JP4893201B2 - D級増幅装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばオーディオ装置に装備されるD級増幅装置及び方法に関するものである。
図3は正側出力及び負側出力が相互に逆相である従来の逆相型D級増幅装置200の概略回路図である。逆相型D級増幅装置200は、後述する本発明の実施例に係る逆相型D級増幅装置100(図2)と共通する構成を含んでおり、共通要素については、逆相型D級増幅装置100の各要素に付した符号と同一の符号を付して、詳細な説明は図2において行うこととし、逆相型D級増幅装置200の主要点について説明する。逆相型D級増幅装置200は、PWM(Pulse Width Modulation)信号生成部において相互に逆相の第1及び第2のPWM信号を生成するようになっている。ドライバ122,132及びスイッチングトランジスタ123,133はBTL(Balanced Transfromer Less)回路を構成している。
図4は図3の逆相型D級増幅装置200において無入力信号期間の各箇所における電位波形を示している。P1,P2はそれぞれ逆相型D級増幅装置200のスイッチングトランジスタ123,133の出力側箇所であり、また、P3,P4はそれぞれ逆相型D級増幅装置200の正側出力端子112及び負側出力端子113の箇所である。
逆相型D級増幅装置200への無入力信号期間では、オペアンプ120の出力側には、デューティ比=50%のPWM信号が生成され、これが、デッドタイム付与器121において所要のデッドタイムを付与されてから、ドライバ122へ直接送られるとともに、反転器130を介してドライバ132へ送られるようになっており、この結果、P1,P2の電位波形としての正側PWM信号及び負側PWM信号は、図4(a)に示されるように、相互に逆相の関係になる。
また、P1,P2におけるPWM信号は、低域フィルタを構成するコイル124,134及びコンデンサ144により高周波数成分を除去されて、P3,P4へ導かれるので、P3,P4の電位変化は無入力信号期間ではフラットになる。該無入力信号期間では、P3,P4の電位は、共にGND電位となるはずであるが、実際には回路の遅延や各素子供給電圧±Vccの差異等のために、不一致となる。
P3−P4間のDC(直流)オフセットに対処するため、両端子用帰還回路150は、P3,P4の電位差を差動増幅器116へ負帰還させる。これにより、P3−P4間のDC電位レベルは、図4(b)における帰還後のDCレベル、すなわちP3におけるDC電位レベルとP4におけるDC電位レベルの平均値になる。正側PWM信号及び負側PWM信号は逆相の関係にあるため、温度変化によりPWM信号の導通幅に変化があった場合、正側PWM信号及び負側PWM信号のDCドリフトは相互に逆方向へ向かうので、該DCドリフトを相殺して、該DCドリフトが出力されるのを防止できる。なお、逆相型D級増幅装置200において、DCドリフトは抑制されるものの、図4(b)における帰還後のDCレベルがGND電位てある保証はない。
正側出力(+出力)及び負側出力(−出力)が逆相である逆相型D級増幅装置200では、コイル124,134及びコンデンサ144から構成されるLCフィルタが大型化する。これを解決するために、正側出力及び負側出力を同相にすることが考えられる。図5は正側出力及び負側出力が相互に同相である従来の同相型D級増幅装置300の概略回路図である。同相型D級増幅装置300は、後述する本発明の実施例に係る同相型D級増幅装置10(図1)と共通する構成を含んでおり、共通要素については、同相型D級増幅装置10の各要素に付した符号と同一の符号を付して、詳細な説明は図1において行うこととし、同相型D級増幅装置300の主要点について説明する。
