JP4893545B2 - 反射防止フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、反射防止フィルムに関するものであり、特に、各種ディスプレイの表示画面の表面に使用される反射防止フィルムに関する。
多くのディスプレイは、室内外を問わず外光などが入射するような環境下で使用される。この外光などの入射光は、ディスプレイの表示画面の表面等において正反射され、反射光が表示光と混合し表示品質を低下させ表示画像を見にくくしている。
特に、最近のオフィスのOA化に伴い、コンピュータを使用する頻度が増し、ディスプレイと相対していることが長時間化した。これにより反射光による表示品質の低下が、目の疲労など健康障害等を引き起こす要因とも考えられている。
更には、近年ではアウトドアライフの普及に伴い、各種ディスプレイを室外で使用する機会が益々増える傾向にあり、表示品質をより向上させて表示画像を明確に認識できるような要求が出てきている。
これらの要求を満たす対応の例として、透明基材の表面に、金属酸化物などから成る高屈折率層と低屈折率層を積層した、或いは無機や有機フッ素化合物などの低屈折率層を単層で形成した、可視光の広範囲にわたり反射防止効果を有する反射防止フィルムをディスプレイの表示画面の表面に張り合わせることが知られている。
また、これとは別に、透明プラスチックフィルム基材の表面に透明な微粒子を含むコーティング層を形成し、表面の微小な凹凸により外光を乱反射させるなどして、類似の効果が得られることも知られている。
特開平9−208898号公報 特開平9−220791号公報
しかしながら、上記低屈折率層を単層で形成した反射防止フィルムは、人が使用することによって、擦過などにより低屈折率層の表面に傷が付きやすい。
そのため、ディスプレイの表示画面の表面に反射防止フィルムを貼り合わせた場合、擦過等による傷のため表示画像が見にくくなるほか、外観を著しく損なうものであり、また、傷をきっかけとして低屈折率層の剥離を招くなどの問題が生じる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、擦過による低屈折率層の表面への傷が付きにくく、また、低屈折率層の剥離のない反射防止フィルムを提供することを課題とするものである。
本発明は、透明プラスチックフィルム基材の少なくとも片面上に、
1)1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を含有する多官能性モノマーを主成分とする重合体を用いてハードコート層を形成し、
2)該ハードコート層に表面処理を行い、
3)表面処理を行ったハードコート層上に、化学式(1)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体と、化学式(2)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体との共重合体を主成分とするコーティング溶液を用いて低屈折率層を形成し、作製すること、および前記コーティング溶液が、反応基含有ジメチルシリコーンオイルを添加したコーティング溶液であること、前記共重合体の、化学式(1)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体と、化学式(2)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体の混合モル比が、95:5であることを特徴とする反射防止フィルムである。
Figure 0004893545
Figure 0004893545

また、本発明は、前記アルカリ水溶液に浸漬する工程において、アルカリ水溶液が水酸化ナトリウム水溶液であり、水酸化ナトリウム水溶液の濃度が0.1〜10Nであり、水酸化ナトリウム水溶液の温度が0〜100℃であり、浸漬時間が0.01〜10時間であることを特徴とする請求項2記載の反射防止フィルムの製造方法である。

本発明は、透明プラスチックフィルム基材上に、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を含有する多官能性モノマーを主成分とする重合体を用いてハードコート層を形成し、ハードコート層に表面処理を行い、前記化学式(1)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体と、前記化学式(2)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体との共重合体を主成分とするコーティング溶液を用いて低屈折率層を形成した反射防止フィルムであるので、擦過による低屈折率層の表面への傷が付きにくく、低屈折率層の剥離のない反射防止フィルムとなる。
また、コーティング溶液が、反応基含有ジメチルシリコーンオイルを添加したコーティング溶液であるので、低屈折率層の表面の滑り性が向上し、擦過などにより低屈折率層の表面への傷がさらに付きにくく、低屈折率層の剥離が更になくなる反射防止フィルムとなる。
また、共重合体の、化学式(1)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体と、化学式(2)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体の混合モル比が、95:5であるので、擦過による低屈折率層の表面への傷付きや、低屈折率層の剥離が更に少ない反射防止フィルムとなる。
また、本発明は、上記反射防止フィルムにおいて、表面処理がアルカリ処理であるので、ハードコート層と低屈折率層との密着性を有効に向上させることができる反射防止フィルムとなる。
以下に本発明による反射防止フィルムを、その実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明による反射防止フィルムの一実施例を示す断面図である。図1に示すように、本発明による反射防止フィルム(10)は、透明プラスチックフィルム基材(1)の片面上にハードコート層(2)及び低屈折率層(3)が形成されたものである。
