JP2009244627A - フィルム状光導波路 - Google Patents

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Abstract

【課題】光硬化性樹脂組成物のアルカリ現像性が高いため、低い環境負荷で製造することができ、優れた屈曲耐久性、伝送特性を有するフィルム状光導波路を提供する。
【解決手段】フィルム状光導波路24は、下部クラッド層12と、下部クラッド層12の上面に形成されたコア部分20と、下部クラッド層12及びコア部分20の上に積層して形成された上部クラッド層22とからなる。コア部分20、下部クラッド層12及び上部クラッド層22のうち少なくとも1つは、(A)(a)ポリオール化合物、(b)ポリイソシアネート化合物、(c)カルボキシル基含有ジオール化合物、及び(d)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の反応生成物である数平均分子量が1,500以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、及び(C)光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルム状光導波路に関する。
マルチメディア時代を迎え、光通信システムやコンピュータにおける情報処理の大容量化及び高速化の要求から、光の伝送媒体として光導波路が注目されている。従来の光導波路としては、石英系光導波路が代表的であった。しかし、石英系光導波路は、製造時に石英膜の堆積のために高温での長時間の処理が必要であるなど、製造時間が長いこと、光導波路のパターン形成には、光レジストを用いる工程と、危険性の高いガスを用いてエッチングする工程が含まれ、かつ、それらの工程に特殊な装置を必要とするなど、多数の複雑な工程及び特殊な装置を要すること、及び、歩留まりが低いこと等の問題がある。
これらの問題を改善するため、光導波路の工程数の削減、製造時間の短縮化、歩留まりの増大等の生産性の向上を目的に、コア部分とクラッド層の材料として液状の硬化性組成物を用いるポリマー系光導波路が、近年提案されている。
一例として、テトラカルボン酸二無水物とジアミンから得られるポリイミドを構成要素とするポリイミド系光導波路において、該ポリイミドが特定の構造式で表されるフッ素化ジアミン若しくはそれを含むジアミンからのポリイミド、又はその混合物であることを特徴とするポリイミド系光導波路が提案されている(特許文献1)。
このポリイミド系光導波路は、良好な伝送特性(低導波路損失)を有し、優れた耐熱性を有するものである。
また他の例として、(A)ウレタン結合を介在させて結合された、ラジカル重合性反応基を含む側鎖部分を有する構成単位と、重合性を有しない側鎖を有する構成単位とを含む共重合体、(B)分子内に1個以上のエチレン性不飽和基を有し、分子量が1,000未満であり、0.1MPaにおける沸点が130℃以上である化合物、及び(C)光ラジカル重合開始剤を含有する光導波路用感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献2)。
この感光性樹脂組成物によると、形状の精度が高くかつ高温高湿下における伝送特性の低下を抑えた光導波路を形成することができる。
さらに、(A)ポリイソシアネート化合物(a)、カルボキシル基含有ポリオール(b)及び水酸基含有不飽和化合物(c)を反応させて得られるカルボキシル基含有不飽和ポリウレタン樹脂、並びに(B)溶媒を含有する光導波路形成用光硬化性樹脂組成物が提案されている(特許文献3)。
この光硬化性樹脂組成物は、形成される塗膜の加工性、機械的性質等がすぐれているので、ドライフィルムとして使用するのに適しており、該ドライフィルムによると、屈折率等に優れた光導波路を形成することができる。
特開平4−9807号公報 特開2006−146162号公報 WO2005/081025号公報
しかし、従来の光導波路では、フィルム状の硬化物(フィルム状光導波路)の状態で、繰り返し屈曲させると、破断やクラックを生じ、良好な伝送特性を維持できないという問題がある。
また、作業環境や環境負荷の観点から、光硬化性組成物はアルカリ現像性が高いことが望まれている。これにより、光導波路作製時のフォトリソグラフィーにおいて、希アルカリ水溶液により現像処理を行うことができ、作業環境を良好に維持し、環境負荷を小さくしながら、光導波路を形成することができる。
そこで、本発明では、光硬化性樹脂組成物のアルカリ現像性が高いため、低い環境負荷で製造することのできるフィルム状光導波路であって、優れた屈曲耐久性、導波路特性(低導波路損失等)を有するフィルム状光導波路を提供することを目的とする。さらに、本発明は、光硬化性樹脂組成物が優れたドライフィルム特性を有する(換言すると、塗膜の状態で適度な硬度を有し、ドライフィルムを形成するのに適している)ため、簡易な工程で製造することのできるフィルム状光導波路を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、コア部分とクラッド層(下部クラッド層、上部クラッド層)とを含み、前記コア部分及びクラッド層の少なくとも一つが、特定の成分組成を有する光硬化性樹脂組成物の硬化物からなるフィルム状光導波路によれば、本発明の上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[4]を提供するものである。
[1] コア部分とクラッド層とを含むフィルム状光導波路であって、前記コア部分及びクラッド層の少なくとも一つが、下記成分(A)及び(C)を含む光硬化性樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とするフィルム状光導波路。
(A)(a)ポリオール化合物、(b)ポリイソシアネート化合物、(c)カルボキシル基含有ジオール化合物、及び(d)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の反応生成物である数平均分子量が1,500以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
(C)光重合開始剤
[2] 上記成分(A)が、(a)脂肪族ポリエーテルポリオール及び/又はポリカーボネートポリオール、(b)ポリイソシアネート化合物、(c)カルボキシル基含有ジオール化合物、及び(d)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の反応生成物である数平均分子量が1,500以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーである上記[1]に記載のフィルム状光導波路。
[3] 上記光硬化性樹脂組成物が、さらに(B)カルボキシル基を含有する不飽和基含有モノマーを含む上記[1]又は[2]に記載のフィルム状光導波路。
[4] コア部分とクラッド層とを含むフィルム状光導波路であって、前記コア部分及びクラッド層の少なくとも一つが、下記成分(A)〜(C)を含む光硬化性樹脂組成物(ただし、光硬化性樹脂組成物の固形分の全量を100質量%とする。)の硬化物からなることを特徴とするフィルム状光導波路。
(A)(a)ポリオール化合物、(b)ポリイソシアネート化合物、(c)カルボキシル基含有ジオール化合物、及び(d)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の反応生成物である数平均分子量が1,500以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー 30〜80質量%
(B)不飽和基含有モノマー 15〜69質量%
(C)光重合開始剤 0.1〜10質量%
本発明のフィルム状光導波路は、特定の成分組成を有する光硬化性樹脂組成物からなるコア部分及び/又はクラッド層(下部クラッド層、上部クラッド層)を備えているため、繰り返しの屈曲に対しても破断やクラックを生じることがなく、良好な伝送特性を維持することができる。
