JPH05281428A - 光インターコネクションボード及び光導波路 - Google Patents

光インターコネクションボード及び光導波路

Info

Publication number
JPH05281428A
JPH05281428A JP10238192A JP10238192A JPH05281428A JP H05281428 A JPH05281428 A JP H05281428A JP 10238192 A JP10238192 A JP 10238192A JP 10238192 A JP10238192 A JP 10238192A JP H05281428 A JPH05281428 A JP H05281428A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
optical waveguide
substrate
waveguide
mounting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10238192A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Nakagome
弘 中込
Tatsuo Izawa
達夫 伊澤
Saburo Imamura
三郎 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP10238192A priority Critical patent/JPH05281428A/ja
Publication of JPH05281428A publication Critical patent/JPH05281428A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速、高密度が要求される光・電子集積デバ
イスの光相互結合用実装基板と、それに用いるのに好適
な屈曲性のある低損失光導波路を提供する。 【構成】 光・電子デバイスを実装する基板において、
光・電子デバイスに結合する被覆されたプラスチック光
導波路の端面が基板実装面と平行となっている光インタ
ーコネクションボード。可とう性のプラスチック光導波
路を、曲面部を有する基板の曲面部に着装したものが有
用である。光導波路がポリシロキサン及び/又はポリメ
タクリレートを用いたコア並びにクラッドと、更にそれ
らを保護する緩衝層から成る光導波路。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気的な配線では困難な
高速、高密度が要求される光・電子集積デバイスの光相
互結合用実装基板と、それに用いるのに好適な屈曲性の
ある低損失光導波路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、シリコンや化合物半導体を用いた
集積素子は高速・高密度化への進展が著しく、従来の電
気的な配線による相互結合では信号の遅延、減衰、干渉
等により充分な特性が今後発揮できなくなることが問題
にされている。高速計算機の分野では、クロック速度の
向上だけでなく大量のデータの並列処理を実行するため
のアーキテクチャ構成が検討されており、このために大
量の要素プロセッサを並列に結合することが行われてい
る。このために各プロセッサ間の相互結合は膨大な配線
量となり、システム特性が配線で決定されるようにな
る。このような従来の電気配線に存在する限界を克服す
るために光を伝送媒体とする光インターコネクションが
有効なことが指摘されている。また、広帯域ISDNな
どの大容量の情報処理が必要な情報通信分野において
も、従来の電気配線がもつ伝送帯域等の限界を克服する
ために光を伝送媒体にすることが有効であることが知ら
れている。このような電気配線に代る光配線の方法とし
てはプラスチックやガラス製の光導波路、光ファイバに
よるものと、ホログラムによって方向制御された自由空
間型の配線が考えられている。このうち、現状において
は光ファイバは高密度配線に問題があり、自由空間型は
光源の安定性に起因する結合の位置精度やホログラムの
作製などに問題があるため、コアの間隔が狭くできる光
導波路による方法が配線密度と技術的可能性の点から最
も有望であるといえる。
【0003】しかしながら、光導波路を用いた配線にお
いては実装上いくつかの問題点がある。これらの点を従
来技術により説明を行う。一般に光導波路は変形しにく
い基板材の上に形成されるので、光部品を基板上で光導
波路と結合するには個別の部品・素子を平面導波路基板
上で位置合せして組み込む。このとき導波路と光部品相
互の位置合せを行うために左右と高さに対してマイクロ
メータの精度が必要になるので、多数の部品を結合する
実装用基板として用いるには困難な欠点がある。このよ
うな導波路と部品間の結合に関して改良を行うためにい
くつかの試みがなされている。例えば、1990年電子
情報通信学会秋季全国大会講演論文集C−189で内田
らによって提案されている光表面実装技術がある。これ
は実装基板内に埋め込まれた光導波路を基板表面で光部
品と結合するものであるが、実装基板内で光を直角に屈
曲させるために埋め込まれた光導波路の一部を加工する
などの複雑な製造方法によるので、実現が困難であると
考えられる。また、導波路の加工により屈曲部の表面精
度が伝搬損失、方向性を決めるため実装時の結合損失の
増加要因となる欠点がある。更に、基板内に導波路を埋
め込む、屈曲部を形成する等の製作工程が多く、多数の
部品を実装する配線としてはコストが高くなる欠点があ
る。そのため、この方法は配線規模が大きなボード間の
結合は困難であると考えられる上、いくつかのボードを
集合したブロック間配線を意図するものではない。また
例えば、電子情報通信学会研究会資料EFM−89−2
6(OQD−89−57)で柳沢らが述べている薄膜一
体化実装法は基板平面に配設した光導波路と同じ基板面
上に光部品を結合するために基板エッチング技術や結晶
成長技術を駆使するもので、精巧な微細加工が要求され
る欠点があり、大面積化や高集積化するには技術上の困
難性が考えられる。また作製プロセス上、基板がシリコ
ンに限られる欠点もある。また、集積素子などの部品装
着面と同一平面に導波路があるので、導波路材料に耐熱
性が要求される。このようなモノリシック光回路を実現
する方向の実装は部品間の結合を考えているため、規模
の大きな光配線には対応できない問題がある。
【0004】この様に従来の技術は部品間の結合を考え
たものが主であった。光インターコネクションには部品
間の結合だけでなくボード間やバックプレーンとの結合
がある。この例としてA.G.グア(A.G.Guha)ほ
か、アプライド オプチクス( Applied Optics )、第2
9巻、第8号、第1077〜1093頁(1990)に
述べられているハネウェル社の開発になる超並列計算機
への光導波路の実装例がある。厚手の基板上に光導波路
が形成されていて、計算機のアーキテクチャ達成のため
の情報処理を行う結線を目的にしている。この導波路は
入力チャネルと出力チャネル間で複雑なリンク機能を持
つ上、コアパターンが比較的高密度に基板平面に製作さ
れるために前記と同様、実装用基板として素子との結合
に欠点があり、かつ導波路部分での電気回路の混載は困
難である。また、導波路の接続にセルフォックレンズを