低屈折率層(3)の屈折率は、透明プラスチックフィルム基材(1)の屈折率より低い屈折率であり、透明プラスチックフィルム基材の屈折率より低い屈折率の低屈折率層を透明プラスチックフィルム基材上に形成することにより、反射防止効果を奏するものとなる。
透明プラスチックフィルム基材としては、種々の有機高分子からなる基材を挙げることができる。通常、光学部材として使用される基材は、透明性、屈折率、分散などの光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性の点から、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド系(ナイロン6、ナイロン66等)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、アクリル、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等)、或いはこれらの有機高分子の共重合体などが挙げられる。
これらの透明プラスチックフィルム基材を構成する有機高分子に、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を含有させたものも使用することができる。
また、透明プラスチックフィルム基材としては、単層、あるいは複数の有機高分子を積層したものでも良い。また、その厚みは、特に限定されるものではないが、70〜200μm程度が好ましい。
ハードコート層は、透明プラスチックフィルム基材の表面硬度を補強するものであり、鉛筆等の荷重のかかる引っ掻きによる傷を防止し、また、反射防止フィルムの屈曲によって低屈折率層にクラックが発生することを抑制することができ、反射防止フィルムの機械的強度が改善できる。
ハードコート層は、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を含有する多官能性モノマーを主成分とする重合体を用いて形成したものである。
多官能性モノマーとしては、1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスβ−(メタ)アクリロイルオキシプロピネート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2,3−ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシメチル[2.2.1]ヘプタン、ポリ1,2−ブタジエンジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルヘキサン、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカンエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、10−デカンジオール(メタ)アクリレート、3,8−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.10]デカン、水素添加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、エボキシ変成ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
多官能モノマーは、一種類のみを使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。また、必要で有れば単官能モノマーと併用して共重合させることもできる。
ハードコート層は、透明プラスチックフィルム基材と屈折率が同等もしくは近似していることがより好ましい。膜厚は3μm以上あれば十分な強度となるが、透明性、塗工精度、取り扱いから5μm〜7μmの範囲が好ましい。
ハードコート層に平均粒子径0.01μm〜3μmの無機或いは有機物微粒子を混合分散させるか、又はハードコート層の表面形状を凹凸にさせて、一般にアンチグレアと呼ばれる光拡散性を具備させることが出来る。これらの微粒子は透明であれば特に限定されるものではないが、低屈折率材料が好ましく、酸化珪素、フッ化マグネシウムが安定性、耐熱性等で好ましい。これらのハードコート層は均一に塗布されるものであれば、塗布方法はいかなる方法でも構わない。
ハードコート層上に本発明のコーティング溶液を塗工する前に、表面処理を行うことが必要である。表面処理を行うことにより、ハードコート層と低屈折率層との密着性を向上させることができる。
ハードコート層の表面処理としては、高周波放電プラズマ法、電子ビーム法、イオンビーム法、蒸着法、スパッタリング法、アルカリ処理法、酸処理、コロナ処理法、大気圧グロー放電プラズマ法等を挙げることができる。
特に、アルカリ処理法が有効である。アルカリ処理に使用するアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液、それらに更にアルコール等の各種有機溶媒を加えたアルカリ水溶液等を挙げることができる。
アルカリ処理の条件は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合、0.1〜10Nの濃度の水溶液として使用することが望ましく、更には、1〜2Nの濃度が望ましい。また、アルカリ水溶液の温度は、0〜100℃、好ましくは、20〜80℃である。アルカリ処理の時間は、0.01〜10時間、好ましくは、0.1〜1時間である。
化学式(1)で表される有機珪素化合物としては、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si[OCH(CH、Si(OCが挙げられ、これらを単独に、あるいは2種類以上併せて用いてもよい。
