JP4193422B2 - 内燃機関の2次空気供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の2次空気供給装置に係り、特に、内燃機関の排気系に2次空気を供給するための2次空気供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平8−312337号公報に開示されるように、内燃機関の排気系に2次空気を供給する装置が知られている。排気系に2次空気が導入されると、排気ガスに含まれているCOやHCなどの未燃成分が2次空気と反応して燃焼する。このため、2次空気供給装置によれば、内燃機関から排出される排気ガス中に未燃成分が含まれている場合に、その未燃成分を適当に燃焼させて排気エミッション特性を向上させることができる。
【0003】
また、2次空気の導入により排気ガス中の未燃成分が燃焼すると、排気温度が上昇して触媒の暖機が促進される。このため、2次空気供給装置によれば、内燃機関が冷間始動された後、触媒が活性状態に達するまでの時間を短縮することができる。2次空気供給装置は、この点においても、排気エミッション特性の向上を図る上で有効である。
【0004】
上述した従来の2次空気供給装置は、以下に示す原理で故障を検出する機能を有している。すなわち、内燃機関の排気系に2次空気が供給されている場合、その2次空気を含む排気ガスの空燃比は、2次空気を含まない場合の排気空燃比に比して十分にリーンになるはずである。従って、2次空気供給装置に故障が生じていない場合は、装置の作動中における排気空燃比が、装置の停止中における排気空燃比に比して十分にリーンになるはずである。一方、2次空気供給装置に故障が生じており、装置の作動時に適正に2次空気が供給されない状況下では、装置の動作中における排気空燃比と、装置の停止中における排気空燃比とに大きな差は生じない。
【0005】
そこで、上記従来の2次空気供給装置は、装置の作動中における排気空燃比と、装置の停止中における排気空燃比とを比較し、前者が後者に対して十分にリーンであるか否かに基づいて、故障の有無を判断することとしている。このため、上記従来の2次空気供給装置によれば、2次空気の適正な供給を妨げるような故障が装置内に生じた場合に、その故障を速やかに検出することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、2次空気を含む排気ガスの空燃比(以下、「第2排気空燃比A/F2」と称す)は、吸入空気量と2次空気量との和である空気量と、内燃機関に供給される燃料量との比である。一方、2次空気を含まない排気ガスの空燃比(以下、「第1排気空燃比A/F1」と称す)は、吸入空気量と燃料量との比である。これら2つの空燃比A/F1, A/F2の差ΔA/Fは、吸入空気量に対する2次空気量の割合が大きくなるほど大きくなり、一方、その割合が小さくなるほど小さくなる。
【0007】
上記従来の2次空気供給装置において、2次空気は、吐出流量をほぼ一定に保って動作するエアポンプによって圧送される。このため、排気系に供給される2次空気の量(質量流量)は、空気の密度が低下することにより、より具体的には、大気圧が低下することにより少量となる。従って、第1排気空燃比A/F1と第2排気空燃比A/F2との差ΔA/Fは、大気圧の高い低地では大きな値になりやすく、一方、大気圧の低い高地では小さな値になりやすい。
【0008】
また、上記従来の2次空気供給装置においては、2次空気量がほぼ一定であることから、吸入空気量に対する2次空気量の割合は、吸入空気量が少量であるほど大きくなり、一方、吸入空気量が多量になるほど小さくなる。このため、第1排気空燃比A/F1と第2排気空燃比A/F2との差ΔA/Fは、吸入空気量が少量となる低負荷運転時に大きな値になりやすく、一方、多量の吸入空気量が生ずる高負荷運転時に小さな値になりやすい。
【0009】
以上説明した通り、上述した従来の2次空気供給装置においては、2次空気を含まない排気ガスの空燃比A/F1と、2次空気を含む排気ガスの空燃比A/F2との差ΔA/Fが、内燃機関を取り巻く環境(大気圧)の変化や、内燃機関の運転状態に応じて変化する。上記従来の2次空気供給装置は、上述した空燃比差ΔA/Fを、常に一定の判定値と比較して故障の有無を判断する。このため、上記従来の2次空気供給装置は、内燃機関の置かれた状況によっては、故障の有無を誤判断し易いという問題を有していた。
【0010】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、第1排気空燃比A/F1と第2排気空燃比A/F2との差ΔA/Fとの比較に用いる判定値を、内燃機関の置かれた状況に応じて適宜設定することにより、装置内の故障の有無を常に精度良く検出することのできる内燃機関の2次空気供給装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気系に2次空気を供給するための2次空気供給装置であって、
前記2次空気を送風するためのエアポンプと、
前記エアポンプにより送風される空気を内燃機関の排気系に導くための空気配管と、
前記2次空気の供給、およびその供給の停止を制御する2次空気供給制御手段と、
前記空気配管との接続部より下流において、排気空燃比を検出する排気空燃比検出手段と、
前記2次空気の供給時に、前記2次空気が供給されていない場合の排気空燃比を第1排気空燃比として取得する第1排気空燃比取得手段と、
前記2次空気が供給されている状態での排気空燃比を第2排気空燃比として実測する第2排気空燃比実測手段と、
前記第2排気空燃比と前記第1排気空燃比との相違量の特性値を算出する空燃比相違量算出手段と、
前記特性値と判定値との比較に基づいて、当該2次空気供給装置の故障の有無を判断する故障判断手段と、
内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
前記吸入空気量に応じて前記判定値を設定する判定値設定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
また、第2の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気系に2次空気を供給するための2次空気供給装置であって、
前記2次空気を送風するためのエアポンプと、
前記エアポンプにより送風される空気を内燃機関の排気系に導くための空気配管と、
前記2次空気の供給、およびその供給の停止を制御する2次空気供給制御手段と、
前記空気配管との接続部より下流において、排気空燃比を検出する排気空燃比検出手段と、
前記2次空気の供給時に、前記2次空気が供給されていない場合の排気空燃比を第1排気空燃比として取得する第1排気空燃比取得手段と、
前記2次空気が供給されている状態での排気空燃比を第2排気空燃比として実測する第2排気空燃比実測手段と、
前記第2排気空燃比と前記第1排気空燃比との相違量の特性値を算出する空燃比相違量算出手段と、
前記特性値と判定値との比較に基づいて、当該2次空気供給装置の故障の有無を判断する故障判断手段と、
大気圧を検出する大気圧検出手段と、
大気圧に応じて前記判定値を設定する判定値設定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
また、第3の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気系に2次空気を供給するための2次空気供給装置であって、
前記2次空気を送風するためのエアポンプと、
前記エアポンプにより送風される空気を内燃機関の排気系に導くための空気配管と、
前記2次空気の供給、およびその供給の停止を制御する2次空気供給制御手段と、
前記空気配管との接続部より下流において、排気空燃比を検出する排気空燃比検出手段と、
前記2次空気が供給されていない場合の排気空燃比を第1排気空燃比として取得する第1排気空燃比取得手段と、
前記2次空気が供給されている状態での排気空燃比を第2排気空燃比として実測する第2排気空燃比実測手段と、
前記第2排気空燃比と前記第1排気空燃比との相違量の特性値を算出する空燃比相違量算出手段と、
前記特性値と判定値との比較に基づいて、当該2次空気供給装置の故障の有無を判断する故障判断手段と、
内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
前記吸入空気量に応じて前記判定値を設定する判定値設定手段と、
前記吸入空気量が実行限界空気量以上である場合に、前記故障判断手段による判断の実行を禁止する第1の故障判断禁止手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気系に2次空気を供給するための2次空気供給装置であって、
前記2次空気を送風するためのエアポンプと、
前記エアポンプにより送風される空気を内燃機関の排気系に導くための空気配管と、
前記2次空気の供給、およびその供給の停止を制御する2次空気供給制御手段と、
前記空気配管との接続部より下流において、排気空燃比を検出する排気空燃比検出手段と、
