JP4893934B2 - 光導波路フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、屈曲抵抗性、耐傷付き性、伝送特性等に優れた光導波路フィルム製造方法に関する。
マルチメディア時代を迎え、光通信システムやコンピュータにおける情報処理の大容量化及び高速化の要求から、光の伝送媒体として光導波路が注目されている。従来の光導波路の代表例である石英系光導波路は、一般に、以下の工程(1)〜(3)により製造されている。
(1)シリコン基板上に、火炎堆積法(FHD)やCVD法等の手法によって、ガラス膜からなる下部クラッド層を形成する。
(2)下部クラッド層上に、これよりも屈折率の高い無機質の薄膜を形成し、この薄膜を反応性イオンエッチング法(RIE)によりパターニングすることによってコア部分を形成する。
(3)更に、火炎堆積法によって上部クラッド層を形成する。
しかしながら、このような石英系光導波路の製造方法は、特殊な製造装置が必要であるとともに、製造時間が長くかかる等の問題があった。
これらの問題を解決するため、光重合可能な成分を含有するシリコーン系組成物の所定の箇所に、所定の量の光を照射して、当該箇所を硬化させた後、未露光部を現像することによってコア部分等を形成して、光導波路を製造する方法が提案されている(特許文献1)。
この方法は、従来の石英系光導波路の製造方法と比較して、短時間かつ低コストで光導波路を製造することができる点で有利である。しかし、この方法は、特殊なシリコーン系オリゴマーを用いる必要があるなどの制約がある。
また、(A)カルボキシル基、重合性基及びそれ以外の有機基を有するビニル系重合体、(B)分子中に2個以上の重合性反応基を有する化合物、及び(C)放射線重合開始剤、を含有する光導波路形成用放射線硬化性組成物が提案されている(特許文献2)。
上記(A)〜(C)成分を含む光導波路形成用放射線硬化性組成物を用いて形成した光導波路は、形状の精度が高く、かつ優れた伝送特性を有する。しかし、フィルム状の硬化物の状態で屈曲させると、クラックや破断が発生したり、取り扱う際に傷がつき易いという問題がある。
さらに、透光性高分子フィルム中に屈折率分布を設けた光導波路フィルムの片側、又は両側に、硬化樹脂層、及び可撓性基材を順次積層した構成からなり、該硬化樹脂層が、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂の少なくとも1種とポリアミド樹脂を主成分とすることを特徴とするフレキシブル光導波路素子が提案されている(特許文献3)。この光導波路素子は、耐熱性に優れたものである。この光導波路素子の形態例として、コア及びクラッドからなる光導波路フィルムが記載されている(特許文献3の図1の(f)参照)。しかし、コア及びクラッドからなる光導波路フィルムは、屈曲させると、クラック等が発生する可能性がある。
特開2000−180643号公報 特開2003−195079号公報 特開平11−38241号公報
本発明は、光導波路フィルムを屈曲させるとクラック等が発生し易いという上述の問題を解消せんとするものであり、屈曲抵抗性、耐傷付き性、伝送特性等に優れた光導波路フィルム製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下部クラッド層とコア部分と上部クラッド層とを含む光導波路フィルムの上面及び下面の各々に、保護フィルムを積層することによって、屈曲抵抗性、耐傷付き性等が向上することなどを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[]を提供するものである。
下部クラッド層とコア部分と上部クラッド層とを含み、かつ、上記下部クラッド層の外表面に第1の保護フィルムが積層され、上記上部クラッド層の外表面に第2の保護フィルムが積層されてなる光導波路フィルムの製造方法であって、支持基板の上に、光硬化性樹脂組成物からなる接着層を介して、第1の保護フィルムと下部クラッド層用の感光性樹脂組成物層とを有する積層体を積層させた後、上記下部クラッド層用の感光性樹脂組成物層に光照射して、上記第1の保護フィルムと下部クラッド層とを有する積層体を製造し、次いで、上記下部クラッド層上にコア部分を形成し、その後、第2の保護フィルムの上に上部クラッド層用の感光性樹脂組成物層を形成してなる上部クラッド層用ドライフィルムを、上記下部クラッド層及びコア部分の上に積層させた後、上部クラッド層用の感光性樹脂組成物層を硬化させることを特徴とする光導波路フィルムの製造方法。
[2] 上記接着層が、上記下部クラッド層、上部クラッド層またはコア部分の形成材料と兼用の光硬化性樹脂組成物である上記[1]に記載の光導波路フィルムの製造方法。
] 上記コア部分の形成の前に、上記接着層を形成する光硬化性樹脂組成物に光照射する上記[又は[2]に記載の光導波路フィルムの製造方法。
[4] 上記第1の保護フィルムの、下部クラッド層用の感光性樹脂組成物層側の面、及び、上記第2の保護フィルムの、上部クラッド層用の感光性樹脂組成物層側の面の各々に、コロナ放電処理が施されている上記[1]〜[3]のいずれかに記載の光導波路フィルムの製造方法。
] 上記コア部分の形成は、上記下部クラッド層の上に、ベースフィルムと未硬化の感光性樹脂組成物層とからなるコア部分用ドライフィルムを、上記下部クラッド層と上記未硬化の感光性樹脂組成物層とが当接するように積層させた後、上記コア部分用ドライフィルムに、上記ベースフィルムを通して所定のパターンに従って光を照射して、上記コア部分用ドライフィルムの感光性樹脂組成物層を部分的に硬化させ、次いで、部分的に硬化した上記感光性樹脂組成物層から上記ベースフィルムを剥離し、その後、上記コア部分用ドライフィルムの感光性樹脂組成物層の未硬化の部分を現像処理して除去することによって行なわれる上記[1]〜[4]のいずれかに記載の光導波路フィルムの製造方法。
] 上記第1の保護フィルム及び第2の保護フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、及びノルボルネン系樹脂のいずれかからなるフィルムである上記[1]〜[5]のいずれかに記載の光導波路フィルムの製造方法
] 上記下部クラッド層、コア部分、及び上部クラッド層が、各々、感光性樹脂組成物の硬化物からなり、かつ、該感光性樹脂組成物が、
(A)下記一般式(1):
Figure 0004893934
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは(メタ)アクリロイル基であり、Xは2価の有機基である。)で表される繰り返し単位を含む重合体、
(B)ポリエステルポリオール化合物と、ポリイソシアネート化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート化合物、
(C)分子内に1個以上のエチレン性不飽和基を有し、0.1MPaにおける沸点が130℃以上の(A)、(B)以外の化合物、並びに、
(D)光ラジカル重合開始剤
を含有する上記[1]〜[6]のいずれかに記載の光導波路フィルムの製造方法
本発明の光導波路フィルムの製造方法によれば、屈曲抵抗性及び耐傷付き性に優れ、伝送特性(導波路損失)が良好で、形状の精度が高い光導波路を、簡易な製造プロセスで効率的に製造することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の光導波路の製造方法及び該製造方法によって得られる光導波路(以下、本発明の光導波路ともいう。)について説明する。図1は、本発明の光導波路の一例を模式的に示す断面図、図2は、本発明の光導波路の製造方法の一例を示すフロー図である。
[光導波路の構造]
図1中、本発明の光導波路1は、保護フィルム2と、保護フィルム2の上面に形成された下部クラッド層3と、下部クラッド層3の上面に形成された、特定の幅を有するコア部分4と、下部クラッド層3及びコア部分4の上に形成された上部クラッド層5と、上部クラッド層5の上面に形成された保護フィルム6とからなるものである。
保護フィルム2,6の材質の好ましい例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ノルボルネン系樹脂等が挙げられる。
保護フィルム2,6の厚さは、実用的に十分な屈曲抵抗性、耐傷付き性等を確保する観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、特に好ましくは20μm以上である。
保護フィルム2,6の厚さの上限値は、特に限定されないが、材料のコスト等の観点から、通常、500μm以下、より好ましくは300μm以下、特に好ましくは100μm以下である。
保護フィルム2,6は、クラッド層3,5を形成する側の面に、コロナ放電処理されていることが好ましい。該処理を施すことによって、保護フィルム2,6とクラッド層3,5との良好な接着性が得られ、光導波路フィルムの屈曲抵抗性を向上させることができる。
下部クラッド層3、コア部分4、及び上部クラッド層5の厚さは、特に限定されないが、例えば、下部クラッド層3の厚さが1〜200μm、コア部分4の厚さが3〜200μm、上部クラッド層5の厚さが1〜200μmとなるように定められる。コア部分4の幅は、特に限定されないが、例えば、1〜200μmである。
