JP2010151035A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フューエルカットによる燃費向上の効果を可及的に発揮させることが可能な車両の制御装置を提供する。
【解決手段】複数の気筒を有しかつそれら各気筒に対する燃料供給量を個別に制御可能な内燃機関を動力源として搭載するとともに、走行中に該内燃機関に対する燃料供給を休止するフューエルカットを実行可能な車両の制御装置において、前記フューエルカットの実行時に、前記車両の減速走行状態に基づいて、前記内燃機関の自律回転が停止するエンジンストールが発生する可能性を判断する減速状態判断手段(ステップS1,S2)と、前記減速状態判断手段により前記エンジンストールが発生する可能性が高いと判断された場合に、前記フューエルカットされていた前記内燃機関に対する燃料供給を部分的に再開するフューエルカット部分復帰手段(ステップS5,S6)とを設ける。
【選択図】図3

Description

この発明は、走行中に、動力源である内燃機関に対する燃料の供給を休止するフューエルカットを行う車両の制御装置に関するものである。
自動車などの車両の制動は、エンジン(内燃機関)などの動力源における回転抵抗やブレーキにおける摩擦によって制動力を発生させることにより行われる。特に、エンジンにおける回転抵抗を利用した制動すなわちエンジンブレーキは、エンジンを外力すなわち車両の走行慣性力によって強制的に回転させることにより制動力を発生させて行われる。したがって、その場合のエンジンは、自律回転のための燃料の供給を特には必要としないので、従来では、エンジンブレーキを用いた減速走行時に、車両の走行慣性力によってエンジンを回転させてその回転数が所定の回転数以上の場合には、エンジンに対する燃料の供給を休止し、すなわちいわゆるフューエルカットを実行して燃費の向上を図っている。
このようなフューエルカットに関する制御技術の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されているフューエルカット復帰制御装置は、エンジンと、そのエンジンと駆動輪との間で動力の機械的接続および切断動作を行うロックアップクラッチを有するトルクコンバータと、車両の減速走行時にロックアップクラッチを接続しつつ所定の車両走行状態までエンジンに供給する燃料の遮断を行うフューエルカット装置とを含む車両のフューエルカット復帰制御装置であって、フューエルカット制御中に車両の急減速を検出した場合、フューエルカット制御を中止してフューエルカット制御からの強制復帰を行うように構成されている。
また、特許文献2には、部分気筒運転が行われる休筒領域を設定する休筒領域設定手段と、燃料カット(フューエルカット)後に燃料復帰を実行する燃料制御手段とを備え、休筒領域の下限回転速度を燃料復帰時の機関回転速度よりも所定値だけ大きく設定することにより、燃料復帰を全気筒運転の状態で行うように構成された可変気筒内燃機関に関する発明が記載されている。
そして、特許文献3には、アクセルペダルが全閉状態であり、かつエンジン回転数が第1の所定値以上であるときにエンジンへの燃料カット(フューエルカット)を実行するとともに、エンジン回転数が第2の所定値以下になるとエンジンへの燃料カットを禁止する減速時燃料カット制御手段と、路面状態を判断する路面状態判断手段とを備え、路面が低摩擦路面状態であると判断された場合に、第2の所定値を高く変更することにより、減速時燃料カット制御の実行時における低摩擦路面状態でのタイヤロックによるエンジンストールを回避するように構成されたエンジンの燃料供給制御装置に関する発明が記載されている。
特開2000−257483号公報 特開2005−188339号公報 特開2003−239791号公報
上記の特許文献1に記載されているフューエルカット復帰制御装置によれば、フューエルカットの実行中に車両の急減速が検出された場合に、フューエルカット制御からの強制復帰が指示され、ロックアップクラッチが開放されてエンジンと駆動輪との間の動力伝達が遮断されるとともに、エンジンに対する燃料の再噴射が行われてエンジン回転数が復帰させられる。そのため、フューエルカットの実行中に急制動が行われて車両が急激に減速し、駆動輪の回転がロックするもしくは駆動輪の回転数が急激に低下するような場合であっても、エンジンの回転数が自律回転可能な回転数の下限以下に低下してしまうことによるエンジンストール(エンジンストップ)を回避することができる。