化学式(2)で表される有機珪素化合物としては、CH(CHSi(OCH、CFCF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CHSi(OC、CFCF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF3(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC等が挙げられ、これらを単独に、あるいは2種類以上併せて用いてもよい。
上記化学式(1)、または化学式(2)で表される有機珪素化合物を用いて重合体を、或いは、化学式(1)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体と、化学式(2)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体を用いて共重合体を作製する方法は限定されないが、加水分解によって作製するにあたっての触媒としては、公知であり、例えば、塩酸、蓚酸、硝酸、酢酸、フッ酸、ギ酸、燐酸、蓚酸、アンモニア、アルミニウムアセトナート、ジブチルスズラウレート、オクチル酸スズ化合物、メタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフロロ酢酸等が挙げられ、これらを単独に、或いは2種類以上併せて用いてもよい。
上記共重合体を主成分とするコーティング溶液は、通常、揮発性溶媒で希釈して塗布される。希釈溶媒として用いられるものは、特に限定されないが、組成物の安定性、ハードコート層に対する濡れ性、揮発性などを考慮して、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール等のグリコールエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
また、溶媒は1種類のみならず2種類以上の混合物として用いることも可能である。
このウエットコーティング法は、複雑な形状の透明基材や、面積の広い透明基材への成膜に使用することが好ましい。
コーティング溶液は、ウエットコーティング法(ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法等)によりハードコート層上に塗工される。必要ならば、塗工後、加熱、加湿、紫外線照射、電子線照射等を行って低屈折率層を形成する。
この低屈折率層は、耐擦過性、密着性に優れたものであり、擦過による低屈折率層の表面の傷付きや低屈折率層の剥離がなくなる。
本発明における、上記共重合体を主成分とするコーティング溶液を用いて形成された低屈折率層の屈折率は、前記透明プラスチックフィルム基材のいずれの屈折率よりも低い値であり、また、この低屈折率層の厚さ(d)は、低屈折率層の屈折率をnとすると、略n・d=λ/4であることが好ましい。
また、上記コーティング溶液中に、反応基含有ジメチルシリコーンオイルを添加することにより、低屈折率層の表面の滑り性が向上し、擦過などにより低屈折率層の表面への傷が更に付きにくく、低屈折率層の剥離が更になくなる。
反応基は、ジメチルシリコーンの両末端、片末端、側鎖中に含有するものであり、反応基としては、例えば、水酸基、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、アクリル基、メタクリロキシ基、シラノール基、ハロゲン基、メルカブト基等が挙げられ、これらを単独に、或いは2種類以上併せて含有していてもかまわない。
以下、実施例により本発明による反射防止フィルムを詳細に説明する。
<実施例1>
(ハードコート層の形成)
透明プラスチックフィルム基材としてTACフィルムを用いた。厚さ80μmのTACフィルム上に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及びペンタエリスリトールテトラアクリレートを用いてハードコート層用の塗布液を調整した。
このハードコート層用の塗布液をマイクログラビア法を用いて膜厚5μmで塗布し、120Wのメタルハライドランプを20cmの距離から10秒間照射することにより、ハードコート層を形成した。
(表面処理)
上記ハードコート層を形成したTACフィルムを、50℃に加熱した1.5N−NaOH水溶液に2分間浸漬しアルカリ処理を行い、水洗後、0.5N−HSO水溶液に室温で30秒間浸漬し中和させ、水洗、乾燥を行った。
(低屈折率層の形成)
Si(OC)4を95mol、CF(CF(CHSi(OCHを5molの混合比で、0.1N−HClを触媒に用い共重合体を得、この共重合体からコーティング溶液を調製した。
上記表面処理を行ったハードコート層を形成したTACフィルム上にマイクログラビア法を用いてコーティング溶液を膜厚100nmで塗布し、120℃で1分間乾燥を行うことにより、低屈折率層を形成した。
<実施例2>
(ハードコート層の形成)、及び(表面処理)は実施例1と同一である。
(低屈折率層の形成)
Si(OCを95mol、CF(CF(CHSi(OCHを5molの混合比で、0.1N−HClを触媒に用い共重合体を得、この共重合体から両末端シラノール基含有ジメチルシリコーンオイルを添加したコーティング溶液を調製した。
実施例1と同一の表面処理を行ったハードコート層を形成したTACフィルム上にマイクログラビア法を用いてコーティング溶液を膜厚100nmで塗布し、120℃で1分間乾燥を行うことにより、低屈折率層を形成した。
<実施例3>
(ハードコート層の形成)、及び(表面処理)は実施例1と同一である。
(低屈折率層の形成)
Si(OCと、CF(CF(CHSi(OCHの混合モル比を、50:50、80:20、95:5、100:0とした4種類を0.1N−HClを触媒に用い共重合体を得、この共重合体から4種類のコーティング溶液を調製した。
実施例1と同一の表面処理を行ったハードコート層を形成したTACフィルム上にマイクログラビア法を用いて4種類のコーティング溶液を各々膜厚100nmで塗布し、120℃で1分間乾燥を行うことにより、4種類の低屈折率層を形成した。
