JP4385818B2 - 感光性樹脂組成物および光導波路 - Google Patents

感光性樹脂組成物および光導波路 Download PDF

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本発明は、感光性樹脂組成物および該組成物を含む光導波路に関する。
マルチメディア時代を迎え、光通信システムやコンピュータにおける情報処理の大容量化および高速化の要求から、光の伝送媒体として光導波路が注目されている。光導波路に望まれる性質として、伝送損失や偏波依存性等の光学特性が良好なこと、それらの特性が外部環境によって影響され難く、長期的安定性を有すること、微細かつ複雑な形状の光導波路を製造時に環境汚染物質を排出せずに低エネルギー消費で短時間に少ない工程数で歩留まり良く製造できること等が挙げられる。
従来の光導波路としては、石英系光導波路が代表的であった。しかし、石英系光導波路は、製造時に石英膜の堆積のために高温での長時間の処理が必要であるなど、製造時間が長いこと、光導波路のパターン形成には、光レジストを用いる工程と、危険性の高いガスを用いてエッチングする工程が含まれ、かつ、それらの工程に特殊な装置を必要とするなど、多数の複雑な工程および特殊な装置を要すること、歩留まりが低いこと等の問題がある。
これらの問題を改善するため、光導波路の工程数の削減、製造時間の短縮化、歩留まりの増大等の生産性の向上を目的に、コア部とクラッド層の材料として液状の硬化性組成物を用いるポリマー系光導波路が、近年幾つか提案されている(特許文献1〜3を参照)。
ポリマー系光導波路においては、導波路損失が低いことに加えて、簡易な手法で作製できること、および長期信頼性に優れることが課題とされている。
このうち、導波路損失の低減化を達成する方法として、例えば、ポリマー中のC−Hのフッ素化(C−F)や重水素化(C−D)によって、使用波長域でのC−Hによる導波路損失の発生を防止することが行われている。
光導波路を簡易な手法で作製する方法として、例えば、直接露光法(特許文献4)、フォトブリーチング法(特許文献5)、モールド法(特許文献6)等が提案されている。
長期信頼性を向上させる方法として、例えば、基材に対して物理的処理(紫外線、オゾン処理等)や化学的処理(カップリング剤処理等)を施して、光導波路が基材から剥離することを防止し、導波路特性の長期的安定を図ることが提案されている。
特開平06−109936号公報 特開平10−254140号公報 特開2000−180643号公報 特開2001−4858号公報 特開2002−311262号公報 特開2003−172841号公報
前述のように、ポリマー系光導波路は、導波路損失の低減化や、光導波路の作製の簡易化や、長期信頼性の向上等のために、種々の方法や材料が提案され、改良されつつある。
しかし、ヒートサイクル試験や高温高湿試験のような厳しい条件下においては、基板の表面に対して物理的処理や化学的処理を施した場合でも、光導波路が基材から剥離したり、光導波路にクラックが発生するなどの現象が起き、その結果、導波路損失の増大等が生じるという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みて、低い導波路損失および光導波路の作製の容易さに加えて、優れた長期信頼性、特にヒートサイクル、高温高湿等の過酷な環境下にてクラッド層が基材から剥離せずに、低い導波路損失等が長期間に亘って安定的に保持される性質を有する光導波路用感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前述の従来技術の問題を解決するために鋭意検討した結果、(A)特定の骨格を有するアクリレート、(B)前記(A)成分以外の(メタ)アクリレート、(C)ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の反応物であるラジカル重合性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、および(D)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物を用いて、光導波路の構成部分のうちの基材との接触面を有する部分等を形成すれば、低い導波路損失および光導波路の作製の容易さを確保しつつ、優れた長期信頼性を得ることができるとの知見を得て、本発明を完成した。
すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)下記一般式(1)により表わされるジオキソラン骨格含有アクリレート、
Figure 0004385818
(式中、RおよびRは各々独立して炭素数1〜20のアルキル基もしくはシクロアルキル基、水素原子またはハロゲン原子を表す。Rは水素原子またはメチル基を表す。)、(B)前記(A)成分以外の(メタ)アクリレート、(C)ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の反応物であるラジカル重合性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、および(D)光重合開始剤を含有することを特徴とする。
本発明の感光性樹脂組成物の好ましい成分組成の例は、前記(A)成分を10〜60質量%、前記(B)成分を5〜50質量%、前記(C)成分を10〜89.99質量%、前記(D)成分を0.01〜10質量%含有するものである。
本発明の光導波路は、コア部と、クラッド層とからなる光導波路であって、前記クラッド層の少なくとも一部が、上述の感光性樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする。