コア部分4の屈折率は、下部クラッド層3及び上部クラッド層5のいずれの屈折率よりも大きいものであることが必要である。例えば、波長400〜1,600nmの光に対して、コア部分4の屈折率が1.420〜1.650、下部クラッド層3及び上部クラッド層5の屈折率が1.400〜1.648であり、かつ、コア部分4の屈折率が、2つのクラッド層3,5のいずれの屈折率よりも少なくとも0.1%大きな値であることが好ましい。
下部クラッド層3、コア部分4及び上部クラッド層5は、後述する(A)〜(D)成分を含む感光性樹脂組成物から形成されていることが好ましい。
[感光性樹脂組成物]
本発明の光導波路(下部クラッド層、コア部分、上部クラッド層)を形成する感光性樹脂組成物の構成成分である、(A)〜(D)成分及びその他の任意成分について、以下に詳述する。
[(A)成分]
(A)成分は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(例えば、ランダム共重合体)である。(A)成分は、通常、下記一般式(2)で表される繰り返し単位も含む。
Figure 0004893934
Figure 0004893934
(式中、R及びRは各々独立して水素原子またはメチル基であり、Rは(メタ)アクリロイル基であり、Xは2価の有機基であり、Yは重合性を有しない有機基である。)
一般式(1)で表される繰り返し単位の好適な例としては、下記の一般式(3)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0004893934
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは(メタ)アクリロイル基であり、W及びZは各々独立して単結合または2価の有機基である。)
ここで、一般式(3)中のW(2価の有機基)の例としては、下記一般式(4)で表される構造や、フェニレン基等が挙げられる。
Figure 0004893934
(式中、Rはメチレンまたは炭素数2〜8のアルキレン基である。)
一般式(3)中のZ(2価の有機基)の例としては、−(CH2n−O−(式中、nは1〜8の整数である。)等が挙げられる。
一般式(2)中のYの例としては、下記一般式(5)で表される構造、フェニル基、環状アミド基、ピリジル基等が挙げられる。
Figure 0004893934
(式中、Rは炭素数1〜20の直鎖状、分岐状または環状の炭素鎖を有する基である。)
(A)成分のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜100,000、より好ましくは8,000〜70,000、特に好ましくは10,000〜50,000である。該値が5,000未満では、組成物の粘度が小さくなり、所望の膜厚が得られなくなる等の欠点があり、該値が100,000を超えると、組成物の粘度が大きくなり、塗工性が悪くなる等の欠点がある。
(A)成分の製造方法としては、例えば、(a)水酸基を有するラジカル重合性化合物、及び(b)成分(一般式(2)に対応するラジカル重合性化合物)を、溶媒中でラジカル重合した後、得られた共重合体の側鎖の水酸基に対して、(c)(メタ)アクリロイルオキシ基を有するイソシアネートを付加させる方法が挙げられる。
この方法で用いられる化合物(a)〜(c)について説明する。
化合物(a)(水酸基を有するラジカル重合性化合物)は、該化合物中の水酸基と化合物(c)中のイソシアネート基(−N=C=O)とを反応させて、ウレタン結合(−NH−COO−)及び化合物(c)に由来する(メタ)アクリロイルオキシ基を含む側鎖部分を有する構成単位を、成分(A)中に導入するために用いられる。
化合物(a)の例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
化合物(a)は、1種を単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
(A)成分中の化合物(a)の含有率は、好ましくは3〜80質量%、より好ましくは7〜60質量%、特に好ましくは10〜40質量%である。
該含有率が3質量%未満であると、硬化が不十分となりやすい。該含有率が80質量%を超えると、屈折率の調整が困難となる場合がある。
化合物(b)(一般式(2)の構造に対応する化合物)は、主として、(A)成分の機械的特性や屈折率を適度にコントロールするために用いられる。
化合物(b)の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と環状炭化水素化合物とのエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチレングリコールアクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル類;トリブロモフェノールエトキシ(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のハロゲン化(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル類;1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ジメチルブタジエン等の共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド結合含有重合性化合物;酢酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
中でも、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン等が好ましく用いられる。
化合物(b)は、1種を単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
(A)成分中の化合物(b)の含有率は、好ましくは15〜92質量%、より好ましくは25〜84質量%、特に好ましくは35〜78質量%である。
該含有率が15質量%未満であると、屈折率の調整が困難となる場合がある。該含有率が92質量%を超えると、硬化が不十分となりやすい。
化合物(c)((メタ)アクリロイルオキシ基を有するイソシアネート)の例としては、2−メタクリロキシエチルイソシアネート、N−メタクリロイルイソシアネート、メタクリロキシメチルイソシアネート、2−アクリロキシエチルイソシアネート、N−アクリロイルイソシアネート、アクリロキシメチルイソシアネート等が挙げられる。
(A)成分中の化合物(c)の含有率は、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは 9〜60質量%、特に好ましくは12〜45質量%である。
該含有率が5質量%未満であると、硬化が不十分となりやすい。該含有率が80質量%を超えると、屈折率の調整が困難となる場合がある。
(A)成分には、一般式(1)、(2)で表される構成単位以外の構成単位を含めることもできる。このような構成単位を導入するための化合物(以下、化合物(d)という。)の例としては、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有重合性化合物等が挙げられる。(A)成分中の化合物(d)の含有率は、好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0〜10質量%である。
(A)成分の製造過程において、化合物(c)の付加反応の際に、熱重合禁止剤、保存安定剤、硬化触媒等の各種添加剤を添加することができる。
熱重合禁止剤は、熱による重合反応を抑えるために配合される。熱重合禁止剤の例としては、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メトキシフェノール、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル等が挙げられる。
保存安定剤の例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ベンゾキノン、p−トルキノン、p−キシロキノン、フェニル−α−ナフチルアミン等が挙げられる。
硬化触媒の例としては、ジラウリル酸ジブチル錫、ジラウリル酸ジオクチル錫、ジオレイン酸ジブチル錫、二酢酸ジブチル錫、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン等が挙げられる。
これらの各種添加剤の合計の配合量は、化合物(a)〜(c)の合計量100質量部に対して通常、10質量部以下、好ましくは5質量部以下である。
(A)成分の製造における、化合物(a)、及び、必要に応じて使用される化合物(b)、化合物(d)のラジカル重合に使用できる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル等のエステル類が挙げられる。
中でも、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類等が好ましい。
一方、(A)成分の製造における、化合物(c)の付加反応時に使用される溶媒として、分子内に水酸基を有するものを使用すると、化合物(c)が溶媒と反応してしまうため、好ましくない。したがって、化合物(c)の付加反応に用いる溶媒は、好ましくは、水酸基を有しないものである。水酸基を有しない溶媒の例としては、前記のラジカル重合に使用される溶媒のうち、水酸基を有しないものが挙げられる。