また、本発明のフィルム状光導波路は、特定の成分組成を有する光硬化性樹脂組成物を用いるため、コア部分の形成時に希アルカリ水溶液による現像処理を適用することができ、環境負荷が低い。
さらに、本発明のフィルム状光導波路を形成する光硬化性樹脂組成物は、塗膜(未硬化かつ乾燥状態の組成物からなる膜)が適度な硬度を有し、ドライフィルムを形成するのに適している。該ドライフィルムを用いれば、本発明のフィルム状光導波路をより簡易な工程で製造することができる。
本発明のフィルム状光導波路は、コア部分とクラッド層(具体的には、下部クラッド層、上部クラッド層)とを含み、コア部分及び/又はクラッド層が、特定の成分組成を有する光硬化性樹脂組成物の硬化物からなるものである。
上記光硬化性樹脂組成物を構成する、成分(A)及び成分(C)、及び必要に応じて配合される成分(B)及び他の成分について、以下に説明する。
[成分(A)]
成分(A)は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであり、少なくともその一部として、(a)ポリオール化合物、(b)ポリイソシアネート化合物、(c)カルボキシル基含有ジオール化合物、及び(d)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の反応生成物である数平均分子量が1,500以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む。
上記(a)〜(d)の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、具体的には、以下の製法1〜製法3のいずれかの方法で製造される。
製法1:ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、カルボキシル基含有ジオール化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を一括して仕込んで反応させる方法。
製法2:ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物を反応させ、次いでカルボキシル基含有ジオール化合物を反応させ、さらにポリイソシアネート化合物を反応させ、最後に水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させる方法。
製法3:ポリイソシアネート化合物及びカルボキシル基含有ジオール化合物を反応させ、次いでポリオール化合物を反応させ、最後に水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させる方法。
以下、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造に用いられる(a)ポリオール化合物、(b)ポリイソシアネート化合物、(c)カルボキシル基含有ジオール化合物、(d)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物、の各々について詳しく説明する。
[(a)ポリオール化合物]
(a)ポリオール化合物としては、脂肪族ポリエーテルポリオール、脂環族ポリエーテルポリオール、芳香族ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、置換テトラヒドロフラン、オキセタン、置換オキセタン、テトラヒドロピラン及びオキセバンから選ばれる少なくとも1種の化合物を開環(共)重合することにより得られるもの等が挙げられる。これらの具体例としては、ポリエチレングリコール、1,2−ポリプロピレングリコール、1,3−ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、ポリイソブチレングリコール、プロピレンオキサイドとテトラヒドロフランの共重合体ポリオール、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランの共重合体ポリオール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体ポリオール、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランの共重合体ポリオール、エチレンオキサイドと1,2−ブチレンオキサイドの共重合体ポリオール等が挙げられる。
脂環族ポリエーテルポリオールとしては、例えば、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールAのブチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのブチレンオキサイド付加ジオール、ジシクロペンタジエンのジメチロール化合物、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオール及び脂環族ポリエーテルポリオールの市販品としては、ユニセーフDC1100、ユニセーフDC1800、ユニセーフDCB1100、ユニセーフDCB1800(以上、日本油脂社製);PPTG4000、PPTG2000、PPTG1000、PTG2000、PTG3000、PTG650、PTGL2000、PTGL1000(以上、保土谷化学社製);EXENOL4020、EXENOL3020、EXENOL2020、EXENOL1020(以上、旭硝子社製);PBG3000、PBG2000、PBG1000、Z3001(以上、第一工業製薬社製);ACCLAIM 2200、3201、4200、6300、8200(以上、住化バイエルウレタン社製);NPML−2002、3002、4002、8002(以上、旭硝子社製)等が挙げられる。
芳香族ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールAのブチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのブチレンオキサイド付加ジオール、ハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール、ナフトキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール等が挙げられる。芳香族ポリエーテルポリオールの市販品としては、ユニオールDA400、DA700、DA1000(以上、日本油脂社製)等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の多価アルコールと、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸等の多塩基酸を反応して得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。市販品としては、クラレポリオールP−2030、P−1030、P−2010、P−5010、P−2050、F−2010、P−2011、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、PNA−2000(以上、クラレ社製)等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールポリカーボネート、1,6−ヘキサンジオールと1,5−ペンタンジオールとの共重合ポリカーボネートジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとの共重合ポリカーボネートジオール、1,3−プロパンジオールと1,4−ブタンジオールとの共重合ポリカーボネートジオール等が挙げられる。市販品としてはPCDL T5652、G3452、G3450J(以上、旭化成社製);DN−980、981、982、983(以上、日本ポリウレタン社製);クラレポリオールC−590、C−1050、C−1090、C−2050、C−2090、C−3090、C−5090、C−1065N、C−2065N、C−1015N、C−2015N(以上、クラレ社製);PLACCEL−CD205、CD−983、CD220(以上、ダイセル化学工業社製);PC−8000(米国PPG社製)等が挙げられる。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、ε−カプロラクトンと、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等のジオールとを反応させて得られるポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。市販品としては、PLACCCEL205、205AL、212、212AL、220、220AL(以上、ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
