26が半活
性状態に達するまでの期間(素子インピーダンスZdc
>200Ωの期間)は、100%通電制御を実施して、
ヒータ28の発熱と排気熱とによって空燃比センサ26
の昇温を促進する。この100%通電制御により、空燃
比センサ26が半活性状態になった時点t1 で、電力制
御に移行し、その後、空燃比センサ26の活性化が完了
するまでの期間(200Ω≧素子インピーダンスZdc
>40Ωの期間)は、この電力制御と排気熱とによって
空燃比センサ26の温度を活性温度付近まで上昇させ
る。これにより、素子インピーダンスZdcが活性判定
値である40Ω以下に低下した時点t2 で、空燃比セン
サ26の活性化が完了したと判断して、素子インピーダ
ンスF/B制御に移行し、素子インピーダンスZdcを
目標インピーダンス30Ω(劣化のない場合)に維持す
るようにヒータ電力WHをF/B制御して空燃比センサ
26の温度を活性温度に保持する。尚、ヒータ電力WH
は、電力ガード値とフィードバックによる電力とに基づ
いて最終的に算出される電力指令値である。
【0068】触媒早期暖機制御中は、点火時期を遅角し
て排気温度を上昇させることで、空燃比センサ26の温
度上昇(素子インピーダンスZdcの低下)を促進する
が、触媒早期暖機制御システムが異常になると、排気温
度が正常時よりも低くなるため、空燃比センサ26の温
度上昇が正常時よりも遅れて、素子インピーダンスZd
cの低下が遅れてしまう。その結果、触媒早期暖機制御
システムの異常時には、始動から空燃比センサ26が活
性化するまでの時間CNTが正常時よりも長くなると共
に、ヒータ電力積算値WHSMが正常時よりも大きくな
る。
【0069】この関係に着目し、本実施形態では、始動
から空燃比センサ26が活性化するまでの時間CNTと
ヒータ電力積算値WHSMについて、それぞれ正常時の
値と異常時の値の中間に異常診断の判定値を設定し、時
間CNTとヒータ電力積算値WHSMが判定値よりも大
きいか否かで、触媒早期暖機制御システムの異常の有無
を判定する。以上説明した本実施形態では、触媒25の
暖機の進み具合と空燃比センサ26の活性化の進み具合
との相関関係に着目し、空燃比センサ26の活性化の進
み具合が異常に遅いか否かを判定することで、間接的に
触媒25の暖機の進み具合が異常に遅いか否かを判断し
て、触媒早期暖機制御システムの異常の有無を診断する
ものである。この場合、触媒早期暖機制御システムの異
常診断に利用する空燃比センサ26は、空燃比制御のた
めに設置されている空燃比センサ26を利用すれば良い
ため、触媒温度センサ等の新たなセンサを設ける必要が
なく、低コスト化の要求を満たしながら、触媒早期暖機
制御システムの異常診断を行う機能を実現することがで
きる。
【0070】しかも、本実施形態では、始動から空燃比
センサ26が活性化するまでのエンジン運転条件(吸入
空気量等)及び/又は環境条件(外気温等)に応じて異
常診断の判定値を補正するようにしたので、エンジン運
転条件や環境条件が違っても、常に、ほぼ同じ条件で空
燃比センサ26の活性化の進み具合を判定することがで
き、活性化の進み具合の判定精度を向上することができ
る。
【0071】尚、本実施形態では、始動から空燃比セン
サ26が活性化するまでの時間CNTとヒータ電力積算
値WHSMを測定したが、始動後に空燃比センサ26の
素子インピーダンスZdcが所定値(例えば100Ω)
以下に低下してから活性判定値(例えば40Ω)に低下
するまでの時間CNTとヒータ電力積算値WHSMを測
定し、この時間CNTとヒータ電力積算値WHSMをそ
れぞれ判定値と比較して、触媒早期暖機制御システムの
異常診断を行うようにしても良い。このようにすれば、
始動当初の空燃比センサ26の温度(素子インピーダン
スZdc)が異なっていても、空燃比センサ26の活性
化に要する時間CNTとヒータ電力積算値WHSMを常
に同じ条件で測定することができ、異常診断精度を向上
することができる。
【0072】また、始動後にエンジン運転状態がある程
度安定するまで暫く待ってから点火時期遅角制御等の触
媒早期暖機制御が開始されることを考慮して、始動後に
点火時期遅角制御等の触媒早期暖機制御が開始されてか
ら空燃比センサ26の素子インピーダンスZdcが活性
判定値(例えば40Ω)に低下するまでの時間CNTと
ヒータ電力積算値WHSMを測定し、この時間CNTと
ヒータ電力積算値WHSMをそれぞれ判定値と比較し
て、触媒早期暖機制御システムの異常診断を行うように
しても良い。このようにすれば、触媒早期暖機制御が開
始される前のエンジン運転状態のばらつきの影響を受け
ずに、触媒早期暖機制御による空燃比センサ26の活性
化の進み具合を精度良く判定することができ、異常診断
精度を向上することができる。
【0073】また、前述のヒータ電力積算値WHSMの
代わりに、素子インピーダンスZdcの積算値を算出し