また、(A)成分の製造に用いられるラジカル重合用の触媒としては、通常のラジカル重合開始剤が使用できる。ラジカル重合開始剤の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物;及び過酸化水素等を挙げることができる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を使用する場合、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としてもよい。
感光性樹脂組成物がドライフィルムの材料として用いられる場合、(A)成分のガラス転移温度は20℃以上150℃以下であることが好ましい。この際、ガラス転移温度は、通常行われている示差走査熱量計(DSC)を用いた測定による値として定義される。該温度が20℃未満であると、ベースフィルム上に感光性樹脂組成物層を形成することが困難となったり、あるいは、感光性樹脂組成物層にべたつきが生じて、ドライフィルムを積層する際の作業性が悪くなる等の不都合がある。逆に該温度が150℃を超えると、ドライフィルムの感光性樹脂組成物層が硬くなったり、脆さが生じたりして、ドライフィルムを積層させたときの密着性が悪くなることがある。
[(B)成分]
(B)成分は、ポリエステルポリオール化合物と、ポリイソシアネート化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート化合物である。
(B)成分の製造方法として、例えば、以下の製法1〜4が挙げられる。
製法1:ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレートを一括して仕込んで反応させる方法。
製法2:ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物を反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法。
製法3:ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオール化合物を反応させる方法。
製法4:ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオール化合物を反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法。
製法1〜4の中でも、製法2〜4が、分子量分布を制御する上で好ましい。
(1)ポリオール化合物
本発明の(B)成分の原料の一つであるポリオール化合物は、分子内に2個以上の水酸基を有する化合物である。この様な化合物としては、芳香族ポリエーテルポリオール、脂肪族ポリエーテルポリオール、脂環族ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。
中でも、更なる接着性の向上を図るためには、アルキレンオキシ構造を含むポリエーテルポリオール化合物を用いることが好ましい。
芳香族ポリエーテルポリオールとしては、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールAのブチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加ジオール、ハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール、ナフトキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール等が挙げられる。市販品としては、例えば、ユニオール、DA700、DA1000(以上、日本油脂社製)等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、置換テトラヒドロフラン、オキセタン、置換オキセタン、テトラヒドロピラン及びオキセバンから選ばれる少なくとも1種の化合物を開環(共)重合することにより得られるもの等を挙げることができる。具体例としては、ポリエチレングリコール、1,2−ポリプロピレングリコール、1,3−ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、ポリイソブチレングリコール、プロピレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体ポリオール、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランの共重合体ポリオール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体ポリオール、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランの共重合体ポリオール、エチレンオキサイドと1,2−ブチレンオキサイドの共重合体ポリオール等が挙げられる。
脂環族ポリエーテルポリオールとしては、例えば、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールAのブチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのブチレンオキサイド付加ジオール、ジシクロペンタジエンのジメチロール化合物、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオール及び脂環族ポリエーテルポリオールの市販品としては、例えばユニセーフDC1100、ユニセーフDC1800、ユニセーフDCB1100、ユニセーフDCB1800(以上、日本油脂社製);PPTG4000、PPTG2000、PPTG1000、PTG2000、PTG3000、PTG650、PTGL2000、PTGL1000(以上、保土谷化学社製);EXENOL4020、EXENOL3020、EXENOL2020、EXENOL1020(以上、旭硝子社製);PBG3000、PBG2000、PBG1000、Z3001(以上、第一工業製薬社製);ACCLAIM 2200、3201、4200、6300、8200(以上、住化バイエルウレタン社製);NPML−2002、3002、4002、8002(以上、旭硝子社製)等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の、多価アルコールとフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸等の多塩基酸とを反応して得られるポリエステルポリオール等を挙げることができる。市販品としてはクラポールP−2010、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、PNA−2000等(以上、クラレ社製)が入手できる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば1,6−ヘキサンポリカーボネート等が挙げられる。市販品としてはDN−980、981、982、983(以上、日本ポリウレタン社製)、PLACCEL−CD205、CD−983、CD220(以上、ダイセル化学工業社製)、PC−8000(米国PPG社製)等が入手できる。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、ε−カプロラクトンと、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等のジオールとを反応させて得られるポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。市販品としては、PLACCCEL205、205AL、212、212AL、220、220AL(以上、ダイセル化学工業社製)等が入手できる。
その他の本発明で使用しうるポリオール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリβ−メチル−δ−バレロラクトン、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒドロキシ末端水添ポリブタジエン、ひまし油変性ポリオール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、ポリジメチルシロキサンカルビトール変性ポリオール等が挙げられる。
前記のポリオール化合物のうち、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合ジオール、エチレンオキサイド/1,2−ブチレンオキサイド共重合ジオール、プロピレンオキサイド/テトラヒドロフラン共重合ジオールが好ましく、エチレンオキサイド/1,2−ブチレンオキサイド共重合ジオールがより好ましい。
ポリオール化合物の数平均分子量は、好ましくは400〜10,000であり、さらに好ましくは1,000〜8,000であり、最も好ましくは1,500〜5,000である。該数平均分子量が400未満であると、硬化物の常温及び低温におけるヤング率が上昇して、充分な屈曲抵抗性が得られ難くなる。一方、数平均分子量が10,000を超えると、組成物の粘度が上昇して、塗工性が悪くなることがある。
(2)ポリイソシアネート化合物
