JP4892606B2 - サーモバルブ - Google Patents

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Description

本発明は、サーモバルブに関し、特に、車両用変速機の潤滑・冷却用のオイルの温度を熱交換器によって調節する回路に好適なサーモバルブに関する。
車両用の有段または無段の自動変速システム等においては、変速機の潤滑・冷却用のオイル(フルードともいう)をそのオイルの温度に応じて選択的にオイルクーラに通して冷却するために、そのオイルの流路をオイル温度に応じて切り替えるサーモバルブが用いられている。
この種のサーモバルブとしては、例えば自動変速機の潤滑・冷却用のオイルをヒータコア通過後のエンジン冷却水との熱交換により昇温させることができる第1熱交換器とその自動変速機との間に介装され、第1熱交換器から自動変速機に戻る潤滑・冷却用のオイルの温度が高いときにはそのオイルを空冷式オイルクーラである第2熱交換器に通すように開弁するワックス収納型のものが知られている。
このワックス収納型のサーモバルブでは、第2熱交換器にオイルを流す分岐通路を開閉するバルブを有底筒状のバルブ支持部材に支持させるとともに、そのバルブ支持部材をピストン状の支持軸に可動状態で支持させ、そのバルブ支持部材の内部に収納されたワックスの温度変化に伴う膨張・収縮とバルブを閉弁側に付勢するばねの付勢力とによってバルブを開閉させるようになっている。また、車両製造段階の低温状態では高温時に開放される第2熱交換器側の回路へのオイルの充填が容易でないという問題を解消すべく、バルブ支持部材をばねの付勢力に抗してバルブ開放側に移動させた強制開弁状態で、支持軸を係止ピンによってバルブハウジング(あるいはケース)に係止しておき、第2熱交換器側の回路へのオイルの充填が完了した後に係止ピンを取り外すことによって、支持軸およびバルブ支持部材を本来の位置に復帰させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−333068号公報
しかしながら、上述のような従来のサーモバルブにあっては、第2熱交換器側の回路へのオイルの充填が完了した後に、支持軸のバルブハウジングへの係止状態を解除するよう係止ピンをバルブハウジングから取り外すピン抜き作業が必要であり、余計な作業工数が発生するという問題があった。
さらに、係止ピンの取り外し作業を容易にするためには、係止ピンの把持部をバルブハウジングから外部に大きく突出させる必要があった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、余計な作業を行うことなく、高温時にオイル等の流体が流れる回路への流体の充填が容易にかつ確実に実行できるサーモバルブを提供することを目的とする。
本発明に係るサーモバルブは、上記目的達成のため、(1)外部の流路に接続される複数のポートおよび該複数のポートに連通するバルブ作動室が形成されたバルブハウジングと、前記バルブ作動室内の流体の温度が予め設定された低温範囲内にあるときには前記複数のポートのうち特定のポートを閉止する第1動作位置をとり、前記流体の温度が予め設定された高温範囲内にあるときには前記特定のポートを開放する第2動作位置をとるよう、前記バルブ作動室内の流体の温度に応じて変位するとともに、前記バルブ作動室内で前記第1動作位置側への付勢力を受けるバルブ部材と、前記バルブ部材を前記第2動作位置に拘束するバルブ動作制限位置と前記バルブ部材の前記流体の温度に応じた変位を許容するバルブ動作許容位置とに移動するよう前記バルブハウジングに移動可能に装着されるとともに、前記バルブ動作許容位置側に付勢されるバルブ位置制限部材と、を備えたサーモバルブにおいて、前記バルブ位置制限部材と前記バルブハウジングとの間に、温度に応じて変形する感温変形部材が介装され、前記感温変形部材が、前記バルブハウジング内の前記流体の温度が最初に前記高温範囲内に達するまでの初期段階では前記バルブ位置制限部材を前記バルブ動作制限位置に拘束し、前記流体の温度が最初に前記高温範囲内に達したときに前記拘束を解除する形状に変形することを特徴とする。