本発明で使用しうる他のポリオール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリβ−メチル−δ−バレロラクトン、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒドロキシ末端水添ポリブタジエン、ひまし油変性ポリオール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、ポリジメチルシロキサンカルビトール変性ポリオール等が挙げられる。
(a)ポリオール化合物は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(a)ポリオール化合物は、脂肪族ポリエーテルポリオール、芳香族ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、及びポリカーボネートポリオールからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましく、脂肪族ポリエーテルポリオール及び/又はポリカーボネートポリオールであることがより好ましく、ポリカーボネートポリオールであることが特に好ましい。
(a)ポリオール化合物の数平均分子量は、好ましくは500〜15,000、さらに好ましくは1,000〜14,000、最も好ましくは1,500〜12,000である。(a)ポリオール化合物の数平均分子量が500未満であると、組成物を硬化させてなる硬化物の常温及び低温におけるヤング率が上昇して、十分な屈曲耐久性を有するフィルム状光導波路を得ることができない。一方、数平均分子量が15,000を超えると、アルカリ水溶液に対する現像性が悪化することがある。
[(b)ポリイソシアネート化合物]
(b)ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物が挙げられる。中でも、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が好ましい。(b)ポリイソシアネート化合物は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
[(c)カルボキシル基含有ポリオール化合物]
(c)カルボキシル基含有ポリオール化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸が挙げられる。市販品としてはDMBA、Bis−MPA(広栄パーストープ社製)等が挙げられる。
[(d)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物]
(d)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルホスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらにアルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物が挙げられる。中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等は、好ましく用いられる。
(d)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを構成する各原料の配合割合は、例えば、(d)ポリオール化合物1モルに対して、(b)ポリイソシアネート化合物2〜4モル、(c)カルボキシル基含有ジオール化合物1〜2モル、(d)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物0.2〜2モルである。
成分(A)としては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
成分(A)中の、(a)ポリオール化合物と(b)ポリイソシアネート化合物と(c)カルボキシル基含有ジオール化合物と(d)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物との反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの割合は、成分(A)の全量を100質量%とした場合、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。
成分(A)の数平均分子量は、1,500以上、好ましくは1,500〜50,000、より好ましくは1,500〜40,000である。該値が1,500未満では、十分な屈曲耐久性を得られないことがある。一方、該値が50,000を超えると、アルカリ水溶液に対する現像性が低下する。
光硬化性樹脂組成物中、成分(A)の配合割合は、光硬化性樹脂組成物の固形分の全量を100質量%として、好ましくは30〜80質量%、より好ましくは35〜75質量%、特に好ましくは40〜75質量%である。上記配合割合が30質量%未満では、組成物を硬化させてなる硬化物(コア部分及び/又はクラッド層)のヤング率が上昇し、十分な屈曲耐久性を有するフィルム状光導波路を形成することが困難となる。一方、上記配合割合が80質量%を超えると、アルカリ水溶液に対する現像性が低下することがある。
[成分(B)]
光硬化性樹脂組成物は、必要に応じて不飽和基含有モノマー(成分(B))を含むことができる。
不飽和基含有モノマーとしては、分子内にエチレン性不飽和基を1つ有するモノマー(以下、単官能モノマーともいう。)、及び分子内にエチレン性不飽和基を2つ以上有するモノマー(以下、多官能モノマーともいう。)が挙げられる。上記エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられるが、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
上記単官能モノマーとしては、例えば、アクリロイルモルフォリン、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ジイソプロピルアクリルアミド、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、3−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、2−アクリロイルシクロヘキシルコハク酸、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェノールエトキシ(メタ)アクリレート、フェノールのエチレンオキサイドの付加体であるアルコールの(メタ)アクリレート、p−クミルフェノールのエチレンオキサイドの付加体であるアルコールの(メタ)アクリレート、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのエチレンオキサイドの付加体であるアルコールの(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル化o−フェニルフェノールアクリレート、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、2−メタクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらの中でも、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルカプロラクタム等のN−ビニル化合物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、2−アクリロイルシクロヘキシルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、2−メタクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸等カルボキシル基を有する単官能性(メタ)アクリレートが好ましい。