前記2次空気が供給されていない場合の排気空燃比を第1排気空燃比として取得する第1排気空燃比取得手段と、
前記2次空気が供給されている状態での排気空燃比を第2排気空燃比として実測する第2排気空燃比実測手段と、
前記第2排気空燃比と前記第1排気空燃比との相違量の特性値を算出する空燃比相違量算出手段と、
前記特性値と判定値との比較に基づいて、当該2次空気供給装置の故障の有無を判断する故障判断手段と、
大気圧を検出する大気圧検出手段と、
大気圧に応じて前記判定値を設定する判定値設定手段と、
内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
前記吸入空気量が実行限界空気量以上である場合に、前記故障判断手段による判断の実行を禁止する第1の故障判断禁止手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
また、第5の発明は、第3または第4の発明において、
大気圧を検出する大気圧検出手段と、
大気圧が低いほど前記実行限界空気量を少量に設定する実行限界空気量設定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0015】
また、第6の発明は、第1乃至第5の何れかの発明において、
内燃機関に供給される燃料の性状を判断する燃料性状判断手段と、
前記燃料が重質燃料である場合に、前記故障判断手段による判断の実行を禁止する第2の故障判断禁止手段と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
また、第7の発明は、第1乃至第6の何れかの発明において、
前記2次空気供給制御手段は、前記空気配管内に配置され、内燃機関の吸気負圧と大気圧との差圧を利用して開弁状態となるダイアフラム式の開閉弁を備えると共に、
当該2次空気供給装置は、
大気圧を検出する大気圧検出手段と、
大気圧が、前記開閉弁の動作が保証された下限の大気圧より低い場合に、前記故障判断手段が故障の不存在を判断するのを許容し、かつ、前記故障判断手段が故障の発生を判断するのを禁止する第3の故障判断禁止手段と、
を備えることを特徴とする。
【0017】
また、第8の発明は、第1乃至第6の何れかの発明において、
前記2次空気供給制御手段は、前記空気配管内に配置され、内燃機関の吸気負圧と大気圧との差圧を利用して開弁状態となるダイアフラム式の開閉弁を備えると共に、
当該2次空気供給装置は、
大気圧を検出する大気圧検出手段と、
大気圧が、前記開閉弁の動作が保証された下限の大気圧より低い場合に、前記故障判断手段による判断の実行を禁止する第4の故障判断禁止手段と、
大気圧が、前記開閉弁の動作が保証された下限の大気圧より低い場合に、前記エアポンプの動作を停止させるポンプ作動禁止手段と、
を備えることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0019】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10には、冷却水温THWを検出するための冷却水温センサ11、および機関回転数NEを検出するための回転数センサ12が組み付けられている。
【0020】
内燃機関10には、また、吸気マニホールド13を介して吸気通路14が接続されている。吸気通路14の内部には、スロットルバルブ16が設けられている。スロットルバルブ16の近傍には、スロットル開度TAを検出するためのスロットルセンサ17が配設されている。吸気通路14の端部近傍には、エアフィルタ18が設けられている。エアフィルタ18の下流には、吸入空気量Ga(質量流量)を検出するためのエアフロメータ19が設けられている。
【0021】
内燃機関10には、更に、排気マニホールド20を介して排気通路22が接続されている。排気通路22には、排気ガスを浄化するための触媒24が配置されている。また、触媒24の前後には空燃比センサ26およびO2センサ28が配置されている。ここで、空燃比センサ26は、排気空燃比に応じたリニアな信号を発生するセンサである。一方、O2センサ28は、排気空燃比がリッチであるかリーンであるかに応じた出力を発するセンサである。
【0022】
排気マニホールド20には、内燃機関10の個々の気筒に対応する支管毎に1つの注入孔30が連通している。注入孔30は、排気マニホールド20の支管に2次空気を導入するための管路である。それらの注入孔30は、空気配管32に連通している。空気配管32は、その途中にバルブユニット34を備えている。と共に、その端部においてエアポンプ36に接続されている。エアポンプ36は、エアフィルタ38を介して空気を吸入し、その空気を2次空気として空気配管32に送出することができる。
【0023】
バルブユニット34は、エアスイッチング弁42と逆止弁44を備えている。エアスイッチング弁42は、ダイアフラム式の負圧駆動弁である。エアスイッチング弁42は、VSV(Vacuum Switching Valve)46を介して吸気通路16に連通している。また、エアスイッチング弁42は、VSV46を介して負圧が供給されることにより開弁状態となり、また、その負圧が供給されていない場合に閉弁状態を維持するダイアフラム式の弁機構48を備えている。従って、本実施形態のシステムでは、VSV46をオン状態(導通状態)とすることで、エアスイッチング弁42を導通状態とし、また、VSV46をオフ状態(遮断状態)とすることで、エアスイッチング弁42を遮断状態とすることができる。
【0024】
逆止弁44は、エアポンプ36から排気マニホールド20へ向かう順方向の流体の流れのみを許容し、逆方向の流れを阻止するための弁機構である。逆止弁44は、エアスイッチング弁42に開故障が生じた場合に、高温の排気ガスが、排気マニホールド20側からエアポンプ36側へ逆流するのを防ぐために設けられている。
【0025】
図1に示すように、本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50には、上述した各種センサが接続されていると共に、内燃機関10のイグニッションスイッチ(IG)52や、高度センサ54が接続されている。高度センサ54は、車両の高度を検知するために、車両を取り巻く大気圧Paを検出するセンサである。ECU50は、それらのセンサ出力を受けて、上述したVSV46やエアポンプ36の状態を制御する。
【0026】
次に、本実施形態のシステムの動作について説明する。
ECU50は、内燃機関10の冷間始動時などに、VSV46を開いて、かつ、エアポンプ36を動作させる処理(以下、「AI(Air Injection)処理」と称す)を実行する。AI処理の実行中は、エアポンプ36から送出された2次空気が、バルブユニット34、空気配管32および注入孔30を通って排気マニホールド20に供給される。
【0027】
内燃機関10の始動時は、良好な始動性を確保するために燃料の増量補正が行われる。このため、排気マニホールド20には、HCやCOなどの未燃成分を含む排気ガスが排出される。AI処理の実行に伴って排気マニホールド20に2次空気が供給されていると、排気ガス中のHCやCOがその2次空気中の酸素と反応して燃焼する。このため、内燃機関の始動時にAI処理を実行すると、排気エミッション特性を改善することができる。
【0028】
また、この場合、排気ガス中のHCやCOが排気マニホールド20中で燃焼することから、2次空気が存在しない場合に比して、排気ガスの温度を高めることができる。内燃機関10が冷間始動された後、触媒24の温度は、排気温度が高いほど早期に活性温度に到達する。このため、内燃機関10の始動時にAI制御を実行すると、触媒24を速やかに活性状態として、始動直後の排気エミッション特性を改善することができる。
【0029】
本実施形態のシステムにおいて、2次空気を供給するための機構が故障して、2次空気が適正に供給できない状態になると、内燃機関10の排気エミッション特性が悪化する。このため、そのような故障は、速やかに検知できることが望ましい。そこで、本実施形態のシステムでは、AI処理の実行中に、2次空気が適正に供給されているか否かを見ることで、そのような故障の発生を検出することとしている。以下、この処理を「AI-OBD(On Board Diagnosis)」と称す。
【0030】
図2は、内燃機関の冷間始動時にAI-OBDの処理を兼ねたAI処理が実行された場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。より具体的には、図2(A)は機関回転数NEの変化を、図2(B)はAI処理の実行を促すAI実行フラグの状態を、図2(C)は内燃機関10に供給される燃料の増量補正割合を、それぞれ示している。また、図2(D)中に実線で示す波形は、AI処理の実行中に空燃比センサ26により実測された排気空燃比の波形、すなわち、2次空気を含む排気ガスの空燃比(第2排気空燃比A/F2)の波形であり、同図中に一点鎖線で示す波形は、エアフロメータ19により検出される吸入空気量Gaと内燃機関10に供給される燃料噴射量との比、すなわち、2次空気が混入する前の排気ガスの空燃比(第1排気空燃比A/F1)の波形である。更に、図2(E)は、空燃比センサ26の活性状態を表す活性フラグの状態を示す。
