JP4892863B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関(以下、「エンジン」という)等の駆動源と自動変速機が搭載された車両の制御装置に関し、さらに詳しくは、所定の条件が成立したときに、自動変速機をニュートラル状態にするニュートラル制御や、エンジンの駆動を停止するアイドルストップ制御などの制限制御を行う車両制御装置に関する。
エンジンを搭載した車両において、エンジンが発生するトルク及び回転速度を車両の走行状態に応じて適切に車輪に伝達する変速機として、エンジンと車輪との間の変速比を自動的に最適設定する自動変速機が知られている。
車両に搭載される自動変速機としては、例えば、クラッチ及びブレーキと遊星歯車装置とを用いた遊星歯車式変速機や、変速比を無段階に調整するベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)がある。
自動変速機が搭載された車両においては、一般に、運転者により操作されるシフトレバーが設けられており、そのシフトレバーを操作することにより、自動変速機のシフトポジションを、例えばPレンジ(パーキングレンジ)、Rレンジ(後進走行レンジ)、Nレンジ(ニュートラルレンジ)、Dレンジ(前進走行レンジ)等に切り変えることができる。
このような自動変速機が搭載された車両において、例えばDレンジが設定されて車両が停止している状態では、アイドル運転中のエンジンからの駆動力がトルクコンバータを介して自動変速機に伝達され、これが車輪に伝達されるため、いわゆるクリープ現象が発生する。クリープ現象は、登坂路での停車からの発進をスムーズに行わせることができるなど、所定条件下では非常に有用であるが、車両を停止保持したいときには不要な現象であり、車両のブレーキを作動させてクリープ力を抑えるようになっている。すなわち、エンジンからのクリープ力をブレーキにより抑えるようになっており、その分エンジンの燃費が低下するという問題がある。
このようなことから、アイドル運転時に所定の条件、例えば「自動変速機のシフトポジションがDレンジで、アクセル操作が行なわれず、ブレーキ操作が行なわれ、かつ、車両が停止している状態である」という条件が成立したときには、自動変速機をDレンジのままでニュートラルに近いニュートラル状態として、燃費の向上をはかるニュートラル制御が実施されている。ニュートラル制御とは、自動変速機の入力クラッチ(前進用クラッチともいう)を解放または所定のスリップ状態にして、ニュートラルに近い状態にする制御のことである。
また、環境保護の観点から、エンジンを搭載した車両においては、燃費向上とエミッションの低減を目的として、車両が交差点の信号待ちで停車した場合等において所定の条件が成立すると、エンジン燃焼室への燃料供給を停止(フューエルカット)してエンジンを停止するアイドルストップ制御が採用されている。
以上のようなニュートラル制御やアイドルストップ制御(以下、これらの制御を代表して「ニュートラル制御」という場合もある)が、急勾配の登り坂に車両がある状態のときに実行されると、ニュートラル制御からの復帰時に車両が後退する可能性がある。これを回避する方法として、車両に搭載した勾配センサによって車両の勾配(路面の勾配)を検出し、その検出値が予め設定した設定値以下であるときにニュートラル制御の開始を許可
し、勾配の検出値が設定値を超えているときにはニュートラル制御を禁止するという方法が採られている。
このようなニュートラル制御を許可・禁止する制御において、勾配センサに誤差があると、ニュートラル制御の開始・禁止の制御が不正確となる。特に、車両が緩勾配に位置しているときに、実勾配が正勾配(登り坂)であるのに勾配センサの検出値が負勾配の値となる誤検出(もしくは実勾配が負勾配(下り坂)であるのに勾配センサの検出値が正勾配の値となる誤検出)があると、車両後退などの危険が伴うおそれがある。このため、勾配センサの誤差を少なくすることが要求される。
勾配センサの誤差を補正する方法として、従来、工場出荷時に車両を平坦面(水平面)に配置した状態で勾配センサの0点補正を行うという方法が採用されている。しかしながら、工場出荷時の0点補正だけでは、出荷後の経時変化や劣化等の影響によって生じる勾配センサの誤差を無くすことはできない。
なお、車両の勾配を検出する方法として、基準加速度と実加速度との比較により勾配を推定する方法もあるが、この推定方法では、エンジントルクなどの誤差の影響を受けやすく、平坦路近辺での勾配を正確に推定することができない。