この構成により、バルブ作動室に流体が導入されるまでの初期段階のサーモバルブでは、感温変形部材によってバルブ位置制限部材がバルブ動作制限位置に拘束されることで、バルブ部材が特定のポートを開放する第2動作位置に拘束され、バルブ作動室内の流体の温度に関係なく特定のポートが開放される。したがって、サーモバルブが実装されるとき、高温範囲で流体が流れる回路への流体の充填が、その高温範囲に達しない作業温度環境下であっても容易に実行できることになる。そして、その充填後に、バルブ作動室内の流体の温度が高温範囲内に達すると、感温変形部材がバルブ位置制限部材から離脱してバルブ位置制限部材の拘束が解除され、第1動作位置側への付勢力を受けるバルブ部材が閉弁方向に復帰するとともに、そのバルブ部材の変位を許容するようバルブ位置制限部材がバルブ動作許容位置側に復帰する。このとき、バルブ作動室内の流体の温度の変化に応じて、バルブ位置制限部材のバルブ動作制限位置への拘束が解除されることから、拘束解除のための余計な操作は一切不要であるとともに、何らかの操作部材をバルブハウジングの外方側に突出させる必要もない。
上記(1)の構成を有するサーモバルブは、好ましくは、(2)前記感温変形部材が、前記バルブハウジングの内部に収納され、前記バルブハウジングの内部の温度に応じて変形するのがよい。この構成により、感温変形部材をバルブ作動室内の流体の温度の変化に感度良く反応させることができる。
あるいは、上記(1)の構成を有するサーモバルブは、(3)前記感温変形部材が、前記バルブハウジングの外部に装着され、前記バルブハウジングおよび前記バルブ位置制限部材のうち少なくとも一方の温度に応じて変形するものであってもよい。この構成により、バルブ作動室内の流体に接するバルブハウジングおよびバルブ位置制限部材のうち少なくとも一方がその流体の温度に追従して温度変化し、そこからの伝熱により感温変形部材がその流体の温度に感応して変形する。この場合、感温変形部材はバルブハウジングの外部から目視できるので、感温変形部材がバルブ位置制限部材のバルブ動作制限位置への拘束状態か否かが、目視判別可能となる。
上記(1)〜(3)の構成を有するサーモバルブにおいては、(4)前記バルブ位置制限部材が、前記バルブハウジングに軸方向移動可能に支持された可動軸で構成されることが望ましい。この構成により、感温変形部材を可動軸の段付部、環状の凹凸部、端面等の部位に係合させるだけの簡単な構成で、バルブ作動室内の流体の温度が高温範囲内に達するまでは可動軸が確実にバルブ動作制限位置に拘束される。
上記(4)の構成を有するサーモバルブにおいては、(5)前記感温変形部材が、前記拘束を解除する形状に変形するとき、前記可動軸を前記バルブ動作制限位置に拘束するよう前記可動軸に係合する初期姿勢から前記可動軸の径方向に変形するのが好ましい。この構成により、感温変形部材をバルブ作動室内の流体の温度に応じて可動軸の径方向に変形させるだけの簡素な構成としながら、この感温変形部材を可動軸の段付部や環状の凹凸部、端面等の部位に係合および離脱させ、バルブ位置制限部材のバルブ動作制限位置への拘束を確実に行うとともに、その拘束を確実に解除させることができる。
上記(5)の構成を有するサーモバルブにおいては、(6)前記感温変形部材が、前記可動軸の一部を取り囲むとともに、前記流体の温度が前記高温範囲内に達したときには前記可動軸の一部から離脱するように拡径するバイメタルリングで構成されているのが好ましい。この場合、バイメタルリングからなる感温変形部材をバルブ作動室内の流体の温度に応じて拡径可能にし、可動軸の段付部や環状の凹凸部等の部位に係合させるだけの簡単な構成で、バルブ作動室内の流体の温度が高温範囲内に達するまでは可動軸が確実にバルブ動作制限位置に拘束される。また、その流体の温度が高温範囲内に達すると、バイメタルリングからなる感温変形部材がバルブ位置制限部材から離脱して、バルブ位置制限部材の拘束が確実に解除される。なお、感温変形部材は、バイメタルで構成されず、形状記憶合金等からなるものであってもよいし、リングでなく温度変化に応じて部分的に可動軸に接近もしくは離間する弧状、棒状、板状、非円形環状等のような任意の形状とすることができる。