本発明の(B)成分の原料の一つであるポリイソシアネート化合物は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物である。この様な化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物等が挙げられる。
中でも、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が好ましい。これらポリイソシアネート化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(3)水酸基含有(メタ)アクリレート
本発明の(B)成分の原料の一つである水酸基含有(メタ)アクリレートは、分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。この様な化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルホスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらに、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等の、グリシジル基含有化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物が挙げられる。
中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましい。
本発明の(B)成分を構成する各原料の配合割合は、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレート1モルに対して、ポリオール化合物0.5〜2モル、ポリイソシアネート化合物1〜2.5モルである。
(B)成分の数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算値)は、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは3,000〜60,000、特に好ましくは5,000〜30,000である。数平均分子量が1,000未満であると、硬化物について充分な屈曲抵抗性を得ることが困難となる。また、数平均分子量が100,000を超えると、組成物の粘度が高くなり過ぎ、塗工性が悪化することがある。
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは20〜80質量部、特に好ましくは35〜70質量部である。該量が10質量部未満であると、硬化物について十分な屈曲抵抗性が得られないことがあり、該量が100質量部を超えると、(A)成分との相溶性が悪くなり、硬化物の表面に膜荒れを生じたり、十分な透明性が得られないことがある。
[(C)成分]
(C)成分は、分子内に1個以上のエチレン性不飽和基を有し、0.1MPaにおける沸点が130℃以上の(A)、(B)以外の化合物である。
ここで、エチレン性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。
(C)成分の分子量は、好ましくは2,000未満、より好ましくは1,000未満である。
分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する(C)成分の好ましい例としては、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基を有し、分子量1,000未満の化合物が挙げられる。
この場合、分子内のエチレン性不飽和基は、その全てがアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基のいずれか1種のみでもよいし、あるいは、アクリロイル基とメタクリロイル基、アクリロイル基とビニル基、メタクリロイル基とビニル基のいずれかの2種の組み合わせでもよいし、あるいは、アクリロイル基とメタクリロイル基とビニル基の3種の組み合わせでもよい。
分子内に2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートの例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン化ビスフェノールAのジアクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン等が挙げられる。
分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートの例としては、3個以上の水酸基を有する多価アルコールに3モル以上の(メタ)アクリル酸がエステル結合した化合物、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、主鎖にポリエーテル、ポリエステルを有するポリエーテルアクリルオリゴマー、ポリエステルアクリルオリゴマー、あるいはポリエポキシアクリルオリゴマーも使用することができる。
分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有し、0.1MPaにおける沸点が130℃以上の(メタ)アクリレートの例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ジイソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルシクロヘキシルコハク酸、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アルキルアルコール(炭素数1〜8)のエチレンオキサイドの付加体であるアルコールの(メタ)アクリレート、フェノールのエチレンオキサイドの付加体であるアルコールの(メタ)アクリレート、p−クミルフェノールのエチレンオキサイドの付加体であるアルコールの(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのエチレンオキサイドの付加体であるアルコールの(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート、トリブロモフェノールエトキシ(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの市販品としては、ユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学社製)、ビスコート#150、#155、#160、#190、#192、#195、#230、#215、#260、#295、#300、#335HP、#360、#400、#540、#700、3F、3FM、4F、8F、8FM、2−MTA、2−ETA、V−MTG、3PA、GPT、HEA、HPA、4−HBA、AIB、IOAA、LA、STA、(以上、大阪有機化学工業社製)、ライトエステルM、E、NB、IB、EH、ID、L、L−7、TD、L−8、S、130MA、041MA、CH、THF、BZ、PO、IB−X、HO、HOP、HOA、HOP−A、HOB、DM、DE、HO−MS、EG、2EG、1.4BG、1.6HX、1.9ND、1.10DC、TMP、G−101P、G−201P、BP−2EM、BP−4EM、BP−6EM、MTG、BO、BC、3EG、4EG、9EG、14EG、NP、FM−108、G−201P、ライトアクリレートIO−A、HOB−A、TMP−3EO−A、FA−108、IAA、L−A、S−A、BO−A、EC−A、MTG−A、130A、DPM−A、PO−A、P−200A、NP−4EA、NP−8EA、THF−A、IB−XA、HOA、HOP−A、M−600A、HOA−MS、3EG−A、4EG−A、9EG−A、14EG−A、NP−A、MPD−A、1.6HX−A、BEPG−A、1.9ND−A、MOD−A、DCP−A、BP−4EA、BP−4PA、BP−10EA、TMP−A、TMP−6EO−3A、PE−3A、PE−4A、DPE−6A、BA−104、BA−134(以上、共栄社化学社製)、KAYARAD
MANDA、HX−220、HX−620、R−551、R−712、R−604、R−684、PET−30、GPO−303、TMPTA、DPHA、D−310、D−330、DPCA−20、−30、−60、−120(以上、日本化薬社製)、アロニックスM208、M210、M215、M220、M240、M305、M309、M310、M315、M325、M400、M1200、M6100、M6200、M6250、M7100、M8030、M8060、M8100、M8530、M8560、M9050(以上、東亞合成社製)、NKエステル#401P、NKエステルA−BPEF、NKエステルA−CMP−1E(以上、新中村化学工業社製)、ニューフロンティアBR−31(以上、第一工業製薬社製)、リポキシVR−77、VR−60、VR−90(以上、昭和高分子社製)、Ebecryl81、83、600、629、645、745、754、767、701、755、705、770、800、805、810、830、450、1830、1870(以上、ダイセルUCB社製)、ビームセット575、551B、502H、102(以上、荒川化学社製)、アダマンテートHA、HM(以上、出光興産社製)等が挙げられる。
(C)成分は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは5〜100質量部、より好ましくは10〜70質量部、特に好ましくは20〜50質量部である。該量が5質量部未満であると、光導波路を形成する際、目的とする導波路の形状の精度が劣ることがあり、該量が100質量部を超えると、(A)成分との相溶性が悪くなり、硬化物の表面に膜荒れを生じることがある。