用いており、配線密度を上げられないほか、個々の実装
基板と直角に交わるバックプレーンボードの導波路にプ
リズムを使うなど結合光学系が複雑になる欠点がある。
以上述べたように従来の光導波路を用いた光配線用の実
際上製造するのが困難で、かつ大規模配線に向いておら
ず、また部品(チップ)間、ボード間及びブロック間に
おいて各光導波路端部での光学的に均質な結合が実装基
板として必要であるにもかかわらず、結合の方法が容易
ではないなどの理由で、配線用の実装基板として十分な
特性を持つものではなかった。
【0005】一方、信号の伝送媒体である光導波路はそ
の最も良く知られている形態が光ファイバである。光フ
ァイバは単線でも用いられるが、4芯、8芯等のテープ
状のものも製作され、広範囲に使われているが、一般に
はコア径やクラッド径が規格化されているため高密度の
配線には適さない。光ファイバ以外の光導波路は基板上
に形成される。このような光導波路は光波の分岐、分
波、結合、変調、スイッチ等の光波制御の機能を持ち種
々の材料で開発が行われている。光導波路の材料は従来
石英系材料や、電気光学効果に優れた単結晶材料が良く
知られているが、プラスチック系材料を用いた光導波路
の開発も進められている。今村らによる特願昭63−2
43987号明細書に開示された、ハロゲン若しくは重
水素を含むポリメタクリレート光導波路や特願平1−2
49180号明細書に開示された、ハロゲン若しくは重
水素を含むポリシロキサン光導波路は低損失で、屈折率
制御範囲が広く再現性に優れているので利用しやすく、
またアクリル基板上に形成可能でパターン化の加工性に
も優れている。更にポリイミド等を用いたプラスチック
光導波路等も低損失化が進んでいる。ポリシロキサンや
ポリイミドは耐熱性が高いので部品取付時の加熱にも十
分に耐えられる特性を持っている。このプラスチック系
光導波路は製作が容易で量産性が優れているので石英
系、結晶系に比べて格段にコストが下がるものと考えら
れる。更にプラスチック系光導波路の大きな特徴は容易
に屈曲可能な性状に形成できることである。しかしなが
ら、従来はガラス基板、シリコン基板、厚手のプラスチ
ック基板などの上に導波路が形成されるためにほとんど
屈曲性はなく、むしろ曲がりによる伝搬損失の増加を避
けるために屈曲性は好ましいものとは考えられていない
のが現状である。このような屈曲性が必要な場合には光
ファイバ若しくは光ファイバリボンを用いて行われるの
が一般的に考えられる方法である。光ファイバの特性は
伝送特性と接続の容易性から決定されていて、特別に設
計された光ファイバでない限り許容される曲がり半径は
2〜3cmのオーダーである。
【0006】最近ではデュポン社よりポリガイドの商品
名でプラスチック製光導波路が市販され、構造上屈曲性
のある光導波路も可能と考えられるが、直接光ファイバ
と結合して用いることを目的としているため厚さが4.
4mmと厚く、コアの間隔が広く配線密度も低い欠点があ
り、ファイバテープを用いたものと有為差がない。ま
た、この種の光導波路は屈折率が光照射量によるモノマ
ーの重合度で制御されるため、伝送特性に重要なコアの
寸法や屈折率差にたいして精度良く形成することに問題
があり、機能性を付与するにも困難がある。しかしプラ
スチック光導波路を用いれば配線密度を上げるのは容易
であり、更にコアとクラッドの屈折率の差を大きくする
ことにより曲がり損失を低減できるので、曲がり半径を
小さくすることができる。このようにプラスチック導波
路の製作技術は屈曲性のある光導波路の実現が可能であ
ると考えられるが、実際には低損失で種々の機能を有す
る屈曲性の光導波路は提供されていないのが現実であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように従来
の導波路製作技術による実装用基板では、光導波路の光
軸を表面に平行で、かつ平面状に構成しているため、基
板状の導波路と部品との結合を行うのに3軸以上の精密
な位置合せが必要となり、多数の部品で構成されるデバ
イス実装用には困難があった。また導波路を埋め込んで
結合部で表面方向に反射で入出射口を導き出す従来の表
面実装技術においては、埋め込んだり、屈曲部などの作
製に極めて高度な精密加工が必要であり光学的な均質性
を保つのは非常にむずかしく、コストが高くなる等の実
現上困難な問題がある。更に従来技術では大規模配線を
行うのに困難があった。本発明は可とう性のある薄膜状
の光導波路を用い、基板への光導波路の装着を簡易な方
法で行い、基板表面に配置される部品との結合が容易と
なるように導波路の端面を基板の面方向に平行にして光
配線を行うもので、高性能な高速高密度集積素子の光イ
ンターコネクション用実装基板を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は光インターコネクションボードに関
する発明であって、光・電子デバイスを実装する基板に
おいて、光・電子デバイスに結合する被覆されたプラス
チック光導波路の端面が基板実装面と平行となっている
ことを特徴とする。また、本発明の第2の発明は光導波
路に関する発明であって、光導波路がポリシロキサン及
び/又はポリメタクリレートを用いたコア並びにクラッ
ドと、更にそれらを保護する緩衝層から成ることを特徴
とする。
【0009】本発明は光部品や集積素子等を実装する基
板に電気配線と光導波路を用いた光相互結合用の光配線
とを混載して装着するか、若しくは光相互結合用の光配
線のみを装着した実装用基板を形成するものである。そ
の手段はまず実装基板上に配設されるべき光部品・集積
素子の光結合部に相当する基板上の部位に導波路端面を
配置するため、基板に孔や窪み、嵌合穴をプレス等によ
る成形、機械加工、ビーム加工、エッチング等により形
成し、次に薄板状の可とう性のある光導波路を前記の孔
に挿入したり、窪みに沿わせて導波路に適度な曲がりを
与えて接着、固定したり穴に嵌合挿入することにより作
製する。このとき、導波路の端面は実装用基板面に対し
て平行となり、実装用基板面に着装される素子との結合
は基板平面上で2軸を調整することにより達成できるた
めに容易に行える利点を得る。また、これらに用いる導
波路は可とう性が必要なため、厚さの薄い基板上にまず
クラッドを形成、次にコア部をエッチングしてコアを流
し込み形成して、これらが固化後に更にクラッドで覆い
製作したプラスチック光導波路若しくは、剥がれやすい
基板上にコアとクラッドからなる光導波路を形成後、は
く離して得るプラスチック光導波路に被覆したものを用
いる。
【0010】以下、本発明を具体的に説明する。 (a)基板の貫通孔加工による実装基板の構成 図2(a)〜(c)に本発明の実装基板に関する第1の
構成のものの作製工程を示す。図2において符号3は光
導波路、4は基板、5は貫通孔、6は曲面部、7は接着
層、8は光導波路の端面を意味する。電気回路を構成す
る配線の搭載部分は省略してあるが、これらが基板表面
や内部にあっても光配線部分に接触せずにレイアウトす
ることは可能である。具体的には、光導波路を装着する
貫通孔形成部位はあらかじめ集積素子やその他の部品の
位置を決定し、電気回路の配線と両立する位置としなけ
ればならない。光配線の位置を設定後、図2(a)に示
すように基板材料に最適な加工方法で基板4の所定位置
に曲面部のある貫通孔5を設ける。加工後の孔の曲面部
