JP2009244358A - フィルム状光導波路 - Google Patents

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了嗣 多田羅
Takaaki Uno
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Abstract

【課題】光導波路本体(コア部分やクラッド層)に用いて、優れた難燃性を有するフィルム状光導波路を形成することのできる感光性樹脂組成物、及び該フィルム状光導波路を提供する。
【解決手段】フィルム状光導波路は、コア部分及びクラッド層を有する光導波路であって、前記コア部分及び前記クラッド層のうち一以上が、(B)特定の式で表されるホスファゼン化合物、及び(C)光ラジカル重合開始剤を含む光導波路用感光性樹脂組成物の硬化物からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、難燃性を有するフィルム状光導波路、及び該フィルム状光導波路の材料として用いるための感光性樹脂組成物に関する。
マルチメディア時代を迎え、光通信システムやコンピューターにおける情報処理の大容量化及び高速化の要求から、光の伝送媒体として光導波路が注目されている。
近年、従来代表的であった石英系光導波路にかえて、製造時間の短縮化や歩留まりの増大等の生産性の向上を目的に、光硬化性組成物、例えば(メタ)アクリル系やエポキシ系の光硬化性組成物を用いるポリマー系光導波路が提案されている。
(メタ)アクリル系の光硬化性組成物としては、例えば、(A)カルボキシル基、重合性基及びそれ以外の有機基を有するビニル系重合体、(B)分子中に2個以上の重合性反応基を有する化合物、及び(C)放射線重合開始剤、を含有する光導波路形成用放射線硬化性組成物が提案されている(特許文献1)。
また、エポキシ系の光硬化性組成物としては、例えば、(A)特定のノボラック型エポキシ樹脂、及び(B)光酸発生剤を含有する光導波路形成用感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献2)。
特開2003−195079号公報 特開2005−274664号公報
光導波路の形成材料として用いられる従来の光硬化性組成物は、光信号の伝送媒体としての使用に適する伝送特性等を有するものの、難燃性に劣るという問題がある。
一方、光導波路の外表面に保護層を設けることにより、難燃性等の特性を付与することが行われているが、保護層を設けることなく、光導波路本体(コア部分やクラッド層)にこれらの特性を付与することができれば、さらなる製造工程の簡易化や、コストの低減等を達成することができる。
そこで、本発明は、光導波路本体(コア部分やクラッド層)の材料として用いて、優れた難燃性を有するフィルム状光導波路を形成することのできる感光性樹脂組成物、及び該フィルム状光導波路を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のホスファゼン化合物と、光ラジカル重合開始剤とを含む感光性樹脂組成物によれば、本発明の上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[10]を提供するものである。
[1] コア部分及びクラッド層を有する光導波路であって、前記コア部分及び前記クラッド層のうち一以上が、下記(B)及び(C)成分を含む光導波路用感光性樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とするフィルム状光導波路。
(B)下記式(5)で表されるホスファゼン化合物
Figure 2009244358
(式(5)中、R10及びR11は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、又は(メタ)アクリロイル基を含有する基であり、R12、R13、R14、及びR15は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基を含有する基、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアリール基、または、置換又は非置換のアリールオキシ基である。)
(C)光ラジカル重合開始剤
[2] コア部分及びクラッド層を有する光導波路であって、前記コア部分及び前記クラッド層のうち一以上が、下記(A)〜(C)成分を含む光導波路用感光性樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とするフィルム状光導波路。
(A)分子中に、少なくとも1個のフッ素原子と、少なくとも1個の重合性炭素−炭素二重結合とを有する化合物(ただし、リン原子を含むものは除く。)
(B)下記式(5)で表されるホスファゼン化合物
Figure 2009244358
(式(5)中、R10及びR11は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、又は(メタ)アクリロイル基を含有する基であり、R12、R13、R14、及びR15は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基を含有する基、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアリール基、または、置換又は非置換のアリールオキシ基である。)
(C)光ラジカル重合開始剤
[3] 下部クラッド層、コア部分、及び上部クラッド層を含むフィルム状光導波路であって、上記下部クラッド層及び上記上部クラッド層が、上記光導波路用感光性樹脂組成物の硬化物からなる上記[1]又は[2]に記載のフィルム状光導波路。
[4] 上記光導波路用感光性樹脂組成物中、上記(A)成分、上記(B)成分、及び上記(C)成分の各々の配合割合が、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、0〜80質量%、5〜80質量%、及び0.1〜10質量%である上記[1]〜[3]に記載のフィルム状光導波路。
[5] 上記光導波路用感光性樹脂組成物が、さらに、(D)上記(A)成分及び(B)成分以外のラジカル重合性化合物を含む上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のフィルム状光導波路。
[6] 上記光導波路用感光性樹脂組成物中、上記(D)成分の配合割合が、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、0〜40質量%である上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載のフィルム状光導波路。
[7] 上記光導波路用感光性樹脂組成物が、さらに、(E)ポリイミドシリコーン樹脂を含む上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載のフィルム状光導波路。
[8] 上記光導波路用感光性樹脂組成物中、上記(E)成分の配合割合が、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、0〜70質量%である上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載のフィルム状光導波路。