上記(5)の構成を有するサーモバルブにおいては、また、(7)前記感温変形部材が、前記バルブハウジングに固定された固定部と、前記固定部に連結され前記拘束を解除する形状に変形する変形部と、を有することが好ましい。この構成により、バルブハウジングから感温変形部材に効率良く熱が伝わり、感温変形部材の確実な動作が得られる。
上記(7)の構成を有するサーモバルブにおいては、(8)前記感温変形部材は、前記変形部が前記固定部から前記可動軸の径方向に延在するバイメタルプレートで構成されているものであってもよい。この場合、感温変形部材の変形部を大きく変形させることができ、感温変形部材を可動軸の端面に当接させるような配置が容易に可能となる。
上記(1)〜(8)の構成を有するサーモバルブにおいては、(9)前記複数のポートが、前記特定のポートとは別に、前記バルブハウジングの内部に前記流体を導入する第1入口ポートと、前記バルブハウジングの内部から前記流体を排出する第1出口ポートと、前記第1入口ポートに連通する第2出口ポートと、前記第2出口ポートから流出した流体を導入する第2入口ポートと、を含み、前記バルブ部材が前記第1動作位置にあるとき、前記バルブハウジング内に前記第1入口ポートと前記第1出口ポートとを連通させる第1流路が形成され、前記バルブ部材が前記第2動作位置にあるとき、前記バルブハウジング内に前記特定のポートを介して前記第2入口ポートと前記第1出口ポートとを連通させる第2流路が形成されるのが好ましい。
この構成により、バルブ作動室に導入される流体の温度に応じて、第1流路と第2流路との確実な切替えが可能になる。
上記(9)のいずれかの構成を有するサーモバルブにおいては、(10)前記複数のポートが、前記第1流路の一部を構成する連通ポートを含むとともに、前記バルブ部材が、前記連通ポートを開閉する第1弁体部および前記特定のポートを開閉する第2弁体部を有し、前記第1弁体部が、前記第1動作位置では前記連通ポートを開放し前記第1流路を介して前記第1入口ポートおよび前記第1出口ポートを連通させる一方、前記第2動作位置では前記連通ポートを閉止して前記第1流路を介した前記第1入口ポートおよび前記第1出口ポートの連通を遮断し、前記第2弁体部が、前記第1動作位置では前記特定のポートを閉止して前記第2入口ポートと前記第1出口ポートとの連通を遮断する一方、前記第2動作位置では前記特定のポートを開放して前記第2入口ポートと前記第1出口ポートとを連通させるのが好ましい。
この構成により、バルブ部材の第1動作位置では、連通ポートが開放されるとともに特定のポートが閉止され、バルブ部材の第2動作位置では、連通ポートが閉止されるとともに特定のポートが開放されることになり、バルブ部材を直動させる簡素な構成で、バルブ作動室内の流体の温度に応じた第1流路と第2流路との円滑な切替えが可能になる。
上記(10)の構成を有するサーモバルブにおいては、(11)前記バルブ部材が、前記バルブ位置制限部材に軸方向に摺動可能に嵌合した摺動筒部と、該摺動筒部に一体に結合して前記バルブ位置制限部材により閉蓋される容積可変の室を形成する胴部と、を有し、前記第1弁体部が、前記胴部に前記可動軸の軸方向に変位可能に支持され、前記第1弁体部と前記バルブ部材との間には、前記第1弁体部に前記連通ポートの閉止方向への付勢力を加える第1の弾性部材が介装されているのが好ましい。