しかしながら、この特許文献1に記載されている装置では、フューエルカットの実行中に車両の急減速が検出された場合には、フューエルカット制御からの強制復帰が一律に実行されるため、フューエルカットを実行することによる燃費向上の効果を十分に得られない場合がある。すなわち、車両が走行している路面状態、特に路面の摩擦係数が変化すると、制動時の減速度が同じであっても車輪がロックする可能性も変化するので、例えば、走行路面が、摩擦係数が低くスリップが生じ易いいわゆる低μ路である場合は、通常状態の路面を走行する場合と比較して制動時に車輪がロックし易くなって、エンジンストールが発生する可能性が高くなる。
そのため、従来では、フューエルカット実行時のエンジンストールを回避するために、例えば上記のように走行路面が低μ路でありかつ減速度が大きい場合のような、最もエンジンストールが発生する危険度が高い状態を基準にして、休止していたエンジンの燃料供給を再開するなどしてフューエルカットを終了する、すなわちフューエルカットの復帰制御を実行するようにしている。
したがって、従来のフューエルカットの復帰制御では、フューエルカット実行時における路面状況や減速度の大小にかかわらず、一律にフューエルカットの復帰制御が実行されることになり、実際にはフューエルカットを継続することが可能な状態であっても、そのフューエルカットが終了させられてしまい、その結果、フューエルカットによる燃費向上効果が低減してしまう場合があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、低μ路での急制動時などのフューエルカットを継続し難い条件であっても、フューエルカットによる燃費向上の効果を可及的に発揮させることが可能な車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の気筒を有しかつそれら各気筒に対する燃料供給量を個別に制御可能な内燃機関を動力源として搭載するとともに、走行中に該内燃機関に対する燃料供給を休止するフューエルカットを実行可能な車両の制御装置において、前記フューエルカットの実行時に、前記車両の減速走行状態に基づいて、前記内燃機関の自律回転が停止するエンジンストールが発生する可能性を判断する減速状態判断手段と、前記減速状態判断手段により前記エンジンストールが発生する可能性が高いと判断された場合に、前記フューエルカットされていた前記内燃機関の全体に対する燃料供給量を減じた状態で部分的に燃料供給を再開するフューエルカット部分復帰手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記減速状態判断手段が、前記車両の減速度を検出するとともに、その減速度が閾値として予め設定した所定値よりも大きい急制動が行われた場合に、前記エンジンストールが発生する可能性が高いと判断する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記車両が走行している路面の摩擦係数を推定する路面μ推定手段を更に備え、前記減速状態判断手段が、前記車両の減速度を検出するとともに、前記路面μ推定手段により前記路面が前記車両にスリップが生じ易い低μ路であると判断され、かつ前記減速度が前記低μ路を走行する際の閾値として予め設定した所定値よりも大きい急制動が行われた場合に、前記エンジンストールが発生する可能性が高いと判断する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記フューエルカット部分復帰手段が、一部の前記気筒のみに対して燃料を供給することおよび/または前記燃料供給量を制限することにより、前記フューエルカットされていた前記内燃機関の全体に対する燃料供給量を減じた状態で部分的に燃料供給を再開する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
そして、請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記フューエルカット部分復帰手段が、前記減速状態判断手段により前記エンジンストールが発生する可能性が高いと判断された場合に、前記内燃機関の回転数がエンジンストールを回避するために予め設定した第1復帰回転数以下となった時点で前記フューエルカットを完全に終了し、前記減速状態判断手段により前記エンジンストールが発生する可能性が低いと判断された場合には、前記内燃機関の回転数がエンジンストールを回避するために予め設定した前記第1復帰回転数よりも低い第2復帰回転数以下となった時点で前記フューエルカットを完全に終了する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
