JP4325399B2 - 防汚性ハードコートおよびその製造方法、防汚性基材、防汚導電性基材、タッチパネル、ならびに表示装置 - Google Patents

防汚性ハードコートおよびその製造方法、防汚性基材、防汚導電性基材、タッチパネル、ならびに表示装置 Download PDF

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この発明は、表面に防汚性が付与された防汚性ハードコートおよびその製造方法、防汚性基材、防汚導電性基材、タッチパネル、ならびに表示装置に関する。
窓ガラスや自動車用ガラス、或いは反射防止性を持たせるためにプラスチック基材上に二酸化硅素層が形成されるような光学部品においては、雨水や汚染物が付着すると、これら付着物、特に油汚れ等を拭き取り洗浄するのに手間がかかる。
また、ガラスをはじめ、表面が主に二酸化硅素で形成されている基材は、高い表面硬度を有する反面、手垢、指紋、汗、ヘアーリキッド、ヘアースプレー等による汚れが目立ちやすく、またそれが除かれにくいという欠点を有している。また、表面のすべりが悪いために損傷時の傷が太くなりやすい等の問題点も有している。さらに、水に対する濡れ性が大きいために、雨滴、水の飛沫が付着すると大きく拡がり、例えば眼鏡レンズ等においては大面積にわたって物体がゆがんで見える等の問題点も有している。
また、近年、CRT(Cathode-Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electro Luminescence)等のディスプレイが発達し、多方面に使用されるようになり、それに伴って画像をより見易くするための反射防止膜をディスプレイ表面上に設けることが増えてきた。この反射防止膜は、一般的に下層よりも屈折率の低い材料を、対象とする光の波長の1/4の光学的膜厚分だけ最表面に設けて構成される。この最表面層を作製する方法としては、フッ化マグネシウムやシリカ等の材料を真空蒸着やスパッタリング法により設ける方法、アルコキシシランの加水分解物等を溶液塗工する方法、フッ素系の高分子膜を蒸着や塗工で形成する方法等が用いられている。ところが、この最表面層の屈折率が低いために、汚れ、特に指紋汚れが目立ち易いという問題がある。
そこで、これらの問題を解決すべく、従来ガラス表面に撥水処理を施し、汚染防止を図る試みがなされている。この汚染防止の方法としては、(1)ポリジメチルシロキサンと室温で液状の炭化水素とからなる溶液中に無機ガラスを浸漬し、ディッピング法により塗布した後250〜350℃で焼き付ける方法(例えば、特許文献1参照)、(2)ポリフルオロアルキル基含有シラン化合物を塗布する方法(例えば、特許文献2,3および4参照)、(3)フルオロアルキル基含有シラン化合物に対してアルコキシシシランを添加した混合物を塗布する方法(例えば、特許文献5参照)が開示されている。
しかしながら、これまでのシリコーン系被覆剤やフッ素系被覆剤による処理膜は、一時的に撥水機能を付与するものであり、ワイパー等による機械的な作用によりその撥水効果は劣化し永続性がなく耐久性に乏しいものであった。特に、これまでのフッ素系被覆剤においては、撥水性は増すが、塗布厚が大きくなり塗布ムラを作りやすいという欠点があり、塗布性に対して十分な結果が得られなかった。
そこで、本出願人は、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物の被膜を二酸化珪素からなるガラスやプラスチック基材上に形成する方法を提案している(特許文献6参照)。この方法は、基材面のSiO2との強固な相互作用を持たせるため、アルコキシシラノ基を分子構造中に取り込み、耐溶剤性を向上したものである。
ところで、近年では、アクリル系ハードコート上に防汚処理を施す要求が高まっている。アクリル系ハードコートは、その強度特性、透明性から応用用途が広まっている。例えば、アクリル系ハードコートは、ガラスに成り代わる透明有機基板として、主に光学用基材として利用されている。また、蒸着法、又はスパッタ法によりアクリル系ハードコートと金属層からなる積層板へ加工されたり、光ディスクやタッチパネル等の表面保護材料として使用されたりしている。ところが、従来のアクリル系ハードコートは、指紋、油性ペンに対する表面の防汚性が乏しいという問題を有している。すなわち、アクリル系ハードコートを光学部品などにそのまま用いた場合には、アクリル系ハードコートは光学部品の光学特性を劣化させる原因となってしまう。
そこで、耐候性、撥水性、耐汚染性に優れ、有機溶剤に可溶なフッ素含有樹脂を用いて、アクリル系ハードコートの防汚性を向上させることが提案されている。具体的には、防汚性を改善するために行われている方法として、アクリル系ハードコートのアクリルモノマーに防汚性を持った物質を混合する方法(例えば、特許文献7参照)、紫外線硬化性アクリルモノマーとフッ素化(メタ)アクリレートとポリシロキサン基含有(メタ)アクリレートとの共重合体と、フッ素化オレフィン系重合体を含有してなる被覆用防汚性組成物を被覆し硬化する方法(例えば、特許文献8参照)が提案されている。
特開平1−126244号公報 特開平5−024885号公報 特開平6−016455号公報 特開平8−026774号公報 特開平5−170486号公報 特願平11−92177号公報 特開平10―110118号公報 特開平7-228820号公報
ところが、本発明者らの知見によれば、上述の従来技術では、ハードコートの表面に十分な数のフッ素基が存在しないために、良好な防汚性を得ることができない。
そこで、本発明者らは、ハードコート上に、密着層を形成し、さらに密着層上に、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物からなる防汚層を形成する方法を検討している。