単官能モノマーの市販品としてはACMO、DMAA(以上、興人社製);ニューフロンティアIBA(第一工業製薬社製);IBXA、IBXMA、ADMA(大阪有機化学社製);FA511A、FA512A、FA513A(以上、日立化成社製);ライトエステルM、E、BH、IB−X、HO−MS、HO−HH、L、PO、S、TD、ライトアクリレートL−A、S−A、EC−A、MTG−A、130A、PO−A、P−200A、NP−4EA、THF−A、IB−XA、HOA−MS、HOA−MPL、HOA−MPE、(以上、共栄社化学社製);アロニックス M150、M156、M5300、TO1315、TO1316(以上、東亞合成社製);FA544A、512M、512MT、513M(以上、日立化成社製)、NKエステル A−CMP−1E、A−LEN−10、M−450G、S、S−1800M、S−1800A、PHE−1G、NPA−8E、NPA−5P、NPA−10G、M−90G、LMA、LA、IB、CB−26、CB−23、CB−1、AMP−60G、AM−30G、A−SA、A−IB、702A(以上、新中村化学工業社製)等が挙げられる。
上記多官能モノマーのうち、分子内にエチレン性不飽和基を2つ有するモノマー(2官能性モノマー)としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス−4(2−ヒドロキシ−3−アクリロキシプロピルフェニル)プロパン、エチレンオキサイド付加ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加テトラブロモビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加テトラブロモビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるテトラブロモビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールFジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるテトラブロモビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン等が挙げられる。
中でも、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス−4(2−ヒドロキシ−3−アクリロキシプロピルフェニル)プロパン、エチレンオキサイド付加ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加テトラブロモビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン等は特に好ましく用いられる。
2官能モノマーの市販品としては、例えば、ビスコート#700、#540(以上、大阪有機化学工業社製);アロニックスM−208、M−210、M−215(以上、東亞合成社製);NKエステルBPE−100、BPE−200、BPE−500、A−BPE−4、A−BPEF(以上、新中村化学社製);ライトアクリレート1,6−HX−A、ライトエステルBP−4EA、BP−4PA、エポキシエステル3002M、3002A、3000M、3000A(以上、共栄社化学社製);KAYARAD
R−551、R−712(以上、日本化薬社製);BPE−4、BPE−10、BR−42M(以上、第一工業製薬社製);リポキシVR−77、VR−60、VR−90、SP−1506、SP−1506、SP−1507、SP−1509、SP−1563(以上、昭和高分子社製);ネオポールV779、ネオポールV779MA(以上、日本ユピカ社製)等が挙げられる。
また、上記多官能モノマーのうち、エチレン性不飽和基を3個以上有するモノマー(3官能以上のモノマー)としては、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(以下「EO」という。)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド(以下「PO」という。)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2,2,2−トリス(メタ)アクリロイロキシメチルエチルフタル酸、2,2,2−トリス(メタ)アクリロイロキシメチルエチルコハク酸、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性トリス(アクリロキシ)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(アクリロキシ)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリアクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。
中でも、2,2,2−トリス(メタ)アクリロイロキシメチルエチルフタル酸、2,2,2−トリス(メタ)アクリロイロキシメチルエチルコハク酸、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシ)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
3官能モノマーの市販品としては、例えば、アロニックスM−315、M−325、M−327、TO−756、TO−1382(以上、東亞合成社製);NKエステルTM−4EL、CBX−O、CBX−1N、A−DPH−6H、A−9300、A−DPH、A−9300−1CL、TMPT、TMPT−9EO、ATM−4P、ATM−4E、ATM−35E、AD−TMP、A−TMPT、A−TMPT−3EO、A−TMPT−3PO、A−TMMT、A−TMM−3LMN(以上、新中村化学工業社製);ライトエステルTMP、ライトアクリレートTMP−A、TMP−6EO−3A、PE−3A、PE−4A、DPE−6A、BA−134、TMP−3EO−A(以上、共栄社化学製);ビスコート295、360、3PA、400(以上、大阪有機化学工業社製);KAYARAD PET−30、DPHA(以上、日本化薬社製)等が挙げられる。
また、主鎖にポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートを有するポリエーテルアクリルオリゴマー、ポリエステルアクリルオリゴマー、ポリカーボネートアクリルオリゴマー、あるいはポリエポキシアクリルオリゴマーも使用することができる。
成分(B)としては、上記単官能モノマー及び上記多官能モノマーのいずれかを単独で使用してもよいし、併用して用いることもできる。
光硬化性樹脂組成物中、成分(B)の配合割合は、光硬化性組成物の固形分の全量を100質量%として、好ましくは15〜69質量%、より好ましくは20〜65質量%、さらに好ましくは25〜60質量%である。上記配合割合が15質量%未満では、硬化物の耐湿熱性が低下し、フィルム状光導波路を高温高湿雰囲気中で使用した場合に、伝送特性、屈曲耐久性を良好に維持することが困難となることがある。一方、上記配合割合が、69質量%を超えると、組成物をドライフィルムにした際の硬さが低下し、取り扱いが困難となることがある。