請求項1の発明によれば、車両の減速走行時にフューエルカットが実行されると、その際の減速走行状態に基づいてエンジンストールが発生する可能性について判断される。そして、そのままフューエルカットを継続したとするとエンジンストールが発生する可能性が高いと判断された場合に、フューエルカットのために休止されていた内燃機関に対する燃料供給が部分的に再開される。すなわち、フューエルカットが完全に終了されるのではなく、エンジンストールが生じない範囲で部分的にフューエルカットが継続される。そのため、エンジンストールを回避するためにフューエルカットを完全に終了して内燃機関に対する燃料供給を全面的に再開した場合と比較して、エンジンストールを回避するために供給される燃料を最小限に抑えることができる。すなわち、エンジンストールが発生し易い減速走行状態の下でも、フューエルカットを可及的に継続することができ、その結果、フューエルカットを実行することによる燃費向上の効果を可及的に発揮させることができる。
また、請求項2の発明によれば、車両の減速走行時にフューエルカットが実行されると、その際の車両の減速度が検出され、その減速度の大きさに基づいてエンジンストールが発生する可能性について判断される。すなわち、検出された減速度が、予め定められた所定値よりも大きい場合は、例えば車輪がロックする可能性があるような急制動が行われたと判断され、そのままフューエルカットを継続するとエンジンストールが生じる可能性が高いと判断される。したがって、フューエルカットの実行時に、車両の減速度を検出することにより、減速走行状態に基づいたエンジンストール発生の可能性を適切に判断することができる。
また、請求項3の発明によれば、車両の減速走行時にフューエルカットが実行されると、走行路面の摩擦係数が推定されてその走行路面が低μ路であるか否かが判断される。そして、走行路面が低μ路であると判断された場合に、その低μ路を走行する下での車両の減速度の大きさに基づいてエンジンストールが発生する可能性について判断される。すなわち、検出された減速度が、低μ路での走行を想定して予め定められた所定値よりも大きい場合は、低μ路上で、例えば車輪がロックする可能性があるような急制動が行われたと判断され、そのままフューエルカットを継続するとエンジンストールが生じる可能性が高いと判断される。したがって、フューエルカットの実行時に、走行路面の摩擦係数を推定することおよび車両の減速度を検出することにより、走行路面状況を含む減速走行状態に基づいたエンジンストール発生の可能性をより適切に判断することができる。
また、請求項4の発明によれば、フューエルカットの実行時に、例えば減速度の大小や走行路面の摩擦係数などの減速走行状態に基づいてエンジンストールが発生する可能性が高いと判断された場合に、複数の気筒を有する内燃機関の一部の気筒だけに対して燃料を供給すること、あるいは内燃機関に対して供給量を抑制して燃料を供給すること、あるいは内燃機関の一部の気筒だけに対して供給量を抑制して燃料を供給することにより、フューエルカットのために休止されていた内燃機関に対する燃料供給を部分的に再開することができる。すなわち、フューエルカットを完全に終了するのではなく、エンジンストールが生じない範囲で部分的にフューエルカットを継続させることができる。
そして、請求項5の発明によれば、フューエルカットの実行時に、例えば減速度の大小や走行路面の摩擦係数などの減速走行状態に基づいてエンジンストールが発生する可能性が高いと判断された場合は、内燃機関の回転数が第1復帰回転数を下回った場合に、フューエルカットのために休止されていた内燃機関に対する燃料供給が再開されてエンジンストールが回避される。そして、エンジンストールが発生する可能性が低いと判断された場合には、内燃機関の回転数が、前記の第1復帰回転数よりも低い値に設定された第2復帰回転数を下回った場合に、フューエルカットのために休止されていた内燃機関に対する燃料供給が再開される。したがって、フューエルカットの実行中にエンジンストールが発生する可能性が高いと判断された場合に、一律にフューエルカットを終了するのではなく、より低い値に内燃機関の回転数が低下するまでフューエルカットを継続することができる。すなわち、エンジンストールが生じない範囲で可及的にフューエルカットを継続することができ、その結果、フューエルカットを実行することによる燃費向上の効果を可及的に発揮させることができる。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。図1は、この発明で制御の対象とする複数の気筒を有する内燃機関を搭載した車両Veの駆動系統および制御系統の構成を説明する図である。図1において、符号1は動力源であり、この発明においては、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関を対象としている。なお、以下の説明では、動力源1すなわち内燃機関1をエンジン1と記す。エンジン1の出力側に、トルクコンバータ2を介して、自動変速機3が連結されている。そして、自動変速機3の出力側に、例えばプロペラシャフト4およびデファレンシャル5ならびにドライブシャフト6などを介して、駆動輪7が連結されている。すなわち、エンジン1の出力トルクは、トルクコンバータ2を介して自動変速機3に入力され、その自動変速機3において設定される変速比に応じて変速されて、駆動トルクとして駆動輪7へ伝達されるようになっている。