同相型D級増幅装置300において、両端子用帰還回路50は両端子用帰還回路150と同一の機能を有する。同相型D級増幅装置300では、正側出力及び負側出力が同相であるので、スイッチングトランジスタ23−33間の電位変動が抑制され、その分、コイル24,34及びコンデンサ44から構成されるLCフィルタを、逆相型D級増幅装置200のものよりも小型化することができる。
一方、特許文献1は、パルス幅変調増幅器の出力におけるDCオフセットを除去することを開示する。その第1の方法によれば、パルス幅変調出力の時間平均とピーク間レベルの1/2との差分を誤差信号とし、該誤差信号を鋸波発生器へフィードバックする(特許文献1の段落0004)。また、その第2の方法(特許文献1の図2)によれば、パルス幅変調増幅器の出力部としてのBTL出力回路における正側出力及び負側出力の差分を生成し(特許文献1の図2のdter)、該差分の積分値(特許文献1の図2のdtDC)を負帰還信号として使用する。
特開2004−208216号公報
逆相型D級増幅装置200(図3)では、LCフィルタの小型化を達成できないとともに、正側出力端子112のDCオフセットと負側出力端子113のDCオフセットとの平均値がGND電位となることを保証できない。同相型D級増幅装置300(図5)では、LCフィルタの小型化は達成できるものの、温度変化に因るDCドリフトが正側出力及び負側出力共に同一側へ変化するため、同相型D級増幅装置300の出力電圧(正側出力端子12及び負側出力端子13間の電圧)からDCドリフトを除去できない。
特許文献1のD級増幅装置は、相互に逆相のPWM信号を生成するものであり(特許文献1の図1の符号11の内部構成)、逆相型D級増幅装置200と同じくLCフィルタの小型化上、不利である。特許文献1は、パルス幅変調増幅器の出力におけるDCオフセットを除去すると唱えているものの、その第1の方法によれば、パルス幅変調出力の時間平均とピーク間レベルの1/2とを同一レベルにするだけであり、該同一レベルがGND電位になる保証はない。また、特許文献1の第2の方法によれば、正側出力及び負側出力のDCオフセットの差分を負帰還しているだけであり、D級増幅装置の出力のDCオフセットは、正側出力及び負側出力のDCオフセットの平均値になるものの、該平均値がGND電位となる保証はない。
本発明の目的は、2個のPWM信号が同相型であるD級増幅装置に対しては、D級増幅装置における出力中のDCオフセットを抑制しつつ、各PWM信号において同一側へ変化するドリフト電圧を除去し、また、2個のPWM信号が逆相型であるD級増幅装置に対しては、D級増幅装置における出力中のDC電位分がほぼGND電位になるようにするD級増幅装置及び方法を提供することである。
本発明によれば、D級増幅装置の2個の出力端子に係る第1及び第2のアナログ信号の電位差に係る信号を第1の負帰還信号とするとともに、該第1及び第2のアナログ信号の一方の電位とGND電位との電位差に係る信号を第2の負帰還信号とする。そして、第1及び第2の負帰還信号をそれぞれ別の帰還点である第1及び第2の帰還点へ帰還させる。
本発明のD級増幅装置は次のものを備えている。
D級増幅装置の入力端子の信号レベルの変動に対する各々のデューティ比の増減が相互に逆となる第1及び第2のPWM信号を生成するPWM信号生成部、
第1及び第2のPWM信号に係る各信号からその高周波数成分を除去してD級増幅装置の2個の出力端子への供給用の第1及び第2のアナログ信号を生成する低域フィルタ部、
第1及び第2のアナログ信号の電位差に係る第1の負帰還信号を第1の帰還点へ供給する第1の帰還部、及び
一方のアナログ信号の電位とグランド電位との直流分電位差に係る第2の負帰還信号を第1の帰還点とは別の第2の帰還点へ供給する第2の帰還部。
本発明のD級増幅方法は次のステップを備えている。
D級増幅装置の入力端子の信号レベルの変動に対する各々のデューティ比の増減が相互に逆となる第1及び第2のPWM信号を生成するステップ、
第1及び第2のPWM信号に係る各信号からその高周波数成分を除去してD級増幅装置の2個の出力端子への供給用の第1及び第2のアナログ信号を生成するステップ、