【0031】
図2(A)に示すように、機関回転数NEは、内燃機関10が始動された後、一時的なオーバーシュートを経てアイドル回転数に収束する。図2(B)に示すように、ECU50は、内燃機関10の始動が開始された後、所定の実行条件が成立していることを条件に、AI実行フラグをONとする(時刻t1)。その結果、バルブユニット34が開いて、エアポンプ36から吐出される2次空気が、排気マニホールド20に供給され始める。
【0032】
図2(C)に示すように、内燃機関10に供給される燃料噴射量は、始動の直後において最も大きな割合で増量され、その後、適当な期間(時刻t3まで)、適当な割合で増量され続ける。燃料噴射量が増量されている間、第1排気空燃比A/F1は、図2(D)中に一点鎖線で示すように、理論空燃比(λ=1)に対してリッチ側に偏った値に維持される。この際、第2排気空燃比A/F2は、2次空気が適正に供給されていれば、その影響で、図2(D)中に実線で示すように、理論空燃比(λ=1)に対してリーン側に偏った値となる。
【0033】
排気通路2に配置されている空燃比センサ26は、所定の活性温度に到達した後に空燃比に応じた出力を発する。この空燃比センサ26は、内燃機関10の始動が開始されると同時に加熱され始め、その後ある程度の期間が経過した時点で活性温度に達する。ECU50は、空燃比センサ26が活性状態に到達するのに要する期間を計数し、その期間が経過した時点(時刻t2)で、図2(E)に示すように活性フラグをONとする。
【0034】
空燃比センサ26の活性フラグがONとなった後は、空燃比センサ26により、第2排気空燃比A/F2を実測することができる。このため、ECU50は、時刻t2の後、空燃比センサ26の出力に基づいて第2排気空燃比A/F2の実測値を検出する。また、ECU50は、エアフロメータ19により検出される吸入空気量Gaと、内燃機関10に供給されている燃料噴射量とに基づいて、第1排気空燃比A/F1を算出する。
【0035】
2次空気が適正に供給されていれば、図2(D)に示すように、第2排気空燃比A/F2は第1排気空燃比A/F1に比して十分にリーン側に偏った値となる。従って、その場合は、第2排気空燃比A/F2と第1排気空燃比A/F1との差ΔA/Fが、十分に大きな値となる。これに対して、2次空気が適正に供給されていない場合は、第2排気空燃比A/F2が第1排気空燃比A/F1とほぼ同じ値となり、それらの空燃比差ΔA/Fは、小さな値となる。そこで、ECU50は、時刻t2の後、上記の空燃比差ΔA/Fを算出し、その値が所定の判定値に比して大きな値であるか否かに基づいて、2次空気が適正に供給されているか否か、すなわち、2次空気を供給するための機構に故障が生じているか否かを判断することとしている。
【0036】
図2に示すタイミングチャートは、内燃機関10が冷間始動された後、AI処理が終了する時刻t3までの間に、機関回転数NEがアイドル回転数を維持した場合を例示している。つまり、このタイミングチャートは、内燃機関10が始動された後、時刻t3までの間は、吸入空気量Gaがほぼ一定に維持された場合を例示している。
【0037】
図3は、内燃機関10が始動された後、AI処理の実行中である時刻t4において、アクセルペダルが踏み込まれることにより、吸入空気量Gaが増量され、その結果、機関回転数NEが上昇した場合のタイミングチャートである。この例では、図3(C)に示すように、吸入空気量Gaが増えても、燃料の増量割合は一定に維持されるものとする。この場合、図3(D)中に一点鎖線で示すように、第1排気空燃比A/F1は、時刻t4の前後でほぼ一定値に維持される。
【0038】
本実施形態のシステムにおいて、エアポンプ36は、常に一定の能力で2次空気を吐出する。このため、吸入空気量Gaの大小に関わらず、排気系に供給される2次空気の流量はほぼ一定である。2次空気を含む排気ガスの空燃比、すなわち、第2排気空燃比A/F2は、吸入空気量Gaに対する2次空気の割合が大きいほど、第1排気空燃比A/F1より大きな値(リーン側の値)になる。換言すると、第2排気空燃比A/F2の値は、吸入空気量Gaに対する2次空気の割合が小さくなるほど、第1排気空燃比A/F1の値に近づく。
【0039】
エアポンプ36から一定量の2次空気が吐出されている状況下で、吸入空気量Gaが増量されると、吸入空気量Gaに対する2次空気の割合は小さくなる。このため、時刻t4の後、吸入空気量Gaが増量されると、Gaに対する2次空気の量が相対的に減少し、図3(D)中に実線で示すように、第2排気空燃比A/F2の値は、第1排気空燃比A/F1の値に近づけられる。その結果、第2排気空燃比A/F2と第1排気空燃比A/F1との差ΔA/Fは、2次空気が適正に供給されていても、吸入空気量Gaが増量された場合、Gaが増量されない場合に比して十分に小さな値となることがある。
【0040】
以上説明した通り、本実施形態のシステムでは、故障の有無を判断するための物理量である空燃比差ΔA/Fに吸入空気量Gaに応じた変化が生ずる。このため、システムの故障の有無を精度良く判断するためには、空燃比差ΔA/Fと比較される判定値を、吸入空気量Gaに応じた適正な値に設定することが望ましい。
【0041】
図4は、上記の要求を満たしつつ、AI処理の実行中に、AI-OBDを行うためにECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートを示す。
図4に示すルーチンでは、先ず、AI処理の実行条件が成立しているか否かが判別される(ステップ100)。
本ステップ100では、上記の実行条件として、具体的には以下に示すそれぞれの条件が成立しているか否かが判別される。
・内燃機関の冷間始動時か
(始動時の冷却水温THWが所定範囲内(例えば、−10℃以上50℃以下)であり、かつ、始動開始の後一定時間が経過する前か)。
・内燃機関が低負荷運転中か(2次空気の導入が可能な程度に排圧が低圧か)。
・バッテリ状態が正常か。
【0042】
AI処理の実行条件が成立していないと判別された場合は、以後速やかに今回の処理サイクルが終了される。一方、AI処理の実行条件が成立していると判別された場合は、次に、AI-OBDが未完了であるか否かが判別される(ステップ102)。
【0043】
その結果、AI-OBDが未完了でないと判別された場合、すなわち、AI-OBDの実行が既に完了していると判別された場合は、以後、本ルーチンの処理を進める必要がないため、速やかに今回の処理サイクルが終了される。
【0044】
一方、AI-OBDが未完了であると判別された場合は、次に、空燃比センサ26が活性状態となっているか否かが判別される(ステップ104)。
本実施形態では、内燃機関10の始動開始と同時に、空燃比センサ26の加熱が開始される。そして、空燃比センサ26が活性温度に到達すると、他のルーチンにより活性フラグがONとされる。本ステップ104では、その活性フラグがON状態であるか否かに基づいて、空燃比センサ26の活性状態が判断される。
【0045】
空燃比センサ26が活性状態でない場合は、第2排気空燃比A/F2を正確に実測することができない。このため、このような判別がなされた場合は、以後、何ら処理が進められることなく今回の処理サイクルが終了される。
【0046】
一方、空燃比センサ26が活性状態であると判別された場合は、次に、スロットル開度TAの変化量ΔTA、または吸入空気量Gaの変化量ΔGaが取り込まれる(ステップ106)。
スロットル開度TAの変化量ΔTAは、前回の処理サイクル時のTAと今回の処理サイクル時のTAとの差、或いは、所定時間に渡るTAの平均値と今回の処理サイクル時のTAとの差である。吸入空気量Gaの変化量ΔGaも同様である。これらの変化量ΔTA,ΔGaは、本ステップ106において、内燃機関10の運転状態の安定度を表す特性値として検出される。
【0047】
図4に示すルーチンでは、次に、変化量ΔTA(またはΔGa)が、所定の判定値Aより小さいか否かが判別される(ステップ108)。
本ステップ108の条件が成立しない場合は、内燃機関10の運転状態が安定していないと判断できる。内燃機関10の運転状態が安定していない状況下では、排気空燃比A/Fにも大きな変動が生ずる。この場合、空燃比差ΔA/Fに基づいて故障の有無を正確に判断することが困難であるため、以後、速やかに今回の処理サイクルが終了される。
【0048】
一方、変化量ΔTA(またはΔGa)が判定値Aより小さいと判別された場合は、内燃機関10の運転状態が十分に安定していると判断できる。この場合、次に、吸入空気量Gaと、第2排気空燃比A/F2(空燃比センサ26の出力)とが取り込まれる(ステップ110)。
【0049】
次に、吸入空気量Gaが、所定の判定値Bより少ないか否かが判別される(ステップ112)。
図2を参照して既に説明した通り、本実施形態のシステムは、排気系に2次空気が導入されるべき状態が形成されることにより、排気空燃比A/Fに有意な差ΔA/Fが生じたか否かに基づいて、2次空気が適正に供給されているか否かを判断する。ここで、2次空気の存在が排気空燃比A/Fに与える影響は、吸入空気量Gaが多量になるほど小さくなる。従って、吸入空気量Gaが多量に存在する場合は、2次空気が適正に供給されているか否かを、空燃比差ΔA/Fに基づいて正確に判断することが困難となる。