[9] 上記光導波路用感光性樹脂組成物が、さらに、(F)有機溶剤を含む上記[1]〜[8]のいずれか1つに記載のフィルム状光導波路。
[10] (A)分子中に、少なくとも1個のフッ素原子と、少なくとも1個の重合性炭素−炭素二重結合とを有する化合物(ただし、リン原子を含むものは除く。)、
(B)下記式(5)で表されるホスファゼン化合物
Figure 2009244358
(式(5)中、R10及びR11は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、又は(メタ)アクリロイル基を含有する基であり、R12、R13、R14、及びR15は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基を含有する基、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換のアリールオキシ基である。)、及び
(C)光ラジカル重合開始剤、
を含む光導波路用感光性樹脂組成物。
本発明のフィルム状光導波路は、コア部分及びクラッド層のうち少なくとも1つが、特定の成分を含む感光性樹脂組成物の硬化物からなるため、優れた難燃性を有する。特に、下部クラッド層、コア部分、及び上部クラッド層のうち、下部クラッド層及び上部クラッド層が上記感光性樹脂組成物の硬化物からなると、優れた難燃性を得ることができる。
また、本発明のフィルム状光導波路は、光導波路本体(コア部分やクラッド層)自体が優れた難燃性を有しており、例えばクラッド層の外表面に保護層等を設ける必要がないため、さらなる製造工程の簡素化やコストの低減等を達成することができる。
本発明のフィルム状光導波路は、コア部分及びクラッド層を含み、コア部分及びクラッド層のうち少なくとも1つが、特定の成分を含む光導波路用感光性樹脂組成物の硬化物からなる。
まず、本発明の光導波路用感光性樹脂組成物について、詳しく説明する。
[光導波路用感光性樹脂組成物]
光導波路用感光性樹脂組成物は、(B)及び(C)成分と、必要に応じて配合される(A)成分などの他の任意成分とを含む。
[(A)成分]
光導波路用感光性樹脂組成物に用いられる(A)成分は、分子中に、少なくとも1個のフッ素原子と、少なくとも1個の重合性炭素−炭素二重結合とを有する化合物(ただし、リン原子を含むものは除く。)である。(A)成分を、後述の(B)成分とともに用いることにより、優れた難燃性を有するフィルム状光導波路を得ることができる。
(A)成分としては、少なくとも1個のフッ素原子と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを有する化合物が挙げられる。ここで、エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
(A)成分の具体例としては、下記式(1)で表される構造単位と、下記式(2−1)及び/又は式(2−2)で表される構造単位と、下記式(3)で表される構造単位と、を含む水酸基含有含フッ素重合体(a)と、水酸基と反応し得る、エチレン性不飽和基含有化合物(b)とを反応させてなる化合物(A−1)が挙げられる。
Figure 2009244358
[式(1)中、Rはフッ素原子、フルオロアルキル基又は−ORで表される基(Rはアルキル基又はフルオロアルキル基を示す。)を示す。]
Figure 2009244358
[式(2−1)中、Rは水素原子又はメチル基を、Rはアルキル基、−(CH−OR若しくは−OCORで表される基(Rはアルキル基又はグリシジル基を、dは0又は1の数を示す。)、カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基を示す。]
Figure 2009244358
[式(2−2)中、Rは式(2−1)で定義した通りであり、Rはフルオロアルキル基又はフルオロアリール基を示し、xは0〜2の数を示す。]
Figure 2009244358
[式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を、Rは水素原子又はヒドロキシアルキル基を、vは0又は1の数を示す。]
上記式(1)中、R及びRのフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロシクロヘキシル基等の炭素数1〜6のフルオロアルキル基が挙げられる。また、Rのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
式(1)で表される構造単位(以下、構造単位(1)ともいう。)は、含フッ素ビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。
含フッ素ビニル単量体としては、少なくとも1個の重合性不飽和二重結合と、少なくとも1個のフッ素原子とを有する化合物であれば特に制限されるものではない。具体的には、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン等のフルオロレフィン類;アルキルパーフルオロビニルエーテル又はアルコキシアルキルパーフルオロビニルエーテル類;パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類;パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;等が挙げられる。これらは、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いられる。
これらうち、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)が好ましく、がより好ましく、ヘキサフルオロプロピレンと、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)又はパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)とを組み合わせて用いることがより好ましい。このような組み合わせで用いることにより、より難燃性に優れたフィルム状光導波路を得ることができる。
式(2−1)中、R又はRのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ラウリル基等の炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
式(2−1)で表される構造単位(以下、構造単位(2−1)ともいう。)は、式(2−1)に対応する置換基を有するビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。
このようなビニル単量体としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルもしくはシクロアルキルビニルエーテル類;エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル等のアリルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類;等が挙げられる。これらは、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いられる。
