JP2009098156A - フィルム状光導波路 - Google Patents

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了嗣 多田羅
Takaaki Uno
高明 宇野
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裕一 橋口
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Abstract

【課題】難燃性及び耐屈曲性に優れたフィルム状光導波路を提供する。
【解決手段】フィルム状光導波路24のコア部分20及びクラッド層12,22の少なくとも一方が、(A)特定のポリイミドシリコーン樹脂30〜80質量%、(B)分子中に重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも1個有する特定の化合物10〜50質量%、及び(C)ラジカル性光重合開始剤0.1〜10質量%(ただし、(A)〜(C)成分の配合割合は、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量を100質量%としたものである。)を含む光導波路用感光性樹脂組成物の硬化物からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルム状光導波路、及び該フィルム状光導波路の材料として用いるための感光性樹脂組成物に関する。
マルチメディア時代を迎え、光通信システムやコンピューターにおける情報処理の大容量化及び高速化の要求から、光の伝送媒体として光導波路が注目されている。
近年、従来代表的であった石英系光導波路にかえて、製造時間の短縮化や歩留まりの増大等の生産性の向上を目的に、光硬化性組成物、例えば(メタ)アクリル系やエポキシ系の光硬化性組成物を用いるポリマー系光導波路が提案されている。
(メタ)アクリル系の光硬化性組成物としては、例えば、(A)カルボキシル基、重合性基及びそれ以外の有機基を有するビニル系重合体、(B)分子中に2個以上の重合性反応基を有する化合物、及び(C)放射線重合開始剤、を含有する光導波路形成用放射線硬化性組成物が提案されている(特許文献1)。
また、エポキシ系の光硬化性組成物としては、例えば、(A)特定のノボラック型エポキシ樹脂、及び(B)光酸発生剤を含有する光導波路形成用感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献2)。
特開2003−195079号公報 特開2005−274664号公報
光導波路の形成材料として用いられる従来の光硬化性組成物は、光信号の伝送媒体としての使用に適する伝送特性等を有するものの、難燃性に劣るという問題がある。
難燃性を高めるために、光硬化性の樹脂組成物に既存のハロゲン系、アンチモン系等の難燃剤を配合した場合には、光導波路の信頼性が低下することに加えて、環境問題を生じるおそれがあるという問題がある。
さらに、上述の(メタ)アクリル系やエポキシ系の光硬化性樹脂組成物を用いて作製したフィルム状光導波路は、屈曲させるとクラックや破断が発生するという問題がある。
そこで、本発明は、光導波路本体(コア部分やクラッド層)の材料として用いて、優れた難燃性及び耐屈曲性を有するフィルム状光導波路を形成することのできる感光性樹脂組成物、及び該フィルム状光導波路を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、(A)特定のポリイミドシリコーン樹脂と、(B)特定のリン酸エステル化合物と、(C)ラジカル性光重合開始剤とを含む感光性樹脂組成物によると、本発明の上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[7]を提供するものである。
[1] コア部分及びクラッド層を有する光導波路であって、前記コア部分及び前記クラッド層のうち一以上が、下記(A)〜(C)成分を含む光導波路用感光性樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とするフィルム状光導波路。
(A)下記一般式(1)で表される構造単位と下記一般式(2)で表される構造単位とを含むポリイミドシリコーン樹脂
Figure 2009098156
Figure 2009098156
(式中、X及びXは、各々独立して、四価の有機基、Yは二価の有機基、Zはオルガノポリシロキサン基を有する二価の有機基である。)、
(B)分子中に重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも1個有し、かつ、下記一般式(5)で表される構造を有する化合物
Figure 2009098156
(式中、R、R、及びRは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜20の脂環族基、炭素数6〜10の1価のアリール基、炭素数7〜11のアラルキル基、又は(メタ)アクリロイル基を有する有機基であり、R、R、及びRのうち少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基を有する有機基である。)
(C)ラジカル性光重合開始剤