しかしながら、本発明者の知見によれば、上述の方法では、耐磨耗性、耐溶剤性を大幅に向上することができるが、防汚層に塗布斑が発生して、視認性が劣化してしまうという問題がある。特に、防汚剤の濃度が高すぎると、防汚層の膜厚が厚くなりすぎるため、塗布斑の発生による視認性の劣化が著しい。このため、上述の方法では、フッ素系被覆剤が可溶な洗浄溶媒を用いて、発生した塗布斑を拭取る洗浄工程が必ず必要となり、手間がかかってしまう。また、乾燥環境では塗布班を拭取れないなどの問題も生じてしまう。
特に、噴霧により防汚剤を塗布して防汚層を形成する場合には、噴霧量調節によって薄膜を形成することが困難であるため、塗布後に塗布斑が著しく発生してしまう。
したがって、この発明の目的は、防汚層に塗布斑が発生することを防止して、優れた透明性を有する防汚性ハードコートおよびその製造方法、防汚性基材、防汚導電性基材、タッチパネル、ならびに表示装置を提供することにある。
上述の課題を解決するために、この発明は、第1の発明は、
アクリル系ハードコートと、
アクリル系ハードコート上に直接形成された密着層と、
密着層上に直接形成された防汚層と
を備え、
密着層が1つの分子中に反応性の異なる2種類の官能基を持つ化合物であるカップリング剤を含有し、
防汚層が両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とを含有し、
パーフルオロポリエーテル化合物が、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物である防汚性ハードコートである。
第2の発明は、
基材と、
基材の一主面に形成されたアクリル系ハードコートと、
アクリル系ハードコート上に直接形成された密着層と、
密着層上に直接形成された防汚層と
を備え、
密着層が1つの分子中に反応性の異なる2種類の官能基を持つ化合物であるカップリング剤を含有し、
防汚層が両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とを含有し、
パーフルオロポリエーテル化合物が、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物である防汚性基材である。
第3の発明は、
基材と、
基材の一主面に形成されたアクリル系ハードコートと、
アクリル系ハードコート上に直接形成された密着層と、
密着層上に直接形成された防汚層と、
基材の他主面に形成された透明導電膜と
を備え、
密着層が1つの分子中に反応性の異なる2種類の官能基を持つ化合物であるカップリング剤を含有し、
防汚層が両末端にパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とを含有し、
パーフルオロポリエーテル化合物が、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物である防汚導電性基材である。
第4の発明は、
防汚導電性基材をタッチ側に備え、
防汚導電性基材が、
基材と、
基材の一主面に形成されたアクリル系ハードコートと、
アクリル系ハードコート上に直接形成された密着層と、
密着層上に直接形成された防汚層と、
基材の他主面に形成された透明導電膜と
を備え、
密着層が1つの分子中に反応性の異なる2種類の官能基を持つ化合物であるカップリング剤を含有し、
防汚層が両末端にパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とを含有し、
パーフルオロポリエーテル化合物が、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物であるタッチパネルである。
第5の発明は、
アクリル系ハードコート上に密着層形成用組成物を直接塗布し、密着層を形成する工程と、
密着層上に防汚層形成用組成物を直接塗布し、防汚層を形成する工程と
を備え、
密着層形成用組成物が1つの分子中に反応性の異なる2種類の官能基を持つ化合物であるカップリング剤を含有し、
防汚層形成用組成物が、両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とを含有し、
パーフルオロポリエーテル化合物が、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物であり、
防汚層の形成工程では、触媒が、アルコキシシラン化合物の加水分解反応を促進させる防汚性ハードコートの製造方法である。
この発明によれば、カップリング剤からなる密着層上に、両末端に極性基を有するパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とからなる防汚剤を塗布して防汚層を形成するため、
触媒により加水分解反応を促進させることができる。
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、触媒により加水分解反応を促進させることができるため、塗布班の発生を防止することができる。したがって、優れた透明性を有する防汚性ハードコートを提供することができる。
請求項6に係る発明によれば、触媒により加水分解反応を促進させることができるため、塗布班の発生を防止することができる。したがって、優れた透明性を有する防汚性基材を提供することができる。
請求項12に係る発明によれば、触媒により加水分解反応を促進させることができるため、塗布班の発生を防止することができる。したがって、優れた透明性を有する防汚導電性基材を提供することができる。
請求項18に係る発明によれば、触媒により加水分解反応を促進させることができるため、塗布班の発生を防止することができる。したがって、優れた透明性を有するタッチパネルを提供することができる。