【0050】
上記ステップ112で用いられる判定値Bは、2次空気が適正に供給されているか否かを、空燃比差ΔA/Fに基づいて正確に判断することのできる吸入空気量Gaの上限値として、実験的に定められた値である。このため、上記ステップ112において、吸入空気量Gaが判定値Bより少なくないと判別された場合は、空燃比差ΔA/Fに基づいて故障の有無を正確に判断することが難しいと判断できる。この場合、以後、速やかに今回の処理サイクルが終了される。
【0051】
以上説明した通り、図4に示すルーチンによれば、判定値B以上の多量の吸入空気量Gaが生じているような場合には、AI-OBDの実行を禁止することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、多量の吸入空気量Gaが生じている状況下で、誤った故障判断が成されるのを有効に防止することができる。
【0052】
一方、上記ステップ112において、Ga<Bが成立すると判別された場合は、空燃比差ΔA/Fに基づく正確な故障診断が可能であると判断できる。この場合、図4に示すルーチンでは、次に、使用されている燃料が軽質燃料であるか否かが判別される(ステップ114)。
本実施形態のシステムは、他のルーチンにおいて、公知の手法で、使用中の燃料の性状を学習している。本ステップ114では、その学習の結果に基づいて、使用中の燃料が軽質燃料であるか否かが判断される。
【0053】
本実施形態のシステムは、2次空気が存在しないとした場合の排気空燃比、すなわち、第1排気空燃比A/F1を、吸入空気量Gaと燃料噴射量とに基づいて算出する。この算出は、使用燃料が軽質燃料であることを前提として行われる。このため、重質燃料が使用されている場合は、混合気の実空燃比が、算出により求められる第1排気空燃比A/F1に比して薄くなる。
【0054】
本実施形態のシステムは、第2排気空燃比A/F2、すなわち、2次空気を含むと想定される排気ガスの空燃比を、実測により取得する。この実測値は、内燃機関10に供給される混合気の実空燃比が薄くなるほどリーンに偏った値となる。このため、使用燃料が重質燃料であり、混合気の実空燃比が十分に薄い場合は、2次空気が供給されていなくても、第2排気空燃比A/F2はある程度リーンな値となる。つまり、使用燃料が重質燃料である場合は、2次空気が適正に供給されていないにも関わらず、第2排気空燃比A/F2が、第1排気空燃比A/F1に比して、十分にリーンな値になることがある。本実施形態のシステムにおいて、このような事態が生ずると、2次空気を供給するための機構に生じている故障が見落とされ、誤った正常判定がなされる。
【0055】
そこで、ECU50は、上記ステップ114において、使用中の燃料が軽質燃料でないと判別された場合は、以後速やかに今回の処理サイクルを終了して、AI-OBDの実行を禁止することとしている。このため、本実施形態のシステムによれば、重質燃料が使用されることに起因して、誤った正常判定がなされるのを防止することができる。
【0056】
上記ステップ114において、使用中の燃料が軽質燃料であると判別された場合は、次に、燃料の増量割合fwlが取り込まれる(ステップ116)。
燃料の増量割合fwlは、理論空燃比を実現するための基本燃料噴射量に対する増量割合である。従って、増量割合fwlが0である場合は、基本燃料噴射量がそのまま燃料噴射量となり、その場合、理論的には混合気の空燃比が理論空燃比となる。また、増量割合fwlが増えると、その値に比例して混合気の空燃比はリッチ化する。本実施形態において、燃料の増量割合fwlは、燃料噴射量の演算規則に従って、他のルーチンにより演算される。本ステップ116が実行される内燃機関10の冷間始動時には、始動性を高めるための燃料増量補正が実行されている。このため、本ステップ116では、その燃料増量補正の実行に伴って演算された増量割合fwlが取り込まれる。
【0057】
図4に示すルーチンでは、次に、燃料の増量割合fwlに基づいて、第1排気空燃比A/F1が求められる(ステップ118)。
上記の如く、燃料の増量割合fwlと、混合気の空燃比とは比例関係にある。つまり、燃料の増量割合fwlは、第1排気空燃比A/F1と比例関係にある。図5は、使用燃料が所定の軽質燃料であるとの前提の下に、それら両者の関係を実験的に定めたマップである。ECU50は、図5に示すマップを記憶しており、このマップを参照することで、増量割合fwlに対応する第1排気空燃比A/F1を求める。
【0058】
次に、上記ステップ110で取り込まれた第2排気空燃比A/F2から、上記ステップ118で求められた第1排気空燃比A/F1を減ずることにより、空燃比差ΔA/Fが算出される(ステップ120)。
【0059】
次いで、吸入空気量Gaに基づいて、正常判定値ΔkA/F1および異常判定値ΔkA/Fが求められる(ステップ122)。
図6は、ECU50に記憶されている正異常判定値のマップを示す。このマップには、装置の正常判定を行うための正常判定値ΔkA/F1と、装置の異常判定を行うための異常判定値ΔkA/F2とが、何れも吸入空気量Gaとの関係で定められている。本ステップ122において、ECU50は、図6に示すマップを参照して、吸入空気量Gaに対応する正常判定値ΔkA/F1および異常判定値ΔkA/F2を求める。
【0060】
本実施形態のシステムでは、2次空気が排気系に正常に供給されている場合は、第2排気空燃比A/F2と第1排気空燃比A/F1との間に有意な空燃比差ΔA/Fが生ずる。図6に示す正常判定値ΔkA/F1は、有意と判断できる空燃比差ΔA/Fの下限値の集合である。正常時の空燃比差ΔA/Fは、既述した通り吸入空気量Gaが多量であるほど小さい値となるため、正常判定値ΔkA/F1は、Gaの増加に伴って小さな値となるように定められている。従って、上記ステップ122の処理によれば、Gaが大きいほど、正常判定値ΔkA/F1を小さな値に設定することができる。空燃比差ΔA/Fを、このようにして設定された正常判定値ΔkA/F1と比較することによれば、吸入空気量Gaに大小に関わらず、装置が正常と判断できるか否かを、正確に判定することができる。
【0061】
本実施形態のシステムでは、2次空気が排気系に供給されていない場合は、第2排気空燃比A/F2と第1排気空燃比A/F1との間に有意な空燃比差ΔA/Fが生じない。図6に示す異常判定値ΔkA/F2は、有意でないと判断すべき空燃比差ΔA/Fの上限値の集合である。正常時の空燃比差ΔA/Fは、既述した通り吸入空気量Gaが少ないほど大きな値となるため、Gaが少ない領域では、ある程度大きな値まで、空燃比差ΔA/Fは異常値として扱うべきである。このため、異常判定値ΔkA/F2は、Gaが少なくなるに連れてその値が大きくなるように定められている。従って、上記ステップ122の処理によれば、Gaが少ないほど、異常判定値ΔkA/F2を大きな値に設定することができる。空燃比差ΔA/Fを、このようにして設定された異常判定値ΔkA/F2と比較することによれば、吸入空気量Gaに大小に関わらず、装置が異常と判断できるか否かを、正確に判定することができる。
【0062】
尚、図6において、正常判定値ΔkA/F1の曲線と、異常判定値ΔkA/F2の曲線との間に挟まれた領域は、装置が正常であるとも異常であるとも特定すべきでない保留領域である。また、図6中に、符号Bを付して示す吸入空気量は、上記ステップ112で用いられた判定値、すなわち、装置の異常判定が実行される吸入空気量Gaの上限値である。
【0063】
上記ステップ122の処理により、正常判定値ΔkA/F1および異常判定値ΔkA/F2が求められたら、次に、空燃比差ΔA/Fが、正常判定値ΔkA/F1より大きいか否かが判別される(ステップ124)。
【0064】
その結果、ΔA/F>ΔkA/F1が成立すると判別された場合は、2次空気が排気系に適正に供給されていると判断することができる。この場合、先ず、2次空気の供給システムが正常であるとの判定がなされる(ステップ126)。
次いで、AI-OBDが完了した旨を表すべくフラグ処理が実行されて(ステップ128)、今回の処理サイクルが終了される。
【0065】
図4に示すルーチン中、上記ステップ124において、ΔA/F>ΔkA/F1が成立しないと判別された場合は、次に、空燃比差ΔA/Fが、異常判定値ΔkA/F2より小さいか否かが判別される(ステップ130)。
【0066】
その結果、ΔA/F<ΔkA/F2が成立すると判別された場合は、2次空気が排気系に適正に供給されていないと判断することができる。この場合、先ず、2次空気の供給システムが異常であるとの判定がなされ(ステップ132)、次いで、上記ステップ128の処理が実行された後、今回の処理サイクルが終了される。
【0067】
一方、上記ステップ130において、ΔA/F<ΔkA/F2が成立しないと判別された場合は、空燃比差ΔA/Fが、図6に示す保留領域に属していると判断できる。この場合、装置の状態の判定が保留され(ステップ134)、上記ステップ128の処理が実行されることなく今回の処理サイクルが終了される。