本発明の光導波路の好ましい実施形態の一例は、前記クラッド層が、前記感光性樹脂組成物の硬化物からなる第一のクラッド層と、少なくとも該第一のクラッド層と前記コア部の間に介在する第二のクラッド層とからなるものである。
本発明の光導波路の好ましい実施形態の他の例は、基材と、該基材上に形成された下部クラッド層と、該下部クラッド層の上面の一部に形成されたコア部と、該コア部を埋設するように前記下部クラッド層上に形成された上部クラッド層とからなる光導波路であって、前記下部クラッド層が、前記基材上に形成された前記感光性樹脂組成物の硬化物からなる第一のクラッド層と、少なくとも該第一のクラッド層と前記コア部の間に介在する、前記第一のクラッド層とは異なる材料からなる第二のクラッド層とを含むものである。
本発明の感光性樹脂組成物は、光導波路の構成部分のうちの基材との接触面を有する部分(具体的には下部クラッド層の少なくとも一部)等の材料として用いると、厳しい使用条件下でも、伝送特性等の光導波路本来の特性を良好に保持しつつ、長期に亘って基板からの下部クラッド層の剥離を防止するなどの効果を発揮することができる。
以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。
[1.感光性樹脂組成物]
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)特定のジオキソラン骨格含有アクリレート、(B)他の(メタ)アクリレート、(C)ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の反応物であるラジカル重合性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、および(D)光重合開始剤を含有するものである。
[(A)成分]
(A)成分は、下記一般式(1)で表わされるジオキソラン骨格含有アクリレートである。
Figure 0004385818
(式中、RおよびRは各々独立して炭素数1〜20のアルキル基もしくはシクロアルキル基、水素原子またはハロゲン原子を表す。Rは水素原子またはメチル基を表す。)
(A)成分の具体例としては、例えば、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン等が挙げられる。
中でも、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン等は、基材と光導波路の間の剥離を効果的に抑制し得る等の観点から、好ましく用いられる。
(A)成分の市販品としては、例えば、MMDOL30、MEDOL30、MIBDOL30、CHDOL30、MEDOL10、MIBDOL10、CHDOL10(以上、大阪有機化学社製)等が挙げられる。
本発明の組成物中の成分(A)の配合量は、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%、特に好ましくは15〜45質量%である。該配合量が5質量%未満または60質量%を超えると、厳しい条件下で長期に亘り基材からの光導波路の剥離を防止するなどの効果を得難くなる。
[(B)成分]
(B)成分は、(A)成分以外の(メタ)アクリレートである。(B)成分としては、(メタ)アクリロイル基を1つ有する(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する(メタ)アクリレートのいずれも用いることができる。
(メタ)アクリロイル基を1つ有する(メタ)アクリレートの例としては、アクリロイルモルフォリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート、2−アクリロイルシクロヘキシルコハク酸等を挙げることができる。
中でも、アクリロイルモルフォリン、イソボルニル(メタ)アクリレート等は、基材と光導波路の間の剥離を効果的に抑制し得る等の観点から、好ましく用いられる。特に、アクリロイルモルフォリンとイソボルニル(メタ)アクリレートの併用は、硬化物の耐熱性、長期信頼性等の観点から好ましい。
(メタ)アクリロイル基を1つ有する(メタ)アクリレートの市販品の例としては、ACMO(興人社製)、IBXA(大阪有機化学社製)等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する(メタ)アクリレートの例としては、エチレンオキシド付加ビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、エチレンオキシド付加テトラブロモビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、プロピレンオキシド付加テトラブロモビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるテトラブロモビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるビスフェノールFエポキシ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールFジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるテトラブロモビスフェノールFエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でも、エチレンオキシド付加ビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、エチレンオキシド付加テトラブロモビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート等は、好ましく用いられる。