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の一実施形態によるタッチパネルの一構成例を示す断面図である。図1に示すように、このタッチパネル1は、導電性基材3と、この導電性基材3と対向する防汚導電性基材2と、導電性基材3および防汚導電性基材2の間に配設されたスペーサ7とから構成される。このタッチパネル1は、例えば液晶表示装置などの表示装置8上に形成される。
導電性基材3は、透明性を有する基材21と、この基材21の防汚導電性基材2と対向する側の主面に形成された透明導電膜22とから構成される。防汚導電性基材2は、導電性基材5と、この導電性基材5のタッチ側の主面に形成された防汚性ハードコート6とから構成される。
導電性基材5は、透明性を有する基材11と、この基材11の導電性基材3と対向する側の主面に形成された透明導電膜15とから構成される。防汚性ハードコート6は、基材11のタッチ側の主面に、ハードコート12、密着層13、防汚層14を順次積層して形成される。また、防汚性基材4は、基材11と、この基材11のタッチ側の主面に形成された防汚性ハードコート6とから構成される。
(基材11,21)
基材11,21は、透明性を有するフィルムである。この基材11,21の材料としては、例えば、ガラス、プラスチックなどが挙げられる。基材11,21としてアンチグレア(乱反射)機能を持たせたものを用いてもよい。また、基材11,21のヘイズ(光散乱の割合)は、8%以下が好ましく、透過率は80%以上が好ましい。
ガラスとしては、例えば、ソーダライムガラス、鉛ガラス、硬質ガラス、石英ガラス、液晶化ガラスなど(「化学便覧」基礎編、P.I-537、日本化学会編参照)が用いられる。
プラスチック材料としては、有機高分子であればいかなるものを用いても良いが、透明性、屈折率、分散などの光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸特性から見て、特に、ポリメチルメタアクリレート、メチルメタクリレートと他のアルキル(メタ)アクリレート、スチレンなどといったビニルモノマーとの共重合体などの(メタ)アクリル系樹脂;ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR-39)などのポリカーボネート系樹脂;(臭素化)ビスフェノールA型のジ(メタ)アクリレートの単独重合体ないし共重合体、(臭素化)ビスフェノールAモノ(メタ)アクリレートのウレタン変性モノマーの重合体及び共重合体などといった熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂;ポリエステル特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよび不飽和ポリエステル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、シクロオレフィンポリマー(商品名:アートン、ゼオノア)などが好ましい。また、耐熱性を考慮したアラミド系樹脂の使用も可能である。
基材11,21としてプラスチック材料を用いる場合、プラスチック表面の表面エネルギー、塗布性、すべり性、平面性等をより改善するために、表面処理として下塗り層を設けるようにしてもよい。この下塗り層としては、例えば、オルガノアルコキシメタル化合物、ポリエステル、アクリル変性ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。また、下塗り層を設けるのと同様の効果を得るために、基材11,21の表面に対してコロナ放電、UV照射処理を行うようにしてもよい。
基材11,21がプラスチックフィルムである場合には、基材11,21は、例えば、上述の樹脂を伸延、あるいは溶剤に希釈後フィルム状に成膜して乾燥するなどの方法で得ることができる。また、基材11,21の厚さは、例えば25μm〜500μm程度である。
(スペーサ7)
スペーサ7は、例えば数10μm程度の高さを持った半球状、円錐状、または円柱状の透明体であり、透明導電膜22上に一定の間隔をあけて形成されている。スペーサ7の材料としては、例えばアクリル系樹脂などの透明性を有する絶縁材料が挙げられる。このスペーサ7により、長期にわたる安定したスイッチ動作の維持および情報入力時における高精度な位置検出が可能となる。
(透明導電膜15,22)
透明導電膜15,22を構成する材料としては、例えばITO、AZO、SZO、FTO、SnO2、GZO、IZOなどが挙げられる。また、この透明導電膜15,22の形成方法としては、例えばスパッタリング法または蒸着法が挙げられる。
(ハードコート12)
ハードコート12を構成する材料としては、例えば、特公昭50−28092号公報、特公昭50−28446号公報、特公昭51−24368号公報、特開昭52−112698号公報、特公昭57−2735号公報、特開2001−301095号公報に開示されているものが挙げられ、具体的に例えば、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のオルガノシラン系熱硬化型樹脂、エーテル化メチロールメラミン等のメラミン系熱硬化樹脂、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の多官能アクリレート系紫外線硬化樹脂等が挙げられる。
また、ハードコート12を構成する樹脂として、特許3361857号公報、特開平11−140207号公報に記載されたように、微粒子を混合した樹脂を必要に応じて用いてもよい。ハードコート12の膜厚は、例えば1〜20μm程度である。
(密着層13)
密着層13は、ハードコート12と防汚層14とを密着させる機能を満たすものであれば、特に限定されることはなく、例えばカップリング剤を用いることができる。
カップリング剤としては、例えば、以下の一般式(1)で示される1つの分子中に反応性の異なる2種類の官能基を持つ化合物が挙げられる。
Figure 0004325399