式(2−2)で表される構造単位(以下、構造単位(2−2)ともいう。)は、式(2−2)に対応する置換基を有するビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。
このようなビニル単量体としては、以下の構造式を有するものが挙げられる。
Figure 2009244358
[式中、Rは水素原子又はメチル基であり、xは0〜2の数を表す。また、上記式中、芳香環の中にFと記した基は、5つの水素の全てがフッ素原子で置換されていることを示す。]
式(3)中、Rのヒドロキシアルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基が挙げられる。
式(3)で表される構造単位(以下、構造単位(3)ともいう。)は、水酸基含有ビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。
このような水酸基含有ビニル単量体としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類、アリルアルコール等が挙げられる。
また、水酸基含有ビニル単量体としては、上記以外にも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等を用いることができる。
なお、構造単位(1)と、構造単位(2−1)及び/又は構造単位(2−2)と、構造単位(3)との合計100モル%中、各構造単位の含有率は以下のとおりである。
構造単位(1)の含有率は、好ましくは30〜65モル%、より好ましくは35〜60モル%、さらに好ましくは40〜55モル%である。該含有率が30モル%未満であると、
難燃性の付与が困難となることがあり、一方、65モル%を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の有機溶剤への溶解性が低下したり、得られる硬化物の透明性や基材への密着性が低下することがある。
構造単位(2−1)及び/又は構造単位(2−2)の含有率は、好ましくは1〜50モル%、より好ましくは1〜45モル%である。該含有率が、1モル%未満であると、水酸基含有含フッ素共重合体の有機溶剤への溶解性が低下することがあり、一方、50モル%を超えると、得られる硬化物の透明性や光学特性が低下することがある。
なお、構造単位(2−1)及び/又は構造単位(2−2)の含有率とは、構造単位(2−1)又は(2−2)が単独で用いられた場合には、構造単位(2−1)又は(2−2)のいずれかの含有率を意味し、構造単位(2−1)と(2−2)を併用した場合には、両者の合計の含有率を意味する。
構造単位(3)の含有率は、好ましくは5〜60モル%、より好ましくは5〜55モル%、さらに好ましくは10〜50モル%である。該含有率が、5モル%未満であると、硬化物の硬度が不十分なことがあり、一方、60モル%を超えると、硬化物の透明性や光学特性が低下することがある。
なお、水酸基含有含フッ素重合体は、上記(1)〜(3)以外の構造単位を含むこともできる。
水酸基含有含フッ素重合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで、テトラヒ
ドロフランを溶剤として測定したポリスチレン換算数平均分子量は、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜300,000、さらに好ましくは10,000〜100,000である。数平均分子量が5,000未満であると、硬化物の機械的強度が低下することがあり、一方、500,000を超えると、感光性樹脂組成物の粘度が高くなり、塗工性が低下することがある。
(b)水酸基と反応し得る、エチレン性不飽和基含有化合物としては、上記水酸基含有含フッ素重合体中の水酸基と反応し得る官能基と、エチレン性不飽和基とを有する化合物が挙げられる。
上記官能基としては、イソシアネート基、酸クロリド基、カルボン酸基等が挙げられるが、好ましくはイソシアネート基である。
上記エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
このような化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルクロライド、無水(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等が挙げられる。これらは、一種単独で又は二種以上組み合わせて用いられる。
化合物(A−1)は、上記構造単位(1)、構造単位(2−1)及び/又は構造単位(2−2)、構造単位(3)の各々を導入するためのビニル単量体を、公知の方法にて重合して水酸基含有含フッ素重合体を得た後、該重合体中の水酸基に、上記(b)成分(水酸基と反応し得る官能基と、エチレン性不飽和基とを有する化合物)中の官能基を反応させることにより合成することができる。
成分(b)は、当該成分(b)中の官能基と、構造単位(3)(あるいは、水酸基含有ビニル単量体)中の水酸基とが、当量で反応するように配合されることが好ましい。具体的には、官能基の数と水酸基の数との比(官能基の数/水酸基の数)が、0.8〜1.2、好ましくは0.9〜1.1となる量で配合される。
また、(A)成分の他の例としては、下記式(4)で表される化合物(A−2)が挙げられる。
Figure 2009244358
[式(4)中、Rは水素原子又はメチル基である。]
式(4)中、Rは、水素原子であることが好ましい。
このような化合物の市販品としては、LINC−3A(共栄社化学株式会社製;上記式(4)で表される化合物(ただし、式中Rは水素原子)の含有量65質量%、ペンタエリスリトールテトラアクリレートを35質量%含む)が挙げられる。
光導波路用感光性樹脂組成物中、(A)成分の配合割合は、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、好ましくは0〜80質量%、より好ましくは15〜70質量%、さらに好ましくは30〜60質量%である。上記配合割合が80質量%を超えると、それに伴い他の成分(特に(B)成分)の割合が小さくなり、フィルム状光導波路の難燃性が低下するため好ましくない。
なお、成分(A)としては、上記化合物(A−1)又は化合物(A−2)を単独で用いてもよいし、あるいはこれらを併用して用いることもできる。
[(B)成分]
光導波路用感光性樹脂組成物に用いられる(B)成分は、下記式(5)で表されるホスファゼン化合物である。(B)成分を用いることにより、優れた難燃性を有するフィルム状光導波路を得ることができる。
Figure 2009244358