本発明においては、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する(メタ)アクリレートを用いることによって、硬化物の耐熱性を向上させることができる。
(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する(メタ)アクリレートの市販品の例としては、リポキシVR−77、VR−60、VR−90、SP−1506、SP−1506、SP−1507、SP−1509、SP−1563(以上、昭和高分子社)、ビスコート#700、#540(以上、大阪有機化学工業社製)、アロニックスM−208、M−210(以上、東亞合成社製)等が挙げられる。
本発明の組成物中の(B)成分の配合量は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは5〜45質量%、特に好ましくは10〜40質量%である。該配合量が5質量%未満では、基材との十分な密着力が得られないことがある。該配合量が50質量%を超えると、耐久性や耐水性が低下することがある。
(B)成分として、(B−1)(メタ)アクリロイル基を1つ有する(メタ)アクリレートと、(B−2)(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する(メタ)アクリレートを併用する場合におけるこれら2種の配合割合(B−1/B−2)は、質量比で例えば、10/1〜1/2である。
なお、(B)成分のホモポリマーの状態でのガラス転移温度は、60℃以上であることが好ましい。該温度が60℃未満であると、本発明の組成物の耐熱性が低下することがある。ここで、「ガラス転移温度」とは、共振型動的粘弾性測定装置において振動周波数10Hzでの損失正接が最大値を示す温度として定められる。
[(C)成分]
(C)成分は、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の反応物であるラジカル重合性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーである。
この場合、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基は、ポリオール化合物の水酸基と、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の水酸基の各々と反応する。
ラジカル重合性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、具体的には、例えば、以下の製法1〜製法4のいずれかの方法で製造される。
製法1:ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレートを一括して仕込んで反応させる方法。
製法2:ポリオール化合物およびポリイソシアネート化合物を反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法。
製法3:ポリイソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオール化合物を反応させる方法。
製法4:ポリイソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオール化合物を反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させる方法。
[ポリオール化合物]
(C)成分の原料となるポリオール化合物としては、芳香族ポリエーテルポリオール、脂肪族ポリエーテルポリオール、脂環族ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。
中でも、基板と光導波路との密着性の更なる向上を図るためには、アルキレンオキシ構造を含有するポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。
芳香族ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールAのブチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加ジオール、ハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール、ナフトキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール等が挙げられる。芳香族ポリエーテルポリオールの市販品としては、ユニオール,DA700,DA1000(以上、日本油脂社製)等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、置換テトラヒドロフラン、オキセタン、置換オキセタン、テトラヒドロピランおよびオキセバンから選ばれる少なくとも1種の化合物を開環(共)重合することにより得られるもの等が挙げられる。これらの具体例としては、ポリエチレングリコール、1,2−ポリプロピレングリコール、1,3−ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、ポリイソブチレングリコール、プロピレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体ポリオール、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランの共重合体ポリオール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体ポリオール、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランの共重合体ポリオール、エチレンオキサイドと1,2−ブチレンオキサイドの共重合体ポリオール等が挙げられる。