但し、式中、Xは反応性末端基(ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、イソシアネ−ト基など)であり、Raはアルキレン基を、Rbはアルキル基を示す。
具体的には、カップリング剤としては、例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、又はジルコアルミニウム系のカップリング剤が挙げられ、これらカップリング剤は単独で用いても、また数種を混合して用いても良く、経験的に設定することができるが、特にはシラン系のカップリング剤を用いることが好ましい。中でも、末端のアルコキシ基が、エトキシであることが望ましい。これらは、分子中にハードコート12の表面成分と結合性を持つ反応性基(アクリル基、アミノ基、エポキシ基など)と防汚剤成分と結合性を持つ反応性基(メトキシ基、エトキシ基など)を合わせもっており、ハードコート12と防汚層14の結合を仲介(カップリング)し、両者間の親和性を高めることができる。
係るカップリング剤を具体的に列挙すると、シラン系カップリング剤においては、アクリルシラン系では、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。
また、アミノシラン系では、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(フェニルメチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N,N−トリメチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N,N−トリブチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ω(アミノヘキシル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N{N’−β(アミノエチル)}−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
エポキシシラン系では、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。
また、チタネート系カップリング剤においては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジ-トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N-アミノエチル-アミノエチル)チタネート、ジクミフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等を挙げることができる。
なお、上記カップリング剤は溶媒に溶解させて溶液として用いても良いし、原液で用いても良い。該溶媒としてはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2ーメトキシプロパノール、ブチルセルソルブ、又はこれらの混合溶媒であるソルミクッス等のアルコール系溶媒、アセトン、MEK、2−ペンタノン、3−ペンタノン等のケトン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられ、特に、ブチルセルソルブを用いることが好ましい。これらは単独で用いても、数種を混合させて用いてもよく、また水と混合して用いてもよい。
また、本発明において、カップリング剤溶液を付着させる方法としては、ハードコート12の表面にカップリング剤溶液を塗布する、ハードコート12の表面をカップリング剤溶液でラビングする、ハードコート12の表面にカップリング剤溶液を吹き付ける、ハードコート12をカップリング剤溶液に浸漬させるなどの方法を挙げることができる。なお、カップリング剤溶液でラビングするとは、カップリング剤溶液存在下でハードコート12の表面に物理的機械力を加えることをいい、具体的にはカップリング剤溶液を含浸させた布等でハードコート12の表面を擦る(又は拭く)ことや、カップリング剤溶液中でハードコート12の表面を擦ること、またカップリング剤溶液を付着させたハードコート12の表面を擦ることなどが挙げられる。
ハードコート12へカップリング剤を塗布する場合、ハードコート12に対してコロナ処理を行うようにしてもよい。このコロナ放電処理の電力密度は100〜700W・min/m2にすることが好ましく、ハードコート12の種類や厚さ等により経験的に適宜設定される。また、電極の材質は特に制限されず、経験的に適宜選択、設定される。
(防汚層14)
防汚層14は、フッ素系防汚層であり、両末端にシラノール基を有するパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とからなる。防汚層14を密着層13上へ化学結合により形成することにより、耐汚水性、撥水性、表面滑り性に優れ、表面に指紋やゴミが付着した際の汚染や、傷付き等を解決することが可能となる。このパーフルオロポリエーテル化合物としては、下記一般式(2)で示されるパーフロルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物が挙げられる。
Figure 0004325399
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1はO、NH、Sのいずれかであり、R2はアルキレン鎖を、R3はアルキル鎖を示す。
また、上記の一般式(2)で示されるRfとしてのパーフルオロポリエーテル基の分子構造としては、特に限定されるものではなく、各種鎖長のパーフルオロポリエーテル基が含まれるが、下記に示す分子構造のものが好ましい。
Figure 0004325399
上記一般式(4)で示されるパーフルオロポリエーテル基中、p、qは1〜50の範囲にあることが好ましい。