[(D)成分]
(D)成分は、エチレン性不飽和基を重合しうる活性種(ラジカル種)を光の照射によって発生することのできる光ラジカル重合開始剤である。
ここで光とは、例えば赤外線、可視光線、紫外線、及びX線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を意味する。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、Irgacure184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI1700、CGI1750、CGI11850、CG24−61、Darocur1116、1173(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、LucirinTPO、TPO−L(以上、BASF社製)、ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
感光性樹脂組成物中の(D)成分の含有率は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜5質量%である。該含有率が0.1質量%未満では、硬化が十分に進行せず、光導波路の伝送特性に問題が生じることがある。一方、該含有率が10質量%を超えると、光重合開始剤が長期の伝送特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明においては、上述の光重合開始剤と共に光増感剤を配合することができる。光増感剤を併用すれば、光等のエネルギー線をより効果的に吸収することができる。
光増感剤としては、例えば、チオキサントン、ジエチルチオキサントン及びチオキサントンの誘導体;アントラキノン、ブロムアントラキノン及びアントラキノンの誘導体;アントラセン、ブロムアントラセン及びアントラセン誘導体;ペリレン及びペリレンの誘導体;キサントン、チオキサントン及びチオキサントンの誘導体;クマリン及びケトクマリン等を挙げることができる。光増感剤の種類は、光重合開始剤の種類に応じて選択すればよい。
[(E)成分]
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに(E)成分として、有機溶媒を含有することが好ましい。有機溶媒を配合することにより、感光性樹脂組成物の保存安定性が向上するとともに、適当な粘度を付与して、均一な厚さを有する感光性樹脂組成物層を形成することができる。
有機溶媒の種類は、本発明の目的、効果を損なわない範囲で適宜選択することができるが、大気圧下での沸点が50〜200℃の範囲内の値を有し、かつ、各構成成分を均一に溶解させるものが好ましい。具体的には、(A)成分を調製する際に使用する有機溶剤を用いることができる。
有機溶媒の好ましい例としては、アルコール類、エーテル類、エステル類、及びケトン類が挙げられる。有機溶媒の好ましい化合物名としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、及びメタノールからなる群より選択される少なくとも1つの溶剤が挙げられる。
有機溶媒の配合量は、前記の(A)〜(D)成分の合計量100質量部に対し、好ましくは10〜500質量部、より好ましくは20〜300質量部、特に好ましくは30〜180質量部である。該量が10質量部未満では、感光性樹脂組成物の粘度調整が困難となることがある。該量が500質量部を超えると、十分な厚さを有する感光性樹脂組成物層を形成することが困難なことがある。
感光性樹脂組成物には、前記の(A)〜(E)成分以外に必要に応じて、樹脂組成物の特性を損なわない範囲で、例えば、分子中に1個の重合性反応基を有する化合物や、高分子樹脂(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリクロロプレン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー)等を配合することができる。
さらにまた、必要に応じて各種添加剤として、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、塗面改良剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、フィラー、無機粒子、老化防止剤、濡れ性改良剤、帯電防止剤等を配合することができる。
ここで酸化防止剤としては、例えばIrganox1010、1035、1076、1222(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Antigene P、3C、FR、スミライザー(住友化学工業社製)等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えばTinuvin P、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Seesorb102、103、110、501、202、712、704(以上、シプロ化成社製)等が挙げられる。光安定剤としては、例えばTinuvin 292、144、622LD(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、サノールLS770(三共社製)、Sumisorb TM−061(住友化学工業社製)等が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、市販品として、SH6062、SZ6030(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、KBE903、603、403(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。塗面改良剤としては、例えばジメチルシロキサンポリエーテル等のシリコーン添加剤が挙げられ、市販品としてはDC−57、DC−190(以上、ダウコーニング社製)、SH一28PA、SH−29PA、SH−30PA、SH−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、KF351、KF352、KF353、KF354(以上、信越化学工業社製)、L−700、L−7002、L−7500、FK−024−90(以上、日本ユニカー社製)等が挙げられる。
感光性樹脂組成物を調製するには、常法にしたがって前記の各成分を混合撹拌すればよい。
[光導波路の製造方法]
次に、図1及び図2を参照して、本発明の光導波路フィルム及びその製造方法の一例について説明する。図1は、本発明の光導波路フィルムの一例を示す断面図、図2は、本発明の光導波路フィルムの製造方法の一例を示すフロー図である。
本発明の光導波路の製造方法の一例は、下部クラッド層用ドライフィルム作製工程と、コア部分用ドライフィルム作製工程と、上部クラッド層用ドライフィルム作製工程と、下部クラッド層形成工程と、コア部分形成工程と、上部クラッド層形成工程と、基板剥離工程を含むものである。
なお、以下の説明において、光導波路を構成する下部クラッド層3、コア部分4及び上部クラッド層5の各部を形成するために調製される感光性樹脂組成物は、各々、便宜上、下層用組成物、コア用組成物及び上層用組成物と称する。
(1)感光性樹脂組成物の調製
下層用組成物、コア用組成物及び上層用組成物の各々の成分組成は、下部クラッド層3、コア部分4及び上部クラッド層5の各部の屈折率の関係が、光導波路に要求される条件を満足するように定められる。具体的には、屈折率の差が適宜の大きさとなるような2種または3種の感光性樹脂組成物を調製し、このうち、最も高い屈折率の硬化膜を与える感光性樹脂組成物をコア用組成物とし、他の感光性樹脂組成物を下層用組成物及び上層用組成物として用いる。
なお、下層用組成物と上層用組成物は、同一の感光性樹脂組成物であることが、経済上及び製造管理上、好ましい。
本発明においては、少なくとも下層用組成物及び上層用組成物を、ドライフィルムの感光性樹脂組成物層の材料として用いることが、光導波路フィルムの製造効率の観点から、好ましい。また、下層用組成物、コア用組成物及び上層用組成物を、ドライフィルムの感光性樹脂組成物層の材料として用いることが、光導波路フィルムの製造効率の観点から、特に好ましい。
(2)下部クラッド層用ドライフィルムの作製
下部クラッド層用ドライフィルム12(図2の(b)参照)は、保護フィルム2の上面にコロナ表面処理を施した後、保護フィルム2の上面に下層用組成物を一定の厚さで塗布し、次いで、下層用組成物を乾燥させて、未硬化の感光性樹脂組成物層13を形成し、その後、感光性樹脂組成物層13の上にカバーフィルム14を積層することによって得られる。
なお、下部クラッド層用ドライフィルム12は、保護フィルム2と感光性樹脂組成物層13とを有していればよく、カバーフィルム14は任意に設けられるものである。
保護フィルム2上に感光性樹脂組成物層13を形成する方法としては、感光性樹脂組成物を、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、又はインクジェット法等の方法を用いて塗布した後、乾燥機等を用いて溶剤を飛散させる方法が挙げられる。