第1及び第2のアナログ信号の電位差に係る第1の負帰還信号を第1の帰還点へ供給するステップ、及び
一方のアナログ信号の電位とグランド電位との直流分電位差に係る第2の負帰還信号を第1の帰還点とは別の第2の帰還点へ供給するステップ。
本発明によれば、第1の帰還点への第1の負帰還信号の帰還により、2個の出力端子のDC電位差は0に十分に近付くとともに、第2の帰還点への第2の負帰還信号の帰還により一方の出力端子における電位中のDC電位レベルが十分にGND電位に近付く。すなわち、D級増幅装置の2出力端子間のDCオフセットを抑制しつつ、出力中のドリフト電圧を抑制したり、D級増幅装置の出力中の直流レベルをGND電位に十分に近付けたりすることができる。
図1は同相の正側出力及び負側出力を生成する同相型D級増幅装置10の構成図である。同相型D級増幅装置10及び後述の逆相型D級増幅装置100(図2)は、例えば、据置型及び携帯型のAV(Audio & Visual)機器に装備される。該AV機器には、再生装置の他に、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)も含まれる。
同相型D級増幅装置10は入力端子11、正側出力端子12及び負側出力端子13を有する。入力端子11は、光ディスクプレーヤやチューナ等の出力端子へ接続されて、オーディオ信号を入力される。正側出力端子12及び負側出力端子13は、図示していない配線を介して所定のスピーカ(図示せず)の2個の入力端子へされる。
入力端子11は差動増幅器16の正相側入力端子(非反転側入力端子)へ接続される。差動増幅器16の逆相側入力端子(反転側入力端子)は、抵抗17を介してグランド電位箇所へ接続されているとともに、抵抗18を介して差動増幅器16の出力端子へ接続されている。
オペアンプ20、デッドタイム付与器21、ドライバ22、スイッチングトランジスタ23及びコイル24は正側PWM信号を生成する系統であり、オペアンプ30、デッドタイム付与器31、ドライバ32、スイッチングトランジスタ33及びコイル34は負側PWM信号を生成する系統である。差動増幅器16の出力はオペアンプ20の正相側入力端子へ供給される。オペアンプ30は、その逆相側入力端子へ差動増幅器16の出力を供給される。
オペアンプ20、デッドタイム付与器21、ドライバ22、スイッチングトランジスタ23及びコイル24は、入力端子11から正側出力端子12の方へその順番に接続される。オペアンプ30、デッドタイム付与器31、ドライバ32、スイッチングトランジスタ33及びコイル34は、入力端子11から負側出力端子13の方へその順番に接続される。ドライバ22,32及びスイッチングトランジスタ23,33はBTL回路を構成する。コンデンサ44は、正側出力端子12−負側出力端子13間に接続され、コイル24,34と共働して、低域フィルタの役目を果たす。
三角波発生器37は所定周波数の三角波を発振し、該三角波は、コンデンサ38を介してオペアンプ20の逆相側入力端子へ供給されるとともに、反転回路41を介してオペアンプ30の正相側入力端子へ供給される。コンデンサ38の反転回路41側端子は抵抗39,40を介してGND電位箇所へ接続されている。オペアンプ20,30、三角波発生器37及び反転回路41は、PWM信号生成部を構成する。
両端子用帰還回路50は、正側出力及び負側出力の電位差に係る負帰還信号を差動増幅器16の逆相端子へ供給する。すなわち、正側出力端子12及び負側出力端子13はそれぞれ抵抗53,54を介してオペアンプ51の正相側及び逆相側入力端子へ供給される。抵抗52はオペアンプ51の出力端子とオペアンプ51の逆相側入力端子とを接続し、抵抗55はオペアンプ51の正相側入力端子とGND電位箇所との間に介在する。両端子用帰還回路50の出力は抵抗56を介して差動増幅器16の逆相側入力端子へ供給される。