上記一般式(4)で示されるパーフルオロポリエーテル基をもつアルコキシシラン化合物の分子量は、特に限定されるものではないが、安定性、取扱いやすさ等の点から、数平均分子量で400〜10000のものが好ましく、500〜4000のものがより好ましく用いられる。
上記一般式(4)で示されるパーフルオロポリエーテル基をもつアルコキシシラン化合物中、R1は、2価の原子又は基を示し、R2とパーフルオロポリエーテル基との結合基であり、特に制限はないが、合成上、炭素以外のO、NH、S等の原子あるいは原子団が好ましい。R2 は炭化水素基であり、炭素数は2〜10の範囲が好ましい。R2 としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、フェニレン基などを例示することができる。
上記一般式(4)で示されるパーフルオロポリエーテル基をもつアルコキシシラン化合物中、R3 はアルコキシ基を構成するアルキル基であり、通常は炭素数が3以下、つまりイソプロピル基、プロピル基、エーテル基、メチル基を例示することができるが、炭素数はこれ以上でもよい。
パーフルオロポリエーテル基をもつアルコキシシラン化合物の分子量は、特に限定されるものではないが、安定性、取扱いやすさ等の点から、数平均分子量で400〜10000のものが好ましく、500〜4000のものがより好ましく用いられる。
また、本発明で用いる防汚層14に用いるパーフルオロポリエーテル化合物として、下記一般式(3)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を用いるようにしてもよい。
Figure 0004325399
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1はO、NH、Sのいずれかであり、R2はアルキレン基を、R3はアルキル基を示す。
また、上記の一般式(3)で示されるRfとしてのパーフルオロポリエーテル基の分子構造としては、特に限定されるものではなく、各種鎖長のパーフルオロポリエーテル基が含まれるが、下記に示す分子構造のものが好ましい。
Rfは、アルキル基の水素原子がフッ素原子に置換されたものであり、下記の化合物(5)〜化合物(7)にて示されるものが挙げられる。但し、全てのアルキル基の水素原子がフッ素原子に置換されている必要はなく、部分的に水素が含まれていてもよい。
Figure 0004325399
但し、nは、1以上の整数である。
Figure 0004325399
但し、l、mは、1以上の整数である。
Figure 0004325399
但し、kは、1以上の整数である。
なお、化合物(6)中、m/lは、0.5〜2.0の範囲にあることが好ましい。
パーフルオロポリエーテル基をもつアルコキシシラン化合物の分子量は、特に限定されるものではないが、安定性、取扱いやすさ等の点から、数平均分子量で400〜10000のものが好ましく、500〜4000のものがより好ましく用いられる。
上記化合物からなるフッ素系の防汚層14の膜厚は、特に限定されるものではないが、撥水性、耐汚染性、塗布性とのバランス及び表面硬度の関係から、0.5〜100nmが好ましい。
触媒としては、例えば、酸、塩基、リン酸エステル、及びβ−ジケトンから選ばれる1種又は2種以上の触媒を用いることができる。
防汚層14を形成する方法には、有機フッ素化合物と触媒とを溶剤に溶解させてそれをグラビアコーターにより形成させる方法、ディッピングあるいは噴霧により塗布する方法、スピンコート、擦り付けて塗布する方法の他、真空法により形成させる方法等がある。
一般には有機フッ素化合物を基材表面に塗布することにより、基材の表面エネルギーを低下させることができる。しかしながら有機フッ素化合物を塗布するだけでは、十分な効果は得られない。つまり分子が配向するような極性基と疎水基のバランスを持った有機化合物が必要となる。その基材との親和性については容易に類推することはできない。
本発明の防汚剤溶液は、通常、上記式(2)又は(3)で示されるパーフルオロポリエーテル基を持つアルコキシシラン化合物を、溶媒に希釈して用いる。溶媒として用いられるものは、特に限定されないが、使用にあたっては組成物の安定性、被塗布面の最表面層に対する濡れ性、揮発性などを考慮して決められるべきである。本発明においては、特にフッ化炭化水素系溶媒を用いる。フッ素化炭化水素系溶媒は、脂肪族炭化水素、環式炭化水素、エーテル等の炭化水素系溶媒の水素原子の一部又は全部をフッ素原子で置換した化合物である。例えば日本ゼオン社製の商品名ZEORORA−HXE(沸点78℃)、パーフルオロヘプタン(沸点80℃)、パーフルオロオクタン(沸点102℃)、アウトジモント社製の商品名H−GALDEN−ZV75(沸点75℃)、H−GALDEN−ZV85(沸点85℃)、H−GALDEN−ZV100(沸点95℃)、H−GALDEN−C(沸点130℃)、H−GALDEN−D(沸点178℃)等のハイドロフルオロポリエーテル或いはSV−110(沸点110℃)、SV−135(沸点135℃)等のパーフルオロポリエーテル、住友3M社製のFCシリーズ等のパーフルオロアルカン等を例示することができる。これらのフッ素化炭化水素系溶媒の中でも、上記一般式(2)のフッ素系化合物を溶解する溶媒として、ムラのない、膜厚が均一な有機膜を得るために、沸点が70〜240℃の範囲のものを選択し、さらにはハイドロフルオロポリエーテル(HFPE)若しくはハイドロフルオロカーボン(HFC)を選択し、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることが好ましい。沸点が低すぎると、例えば塗布ムラになりやすい場合があり、一方沸点が高すぎると乾燥がうまく行かず塗布形態が良くならない場合がある。また、HFPE又はHFCは、一般式(2)又は(3)で表される化合物に対する溶解性が優れており、優れた塗布面を得る事が出来る。