[2] 下部クラッド層、コア部分、及び上部クラッド層を含むフィルム状光導波路であって、上記下部クラッド層及び上記上部クラッド層が、上記光導波路用感光性樹脂組成物の硬化物からなる上記[1]に記載のフィルム状光導波路。
[3] 上記光導波路用感光性樹脂組成物が、さらに、(D)上記(B)成分以外のラジカル重合性化合物を含む上記[1]又は[2]に記載のフィルム状光導波路。
[4] 上記光導波路用感光性樹脂組成物中、上記(A)成分、上記(B)成分、及び上記(C)成分の各々の配合割合が、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、30〜80質量%、10〜50質量%、及び0.1〜10質量%である上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のフィルム状光導波路。
[5] 上記光導波路用感光性樹脂組成物中、上記(D)成分の配合割合が、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、5〜40質量%である上記[3]又は[4]に記載のフィルム状光導波路。
[6] 上記光導波路用感光性樹脂組成物が、さらに、(E)有機溶剤を含む上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載のフィルム状光導波路。
[7] (A)下記一般式(1)で表される構造単位と下記一般式(2)で表される構造単位とを含むポリイミドシリコーン樹脂、
Figure 2009098156
Figure 2009098156
(式中、X及びXは、各々独立して、四価の有機基、Yは二価の有機基、Zはオルガノポリシロキサン構造を有する二価の有機基である。)
(B)分子中に重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも1個有し、かつ、下記一般式(5)で表される構造を有する化合物、及び
Figure 2009098156
(式中、R、R、及びRは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜20の脂環族基、炭素数6〜10の1価のアリール基、炭素数7〜11のアラルキル基、又は(メタ)アクリロイル基を有する有機基であり、R、R、及びRのうち少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基を有する有機基である。)
(C)ラジカル性光重合開始剤、
を含む光導波路用感光性樹脂組成物。
本発明のフィルム状光導波路は、コア部分及びクラッド層のうち少なくとも1つが、特定の成分を含む感光性樹脂組成物の硬化物からなるため、優れた難燃性及び耐屈曲性を有する。特に、下部クラッド層、コア部分、及び上部クラッド層のうち、下部クラッド層及び上部クラッド層が上記感光性樹脂組成物の硬化物からなると、優れた難燃性及び耐屈曲性を得ることができる。
また、本発明のフィルム状光導波路は、光導波路本体(コア部分やクラッド層)自体が優れた難燃性及び耐屈曲性を有しており、例えばクラッド層の外表面に保護層等を設ける必要がないため、さらなる製造工程の簡素化やコストの低減等を達成することができる。
本発明のフィルム状光導波路は、コア部分及びクラッド層を含み、コア部分及びクラッド層のうち少なくとも1つが、特定の成分組成を有する光導波路用感光性樹脂組成物の硬化物からなるものである。
まず、本発明の光導波路用感光性樹脂組成物について、詳しく説明する。
[光導波路用感光性樹脂組成物]
光導波路用感光性樹脂組成物は、(A)〜(C)成分と、必要に応じて配合される他の任意成分とを含む。
[(A)成分]
光導波路用感光性樹脂組成物に用いられる(A)成分は、下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを含むポリイミドシリコーン樹脂である。
Figure 2009098156
Figure 2009098156
(式中、X及びXは、各々独立して、四価の有機基、Yは二価の有機基、Zはオルガノポリシロキサン構造を有する二価の有機基である。)
一般式(1)及び(2)中、X及びXは、各々独立して、四価の有機基であり、例えば、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(オルトジフェニルフタル酸二無水物)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物等の酸二無水物に由来する四価の有機基が挙げられる。これらのうち、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物に由来する四価の有機基が好ましい。
一般式(1)中のYは二価の有機基であり、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,5−ジアミノナフタレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−(p−ビフェニレンジオキシ)ジアニリン等のジアミンに由来する二価の有機基が挙げられる。これらのうち、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンに由来する二価の有機基が好ましい。