エンジン1は、上記のように、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジンあるいはLPGエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する内燃機関であって、スロットル開度(吸気量)、燃料噴射量(燃料供給量)、吸排気弁の開閉動作、点火時期などの運転状態を電気的に制御できるように構成されている。さらに、この発明におけるエンジン1は、図1では符号1a,〜1fで示すように、複数の気筒を有する内燃機関であって、それら各気筒1a,〜1fに対する燃料噴射量あるいは燃料噴射時間、および各気筒1a,〜1fにおける吸排気弁の開閉動作を、各気筒1a,〜1f毎に、個別に制御可能なように構成されている。
トルクコンバータ2は、従来公知のものが用いられ、特にこの発明におけるトルクコンバータ2は、ポンプインペラとタービンランナとの間を、すなわちエンジン1と自動変速機3との間を機械的に連結可能なロックアップクラッチ2aを備えている。さらに、このロックアップクラッチ2aは、完全係合状態から完全解放状態の間で、半係合(スリップ係合)状態を含み、その係合・解放状態を任意に変更して、すなわち伝達トルク容量を任意に変更して制御可能な構成となっている。
自動変速機3は、例えば、油圧を電気的に制御して変速比を変更する変速制御を行ういわゆる電子制御式の変速機であり、その自動変速機3に一体に設けられた油圧制御装置(図示せず)を制御することにより、変速段もしくは変速比の切り換え・変更を行うように構成されている。
そして、上記のスロットル開度や燃料噴射量あるいは吸排気弁の開閉動作や点火時期などのエンジン1の運転状態、およびトルクコンバータ2におけるロックアップクラッチ2aの係合・解放状態、および自動変速機3の変速制御を実行させるための油圧制御装置の動作状態を制御する電子制御装置(ECU)8が設けられている。
この電子制御装置8は、一例として中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM,ROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されていて、電子制御装置8には、例えば、エンジン1の回転数を検出するエンジン回転数センサ9、車速を算出するために各車輪毎の回転速度を検出する車輪速センサ10、車両Veの走行状態を推定するための加速度を検出する加速度センサ11などの出力信号、あるいは、アクセルペダル(図示せず)の操作量やブレーキペダル(図示せず)の操作量あるいはステアリング(図示せず)の操舵量などに応じた信号などが、制御データとして入力されるようになっている。
そして、電子制御装置8からは、上述したエンジン1のスロットル開度や燃料噴射量あるいは吸排気弁の開閉動作や点火時期などを変更する制御信号、トルクコンバータ2におけるロックアップクラッチ2aの係合・解放状態を変更する制御信号、自動変速機3の変速比を変更する制御信号などを出力するように構成されている。
前述したように、この発明は、走行中にフューエルカットが実行された際に、例えば低μ路で急制動時が行われた場合のようなフューエルカットを継続し難い状態であっても、フューエルカットによる燃費向上の効果を可及的に発揮させることが可能な制御装置を提供することを目的としていて、そのために、この発明の制御装置は以下の制御を実行するように構成されている。
図2は、この発明の制御装置における制御の一例を説明するためのフローチャートであって、このフローチャートで示されるルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。また、このフローチャートで示されるルーチンは、車両Veが走行している際にエンジン1のフューエルカットが実行されていることが前提となっている。
図2のフローチャートにおいて、先ず、車両Veが走行している路面が、摩擦係数が小さく走行中あるいは制動時にスリップが生じ易い、いわゆる低μ路であるか否かが判断される(ステップS1)。この低μ路であるか否かの判断は、例えば、車輪速センサ10による各車輪毎の回転速度の検出値、および加速度センサ11による車両Veの加速度の検出値などから、駆動時のスリップや制動時の回転ロックの有無などの各車輪の回転状態を検知して、走行路面の滑り易さすなわち摩擦係数を推定することによって判断することができる。あるいは、車両VeがABS(Anti Lock Braking System)装置(図示せず)を備えている場合には、そのABS装置の作動状況などから、走行路面の摩擦係数を推定することもできる。