(式(5)中、R10及びR11は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、又は(メタ)アクリロイル基を含有する基であり、R12、R13、R14、及びR15は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基を含有する基、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアリール基、または、置換又は非置換のアリールオキシ基である。)、
式(5)中、(メタ)アクリロイル基を含有する基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基、下記式(6)で表される基、下記式(7)で表される基(ヒドロキシアルキル置換(メタ)アクリルアミドの水酸基から水素原子を除いた残基)、下記式(8)で表される基((メタ)アクリルアミドのアミノ基から水素原子を1個除いた残基)が挙げられる。
Figure 2009244358
(式(6)中、R16は水素原子又はメチル基であり、R17は炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である。)
Figure 2009244358
(式(7)中、R16及びR17は、式(6)中と同様である。)
Figure 2009244358
(式(8)中、R16は式(6)中と同様である。)
式(5)中、R12、R13、R14、及びR15のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基等の炭素数1〜5の低級アルキル基が挙げられる。これら低級アルキル基は、メチル基、エチル基等の炭素数1〜5の低級アルキル基等の分岐を有していてもよい。
置換又は非置換のアリール基、上記置換又は非置換のアリールオキシ基としては、フェニル基、メチルフェニル基、フェニルオキシ基、メチルフェニルオキシ基等が挙げられる。
光導波路用感光性樹脂組成物中、(B)成分の配合割合は、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは5〜50質量%、さらに好ましくは10〜40質量%である。上記配合割合が5質量%未満であると、フィルム状光導波路の難燃性が低下するため好ましくない。一方、上記配合割合が80質量%を超えると、それに伴い他の成分(特に(A)成分)の配合割合が低下して、フィルム状光導波路の難燃性が低下するため好ましくない。
[(C)成分]
光導波路用感光性樹脂組成物に用いられる(C)成分は、ラジカル性光重合開始剤である。ラジカル性光重合開始剤は、活性種(ラジカル)を光によって発生することのできる光重合開始剤である。ここで光とは、例えば赤外線、可視光線、紫外線、及びX線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を意味する。
上記ラジカル性光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。中でも1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等は、重合速度、溶液安定性の観点から好ましく用いられる。
(C)成分の市販品としては、例えば、Irgacure184、369、379、651、500、819、907、784、2959、CGI−1700、−1750、−1850、CG24−61、Darocur 1116、1173(以上、チバ・スペシャリテイ・ケミカルズ社製);Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製);ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
ラジカル性光重合開始剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
また、ラジカル性光重合開始剤と共に光増感剤を用いることができる。光増感剤としては、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられる。光増感剤の市販品としては、例えば、ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
光導波路用感光性樹脂組成物中、(C)成分の配合割合は、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜7質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。上記配合割合が0.1質量%未満であると、組成物の光硬化性が低下し、十分な機械的強度を有するフィルム状光導波路が得られないため好ましくない。一方、上記配合割合が10質量%を超えると、過剰量のラジカル性光重合開始剤がフィルム状光導波路の長期特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
[(D)成分]
光導波路用感光性樹脂組成物は、必要に応じて、上記(A)成分及び(B)成分以外のラジカル重合性化合物((D)成分)を含むことができる。前記ラジカル重合性化合物は、エチレン性不飽和結合(C=C)を有する化合物、具体的には、(メタ)アクリロイル基又はビニル基を有する化合物であり、例えば、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有する単官能モノマーや、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマー及び多官能モノマーは、各々1種単独で又は2種以上組み合わせるか、あるいは単官能モノマーの少なくとも1種と多官能モノマーの少なくとも1種とを組み合わせて用いることができる。
単官能モノマーの具体例としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等のビニルモノマー;イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、及び下記一般式(9)、(10)で表される単官能モノマー等が挙げられる。
Figure 2009244358
(式(9)中、R18は水素原子又はメチル基、R19は炭素数2〜8のアルキレン基、mは1〜8の整数を表す。)
Figure 2009244358
(式(10)中、R20及びR22は、各々独立して、水素原子又はメチル基、R21は炭素数2〜8のアルキレン基、lは1〜8の整数を表す。)
単官能モノマーの市販品としては、例えば、ビスコート160(大阪有機化学工業社製);ACMO(興人社製)等が挙げられる。
多官能モノマーとしては、2官能性のモノマー、3官能性以上のモノマーが挙げられる。ここで、2官能性のモノマーとは、(メタ)アクリロイル基又はビニル基を分子中に2つ有する不飽和モノマーであり、その具体例としては、例えば、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート等のアルキルジオールジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等のポリアルキレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンメタノールジアクリレート等が挙げられる。