一般式(2)中のZは、オルガノポリシロキサン構造を有する二価の有機基であり、例えば、下記一般式(3)で表される二価の基が挙げられる。一般式(3)で表される二価の基は、ジアミノオルガノポリシロキサンのアミノ基を除く二価の残基である。
Figure 2009098156
(式中、R及びRは、各々独立して、2価の炭化水素基又はフェニレン基であり、R〜Rは、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基であり、rは2〜30の整数である。)
一般式(3)中、R及びRは、各々独立して、2価の炭化水素基又はフェニレン基であり、好ましくは炭素数1〜5の2価のアルキレン基である。
一般式(3)中、R〜Rは、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基であり、好ましくはメチル基である。
一般式(3)中、rは2〜30の整数であり、好ましくは3〜20である。
一般式(1)で表される構造単位及び一般式(2)で表される構造単位の割合は、これらの合計100モル%に対して、一般式(1)で表される構造単位を、好ましくは10モル%〜90モル%、より好ましくは20モル%〜80モル%であり、一般式(2)で表される構造単位を、好ましくは10モル%〜90モル%、より好ましくは20モル%〜80モル%である。
一般式(1)で表される構造単位と一般式(2)で表される構造単位とを含むポリイミドシリコーン樹脂は、例えば、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等の酸二無水物と、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等のジアミンと、ジアミノオルガノポリシロキサンと、を反応させることにより得ることができる。
ポリイミドシリコーン樹脂の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜100,000、より好ましくは10,000〜70,000である。
(A)成分として用いられるポリイミドシリコーン樹脂の市販品としては、SMP2006(信越化学社製)等が挙げられる。
光導波路用感光性樹脂組成物中、(A)成分の配合割合は、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、好ましくは30〜80質量%、より好ましくは40〜70質量%である。上記配合割合が30質量%未満であると、フィルム状光導波路の耐屈曲性が低下するため好ましくない。一方、上記配合割合が80質量%を超えると、それに伴い他の成分の配合割合が低下して、組成物の硬化速度が低下し、フィルム状光導波路の機械的強度が低下することがあるため、好ましくない。
[(B)成分]
光導波路用感光性樹脂組成物に用いられる(B)成分は、分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも1個有し、かつ、下記一般式(5)で表される構造を有する化合物である。
Figure 2009098156
(式中、R、R、及びRは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜20の脂環族基、炭素数6〜10の1価のアリール基、炭素数7〜11のアラルキル基、又は(メタ)アクリロイル基を有する1価の有機基であり、R、R、及びRのうち少なくとも1つは、(メタ)アクリロイル基を有する1価の有機基である。)
一般式(5)中、R、R及びRは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜20の脂環族基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜11のアラルキル基、又は(メタ)アクリロイル基を有する1価の有機基である。
炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
炭素数3〜20の脂環族基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−クロロシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、2−メチルアダマンチル基、トリシクロデカニル基等が挙げられる。
炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、1−ナフチル基等を挙げることができる。
炭素数7〜11のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する1価の有機基としては、例えば、下記一般式(6)で表される基が挙げられる。
Figure 2009098156
(式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、nは1以上の整数である。)
一般式(6)中、nは1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。
一般式(5)中、R、R、及びRのうち、少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基を有する有機基である。