走行路面が低μ路であると推定されたことにより、このステップS1で肯定的に判断された場合は、ステップS2へ進み、車両Veの減速度が検出されるとともに、その減速度が、低μ路を走行中の制動時に、車輪がロックする可能性がある急制動が行われたことを検知するための閾値として設定された所定値よりも大きいか否かが判断される。
車両Veの減速度が所定値よりも大きいことにより、このステップS2で肯定的に判断された場合、すなわち、低μ路を走行中に、車輪がロックする可能性がある急制動が行われたと判断された場合は、ステップS3へ進み、エンジン1の回転数が、予め設定された第1復帰回転数Ne1以下になった時点で、フューエルカットが完全に終了される。
この第1復帰回転数Ne1は、低μ路を走行中に急制動が行われた際に、そのままフューエルカットを継続するとエンジンストールが発生する可能性が高いと判断された場合に、フューエルカット実行中のエンジンストールを回避するために、フューエルカットを終了する時期を決定するために予め設定された閾値である。
したがって、このステップS3では、上記のステップS1,S2で低μ路を走行中に車輪がロックする可能性がある急制動が行われたと判断されたことによって、そのままフューエルカットを継続するとエンジンストールが発生する可能性が高いと判断し、その場合にフューエルカットを終了する閾値として設定された第1復帰回転数Ne1とエンジン回転数とを比較して、エンジン回転数が第1復帰回転数Ne1以下になった時点で、フューエルカットが完全に終了するように、エンジン1が制御される。そしてその後、このルーチンが一旦リターンされる。
一方、走行路面が低μ路ではないと推定されて、前述のステップS1もしくはステップS2で否定的に判断された場合、すなわち低μ路でない通常の路面を走行していることにより、車輪がスリップしたり制動時に車輪がロックしたりする可能性が低いと判断された場合、あるいは、低μ路を走行中ではあるものの車輪がロックする可能性があるような急制動は行われていないと判断された場合、言い換えると、そのままフューエルカットを継続してもエンジンストールが発生する可能性は低いと判断された場合には、ステップS4へ進み、エンジン1の回転数が、予め設定された第2復帰回転数Ne2以下になった時点で、フューエルカットが完全に終了される。そしてその後、このルーチンが一旦リターンされる。
この第2復帰回転数Ne2は、前述の第1復帰回転数Ne1よりも低い値に設定されていて、フューエルカット実行中のエンジンストールを回避するために、エンジン1の自律回転が可能な回転数の下限値もしくはその近傍の値として予め設定された閾値である。したがって、このステップS4では、前述のステップS3で第1復帰回転数Ne1を閾値としてフューエルカットの終了が判断される場合、すなわちフューエルカットの復帰制御が行われる場合と比較して、エンジン1の回転数がより低い値に低下するまで、フューエルカットが継続して実行される。
上記のように、フューエルカット実行時のエンジンストール発生の可能性について判断し、そのエンジンストール発生の可能性の高低に基づいて、フューエルカットを終了させる回転数を第1復帰回転数Ne1とそれよりも低い第2復帰回転数Ne2とに分けて、フューエルカットの復帰制御を実行することにより、例えば第1復帰回転数Ne1だけで一律にフューエルカットの復帰制御を行った場合と比較して、フューエルカットによる燃費低減効果を、より長い期間にわたり発揮させることができる。
これに対して、図3のフローチャートに示すこの発明の制御装置における他の制御例は、フューエルカット実行時に、エンジンストール発生の可能性が高いと判断された場合にフューエルカットを完全に終了させずに、部分的に終了させることにより、フューエルカットを可及的に継続させるようにした制御の一例である。
この図3のフローチャートで、前述の図2のフローチャートと同一の符号で示すステップは、制御内容が同じものである。したがって、この図3のフローチャートにおいて、ステップS1およびステップS2でいずれも肯定的に判断された場合、すなわち、低μ路を走行中に車輪がロックする可能性がある急制動が行われたと判断された場合は、ステップS5へ進み、フューエルカットの部分復帰制御が実行される。
このフューエルカットの部分復帰制御は、実行中のフューエルカットを終了する場合に、一律にそのフューエルカットを完全に終了させるのではなく、エンジン1のエンジンストールが発生しない範囲で、部分的にフューエルカットを終了させる制御である。より具体的には、複数の気筒1a,〜1fを有するエンジン1の全ての気筒1a,〜1fに対する燃料噴射を休止することによりフューエルカットを実行していたのに対して、例えば各気筒1a,〜1fのうちの一部の気筒のみに対して燃料噴射を再開することにより、フューエルカットを部分的に終了させる制御である。