【0068】
以上説明した通り、図4に示すルーチンによれば、空燃比差ΔA/Fが有意であると判断するための正常判定値ΔkA/F1、およびそのΔA/Fが有意でないと判断するための異常判定値ΔkA/F2を、吸入空気量Gaに基づいて設定することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、吸入空気量Gaの大小に関わらず、AI処理の実行中に2次空気が適正に供給されているか否か、すなわち、2次空気の供給システムが正常であるか否かを、正確に判定することができる。
【0069】
ところで、上述した実施の形態1においては、バルブユニット34に内蔵されるエアスイッチング弁42がダイアフラム式の弁機構に限定されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、エアスイッチング弁42は、外部から供給される駆動信号に応じて開閉する電磁式の弁機構、或いは、エアポンプ36の吐出圧に応じて自動的に開閉する圧力感応式の自動弁機構であってもよい。
【0070】
また、上述した実施の形態1においては、2次空気が存在しない場合の排気空燃比、すなわち、第1排気空燃比A/F1を、吸入空気量Gaと燃料噴射量とに基づいて算出することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、第1排気空燃比A/F1は、2次空気の供給が停止された状態で、空燃比センサ26の出力に基づいて実測することとしてもよい。
【0071】
また、上述した実施の形態1においては、第2排気空燃比A/F2と第1排気空燃比A/F1との差(空燃比差ΔA/F)に基づいて、故障の有無を判断することとしているが、故障の有無を判断するための基礎データは空燃比差ΔA/Fに限定されるものではない。すなわち、その基礎データは、第2排気空燃比A/F2と第1排気空燃比A/F1の相違量を表すものであれば足り、例えば、それら2つの空燃比の比に基づいて、故障の有無を判断することとしてもよい。
【0072】
また、上述した実施の形態1においては、燃料性状が軽質である場合にのみ故障の有無の判断を許可することとしているが、その判断を許可すべき状況は、燃料性状が軽質である場合に限定されるものではない。すなわち、本実施形態において、燃料が軽質燃料である場合に故障の判断を許可しているのは、第1排気判定値A/F1を求める際に用いるマップ(図5)が、軽質燃料を前提として作成されているからである。従って、そのマップが重質燃料を前提として作成されている場合は、燃料性状が重質である場合にのみ故障の判断を許可することとしてもよい。
【0073】
尚、上述した実施の形態1においては、バルブユニット34が前記第1または第3の発明における「2次空気供給制御手段」に、空燃比センサ26が前記第1または第3の発明における「排気空燃比検出手段」に、空燃比差ΔA/Fが前記第1または第3の発明における「特性値」に、それぞれ相当していると共に、ECU50が、上記ステップ118の処理を実行することにより前記第1または第3の発明における「第1排気空燃比取得手段」が、上記ステップ110の処理を実行することにより前記第1または第3の発明における「第2排気空燃比実測手段」および「吸入空気量検出手段」が、上記ステップ120の処理を実行することにより前記第1または第3の発明における「空燃比相違量算出手段」が、上記ステップ124および130の処理を実行することにより前記第1または第3の発明における「故障判断手段」が、上記ステップ122の処理を実行することにより前記第1または第3の発明における「判定値設定手段」が、それぞれ実現されている。
【0074】
また、上述した実施の形態1においては、判定値Bが前記第3の発明における「実行限界空気量」に相当していると共に、ECU50が、上記ステップ112の処理を実行することにより、前記第3の発明における「第1の故障判断禁止手段」が実現されている。
【0075】
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、使用中の燃料の性状を判断することにより前記第6の発明における「燃料性状判断手段」が、上記ステップ114の処理を実行することにより前記第6の発明における「第2の故障判断禁止手段」が、それぞれ実現されている。
【0076】
実施の形態2.
次に、図7乃至図9を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示す構成において、ECU50に、上記図4に示すルーチンに代えて、図7に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
【0077】
本実施形態のシステムは、実施の形態1の場合と同様に、第2排気空燃比A/F2と第1排気空燃比A/F1との間に有意な空燃比差ΔA/Fが生じているか否かに基づいて、故障の有無を判断する。
ここで、本実施形態のシステムにおいて、エアポンプ36は、常に一定の能力で2次空気を吐出する。このため、排気系に供給される2次空気の質量流量は、大気圧Paが低いほど少量となる。一方、冷間始動時における吸入空気量は、ISC(Idle Speed Control valve)などの機能により、機関回転数NEが所定のアイドル回転数となるように制御される。このため、吸入空気量Ga(質量流量)は、大気圧Paの高低に関わらず、ほぼ一定量となる。その結果、吸入空気量Gaに対する2次空気の割合は、大気圧Paが低くなるほど小さくなる。
【0078】
2次空気が適正に供給されている場合、第2排気空燃比A/F2の値は、吸入空気量Gaに対する2次空気の割合が小さくなるほど、第1排気空燃比A/F1の値に近づく。このため、AI-OBDの実行に伴って算出される正常な空燃比差ΔA/Fは、大気圧Paが低くなるにつれて小さな値となる。このように、本実施形態のシステムでは、故障の有無を判断するための物理量である空燃比差ΔA/Fが、大気圧Paに応じた変化を示す。このため、システムの故障の有無を精度良く判断するためには、空燃比差ΔA/Fとの比較に用いられる判定値が、大気圧Paに応じて適宜設定されることが望ましい。
【0079】
図7は、上記の要求を満たしつつ、AI処理の実行中に、AI-OBDを行うためにECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートを示す。尚、図7において、上記図4に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
【0080】
すなわち、図7に示すルーチンでは、ステップ110の処理に次いで、高度センサ54の出力に基づいて大気圧Paが取り込まれると共に、その値Paに基づいて高度補正係数kPaが求められる(ステップ140)。
図8は、本実施形態において、ECU50が記憶しているkPaマップの一例である。このマップにおいて、高度補正係数kPaは、車両が平地に位置する際に上限値1.0となり、車両の高度が上がるに連れて、つまり、大気圧Paが低下するに連れて、その値が小さくなるように設定されている。
【0081】
図7に示すルーチンでは、次に、吸入空気量Gaが、判定値B*kPaより少ないか否かが判別される(ステップ142)。
その結果、Ga<B*kPaが成立しないと判別された場合は、空燃比差ΔA/Fに基づいて、故障の有無を正確に判断することが難しいと判断され、以後、速やかに今回の処理サイクルが終了される。
【0082】
上記ステップ142の処理は、Gaとの比較で用いられる判定値に、高度補正係数kPaが乗算されている点を除き、実施の形態1におけるステップ112の処理と同様である。このステップ142の処理によれば、判定値B*kPaを超える多量の吸入空気量Gaが生じている場合に、AI-OBDが実行されるのを防止することができると共に、その判定値B*kPaの値を、大気圧Paが低いほど小さな値とすることができる。
【0083】
実施の形態1において説明した通り、2次空気の存在が排気空燃比A/Fに与える影響は、吸入空気量Gaが多量になるほど小さくなる。このため、吸入空気量Gaが多量に存在する状況下では、空燃比差ΔA/Fに基づいて故障の有無を正確に判断することができない。上記ステップ142の処理によれば、そのような状況下で故障の有無が誤判断されるのを有効に防止することができる。
【0084】
また、2次空気の存在が排気空燃比A/Fに与える影響は、大気圧Paが低く、2次空気の質量密度が低くなるほど小さくなる。このため、空燃比差ΔA/Fに基づいて故障の有無を正確に判断することのできる吸入空気量Gaの上限値は、大気圧Paが低いほど小さな値となる。上記ステップ142の処理によれば、その上限値(B*kPa)に大気圧Paの影響を適正に反映させることができる。このため、本実施形態のシステムによれば、大気圧Paに高低に関わらず、常に、故障の有無を正確に判断できる状況下でのみ、AI-OBDの実行を許可することができる。
【0085】
図7に示すルーチンでは、ステップ122の処理により、正常判定値ΔkA/F1および異常判定値ΔkA/F2が求められた後に、空燃比差ΔA/Fが以下の関係を満たすか否かが判別される(ステップ144)。