(B)成分の具体例としては、例えば、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ジフェニルホスフェート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル〕ホスフェート、ビス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、ビス〔2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル〕ホスフェート、トリス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート等が挙げられる。中でも、トリス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェートが好ましい。
(B)成分として用いられるリン酸エステル化合物の市販品としては、例えば、ビスコート3PA(大阪有機化学工業社製)、ライトエステルP−1M、ライトエステルP−2M(共栄社化学社製)、MR−200、MR−260(大八化学社製)等が挙げられる。
光導波路用感光性樹脂組成物中、(B)成分の配合割合は、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは20〜40質量%である。上記配合割合が20質量%未満であると、フィルム状光導波路の難燃性が低下するため好ましくない。一方、上記配合割合が50質量%を超えると、それに伴い他の成分の配合割合が低下して、フィルム状光導波路の耐屈曲性が低下することがあるため好ましくない。
[(C)成分]
光導波路用感光性樹脂組成物に用いられる(C)成分は、ラジカル性光重合開始剤である。ラジカル性光重合開始剤は、活性種(ラジカル)を光によって発生することのできる光重合開始剤である。ここで光とは、例えば赤外線、可視光線、紫外線、及びX線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を意味する。
ラジカル性光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。中でも1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等は、重合速度、溶液安定性の観点から好ましく用いられる。
(C)成分の市販品としては、例えば、Irgacure184、369、379、651、500、819、907、784、2959、CGI−1700、−1750、−1850、CG24−61、Darocur 1116、1173(以上、チバ・スペシャリテイ・ケミカルズ社製);Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製);ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
ラジカル性光重合開始剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
また、ラジカル性光重合開始剤と共に光増感剤を用いることができる。光増感剤としては、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられる。光増感剤の市販品としては、例えば、ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
光導波路用感光性樹脂組成物中、(C)成分の配合割合は、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜7質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。上記配合割合が0.1質量%未満であると、組成物の光硬化性が低下し、十分な機械的強度を有するフィルム状光導波路が得られないため好ましくない。一方、上記配合割合が10質量%を超えると、過剰量のラジカル性光重合開始剤がフィルム状光導波路の長期特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
[(D)成分]
光導波路用感光性樹脂組成物は、必要に応じて、上記(B)成分以外のラジカル重合性化合物((D)成分)を含むことができる。上記ラジカル重合性化合物は、エチレン性不飽和結合(C=C)を有する化合物、具体的には、(メタ)アクリロイル基又はビニル基を有する化合物であり、例えば、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有する単官能モノマーや、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマー及び多官能モノマーは、各々1種単独で又は2種以上組み合わせるか、あるいは単官能モノマーの少なくとも1種と多官能モノマーの少なくとも1種とを組み合わせて用いることができる。
単官能モノマーの具体例としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等のビニルモノマー;イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、及び下記一般式(7)、(8)で表される単官能モノマー等が挙げられる。