3官能性以上のモノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する(メタ)アクリレート、例えば、3価以上の多価アルコールの(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールポリアクリレート等が挙げられる。
多官能モノマーの市販品としては、例えば、TMPTA(日本化薬社製)等が挙げられる。
光導波路用感光性樹脂組成物中、(D)成分の配合割合は、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、好ましくは0〜40質量%、より好ましくは0〜30質量%、さらに好ましくは5〜25質量%である。上記配合割合を5質量%以上とすることにより、組成物の光硬化性をより向上させ、機械的強度に優れたフィルム状光導波路を得ることができる。一方、上記配合割合が40質量%を超えると、それに伴い他の成分の配合割合が低下して、フィルム状光導波路の難燃性が低下することがあるため好ましくない。
[(E)成分]
光導波路用感光性樹脂組成物は、必要に応じて、ポリイミドシリコーン樹脂((E)成分)を含むことができる。ポリイミドシリコーン樹脂としては、例えば下記式(11)で表される繰り返し単位と、下記式(12)で表される繰り返し単位とを含むポリイミドシリコーン樹脂が挙げられる。
Figure 2009244358
(式中、X及びXは、各々独立して、四価の有機基、Yは二価の有機基、Zはオルガノポリシロキサン基を有する二価の有機基である。)
式(11)及び(12)中、X及びXは、各々独立して、四価の有機基であり、例えば、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(オルトジフェニルフタル酸二無水物)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物等の酸二無水物に由来する四価の有機基が挙げられる。これらのうち、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物に由来する四価の有機基が好ましい。
式(11)中のYは二価の有機基であり、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,5−ジアミノナフタレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−(p−ビフェニレンジオキシ)ジアニリン等のジアミンに由来する二価の有機基が挙げられる。これらのうち、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンに由来する二価の有機基が好ましい。
式(12)中のZは、オルガノポリシロキサン構造を有する二価の有機基であり、例えば、下記式(13)で表される二価の基が挙げられる。式(13)で表される二価の基は、ジアミノオルガノポリシロキサンのアミノ基を除く二価の残基である。
Figure 2009244358
(式中、R23及びR24は、各々独立して、2価の炭化水素基又はフェニレン基であり、R25〜R28は、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基であり、rは2〜30の整数である。)
式(13)中、R23及びR24は、各々独立して、2価の炭化水素基又はフェニレン基であり、好ましくは炭素数1〜5の2価のアルキレン基である。
式(13)中、R25〜R28は、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基であり、好ましくはメチル基である。
式(13)中、rは2〜30の整数であり、好ましくは3〜20である。
式(11)で表される構造単位及び式(12)で表される構造単位の割合は、これらの合計100モル%に対して、式(11)で表される構造単位を、好ましくは10モル%〜90モル%、より好ましくは20モル%〜80モル%であり、式(12)で表される構造単位を、好ましくは10モル%〜90モル%、より好ましくは20モル%〜80モル%である。
式(11)で表される構造単位と式(12)で表される構造単位とを含むポリイミドシリコーン樹脂は、例えば、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等の酸二無水物と、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等のジアミンと、ジアミノオルガノポリシロキサンと、を反応させることにより得ることができる。
ポリイミドシリコーン樹脂の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜100,000、より好ましくは10,000〜70,000である。
(E)成分として用いられるポリイミドシリコーン樹脂の市販品としては、SMP2006(信越化学社製)等が挙げられる。
光導波路用感光性樹脂組成物中、(E)成分の配合割合は、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、好ましくは0〜70質量%、より好ましくは0〜60質量%、さらに好ましくは5〜30質量%である。上記配合割合が70質量%を超えると、それに伴い他の成分の配合割合が低下して、組成物の硬化速度が低下し、フィルム状光導波路の機械的強度が低下することがあるため好ましくない。上記配合割合を5質量%以上とすることにより、難燃性を向上させることができる。
[(F)成分]
光導波路用感光性樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶剤((F)成分)を含むことができる。有機溶剤を配合することにより、適当な粘度を付与して、均一な厚さを有する硬化膜(例えば、クラッド層)を形成することができる。
有機溶剤の種類は、本発明の目的、効果を損なわない範囲で適宜選択することができるが、大気圧下での沸点が50〜200℃の範囲内の値を有し、かつ、各構成成分を均一に溶解させるものが好ましい。
有機溶剤の好ましい例としては、アルコール類、エーテル類、エステル類、及びケトン類が挙げられる。有機溶媒の好ましい化合物名としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、トルエン、キシレン、及びメタノールからなる群より選択される少なくとも1つの溶剤が挙げられる。
有機溶剤の配合量は、上記の(A)〜(C)成分と、必要に応じて配合される有機溶剤以外の任意成分との合計量100質量部に対し、好ましくは5〜500質量部、より好ましくは10〜300質量部、特に好ましくは20〜200質量部である。上記配合量が5質量部未満では、感光性樹脂組成物の粘度の調整が困難となることがある。一方、上記配合量が500質量部を超えると、十分な厚さを有する硬化膜(例えば、クラッド層)を形成することが困難なことがある。
また、光導波路用感光性樹脂組成物は、必要に応じて、例えば、上記成分以外の重合性反応基を有する化合物や、高分子樹脂(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリクロロプレン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー)等を含むことができる。