ΔA/F>ΔkA/F1*kPa
【0086】
その結果、上記の関係が成立すると判別された場合は、2次空気が排気系に適正に供給されていると判断され、ステップ126において、2次空気の供給システムが正常であるとの判定がなされる。
【0087】
また、図7に示すルーチンでは、上記ステップ144の条件が成立しないと判別された場合、次に、空燃比差ΔA/Fが以下の関係を満たすか否かが判別される(ステップ146)。
ΔA/F<ΔkA/F2*kPa
【0088】
その結果、上記の関係が成立すると判別された場合は、2次空気が排気系に供給されていないと判断され、ステップ132において、2次空気の供給システムが異常であるとの判定がなされる。一方、上記の関係が成立しないと判別された場合は、ステップ134において、故障の有無の判断が保留される。
【0089】
上記ステップ144および146の処理は、空燃比差ΔA/Fとの比較で用いられる正常判定値ΔkA/F1、或いは異常判定値ΔkA/F2に、それぞれ高度補正係数kPaが乗算されている点を除き、実施の形態1におけるステップ124および130の処理と同様である。
【0090】
図9は、上述した相違の効果、すなわち、正常判定値ΔkA/F1や異常判定値ΔkA/F2に高度補正係数kPaを乗算することによる効果を説明するための図である。この図に示すように、上記ステップ144および146の処理によれば、車両の高度が上がり、大気圧が低くなるに連れて、正常判定値および異常判定値を、それぞれ小さな値にシフトさせることができる。尚、図6中に2本の破線で示す2つの吸入空気量は、上記ステップ142で用いられるB、およびB*kPaを表している。
【0091】
正常時における空燃比差ΔA/Fは、上記の如く、大気圧Paが低くなるに連れて小さな値となる。このため、車両が高地に位置する場合は、車両が平地に位置する場合に比して、正常と判断すべき空燃比差ΔA/Fの下限、および異常と判断すべき空燃比差ΔA/Fの上限を、それぞれ下げることが好ましい。上記ステップ144および146の処理によれば、それらの要求に適切に応えることができる。このため、本実施形態のシステムによれば、実施の形態1の場合に比して、更に精度良く装置内の故障の有無を判断することができる。
【0092】
ところで、上述した実施の形態2においては、AI-OBDの実行を許容する吸入空気量Gaの上限値を大気圧Paに基づいて変化させる処理(ステップ142の処理)と、正常判定値ΔkA/F1および異常判定値ΔkA/F2に大気圧Paに基づく補正を施す処理(ステップ144,146の処理)とを組み合わせて用いることとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、それら2つの処理は、互いに他の処理から切り離して、単独で実行することとしてもよい。
【0093】
また、上述した実施の形態2においては、大気圧Paを、高度センサ54により検出することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、大気圧Paは、エアフロメータ19やスロットルセンサ17の出力に基づいて、公知の手法で推定することとしてもよい。
【0094】
尚、上述した実施の形態2においては、バルブユニット34が前記第2または第4の発明における「2次空気供給制御手段」に、空燃比センサ26が前記第2または第4の発明における「排気空燃比検出手段」に、空燃比差ΔA/Fが前記第2または第4の発明における「特性値」に、それぞれ相当していると共に、ECU50が、上記ステップ118の処理を実行することにより前記第2または第4の発明における「第1排気空燃比取得手段」が、上記ステップ110の処理を実行することにより前記第2または第4の発明における「第2排気空燃比実測手段」が、上記ステップ120の処理を実行することにより前記第2または第4の発明における「空燃比相違量算出手段」が、上記ステップ140の処理を実行することにより前記第2または第4の発明における「大気圧検出手段」が、上記ステップ122,144および146の処理を実行することにより前記第2または第4の発明における「故障判断手段」および「判定値設定手段」が、それぞれ実現されている。
【0095】
また、上述した実施の形態2においては、ECU50が、上記ステップ140の処理を実行することにより前記第5の発明における「大気圧検出手段」が、上記ステップ142の処理を実行することにより前記第5の発明における「実行限界空気量設定手段」が、それぞれ実現されている。
【0096】
実施の形態3.
次に、図10乃至図12を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態のシステムは、実施の形態1または2のシステムにおいて、ECU50に、図10乃至図12に示す何れかのルーチンを実行させることにより実現することができる。但し、実施の形態1または2では、既述した通り、エアスイッチング弁42が、電磁式の弁機構や圧力感応式の自動弁機構であってもよいが、本実施形態では、エアスイッチング弁42がダイアフラム式の弁機構で構成されているものとする。
【0097】
[第1の制御例]
ダイアフラム式のエアスイッチング弁42は、内燃機関10の吸気負圧と大気圧との差圧を利用して開弁動作を行う。車両が高地を走行している場合は、大気圧が低いことから、上記の差圧が確保し難い。更に、高地走行中は、所望の回転数NEを得るためにスロットル開度TA(或いはISC開度)が平地走行時に比して大きくなる。その結果、吸気負圧が小さくなり、上記の差圧の確保が一層困難となる。このため、高地走行中は、AI処理の開始に伴ってVSV46が開かれても、エアスイッチング弁42が適正に開かないことがある。
【0098】
本実施形態のシステムにおいて、エアスイッチング弁42が閉じたままの状態でAI-OBDが実行されると、有意な空燃比差ΔA/Fが生じないことから、装置の異常が判定される。このため、高地走行中にAI-OBDが実行されると、差圧不足が原因でエアスイッチング弁42が閉じているに過ぎない状況下で、誤った異常判定が成される事態が生じ得る。このような誤判定は、高地走行中におけるAI-OBDの実行を禁止することで回避することができる。
【0099】
図10は、本実施形態において、ECU50が、上記観点より実行する制御ルーチンのフローチャートである。
図10に示すルーチンでは、先ず、AI処理の実行条件が成立しているか否かが判別される(ステップ150)。
本ステップ150では、具体的には、図4に示すステップ100の場合と同様に、内燃機関10の冷間始動時か、内燃機関10が低負荷運転中か、或いは、バッテリの状態は正常か、などの条件が判断される。
【0100】
上記ステップ150において、AI処理の実行条件が成立していないと判別された場合は、そのまま今回の処理サイクルが終了される。
一方、AI処理の実行条件が成立していると判別された場合は、次に、高度センサ54の出力に基づいて大気圧Paが検出されると共に、その大気圧Paに対応した高度補正係数kPaが取り込まれる(ステップ152)。
本ステップ152では、具体的には、図7に示すステップ140の場合と同様に、ECU50に記憶されているkPaマップ(図8参照)に基づいて、高度補正係数kPaが取り込まれる。
【0101】
図10に示すルーチンでは、次に、高度補正係数kPaが、所定の判定値Cより小さいか否かが判別される(ステップ154)。
【0102】
その結果、kPa<Cが成立すると判別された場合は、大気圧が十分に低く、エアスイッチング弁42が開かない可能性があると判断することができる。この場合、AI-OBDの実行が禁止された後(ステップ156)、今回の処理が終了される。
【0103】
一方、上記ステップ154において、kPa<Cが成立しないと判別された場合は、大気圧がさほど低くないため、差圧不足によるエアスイッチング弁42の不作動は生じないと判断することができる。この場合、以後、装置の正常異常を判断すべく、通常の手法でAI-OBDが実行される(ステップ158)。
【0104】
以上説明した通り、図10に示すルーチンによれば、車両が高地を走行しており、差圧不足によるエアスイッチング弁42の不作動が生じ得る状況下では、AI-OBDの実行を禁止することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、高地走行時に、誤った故障判断が成されるのを有効に防止することができる。
【0105】
上記図10に示すルーチンは、差圧不足によるエアスイッチング弁42の不作動が発生し得る状況下では、常にAI-OBDの実行を禁止するものであるが、このルーチンは、高地走行時にAI処理の実行を禁止するものではない。すなわち、本実施形態のシステムは、図10に示すルーチンによりAI-OBDの実行が禁止される場合(kPa<Cが成立する場合)でも、AI処理自体は実行する。
【0106】