この発明の一実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
ハードコート12上に、例えばシランカップリング剤からなる密着層13を形成し、さらにこの密着層13上に、例えば酸、塩基、リン酸エステル、及びβ−ジケトンから選ばれる1種又は2種以上の触媒を含有する両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテルからなる防汚層14を形成するため、噴霧により密着層13上に防汚剤を塗布し、硬化させて防汚層14を形成した場合にも、防汚層14に塗布斑が発生することを防止できる。したがって、透明性に優れた高品質な防汚性ハードコート6、防汚性基材4、防汚導電性基材2およびタッチパネル1を提供することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中において「部」は重量部を表すものである。また、上述の一実施形態と対応する部分には同一の符号を付して説明する。表1は、実施例において用いたパーフルオロポリエーテル化合物を示す。
Figure 0004325399
[実施例1]
(1)透明導電性フィルム5の作製
まず、押し出し成形法により、シート厚79μmのポリカーボネートシート11を作製した。そして、グラビアコーターにより、ポリカーボネートシート11の一主面にアクリル系紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線を照射して硬化することにより、2.7μmの厚さのアクリル系ハードコート12を形成した。さらに、スパッタリング法により、ポリカーボネートシート11の他主面に、膜厚8nmのITO(SnO2−In23合金)膜15を形成した。以上により、ハードコート12を一主面に有する透明導電性フィルム5を得た。
(2)密着層形成用組成物の調製
アミノシラン系カップリング剤(A−1100、日本ユニカ社製)10重量部を2―メトキシプロパノールに溶解し、密着層形成用組成物を得た。
(3)防汚層形成用組成物の調製
防汚剤(表1中の化合物1)0.1部を、沸点が180℃のハイドロフルオロポリエーテル(ソルベイ ソレクシス社製、商品名H−GALDEN)フッ素系溶剤100部に溶解し、さらにリン酸パーフルオロポリエーテルエステル触媒を0.08部を加えて均一な溶液としたのち、さらにメンブランフィルターで濾過を行って防汚膜形成用組成物を得た。
(4)密着層13の形成
上述の(1)で得た透明導電性フィルム5のITO膜15とは反面側の主面をIPAに洗浄し、上述の(2)で得た密着層形成用組成物を引き上げ速度1cm/secでディッピングし、摂氏40度で1時間乾燥させ密着層13を得た。
(5)防汚層14の形成
上述の(4)で得た密着層13を持つアクリル系ハードコート12に上述の(3)で得た防汚剤層形成組成物を噴霧により塗布し、摂氏40度、湿度90%で1時間乾燥させ、密着層13上に防汚層14を成膜した。以上により、防汚導電性基材2を得た。
(6)性能評価
得られた防汚導電性基材2の性能を下記の方法に従って評価した。表2に、各評価項目に対する評価結果を示す。
Figure 0004325399
(a)耐汚染性試験
水道水5mlを防汚層14上にしたたらせ、室温雰囲気下で48時間放置後、布で拭いた時の水垢の残存状態を観察して評価した。なお、表2中において、「○」は水垢を除去できた場合を示し、「△」は一部水垢が残った場合を示し、「×」は除去できなかった場合を示す。
(b)塗布ムラ
目視により防汚導電性基材2を観察して評価した。表2中において、「○」は塗布ムラが全くない場合を示し、「△」は塗布ムラが若干見られる場合を示し、「×」は塗布ムラが発生する場合を示す。
(c)接触角(撥水撥油性)
防汚層14上における純水及びヨウ化メチレンの接触角を測定した。また、防汚層14の表面をエタノール洗浄した後における純水及びヨウ化メチレンの接触角を測定した。なお、測定は、協和界面化学社製CA−XE型を用いて行なった。また、表2中における「前」、「後」は、エタノール洗浄前後を示す。
[実施例2]
実施例1の防汚層形成用組成物の調製において、0.1部の代わりに0.04部を用いた以外は全て実施例1と同様にして防汚導電性基材2を得た。そして、実施例1と同様の評価を行い、得られた評価結果を表2に示した。
[実施例3]
実施例1の防汚層形成用組成物の調製において、0.1部の代わりに0.01部を用いた以外は全て実施例1と同様にして防汚導電性基材2を得た。そして、実施例1と同様の評価を行い、得られた評価結果を表2に示した。
[実施例4]
実施例1の防汚層形成用組成物の調製において、表1の化合物1の代わりに表1の化合物2を用いた以外は全て実施例1と同様にして防汚導電性基材2を得た。そして、実施例1と同様の評価を行い、得られた評価結果を表2に示した。
[比較例1]
実施例1の防汚層形成用組成物の調製において、リン酸パーフルオロポリエーテルエステル触媒を除いた以外は全て実施例1と同様にして防汚導電性基材2を得た。そして、実施例1と同様の評価を行い、得られた評価結果を表2に示した。
[比較例2]
実施例2の防汚層形成用組成物の調製において、リン酸パーフルオロポリエーテルエステル触媒を除いた以外は全て実施例2と同様にして防汚導電性基材2を得た。そして、実施例1と同様の評価を行い、得られた評価結果を表2に示した。
[比較例3]
実施例4の防汚層形成用組成物の調製において、リン酸パーフルオロポリエーテルエステル触媒を除いた以外は全て実施例4と同様にして防汚導電性基材2を得た。そして、実施例1と同様の評価を行い、得られた評価結果を表2に示した。
表2から、実施例1〜4の防汚導電性基材2は、耐汚染性、耐溶剤性、撥水撥油性に優れ、且つ、塗布ムラのないことが分かる。これに対して、比較例1〜3の防汚導電性基材2は、耐汚染性、耐溶剤性、撥水撥油性には優れているが、塗布ムラがあることが分かる。