ここで、勾配センサの検出値を学習補正する装置として、変速機をニュートラル状態にするニュートラル制御中において、ブレーキスイッチにより車両のブレーキが解除されたことが検出され、かつ、回転センサにより変速機の出力側回転部材の回転がないことが検出されたときに、傾斜センサ(勾配センサ)による検出値を水平基準値とするように更新補正する補正装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の補正装置によれば、変速機がニュートラル状態で、ブレーキがオフであり、変速機の出力側回転部材の回転がない状態となったときに、車両が平坦路上に位置している(水平状態にある)と推定し、その状態のときに、現在の傾斜センサの検出値と水平基準値との差を補正量として求めて補正を行っているので、温度変化や経年変化等により傾斜センサの検出値に誤差が生じても、その誤差を自動的に学習補正することができる。
特開2001−336618号公報
ところで、ニュートラル制御やアイドルストップ制御では、登り坂がきつくなると上記したクリープ力が落ちる点を考慮して、例えば平坦に対して所定角度(例えば2〜3°)の勾配を超えたときには、ニュートラル制御やアイドルストップ制御を禁止している。このため、勾配センサについても、そのような勾配近辺の検出精度が要求される。
しかしながら、上記した特許文献1に記載の補正装置では、車両が平坦路上に位置している状態(水平状態)のときに、現在の傾斜センサの検出値と水平基準値との差を補正量としてセンサ検出値を補正する方式であるので、平坦状態での学習補正(0点付近の補正)は可能であるが、ニュートラル制御やアイドルストップ制御を許可・禁止する制御に必要な領域の勾配検出値を補正することはできない。
本発明はそのような実情に鑑みてなされたもので、勾配センサの検出値に基づいて、ニュートラル制御やアイドルストップ制御などの制限制御を許可・禁止する制御を行うにあたり、それらの制御に必要な領域の勾配センサ検出値を精度良く学習補正することが可能な車両制御装置の提供を目的とする。
本発明は、駆動源と自動変速機が搭載された車両において、所定の条件が成立したときに前記駆動源の出力または負荷を制限する制限制御を行う車両制御装置であって、水平面に対する車両の勾配を検出する勾配センサと、前記自動変速機の出力側の回転体の回転数を検出する回転センサと、前記回転センサの出力に基づいて車両の前進または後退を判定する前進/後退判定手段と、前記制限制御の状態から通常状態に復帰する際の復帰判断が前記回転センサの出力に基づく判断であるときに、当該制限制御の状態から通常状態に復帰する際の前記回転センサの出力に基づく前記前進/後退の判定結果及び前記勾配センサの出力値に基づいて、前記勾配センサの出力値の補正を行う学習補正手段とを備え、前記学習補正手段は、前記前進/後退の判定結果が「後退」であるときに、前記勾配センサの出力値が負勾配の値である場合には、前記勾配センサの出力値を大きくする補正を行う一方、前記前進/後退の判定結果が「前進」であるときに、前記勾配センサの出力値が正勾配の値である場合には、前記勾配センサの検出値を小さくする補正を行うことを特徴とする車両制御装置。
本発明において、駆動源の出力または負荷を制限する制限制御の具体的な例としては、所定の条件が成立したときに、自動変速機をニュートラル状態にするニュートラル制御を挙げることができる。また、所定の条件が成立したときに、エンジンの駆動を停止するアイドルストップ制御を挙げることができる。
次に、本発明の作用を以下に述べる。
まず、例えばニュートラル制御中に、ブレーキペダルを緩めたとき(ブレーキがOFF状態ではないとき)に車両が移動し、その車両移動(回転センサによる回転検知)によりニュートラル制御から通常状態に復帰したときに、回転センサの出力に基づく車両の前進/後退判断が「後退」である場合、車両が位置している路面の実勾配は正勾配(登り坂)となる。このように車両移動が「後退」であり実勾配が正勾配であるときに、勾配センサの出力値が負勾配の値である場合、勾配センサの出力値に誤差が生じていると言える。
そこで、本発明では、回転センサの出力に基づく前進/後退の判定結果が「後退」であるときに、勾配センサの出力値が負勾配の値である場合には、勾配センサの出力値を大きくする補正つまり勾配センサの出力値(負勾配)を正方向に補正する処理を実行する。このような補正処理により、勾配センサの出力値の誤差を少なくすることができ、勾配検出値の精度を高めることができる。