kPa<Cなる条件は、エアスイッチング弁42を開弁させるに足る差圧が確保できない状態が生じているか否かを判断するための条件である。しかしながら、エアスイッチング弁42には個体差があり、また、吸気負圧は変動するものであるから、その条件が成立する状況下でも、エアスイッチング弁42が正常に開弁することもある。
【0107】
本実施形態のシステムは、AI処理自体の実行は禁止しないため、エアスイッチング弁42が開けば、故障の有無は判断されないが、排気系への2次空気の供給は行われる。このため、本実施形態のシステムによれば、装置の異常が不当に判断されるのを防止しつつ、エアスイッチング弁42の開弁が可能な全領域で、2次空気の供給に伴うエミッション特性の改善効果、および触媒暖機の促進効果を得ることができる。
【0108】
ところで、上述した図10に示すルーチンでは、大気圧Paを一旦高度補正係数kPaに変換した後、その高度補正係数kPaに基づいてAI-OBDの実行可否を判断することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、AI-OBDの実行可否は、大気圧Paから直接的に判断することとしてもよい。
【0109】
[第2の制御例]
上記図10に示すルーチンでは、差圧不足によりエアスイッチング弁42が開弁しなかった場合に、誤って装置の異常が判断されるのを防ぐべく、kPa<Cが成立する状況下でのAI-OBDの実行が禁止されている。しかしながら、既述した通り、kPa<Cが成立する状況下でも、エアスイッチング弁42は適正に開弁することがある。また、エアスイッチング弁42が開けば、kPa<Cが成立すると否とに関わらず、空燃比差ΔA/Fには有意な差が生ずる。
【0110】
そして、空燃比差ΔA/Fに有意な差が生じていれば、kPa<Cの成立に関係なく、排気系に2次空気が適正に供給されていること、つまり、2次空気の供給機構が正常であることを認定することができる。このように、本実施形態のシステムでは、車両が高地を走行している場合、装置の異常を誤判断する可能性はあるが、装置が正常であることを誤って判断することはない。従って、AI-OBDの実行頻度を確保する意味で、高地走行時にも、装置の正常判定は許容することが望ましい。
【0111】
図11は、本実施形態において、ECU50が、上記観点より実行する制御ルーチンのフローチャートである。尚、図11において、上記図10に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
【0112】
すなわち、図11に示すルーチンでは、ステップ154の処理によりkPa<Cが成立すると判別された場合に、その後、AI-OBDの処理自体は実行が許容され、その処理に伴う異常判定のみが禁止される。そして、空燃比差ΔA/Fが、正常判定値(ΔkA/F1、或いはΔkA/F1*kPa)より大きいと判断された場合は、装置の正常判定が行われる(ステップ160)。
【0113】
図11に示すルーチンによれば、車両が高地を走行している場合にも、エアスイッチング弁42が適正に開弁し、かつ、2次空気が適正に排気系に供給される限り、AI-OBDの結果を取得することができる。このため、ECU50に、図10に示すルーチンに代えて、図11に示すルーチンを実行させることによれば、より高い頻度でAI-OBDの結果を取得することが可能である。
【0114】
[第3の制御例]
ECU50が上記図10または図11に示すルーチンを実行する場合、エアポンプ36は、差圧不足によりエアスイッチング弁42が閉じている状況下で動作することがある。この場合、エアポンプ36が、最大負荷の掛かった状態で動作し続けることになる。このようなエアポンプ36に対する過剰な負荷の印加を避けるためには、エアスイッチング弁42の不作動時には、エアポンプ36の動作を停止させることが望ましい。
【0115】
図12は、本実施形態において、ECU50が、上記観点より実行する制御ルーチンのフローチャートである。尚、図12において、上記図10に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
【0116】
すなわち、図12に示すルーチンでは、ステップ154の処理によりkPa<Cが成立すると判別された場合に、その後、AI-OBDの実行が禁止されると共に、エアポンプ36の作動も禁止される(ステップ162)。
【0117】
図12に示すルーチンによれば、エアスイッチング弁42が差圧不足により開弁できない状況下で、エアポンプ36に対して、高い負荷を伴う不当な動作が強要されることがない。このため、ECU50に、図10または図11に示すルーチンに代えて、図12に示すルーチンを実行させることによれば、エアポンプ36の負荷を減らすことができ、消費電力の軽減、エアポンプ36の信頼性向上などの効果を得ることができる。
【0118】
尚、上述した実施の形態3においては、エアスイッチング弁42が前記第7または第8の発明における「開閉弁」に相当していると共に、ECU50が、上記ステップ152の処理を実行することにより前記第7または第8の発明における「大気圧検出手段」が、上記ステップ160の処理を実行することにより前記第7の発明における「第3の故障判断禁止手段」が、上記ステップ162の処理を実行することにより前記第8の発明における「第4の故障判断禁止手段」および「ポンプ作動禁止手段」が、それぞれ実現されている。
【0119】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
第1の発明によれば、2次空気の供給が停止された状態での排気空燃比(第1排気空燃比)と、2次空気が供給されている状態での排気空燃比(第2排気空燃比)との相違量の特性値を判定値と比較することで、装置内の故障の有無を判断することができる。そして、本発明によれば、吸入空気量に応じてその判定値を設定することにより、内燃機関の運転状態に関わらず、正確な故障診断を行うことができる。
【0120】
第2の発明によれば、2次空気の供給が停止された状態での排気空燃比(第1排気空燃比)と、2次空気が供給されている状態での排気空燃比(第2排気空燃比)との相違量の特性値を判定値と比較することで、装置内の故障の有無を判断することができる。そして、本発明によれば、大気圧に応じてその判定値を設定することにより、内燃機関を取り巻く環境の変化に関わらず、正確な故障診断を行うことができる。
【0121】
第3の発明によれば、2次空気の供給が停止された状態での排気空燃比(第1排気空燃比)と、2次空気が供給されている状態での排気空燃比(第2排気空燃比)との相違量の特性値を判定値と比較することで、装置内の故障の有無を判断することができる。そして、本発明によれば、吸入空気量に応じてその判定値を設定することにより、内燃機関の運転状態に関わらず、正確な故障診断を行うことができる。また、本発明によれば、吸入空気量が実行限界空気量以上である場合は、故障の判断を禁止することができる。このため、本発明によれば、第1排気空燃比と、第2排気空燃比との間に有意な相違が生じないような環境下で、誤った故障判断が行われるのを有効に防止することができる。
第4の発明によれば、2次空気の供給が停止された状態での排気空燃比(第1排気空燃比)と、2次空気が供給されている状態での排気空燃比(第2排気空燃比)との相違量の特性値を判定値と比較することで、装置内の故障の有無を判断することができる。そして、本発明によれば、大気圧に応じてその判定値を設定することにより、内燃機関を取り巻く環境の変化に関わらず、正確な故障診断を行うことができる。また、本発明によれば、吸入空気量が実行限界空気量以上である場合は、故障の判断を禁止することができる。このため、本発明によれば、第1排気空燃比と、第2排気空燃比との間に有意な相違が生じないような環境下で、誤った故障判断が行われるのを有効に防止することができる。
【0122】
第5の発明によれば、大気圧が高く、第1排気空燃比と第2排気空燃比との間に有意な相違が生じ難い状況下では、実行限界空気量を少量として、誤った故障判断が実行されるのを有効に防止することができる。
【0123】
第6の発明によれば、重質燃料が用いられており、多量のポートウェット量が生じ易い場合、つまり、現実の排気空燃比が理論上の排気空燃比から大きく外れ易い状況下では、装置の故障判断を禁止することができる。このため、本発明によれば、燃料の性状に起因する故障の誤判断を有効に防止することができる。
【0124】
第7の発明によれば、2次空気の供給および遮断を、ダイアフラム式の開閉弁で制御することができる。この開閉弁は、吸気負圧と大気圧との差が小さくなる低気圧環境下では、適正に開かないことがある。開閉弁が開かない場合は、第1排気空燃比と、第2排気空燃比との間に有意な相違が生じないため、装置の故障が誤判断される。本発明によれば、このような誤判定を有効に防止することができる。
【0125】
第8の発明によれば、2次空気の供給および遮断を、ダイアフラム式の開閉弁で制御することができる。この開閉弁は、吸気負圧と大気圧との差が小さくなる低気圧環境下では、適正に開かないことがある。開閉弁が開かない場合は、第1排気空燃比と、第2排気空燃比との間に有意な相違が生じないため、装置の故障が誤判断されることがある。更に、このような状況下でエアポンプの動作が継続されると、ポンプに過負荷が生ずる。本発明によれば、上記の誤判定を有効に防止すると共に、ポンプに過負荷が加わるのを有効に防止することができる。