て、この素子インピーダンスZdcの積算値を判定値と
比較して、触媒早期暖機制御システムの異常診断を行う
ようにしても良い。
【0074】また、前記実施形態では、触媒25の上流
側に設置した空燃比センサ26の活性化の進み具合を判
定することで、触媒早期暖機制御システムの異常の有無
を診断するようにしたが、触媒25の下流側に排出ガス
の酸素濃度等のガス成分濃度、空燃比、リッチ/リーン
のいずれかを検出する排出ガスセンサを設置したシステ
ムでは、触媒25の下流側の排出ガスセンサの活性化の
進み具合を判定することで、触媒早期暖機制御システム
の異常の有無を診断するようにしても良い。
【0075】また、触媒25の上流側と下流側の両方に
排出ガスセンサを設置したシステムでは、上流側の排出
ガスセンサの活性化の進み具合と下流側の排出ガスセン
サの活性化の進み具合を判定して、これら双方の判定結
果から総合的に触媒早期暖機制御システムの異常診断を
行うようにしても良い。この場合、上流側の排出ガスセ
ンサの活性化の進み具合と下流側の排出ガスセンサの活
性化の進み具合の判定結果(排出ガスセンサの活性化に
要する時間、ヒータ電力積算値等)の比較又は差によっ
て触媒早期暖機制御システムの異常診断を行うようにし
ても良い。
【0076】また、図16に示すように、電力制御の期
間(200Ω≧素子インピーダンスZdc>40Ωの期
間)に、素子インピーダンスZdcの変化率(単位時間
当たりの変化量)が触媒早期暖機制御システムの異常時
と正常時とで異なる点に着目し、電力制御の期間中に素
子インピーダンスZdcの変化率の平均値を算出し、こ
の素子インピーダンスZdcの変化率平均値を判定値と
比較して触媒早期暖機制御システムの異常診断を行うよ
うにしても良い。
【0077】尚、触媒25の上流側及び/又は下流側に
配置する排出ガスセンサは、空燃比を検出する空燃比セ
ンサに限定されず、排出ガスの酸素濃度等のガス成分濃
度を検出するセンサや、排出ガスのリッチ/リーンを検
出する酸素センサを搭載したシステムに本発明を適用し
て実施することができる。
【0078】また、前記実施形態では、排出ガスセンサ
(空燃比センサ26)の活性判定を素子インピーダンス
Zdcに基づいて行うようにしたが、排出ガスセンサの
出力が所定値以上になったか否かで活性判定を行っても
良い。また、排出ガスのリッチ/リーンを検出する酸素
センサの場合は、酸素センサの出力がリーン出力からリ
ッチ出力に変化したか否かで活性判定を行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジン制御システ
ム全体の概略構成図
【図2】空燃比検出システムの概略構成を示すブロック
【図3】ヒータ制御ルーチンの処理の流れを示すフロー
チャート
【図4】素子インピーダンスの検出方法を説明するため
の図
【図5】素子インピーダンスと電力指令値との関係を規
定するマップを概念的に示す図
【図6】素子温度と素子インピーダンスとセンサ素子の
劣化との関係を示す特性図
【図7】目標インピーダンス設定ルーチンの処理の流れ
を示すフローチャート
【図8】触媒早期暖機制御ルーチンの処理の流れを示す
フローチャート
【図9】触媒早期暖機制御異常診断ルーチンの処理の流
れを示すフローチャート
【図10】吸入空気量積算値GASMと補正係数CWHSM
との関係を規定するマップを概念的に示す図
【図11】吸入空気量積算値GASMと補正係数CCNT
との関係を規定するマップを概念的に示す図
【図12】空燃比積算値と補正係数CWHSM(CCNT )と
の関係を規定するマップを概念的に示す図
【図13】始動時冷却水温と補正係数CWHSM(CCNT
との関係を規定するマップを概念的に示す図
【図14】バルブオーバーラップ量積算値と補正係数C
WHSM(CCNT )との関係を規定するマップを概念的に示
す図
【図15】車速積算値と補正係数CWHSM(CCNT )との
関係を規定するマップを概念的に示す図
【図16】触媒早期暖機制御システムの異常診断の実行
例を示すタイムチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、14…エアフローメー
タ、24…排気管、25…触媒、26…空燃比センサ
(排出ガスセンサ)、27…センサ素子、28…ヒー
タ、30…エンジン制御回路(異常診断手段,センサ活