また、ニュートラル制御中に、ブレーキペダルを緩めたとき(ブレーキがOFF状態ではないとき)に車両が移動し、その車両移動(回転センサによる回転検知)によりニュートラル制御から通常状態に復帰したときに、回転センサの出力に基づく車両の前進/後退判断が「前進」である場合、車両が位置している路面の実勾配は負勾配(下り坂)となる。このように車両移動が「前進」であり実勾配が負勾配であるときに、勾配センサの出力値が正勾配の値である場合、勾配センサの出力値に誤差が生じていると言える。
そこで、本発明では、回転センサの出力に基づく前進/後退の判定結果が「前進」であるときに、勾配センサの出力値が正勾配の値である場合には、勾配センサの出力値を小さくする補正つまり勾配センサの出力値(正勾配)を負方向に補正する処理を実行する。このような補正処理により、勾配センサの出力値の誤差を少なくすることができ、勾配検出値の精度を高めることができる。
さらに、本発明においては、車両が登り坂(または下り坂)に位置しているときに、勾配センサの出力値の学習補正を行っているので、ニュートラル制御を許可・禁止する制御において必要な領域の勾配検出値(勾配センサの出力値)を精度良く補正することができる。
なお、ニュートラル制御に限られることなく、アイドルストップ制御を適用する場合でも、以上と同様な作用効果を達成することができる。
本発明において、車両が急停車にて停車したときには、勾配センサの出力値の補正は行わないことが好ましい。このように、勾配学習補正を行う条件について、車両の急停車を除いておくと、車両の急停車に伴う車両の姿勢変化(ノーズダウン)や揺り戻し等により車両姿勢が不安定な状況となるときに、勾配学習補正が実行されることを回避することができる。
本発明において、勾配センサの出力値が安定している状態で、ニュートラル制御等の制限制御の状態から通常状態に復帰したときに限って、勾配センサの出力値の補正を行うことが好ましい。このように、勾配センサの出力値が安定していることを勾配学習補正の実行条件とすることにより、ニュートラル制御等の実行中に停止している車両内で人が動くことによる影響(勾配センサの出力値の変動)等を除去することができる。
本発明によれば、車両が登り坂(または下り坂)に位置しているときに、勾配センサの出力値の学習補正を行っているので、ニュートラル制御やアイドルストップ制御などの制限制御を許可・禁止する制御において必要な領域の勾配センサ検出値を精度良く補正することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明の制御装置を適用する車両は、図1に示すように、エンジン1、トルクコンバータ2、自動変速機3、及び、ECU(電子制御ユニット)4などを備えている。その各部を以下に説明する。
−エンジン−
エンジン1は、例えば多気筒ガソリンエンジンであって、その出力軸であるクランクシャフト(図示せず)が自動変速機3にトルクコンバータ2を介して連結されている。
エンジン1には、エンジン水温を検出する水温センサ11、吸入空気量を検出するエアフローメータ12、スロットルポジションセンサ14、及び、クランクポジションセンサ(エンジン回転数センサ)15などが設けられている。
−トルクコンバータ・自動変速機−
トルクコンバータ2は、流体式動力伝達装置であって、図2に示すように、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチ201、入力軸側のポンプ羽根車202、出力軸側のタービン羽根車203、ワンウェイクラッチ204、及び、トルク増幅機能を発現するステータ205等を備えている。
自動変速機3は、遊星歯車式変速機であって、図2に示すように、第1プラネタリギヤ311からなるフロントギヤユニット301と、第2プラネタリギヤ321及び第3プラ
ネタリギヤ322からなるリヤギヤユニット302とを備えている。
リヤギヤユニット302は、中間軸303を介して連結される2つのサンギヤS2、S3からなる第3回転要素350と、連結部材304を介して連結されるキャリヤCR2とリングギヤR3からなる第2回転要素340と、互いに連結されるリングギヤR1とリングギヤR2からなる第1回転要素330と、出力軸305に連結されるキャリヤCR3からなる出力用回転要素の4つの回転要素によって構成されている。自動変速機3の出力軸305は、図示はしないが、差動歯車装置等を介して左右の車輪に連結される。自動変速機3には、出力軸305の回転数を検出する回転センサ21が配置されている。この回転センサ21の出力信号はECU4に取り込まれる。