Figure 2009098156
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数2〜8のアルキレン基、nは1〜8の整数を表す。)
Figure 2009098156
(式中、R及びRは、各々独立して、水素原子又はメチル基、Rは炭素数2〜8のアルキレン基、nは1〜8の整数を表す。)
単官能モノマーの市販品としては、例えば、ビスコート160(大阪有機化学工業社製)等が挙げられる。
多官能モノマーとしては、2官能性のモノマー、3官能性以上のモノマーが挙げられる。ここで、2官能性のモノマーとは、(メタ)アクリロイル基又はビニル基を分子中に2つ有する不飽和モノマーであり、その具体例としては、例えば、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート等のアルキルジオールジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等のポリアルキレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンメタノールジアクリレート等が挙げられる。
3官能性以上のモノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する(メタ)アクリレート、例えば、3価以上の多価アルコールの(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールポリアクリレート等が挙げられる。
多官能モノマーの市販品としては、例えば、TMPTA(日本化薬社製)等が挙げられる。
光導波路用感光性樹脂組成物中、(D)成分の配合割合は、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%、さらに好ましくは10〜20質量%である。上記配合割合を5質量%以上とすることにより、組成物の光硬化性をより向上させ、機械的強度に優れたフィルム状光導波路を得ることができる。一方、上記配合割合が40質量%を超えると、それに伴い他の成分の配合割合が低下して、フィルム状光導波路の難燃性や耐屈曲性が低下することがあるため好ましくない。
[(E)成分]
光導波路用感光性樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶剤((E)成分)を含むことができる。有機溶剤を配合することにより、適当な粘度を付与して、均一な厚さを有する硬化膜(例えば、クラッド層)を形成することができる。
有機溶剤の種類は、本発明の目的、効果を損なわない範囲で適宜選択することができるが、大気圧下での沸点が50〜200℃の範囲内の値を有し、かつ、各構成成分を均一に溶解させるものが好ましい。
有機溶剤の好ましい例としては、アルコール類、エーテル類、エステル類、及びケトン類が挙げられる。有機溶媒の好ましい化合物名としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、トルエン、キシレン、及びメタノールからなる群より選択される少なくとも1つの溶剤が挙げられる。
有機溶剤の配合量は、上記の(A)〜(C)成分と、必要に応じて配合される有機溶剤以外の任意成分との合計量100質量部に対し、好ましくは5〜500質量部、より好ましくは10〜300質量部、特に好ましくは20〜200質量部である。上記配合量が5質量部未満では、感光性樹脂組成物の粘度の調整が困難となることがある。一方、上記配合量が500質量部を超えると、十分な厚さを有する硬化膜(例えば、クラッド層)を形成することが困難なことがある。
また、光導波路用感光性樹脂組成物は、必要に応じて、例えば、成分(A)〜(D)以外の重合性反応基を有する化合物や、高分子樹脂(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリクロロプレン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー)等を含むことができる。
さらに、光導波路用感光性樹脂組成物は、必要に応じて、各種添加剤を含むことができる。各種添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、塗面改良剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、フィラー、無機粒子、老化防止剤、濡れ性改良剤、帯電防止剤等が挙げられる。
光導波路用感光性樹脂組成物は、上記の各成分を常法にしたがって混合撹拌することにより、調製される。
次に、図面を適宜参照しながら、本発明のフィルム状光導波路について詳しく説明する。
図1は、本発明のフィルム状光導波路の一例を模式的に示す断面図、図2は、本発明のフィルム状光導波路の製造方法の一例を示すフロー図である。
[フィルム状光導波路の構造]