さらに、光導波路用感光性樹脂組成物は、必要に応じて、各種添加剤を含むことができる。各種添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、塗面改良剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、フィラー、無機粒子、老化防止剤、濡れ性改良剤、帯電防止剤等が挙げられる。
光導波路用感光性樹脂組成物は、上記の各成分を常法にしたがって混合撹拌することにより、調製される。
次に、図面を適宜参照しながら、本発明のフィルム状光導波路について詳しく説明する。
図1は、本発明のフィルム状光導波路の一例を模式的に示す断面図、図2は、本発明のフィルム状光導波路の製造方法の一例を示すフロー図である。
[フィルム状光導波路の構造]
図1中、光導波路24は、基板10と、コア部分20と、クラッド層(下部クラッド層12、及び上部クラッド層22)とから構成されている。下部クラッド層12は、基板10の上面に積層して形成されており、この下部クラッド層12の上面には、特定の幅を有するコア部分20が形成されている。コア部分20および下部クラッド層12の上面には、上部クラッド層22が積層して形成されている。なお、コア部分20は、光導波路24の外形を形成する下部クラッド層12および上部クラッド層22の中に埋設されている。
コア部分20、下部クラッド層12、及び上部クラッド層22のうち少なくとも1つは、上述の感光性樹脂組成物の硬化物からなる。特に、下部クラッド層12及び上部クラッド層22が、上述の感光性樹脂組成物の硬化物からなることが好ましい。
下部クラッド層、コア部分、および上部クラッド層の厚さは、特に限定されないが、例えば、下部クラッド層の厚さが1〜200μm、コア部分の厚さが3〜200μm、上部クラッド層の厚さが1〜200μmとなるように定められる。コア部分の幅は、特に限定されないが、例えば、1〜200μmである。
コア部分の屈折率は、下部クラッド層および上部クラッド層のいずれの屈折率よりも大きいものであることが必要である。例えば、波長400〜1,600nmの光に対して、コア部分の屈折率が1.420〜1.650、下部クラッド層および上部クラッド層の屈折率が1.400〜1.648であり、かつ、コア部分の屈折率が、2つのクラッド層のいずれの屈折率よりも少なくとも0.1%大きな値であることが好ましい。
[フィルム状光導波路の製造方法]
光導波路24の製造方法は、下部クラッド層12を形成する工程と、コア部分20を形成する工程と、上部クラッド層22を形成する工程を含む。これらの3つの工程のうち、少なくとも1つの工程は、上述の感光性樹脂組成物を光照射して硬化物を形成する工程である。
なお、光導波路を構成する下部クラッド層12、コア部分20および上部クラッド層22の各部を形成するための組成物は、各々、便宜上、下層用組成物、コア用組成物および上層用組成物と称する。
(1)材料の調製
下層用組成物、コア用組成物および上層用組成物の各々の成分組成は、下部クラッド層12、コア部分20および上部クラッド層22の各部の屈折率の関係が、光導波路に要求される条件を満足するように定められる。具体的には、屈折率の差が適宜の大きさとなるような二種または三種の光硬化性組成物を調製し、このうち、最も高い屈折率の硬化膜を与える光硬化性組成物をコア用組成物とし、他の光硬化性組成物を下層用組成物および上層用組成物として用いる。なお、下層用組成物と上層用組成物は、同一の光硬化性組成物(本発明の組成物)であることが、経済上および製造管理上、好ましい。また、コア用組成物についても、本発明の組成物(ただし、下層用組成物および上層用組成物よりも屈折率の高いもの)を用いることができる。
(2)基板の準備
図2中の(a)に示すように、光導波路を形成するための基材として、平坦な表面を有する基板10を用意する。この基板10の種類としては、特に限定されないが、例えば、シリコンウェハ、ガラス基板、PETフィルム、ポリイミドフィルム等を用いることができる。
(3)下部クラッド層の形成工程
基板10の表面に、下部クラッド層12を形成する工程である。
具体的には、図2中の(b)に示すように、基板10の表面に下層用組成物(本発明の組成物)を塗布し、必要に応じて乾燥またはプリベークして、下層用薄膜を形成する。次いで、この下層用薄膜に光を照射して硬化させ、硬化体である下部クラッド層12を形成する。なお、下部クラッド層12の形成工程においては、薄膜の全面に光を照射し、その全体を硬化することが好ましい。
ここで、下層用組成物の塗布方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法等のいずれかの方法を用いることができる。このうち、均一な厚さの下層用薄膜が得られることから、スピンコート法を採用することが好ましい。
下部クラッド層を形成する際の光は、特に限定されるものではないが、通常、200〜450nmの紫外〜可視領域の光、好ましくは波長365nmの紫外線を含む光が用いられる。波長200〜450nmでの照射は、照度が1〜1,000mW/cm2、照射量が0.01〜5,000mJ/cm2、好ましくは0.1〜1,000mJ/cm2となるように行なわれる。
照射する光の種類としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用いることができるが、光源の工業的な汎用性から、好ましくは200〜400nm、特に好ましくは365nmの紫外線を含む波長が好ましい。照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプなどの広い面積を同時に照射するランプ光源と、パルス、連続発光等のレーザー光源のいずれか一方又は両方の光源から、ミラー、レンズ、光ファイバーを用いて収束光を生じさせるものを用いることができる。
露光後に、塗膜全面が十分硬化するように、さらに加熱処理(ポストベーク)を行うことが好ましい。この加熱条件は、感光性樹脂組成物の成分組成等により異なるが、通常、30〜300℃、好ましくは50〜200℃で、例えば5分間〜72時間の加熱時間とすればよい。
なお、下部クラッド層の形成工程における、組成物の塗布方法、光の照射量、種類、および光(紫外線)の照射装置等は、後述するコア部分の形成工程や、上部クラッド層の形成工程においても同様である。
また、下部クラッド層の形成工程におけるポストベークの条件は、後述する上部クラッド層の形成工程においても同様である。
(4)コア部分の形成工程
下部クラッド層12の表面に、コア部分20を形成する工程である。
具体的には、図2中の(c)に示すように、下部クラッド層12の表面にコア用組成物を塗布し、必要に応じて乾燥(およびプリベーク)させてコア用薄膜14を形成する。その後、図2中の(d)に示すように、コア用薄膜14の上面に対して、所定のパターンに従って、例えば所定のラインパターンを有するフォトマスク18を介して光16の照射(露光)を行う。これにより、コア用薄膜14のうち、光が照射された箇所のみが硬化するので、それ以外の未硬化の部分を現像処理して除去することにより、図2中の(e)に示すように、下部クラッド層12上に、パターニングされた硬化膜からなるコア部分20を形成する。