脂環族ポリエーテルポリオールとしては、例えば、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールAのブチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのブチレンオキサイド付加ジオール、ジシクロペンタジエンのジメチロール化合物、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールおよび脂環族ポリエーテルポリオールの市販品としては、ユニセーフDC1100、ユニセーフDC1800、ユニセーフDCB1100、ユニセーフDCB1800(以上、日本油脂社製);PPTG4000、PPTG2000、PPTG1000、PTG2000、PTG3000、PTG650、PTGL2000、PTGL1000(以上、保土谷化学社製);EXENOL4020、EXENOL3020、EXENOL2020、EXENOL1020(以上、旭硝子社製);PBG3000、PBG2000、PBG1000、Z3001(以上、第一工業製薬社製);ACCLAIM 2200、3201、4200、6300、8200(以上、住化バイエルウレタン社製);NPML−2002、3002、4002、8002(以上、旭硝子社製)等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の多価アルコールとフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸等の多塩基酸とを反応して得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。市販品としては、クラポールP−2010、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、PNA−2000(以上、クラレ社製)等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,6−ヘキサンポリカーボネート等が挙げられる。市販品としてはDN−980、981、982、983(以上、日本ポリウレタン社製)、PLACCEL−CD205、CD−983、CD220(以上、ダイセル化学工業社製)、PC−8000(米国PPG社製)等が挙げられる。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、ε−カプロラクトンと、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等のジオールとを反応させて得られるポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。市販品としては、PLACCCEL205、205AL、212、212AL、220、220AL(以上、ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
本発明で使用しうる他のポリオール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリβ−メチル−δ−バレロラクトン、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒドロキシ末端水添ポリブタジエン、ひまし油変性ポリオール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、ポリジメチルシロキサンカルビトール変性ポリオール等が挙げられる。
前記のポリオール化合物のうち、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合ジオール、エチレンオキサイド/1,2−ブチレンオキサイド共重合ジオール、プロピレンオキサイド/テトラヒドロフラン共重合ジオールがより好ましく、エチレンオキサイド/1,2−ブチレンオキサイド共重合ジオールが特に好ましい。
ポリオール化合物は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
ポリオール化合物の好ましい数平均分子量は、500〜10,000であり、さらに好ましくは1,000〜8,000であり、最も好ましくは1,500〜5,000である。ポリオール化合物の数平均分子量が500未満であると、組成物の硬化物の常温および低温におけるヤング率が上昇し、充分な接着性が得られない。一方、数平均分子量が10,000を超えると、組成物の粘度が上昇し、基材に組成物を被覆する際の塗工性が悪化することがある。
[ポリイソシアネート化合物]
(C)成分の原料となるポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等ポリイソシアネート化合物が挙げられる。中でも、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が好ましい。ポリイソシアネート化合物は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
[水酸基含有(メタ)アクリレート]