この構成により、バルブ位置制限部材がバルブ動作制限位置に拘束される状態で、胴部内の室の容積が変化しても、第1弁体部による連通ポートの閉止状態が良好に維持されることになる。なお、容積可変の室には、バルブ作動室内の流体の温度に応じて膨張および収縮するワックスが充填されているのがよい。その場合、バルブ作動室内の流体の温度が上昇すると、胴部内のワックスが溶けながら膨張し、バルブ部材が可動軸に対して胴部を変位させることにより、特定のポートがバルブ部材により開放されることになる。したがって、バルブ作動室内の流体の温度が上昇すると、特定のポートが開放されることで、高温の流体を使用したり温度調節したりする他の回路(例えば冷却回路)に通すことができることになる。
上記(10)、(11)の構成を有するサーモバルブにおいては、(12)前記第2弁体部と前記バルブハウジングの間には、前記第2弁体部に前記特定のポートの閉止方向への付勢力を加える第2の弾性部材が介装されているのが好ましい。
この構成により、感温変形部材がバルブ位置制限部材から離脱してバルブ位置制限部材の拘束が解除されたときに、第2の弾性部材からの付勢力をバルブ部材を介して受けるバルブ位置制限部材が、バルブ動作許容位置側に即座に復帰することになる。
上記(1)〜(12)の構成を有するサーモバルブにおいては、(13)前記流体の温度が最初に前記高温範囲内に達し、前記感温変形部材が前記バルブ位置制限部材と前記バルブハウジングとの間で前記拘束を解除する形状に変形するとき、前記感温変形部材が、前記バルブ位置制限部材と前記バルブハウジングとのうちいずれか一方の特定位置に保持されるのがよい。
この構成により、感温変形部材がバルブ位置制限部材の拘束を解除するよう変形するときに、その感温変形部材の位置をバルブ位置制限部材かバルブハウジングの特定位置に確実に位置させ、バルブ位置制限部材の拘束解除動作を確実に実行させることができる。
本発明によれば、バルブ作動室に流体が導入されるまでの初期段階等に、感温変形部材によってバルブ位置制限部材をバルブ動作制限位置に拘束し、バルブ作動室内の流体の温度に関係なく特定のポートが開放されるようにして、高温時にオイル等の流体が流れる回路への流体の充填が低温の作業環境下で確実に実行されるようにするとともに、その充填後にバルブ作動室内の流体の温度が高温範囲内に達したとき、感温変形部材がバルブ位置制限部材から離脱してバルブ位置制限部材の拘束が解除され、何らの解除操作なしでバルブ部材が閉弁方向に復帰するようにしているので、流体充填後にバルブ位置制限部材の拘束解除のために余計な操作を行ったりその操作のためにバルブハウジングの外方側に手動操作部材を大きく突出させたりする必要を無くすことができる。その結果、余計な作業を行うことなく、高温時に流体が流れる回路への流体の充填が容易にかつ確実に実行できるサーモバルブを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るサーモバルブを装備する車両駆動システムの初期段階の要部ブロック構成図で、サーモバルブのみ断面図で示している。 本発明の一実施形態に係るサーモバルブを装備する車両駆動システムの初期段階経過後のオイル低温時の要部ブロック構成図で、サーモバルブのみ断面図で示している。 本発明の一実施形態に係るサーモバルブを装備する車両駆動システムの初期段階経過後のオイル高温時の要部ブロック構成図で、サーモバルブのみ断面図で示している。 (a)は本発明の一実施形態に係るサーモバルブのバイメタルリングの平面図、(b)はその初期段階のバイメタルリングが装着された作動位置制限部材の断面図、(c)は高温範囲に達するオイル温度上昇を経た後のバイメタルリングの装着状態を示す作動位置制限部材の断面図である。 本発明の一実施形態に係る車両駆動システムの概略構成図である。 本発明の他の実施形態に係るサーモバルブを装備する車両駆動システムの初期段階の要部ブロック構成図で、サーモバルブのみ断面図で示している。 本発明の他の実施形態に係るサーモバルブを装備する車両駆動システムの初期段階経過後のオイル低温時の要部ブロック構成図で、サーモバルブのみ断面図で示している。 本発明の他の実施形態に係るサーモバルブの感温変形部材の装着姿勢を示すそのサーモバルブの上面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(一実施形態)