片端子用帰還回路60は、正側出力とGND電位との直流分電位差に係る負帰還信号を抵抗39,40の中間点へ供給する。すなわち、コンデンサ64及び抵抗65は、相互に並列に接続されて、オペアンプ61の正相側入力端子とGND電位箇所との間に介在する。正側出力端子12の正側出力は、抵抗65,66により分圧され、分圧信号は、その高周波数成分をコンデンサ64により除去されて、オペアンプ61の正相側入力端子に印加される。オペアンプ61の逆相側入力端子は、抵抗62を介してGND電位箇所へ接続されるとともに、コンデンサ63を介してオペアンプ61の出力端子へ接続されている。
オペアンプ61の出力はコンデンサ63を充電し、結果、オペアンプ61の出力は、GND電位に対する正側出力のDC電位に対応する。オペアンプ61の出力は、抵抗39,40の中間点へ供給され、コンデンサ38の反転回路41側の三角波のDC電位を決める。
同相型D級増幅装置10の作用について説明する。オペアンプ30は、その正相側及び逆相側入力端子へそれぞれ三角波発生器37からの三角波及び差動増幅器16からの増幅オーディオ信号を入力されるが、三角波発生器37からの三角波は、反転回路41において反転されているので、オペアンプ20が出力するPWM信号とオペアンプ30が出力するPWM信号とは、パルス期間が少なくとも部分的に重なる同相となる。また、オペアンプ20,30がそれぞれ受ける三角波は、相互に反転した状態になっているので、オペアンプ20が出力するPWM信号のデューティ比の増減と、オペアンプ30が出力するPWM信号のデューティ比の増減とは、相互に逆の関係になる。すなわち、オペアンプ20が出力するPWM信号のデューティ比が増加すると、オペアンプ30が出力するPWM信号のデューティ比は減少する。
デッドタイム付与器21,31は、オペアンプ20,30の出力パルスのデッドタイムを調整して、スイッチングトランジスタ23,33が同時にオンになるのを防止する。ドライバ22,32は、デッドタイム付与器21,31からの出力パルスに基づきスイッチングトランジスタ23,33のオン、オフを制御する。コイル24,34及びコンデンサ44は、低域フィルタを構成し、スイッチングトランジスタ23,33から正側出力端子12及び負側出力端子13の各信号、及び正側出力端子12−負側出力端子13間の信号に高周波数成分が含まれるのを抑制する。
差動増幅器16は、正相側入力端子を入力端子11へ接続され、かつ逆相側入力端子へは、両端子用帰還回路50から、正側出力及び負側出力の電位差に係る電位を供給される。両端子用帰還回路50の出力は同相型D級増幅装置10の負帰還信号として作用するので、正側出力端子12−負側出力端子13間のDCオフセットはほぼ0へ、厳密に言えば、正側出力端子12自体のDCオフセットと負側出力端子13自体のDCオフセットとの平均値へ、移行する。また、片端子用帰還回路60による正側出力とGND電位との電位差の負帰還により、正側出力端子12における直流電位はほぼGND電位になる。結果、正側出力端子12−負側出力端子13間のDCオフセットもGND電位になる。
なお、片端子用帰還回路60は、正側出力に代えて、負側出力とGND電位との直流分電位差に係る負帰還信号を抵抗39,40の中間点へ印加しても、同一の結果を得ることができる。さらに、両端子用帰還回路50及び片端子用帰還回路60からの負帰還信号は、図1では、それぞれ差動増幅器16の逆相側入力端子及び抵抗39,40の接続点へ供給されるようになっているが、それとは反対にして、それぞれ抵抗39,40の接続点及び差動増幅器16の逆相側入力端子へ供給されるようにしてもよい。ただし、その場合、両端子用帰還回路50及び片端子用帰還回路60の利得を適当に調整する必要がある。
図2は逆相の正側出力及び負側出力を生成する逆相型D級増幅装置100の構成図である。入力端子111、正側出力端子112及び負側出力端子113は、同相型D級増幅装置10(図1)の入力端子11、正側出力端子12及び負側出力端子13にそれぞれ対応する。