[成分(C)]
成分(C)は、成分(A)(及び成分(B))を重合しうる活性種(ラジカル)を光によって発生することのできる光重合開始剤である。
ここで光とは、例えば赤外線、可視光線、紫外線、及びX線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を意味する。
光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。中でも1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等は、重合速度、溶液安定性の観点から好ましく用いられる。
成分(C)の市販品としては、例えば、Irgacure184、369、379、651、500、819、907、784、2959、CGI−1700、−1750、−1850、CG24−61、Darocur 1116、1173(以上、チバ・スペシャリテイ・ケミカルズ社製);Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製);ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。光ラジカル重合開始剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明においては、光重合開始剤と共に光増感剤を用いることができる。光増感剤としては、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられる。光増感剤の市販品としては、例えば、ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
光硬化性組成物中、成分(C)の配合割合は、光硬化性組成物の固形分の全量を100質量%として、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜7質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。上記配合割合が0.1質量%未満では、硬化が十分に進行せず、十分な機械的特性を有する硬化物(コア部分および/またはクラッド層)を形成することが困難となることがある。また、上記配合割合が10質量%を超えると、光重合開始剤が、硬化物の長期の特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
[任意成分]
[成分(D)]
光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて有機溶媒(成分(D))を配合することができる。有機溶媒を配合することにより、適当な粘度を付与して、均一な厚さを有するコア部分及び/又はクラッド層を形成することができる。
有機溶媒の種類は、本発明の目的、効果を損なわない範囲で適宜選択することができるが、大気圧下での沸点が50〜200℃の範囲内の値を有し、かつ、各構成成分を均一に溶解させるものが好ましい。
有機溶媒の好ましい例としては、アルコール類、エーテル類、エステル類、及びケトン類が挙げられる。有機溶媒の好ましい化合物名としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、トルエン、キシレン、及びメタノールからなる群より選択される少なくとも1つの溶剤が挙げられる。
有機溶媒の配合量は、光硬化性樹脂組成物の固形分の全量を100質量部として、好ましくは5〜500質量部、より好ましくは10〜300質量部、特に好ましくは20〜200質量部である。該量が5質量部未満では、光硬化性樹脂組成物の粘度の調整が困難となることがある。該量が500質量部を超えると、十分な厚さを有するコア部分および/またはクラッド層を形成することが困難なことがある。
本発明の光硬化性樹脂組成物には、前記成分以外に、必要に応じて本発明の樹脂組成物の特性を損なわない範囲で、例えば、成分(A)〜(D)以外の重合性反応基を有する化合物や、高分子樹脂(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリクロロプレン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー)等を配合することができる。
さらにまた、本発明の光硬化性樹脂組成物は、必要に応じて各種添加剤として、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、塗面改良剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、フィラー、無機粒子、老化防止剤、濡れ性改良剤、帯電防止剤等を配合することができる。
光硬化性樹脂組成物を調製するには、常法にしたがって前記の各成分を混合撹拌すればよい。
次に、図面を参照しつつ、本発明のフィルム状光導波路の一例を説明する。
図1は、本発明のフィルム状光導波路の一例を模式的に示す断面図である。
図2は、本発明のフィルム状光導波路の製造方法の一例を示すフロー図である。
[フィルム状光導波路の構造]
図1中、フィルム状光導波路24は、コア部分20と、クラッド層(下部クラッド層12、及び上部クラッド層22)とから構成されている。下部クラッド層12は、基板10の上面に積層して形成されており、この下部クラッド層12の上面には、特定の幅を有するコア部分20が形成されている。コア部分20及び下部クラッド層12の上面には、上部クラッド層22が積層して形成されている。なお、コア部分20は、光導波路24の外形を形成する下部クラッド層12及び上部クラッド層22の中に埋設されている。
本発明において、コア部分20、下部クラッド層12及び上部クラッド層22のうち少なくとも1つは、上述の光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。
下部クラッド層12、及び上部クラッド層22の各々の厚さは、特に限定されないが、例えば1〜200μmであり、好ましくは1〜50μm、より好ましくは1〜25μm、特に好ましくは1〜15μmである。コア部分20の厚さは、特に限定されないが、例えば1〜200μmであり、好ましくは1〜150μm、より好ましくは1〜100μm、特に好ましくは1〜70μmである。コア部分20の幅は、特に限定されないが、例えば、1〜200μmである。
コア部分20の屈折率は、下部クラッド層12及び上部クラッド層22のいずれの屈折率よりも大きいものであることが必要である。例えば、波長400〜1,600nmの光に対して、コア部分20の屈折率が1.420〜1.650、下部クラッド層12及び上部クラッド層22の屈折率が1.400〜1.648であり、かつ、コア部分20の屈折率が、2つのクラッド層のいずれの屈折率よりも少なくとも0.1%大きな値であることが好ましい。
コア部分20及びクラッド層(下部クラッド層12及び上部クラッド層22)は、高い透明性を有する。コア部分及びクラッド層が高い透明性を有することによって、光信号に使用される波長領域の光に対して高い透過率を発現することができ、発光素子からの光信号がクラッド層を通過してコア部分に到達する際の、光の損失、及び、コア部分からの光信号がクラッド層を通過して受光素子に到達する際の、光の損失を極めて小さくすることができる。
[フィルム状光導波路の製造方法]
本発明のフィルム状光導波路24の製造方法は、下部クラッド層12を形成する工程と、コア部分20を形成する工程と、上部クラッド層22を形成する工程を含む。
なお、光導波路を構成する下部クラッド層12、コア部分20、及び上部クラッド層22の各部を形成するための光硬化性樹脂組成物は、各々、便宜上、下層用組成物、コア用組成物及び上層用組成物と称する。
(1)光硬化性樹脂組成物の調製