性判定手段,補正手段)、31…サブマイコン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/20 F01N 3/20 D F02D 41/14 310F F02D 41/14 310 B01D 53/36 B K (72)発明者 飯田 寿 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 摩島 嘉裕 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 森永 修二郎 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 岡 達也 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G084 BA09 BA15 BA17 CA02 DA27 EA07 EB22 EC01 FA26 FA29 3G091 AA17 AB03 BA14 BA15 BA19 BA27 BA31 BA32 CA05 CB02 DA01 DA02 DB04 DB05 DB06 DB07 DB08 DB10 DB13 EA01 EA05 EA06 EA07 EA16 EA27 EA28 EA29 EA30 EA34 FA02 FA04 FA12 FA13 FA14 FB02 FB10 FB11 FB12 FC02 FC04 FC07 GA06 HA36 3G301 JB09 KA05 LB00 MA01 MA18 ND13 ND17 NE23 PD05B 4D048 AB07 BD01 CC53 CD06 DA01 DA02 DA08 DA20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排出ガス浄化用の触媒の暖機
    を促進する触媒早期暖機制御システムの異常の有無を診
    断する内燃機関の触媒早期暖機制御システムの異常診断
    装置において、 排出ガスの酸素濃度等のガス成分濃度、空燃比、リッチ
    /リーンのいずれかを検出する排出ガスセンサと、 内燃機関の始動後に前記排出ガスセンサの活性化の進み
    具合を判定するセンサ活性判定手段と、 前記センサ活性判定手段の判定結果に基づいて前記排出
    ガスセンサの活性化が異常に遅れているか否かを判定し
    て前記触媒早期暖機制御システムの異常の有無を診断す
    る異常診断手段とを備えていることを特徴とする内燃機
    関の触媒早期暖機制御システムの異常診断装置。
  2. 【請求項2】 前記センサ活性判定手段は、前記排出ガ
    スセンサの活性化の進み具合を、該排出ガスセンサが活
    性化するまでの時間又はそれに相関するパラメータを用
    いて判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機
    関の触媒早期暖機制御システムの異常診断装置。
  3. 【請求項3】 前記排出ガスセンサは、活性化を促進す
    るヒータを内蔵し、前記センサ活性判定手段は、前記排
    出ガスセンサの活性化の進み具合を、該排出ガスセンサ
    が活性化するまでの前記ヒータの消費電力積算値又はそ
    れに相関するパラメータを用いて判定することを特徴と
    する請求項1又は2に記載の内燃機関の触媒早期暖機制
    御システムの異常診断装置。
  4. 【請求項4】 前記センサ活性判定手段は、内燃機関の
    始動後に前記排出ガスセンサが所定の活性度合に達して
    から該排出ガスセンサの活性化の進み具合の判定を開始
    することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    の内燃機関の触媒早期暖機制御システムの異常診断装
    置。
  5. 【請求項5】 前記センサ活性判定手段は、内燃機関の
    始動後に触媒早期暖機制御が開始されてから該排出ガス
    センサの活性化の進み具合の判定を開始することを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の触
    媒早期暖機制御システムの異常診断装置。
  6. 【請求項6】 前記センサ活性判定手段で前記排出ガス
    センサの活性化の進み具合を判定する期間中の内燃機関
    の運転条件及び/又は環境条件に応じて前記センサ活性
    判定手段の判定結果又は前記異常診断手段の異常診断の
    判定条件を補正する補正手段を備えていることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれかに記載の内燃機関の触媒
    早期暖機制御システムの異常診断装置。
  7. 【請求項7】 前記センサ活性判定手段は、前記排出ガ
    スセンサの活性度合を表すパラメータとして該排出ガス
    センサの素子インピーダンスを検出することを特徴とす
    る請求項1乃至6のいずれかに記載の内燃機関の触媒早
    期暖機制御システムの異常診断装置。
JP2001317588A 2001-10-16 2001-10-16 内燃機関の触媒早期暖機制御システムの異常診断装置 Pending JP2003120408A (ja)

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