差動増幅器116及び抵抗117,118は同相型D級増幅装置10の差動増幅器16及び抵抗17,18に対応する。オペアンプ120、デッドタイム付与器121、ドライバ122、スイッチングトランジスタ123、コイル124、ドライバ132、スイッチングトランジスタ133及びコイル134はそれぞれ同相型D級増幅装置10のオペアンプ20、デッドタイム付与器21、ドライバ22、スイッチングトランジスタ23、コイル24、ドライバ32、スイッチングトランジスタ33及びコイル34に対応する。三角波発生器137、コンデンサ138及び抵抗139、140,156はそれぞれ同相型D級増幅装置10の三角波発生器37、コンデンサ38及び抵抗39,40,56に対応する。両端子用帰還回路150及び片端子用帰還回路160はそれぞれ同相型D級増幅装置10の両端子用帰還回路50及び片端子用帰還回路60に対応する。
逆相型D級増幅装置100において、同相型D級増幅装置10と共通する作用についての説明は省略し、相違点を説明する。同相型D級増幅装置10のオペアンプ30、デッドタイム付与器31及び反転回路41に対応する素子は逆相型D級増幅装置100では省略されている。デッドタイム付与器121の出力は、反転器130で反転されてから、ドライバ132へ入力される。
これにより、ドライバ122、132へ入力されるPWM信号は相互に反転したものとなる。すなわち、ドライバ122がパルスを入力している期間は、ドライバ132がパルスを入力していない期間であり、また、ドライバ122がパルスを入力していない期間は、ドライバ132がパルスを入力している期間となる。また、入力端子11への入力信号のレベル変動に対するデッドタイム付与器21の出力側におけるPWM信号の増減と、デッドタイム付与器31の出力側におけるPWM信号の増減とは相互に逆になる。すなわち、入力端子11の入力信号のレベルが上昇するに連れて、オペアンプ20が出力するPWM信号のデューティ比は増大し、オペアンプ30が出力するPWM信号のデューティ比は減少する。
逆相型D級増幅装置100において、両端子用帰還回路150による正側出力と負側出力との電位差の負帰還により、正側出力端子112−負側出力端子113間のDCオフセットはほぼ0へ、厳密に言えば、正側出力端子112自体のDCオフセットと負側出力端子113自体のDCオフセットとの平均値へ、移行する。また、片端子用帰還回路160による正側出力とGND電位との電位差の負帰還により、正側出力端子112のDCオフセットはぼGND電位になる。結果、正側出力端子112−負側出力端子113間のDCオフセットもGND電位になる。
なお、片端子用帰還回路160は、正側出力に代えて、負側出力とGND電位との電位差を演算して、該電位差に係る負帰還信号を抵抗139、140の中間点へ供給しても、同一の結果が得られる。また、オペアンプ151,161の利得を適当に調整すれば、両端子用帰還回路150及び片端子用帰還回路160の出力先を、図2のものとは相互に反対にして、それぞれ抵抗139,140の接続点及び差動増幅器116の逆相側入力端子にすることもできる。
同相型D級増幅装置10及び逆相型D級増幅装置100と、それらを最良の形態とする本発明との対応関係について補足する。
本発明のD級増幅装置は、PWM信号生成部、低域フィルタ部、第1及び第2の帰還部を備えている。PWM信号生成部は、同相型D級増幅装置10では、オペアンプ20、デッドタイム付与器21、ドライバ22、スイッチングトランジスタ23、オペアンプ30、デッドタイム付与器31、ドライバ32、スイッチングトランジスタ33、三角波発生器37及び反転回路41から構成されている。逆相型D級増幅装置100では、オペアンプ120、デッドタイム付与器121、ドライバ122、スイッチングトランジスタ123、反転器130、ドライバ132、スイッチングトランジスタ133及び三角波発生器137から構成されている。PWM信号生成部は、D級増幅装置の入力端子の信号レベルの変動に対する各々のデューティ比の増減が相互に逆となる第1及び第2のPWM信号を生成する。