以上の自動変速機3は、前進5段・後退1段の変速段を設定することができる。その各変速段を設定するためのクラッチC1〜C3、ブレーキB1〜B4、ワンウェイクラッチF1〜F3の係合・開放状態を図3の作動表に示す。図3に示すように、例えば、車両発進時に使用される1速時においては、クラッチC1が係合し、ワンウェイクラッチF3が作動する。また、1速時においてエンジンブレーキが作用するときにはブレーキB4が係合する。
そして、以上の自動変速機3において、所定のニュートラル制御開始条件が成立したときに、クラッチ(入力クラッチ)C1を解放または所定のスリップ状態にするニュートラル制御が実行される。なお、自動変速機3のニュートラル制御はECU4によって実行される制御であり、その詳細は後述する。
−ECU−
ECU4は、図示はしないが、CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMなどを備えている。ROMは、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは、エンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
ECU4には、図1に示すように、水温センサ11、エアフローメータ12、アクセルポジションセンサ13、スロットルポジションセンサ14、及び、クランクポジションセンサ15が接続されており、さらに、シフトレバー30の操作位置を検出するシフトポジションセンサ16、ブレーキペダルセンサ17、車速センサ18、加速度センサ19、水平面に対する車両の勾配を検出する勾配センサ20、自動変速機3の出力軸305の回転数を検出する回転センサ21などが接続されている。
そして、ECU4は、水温センサ11、エアフローメータ12、アクセルポジションセンサ13、スロットルポジションセンサ14、クランクポジションセンサ15、シフトポジションセンサ16、ブレーキペダルセンサ17、車速センサ18、加速度センサ19、勾配センサ20、及び、回転センサ21などの各種センサの出力信号に基づいて、エンジン1の各種制御を実行する。さらに、ECU4は、下記の「ニュートラル制御」及び「勾配学習補正処理」を実行する。
−ニュートラル制御−
ECU4は、エンジン1のアイドル運転時において、所定のニュートラル制御開始条件が成立したときに、自動変速機3の油圧制御回路(図示せず)を制御してクラッチC1を解放または所定のスリップ状態にして、自動変速機3をニュートラル状態にする(ニュートラル制御)。
ここで、この例において、ニュートラル制御開始条件は、例えば、車速センサ18からの車速検知信号に基づく車速が「0」であること、シフトポジションセンサ16に基づくシフトレバー位置が「Dレンジ」であること、ブレーキペダルの踏み込み操作が行われていること(ブレーキペダルセンサ17がONであること)、アクセルポジションセンサ13の出力に基づくアクセルペダルの操作量が「0」であることなどである。
一方、ニュートラル制御から通常走行状態への復帰は、例えば「ブレーキペダルの踏み込み解除(ブレーキペダルセンサ17がOFF)」を条件とする。
また、ニュートラル制御中に、ブレーキペダルの踏み込みが緩められたときに(ブレーキペダルセンサ17はON状態)、自動変速機3の回転センサ21の出力から、車両が一瞬だけ前進または後退したことが検出されたときも復帰の条件とする。この復帰条件でニュートラル制御から通常走行状態に復帰する場合を、以下、「回転センサ21による移動検出での復帰」という。
−勾配学習補正処理−
まず、勾配学習補正処理に用いる補正マップについて説明する。
<補正マップ>
この例において勾配学習補正処理には、図5(A)及び(B)に示すような補正マップMaまたは補正マップMbを用いる。
図5(A)及び(B)に示す補正マップMa、Mbは、後述する図4のフローチャートのステップST5の処理にて確定する勾配センサ判定値と勾配補正値をパラメータとして作成されており、ECU4のROM内に予め設定されている。
図5(A)に示す補正マップMaは、実勾配が正勾配(登り坂)のときに勾配センサ20の出力値が負勾配の値である場合に、その勾配センサ20の出力値を正方向に補正するためのマップである。補正マップMaには、0点近傍に補正を行わない領域Faが設定されている。そして、このような補正マップMaにおいて、例えば、勾配センサ20の出力値(勾配センサ判定値)が[−Da]であるときには、勾配補正値が[α]であり、勾配学習補正値は[−Da+α]となる。