(C)成分の原料となる水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルホスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらにアルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物が挙げられる。中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等は、好ましく用いられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートは、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明の(C)成分を構成する各原料の配合割合は、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレート1モルに対して、ポリオール化合物0.5〜2モル、ポリイソシアネート化合物1〜2.5モルである。
(C)成分の数平均分子量は、好ましくは1,000以上、より好ましくは5,000以上である。該値が1,000未満では、基材に対する感光性樹脂組成物の長期信頼性(悪条件下での密着性等)が低下したり、粘度が小さくなり過ぎて感光性樹脂組成物の塗工性が劣ることがある。
(C)成分の数平均分子量は、好ましくは40,000以下、より好ましくは15,000以下である。該値が40,000を超えると、粘度が高くなり、取り扱いが難しくなる。
本発明の組成物中の(C)成分の配合量は、好ましくは10〜89.99質量%、より好ましくは20〜84.5質量%、特に好ましくは30〜74質量%である。該配合量が10質量%未満では、基材に対する感光性樹脂組成物の長期信頼性が低下することがある。該配合量が89.99質量%を超えると、基材に対する密着力が低下することがある。
[(D)成分]
(D)成分はラジカル性光重合開始剤である。
ラジカル性光重合開始剤は、活性エネルギー線(光)の照射によって本発明の光硬化性樹脂組成物を硬化させるための化合物である。
ここで、活性エネルギー線とは、例えば、赤外線、可視光線、紫外線およびX線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線をいう。
ラジカル性光重合開始剤としては、光照射により分解してラジカルを発生して、重合性化合物((A)成分〜(C)成分)の重合を開始させるものであればよく、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等が、重合速度、溶液安定性の観点から好ましく用いられる。
(D)成分(ラジカル性光重合開始剤)の市販品としては、例えば、Irgacure184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI−1700、−1750、−1850、CG24−61、Darocur 1116、1173(以上、チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
本発明の組成物中の(D)成分の配合量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.5〜7質量%、特に好ましくは1〜5質量%である。該配合量が0.01質量%未満では、重合反応の速度が低下し、本発明の組成物を用いた光導波路の製造効率が低下することがある。該配合量が10質量%を超えると、感光性樹脂組成物の硬化物の光学特性が低下することがある。
光重合開始剤と共に必要に応じて、光増感剤、熱重合開始剤等を用いることもできる。
光増感剤としては、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられる。光増感剤の市販品としては、例えば、ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
[酸化防止剤]
本発明の樹脂組成物には、さらに必要に応じて酸化防止剤を添加することにより、劣化を抑制することができる。
酸化防止剤の市販品としては、例えばIrganox1010、1035、1076、1222(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、Antigen P、3C、FR、GA−80(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
[その他の添加剤]
本発明の樹脂組成物には、前記の成分以外に、本発明の樹脂組成物の特性を損なわない範囲で各種添加剤として、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、塗面改良剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤等を必要に応じて配合することができる。
本発明の感光性樹脂組成物のガラス転移温度は、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、特に好ましくは70℃以下である。該ガラス転移温度が100℃以下であると、本発明の組成物をクラッド層の材料として用いた場合に、導波路に発生し得る剥離やクラック等を抑制することができる。
[2.光導波路]
1.光導波路の構造
本発明の光導波路は、基板上に形成するための下部クラッド層と、下部クラッド層上の一部に形成されたコア部と、コア部を被覆するように下部クラッド層上に形成された上部クラッド層とからなる。