図1中、光導波路24は、基板10と、コア部分20と、クラッド層(下部クラッド層12、及び上部クラッド層22)とから構成されている。下部クラッド層12は、基板10の上面に積層して形成されており、この下部クラッド層12の上面には、特定の幅を有するコア部分20が形成されている。コア部分20および下部クラッド層12の上面には、上部クラッド層22が積層して形成されている。なお、コア部分20は、光導波路24の外形を形成する下部クラッド層12および上部クラッド層22の中に埋設されている。
コア部分20、下部クラッド層12、及び上部クラッド層22のうち少なくとも1つは、上述の感光性樹脂組成物の硬化物からなる。特に、下部クラッド層12及び上部クラッド層22が、上述の感光性樹脂組成物の硬化物からなることが好ましい。
下部クラッド層、コア部分、および上部クラッド層の厚さは、特に限定されないが、例えば、下部クラッド層の厚さが1〜200μm、コア部分の厚さが3〜200μm、上部クラッド層の厚さが1〜200μmとなるように定められる。コア部分の幅は、特に限定されないが、例えば、1〜200μmである。
コア部分の屈折率は、下部クラッド層および上部クラッド層のいずれの屈折率よりも大きいものであることが必要である。例えば、波長400〜1,600nmの光に対して、コア部分の屈折率が1.420〜1.650、下部クラッド層および上部クラッド層の屈折率が1.400〜1.648であり、かつ、コア部分の屈折率が、2つのクラッド層のいずれの屈折率よりも少なくとも0.1%大きな値であることが好ましい。
[フィルム状光導波路の製造方法]
光導波路24の製造方法は、下部クラッド層12を形成する工程と、コア部分20を形成する工程と、上部クラッド層22を形成する工程を含む。これらの3つの工程のうち、少なくとも1つの工程は、上述の感光性樹脂組成物を光照射して硬化物を形成する工程である。
なお、光導波路を構成する下部クラッド層12、コア部分20および上部クラッド層22の各部を形成するための組成物は、各々、便宜上、下層用組成物、コア用組成物および上層用組成物と称する。
(1)材料の調製
下層用組成物、コア用組成物および上層用組成物の各々の成分組成は、下部クラッド層12、コア部分20および上部クラッド層22の各部の屈折率の関係が、光導波路に要求される条件を満足するように定められる。具体的には、屈折率の差が適宜の大きさとなるような二種または三種の光硬化性組成物を調製し、このうち、最も高い屈折率の硬化膜を与える光硬化性組成物をコア用組成物とし、他の光硬化性組成物を下層用組成物および上層用組成物として用いる。なお、下層用組成物と上層用組成物は、同一の光硬化性組成物(本発明の組成物)であることが、経済上および製造管理上、好ましい。また、コア用組成物についても、本発明の組成物(ただし、下層用組成物および上層用組成物よりも屈折率の高いもの)を用いることができる。
(2)基板の準備
図2中の(a)に示すように、光導波路を形成するための基材として、平坦な表面を有する基板10を用意する。この基板10の種類としては、特に限定されないが、例えば、シリコンウェハ、ガラス基板、PETフィルム、ポリイミドフィルム等を用いることができる。
(3)下部クラッド層の形成工程
基板10の表面に、下部クラッド層12を形成する工程である。
具体的には、図2中の(b)に示すように、基板10の表面に下層用組成物(本発明の組成物)を塗布し、必要に応じて乾燥またはプリベークして、下層用薄膜を形成する。次いで、この下層用薄膜に光を照射して硬化させ、硬化体である下部クラッド層12を形成する。なお、下部クラッド層12の形成工程においては、薄膜の全面に光を照射し、その全体を硬化することが好ましい。
ここで、下層用組成物の塗布方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法等のいずれかの方法を用いることができる。このうち、均一な厚さの下層用薄膜が得られることから、スピンコート法を採用することが好ましい。
下部クラッド層を形成する際の光は、特に限定されるものではないが、通常、200〜450nmの紫外〜可視領域の光、好ましくは波長365nmの紫外線を含む光が用いられる。波長200〜450nmでの照射は、照度が1〜1,000mW/cm2、照射量が0.01〜5,000mJ/cm2、好ましくは0.1〜1,000mJ/cm2となるように行なわれる。
照射する光の種類としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用いることができるが、光源の工業的な汎用性から、好ましくは200〜400nm、特に好ましくは365nmの紫外線を含む波長が好ましい。照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプなどの広い面積を同時に照射するランプ光源と、パルス、連続発光等のレーザー光源のいずれか一方又は両方の光源から、ミラー、レンズ、光ファイバーを用いて収束光を生じさせるものを用いることができる。
露光後に、塗膜全面が十分硬化するように、さらに加熱処理(ポストベーク)を行うことが好ましい。この加熱条件は、感光性樹脂組成物の成分組成等により異なるが、通常、30〜300℃、好ましくは50〜200℃で、例えば5分間〜72時間の加熱時間とすればよい。
なお、下部クラッド層の形成工程における、組成物の塗布方法、光の照射量、種類、および光(紫外線)の照射装置等は、後述するコア部分の形成工程や、上部クラッド層の形成工程においても同様である。