図5(B)に示す補正マップMbは、実勾配が負勾配(下り坂)のときに勾配センサ20の出力値が正勾配の値である場合に、その勾配センサ20の出力値を負方向に補正するためのマップである。補正マップMbには、0点近傍に補正を行わない領域Fbが設定されている。そして、このような補正マップMbにおいて、例えば、勾配センサ20の出力値(勾配センサ判定値)が[+Db]であるときには、勾配補正値が[β]であり、勾配学習補正値は[+Db−β]となる。
なお、図5(A)に示す補正マップMaにおいて、補正をしない領域Faを0点に近づけて領域Faの範囲を小さくするか、もしくは補正しない領域Faを無くしてもよいが、補正しない領域Faの範囲が小さい(もしくは領域Faが無い)と、学習補正値の正負ハンチングが生じる等の問題が発生する可能性があるので、これを回避するために、ある程度の大きさの領域Faを設定しておくことが好ましい。また、図5(B)に示す補正マップMbにおいても同様な理由により、補正をしない領域Fbを設定しておくことが好ましい。
<勾配学習補正ルーチン>
次に、ECU4において実行する勾配学習補正処理の内容を、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。この勾配学習補正ルーチンは、所定時間周期で繰り返し実行される。
ステップST1において、ECU4は、加速度センサ19の出力に基づいて、車両停止が急停車であるか否かを判定し、その判定結果が否定判定(NO)である場合はステップST2に進む。ステップST1の判定結果が肯定判定(YES)である場合、この勾配学習補正ルーチンを一旦終了する。
なお、ステップST1において、勾配学習補正を行う条件として、車両の急停車を除いているのは、車両が急停車した場合、制動に伴う車両の姿勢変化(ノーズダウン)や、揺り戻し等が生じて車両姿勢が不安定となり、そのような不安定な状況下での勾配学習補正を回避するためである。また、車両の急停車の判定には、加速度センサ19に替えて回転センサ21を用い、その回転センサ21の出力値の変化率に基づいて車両の急停車を判定するようにしてもよい。
ステップST2において、ECU4は、ニュートラル制御を開始した後に、そのニュートラル制御を一定時間実施したか否かを判定し、その判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST3に進む。ステップST2の判定が否定判定(NO)である場合、この勾配学習補正ルーチンを一旦終了する。
なお、ステップST2において「ニュートラル制御を一定時間実施」という条件を設定しているのは、ニュートラル制御開始直後でニュートラル制御が過渡状態にあるときの不安定な状況下での勾配学習補正を回避するためである。
ステップST3において、ECU4は、勾配センサ20の出力値を採取する。次に、ステップST4において、車両の勾配が安定した否かを判定し、勾配が安定しているときにはステップST5に進み、勾配が安定していない場合には、この勾配学習補正ルーチンを一旦終了する。ステップST4において勾配が安定しているか否かの判定は、勾配センサ20の出力値の変動量が所定範囲内に収まっているか否かによって行う。
なお、ステップST4において、勾配センサ20の出力値が安定していることを勾配
学習補正の実行条件としているのは、ニュートラル制御の実行中に停止している車両内で人が動くことによる影響(勾配センサ20の出力値の変動)等を回避するためである。
ステップST5において、ECU4は、勾配学習補正を行うための勾配センサ判定値(勾配センサ20の出力値)を確定する。
次に、ステップST6において、ECU4は、ニュートラル制御から通常走行状態に復帰した際に、その復帰が「回転センサ21による移動検出での復帰」であるか否かを判定する。ステップST6の判定結果が否定判定(NO)である場合、つまり、ニュートラル制御からの復帰が、「回転センサ21による移動検出での復帰」ではなく、「ブレーキペダルの踏み込み解除(ブレーキペダルセンサ17がOFF)」での復帰の場合は、この勾配学習補正ルーチンを一旦終了する。一方、ステップST6の判定が肯定判定(YES)である場合つまりニュートラル制御からの復帰が「回転センサ21による移動検出での復帰」である場合にはステップST7に進む。