あるいは、各気筒1a,〜1fに対する燃料噴射を完全に再開するのではなく、完全に再開した場合の燃料噴射量に対して制限を加えた噴射量で、各気筒1a,〜1fに対して燃料噴射を再開することにより、フューエルカットを部分的に終了させることもできる。あるいは、完全に再開した場合の燃料噴射量に対して制限を加えた噴射量で、各気筒1a,〜1fのうちの一部の気筒のみに対して燃料噴射を再開することにより、フューエルカットを部分的に終了させることもできる。更に言えば、各気筒1a,〜1fに対する燃料噴射を完全に再開するのではなく、完全に再開した場合の燃料噴射時間に対して制限を加えた噴射時間で、各気筒1a,〜1fに対して燃料噴射を再開することにより、フューエルカットを部分的に終了させることもできる。あるいは、完全に再開した場合の燃料噴射時間に対して制限を加えた噴射時間で、各気筒1a,〜1fのうちの一部の気筒のみに対して燃料噴射を再開することにより、フューエルカットを部分的に終了させることもできる。要するに、この発明におけるフューエルカットの部分復帰制御とは、フューエルカットされていたエンジン1の全体に対する燃料供給量を減じた状態で部分的に燃料供給を再開することにより、フューエルカットを部分的に終了させる、すなわちフューエルカットが実行されている状態から通常の状態へ部分的に復帰させる制御のことである。
このステップS5において、フューエルカットの実行時にエンジンストール発生の可能性が高いと判断された場合に、フューエルカットを完全に終了させないまでも、フューエルカットの部分復帰制御を実行することにより、エンジン1の自律回転が維持され、その部分復帰制御が所定の間継続されることにより、エンジンストール発生の可能性も低下することになる。
したがって、上記のステップS5で、フューエルカットの部分復帰制御が実行された後には、ステップS6へ進み、エンジン1の回転数が、予め設定された第2復帰回転数Ne2以下になった時点で、フューエルカットが完全に終了される。すなわち、ステップS1もしくはステップS2で否定的に判断された場合、つまりそのままフューエルカットを継続してもエンジンストールが発生する可能性は低いと判断された場合と同様の、第2復帰回転数Ne2を閾値として、フューエルカットの終了時期が判断される。言い換えると、第2復帰回転数Ne2を閾値として、フューエルカットの完全復帰制御の開始時期が判断される。そしてこのステップS6で、第2復帰回転数Ne2を閾値とするフューエルカットの完全復帰制御が開始されると、その後、このルーチンが一旦リターンされる。
上記の制御を実行した場合のエンジン1の回転数の変化やフューエルカットの実行状態等を図4のタイムチャートに示してある。図4の上段に示すように、従来の制御例では、エンジン回転数が、例えば第1復帰回転数Ne1まで低下した時点で、一律にフューエルカットの完全復帰制御が開始される。そのため、フューエルカットが開始された時点から時刻t1までの間、フューエルカットが実行されている。
これに対して、上記の図3のフローチャートで示すこの発明による制御では、低μ路で急制動が行われた場合(すなわち減速度が大きい場合)に、フューエルカット実行時のエンジンストール発生の可能性が高いと判断された時点(時刻t2)で、先ず、フューエルカットの部分復帰制御が実行される。そしてその後、エンジンストール発生の可能性が低くなっていくことに伴い、エンジン1の回転数が、第1復帰回転数Ne1よりも低い第2復帰回転数Ne2まで低下した時点、すなわち上記の時刻t1よりも後の時刻t3で、フューエルカットの完全復帰制御が開始される。
また、減速度が小さい場合、すなわちフューエルカット実行時のエンジンストール発生の可能性が低いと判断された場合は、エンジン1の回転数が、第2復帰回転数Ne2まで低下した時点で、初めてフューエルカットの完全復帰制御が開始される。そのため、フューエルカットが開始された時点から時刻t3までの間、フューエルカットが実行されている。
なお、上記のように、フューエルカット実行中は、フューエルカットの完全復帰が開始されるまでの間、トルクコンバータ2のロックアップクラッチ2aは係合状態に制御されている。フューエルカットの実行中は、エンジン1と駆動輪7との間で動力を伝達して、エンジン1の回転抵抗等により制動力を発生させ、フューエルカットを完全復帰させる際には、エンジン1と駆動輪7との間での動力伝達を遮断して、エンジンストールを回避するためである。
このように、上記の図3のフローチャートで示すこの発明による制御では、フューエルカット実行時のエンジンストール発生の可能性について判断し、エンジンストールが発生する可能性が高いと判断された場合に、例えば前述の制御例のように、第1復帰回転数Ne1を閾値としてフューエルカットを完全に終了させる制御と比較して、フューエルカットによる燃費低減効果を、より一層、長い期間にわたり発揮させることができる。