このうち、下部クラッド層は、好ましくは、少なくとも、基板との接触面を含む部分が、本発明の感光性樹脂組成物の硬化物からなるように形成される。下部クラッド層の具体的形態例としては、(a)本発明の感光性樹脂組成物の硬化物のみから形成されるもの、(b)基板の上面に、本発明の感光性樹脂組成物の硬化物からなる第一のクラッド層を積層し、さらに第一のクラッド層の上面に、本発明とは異なる光導波路用感光性樹脂組成物(例えば、従来の汎用のクラッド層形成用組成物)の硬化物からなる第二のクラッド層を積層してなるもの、等が挙げられる。
なお、上部クラッド層、コア部、および前記(b)の形態における第二のクラッド層を形成させるための樹脂組成物としては、例えば、ポリシロキサン系、アクリレート系またはエポキシ系の感光性化合物を含む感光性樹脂組成物や、熱硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
下部クラッド層、コア部および上部クラッド層の材料および形状は、これらの硬化物の屈折率の関係が、光導波路に要求される条件を満足すること等を考慮して、選択される。例えば、コア部の幅および高さが5〜100μmで、コア部とクラッド層との屈折率の差が0.2〜10%となるように選ぶことができる。
屈折率の調整は、例えば、感光性樹脂組成物の構成原料の置換基の種類等を適宜選択することにより行うことができる。具体的には、屈折率の差が適宜の大きさとなるような2種または3種以上の感光性樹脂組成物を選択した上で、最も屈折率の高い組成物をコア部の材料として用い、他の組成物をクラッド層(下部クラッド層および上部クラッド層)の材料として用いればよい。
クラッド層用の感光性樹脂組成物の粘度は、100〜10,000cps(25℃)の範囲内の値とすることが好ましく、100〜8,000cps(25℃)の範囲内の値とすることがより好ましく、300〜3,000cps(25℃)の範囲内の値とすることが特に好ましい。該粘度が前記範囲外であると、感光性樹脂組成物の取り扱いが困難になったり、均一な厚みを有する塗膜を形成することが困難になることがある。
なお、感光性樹脂組成物の粘度は、反応性希釈剤や有機溶媒を適宜の量だけ配合することによって、調整することができる。
2.光導波路の製造方法
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いた湿式リソグラフィー法による光導波路の製造方法の一例を、いわゆるチャンネル型光導波路の例を用いて説明する。図1は、本発明の感光性樹脂組成物を用いた光導波路の製造方法の一例を示すフロー図である。
まず、図1中の(a)に示すように、基材として、平坦な上面を有する基板1を用意する。なお、基板1としては、シリコン基板、ガラス基板等が挙げられる。
図1中の(b)に示すように、基板1の上面に、本発明の感光性樹脂組成物2を塗布し、必要に応じて乾燥またはプリベークして薄膜を形成させた後、図1中の(c)に示すように、紫外線(または適宜の波長の光)3を照射して硬化させ、第一のクラッド層4を形成する。
この際、樹脂組成物2の塗布方法は、第一のクラッド層(硬化膜)4の厚みが均一でかつ表面が平滑になるものであれば特に限定されず、例えば、スピンコート法、スプレー法、ロールコート法、インクジェット法等の方法を採用することができる。中でも、半導体業界で高精度の工業的塗布技術として用いられているスピンコート法が好ましい。
スピンコート法は、0℃〜100℃の温度下で10〜1,000回転/分で1〜60秒の条件下で実施される液状組成物を基板1に均一に塗布する第一の工程と、高速回転により一定の膜厚を形成する第二の工程とからなる。
なお、後述する樹脂組成物5,7,11の塗布方法も、樹脂組成物2と同様である。
また、照射する光3としては、光源の工業的な汎用性の観点から、通常、200〜450nmの紫外〜可視領域の光、好ましくは波長365nmの紫外線を含む光が用いられる。照射条件の例としては、200〜450nmの波長の光を、照度が1〜1000mW/cm、照射量が0.01〜5,000mJ/cm、好ましくは0.1〜1,000mJ/cmとなるように照射して、露光することが挙げられる。
光の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ等の広い面積を同時に照射するランプ光源や、パルス、連続発光のレーザー光源等の光源から、ミラー、レンズ、光ファイバーを用いて収束光を得るように構成した装置が用いられる。このような収束光を用いて光導波路を形成する場合、収束光もしくは被照射体を移動させることにより、光導波路の形状が得られるような露光を行うことができる。光の照射装置で用いられる光源の中でも、365nmの紫外線強度の高い光源が好ましい。例えば、ランプ光源としては高圧水銀ランプ、レーザー光源としてはアルゴンレーザーが好ましい。
なお、樹脂組成物2等の液状組成物を光照射して硬化する際には、液状組成物の薄膜の全面に光を照射し、薄膜の全体を硬化することが好ましい。
後述する樹脂組成物5,7,11に対する紫外線等の光3の照射方法も、樹脂組成物2と同様である。
次いで、図1中の(d)に示すように、第一のクラッド層4の上面に、第二のクラッド層用の感光性樹脂組成物5(例えば、感光性アクリル系樹脂組成物)を塗布し、乾燥またはプリベークして薄膜を形成させた後、図1中の(e)に示すように、紫外線等の光3を照射して硬化させ、第二のクラッド層6を形成する。第一のクラッド層4と第二のクラッド層6とからなる積層体が、下部クラッド層である。なお、本発明において、第二のクラッド層6は省略することもできる。
その後、図1中の(f)に示すように、第二のクラッド層6の上面に、コア部を形成するためのコア用感光性樹脂組成物7(クラッド層よりも屈折率の高い組成物)を塗布した後、図1中の(g)に示すように、所定のラインパターンを有するフォトマスク8を通して紫外線等の光3を照射して露光し、コア用感光性樹脂組成物7の一部を硬化させる。