ステップST7において、ECU4は、ニュートラル制御からの復帰(回転センサ21による移動検出での復帰)が、車両の後退による復帰であるか否かを判定し、その判定結果が肯定判定(YES)であるときにはステップST8に進んで、ステップST5にて確
定した勾配センサ判定値が負勾配の値であるか否かを判定する。
一方、ステップST7の判定結果が否定判定(NO)であるときにはステップST11に移行し、ニュートラル制御からの復帰(回転センサ21による移動検出での復帰)が、車両の前進による復帰であるか否かを判定する。その判定結果が肯定判定(YES)であるときにはステップST12に進んで、ステップST5にて確定した勾配センサ判定値が正勾配の値であるか否かを判定する。
なお、ステップST7及びステップST11の判定結果がいずれも否定判定(NO)となる状況としては、例えば、車両が平坦な路面に停車しているときに、車両内の人が動くことによって車両の姿勢が変化し、その挙動(車両の動き)を回転センサ21が検知した状況等が挙げられる。
以上のステップST6〜ステップST8の全ての判定結果が肯定判定(YES)である場合、つまり、ニュートラル制御からの復帰が「回転センサ21による移動検出での復帰」であり、かつ、車両移動が後退(実勾配が正勾配(登り坂))であるときの勾配センサ判定値が負勾配の値である場合、ECU4は、勾配センサ20の出力値に誤差があると判断してステップST9に進む。
ステップST9において、ECU4は、図5(A)に示す補正マップMaを用い、その補正マップMaとステップST5にて確定した勾配センサ判定値(勾配センサ20の出力値)に基づいて勾配補正値を求めて勾配学習補正を行う。具体的には、例えば勾配センサ判定値が[−Da]である場合、補正マップMaを参照して勾配補正値[α]を求め、その勾配補正値[α]を勾配センサ判定値(勾配センサ20の出力値)に加算する演算[−Da+α]を行って、勾配センサ20の出力値を学習補正する。
また、ステップST6及びステップST11、ST12の全ての判定結果が肯定判定(YES)である場合、つまり、ニュートラル制御からの復帰が「回転センサ21による移動検出での復帰」であり、かつ、車両移動が前進(実勾配が負勾配(下り坂))であるときの勾配センサ判定値が正勾配の値である場合、ECU4は、勾配センサ20の出力値に誤差があると判断してステップST13に進む。
ステップST13において、ECU4は、図5(B)に示す補正マップMbを用い、その補正マップMbとステップST5にて確定した勾配センサ判定値(勾配センサ20の出力値)に基づいて勾配補正値を求めて勾配学習補正を行う。具体的には、例えば勾配センサ判定値が[+Db]である場合、補正マップMbを参照して勾配補正値[β]を求め、その勾配補正値[β]を勾配センサ判定値(勾配センサ20の出力値)に減じる演算[+Db−β]を行って、勾配センサ20の出力値を学習補正する。
なお、ステップST8及びステップST12の判定結果が否定判定(NO)であるときには勾配学習補正は行わずに、この勾配学習補正ルーチンを一旦終了する。
そして、ステップST10において、ECU4は、以上の処理によって求めた勾配学習補正値を記憶した後、この勾配学習補正ルーチンを終了する。
以上の勾配学習補正処理によれば、車両が登り坂または下り坂に位置しているときに、勾配センサ20の出力値の学習補正を行っているので、ニュートラル制御を許可・禁止する制御において必要な領域の勾配検出値(勾配センサ20の出力値)を精度良く補正することができる。また、出荷後に勾配センサ20の出力値を学習補正することが可能であるので、従来実施されていた工場出荷時の0点補正処理を省略することも可能になる。
−他の実施形態−
以上の例では、回転センサによって自動変速機の出力軸の回転数を検出して、車両の移動を検知しているが、本発明はこれに限られることなく、回転数を検出する対象は自動変速機の出力軸から車輪までの出力側の回転体であればよく、例えば車輪の回転数を回転センサで検出するようにしてもよい。
以上の例では、自動変速機として遊星歯車式の自動変速機を搭載した車両に本発明を適用した例を示した、本発明はこれに限られることなく、CVT(ベルト式無段変速機)搭載した車両にも適用可能である。
以上の例では、ニュートラル制御を行う車両に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、所定の条件が成立したときにアイドルストップ制御を行う車両にも適用することができる。この場合、図4に示すフローチャート(勾配学習補正ルーチン)と同様な処理にて、勾配学習補正処理を実行すればよい。