の表面は導波路着装時に凸凹が生じない程度に滑らかに
しておく。次に接着剤層7により光導波路3を基板4に
接着する。次に図2(b)に示すように曲面部に対応す
る適当な長さで光導波路を切断する。次に図2(c)に
示すようにこの孔の曲面部6に可とう性光導波路3を接
着して光導波路の端面8を基板面に平行に配置して実装
用基板を構成する。また、必要に応じて、光導波路を装
着後平坦性を維持するため、孔5にプラスチック材料を
流し込むか、あらかじめ大きさをそろえたはめ合せ板を
接合して基板の平面性を回復させるなどの処置を行う。
このように構成した実装基板の効果は、光導波路の端面
を基板面に平行に着装できるので光部品との結合が容易
になり、種々の機能を持つ高性能で高密度な光導波路の
性質を損なうことなく着装でき、光導波路の着装プロセ
スが単純で基板の加工も従来技術で対応できるので量産
が可能となり易く、コストの低減に寄与する。この形態
に類似したものとして、貫通孔の代りに基板に窪みを設
け、この部位に導波路を張り付けた実装基板も容易に構
成できる。
【0011】(b)基板の嵌合穴加工による実装基板の
構成 図3に本発明の第2の構成の概要を示す。図3におい
て、符号3、4及び8は図2と同義であり、11は嵌合
穴、12は固定板を意味する。電気回路を構成する配線
の搭載部分は省略してあるが、これらが基板表面や内部
にあっても光配線部分に接触せずにレイアウトすること
は可能であり、具体的には、光導波路を装着する嵌合穴
形成部位は電気回路の配線と両立する位置としなければ
ならない。光配線の位置を設定後、基板材料に対して最
適な加工方法で基板4の所定位置に嵌合穴11を設け
る。嵌合穴の寸法は光導波路の外形と同一の寸法とす
る。この嵌合穴に可とう性の光導波路3を挿入して光導
波路の端面8を基板面に平行に配置後、接着剤で固定し
て実装用基板を構成する。嵌合穴から反対側へ出た光導
波路は基板の裏面に固定されることが望ましく、これは
基板面から固定板12を介して行うことができるが、必
ずしも必須の物ではない。このように構成した実装基板
の効果は、光導波路の端面を基板面に平行に着装できる
ので光部品との結合が容易になる上、この実装基板同士
を接続するバックプレーンボードとの結合にも効果的
で、種々の機能を持つ高性能で高密度な光導波路の性能
を損なうことなく着装でき、光導波路の着装プロセスが
単純で基板の加工も従来技術で対応できるので量産が可
能となり易く、コストの低減に寄与する。
【0012】(c)薄膜光導波路 図1は本発明に用いる可とう性に富んだ薄膜状の光導波
路の構造を示す。図1において、符号1はコア、2はク
ラッド、3は光導波路、13は緩衝層を意味する。プラ
スチックのコア1を屈折率の小さなプラスチックのクラ
ッド2で覆う。このままでは外力に対して強度が弱く、
また導波路の歪みによる損失の増大が生じる。これらの
問題を軽減し、また可とう性を更に増大するかめにプラ
スチックの被覆を行う。これが緩衝層13である。この
緩衝層の材料としてはポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル、シリコーン等が、また補強材としてケ
ブラ、強化プラスチック(FRP)等を用いる。また低
温に保持した場合に生ずる緩衝層の収縮、また外部から
光導波路に付加された応力による損失の増加を避けるた
めに、低ヤング率・高ヤング率の材料を2層に被覆を行
うことも可能である。この例としてはシリコーン/ナイ
ロン12、ポリエチレン/ポリ塩化ビニル、低ヤング率
アクリル樹脂/高ヤング率アクリル樹脂等の組合せが挙
げられる。光導波路のクラッドの厚さはコアの数倍程度
あれば良く、緩衝層は上記の材料を用いて極力薄く製作
することにより可とう性の優れた光導波路が得られる。
光導波路のコアはホトリソグラフィ技術により精度良く
製作可能である。またコアとコアの間隔は配線密度を高
くするためできるだけ小さくし、12μmとすると、5
0本/mmの配線密度が得られる。導波路全体の厚さはmm
オーダーで製作可能である。コアとクラッドとの屈折率
差を0.7%としたとき、許容曲げ半径は4mm、伝搬損
失は0.1dB/cm程度が得られる。
【0013】以上説明したように、本発明による実装基
板は可とう性のある薄膜光導波路をその端面が基板面に
平行になるよう配設する構成になっているため、実装基
板状に着装する光の送受信器を含む集積素子との結合が
容易になり、高密度光配線の有効な利用が可能となる。
また、基板に設けた種々の曲面部にどの様に着装するか
は任意であるから、各部品の光結合部の入・出射方向に
合せて光導波路の端面方向を一致させて着装させること
は本発明の適用により可能である。
【0014】結合が容易になることを具体的に説明する
と、従来の光配線は平面基板上に構成されるので上下、
左右、奥行きの3軸の調整並びに、光軸方向との角度等
の調整が必要なのに比べ、本発明は基板面に垂直に光軸
があるためこの方向は基板面が一つの基準となるので導
波路の端面に素子を押付けるだけで良く、残った他の2
軸を調整すれば良いので、結合ははるかに容易になるわ
けである。
【0015】以上、本発明の光インターコネクションボ
ードについて具体的に説明したが、これらのことから、
本発明の光インターコネクションボードのうちで、特に
好適なるものは、光・電子デバイスを実装する基板にお
いて、光・電子デバイスに結合する被覆された可とう性
のプラスチック光導波路を、曲面部を有する基板の曲面
部に着装し、該光導波路の端面が基板実装面と平行とな
っていることを特徴とする。
【0016】次に、以下本発明の光導波路についてより
具体的に説明する。光導波路に関する本発明の目的は、
可視光〜近赤外光域にわたり低損失で屈折率差を大きく
とれ、しかも屈折率制御が容易な、可とう性のある光導
波路を提供することにある。
【0017】本発明における可とう性のあるプラスチッ
ク光導波路においては、ポリシロキサン又はポリメタク
リレートの組合せあるいは共重合化により種々の屈折率
を持つものが得られ、屈折率差を大きくとれ、また屈折
率制御が容易である。またハロゲン化、重水素化により
低損失の光導波路を得ることができる。これらはプラス
チック基板などの可とう性のある基板上で作製し、緩衝
層を被覆するほか、シリコン基板などの硬い基板上に作
製し導波路のみをはがし、その導波路に緩衝層を被覆す
るなどして可とう性の導波路を作製する。
【0018】使用するポリシロキサンの例として、下記
一般式(化1)又は(化2):
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】〔各式中、R1 、R2 はそれぞれCn
2n+1(Yは水素、重水素あるいはハロゲン、nは5以下
の正の整数)で示されるアルキル基又はハロゲン化アル
キル基、あるいはC6 5 (Yは水素、重水素あるいは
ハロゲン)で示されるフェニル基又はハロゲン化フェニ
ル基を示す〕で表される化学構造を繰返し単位として有
するポリシロキサンが挙げられる。
【0022】該ポリシロキサンは、一般式(化1)又は
(化2)で表される化学構造のうち2種以上の異なった
繰返し単位からなる共重合体のポリシロキサンであって
もよい。
【0023】他方、使用するポリメタクリレートの例と
しては、下記一般式(化3):
【0024】
【化3】
【0025】〔式中、X1 、X2 は同一又は異なり、水