有機溶剤を飛散させる温度条件は、好ましくは30〜150℃、より好ましくは50〜140℃である。
乾燥後に残留する有機溶剤の量は、有機溶剤を飛散させた後の感光性樹脂組成物100質量部中に20質量部以下であることが好ましい。
感光性樹脂組成物層13の厚さは、該組成物層13によって形成される硬化物(下部クラッド層3)の厚さに対応するものであり、通常1〜200μmである。
カバーフィルム14の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
カバーフィルム14の厚さは、特に限定されないが、通常、5〜100μmである。
(3)コア部分用ドライフィルムの作製
コア部分用ドライフィルム18(図2の(f)参照)は、ベースフィルム21の上面にコア用組成物を一定の厚さで塗布し、次いで、コア用組成物を乾燥させて、未硬化の感光性樹脂組成物層20を形成し、その後、感光性樹脂組成物層20の上にカバーフィルム19を積層することによって得られる。
ベースフィルム21上に感光性樹脂組成物層20を形成する方法は、上述の下部クラッド層用ドライフィルムを作製する場合と同様である。
感光性樹脂組成物層20の厚さは、該組成物層20によって形成される硬化物(コア部分4)の厚さに対応するものであり、通常、3〜200μmである。
カバーフィルム19の材質、厚さ、及び積層方法は、上述の下部クラッド層用ドライフィルムを作製する場合と同様である。
なお、コア部分用ドライフィルム18は、ベースフィルム21と感光性樹脂組成物層20とを有していればよく、カバーフィルム19は任意に設けられるものである。
(4)上部クラッド層用ドライフィルムの作製
上部クラッド層用ドライフィルムの作製方法は、上述の下部クラッド層用ドライフィルムの作製方法と同様である。
図2中、上部クラッド層用ドライフィルム24は、保護フィルム6、感光性樹脂組成物層25及びカバーフィルム26の積層体である(図2の(j)参照)。
なお、上部クラッド層用ドライフィルムと下部クラッド層用ドライフィルムは、同一物を兼用することができる。
上部クラッド層用ドライフィルム24は、保護フィルム6と感光性樹脂組成物層25とを有していればよく、カバーフィルム26は任意に設けられるものである。
(5)接着層付き基板の作製
支持基板10の片面に接着層形成材料を塗布した後、この接着層形成材料を、適度の粘性を有する接着層11が得られるように乾燥させると、接着層付き基板が得られる(図2中の(a)参照)。
支持基板10は、平坦な表面を有する基板であり、その種類としては、特に限定されないが、例えば、シリコン基板やガラス基板等が挙げられる。
接着層11は、後工程で載置される下部クラッド層用ドライフィルム12を固定するために設けられる。接着層11を形成する接着層形成材料の例としては、熱硬化性又は光硬化性の液状樹脂組成物が挙げられる。中でも、光硬化性の液状樹脂組成物は、クラッド層またはコア部分の形成材料と兼用することができる点で、好ましく用いられる。
接着層11の形成方法としては、基板10の表面に、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法等のいずれかの方法を用いて液状樹脂組成物を塗布した後、加熱して乾燥させる方法が挙げられる。加熱の条件は、例えば、50〜180℃で1〜60分である。
(6)下部クラッド層の形成
接着層付き基板9の接着層11の上面に、下部クラッド層3を形成する工程である。具体的には、図2中の(b)に示すように、下部クラッド層用ドライフィルム12(保護フィルム2、感光性樹脂組成物層13、及びカバーフィルム14からなるもの)を、接着層11の上面に、保護フィルム2の側を下方に向けた状態で圧着して積層させる。
ドライフィルム12の積層方法(転写方法)としては、常圧熱ロール圧着法、真空熱ロール圧着法、真空熱プレス圧着法等の圧着手法を用いて、適当な熱と圧力を加えながら、接着層11上に転写する方法が挙げられる。
その後、基板10の下方から接着層11に向けて光15を照射して、接着層11を適度に硬化させ、接着層の硬化体16を得る(図2中の(c))。
接着層11を硬化させる際の光15の照射条件は、例えば、波長200〜390nm、照度1〜500mW/cm2の光を、照射量が10〜5,000mJ/cm2となるように照射して露光することが好ましい。
照射する光15の種類としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用いることができるが、特に紫外線が好ましい。光の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ等を用いることが好ましい。
次いで、カバーフィルム14の上方から感光性樹脂組成物層13に向けて光17を照射して、感光性樹脂組成物層13を硬化させ、感光性樹脂組成物層13の硬化物である下部クラッド層3を形成させる(図2中の(d))。
下部クラッド層3を形成させる際の光17の種類、照射装置、波長、照度、照射量等の条件は、光15についての条件と同様である。なお、下部クラッド層3を形成させる際、下層用組成物からなる薄膜の全面に光を照射し、その全体を硬化することが好ましい。
次に、カバーフィルム14を剥離する(図2中の(e))。その後、加熱処理(ポストベーク)を行うことが好ましい。この加熱条件は、感光性樹脂組成物の成分組成等により異なるが、通常、30〜300℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは100〜200℃で、例えば5分間〜72時間の加熱時間とすればよい。
(7)コア部分の形成
下部クラッド層3の上面に、コア部分4を形成する工程である。具体的には、図2の(f)に示すように、コア部分用ドライフィルム18(カバーフィルム19、感光性樹脂組成物層20、及びベースフィルム21からなるもの)を準備した後(図2中の(f))、コア部分用ドライフィルム18からカバーフィルム19を剥離し、次いで、下部クラッド層3の上面に、感光性樹脂組成物層20の側を下方に向けた状態で、ベースフィルム21と感光性樹脂組成物層20とからなる積層体を圧着して積層させる(図2中の(g))。
コア部分用ドライフィルム18の積層方法(転写方法)は、下部クラッド層用ドライフィルム12の場合と同様である。
その後、図2中の(h)に示すように、ベースフィルム21の上面に、所定のラインパターンを有するフォトマスク22を当接させた状態で、ベースフィルム21の上方から感光性樹脂組成物層20に向けて、光23の照射(露光)を行う。その結果、感光性樹脂組成物層20において、光が照射された箇所のみが硬化し、それ以外の部分は未硬化のままとなる。その後、ベースフィルム21を剥離し、未硬化の部分を現像処理して除去することにより、図2中の(i)に示すように、下部クラッド層3上に、パターニングされた硬化膜からなるコア部分4を形成することができる。
なお、光の照射等の条件は、下部クラッド層を形成する場合と同様である。
コア部分4をさらに硬化させるために、ホットプレートやオーブンなどの加熱装置により、例えば30〜400℃の温度で5〜600分間ポストベークすることが望ましい。
図2の(h)において、所定のパターンに従って光の照射を行う方法としては、光の透過部と非透過部とからなるフォトマスクを用いる方法に限られず、例えば、以下に示すa〜cの方法のいずれかを採用してもよい。
a.液晶表示装置と同様の原理を利用して、所定のパターンに従って光透過領域と光不透過領域とからなるマスク像を電気光学的に形成する手段を利用する方法。
b.多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して光を照射する方法。
c.レーザー光、あるいはレンズ、ミラー等の集光性光学系により得られる収束性の光を、走査させながら感光性樹脂組成物に照射する方法。
このようにして所定のパターンに従ってパターン露光し、選択的に硬化させた薄膜に対して、硬化部分と未硬化部分との溶解性の差異を利用して、現像処理することができる。したがって、パターン露光後、未硬化部分を除去するとともに、硬化部分を残存させることにより、結果としてコア部分4を形成することができる。
現像処理に用いる現像液としては、有機溶媒を用いることができる。有機溶媒の例としては、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルアミルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
現像時間は、通常30〜600秒間である。現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー現像法等の公知の方法を採用することができる。現像後、そのまま風乾することによって、有機溶媒が除去されて、パターン状の薄膜が形成される。
(8)上部クラッド層の形成
下部クラッド層3及びコア部分4の上面に、上部クラッド層5を形成する工程である。具体的には、図2の(j)に示すように、上部クラッド層用ドライフィルム24(保護フィルム6、感光性樹脂組成物層25、及びカバーフィルム26からなるもの)を準備した後、上部クラッド層用ドライフィルム24からカバーフィルム26を剥離し、次いで、下部クラッド層3及びコア部分4の上面に、感光性樹脂組成物層25の側を下方に向けた状態で、保護フィルム6と感光性樹脂組成物層25とからなる積層体を積層させる(図2の(k))。