本工程における現像処理の詳細は、次のとおりである。
現像処理は、所定のパターンに従ってパターン露光し、選択的に硬化させた薄膜に対して、硬化部分と未硬化部分との溶解性の差異を利用して、現像液を用いて未硬化部分のみの除去を行なうものである。つまり、パターン露光後、未硬化部分を除去し、かつ、硬化部分を残存させて、結果的にコア部分を形成させるものである。
現像処理に用いる現像液としては、有機溶媒、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、N−メチルピロリドン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナンなどのアルカリ類からなるアルカリ水溶液等を用いることができる。
なお、現像液としてアルカリ水溶液を用いる場合、その濃度は、通常0.05〜25質量%、好ましくは0.1〜3.0質量%である。また、アルカリ水溶液に、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤などを適当量加えて、現像液として使用することも好ましい。
現像時間は、通常30〜600秒間である。現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー現像法などの公知の方法を採用することができる。
現像液として有機溶媒を用いた場合は、そのまま風乾することにより、また、現像液としてアルカリ水溶液を用いた場合は、流水洗浄を例えば30〜90秒間行った後、圧縮空気や圧縮窒素等で風乾することによって、有機溶媒または水分が除去されて、パターン状の薄膜が形成される。
パターン状の薄膜(パターニング部)の形成後、このパターニング部をさらに硬化させるために、ホットプレートやオーブンなどの加熱装置を用いて、例えば30〜200℃の温度で5〜600分間ポストベーク処理すれば、硬化体であるコア部分20が形成される。
本工程において、所定のパターンに従って光の照射を行う方法としては、光の透過部と非透過部とからなるフォトマスク18を用いる方法に限られず、例えば、以下に示すa〜cの方法のいずれかを採用してもよい。
a.液晶表示装置と同様の原理を利用して、所定のパターンに従って光透過領域と光不透過領域とからなるマスク像を電気光学的に形成する手段を利用する方法。
b.多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して光を照射する方法。
c.レーザ光、あるいはレンズ、ミラー等の集光性光学系により得られる収束性の光を、走査させながら感光性樹脂組成物に照射する方法。
(5)上部クラッド層の形成工程
コア部分20および下部クラッド層12の表面に、上部クラッド層22を形成する工程である。
具体的には、コア部分20および下部クラッド層12の表面に、上層用組成物を塗布し、必要に応じて乾燥またはプリベークして上層用薄膜を形成する。この上層用薄膜に対し、光を照射して硬化させると、図2中の(f)に示すように上部クラッド層22が形成される。上部クラッド層22は、さらに、ポストベークを行なうことが好ましい。ポストベークを行なえば、大きな硬度および優れた耐熱性を有する上部クラッド層22が得られる。
その後、基板10を剥離せずにそのまま(図2中の(g))とするか、あるいは基板10を剥離すると(図示しない)、フィルム状光導波路1が得られる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
[調製例1;(A)フッ素含有不飽和化合物の調製]
((a)水酸基含有含フッ素重合体の合成)
内容積2.0リットルの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル11544g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)3464g、エチルビニルエーテル938g、ヒドロキシエチルビニルエーテル1145g、過酸化ラウロイル37.5gを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
次いで、ヘキサフルオロプロピレン1953gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点での圧力は5.1×105Paを示した。その後、70℃で20時間攪拌下に反応を継続し、圧力が1.6×105Paに低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出してオートクレーブを開放し、固形分濃度32.6%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入しポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行い約5kgの水酸基含有含フッ素重合体を得た。
((A)フッ素含有不飽和化合物の合成)
電磁攪拌機、ガラス製冷却管及び温度計を備えた容量1リットルのセパラブルフラスコに、上記で得られた水酸基含有含フッ素重合体を100g、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルメチルフェノール0.17g及びメチルイソブチルケトン(MIBK)750gを仕込み、20℃で水酸基含有含フッ素重合体がMIBKに溶解して、溶液が透明、均一になるまで攪拌を行った。
次いで、この系に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート26.5gを添加し、溶液が均一になるまで攪拌した後、ジブチルチンジラウレート0.25gを添加して反応を開始し、系の温度を55〜65℃に保持し5時間攪拌を継続することにより、表1に示す組成(単位:モル%)を有するフッ素含有不飽和化合物J−1((A)成分)を得た。
各成分、触媒等の配合量を適宜変更したこと以外同様にして、表1に示す組成(単位:モル%)を有するフッ素含有不飽和化合物J−2、J−3を得た。
Figure 2009244358
[調製例2;(B)ホスファゼン化合物の調製]
温度計、撹拌装置、滴下ロート、及びコンデンサーを取り付けた1リットルのフラスコに、テトラヒドロフラン100mL及び金属ナトリウム11.6g(0.5モル)を投入し、さらにフェノール51.7g(0.55モル)を滴下し、還流下にナトリウムが消失するまで反応を行った。次に、ヘキサクロロシクロトリスホスファゼン58g(0.167モル)をトルエン100mLに溶解した溶液を上記の反応溶液中に滴下し、還流下で4時間かけて反応を続けた。次いで、反応液の温度を室温まで冷却した後、これにHEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)78g(0.6モル)を滴下ロートから徐々に滴下した。その後、温浴にて60℃に加熱し、その温度で8時間かけて撹拌し、反応を行った。次いで、トルエン400ccを加え、析出した結晶及び触媒をろ別し、ろ液を水洗した。ろ液を芒硝を用いて乾燥した後、溶媒を減圧蒸留により除去し、黄色液状物(1,3,5−トリ(メタクリロイルオキシエトキシ)−1,3,5−トリ(フェノキシ)シクロトリホスファゼン)82.5gを得た。