PWM信号生成部の出力は、典型的には、BTL出力である。本発明は、生成する第1及び第2のPWM信号が同相と逆相となっているどちらの形式のPWM信号生成部にも適用可能である。同相型D級増幅装置10は前者の例であり、逆相型D級増幅装置100は後者の例である。すなわち、同相形式のPWM信号生成部では、第1及び第2のPWM信号は、パルス期間が相互に重なる。逆相形式のPWM信号生成部では、第1及び第2のPWM信号は、パルス期間が相互に重ならない。
本発明が同相PWM信号形式のD級増幅装置に適用された場合には、低域フィルタ部を小型化できるとともに、温度変化により同一側へ振れようとする正側出力及び負側出力中のドリフト電圧を抑制できる。本発明が逆相PWM信号形式のD級増幅装置に適用された場合には、正側出力のDCオフセットと負側出力のDCオフセットとの平均値をGND電位へ十分に近づけることができる。
本発明の低域フィルタ部は、同相型D級増幅装置10では、コイル24,34及びコンデンサ44から構成されている。逆相型D級増幅装置100では、コイル124、134及びコンデンサ144から構成されている。低域フィルタ部は、第1及び第2のPWM信号に係る各信号からその高周波数成分を除去してD級増幅装置の2個の出力端子への供給用の第1及び第2のアナログ信号を生成する。同相型D級増幅装置10及び逆相型D級増幅装置100では、第1及び第2のアナログ信号は、2個の出力端子の信号と一致している。
本発明の第1及び第2の帰還部は、同相型D級増幅装置10では、それぞれ両端子用帰還回路50及び片端子用帰還回路60から構成されている。逆相型D級増幅装置100では、それぞれ両端子用帰還回路150及び片端子用帰還回路160から構成されている。第1の帰還部は、第1及び第2のアナログ信号の電位差に係る第1の負帰還信号を第1の帰還点へ供給する。第2の帰還部は、一方のアナログ信号の電位とグランド電位との直流分電位差に係る第2の負帰還信号を第1の帰還点とは別の第2の帰還点へ供給する。
例えば、第1及び第2の帰還点は、それぞれ、PWM信号生成部の前段に配置されD級増幅装置の入力信号を一方の端子側へ入力される差動増幅器における他方の端子側の箇所と、PWM信号生成用三角波の直流レベル変位用の箇所との内の一方及び他方の箇所である。該差動増幅器は、同相型D級増幅装置10及び逆相型D級増幅装置100の差動増幅器16,116に対応する。同相型D級増幅装置10及び逆相型D級増幅装置100では、一方のアナログ信号は正側出力となっているが、一方のアナログ信号を負側出力とすることもできる。
本発明のD級増幅装置における各素子の機能をステップに置き換えて、本発明を方法により実施することもできる。該方法は次のステップa〜dを備える。なお、ステップa〜dは、その順番に実行されるものではなく、並行して実行されるものである。
ステップa:D級増幅装置の入力端子の信号レベルの変動に対する各々のデューティ比の増減が相互に逆となる第1及び第2のPWM信号を生成する。
ステップb:第1及び第2のPWM信号に係る各信号からその高周波数成分を除去してD級増幅装置の2個の出力端子への供給用の第1及び第2のアナログ信号を生成する。
ステップc:第1及び第2のアナログ信号の電位差に係る第1の負帰還信号を第1の帰還点へ供給する。
ステップd:一方のアナログ信号の電位とグランド電位との直流分電位差に係る第2の負帰還信号を第1の帰還点とは別の第2の帰還点へ供給する。
本発明を各種具体的形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、各種具体的形態における各構成要素を変形(削除も含む。)して具体化できる。また、各種具体的形態間において、構成要素を置換したり、各種具体的形態の複数の構成要素を組み合わせたりすることにより、種々の発明を形成することもできる。