下層用組成物及び上層用組成物の各々の成分組成は、特に限定されるものではないが、経済上及び製造管理上、同一の光硬化性樹脂組成物であることが好ましい。
下層用組成物及び上層用組成物の粘度は、好ましくは1〜10,000cps(25℃)、より好ましくは5〜8,000cps(25℃)、特に好ましくは10〜5,000cps(25℃)である。粘度がこの範囲外であると、光硬化性樹脂組成物の取り扱いが困難になったり、均一な塗膜を形成することが困難なことがある。なお、粘度は、有機溶媒等の配合量を変えることによって、適宜調整することができる。
また、下層用組成物、コア用組成物及び上層用組成物の各々の成分組成は、下部クラッド層12、コア部分20、及び上部クラッド層22の各部の屈折率の関係が、光導波路に要求される条件を満足するように定められる。具体的には、屈折率の差が適宜の大きさとなるような二種または三種の光硬化性樹脂組成物を調製し、このうち、最も高い屈折率の硬化膜を与える光硬化性樹脂組成物をコア用組成物とし、他の光硬化性樹脂組成物を下層用組成物及び上層用組成物として用いる。
(2)基板の準備
図2中の(a)に示すように、平坦な表面を有する基板10を用意する。この基板10の種類としては、特に限定されないが、例えば、シリコン基板、ガラス基板、PETフィルム、ポリイミドフィルム等を用いることができる。
(3)下部クラッド層の形成工程
基板10の上面に、下部クラッド層12を形成する工程である。具体的には、基板10の表面に下層用組成物を塗布し、乾燥またはプリベークして下層用薄膜を形成する。この下層用薄膜に光を照射して硬化させ、硬化体である下部クラッド層12を形成する(図2中の(b)参照)。なお、下部クラッド層12の形成工程においては、薄膜の全面に光を照射し、その全体を硬化することが好ましい。
下層用組成物の塗布方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法等のいずれかの方法を用いることができる。
また、下層用組成物のレオロジー特性を塗布方法に応じた適切なものとするために、下層用組成物には、各種レベリング剤、チクソ付与剤、フィラー、有機溶媒、界面活性剤等を必要に応じて配合することが好ましい。下層用組成物からなる下層用薄膜は、塗布後、有機溶剤等を除去する目的で必要に応じて50〜150℃の温度でプリベークすることが好ましい。
下部クラッド層12を形成する際の光の照射量は、特に限定されるものではないが、波長200〜450nm、照度1〜500mW/cm2の光を、照射量が10〜5,000mJ/cm2となるように照射して露光することが好ましい。
照射する光の種類としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用いることができるが、特に紫外線が好ましい。光の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ等を用いることが好ましい。
また露光の際、必要に応じて露光雰囲気を窒素気流下にすることで、硬化性を向上させることができる。
また、露光後に、さらに加熱処理(ポストベーク)を行うこともできる。この加熱条件は、光硬化性樹脂組成物の成分組成等により異なるが、通常、30〜250℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは100〜150℃で、例えば5分間〜72時間の加熱時間とすればよい。加熱処理(ポストベーク)を行なうことによって、塗膜全面を十分に硬化させることができる。
なお、下部クラッド層12の形成工程における組成物の塗布方法、光の照射量、種類、及び光(紫外線)の照射装置、プリベーク及びポストベークの条件等は、後述する上部クラッド層22の形成工程においても同様である。
(4)コア部分の形成工程
次に、下部クラッド層12の上面に、図2中の(c)に示すように、コア用組成物を塗布し、乾燥またはプリベークしてコア用薄膜14を形成する。その後、図2中の(d)に示すように、コア用薄膜10の上面に対して、所定のパターンに従って、例えば所定のラインパターンを有するフォトマスク18を介して光16の照射(露光)を行う。これにより、コア用薄膜14のうち、光が照射された箇所のみが硬化するので、それ以外の未硬化の部分を現像処理して除去することにより、図2中の(e)に示すように、下部クラッド層12上に、パターニングされた硬化膜からなるコア部分20を形成することができる。
本工程における現像処理の詳細は、次のとおりである。
現像処理は、所定のパターンに従ってパターン露光し、選択的に硬化させた薄膜に対して、硬化部分と未硬化部分との溶解性の差異を利用して、現像液を用いて未硬化部分のみの除去を行なうものである。つまり、パターン露光後、未硬化部分を除去し、かつ、硬化部分を残存させて、結果的にコア部分を形成させるものである。
現像処理に用いる現像液としては、現像処理に用いる通常の有機溶媒、あるいは希アルカリ水溶液を用いることができる。コア用組成物として上述のコア形成用光硬化性樹脂組成物を用いると、環境安全面に優れた希アルカリ水溶液により現像処理することが可能となる。希アルカリ水溶液を調製するためのアルカリ化合物の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、N−メチルピロリドン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナンなどを挙げることができる。
中でも、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、水酸化カリウム等は、好ましく用いられる。
アルカリ水溶液中のアルカリ化合物の濃度は、使用するアルカリ化合物の種類によっても異なるが、有機アルカリの場合は、好ましくは、0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜7質量%である。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を用いる場合、該濃度は、好ましくは0.5〜2.5質量%である。
なお、このような希アルカリ水溶液に、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤などを適当量添加して、現像液として使用することも好ましい。
現像時間は、通常30〜600秒間である。現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー現像法等の公知の方法を採用することができる。現像後、そのまま風乾することによって、現像液が除去されて、パターン状の薄膜が形成される。
パターン状の薄膜(パターニング部)の形成後、このパターニング部を加熱処理(ポストベーク)する。この加熱条件は、光硬化性樹脂組成物の成分組成等により異なるが、通常、30〜250℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは100〜150℃の加熱温度で、例えば5分間〜10時間の加熱時間とすればよい。加熱処理(ポストベーク)を行なうことによって、塗膜全面を十分に硬化させることができる。
本工程において、所定のパターンに従って光の照射を行う方法としては、光の透過部と非透過部とからなるフォトマスク18を用いる方法に限られず、例えば、以下に示すa〜cの方法のいずれかを採用してもよい。
a.液晶表示装置と同様の原理を利用して、所定のパターンに従って光透過領域と光不透過領域とからなるマスク像を電気光学的に形成する手段を利用する方法。
b.多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して光を照射する方法。
c.レーザー光、あるいはレンズ、ミラー等の集光性光学系により得られる収束性の光を、走査させながら光硬化性樹脂組成物に照射する方法。
(5)上部クラッド層の形成工程