素、重水素、あるいはハロゲン、R1は水素、重水素、
CD3 あるいはハロゲン、R2 はCn 2n+1で示される
ハロゲン化アルキル基(Yはハロゲン、nは5以下の正
の整数)〕で表される繰返し単位を有するポリメタクリ
レートが挙げられる。
【0026】緩衝層の役割、それに使用する材料につい
ては、既述したとおりであるが、該緩衝層は、低ヤング
率及び高ヤング率の材料の2層から成るものであっても
よい。これら緩衝層で被覆する方法としてはフィルム状
のもので導波路をラミネートする方法のほか、液状のも
のを導波路上に塗布する方法、モノマー状のものを塗布
後重合させるなど種々の方法が適応可能である。
【0027】本発明によるプラスチック光導波路は実装
基板を下地にして直接導波路を作製するものとは異な
り、作製するときに生じる種々の制限を受けないため、
高性能な光導波路の適用が可能であり、光導波路に種々
の機能性を付与することと低損失性により、単なる光配
線にとどまらず、光信号の多重化(n×1)、分岐(1
×n)、変調、光スイッチ、等の機能を有し、実装基板
上での光信号の処理も可能とするものである。また能動
性を付与することもできる。また、この光導波路はS
i、GaAs、Al、ガラス、アルミナ、酸化ベリリウ
ム、石英、他のプラスチック基板上に着装が可能であ
る。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0029】実施例1 本発明の実装基板に関する第1の実施例を図4に示す。
図4において符号3〜7は図2と同義であり、15は集
積素子、16は電気−光変換素子の受発光部、17は保
護膜を意味する。光配線に用いる可とう性の薄膜光導波
路3には実施例5によって作製したものを用いた。コア
の大きさは8×8μmで波長1.3μmで単一モードの
導波が可能である。導波路の形状は図1に示したものと
ほぼ同一で厚さ0.8mm、幅は1cmから2cmの薄膜状に
成形してある。実装用基板材料には種々のものが考えら
れるが、光配線を行うので誘電率特性よりも加工性が良
いものが選べる。ここでは電気的な配線用基板材料とし
て従来からよく用いられているガラスエポキシ樹脂を用
いた。またポリイミド樹脂を用いても同様の結果が得ら
れている。基板上に実装する光部品・集積素子やその電
気配線などの配置を決めるフロアプランは光配線を考慮
したものとした。電気配線などの作製時に高温度での処
理が必要な工程をあらかじめ行っておくことは電気、光
の配線を両立させるためには必要である。特に光配線を
導入することで電気的な雑音対策を省略できるため、電
気配線数は大幅に省略でき基板上のレイアウトは容易に
なる利点がある上、電気配線はあらかじめ基板の内部に
多層化して配設できるので光配線用のスペースは充分取
ることが可能である。図4においては細かい電気配線部
分を省略してある。
【0030】基板への曲面を有する貫通孔5は以下のよ
うに形成する。その1はレイアウトプランに従い型どり
をしたプレス成形による。その2はレイアウトプランに
従った金型にプラスチック樹脂を流し込み、基板を成形
することによる。また、他の方法は基板の光配線部の所
定位置に数値制御方式の穴加工とフライス加工により曲
面を有する貫通孔の加工を行う。高精度な移動ステージ
や治具類の使用により貫通孔の位置精度は300×30
0mmの範囲で1μm以下が可能である。ここではこの方
法によった。基板加工により形成された貫通孔の曲面部
6は光導波路の端面引出し方向に光導波路の許容曲げ半
径以上の適度な曲率を付けるためであり、導波路に凹凸
を与えないように表面は滑らかにする。
【0031】このようにして形成された貫通孔5の実装
面の反対側の表面に可とう性のある光導波路3を接着剤
を用いて張り付ける。面に固定後、曲面部の長さに合せ
た所定の長さで、導波路の端部を切断する。このとき、
孔部が大きいときは導波路を支える台をあてがう。また
必要であれば、導波路全体を別個の基板に張り合せてか
ら切断しても良い。次に曲面に沿わせて基板表面と光導
波路の端面8が平行になるよう接着剤を用いて光導波路
の端部を接着する。接着時に導波路を均一に押付けるた
め曲面部に対称的な形状の治具を用いた。この部分の接
着剤には粘性の低いものを用いて薄い層となるようにし
た。曲面部に光導波路を固定した後、貫通孔に押付け用
の治具をそのまま接着固定するか、エポキシ樹脂を流し
込むか、また他の適合する板をはめ合せて、基板全体の
平坦化を行う。但し、素子装着上この貫通孔が問題にな
らなければ、このような貫通孔の埋め込みは必ずしも必
要ではない。次に、基板表面よりはみ出た接着剤及び光
導波路の端部は刃物で切断し、バフ研磨を行い、光学的
な均質さを保つ。研磨を行う際にあらかじめ電気配線部
分に保護膜をつけておく。又は、電気配線を後で行う場
合には光導波路の端面に保護膜をつけておく。
【0032】以上で実装用基板の形成がなされるが、こ
の基板上に集積素子15を搭載するには、集積素子に含
まれる電気−光変換素子の受発光部16と光導波路の入
出射端面8とを位置合せして、光学的な結合を行う。こ
のとき集積素子の電気的な接続も行われなければならな
いが、ハンダバンプ方式のような高精度な位置合せ機能
のある接続が望ましく、もしリードボンディングのよう
な接続時に一方向に力のかかる方式では光結合部が動か
ないような集積素子の固定が必要になる場合がある。ま
た、はんだなどで接続する際に基板表面が高温になると
きや、溶剤を用いるときに光導波路の端面に影響が及ば
ないように、基板表面にポリイミド等の耐熱性、耐溶剤
性の良いフィルム状の保護膜17を張り合せても良い。
【0033】この基板の実装上の利点は、光導波路張り
付け面に更に基板を張り付けられるので、基板の加工部
のレイアウトを適切に行えば多層化が可能であること、
分岐・分配の配線が任意にできること、加工及び着装の
行程が容易であること等である。
【0034】実施例2 図5に本発明に実装用基板に関する第2の実施を示す。
図5における各符号は図3及び図4と同義である。光配
線に用いる可とう性の光導波路3には実施例4によって
作製したものを用いた。コアの大きさは8×8μmで波
長1.3μmで単一モードの導波が可能である。導波路
の形状は図1に示したものとほぼ同一で厚さ0.8mm、
幅は1cmから2cmの薄膜状に成形してある。実装用基板
材料にはガラスエポキシ樹脂を用いた。またポリイミド
樹脂を用いても同様の結果が得られている。基板上に実
装する集積素子やその電気配線などのフロアプランは光
配線を考慮したものとした。作製時に高温度での処理が
必要な行程をあらかじめ行っておくことは電気、光の配
線を両立させるためには必要である。図においては細か
い電気配線部分を省略してある。
【0035】基板4の光配線部の所定位置に数値制御方
式のボール盤加工により所定位置に穴加工を行う。高精
度な移動ステージと治具の使用により穴の位置精度は3
00×300mmの範囲で1μm以下が可能である。穴加
工の後内面に導波端が嵌合するように若干の研磨行程を
行い嵌合穴11を形成する。可とう性光導波路の端部を
この穴に挿入し接着剤で固定する。位置精度を確保する
ために紫外線硬化型の粘度の低い接着剤を用いた。導波
路端面は基板表面と同一面を構成するようにした。表面
のバフ研磨を行い、光学的な均質さを保つ。また、光導
波路を装着する方法として、U字状の型に光導波路を張