なお、所定のパターンに従って光の照射を行う方法としては、光の透過部と非透過部とからなるフォトマスク8を用いる方法に限られず、例えば、以下に示すa〜cの方法を採用してもよい。
a.液晶表示装置と同様の原理を利用した、所定のパターンに従って光透過領域と不透過領域とからなるマスク像を電気光学的に形成する手段を利用する方法。
b.多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して光を照射する方法。
c.レーザ光、あるいはレンズ、ミラー等の集光性光学系により得られる収束光を走査させながら組成物に照射する方法。
次いで、図1中の(h)に示すように、硬化部分と未硬化部分との溶解性の差異を利用して、現像液によって未露光部を除去し、露光部のみからなる成形体9を形成した後、必要に応じて乾燥またはプリベークさせ、さらに、図1中の(i)に示すように、紫外線等の光3を照射してポスト露光を行い、パターニングされた硬化膜からなる帯状のコア部10を形成する。なお、ポスト露光の後、露光部分の硬化を促進させるために、加熱処理(ポストベーク処理)を行ってもよい。
ここで、現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の塩基性物質を含むアルカリ水溶液や、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、テトラヒドロフラン、アルコール等の有機溶媒が用いられる。なお、アルカリ現像液中の塩基性物質の濃度は、通常0.05〜25質量%、好ましくは0.1〜3.0質量%である。
現像時間は、通常30〜600秒間である。現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー現像法等の公知の方法を採用することができる。
現像液としてアセトン等の有機溶媒を含むものを用いた場合は、そのまま風乾することにより、また、アルカリ水溶液を用いた場合は、流水洗浄を例えば30〜90秒間行った後、圧縮空気や圧縮窒素等で風乾させることによって、表面上の水分を除去する。これによって、パターン状の被膜(コア部10)が形成される。
次に、図1中の(j)に示すように、上部クラッド層用の感光性樹脂組成物11を塗布し、乾燥またはプリベークさせた後、図1中の(k)に示すように、紫外線等の光3を照射して硬化させ、上部クラッド層12を形成する。上部クラッド層12は、硬度および耐熱性を向上させるために、さらにポストベークすることが好ましい。こうして図1中の(l)に示す光導波路13が完成する。
本明細書中において、「光導波路」の語は、原則として、基板を含まないクラッド層とコア部とからなる積層体を意味するが、基板を含めて光導波路と称することもある。
なお、図1中の感光性樹脂組成物5,7,11の代わりに、熱硬化性樹脂組成物を用いることもできる。この場合の加熱条件は、特に限定されないが、通常、50℃〜300℃で1分〜24時間加熱される。
1.ウレタン(メタ)アクリレート化合物の合成
攪拌機を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネート17質量%、ジラウリル酸ジ-n−ブチル錫0.05質量%、2,6−ジ-t−ブチル-p-クレゾール0.01質量%を仕込み、5〜10℃に冷却した。攪拌しながら温度が30℃以下に保たれるように2−ヒドロキシエチルアクリレートを8質量%滴下した。滴下終了後、30℃で1時間反応させた。次に数平均分子量が2,000のポリプロピレングリコールを75質量%加え、50〜70℃にて2時間反応を続けた。残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とした。得られたウレタンアクリレートを「ウレタンアクリレート1」とした。同様の手法で、表1に示す各成分割合にて「ウレタンアクリレート2」を合成した。
Figure 0004385818
2.感光性樹脂組成物の調製
表2に示す各成分をフラスコに入れた後、60℃にて2時間攪拌しながら溶解させ、均一な透明の樹脂組成物(感光性樹脂組成物1〜5)を得た。
3.光導波路の作製
[実施例1]
シリコンウエハ上に硬化膜厚が15μmとなるようにスピンコートにて前記の調製済みの感光性樹脂組成物1を塗布し(図1(b))、その後、マスクアライナーにて照度30mW/cmの紫外線を50秒空気雰囲気下で照射し、第一のクラッド層4を形成した(図1(c))。
次に、第一のクラッド層の上面に、硬化膜厚が20μmとなるようにスピンコートにて感光性樹脂オプスターPJ3010(商品名;JSR社製)を塗布し、100℃で5分間乾燥させた後、マスクアライナーにて照度30mW/cmの紫外線を30秒空気雰囲気下で紫外線照射した。その後、150℃で1時間加熱することで、第二のクラッド層6を形成した。
その後、第一のクラッド層4と第二のクラッド層6とからなる下部クラッド層の上面に、硬化膜厚が50μmとなるようにスピンコートにて感光性樹脂オプスターPJ3009(商品名;JSR社製)を塗布した後、コア部の幅が50μmのパターンを有するマスクを通して、紫外線を照射した(図1(g))。次いで、1%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液からなる現像液によって未照射部を除去し、その後、150℃で1時間の加熱を行った(図1(i))。コア部10および第二のクラッド層6の上面に、コア部10の上面からの硬化膜厚が50μmとなるようにスピンコートにて感光性樹脂オプスターPJ3010(商品名;JSR社製)を塗布し、マスクアライナーにて照度30mW/cmの紫外線を30秒空気雰囲気下で紫外線照射し、150℃で1時間の加熱により上部クラッド層12を形成し、光導波路13を完成させた。