コア部分20及び下部クラッド層12の上面に、上部クラッド層22を形成する工程である。具体的には、コア部分20及び下部クラッド層12の上面に上層用組成物を塗布し、乾燥またはプリベークして上層用薄膜を形成し、この上層用薄膜に光を照射して硬化させることによって、硬化体である上部クラッド層22を形成する(図2中の(f)参照)。なお、上部クラッド層22の形成工程においては、薄膜の全面に光を照射し、その全体を硬化することが好ましい。露光後に、さらに、加熱処理(ポストベーク)を行ってもよい。
なお、上述のように、上部クラッド層22を形成する際の、上層用組成物の塗布方法、プリベークの条件、光の照射量及び種類、光の照射装置、ポストベークの条件等は、上述の下部クラッド層12の形成工程と同様である。
その後、基板10を剥離せずにそのまま(図2中の(f))とするか、あるいは基板10を剥離すると(図示しない)、フィルム状光導波路24が得られる。
また、本発明のフィルム状光導波路はドライフィルムを用いて製造することもできる。ドライフィルムは、通常、ベースフィルムと、該ベースフィルム上に積層して形成された(未硬化の)光硬化性樹脂組成物からなる層(組成物層)とを含む。
具体的には、まず、対象物(例えば、基板)の上面に、上記ドライフィルムを、組成物層が対象物に対峙するよう積層する。次いで、ベースフィルムの上面から光を照射して、組成物層を硬化させることにより、硬化体(例えば、下部クラッド層)を形成することができる。コア部分を形成する場合には、光の照射を所定のパターンに従って行い、未硬化の部分を現像して除去すればよい。
上記光硬化性樹脂組成物は、塗膜(未硬化の組成物層)の状態で適度な硬度を有するため、取り扱い性等に優れたドライフィルムを得ることができる。ドライフィルムを用いることにより、より簡易な工程でフィルム状光導波路を製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
[コア部分用光硬化性樹脂組成物の用意]
成分(A)〜(D)として、以下の材料を用意した。
(成分(A))
(A−1)
攪拌機を備えた反応容器に、メトキシプロピルアセテート30.0質量部、2,2−ジメチロールブタン酸8.8質量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.01質量部を仕込み、5〜10℃に冷却した。イソホロンジイソシアネート26.3質量部を加え、80℃まで昇温し5時間撹拌した。続いて、30℃以下まで冷却したのち、撹拌しながらジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.05質量部を加え、数平均分子量が2,000のポリカーボネートポリオール(クラレ社製C−2050)58.0質量部を添加し、70℃まで昇温し5時間攪拌した。続いて、50℃まで冷却したのち、2−ヒドロキシエチルアクリレート6.9質量部を滴下し、滴下終了後、50℃で1時間反応させ、さらに65℃まで昇温し3時間反応させた。残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とし、数平均分子量2,800の化合物A−1を得た。
同様の方法にて、化合物A−4(数平均分子量2,700)、A−5(数平均分子量2,500)、及びA−7を得た。
(A−2)
攪拌機を備えた反応容器に、メトキシプロピルアセテート30.0質量部、2,2−ジメチロールブタン酸9.3質量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.01質量部を仕込み、5〜10℃に冷却した。撹拌しながらジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.05質量部を加え、トリレンジイソシアネート21.8質量部を滴下し、40℃まで昇温し5時間撹拌した。続いて、30℃以下まで冷却したのち、数平均分子量が2,000のポリカーボネートポリオール(クラレ社製C−2050)61.5質量部を添加し、60℃まで昇温し5時間攪拌した。続いて、50℃まで冷却したのち、2−ヒドロキシエチルアクリレート7.3質量部を滴下し、滴下終了後、60℃で1時間反応させ、さらに65℃まで昇温し3時間反応させた。残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とし、数平均分子量2,500の化合物A−2を得た。
同様の方法にて化合物A−3(数平均分子量2,500)を得た。
(A−6)
攪拌機を備えた反応容器に、メトキシプロピルアセテート30.0質量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.01質量部、数平均分子量が2,000のポリカーボネートポリオール(クラレ社製C−2050)74.3質量部を仕込み、撹拌しながらジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.05質量部を加え5〜10℃に冷却した。イソホロンジイソシアネート16.8質量部を反応容器内部温度が40℃以下になるよう速度を調節しながら滴下した。滴下終了後、50℃まで昇温し1時間攪拌した。続いて、2−ヒドロキシエチルアクリレート8.8質量部を滴下し、滴下終了後、50℃で1時間反応させ、さらに65℃まで昇温し3時間反応させた。残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とし、数平均分子量1,900の化合物A−6を得た。
化合物A−1〜A−7の製造に用いた原料名及び配合量を、表1に示す。
Figure 2009244627
(成分(B))
コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート;東亞合成社製、アロニックスTO−756
ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート;東亞合成社製、アロニックスM−5300
9,9−ビス[4−(2−アクリロキシエトキシ)フェニル]フルオレン;新中村化学工業製、NKエステル A−BPEF
(成分(C))
Irgacure184;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
(成分(D))
メトキシプロピルアセテート;ダイセル化学工業社製 MMPGAC
表2に示す配合割合で、上述の成分(A)(化合物A−1〜A−7)、並びに成分(B)〜(D)を均一に混合して、光硬化性樹脂組成物J−1〜J−7を得た。
Figure 2009244627
[クラッド層用光硬化性樹脂組成物の用意]
クラッド用の光硬化性樹脂組成物として、下記調製例により得られたウレタンアクリレートオリゴマーU−1を44質量部、トリス(アクリロキシ)イソシアヌレートを10質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを3質量部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オンを2質量部、メトキシプロピルアセテートを41質量部の割合で均一に混合して、クラッド層用光硬化性樹脂組成物を得た。
(ウレタンアクリレートオリゴマーの調製)
攪拌機を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネート13.6質量部、数平均分子量が2,000のポリカーボネートポリオール(クラレ社製C−2050)81.6質量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.01質量部を仕込み、5〜10℃に冷却した。撹拌しながらジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.05質量部を加え、温度が30℃以下に保たれるように調整しながら2時間撹拌した後、50℃まで昇温しさらに2時間撹拌した。続いて、2−ヒドロキシエチルアクリレート4.7質量部(以上の合計量100質量部)を滴下し、滴下終了後、50〜70℃で1時間反応させた。残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とし、ウレタンアクリレートオリゴマーU−1を得た。