り付けた後、大きめの穴に嵌合した接着しても良い。導
波路の端部以外の部分は基板の裏面に固定板12をあて
がい、接着した。また、その後裏面全体をエポキシ系樹
脂等によりモールドしても良い。
【0036】本発明による実装基板は光導波路の端部の
みが基板表面にあるので、この後電気配線などの工程が
されても導波路に影響を与えにくい特徴がある。このた
め必要であれば更に基板表面の全体を研磨することも可
能である。以上で実装用基板の形成がなされた。
【0037】この基板の実装上の利点は、端面が基板に
平行に構成できるので部品との結合が容易になること、
分岐・分配の光配線が任意にできること、他の基板への
配線が容易にできること、加工及び着装の行程が容易で
低コストであること等である。
【0038】実施例3 図6に本発明の実装基板の第3の実施例を示す。図6に
おいて符号3、4、15及び16は図5と同義であり、
9は窪み、10は窪み充てん材、18はバックプレーン
ボード、19は固定子を意味する。実施例1及び実施例
2で述べた実装用基板を組合せて、バックプレーンボー
ド18に用いたものである。バックプレーンボードは実
施例1に従い形成される。実装基板4は実施例2に従い
形成される。バックプレーンボードに直立する実装用基
板は電気的な接続を行うコネクタを含んでおり、かつ固
定されている。基板4に装着された光導波路3はバック
プレーンボードの導波路に結合するため固定子19を用
いて最大結合が得られるように接続する。また、光導波
路3が基板4に固定されるか否かは任意である。
【0039】このように本発明の実装基板を用いること
によりボード間、ブロック間の配線が実現でき、大規模
な高密度実装が容易に可能となる。
【0040】実施例4 図7は本発明の第4の実施例を示す光相互結合用の光配
線に用いる可とう性のある光導波路である。光導波路と
して組成の異なるポリメタクリレートのコア1及びクラ
ッド2からなるものを用いた。材料は今村らによる特願
昭63−243987号による製法により製作した。具
体的には、ポリヘキサフルオロイソプロピルメタクリレ
ートd−5をクラッド成分ポリマー、またポリメチルメ
タクリレートd−8をコア成分として次のように製作し
た。2種のポリマーを1,3−ビス(トリフルオロメチ
ル)ベンゼンに溶かし溶液とした。まずクラッド成分ポ
リマーをシリコン基板上に約20μmの厚さに塗布し
た。ベーク、乾燥処理後クラッド成分ポリマー上にコア
成分ポリマーを約8μmの厚さに塗布した。次にホトリ
ソグラフィ、ドライエッチングによりコア成分ポリマー
を長さ75mm、幅8μm、高さ8μmの直線矩形パタン
に加工した。加工後クラッド成分をコア成分ポリマー上
に塗布し導波路を得た。
【0041】この導波路をシリコン基板からはがしシー
ト状にした。この導波路シートの上下にポリエチレンフ
ィルムでラミネートし緩衝層13とした可とう性のある
光導波路を作製した。この導波路はコアの大きさが8×
8μmで波長1.3μmで単一モードの導波が可能であ
り、この波長の光を導波路の一端から照射し、他端から
出る光量を測定することにより導波路の損失を計算した
ところ、8dB/mであった。
【0042】実施例5 図8を用いて本発明の第5の実施例を示す。光導波路と
して組成の異なるポリシロキサンのコア1及びクラッド
2からなるものを用いた。このポリシロキサンは耐熱性
が優れており、電気部品装着時の加熱などに強い特性を
持つ。材料は今村らによる特願平1−249180号に
よる製法により製作した。具体的には、ポリフェニルシ
ルセスキオキサンの重水素置換体をクラッド成分とし、
トリクロロフェニルシランの重水素置換体を90%また
ジクロロジフェニルシランの重水素置換体を10%含む
クロロシランを加水分解、重合したものをコア成分とし
て次のように製作した。まず2種のポリマーをメチルイ
ソブチルケトンに溶かし溶液とした。次にクラッド成分
ポリマーをプラスチック基板あるいは処理したシリコン
基板上に約20μmの厚さに塗布した。ベーク、乾燥処
理後クラッド成分ポリマー上にコア成分ポリマーを約8
μmの厚さに塗布した。次にホトリソグラフィ、ドライ
エッチングによりコア成分ポリマーを長さ75mm、幅8
μm、高さ8μmの直線矩形パターンに加工した。加工
後クラッド成分をコア成分ポリマー上に塗布し導波路を
得た。
【0043】この導波路を基板からはがしシート状にし
た。この導波路シートの上下に第1次被覆としてシリコ
ーンフィルムをラミネートし、更にナイロン12フィル
ムをラミネートし緩衝層13を有する可とう性のある光
導波路を作製した。この導波路はコアの大きさが8×8
μmで波長1.3μmで単一モードの導波が可能であ
り、波長1.3μm及び1.5μmの光を導波路の一端
から照射し、他端から出る光量を測定することにより導
波路の損失を計算したところ、5dB/mであった。
【0044】以上説明したように種々の実施例を示した
が、各光部品などの配置方法や結合部の形態によっては
これらの各実施例を相互に混合して実装用基板を構成す
ることが行われるので実施例としては挙げないが当然本
発明の範囲に含まれるものである。
【0045】実施例6 ポリヘキサフルオロイソプロピルメタクリレートd−5
(屈折率n=1.36)をクラッド成分、またポリメチ
ルメタクリレートd−8(n=1.48)をコア成分と
する光導波路を以下のようにして製作した。2種のポリ
マーを1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンに
溶かし溶液とした。まずクラッド成分ポリマーをシリコ
ン基板上に約20μmの厚さに塗布した。ベーク、乾燥
処理後クラッド成分ポリマー上にコア成分ポリマーを約
8μmの厚さに塗布した。次にホトリソグラフィ、ドラ
イエッチングによりコア成分ポリマーを長さ50mm、幅
8μm、高さ8μmの直線矩形パターンに加工した。加
工後クラッド成分をコア成分ポリマー上に塗布し導波路
を得た。この導波路をシリコン基板からはがしシート状
にした。この導波路シートの上下にポリエチレンフィル
ムをラミネートし、可とう性のある光導波路とした。波
長1300nmの光を導波路の一端から照射し、他端から
出てくる光量を測定することにより導波路の損失を計算
した。この導波路の損失は8dB/mであった。
【0046】実施例7 ポリフェニルシルセスキオキサンの重水素置換体をクラ
ッド成分とし、トリクロロフェニルシランの重水素置換
体を90%、ジクロロフェニルシランの重水素置換体を
10%含むクロロシランを加水分解、重合したものをコ
ア成分とする光導波路を作製した(両者の屈折率差:
0.9%)。まず2種のポリマーをメチルイソブチルケ
トンに溶かし溶液とした。まずクラッド成分ポリマーを
シリコン基板上に約20μmの厚さに塗布した。ベー
ク、乾燥処理後クラッド成分ポリマー上にコア成分ポリ
マーを約8μmの厚さに塗布した。次にホトリソグラフ
ィ、ドライエッチングによりコア成分ポリマーを長さ5
0mm、幅8μm、高さ8μmの直線矩形パターンに加工
した。加工後クラッド成分をコア成分ポリマー上に塗布
し導波路を得た。この導波路をシリコン基板からはがし
シート状にした。この導波路シートの上下に第1次被覆
としてシリコーンフィルムをラミネートし、更にナイロ
ン12フィルムをラミネートし、可とう性のある光導波
路とした。波長1300nm、1550nmの光を導波路の