<比較例1>
(ハードコート層の形成)、及び(表面処理)は実施例1と同一である。
(低屈折率層の形成)
Si(OC2 H5 )4 の混合モル比を100とし、0.1N−HClを触媒に用い重合体を得、この重合体からコーティング溶液を調製した。 実施例1と同一の表面処理を行ったハードコート層を形成したTACフィルム上にマイクログラビア法を用いてコーティング溶液を膜厚100nmで塗布し、120℃で1分間乾燥を行うことにより低屈折率層を形成した。
<比較例2>
(ハードコート層の形成)は実施例1と同一であり、表面処理は行わず。
(低屈折率層の形成)
Si(OCを95mol、CF(CF(CHSi(OCHを5molの混合比で、0.1N−HClを触媒に用い共重合体を得、この共重合体からコーティング溶液を調製した。
ハードコート層を形成したTACフィルム上に、表面処理は行わずマイクログラビア法を用いてコーティング溶液を膜厚100nmで塗布し、120℃で1分間乾燥を行うことにより、低屈折率層を形成した。
<比較例3>
(ハードコート層の形成)は実施例1と同一であり、表面処理は行わず。
(低屈折率層の形成)
Si(OCの混合モル比を100とし、0.1N−HClを触媒に用い重合体を得、この重合体からコーティング溶液を調製した。
ハードコート層を形成したTACフィルム上に、表面処理は行わずマイクログラビア法を用いてコーティング溶液を膜厚100nmで塗布し、120℃で1分間乾燥を行うことにより低屈折率層を形成した。
(各種物性評価方法)
(a)反射率測定
反射防止フィルム面をサンドペーパーでこすり、艶消しの黒色塗料を塗布した後、波長550nmの光を入射角5°で片面の反射率を測定した。
(b)接触角測定
接触角計〔協和界面科学(株)製:CA−X型〕を用いて、乾燥状態(20℃−65%RH)で直径1.0mmの液滴を針先に作り、これを反射防止フィルム(固体)の表面に接触させて液滴を作った。接触角とは、固体と液体が接する点における液体表面に対する接線と固体表面がなす角で、液体を含む方の角度で定義した。液体には、蒸留水を使用した。
尚、接触角測定は、以下の摩耗処理を行った後にも行った。評価結果を表1、表2に括弧で示す。
摩耗処理:反射防止フィルム表面をセルロース製不織布〔旭化成工業(株)製:ベンコットM−3〕により荷重500g/cm2 で100回擦る。
(c)油性ペンの拭き取り性
反射防止フィルムの表面に付着した油性ペンのインキをセルロース製不織布〔旭化成工業(株)製:ベンコットM−3〕で拭き取り、その取れ易さを目視判定で行った。判定基準を以下に示す。
○:油性ペンのインキを完全に拭き取ることが出来る。
△:油性ペンのインキの拭き取り跡が残る。
×:油性ペンのインキを拭き取ることが出来ない。
(d)指紋の拭き取り性
反射防止フィルムの表面に付着した指紋をセルロース製不織布〔旭化成工業(株)製:ベンコットM−3〕で拭き取り、その取れ易さを目視判定で行った。判定基準を以下に示す。
○:指紋を完全に拭き取ることが出来る。
△:指紋の拭き取り跡が残る。
×:指紋を拭き取ることが出来ない。
(e)耐擦傷性
反射防止フィルムの表面をスチールウール〔日本スチールウール(株)製:ボンスター#0000〕により250g/cmで20回擦り、傷の有無を目視判定で行った(スチールウール試験)。判定基準を以下に示す。
○:傷を確認することが出来ない。
△:数本傷を確認できる。
×:傷が多数確認できる。
(f)密着性
反射防止フィルムの表面を1mm角で100点カット後、粘着セロハンテープ〔ニチバン(株)製:工業用24mm巾セロテープ(登録商標)〕による剥離の有無を目視判定で行った(クロスカットテープピール試験)。
(各種物性評価結果)
表1に、実施例1〜2、比較例1〜3の評価結果を、また、表2に、実施例3の評価結果を示す。
Figure 0004893545
Figure 0004893545
本発明による反射防止フィルムの一実施例を示す断面図である。
符号の説明
10…本発明による反射防止フィルム
1…透明プラスチックフィルム基材
2…ハードコート層
3…低屈折率層

Claims (2)

  1. 透明プラスチックフィルム基材の少なくとも片面上に、
    1)1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を含有する多官能性モノマーを主成分とする重合体を用いてハードコート層を形成し、
    2)該ハードコート層に表面処理を行い、
    3)表面処理を行ったハードコート層上に、化学式(1)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体と、化学式(2)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体との共重合体を主成分とするコーティング溶液を用いて低屈折率層を形成し、作製すること、および前記コーティング溶液が、反応基含有ジメチルシリコーンオイルを添加したコーティング溶液であること
    前記共重合体の、化学式(1)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体と、化学式(2)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体の混合モル比が、95:5であることを特徴とする反射防止フィルム。
    Figure 0004893545
    Figure 0004893545
  2. 前記表面処理が、アルカリ処理であるとともに、前記アルカリ処理が水酸化ナトリウム水溶液を用いてなされるものであること、前記アルカリ処理の条件が、1〜2Nの濃度の水溶液として使用すること、アルカリ水溶液の温度が20〜80℃であること、処理時間が0.1〜1時間であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルム。
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