ただし、アイドルストップ制御を行う場合、図4に示すフローチャートのステップST1の条件を「アイドルストップ制御を一定時間実施」とする。また、ステップST6の判定処理を、「アイドルストップ制御から通常走行状態に復帰した際に、復帰が「回転センサ21による移動検出での復帰」であるか否かを判定する処理」とする。なお、アイドルストップ条件、及び、アイドルストップ制御からの復帰条件については、ニュートラル制御の各条件と同じとすればよい。
さらに、本発明は、ニュートラル制御を行う車両、アイドルストップ制御を行う車両のほか、ニュートラル制御とアイドルストップ制御の双方の制御機能が車両に設けられている場合、そのような車両にも本発明を適用することができる。
以上の例では、駆動源としてエンジンのみを搭載した車両に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、例えば、駆動源としてエンジンと電動機(例えば走行用モータまたはジェネレータモータ等)が搭載されたハイブリッド車において、所定の条件が成立したときに、走行用モータ等に供給する電力を制限する制限制御が採用される場合、このようなハイブリッド車にも本発明を適用することができる。
本発明を適用する車両の一例を示す概略構成図である。 図1の車両に搭載されるトルクコンバータ及び自動変速機の構造を示すスケルトン図である。 図2の自動変速機において各変速段を設定するためのクラッチ及びブレーキの係合・開放状態を示す図表である。 ECUが実行する勾配学習補正処理の内容を示すフローチャートである。 勾配学習補正処理に用いる補正マップを示す図である。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
2 トルクコンバータ
3 自動変速機
305 出力軸(出力側の回転体)
C1 クラッチ(入力クラッチ)
4 ECU
20 勾配センサ
21 回転センサ

Claims (5)

  1. 駆動源と自動変速機が搭載された車両において、所定の条件が成立したときに前記駆動源の出力または負荷を制限する制限制御を行う車両制御装置であって、
    水平面に対する車両の勾配を検出する勾配センサと、前記自動変速機の出力側の回転体の回転数を検出する回転センサと、前記回転センサの出力に基づいて車両の前進または後退を判定する前進/後退判定手段と、前記制限制御の状態から通常状態に復帰する際の復帰判断が前記回転センサの出力に基づく判断であるときに、当該制限制御の状態から通常状態に復帰する際の前記回転センサの出力に基づく前記前進/後退の判定結果及び前記勾配センサの出力値に基づいて、前記勾配センサの出力値の補正を行う学習補正手段とを備え
    前記学習補正手段は、前記前進/後退の判定結果が「後退」であるときに、前記勾配センサの出力値が負勾配の値である場合には、前記勾配センサの出力値を大きくする補正を行う一方、前記前進/後退の判定結果が「前進」であるときに、前記勾配センサの出力値が正勾配の値である場合には、前記勾配センサの検出値を小さくする補正を行うことを特徴とする車両制御装置。
  2. 請求項1記載の車両制御装置において、
    前記車両が急停車にて停車したときには、前記学習補正手段による勾配センサの出力値の補正は行わないことを特徴とする車両制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両制御装置において、
    前記勾配センサの出力値が安定している状態で、前記制限制御の状態から通常状態に復帰したときに限って、前記学習補正手段による勾配センサの出力値の補正を行うことを特徴とする車両制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両制御装置において、
    前記駆動源の出力または負荷を制限する制限制御が、所定の条件が成立したときに前記自動変速機をニュートラル状態にするニュートラル制御であることを特徴とする車両制御装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両制御装置において、
    前記駆動源に内燃機関を含む場合、前記駆動源の出力または負荷を制限する制限制御が、所定の条件が成立したときに前記内燃機関の駆動を停止するアイドルストップ制御であることを特徴とする車両制御装置。
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