一端から照射し、他端から出てくる光量を測定すること
により導波路の損失を計算した。この導波路の損失は5
dB/mであった。
【0047】実施例8 ポリヘキサフルオロイソプロピルメタクリレートをクラ
ッド成分とし、またヘキサフルオロイソプロピルメタク
リレートとメチルメタクリレートの共重合体をコア成分
とする光導波路を以下のようにして製作した(両者の屈
折率差1.1%)。2種のポリマーを1,3−ビス(ト
リフルオロメチル)ベンゼンに溶かし溶液とした。まず
クラッド成分ポリマーをアクリル基板上に約15μmの
厚さに塗布した。ベーク、乾燥処理後クラッド成分ポリ
マー上にコア成分ポリマーを約8μmの厚さに塗布し
た。次にホトリソグラフィ、ドライエッチングによりコ
ア成分ポリマーを幅8μm、高さ8μmの直線矩形パタ
ーンに加工した。加工後クラッド成分をコア成分ポリマ
ー上に塗布し導波路を得た。この導波路の上にポリエチ
レンフィルムを被覆し、可とう性のある光導波路とし
た。波長1300nmの光を導波路の一端から照射し、他
端から出てくる光量を測定することにより導波路の損失
を計算した。この導波路の損失は20dB/mであっ
た。
【0048】実施例9 ポリフェニルシルセスキオキサンをクラッド成分とし、
トリクロロフェニルシランを90%、ジクロロフェニル
シランを10%含むクロロシランを加水分解、重合した
ものをコア成分とする光導波路を作製した(両者の屈折
率差:1%)。まず2種のポリマーをメチルイソブチル
ケトンに溶かし溶液とした。まずクラッド成分ポリマー
をアクリル基板上に約20μmの厚さに塗布した。ベー
ク、乾燥処理後クラッド成分ポリマー上にコア成分ポリ
マーを約8μmの厚さに塗布した。次にホトリソグラフ
ィ、ドライエッチングによりコア成分ポリマーを幅8μ
m、高さ8μmの直線矩形パターンに加工した。加工後
クラッド成分をコア成分ポリマー上に塗布し導波路を得
た。この導波路の上に第1次被覆として熱キュア型シリ
コーンを塗布乾燥し、更にナイロン12フィルムをラミ
ネートし、可とう性のある光導波路とした。波長130
0nm、1550nmの光を導波路の一端から照射し、他端
から出てくる光量を測定することにより導波路の損失を
計算した。この導波路の損失は20dB/mであった。
【0049】実施例10 ポリヘキサフルオロイソプロピルメタクリレートをクラ
ッド成分とし、またヘキサフルオロイソプロピルメタク
リレートとメチルメタクリレートの共重合体をコア成分
とする光導波路を以下のようにして製作した(両者の屈
折率差1.3%)。2種のポリマーを1,3−ビス(ト
リフルオロメチル)ベンゼンに溶かし溶液とした。まず
クラッド成分ポリマーをアクリル基板上に約20μmの
厚さに塗布した。ベーク、乾燥処理後クラッド成分ポリ
マー上にコア成分ポリマーを約8μmの厚さに塗布し
た。次にホトリソグラフィ、ドライエッチングによりコ
ア成分ポリマーを幅8μm、高さ8μmの直線矩形パタ
ーンに加工した。加工後クラッド成分をコア成分ポリマ
ー上に塗布し導波路を得た。この導波路の上に第1次被
覆としてポリブタジエンアクリラートを塗布乾燥し、更
に高ヤング率ウレタンアクリレートを被覆し、可とう性
のある光導波路とした。波長850nmの光を導波路の一
端から照射し、他端から出てくる光量を測定することに
より導波路の損失を計算した。この導波路の損失は8d
B/mであった。
【0050】実施例11 ポリフェニルシルセスキオキサンの重水素置換体をクラ
ッド成分とし、トリクロロフェニルシランの重水素置換
体を80%、ジクロロフェニルシランの重水素置換体を
20%含むクロロシランを加水分解、重合したものをコ
ア成分とする光導波路を作製した(両者の屈折率差:
1.8%)。まず2種のポリマーをメチルイソブチルケ
トンに溶かし溶液とした。まずクラッド成分ポリマーを
アクリル基板上に約15μmの厚さに塗布した。ベー
ク、乾燥処理後クラッド成分ポリマー上にコア成分ポリ
マーを約8μmの厚さに塗布した。次にホトリソグラフ
ィ、ドライエッチングによりコア成分ポリマーを長さ5
0mm、幅8μm、高さ8μmの直線矩形パターンに加工
した。加工後クラッド成分をコア成分ポリマー上に塗布
し導波路を得た。この導波路シートの上に第1次被覆と
してシリコーンフィルムをラミネートし、更にナイロン
12フィルムをラミネートし、可とう性のある光導波路
とした。波長850nmの光を導波路の一端から照射し、
他端から出てくる光量を測定することにより導波路の損
失を計算した。この導波路の損失は10dB/mであっ
た。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように本発明の効果は、種々
の形態の実装基板が提供できることである。特に導波路
端面を実装面に平行にすることで結合が容易となる上、
導波路自体に加工を行わないので本来持っている導波路
の機能性がそのまま活かせ、部品間の相互結合を有機的
に行える効果がある。またボード間、ブロック間の結合
などの配線にも用いることができる。更に光導波路が可
とう性に富んでいるため曲面部のある基板に着装が可能
になり、安定した特性が得られ、耐熱性にも優れ、着装
するための基板加工や着装技術は容易で、行程が単純で
あるため量産化、低コスト化に寄与するものである。ま
た、本発明によるプラスチック光導波路は、従来のもの
に比べ、低損失であり、広い範囲で屈折率制御が可能で
あり、可とう性のある光導波路が作製可能である。その
ため、近赤外光域における光インターコネクション用光
導波路として適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可とう性の光導波路の1例の構造を示
す説明図である。
【図2】本発明の実装基板の1例の作製工程を示す工程
図である。
【図3】本発明の実装基板の1例の構成を示す概要図で
ある。
【図4】本発明の実装基板の1例を示す概要図である。
【図5】本発明の実装基板の1例を示す概要図である。
【図6】本発明の実装基板の1例を示す概要図である。
【図7】本発明の光導波路の1例の構造を示す概要図で
ある。
【図8】本発明の光導波路の1例の構造を示す概要図で
ある。
【符号の説明】
1:コア、2:クラッド、3:光導波路、4:基板、
5:貫通孔、6:曲面部、7:接着層、8:光導波路の
端面、9:窪み、10:窪み充てん材、11:嵌合穴、
12:固定板、13:緩衝層、15:集積素子、16:
電気−光変換素子の受発光部、17:保護膜、18:バ
ックプレーンボード、19:固定子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光・電子デバイスを実装する基板におい
    て、光・電子デバイスに結合する被覆されたプラスチッ
    ク光導波路の端面が基板実装面と平行となっていること
    を特徴とする光インターコネクションボード。
  2. 【請求項2】 光・電子デバイスを実装する基板におい
    て、光・電子デバイスに結合する被覆された可とう性の
    プラスチック光導波路を、曲面部を有する基板の曲面部
    に着装し、該光導波路の端面が基板実装面と平行となっ
    ていることを特徴とする光インターコネクションボー
    ド。
  3. 【請求項3】 光導波路がポリシロキサン及び/又はポ
    リメタクリレートを用いたコア並びにクラッドと、更に