なお、上記の図2および図3のフローチャートで示す制御例で、ステップS1およびステップS2におけるフューエルカット実行時のエンジンストール発生の可能性についての判断は、例えば図5のフローチャートでステップS1’として示すように、フューエルカット実行時に、車輪がロックするような急制動が行われたか否かを検知することにより、エンジンストール発生の可能性について判断することも可能である。
ここで、上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、上述したステップS1,S2,S1’の機能的手段が、この発明の減速状態判断手段に相当し、ステップS3,S5,S6の機能的手段が、この発明のフューエルカット部分復帰手段に相当する。
この発明の制御装置を適用可能な車両の駆動系統および制御系統を模式的に示す概念図である。 この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートである。 この発明の制御装置による他の制御例を説明するためのフローチャートである。 図3のフローチャートに示すこの発明の制御を実行した場合のタイムチャートである。 この発明の制御装置による更に他の制御例を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1…エンジン(内燃機関)、 1a,1b,1c,1d,1e,1f…気筒、 2…トルクコンバータ、 2a…ロックアップクラッチ、 3…自動変速機、 7…駆動輪、 8…電子制御装置(ECU)、 9…エンジン回転数センサ、 10…車輪速センサ、 11…加速度センサ、 Ve…車両。

Claims (5)

  1. 複数の気筒を有しかつそれら各気筒に対する燃料供給量を個別に制御可能な内燃機関を動力源として搭載するとともに、走行中に該内燃機関に対する燃料供給を休止するフューエルカットを実行可能な車両の制御装置において、
    前記フューエルカットの実行時に、前記車両の減速走行状態に基づいて、前記内燃機関の自律回転が停止するエンジンストールが発生する可能性を判断する減速状態判断手段と、
    前記減速状態判断手段により前記エンジンストールが発生する可能性が高いと判断された場合に、前記フューエルカットされていた前記内燃機関の全体に対する燃料供給量を減じた状態で部分的に燃料供給を再開するフューエルカット部分復帰手段と
    を備えていることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記減速状態判断手段は、前記車両の減速度を検出するとともに、その減速度が閾値として予め設定した所定値よりも大きい急制動が行われた場合に、前記エンジンストールが発生する可能性が高いと判断する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記車両が走行している路面の摩擦係数を推定する路面μ推定手段を更に備え、
    前記減速状態判断手段は、前記車両の減速度を検出するとともに、前記路面μ推定手段により前記路面が前記車両にスリップが生じ易い低μ路であると判断され、かつ前記減速度が前記低μ路を走行する際の閾値として予め設定した所定値よりも大きい急制動が行われた場合に、前記エンジンストールが発生する可能性が高いと判断する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  4. 前記フューエルカット部分復帰手段は、一部の前記気筒のみに対して燃料を供給することおよび/または前記燃料供給量を制限することにより、前記フューエルカットされていた前記内燃機関の全体に対する燃料供給量を減じた状態で部分的に燃料供給を再開する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両の制御装置。
  5. 前記フューエルカット部分復帰手段は、前記減速状態判断手段により前記エンジンストールが発生する可能性が高いと判断された場合に、前記内燃機関の回転数がエンジンストールを回避するために予め設定した第1復帰回転数以下となった時点で前記フューエルカットを完全に終了し、前記減速状態判断手段により前記エンジンストールが発生する可能性が低いと判断された場合には、前記内燃機関の回転数がエンジンストールを回避するために予め設定した前記第1復帰回転数よりも低い第2復帰回転数以下となった時点で前記フューエルカットを完全に終了する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両の制御装置。
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