【0126】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1のシステムの構成を説明するための図である。
【図2】 実施の形態1のシステムの動作を説明するためのタイミングチャート(その1)である。
【図3】 実施の形態1のシステムの動作を説明するためのタイミングチャート(その2)である。
【図4】 実施の形態1において実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図5】 図4に示すルーチンの実行に伴って参照される第1排気空燃比のマップである。
【図6】 図4に示すルーチンの実行に伴って参照される正常判定値および異常判定値のマップである。
【図7】 本発明の実施の形態2において実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図8】 図7に示すルーチンの実行に伴って参照される高度補正係数のマップである。
【図9】 図7に示すルーチンの実行に伴って参照される正常判定値および異常判定値のマップである。
【図10】 本発明の実施の形態3において実行される制御ルーチンの第1の例のフローチャートである。
【図11】 本発明の実施の形態3において実行される制御ルーチンの第2の例のフローチャートである。
【図12】 本発明の実施の形態3において実行される制御ルーチンの第3の例のフローチャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関
20 排気マニホールド
22 排気通路
24 触媒
32 空気配管
34 バルブユニット
36 エアポンプ
42 エアスイッチング弁
50 ECU(Electronic Control Unit)
54 高度センサ
A/F1 第1排気空燃比
A/F2 第2排気空燃比
ΔA/F 空燃比差
ΔkA/F1 正常判定値
ΔkA/F2 異常判定値
kPa 高度補正係数
Claims (8)
- 内燃機関の排気系に2次空気を供給するための2次空気供給装置であって、
前記2次空気を送風するためのエアポンプと、
前記エアポンプにより送風される空気を内燃機関の排気系に導くための空気配管と、
前記2次空気の供給、およびその供給の停止を制御する2次空気供給制御手段と、
前記空気配管との接続部より下流において、排気空燃比を検出する排気空燃比検出手段と、
前記2次空気の供給時に、前記2次空気が供給されていない場合の排気空燃比を第1排気空燃比として取得する第1排気空燃比取得手段と、
前記2次空気が供給されている状態での排気空燃比を第2排気空燃比として実測する第2排気空燃比実測手段と、
前記第2排気空燃比と前記第1排気空燃比との相違量の特性値を算出する空燃比相違量算出手段と、
前記特性値と判定値との比較に基づいて、当該2次空気供給装置の故障の有無を判断する故障判断手段と、
内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
前記吸入空気量に応じて前記判定値を設定する判定値設定手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の2次空気供給装置。 - 内燃機関の排気系に2次空気を供給するための2次空気供給装置であって、
前記2次空気を送風するためのエアポンプと、
前記エアポンプにより送風される空気を内燃機関の排気系に導くための空気配管と、
前記2次空気の供給、およびその供給の停止を制御する2次空気供給制御手段と、
前記空気配管との接続部より下流において、排気空燃比を検出する排気空燃比検出手段と、
前記2次空気の供給時に、前記2次空気が供給されていない場合の排気空燃比を第1排気空燃比として取得する第1排気空燃比取得手段と、
前記2次空気が供給されている状態での排気空燃比を第2排気空燃比として実測する第2排気空燃比実測手段と、
前記第2排気空燃比と前記第1排気空燃比との相違量の特性値を算出する空燃比相違量算出手段と、
前記特性値と判定値との比較に基づいて、当該2次空気供給装置の故障の有無を判断する故障判断手段と、
大気圧を検出する大気圧検出手段と、
大気圧に応じて前記判定値を設定する判定値設定手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の2次空気供給装置。 - 内燃機関の排気系に2次空気を供給するための2次空気供給装置であって、
前記2次空気を送風するためのエアポンプと、
前記エアポンプにより送風される空気を内燃機関の排気系に導くための空気配管と、
前記2次空気の供給、およびその供給の停止を制御する2次空気供給制御手段と、
前記空気配管との接続部より下流において、排気空燃比を検出する排気空燃比検出手段と、
前記2次空気が供給されていない場合の排気空燃比を第1排気空燃比として取得する第1排気空燃比取得手段と、
前記2次空気が供給されている状態での排気空燃比を第2排気空燃比として実測する第2排気空燃比実測手段と、
前記第2排気空燃比と前記第1排気空燃比との相違量の特性値を算出する空燃比相違量算出手段と、
前記特性値と判定値との比較に基づいて、当該2次空気供給装置の故障の有無を判断する故障判断手段と、
内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
前記吸入空気量に応じて前記判定値を設定する判定値設定手段と、
前記吸入空気量が実行限界空気量以上である場合に、前記故障判断手段による判断の実行を禁止する第1の故障判断禁止手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の2次空気供給装置。 - 内燃機関の排気系に2次空気を供給するための2次空気供給装置であって、
前記2次空気を送風するためのエアポンプと、
前記エアポンプにより送風される空気を内燃機関の排気系に導くための空気配管と、
前記2次空気の供給、およびその供給の停止を制御する2次空気供給制御手段と、
前記空気配管との接続部より下流において、排気空燃比を検出する排気空燃比検出手段と、
前記2次空気が供給されていない場合の排気空燃比を第1排気空燃比として取得する第1排気空燃比取得手段と、
前記2次空気が供給されている状態での排気空燃比を第2排気空燃比として実測する第2排気空燃比実測手段と、
前記第2排気空燃比と前記第1排気空燃比との相違量の特性値を算出する空燃比相違量算出手段と、
前記特性値と判定値との比較に基づいて、当該2次空気供給装置の故障の有無を判断する故障判断手段と、
大気圧を検出する大気圧検出手段と、
大気圧に応じて前記判定値を設定する判定値設定手段と、
内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
前記吸入空気量が実行限界空気量以上である場合に、前記故障判断手段による判断の実行を禁止する第1の故障判断禁止手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の2次空気供給装置。 - 大気圧を検出する大気圧検出手段と、
大気圧が低いほど前記実行限界空気量を少量に設定する実行限界空気量設定手段と、
を備えることを特徴とする請求項3または4記載の内燃機関の2次空気供給装置。 - 内燃機関に供給される燃料の性状を判断する燃料性状判断手段と、
前記燃料が重質燃料である場合に、前記故障判断手段による判断の実行を禁止する第2の故障判断禁止手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の2次空気供給装置。 - 前記2次空気供給制御手段は、前記空気配管内に配置され、内燃機関の吸気負圧と大気圧との差圧を利用して開弁状態となるダイアフラム式の開閉弁を備えると共に、
当該2次空気供給装置は、
大気圧を検出する大気圧検出手段と、
大気圧が、前記開閉弁の動作が保証された下限の大気圧より低い場合に、前記故障判断手段が故障の不存在を判断するのを許容し、かつ、前記故障判断手段が故障の発生を判断するのを禁止する第3の故障判断禁止手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の内燃機関の2次空気供給装置。 - 前記2次空気供給制御手段は、前記空気配管内に配置され、内燃機関の吸気負圧と大気圧との差圧を利用して開弁状態となるダイアフラム式の開閉弁を備えると共に、
当該2次空気供給装置は、
大気圧を検出する大気圧検出手段と、
大気圧が、前記開閉弁の動作が保証された下限の大気圧より低い場合に、前記故障判断手段による判断の実行を禁止する第4の故障判断禁止手段と、
大気圧が、前記開閉弁の動作が保証された下限の大気圧より低い場合に、前記エアポンプの動作を停止させるポンプ作動禁止手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の内燃機関の2次空気供給装置。
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