    それらを保護する緩衝層から成ることを特徴とする光導
    波路。
  4. 【請求項4】 該緩衝層が、低ヤング率及び高ヤング率
    の材料の2層から成るものである請求項3に記載の光導
    波路。
  5. 【請求項5】 該ポリシロキサンが、下記一般式(化
    1)又は(化2): 【化1】 【化2】 〔各式中、R1 、R2 はそれぞれCn 2n+1(Yは水
    素、重水素あるいはハロゲン、nは5以下の正の整数)
    で示されるアルキル基又はハロゲン化アルキル基、ある
    いはC6 5 (Yは水素、重水素あるいはハロゲン)で
    示されるフェニル基又はハロゲン化フェニル基を示す〕
    で表される化学構造を繰返し単位として有するポリシロ
    キサンである請求項3又は4に記載の光導波路。
  6. 【請求項6】 該ポリシロキサンが、一般式(化1)又
    は(化2)で表される化学構造のうち2種以上の異なっ
    た繰返し単位からなる共重合体のポリシロキサンである
    請求項3又は4に記載の光導波路。
  7. 【請求項7】 該ポリメタクリレートが、下記一般式
    (化3): 【化3】 〔式中、X1 、X2 は同一又は異なり、水素、重水素、
    あるいはハロゲン、R1は水素、重水素、CD3 あるい
    はハロゲン、R2 はCn 2n+1で示されるハロゲン化ア
    ルキル基(Yはハロゲン、nは5以下の正の整数)〕で
    表される繰返し単位を有するポリメタクリレートである
    請求項3又は4に記載の光導波路。
JP10238192A 1992-03-30 1992-03-30 光インターコネクションボード及び光導波路 Pending JPH05281428A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10238192A JPH05281428A (ja) 1992-03-30 1992-03-30 光インターコネクションボード及び光導波路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10238192A JPH05281428A (ja) 1992-03-30 1992-03-30 光インターコネクションボード及び光導波路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05281428A true JPH05281428A (ja) 1993-10-29

Family

ID=14325881

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10238192A Pending JPH05281428A (ja) 1992-03-30 1992-03-30 光インターコネクションボード及び光導波路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05281428A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002022987A (ja) * 2000-07-10 2002-01-23 Toppan Printing Co Ltd 光配線基板および製造方法
EP0782714B1 (en) * 1994-08-26 2003-03-26 JDS Uniphase Inc. A method of making an optical waveguide device
JP2006154417A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Hitachi Chem Co Ltd フレキシブル光導波路及びその製造方法並びに製造装置
JP2006154418A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Hitachi Chem Co Ltd フレキシブル光導波路及びその製造方法並びに製造装置
JP2006313389A (ja) * 2001-12-28 2006-11-16 Hitachi Chem Co Ltd ポリマー光導波路フィルム
WO2007007073A1 (en) * 2005-07-09 2007-01-18 The Centre For Integrated Photonics Limited Three dimensional optical path control by integrating rotated structures
JP2007025310A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Sony Corp 光情報処理装置
WO2007013208A1 (ja) * 2005-07-27 2007-02-01 Mitsumi Electric Co., Ltd. 導波路フィルムケーブル
JP2007128028A (ja) * 2005-05-11 2007-05-24 Hitachi Chem Co Ltd フレキシブル光導波路及びその製造方法
JP2008032881A (ja) * 2006-07-27 2008-02-14 Jsr Corp 光導波路フィルム及びその製造方法
JP2008164854A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Jsr Corp フィルム状光導波路
JP2009223184A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Fujitsu Ltd 光導波路構造体及びその製造方法、光モジュール
US8326110B2 (en) 2004-10-07 2012-12-04 Hitachi Chemical Company, Ltd. Flexible optical waveguide having a cladding layer composed of a resin for forming a cladding layer and a base material film
WO2016063751A1 (ja) * 2014-10-24 2016-04-28 日東電工株式会社 光電気混載基板およびその製法

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0782714B1 (en) * 1994-08-26 2003-03-26 JDS Uniphase Inc. A method of making an optical waveguide device
JP2002022987A (ja) * 2000-07-10 2002-01-23 Toppan Printing Co Ltd 光配線基板および製造方法
JP4691758B2 (ja) * 2000-07-10 2011-06-01 凸版印刷株式会社 光配線基板および製造方法
JP2006313389A (ja) * 2001-12-28 2006-11-16 Hitachi Chem Co Ltd ポリマー光導波路フィルム