同相の正側出力及び負側出力を生成する同相型D級増幅装置の構成図である。 逆相の正側出力及び負側出力を生成する逆相型D級増幅装置の構成図である。 正側出力及び負側出力が相互に逆相である従来の逆相型D級増幅装置の概略回路図である。 図3の逆相型D級増幅装置において無入力信号期間の各箇所における電位波形を示す図である。 正側出力及び負側出力が相互に同相である従来の同相型D級増幅装置の概略回路図である。
符号の説明
10:同相型D級増幅装置、11:入力端子、12:正側出力端子、13:負側出力端子、16:差動増幅器、17:抵抗、18:抵抗、20:オペアンプ、21:デッドタイム付与器、22:ドライバ、23:スイッチングトランジスタ、24:コイル、30:オペアンプ、31:デッドタイム付与器、32:ドライバ、33:スイッチングトランジスタ、34:コイル、37:三角波発生器、38:コンデンサ、41:反転回路、44:コンデンサ、50:両端子用帰還回路、60:片端子用帰還回路、100:逆相型D級増幅装置、111:入力端子、112:正側出力端子、113:負側出力端子、116:差動増幅器、120:オペアンプ、121デッドタイム付与器、122:ドライバ、123スイッチングトランジスタ、124:コイル、130:反転器、131:デッドタイム付与器、132:ドライバ、133:スイッチングトランジスタ、134:コイル、137:三角波発生器、138:コンデンサ、141:反転回路、150:両端子用帰還回路、160:片端子用帰還回路。

Claims (2)

  1. D級増幅装置の入力端子の信号レベルの変動に対する各々のデューティ比の増減が相互に逆となりかつ同相である第1及び第2のPWM信号を生成するPWM信号生成部、
    前記第1及び第2のPWM信号に係る各信号からその高周波数成分を除去して前記D級増幅装置の2個の出力端子への供給用の第1及び第2のアナログ信号を生成する低域フィルタ部、
    同相である前記第1及び第2のPWM信号から生成された前記第1及び第2のアナログ信号の電位差に係る第1の負帰還信号を第1の帰還点へ供給する第1の帰還部、及び
    一方のアナログ信号の電位とグランド電位との直流分電位差に係る第2の負帰還信号を前記第1の帰還点とは別の第2の帰還点へ供給する第2の帰還部、
    を備え
    第1及び第2の帰還点は、それぞれ、前記PWM信号生成部の前段に配置され前記D級増幅装置の入力信号を一方の端子側へ入力される差動増幅器における他方の端子側の箇所と、PWM信号生成用三角波の直流レベル変位用の箇所との内の一方及び他方の箇所であることを特徴とするD級増幅装置。
  2. D級増幅装置の入力端子の信号レベルの変動に対する各々のデューティ比の増減が相互に逆となりかつ同相である第1及び第2のPWM信号を生成するPWM信号ステップ、
    前記第1及び第2のPWM信号に係る各信号からその高周波数成分を除去して前記D級増幅装置の2個の出力端子への供給用の第1及び第2のアナログ信号を生成する生成ステップ、
    同相である前記第1及び第2のPWM信号から生成された前記第1及び第2のアナログ信号の電位差に係る第1の負帰還信号を第1の帰還点へ供給する第1の帰還ステップ、及び
    一方のアナログ信号の電位とグランド電位との直流分電位差に係る第2の負帰還信号を前記第1の帰還点とは別の第2の帰還点へ供給する第2の帰還ステップ、
    を備え
    第1及び第2の帰還点は、それぞれ、前記D級増幅装置の入力信号が一方の入力端子側へ入力されて出力が前記PWM信号ステップにおける前記第1及び第2のPWM信号の共通の生成基の信号にされる差動増幅器における他方の入力端子側の箇所と、PWM信号生成用三角波の直流レベル変位用の箇所との内の一方及び他方の箇所であることを特徴とするD級増幅方法。
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