[実施例1、2、比較例1]
表2に示す配合割合で、各成分を配合して均一に混合することによって、感光性樹脂組成物を調製した。
次いで、得られた感光性樹脂組成物を用いて、下記の方法により難燃性を評価した。
結果を表2に示す。
(難燃性)
アプリケーターを用いて、PETフィルム上に感光性組成物を塗布し、120℃の温度で5分間乾燥して感光性樹脂組成物層を形成させた。その後、該感光性樹脂組成物層に、メタルハライドランプを用いて照度200mW/cm、照射光量1.0J/cmの条件で紫外線を照射して硬化させ、厚さ70μmの硬化膜を得た。硬化膜をPETフィルムから剥離した後、該硬化膜から幅5mm、長さ50mmの試験片を得た。
得られた試験片を、長手方向が垂直になるようにクランプで固定し、下端からライターの炎(ブタンガス、流量5cc/分、炎の長さ12mm)を2秒間接炎した場合に、接炎後、試験片が焼失しない場合を「○」、焼失した場合を「×」とした。
Figure 2009244358
表1から、本発明の光導波路用感光性樹脂組成物を用いた実施例1、2では、優れた難燃性が得られることがわかる。一方、(B)成分を含まない比較例1では、難燃性が劣ることがわかる。
本発明のフィルム状光導波路の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のフィルム状光導波路の製造方法の一例を示すフロー図である。
符号の説明
10 基板
12 下部クラッド層
14 コア用薄膜
16 光
18 フォトマスク
20 コア部分
22 上部クラッド層
24 光導波路

Claims (10)

  1. コア部分及びクラッド層を有する光導波路であって、前記コア部分及び前記クラッド層のうち一以上が、下記(B)及び(C)成分を含む光導波路用感光性樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とするフィルム状光導波路。
    (B)下記式(5)で表されるホスファゼン化合物
    Figure 2009244358
    (式(5)中、R10及びR11は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、又は(メタ)アクリロイル基を含有する基であり、R12、R13、R14、及びR15は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基を含有する基、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアリール基、または、置換又は非置換のアリールオキシ基である。)
    (C)光ラジカル重合開始剤
  2. コア部分及びクラッド層を有する光導波路であって、前記コア部分及び前記クラッド層のうち一以上が、下記(A)〜(C)成分を含む光導波路用感光性樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とするフィルム状光導波路。
    (A)分子中に、少なくとも1個のフッ素原子と、少なくとも1個の重合性炭素−炭素二重結合とを有する化合物(ただし、リン原子を含むものは除く。)
    (B)下記式(5)で表されるホスファゼン化合物
    Figure 2009244358
    (式(5)中、R10及びR11は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、又は(メタ)アクリロイル基を含有する基であり、R12、R13、R14、及びR15は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基を含有する基、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアリール基、または、置換又は非置換のアリールオキシ基である。)
    (C)光ラジカル重合開始剤
  3. 下部クラッド層、コア部分、及び上部クラッド層を含むフィルム状光導波路であって、上記下部クラッド層及び上記上部クラッド層が、上記光導波路用感光性樹脂組成物の硬化物からなる請求項1又は2に記載のフィルム状光導波路。
  4. 上記光導波路用感光性樹脂組成物中、上記(A)成分、上記(B)成分、及び上記(C)成分の各々の配合割合が、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、0〜80質量%、5〜80質量%、及び0.1〜10質量%である請求項1〜3に記載のフィルム状光導波路。
  5. 上記光導波路用感光性樹脂組成物が、さらに、(D)上記(A)成分及び(B)成分以外のラジカル重合性化合物を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルム状光導波路。
  6. 上記光導波路用感光性樹脂組成物中、上記(D)成分の配合割合が、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、0〜40質量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルム状光導波路。
  7. 上記光導波路用感光性樹脂組成物が、さらに、(E)ポリイミドシリコーン樹脂を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルム状光導波路。
  8. 上記光導波路用感光性樹脂組成物中、上記(E)成分の配合割合が、感光性樹脂組成物の全量(ただし、有機溶剤を含む場合には、有機溶剤を除く全量)を100質量%として、0〜70質量%である請求項1〜7のいずれか1項に記載のフィルム状光導波路。
  9. 上記光導波路用感光性樹脂組成物が、さらに、(F)有機溶剤を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載のフィルム状光導波路。
  10. (B)下記式(5)で表されるホスファゼン化合物
    Figure 2009244358
    (式(5)中、R10及びR11は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、又は(メタ)アクリロイル基を含有する基であり、R12、R13、R14、及びR15は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基を含有する基、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアリール基、または、置換又は非置換のアリールオキシ基である。)、及び
    (C)光ラジカル重合開始剤、
    を含む光導波路用感光性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109776613A (zh) * 2019-01-15 2019-05-21 顺德职业技术学院 具有β晶诱导成核作用的环三磷腈阻燃剂及其合成方法

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