その後、保護フィルム6の上方から感光性樹脂組成物層25に向けて光27を照射して、感光性樹脂組成物層25を硬化させ、下部クラッド層3及びコア部分4の上に、感光性樹脂組成物層25の硬化物である上部クラッド層5を形成させる(図2中の(l))。
なお、光の照射等の条件は、下部クラッド層を形成する場合と同様である。
(9)接着層付き基板の除去
光導波路フィルム1を接着層付き基板9から剥離する工程である(図2中の(m))。
光導波路フィルム1は、保護フィルム2と、保護フィルム2の上面に形成された下部クラッド層3と、下部クラッド層3の上面に形成されたコア部分4と、下部クラッド層3及びコア部分4の上面に形成された上部クラッド層5と、上部クラッド層5の上面に形成された保護フィルム6とからなる。
なお、光導波路の各部(下部クラッド層3、コア部分4、上部クラッド層5)を形成する工程において、ドライフィルムに代えて、ドライフィルムに用いる感光性樹脂組成物と同様の成分組成を有する液状の感光性樹脂組成物を用いることもできる。
この場合、感光性樹脂組成物をスピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法等のいずれかの方法を用いて塗布し、乾燥又はプリベークさせて薄膜を形成し、光を照射した後、必要に応じて、ポストベークすることが好ましい。
液状の感光性樹脂組成物を用いる場合、光の照射方法としては、波長200〜450nm、照度1〜500mW/cmの光を、照射量が10〜5,000mJ/cmとなるように照射して、露光することが好ましい。光の種類及び照射装置としては、上記の下部クラッド層の形成工程において例示されたものと同様のものが挙げられる。
液状の感光性樹脂組成物を用いる場合、上部及び下部クラッド層の形成工程におけるポストベークの条件は、感光性樹脂組成物の成分組成等により異なるが、通常、30〜400℃、好ましくは50〜300℃、より好ましくは100〜200℃で、例えば5分間〜72時間の加熱時間とすればよい。コア部分の形成工程におけるポストベークの条件は、通常、30〜400℃、好ましくは50〜300℃、より好ましくは100〜200℃で、5分間〜10時間である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
[1.材料の用意]
(A)〜(E)成分として、以下の材料を用意した。
[(A)成分]
調製例1
ドライアイス/メタノール還流器の付いたフラスコを窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3g、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート115gを仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌した。引き続いて、ヒドロキシエチルメタクリレート20g、ジシクロペンタニルメタクリレート30g、スチレン25g、及びn−ブチルアクリレート25gを仕込んだ後、緩やかに攪拌を始めた。その後、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度で6時間重合を行った。その後、得られた溶液にジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.13g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.05gを仕込み、攪拌しながら2−メタクリロキシエチルイソシアネート23.7gを温度が60℃以下に保たれるように滴下した。滴下終了後、60℃で5時間反応させ、側鎖にメタクリル基を有するポリマー溶液を得た。その後、反応生成物を多量のヘキサンに滴下して反応生成物を凝固させた。さらに、この凝固物と同質量のテトラヒドロフランに再溶解し、多量のヘキサンで再度凝固させた。この再溶解−凝固操作を計3回行った後、得られた凝固物を40℃で48時間真空乾燥して、目的とする共重合体A−1を得た。
調製例2
ドライアイス/メタノール還流器の付いたフラスコを窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.5g、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート115gを仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌した。引き続いて、ヒドロキシエチルメタクリレート20g、ジシクロペンタニルメタクリレート25g、メチルメタクリレート40g、及びn−ブチルアクリレート15gを仕込んだ後、緩やかに攪拌を始めた。その後、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度で6時間重合を行った。その後、得られた溶液にジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.12g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.05gを仕込み、攪拌しながら2−メタクリロキシエチルイソシアネート23.7gを温度が60℃以下に保たれるように滴下した。滴下終了後、60℃で5時間反応させ、側鎖にメタクリル基を有するポリマー溶液を得た。その後、反応生成物を多量のヘキサンに滴下して反応生成物を凝固させた。さらに、この凝固物と同質量のテトラヒドロフランに再溶解し、多量のヘキサンで再度凝固させた。この再溶解−凝固操作を計3回行った後、得られた凝固物を40℃で48時間真空乾燥して、目的とする共重合体A−2を得た。
共重合体A−1、A−2の製造に用いた前記の原料名及び配合量を、表1に示す。
Figure 0004893934
[(B)成分]
攪拌機を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネート13.6質量部、数平均分子量が2,000のポリプロピレングリコール81.7質量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.01質量部を仕込み、5〜10℃に冷却した。撹拌しながらジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.05質量部を加え、温度が30℃以下に保たれるように調整しながら2時間撹拌した後、50℃まで昇温しさらに2時間撹拌した。続いて、2−ヒドロキシエチルアクリレート4.7質量部(以上の合計量100質量部)を滴下し、滴下終了後、50〜70℃で1時間反応させた。残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とし、数平均分子量3000〜30,000の化合物B−1を得た。
化合物の数平均分子量は東ソー製HLC−8220GPCを用い、以下の条件にて測定を行った。
使用カラム:TSK−GEL G2000HXL 2本
TSK−GEL G3000HXL 1本
TSK−GEL G4000HXL 1本
(カラム温度40℃)
溶離液:THF(流量1ミリリットル/分)
検出:示差屈折率検出器
[(C)成分]
トリメチロールプロパントリアクリレート(0.1MPaにおける沸点:315℃、大阪有機化学工業社製)
[(D)成分]
光ラジカル重合開始剤(商品名「Irgacure369」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
[(E)成分]
有機溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[2.ドライフィルムの作製]
表2に示す配合割合で、上述の(A)成分(共重合体A−1、A−2)、及び(B)〜(E)成分を混合して均一な溶液を得た。次いで、この溶液をベースフィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルム(膜厚:50μm)上にアプリケーターにて塗布した後、120℃で10分乾燥し、さらに乾燥塗膜の表面にカバーフィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(膜厚:25μm)を常圧常温ロール圧着して、コア部分用ドライフィルムJ−1(感光性樹脂組成物層の厚さ:50μm)を得た。
ベースフィルムを表2に記載のもの(保護フィルム)に変えた以外は実施例1と同様にして、下部クラッド層用ドライフィルムJ−2〜J−6、及び上部クラッド層用ドライフィルムJ−2〜J−4を、それぞれ感光性樹脂組成物層の厚さが20μm、70μmとなるように作製した。
なお、下部クラッド層用ドライフィルムJ−2〜J−4と、上部クラッド層用ドライフィルムJ−2〜J−4は、厚みが異なること以外は同一なので、同じ符号を付している。
ドライフィルムJ−3〜J−6は、その構成部分である保護フィルムの感光性樹脂組成物層側の面に、コロナ放電処理を施したものとした。
Figure 0004893934
1)PET:ポリエチレンテレフタレート(商品名:ルミラー、東レ社製)
2)PEN:ポリエチレンナフタレート(商品名:テオネックス、帝人デュポンフィルム社製)
3)PI:ポリイミド(商品名:カプトン、東レデュポン社製)
4)PES:ポリエーテルスルホン(住友ベークライト社製)
[3.光導波路の形成]
[実施例1]