また、下部クラッド層の形成工程におけるポストベークの条件は、後述する上部クラッド層の形成工程においても同様である。
(4)コア部分の形成工程
下部クラッド層12の表面に、コア部分20を形成する工程である。
具体的には、図2中の(c)に示すように、下部クラッド層12の表面にコア用組成物を塗布し、必要に応じて乾燥(およびプリベーク)させてコア用薄膜14を形成する。その後、図2中の(d)に示すように、コア用薄膜14の上面に対して、所定のパターンに従って、例えば所定のラインパターンを有するフォトマスク18を介して光16の照射(露光)を行う。これにより、コア用薄膜14のうち、光が照射された箇所のみが硬化するので、それ以外の未硬化の部分を現像処理して除去することにより、図2中の(e)に示すように、下部クラッド層12上に、パターニングされた硬化膜からなるコア部分20を形成する。
本工程における現像処理の詳細は、次のとおりである。
現像処理は、所定のパターンに従ってパターン露光し、選択的に硬化させた薄膜に対して、硬化部分と未硬化部分との溶解性の差異を利用して、現像液を用いて未硬化部分のみの除去を行なうものである。つまり、パターン露光後、未硬化部分を除去し、かつ、硬化部分を残存させて、結果的にコア部分を形成させるものである。
現像処理に用いる現像液としては、有機溶媒、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、N−メチルピロリドン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナンなどのアルカリ類からなるアルカリ水溶液等を用いることができる。
なお、現像液としてアルカリ水溶液を用いる場合、その濃度は、通常0.05〜25質量%、好ましくは0.1〜3.0質量%である。また、アルカリ水溶液に、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤などを適当量加えて、現像液として使用することも好ましい。
現像時間は、通常30〜600秒間である。現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー現像法などの公知の方法を採用することができる。
現像液として有機溶媒を用いた場合は、そのまま風乾することにより、また、現像液としてアルカリ水溶液を用いた場合は、流水洗浄を例えば30〜90秒間行った後、圧縮空気や圧縮窒素等で風乾することによって、有機溶媒または水分が除去されて、パターン状の薄膜が形成される。
パターン状の薄膜(パターニング部)の形成後、このパターニング部をさらに硬化させるために、ホットプレートやオーブンなどの加熱装置を用いて、例えば30〜200℃の温度で5〜600分間ポストベーク処理すれば、硬化体であるコア部分20が形成される。
本工程において、所定のパターンに従って光の照射を行う方法としては、光の透過部と非透過部とからなるフォトマスク18を用いる方法に限られず、例えば、以下に示すa〜cの方法のいずれかを採用してもよい。
a.液晶表示装置と同様の原理を利用して、所定のパターンに従って光透過領域と光不透過領域とからなるマスク像を電気光学的に形成する手段を利用する方法。
b.多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して光を照射する方法。
c.レーザ光、あるいはレンズ、ミラー等の集光性光学系により得られる収束性の光を、走査させながら感光性樹脂組成物に照射する方法。
(5)上部クラッド層の形成工程
コア部分20および下部クラッド層12の表面に、上部クラッド層22を形成する工程である。
具体的には、コア部分20および下部クラッド層12の表面に、上層用組成物を塗布し、必要に応じて乾燥またはプリベークして上層用薄膜を形成する。この上層用薄膜に対し、光を照射して硬化させると、図2中の(f)に示すように上部クラッド層22が形成される。上部クラッド層22は、さらに、ポストベークを行なうことが好ましい。ポストベークを行なえば、大きな硬度および優れた耐熱性を有する上部クラッド層22が得られる。
その後、基板10を剥離せずにそのまま(図2中の(g))とするか、あるいは基板10を剥離すると(図示しない)、フィルム状光導波路1が得られる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
[実施例1、2、比較例1〜4]
表1に示す配合割合で、各成分を配合して均一に混合することによって、感光性樹脂組成物を調製した。
次いで、得られた感光性樹脂組成物を用いて、下記の方法により難燃性、耐屈曲性を評価した。結果を表1に示す。
(難燃性)
アプリケーターを用いて、PETフィルム上に感光性組成物を塗布し、120℃の温度で5分間乾燥して感光性樹脂組成物層を形成させた。その後、該感光性樹脂組成物層に、メタルハライドランプを用いて照度200mW/cm、照射光量1.0J/cmの条件で紫外線を照射して硬化させ、厚さ70μmの硬化膜を得た。硬化膜をPETフィルムから剥離した後、該硬化膜から幅5mm、長さ50mmの試験片を得た。
得られた試験片を、長手方向が垂直になるようにクランプで固定し、下端からライターの炎(ブタンガス、流量5cc/分、炎の長さ12mm)を2秒間接炎した場合に、接炎後、フィルム状光導波路が焼失しない場合を「○」、焼失した場合を「×」とした。