以上、この発明の一実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
また、上述の一実施形態では、本発明をタッチパネル1に適用した例について示したが、液晶表示装置などの表示装置に対しても適用することが可能である。この場合、基材11は、表示装置、もしくは表示装置の前面(表示面)に配置するものとしての機能を満たすものであれば特に限定されることはなく、例えばガラス板、プラスチック板、プラスチックフィルムなどを利用することができる。なお、液晶表示装置に対してこの発明を適用する場合には。基材11の材料として、低アルカリガラス、もしくは無アルカリガラスを用いることが好ましい。
また、上述の一実施形態において、ハードコート12を省略した構成としてもよい。すなわち、基材11の一主面に、密着層13、防汚層14を順次積層した構成としてもよい。
この発明の一実施形態によるタッチパネルの一構成例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・タッチパネル、2・・・防汚性導電性基材、3,5・・・導電性基材、4・・・防汚性基材、6・・・防汚性ハードコート、7・・・スペーサ、8・・・表示装置、11・・・基材、12・・・ハードコート、13・・・密着層、14・・・防汚層、15,22・・・透明導電膜

Claims (12)

  1. アクリル系ハードコートと、
    上記アクリル系ハードコート上に直接形成された密着層と、
    上記密着層上に直接形成された防汚層と
    を備え、
    上記密着層が下記一般式(1)で示される1つの分子中に反応性の異なる2種類の官能基を持つ化合物であるカップリング剤を含有し、
    上記防汚層が両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とを含有し、
    上記パーフルオロポリエーテル化合物が、下記一般式(2)または(3)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物である防汚性ハードコート。
    Figure 0004325399
    但し、式中、Xは上記アクリル系ハードコートの表面成分と結合性を持つ反応性末端基(ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、イソシアネ−ト基など)であり、Raはアルキレン基を、Rbはアルキル基を示す。
    Figure 0004325399
    但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R 1 はO、NH、Sのいずれかであり、R 2 はアルキレン鎖を、R 3 はアルキル鎖を示す。
    Figure 0004325399
    但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R 1 はO、NH、Sのいずれかであり、R 2 はアルキレン基を、R 3 はアルキル基を示す。
  2. 上記触媒が、酸、塩基、リン酸エステル、及びβ−ジケトンから選ばれる1種又は2種以上の触媒である請求項1記載の防汚性ハードコート。
  3. 上記反応性末端基は、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、またはイソシアネート基である請求項1記載の防汚性ハードコート。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の防汚性ハードコートを備える表示装置。
  5. 基材と、
    上記基材の一主面に形成されたアクリル系ハードコートと、
    上記アクリル系ハードコート上に直接形成された密着層と、
    上記密着層上に直接形成された防汚層と
    を備え、
    上記密着層が下記一般式(1)で示される1つの分子中に反応性の異なる2種類の官能基を持つ化合物であるカップリング剤を含有し、
    上記防汚層が両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とを含有し、
    上記パーフルオロポリエーテル化合物が、下記一般式(2)または(3)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物である防汚性基材。
    Figure 0004325399
    但し、式中、Xは上記アクリル系ハードコートの表面成分と結合性を持つ反応性末端基(ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、イソシアネ−ト基など)であり、Raはアルキレン基を、Rbはアルキル基を示す。
    Figure 0004325399
    但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R 1 はO、NH、Sのいずれかであり、R 2 はアルキレン鎖を、R 3 はアルキル鎖を示す。
    Figure 0004325399
    但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R 1 はO、NH、Sのいずれかであり、R 2 はアルキレン基を、R 3 はアルキル基を示す。
  6. 上記触媒が、酸、塩基、リン酸エステル、及びβ−ジケトンから選ばれる1種又は2種以上の触媒である請求項記載の防汚性基材。
  7. 基材と、
    上記基材の一主面に形成されたアクリル系ハードコートと、
    上記アクリル系ハードコート上に直接形成された密着層と、
    上記密着層上に直接形成された防汚層と、
    上記基材の他主面に形成された透明導電膜と
    を備え、
    上記密着層が下記一般式(1)で示される1つの分子中に反応性の異なる2種類の官能基を持つ化合物であるカップリング剤を含有し、