(a)下部クラッド層の形成
スピンコート法によってガラス基板上に、下部クラッド層用ドライフィルムJ−2の感光性樹脂組成物層の材料と同一の成分組成を有する液状の感光性樹脂組成物を、10μmの厚みで塗布した後、この感光性樹脂組成物の塗布層を120℃、5分で乾燥させ、接着層付きガラス基板を得た。その後、接着層付きガラス基板の上面に、ドライフィルムJ−3を、保護フィルムの側を下方に向けて、ラミネーターで常温常圧熱ロール圧着法により転写した。次いで、ガラス基板の下方より上方に向けて、波長365nm、照度20mW/cm2の紫外線を100秒間照射して、接着層を光硬化させた。
さらに、ドライフィルムJ−3の上方より下方に向けて、波長365nm、照度20mW/cm2の紫外線を100秒間照射して、ドライフィルムJ−3の感光性樹脂組成物層を光硬化させた。ドライフィルムJ−3のカバーフィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がした後、感光性樹脂組成物層(硬化膜)を150℃、1時間の条件でポストベークを行ない、厚さ20μmの下部クラッド層を得た。
(b)コア部分の形成
次に、カバーフィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムを予め剥がしたドライフィルムJ−1を、下部クラッド層の上に、ラミネーターで常温常圧熱ロール圧着法により転写した。その後、ドライフィルムJ−1の感光性樹脂組成物層からなる厚さ50μmの膜に、幅50μmのライン状パターンを有するフォトマスクを介して、波長365nm、照度20mW/cm2の紫外線を100秒間照射して、膜を硬化させた。次いで、ベースフィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、硬化させた膜を有する基板をアセトンからなる現像液中に浸漬して、膜の未露光部を溶解させた。その後、150℃、1時間の条件でポストベークを行い、幅50μmのライン状パターンを有するコア部分を形成した。
(c)上部クラッド層の形成
次いで、カバーフィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムを予め剥がしたドライフィルムJ−3を、コア部分を有する下部クラッド層の上面に、常圧熱ロール圧着法(温度:80℃)によって転写した。その後、ドライフィルムJ−3の感光性樹脂組成物層からなる膜に、波長365nm、照度20mW/cm2の紫外線を100秒間照射し、厚さ70μmの上部クラッド層を形成した。
(d)光導波路フィルムの剥離
一方の保護フィルムから他方の保護フィルムまでの積層体を、接着層付きガラス基板から剥離し、下部クラッド層の高さが20μm、コア部分の高さが50μm、コア部分の上面から上部クラッド層の上面までの高さが20μmであり、かつ、下部クラッド層の下面と上部クラッド層の上面の各々に保護フィルムが積層されてなる光導波路フィルムを得た。
[実施例2〜5]
ドライフィルムを表3のように変えた以外は、実施例1と同様にして光導波路フィルムを作製した。
[比較例1]
ドライフィルムを表3のように変えた以外は、実施例1と同様にして光導波路フィルムを作製した後、2つの保護フィルムを剥離して、保護フィルムを有しない光導波路フィルムを得た。
[4.光導波路の評価]
光導波路フィルム(実施例1〜5、比較例1)を次のようにして評価した。
(1)導波路損失
光導波路フィルムについて、波長850nmの光を一端から入射させた。そして、他端から出射する光量を測定することにより、単位長さ当たりの導波路損失をカットバック法により求めた。導波路損失が0.5dB/cm以下の場合を「○」とし、0.5dB/cmを超える場合を「×」とした。
(2)屈曲抵抗性
光導波路フィルム(幅1cm、長さ10cm、厚み90μm)を温度23℃、湿度50%の条件下で半径2mmの金属棒に巻きつけた時に、クラックまたは破断が発生しない場合を「○」とし、発生する場合を「×」とした。
(3)耐傷付き性
光導波路フィルムの表面の耐傷付き性を、耐スチールウール擦傷性試験により評価した。学振型耐磨耗試験機(テスター産業社製)を用い、500g荷重をかけた#0000スチールウールを光導波路フィルム上にて30回往復させ、光導波路フィルムの表面の傷付き状態を目視にて評価した。傷がない場合を「○」、1〜10本の傷がある場合を「△」、10本を超える傷がある場合を「×」とした。
結果を表3に示す。
Figure 0004893934
表3から、本発明の光導波路フィルム(実施例1〜5)は、屈曲抵抗性及び耐傷付き性に優れ、かつ光学特性が良好(導波路損失が小さい)であることがわかる。一方、本発明に属さない光導波路フィルム(比較例1)は、保護フィルムを有しないため、耐傷付き性に劣ることがわかる。
本発明の光導波路の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路の製造方法の一例を示すフロー図である。
符号の説明
1 光導波路フィルム
2 保護フィルム
3 下部クラッド層
4 コア部分
5 上部クラッド層
6 保護フィルム
9 接着層付き基板
10 支持基板
11 接着層
12 下部クラッド層用ドライフィルム
13 感光性樹脂組成物層
14 カバーフィルム
15 光(紫外線)
16 接着層の硬化体
17 光(紫外線)
18 コア部分用ドライフィルム
19 カバーフィルム
20 感光性樹脂組成物層
21 ベースフィルム
22 フォトマスク
23 光(紫外線)
24 上部クラッド層用ドライフィルム
25 感光性樹脂組成物層
26 カバーフィルム
27 光(紫外線)

Claims (7)

  1. 下部クラッド層とコア部分と上部クラッド層とを含み、かつ、上記下部クラッド層の外表面に第1の保護フィルムが積層され、上記上部クラッド層の外表面に第2の保護フィルムが積層されてなる光導波路フィルムの製造方法であって、
    支持基板の上に、光硬化性樹脂組成物からなる接着層を介して、第1の保護フィルムと下部クラッド層用の感光性樹脂組成物層とを有する積層体を積層させた後、上記下部クラッド層用の感光性樹脂組成物層に光照射して、上記第1の保護フィルムと下部クラッド層とを有する積層体を製造し、次いで、上記下部クラッド層上にコア部分を形成し、その後、第2の保護フィルムの上に上部クラッド層用の感光性樹脂組成物層を形成してなる上部クラッド層用ドライフィルムを、上記下部クラッド層及びコア部分の上に積層させた後、上部クラッド層用の感光性樹脂組成物層を硬化させることを特徴とする光導波路フィルムの製造方法。
  2. 上記接着層が、上記下部クラッド層、上部クラッド層またはコア部分の形成材料と兼用の光硬化性樹脂組成物である請求項1に記載の光導波路フィルムの製造方法。
  3. 上記コア部分の形成の前に、上記接着層を形成する光硬化性樹脂組成物に光照射する請求項1又は2に記載の光導波路フィルムの製造方法。
  4. 上記第1の保護フィルムの、下部クラッド層用の感光性樹脂組成物層側の面、及び、上記第2の保護フィルムの、上部クラッド層用の感光性樹脂組成物層側の面の各々に、コロナ放電処理が施されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路フィルムの製造方法。
  5. 上記コア部分の形成は、上記下部クラッド層の上に、ベースフィルムと未硬化の感光性樹脂組成物層とからなるコア部分用ドライフィルムを、上記下部クラッド層と上記未硬化の感光性樹脂組成物層とが当接するように積層させた後、上記コア部分用ドライフィルムに、上記ベースフィルムを通して所定のパターンに従って光を照射して、上記コア部分用ドライフィルムの感光性樹脂組成物層を部分的に硬化させ、次いで、部分的に硬化した上記感光性樹脂組成物層から上記ベースフィルムを剥離し、その後、上記コア部分用ドライフィルムの感光性樹脂組成物層の未硬化の部分を現像処理して除去することによって行なわれる請求項1〜4のいずれか1項に記載の光導波路フィルムの製造方法。
  6. 上記第1の保護フィルム及び第2の保護フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、及びノルボルネン系樹脂のいずれかからなるフィルムである請求項1〜5のいずれか1項に記載の光導波路フィルムの製造方法
  7. 上記下部クラッド層、コア部分、及び上部クラッド層が、各々、感光性樹脂組成物の硬化物からなり、かつ、該感光性樹脂組成物が、
    (A)下記一般式(1):
    Figure 0004893934
    (式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは(メタ)アクリロイル基であり、Xは2価の有機基である。)で表される繰り返し単位を含む重合体、
    (B)ポリエステルポリオール化合物と、ポリイソシアネート化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート化合物、
    (C)分子内に1個以上のエチレン性不飽和基を有し、0.1MPaにおける沸点が130℃以上の(A)、(B)以外の化合物、並びに、
    (D)光ラジカル重合開始剤
    を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の光導波路フィルムの製造方法
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