(耐屈曲性)
上記難燃性の評価と同様にして試験片を得た。試験片を手で折り曲げた場合に、クラック又は破断が発生しない場合を「○」、発生する場合を「×」とした。
Figure 2009098156
表1から、本発明の光導波路用感光性樹脂組成物を用いた実施例1、2では、優れた難燃性及び耐屈曲性が得られることがわかる。一方、(A)成分を含まない比較例1、2では、耐屈曲性が劣ることがわかる。また、(B)成分を含まない比較例3、及び(A)及び(B)成分を含まない比較例4では、難燃性が劣ることがわかる。
本発明のフィルム状光導波路の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のフィルム状光導波路の製造方法の一例を示すフロー図である。
符号の説明
10 基板
12 下部クラッド層
14 コア用薄膜
16 光
18 フォトマスク
20 コア部分
22 上部クラッド層
24 光導波路

Claims (7)

  1. コア部分及びクラッド層を有する光導波路であって、前記コア部分及び前記クラッド層のうち一以上が、下記(A)〜(C)成分を含む光導波路用感光性樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とするフィルム状光導波路。
    (A)下記一般式(1)で表される構造単位と下記一般式(2)で表される構造単位とを含むポリイミドシリコーン樹脂
    Figure 2009098156
    Figure 2009098156
    (式中、X及びXは、各々独立して、四価の有機基、Yは二価の有機基、Zはオルガノポリシロキサン構造を有する二価の有機基である。)、
    (B)分子中に重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも1個有し、かつ、下記一般式(5)で表される構造を有する化合物
    Figure 2009098156
    (式中、R、R、及びRは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜20の脂環族基、炭素数6〜10の1価のアリール基、炭素数7〜11のアラルキル基、又は(メタ)アクリロイル基を有する有機基であり、R、R、及びRのうち少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基を有する有機基である。)
    (C)ラジカル性光重合開始剤
  2. 下部クラッド層、コア部分、及び上部クラッド層を含むフィルム状光導波路であって、上記下部クラッド層及び上記上部クラッド層が、上記光導波路用感光性樹脂組成物の硬化物からなる請求項1に記載のフィルム状光導波路。
  3. 上記光導波路用感光性樹脂組成物が、さらに、(D)上記(B)成分以外のラジカル重合性化合物を含む請求項1又は2に記載のフィルム状光導波路。
  4. 上記光導波路用感光性樹脂組成物中、上記(A)成分、上記(B)成分、及び上記(C)成分の各々の配合割合が、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、30〜80質量%、10〜50質量%、及び0.1〜10質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルム状光導波路。
  5. 上記光導波路用感光性樹脂組成物中、上記(D)成分の配合割合が、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、5〜40質量%である請求項3又は4に記載のフィルム状光導波路。
  6. 上記光導波路用感光性樹脂組成物が、さらに、(E)有機溶剤を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルム状光導波路。
  7. (A)下記一般式(1)で表される構造単位と下記一般式(2)で表される構造単位とを含むポリイミドシリコーン樹脂、
    Figure 2009098156
    Figure 2009098156
    (式中、X及びXは、各々独立して、四価の有機基、Yは二価の有機基、Zはオルガノポリシロキサン構造を有する二価の有機基である。)
    (B)分子中に重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも1個有し、かつ、下記一般式(5)で表される構造を有する化合物、及び
    Figure 2009098156
    (式中、R、R、及びRは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜20の脂環族基、炭素数6〜10の1価のアリール基、炭素数7〜11のアラルキル基、又は(メタ)アクリロイル基を有する有機基であり、R、R、及びRのうち少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基を有する有機基である。)
    (C)ラジカル性光重合開始剤、
    を含む光導波路用感光性樹脂組成物。
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