[実施例1]
コア形成用の組成物として光硬化性樹脂組成物J−1を用い、上下のクラッド層形成用の組成物として上述のクラッド層用光硬化性樹脂組成物を用いて、下記(1)〜(4)に従って、フィルム状光導波路を形成した。
(1)下部クラッド層の形成
クラッド用光硬化性樹脂組成物をシリコン基板の上面に、スピンコータで塗布し、次いで、クラッド用光硬化性樹脂組成物からなる塗膜に、波長365nm、照度20mW/cm2の紫外線を100秒間照射して、光硬化させ、厚さ10μmの下部クラッド層を形成した。
(2)コア部分の形成
光硬化性樹脂組成物J−1を下部クラッド層上に、スピンコータで塗布し、100℃、10分間の条件でプリベークした。次いで、光硬化性樹脂組成物からなる厚さ50μmの塗膜に、幅50μmのライン状パターンを有するフォトマスクを介して、波長365nm、照度20mW/cmの紫外線を75秒間照射して、光硬化させた。そして、硬化させた塗膜を有する基板を1%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液からなる現像液中に9分間浸漬した後、超純水で5分間洗い流し、塗膜の未露光部を溶解させた。その後、150℃、1時間の条件で、ポストベークをすることにより、幅50μmのライン状パターンを有するコア部分を形成した。
(3)上部クラッド層の形成
クラッド用光硬化性樹脂組成物を、コア部分を有する下部クラッド層の上面にスピンコータで塗布し、波長365nm、照度20mW/cmの紫外線を100秒間照射して光硬化させ、コア部分の上面からの厚さが10μmである上部クラッド層を形成した。
(4)基板の剥離
上記(1)〜(3)の工程で形成した硬化物を、基板から剥離し、下部クラッド層、コア部分、及び、上部クラッド層をこの順に積層してなるフィルム状光導波路を得た。
得られたフィルム状光導波路の屈曲耐久性、導波路損失を下記の方法により評価した。また、コア形成用に用いた光硬化性樹脂組成物J−1に対し、アルカリ現像性、ドライフィルム特性を下記の方法により評価した。
結果を表3に示す。
[1.屈曲耐久性]
作製したフィルム状光導波路(幅5mm、長さ10cm、厚み70μm)に対して、温度23℃、湿度50%の環境下で屈曲試験を行った。試験条件は、屈曲角度±135°、屈曲速度100回/分、荷重100gで、屈曲半径を1mmおよび2mmとした。なお、屈曲回数は、はじめの0度の位置(フィルム状光導波路が水平の状態)から、+135度の位置へ屈曲し、さらに再度0度の位置を経由して−135度の位置へ屈曲した後、0度の位置へ戻ってくる動作を1回とする。フィルム状光導波路に破断が生じるまでの回数を測定し、屈曲回数が10万回を超えても破断やクラックが発生しない場合を「○」、10万回以内で破断やクラックが発生する場合を「×」とした。
[2.導波路損失]
作製したフィルム状光導波路について、波長850nmの光を一端から入射させた。そして、他端から出射する光量を測定することにより、単位長さ当たりの導波路損失をカットバック法により求めた。導波路損失が0.5dB/cm以下の場合を「○」とし、0.5dB/cmを超える場合を「×」とした。
[3.アルカリ現像性]
Siウェハ上に、光硬化性樹脂組成物を塗布して乾燥させて、光硬化性樹脂組成物からなる厚み50μmのドライフィルム層を有する試験体を作製した。この試験体を1%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に9分間浸漬した後、蒸留水で5分間洗い流した。
その結果、ドライフィルム層が溶解除去され、現像可能であった場合を「○」、現像が不可であった場合を「×」とした。
[4.ドライフィルム特性]
Siウェハ上に、光硬化性樹脂組成物を塗布して乾燥させて、光硬化性樹脂組成物からなる厚み70μmのドライフィルム層を有する試験体を作製した。微小硬度計(フィッシャー社製:FISCHERSCOPE H100VP XY−PROG)を用い、この試験体に最大押し込み荷重10mN、押し込み速度10mN/20secで20sec間圧子を押し込んだ。その結果、圧子の押し込まれた深さが50μm未満であった場合を「○」、50μm以上であった場合を「×」とした。
[実施例2〜5、比較例1、2]
コア形成用の光硬化性樹脂組成物を表3のように変えた以外は、実施例1と同様にして、フィルム状光導波路、及び光硬化性樹脂組成物の各種物性を評価した。
結果を表3に示す。
Figure 2009244627
表3から、本発明(実施例1〜5)では、光硬化性樹脂組成物のアルカリ現像性が高く、ドライフィルム特性に優れており、優れた屈曲耐久性を有し、導波路損失の小さいフィルム状光導波路が得られていることがわかる。一方、成分(A)が本発明の範囲外である比較例1、2では、屈曲耐久性、ドライフィルム特性が劣ることがわかる。
本発明のフィルム状光導波路の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のフィルム状光導波路の製造方法の一例を示すフロー図である。
符号の説明
10 基板
12 下部クラッド層
14 コア用薄膜
16 光
18 フォトマスク
20 コア部分
22 上部クラッド層
24 フィルム状光導波路

Claims (4)

  1. コア部分とクラッド層とを含むフィルム状光導波路であって、前記コア部分及びクラッド層の少なくとも一つが、下記成分(A)及び(C)を含む光硬化性樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とするフィルム状光導波路。
    (A)(a)ポリオール化合物、(b)ポリイソシアネート化合物、(c)カルボキシル基含有ジオール化合物、及び(d)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の反応生成物である数平均分子量が1,500以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
    (C)光重合開始剤
  2. 上記成分(A)が、(a)脂肪族ポリエーテルポリオール及び/又はポリカーボネートポリオール、(b)ポリイソシアネート化合物、(c)カルボキシル基含有ジオール化合物、及び(d)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の反応生成物である数平均分子量が1,500以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーである請求項1に記載のフィルム状光導波路。
  3. 上記光硬化性樹脂組成物が、さらに(B)カルボキシル基を含有する不飽和基含有モノマーを含む請求項1又は2に記載のフィルム状光導波路。
  4. コア部分とクラッド層とを含むフィルム状光導波路であって、前記コア部分及びクラッド層の少なくとも一つが、下記成分(A)〜(C)を含む光硬化性樹脂組成物(ただし、光硬化性樹脂組成物の固形分の全量を100質量%とする。)の硬化物からなることを特徴とするフィルム状光導波路。
    (A)(a)ポリオール化合物、(b)ポリイソシアネート化合物、(c)カルボキシル基含有ジオール化合物、及び(d)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の反応生成物である数平均分子量が1,500以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー 30〜80質量%
    (B)不飽和基含有モノマー 15〜69質量%
    (C)光重合開始剤 0.1〜10質量%
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104836002A (zh) * 2015-05-11 2015-08-12 西南应用磁学研究所 小尺寸插入式波导端接陶瓷负载及设计方法

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