[実施例2〜3、比較例1〜2]
表2に示す樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、光導波路を作製した。
3.樹脂組成物および光導波路の評価方法
[ガラス転移温度]
アプリケーターを用いて、ガラス基板上に樹脂組成物(表2中の組成物1〜5)を100μm厚となるように塗布して、樹脂組成物層を形成させた後、窒素雰囲気下でコンベア式紫外線(UV)照射装置を用いて、1.0J/cmの紫外線を樹脂組成物層に照射し、硬化膜を得た。次いで、共振型動的粘弾性測定装置を用いて、振動周波数10Hzの振動を与えながら、この硬化膜の損失正接の温度依存性を測定した。得られた損失正接の最大値を示す温度をガラス転移温度とした。
[伝送損失]
上述の光導波路に対してダイシングを行い、光導波路長が10mmであるサンプルを作製した。この光導波路のサンプルを用いて、波長850nmの光を導波路の一端から入射させたときに他端から出射する光量を、光量計(アンリツ社製MT9810A)のパワーメータにより測定し、カットバック法にて導波路損失(dB/cm)を求めた。導波路損失が1.0(dB/cm)を超えるものは×、1.0(dB/cm)以下のものは○とした。
[高温高湿試験による光学特性の変化]
初期値の伝送損失を測定後、同一サンプルを温度85℃、相対湿度85%の高温高湿条件下において、1,000時間放置後に、サンプル(光導波路)の伝送損失を測定し、高温高湿試験の前後における伝送損失の変化量を求めた。伝送損失の変化量が1.0dBを超えるものは×、1.0dB以下のものは○とした。
[ヒートサイクル試験による光学特性変化]
初期値の伝送損失を測定後、同一サンプルを−40℃で30分放置後に、85℃で30分放置するというヒートサイクルを500サイクル繰り返す冷熱処理を行った後に、直線光導波路の伝送損失を測定し、冷熱処理の前後における伝送損失の変化量を測定した。伝送損失の変化量が1.0dBを超えるものは×、1.0dB以下のものは○とした。
[接着強度試験]
アプリケーターを用いて、ガラス基板上に樹脂組成物(表2中の組成物1〜5)を100μm厚となるように塗布して、樹脂組成物層を形成させた後、窒素雰囲気下でコンベア式紫外線(UV)照射装置を用いて、1.0J/cmの紫外線を樹脂組成物層に照射し、硬化膜を得た。クロスカットセロテープ(登録商標)剥離試験を10回繰り返した。基材から硬化膜が剥がれない場合を接着性良好と判定し、10回中10回良好な場合を○、10回中1回以上剥離が見られる場合を接着性不良と判定し、×で表記した。
以上の結果を表2、表3に示す。
Figure 0004385818
Figure 0004385818
本発明の感光性樹脂組成物を用いた光導波路の製造方法の一例を示すフロー図である。
符号の説明
1 基板
2 本発明の感光性樹脂組成物
3 紫外線
4 第一のクラッド層
5 第二のクラッド層用の感光性樹脂組成物
6 第二のクラッド層
7 コア用感光性樹脂組成物
8 フォトマスク
9 成形体
10 コア部
11 上部クラッド層用の感光性樹脂組成物
12 上部クラッド層
13 光導波路

Claims (5)

  1. (A)下記一般式(1)により表わされるジオキソラン骨格含有アクリレート、
    Figure 0004385818
    (式中、RおよびRは、各々独立して炭素数1〜20のアルキル基もしくはシクロアルキル基、水素原子またはハロゲン原子を表す。Rは水素原子またはメチル基を表す。)
    (B)前記(A)成分以外の(メタ)アクリレート
    (C)ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の反応物であるラジカル重合性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーおよび
    (D)光重合開始剤
    を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記(A)成分を10〜60質量%、前記(B)成分を5〜50質量%、前記(C)成分を10〜89.99質量%、前記(D)成分を0.01〜10質量%含有する請求項に記載の感光性樹脂組成物。
  3. コア部と、クラッド層とからなる光導波路であって、前記クラッド層の少なくとも一部が、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする光導波路。
  4. 前記クラッド層が、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなる第一のクラッド層と、少なくとも該第一のクラッド層と前記コア部の間に介在する第二のクラッド層とからなる請求項に記載の光導波路。
  5. 基材と、該基材上に形成された下部クラッド層と、該下部クラッド層の上面の一部に形成されたコア部と、該コア部を埋設するように前記下部クラッド層上に形成された上部クラッド層とからなる光導波路であって、前記下部クラッド層が、前記基材上に形成された請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなる第一のクラッド層と、少なくとも該第一のクラッド層と前記コア部の間に介在する、前記第一のクラッド層とは異なる材料からなる第二のクラッド層とを含むことを特徴とする光導波路。
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