    上記防汚層が両末端にパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とを含有し、
    上記パーフルオロポリエーテル化合物が、下記一般式(2)または(3)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物である防汚導電性基材。
    Figure 0004325399
    但し、式中、Xは上記アクリル系ハードコートの表面成分と結合性を持つ反応性末端基(ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、イソシアネ−ト基など)であり、Raはアルキレン基を、Rbはアルキル基を示す。
    Figure 0004325399
    但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R 1 はO、NH、Sのいずれかであり、R 2 はアルキレン鎖を、R 3 はアルキル鎖を示す。
    Figure 0004325399
    但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R 1 はO、NH、Sのいずれかであり、R 2 はアルキレン基を、R 3 はアルキル基を示す。
  8. 上記触媒が、酸、塩基、リン酸エステル、及びβ−ジケトンから選ばれる1種又は2種以上の触媒である請求項記載の防汚導電性基材。
  9. 防汚導電性基材をタッチ側に備え、
    上記防汚導電性基材が、
    基材と、
    上記基材の一主面に形成されたアクリル系ハードコートと、
    上記アクリル系ハードコート上に直接形成された密着層と、
    上記密着層上に直接形成された防汚層と、
    上記基材の他主面に形成された透明導電膜と
    を備え、
    上記密着層が下記一般式(1)で示される1つの分子中に反応性の異なる2種類の官能基を持つ化合物であるカップリング剤を含有し、
    上記防汚層が両末端にパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とを含有し、
    上記パーフルオロポリエーテル化合物が、下記一般式(2)または(3)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物であるタッチパネル。
    Figure 0004325399
    但し、式中、Xは上記アクリル系ハードコートの表面成分と結合性を持つ反応性末端基(ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、イソシアネ−ト基など)であり、Raはアルキレン基を、Rbはアルキル基を示す。
    Figure 0004325399
    但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R 1 はO、NH、Sのいずれかであり、R 2 はアルキレン鎖を、R 3 はアルキル鎖を示す。
    Figure 0004325399
    但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R 1 はO、NH、Sのいずれかであり、R 2 はアルキレン基を、R 3 はアルキル基を示す。
  10. 上記触媒が、酸、塩基、リン酸エステル、及びβ−ジケトンから選ばれる1種又は2種以上の触媒である請求項記載のタッチパネル。
  11. アクリル系ハードコート上に密着層形成用組成物を直接塗布し、密着層を形成する工程と、
    上記密着層上に防汚層形成用組成物を直接塗布し、防汚層を形成する工程と
    を備え、
    上記密着層形成用組成物が下記一般式(1)で示される1つの分子中に反応性の異なる2種類の官能基を持つ化合物であるカップリング剤を含有し、
    上記防汚層形成用組成物が、両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とを含有し、
    上記パーフルオロポリエーテル化合物が、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物であり、
    上記防汚層の形成工程では、上記触媒が、上記アルコキシシラン化合物の加水分解反応を促進させ、
    上記アルコキシシラン化合物が、下記一般式(2)または(3)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物である防汚性ハードコートの製造方法。
    Figure 0004325399
    但し、式中、Xは上記アクリル系ハードコートの表面成分と結合性を持つ反応性末端基(ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、イソシアネ−ト基など)であり、Raはアルキレン基を、Rbはアルキル基を示す。
    Figure 0004325399
    但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R 1 はO、NH、Sのいずれかであり、R 2 はアルキレン鎖を、R 3 はアルキル鎖を示す。
    Figure 0004325399
    但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R 1 はO、NH、Sのいずれかであり、R 2 はアルキレン基を、R 3 はアルキル基を示す。
  12. 上記触媒が、酸、塩基、リン酸エステル、及びβ−ジケトンから選ばれる1種又は2種以上の触媒である請求項11記載の防汚性ハードコートの製造方法。
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