US8326110B2 (en) 2004-10-07 2012-12-04 Hitachi Chemical Company, Ltd. Flexible optical waveguide having a cladding layer composed of a resin for forming a cladding layer and a base material film
JP2006154418A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Hitachi Chem Co Ltd フレキシブル光導波路及びその製造方法並びに製造装置
JP4513005B2 (ja) * 2004-11-30 2010-07-28 日立化成工業株式会社 フレキシブル光導波路の製造方法
JP4577559B2 (ja) * 2004-11-30 2010-11-10 日立化成工業株式会社 フレキシブル光導波路の製造方法
JP2006154417A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Hitachi Chem Co Ltd フレキシブル光導波路及びその製造方法並びに製造装置
JP2007128028A (ja) * 2005-05-11 2007-05-24 Hitachi Chem Co Ltd フレキシブル光導波路及びその製造方法
WO2007007073A1 (en) * 2005-07-09 2007-01-18 The Centre For Integrated Photonics Limited Three dimensional optical path control by integrating rotated structures
JP2007025310A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Sony Corp 光情報処理装置
JP4654807B2 (ja) * 2005-07-19 2011-03-23 ソニー株式会社 光情報処理装置
JPWO2007013208A1 (ja) * 2005-07-27 2009-02-05 ミツミ電機株式会社 導波路フィルムケーブル
EP1909123A4 (en) * 2005-07-27 2009-07-08 Mitsumi Electric Co Ltd FLAT GUIDE FLAT CABLE
KR100973631B1 (ko) * 2005-07-27 2010-08-02 미쓰미덴기가부시기가이샤 도파로 필름 케이블
US7885502B2 (en) 2005-07-27 2011-02-08 Mitsumi Electric Co., Ltd. Waveguide film cable
JP4655091B2 (ja) * 2005-07-27 2011-03-23 ミツミ電機株式会社 導波路フィルムケーブル
EP1909123A1 (en) * 2005-07-27 2008-04-09 Mitsumi Electric Co., Ltd. Waveguide film cable
WO2007013208A1 (ja) * 2005-07-27 2007-02-01 Mitsumi Electric Co., Ltd. 導波路フィルムケーブル
JP2008032881A (ja) * 2006-07-27 2008-02-14 Jsr Corp 光導波路フィルム及びその製造方法
JP2008164854A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Jsr Corp フィルム状光導波路
JP2009223184A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Fujitsu Ltd 光導波路構造体及びその製造方法、光モジュール
WO2016063751A1 (ja) * 2014-10-24 2016-04-28 日東電工株式会社 光電気混載基板およびその製法
JP2016085314A (ja) * 2014-10-24 2016-05-19 日東電工株式会社 光電気混載基板およびその製法
US10353161B2 (en) 2014-10-24 2019-07-16 Nitto Denko Corporation Opto-electric hybrid board and method of manufacturing same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0782714B1 (en) A method of making an optical waveguide device
US5625730A (en) Optical waveguide module having waveguide substrate made of predetermined material and ferrule made of material different from that of waveguide substrate
US6314228B1 (en) Optical waveguide component and a method of producing the same
US7418165B2 (en) Flexible optical waveguides for backplane optical interconnections
JP2836770B2 (ja) 光信号分配システムとその形成方法
JP3570882B2 (ja) 光素子実装基板、該実装基板を用いた光モジュール、およびそれらの製造方法
US6496624B1 (en) Optical waveguide device for optical wiring and manufacturing method therefor
JPH10160961A (ja) 光学素子
JPH05281428A (ja) 光インターコネクションボード及び光導波路
KR100926395B1 (ko) 광 도파로 필름과 그 제조 방법, 그것을 포함하는 광 전기혼재 필름 및 전자기기
JPH10300961A (ja) 光路変換素子と、その作製方法、および光路変換素子作製用のブレード
KR20020039336A (ko) 광섬유 스플라이싱용 중합체 그리핑 소자
JP3185797B2 (ja) 接着シート付き導波路フィルム及びその実装方法
JP3029428B2 (ja) 光配線用光導波路素子及びその製造方法
JPH11231163A (ja) 光ファイバコネクタおよびその製造方法
JPH04281406A (ja) フレキシブル光導波路基板及びその製造方法
JPH11183747A (ja) 三次元高分子光導波路アレイおよびその製造方法
JP3116979B2 (ja) 光導波路間の光結合構造
JP3747382B2 (ja) フェルール、該フェルールを利用した光導波路モジュール及びその製造方法
JP4018852B2 (ja) 光導波路基板
JPH0784134A (ja) 光結合装置
JP3778214B2 (ja) フェルール
JPH08110428A (ja) 光導波路と光ファイバの接続構造
JPH10504913A (ja) 自立の可撓性導波体シートを用いて、光導波体をファイバーコンベクターにする方法
Ni Polymer optical waveguides for multi-chip modules