図1〜図5は、本発明の一実施形態に係るサーモバルブとそれを装備する車両駆動システムを示している。なお、本実施形態のサーモバルブは、車両用自動変速機の油圧回路の一部でその油圧回路内を流れるオイル(流体;例えばATF(Automatic Transmission Fluid))と外部との熱交換を行うことで、オイルの温度を予め設定された温度範囲内に調節するようになっている。
まず、その構成について説明する。
図1〜図3および図5に示すように、本実施形態における車両駆動システム10は、例えば内燃機関からなるエンジン11(図5参照)と、このエンジン11からの動力を図示しない駆動車輪(走行出力部)側に伝達する変速可能な動力伝達装置としての自動変速機12と、を備えている。なお、ここにいう自動変速機12は、有段または無段のいずれであってもよく、電動機を内蔵するハイブリッド構成のものであってもよい。また、本発明のサーモバルブは、自動変速機12以外の変速機(手動変速機でもよい)に、または潤滑や冷却にオイルを用いる他の装置のオイル冷却回路中にも好適に用いることができる。
車両駆動システム10を搭載した自動車(図示していない)には、エンジン11の冷却水を車両前方側からの空気によって空冷するラジエータ13と、エンジン11の冷却水と自動車の車室内空間に導入される空気との間で熱交換を行うことにより車室内空間を暖房することができるヒータコア14と、このヒータコア14を通過した冷却水をエンジン11側に戻す配管(図5中のH3〜H5)の途中に設けられ、ヒータコア14を通過した冷却水と自動変速機12の潤滑・冷却用のオイル(流体)との間で熱交換を行う第1熱交換器15と、自動変速機12と第1熱交換器15の間にオイル通路16a、16bを形成するとともに自動変速機12のケース(詳細図示せず)に第1熱交換器15を固定する固定部材17と、第1熱交換器15から自動変速機12に戻るオイルを例えば車両前方側からの空気によって空冷するオイルクーラとしての第2熱交換器18とが、それぞれ搭載されている。
図5に示すように、エンジン11には、ウォーターポンプ11pが内蔵されている。このウォーターポンプ11pは、エンジン11内からアッパーホースH1を通してラジエータ13に高温の冷却水を流入させるとともに、ラジエータ13で熱交換により冷却された冷却水をロワホースH2を通してエンジン11側に供給させ、あるいは更に、配管H3、H4、H5を介し、エンジン11から車室側ヒーター用熱交換器であるヒータコア14および第1熱交換器15内を通して、冷却水を循環させるようになっている。ウォーターポンプ11pの吸入側にはサーモスタット19が配置されており、冷却水温度が設定温度以下のときにはラジエータ13をバイパスしてアッパーホースH1側からとロワホースH2に冷却水が流れ、冷却水温度が設定温度に達すると、その温度に応じて開閉することによりラジエータ13を通る冷却液の流量が調節されるようになっている。なお、ウォーターポンプ11pは、例えばエンジン11の動力により回転する機械式ポンプであるが、例えば自動変速機12がハイブリッド構成である場合には、エンジン11の停止中に冷却水(例えば暖房に要する水温以上の冷却水)を循環させる電動ポンプを併設したものであってもよい。
自動変速機12と第1熱交換器15の間には、第1熱交換器15から自動変速機12への戻り側のオイル通路16bの途中に第2熱交換器18を選択的に挿入することができるように、一対のオイル配管18a、18bとオイル温度の調節バルブであるサーモバルブ20とが介装されている。
図2、図3に示すように、サーモバルブ20は、固定部材17に収納・保持され、オイル通路16bを通るオイルの温度に応じてオイル通路16bの途中に第1流路PW1または第2流路PW2のいずれか一方(任意の片方)を選択的に形成するようになっている。また、オイル配管18a、18bの内部には、それぞれ第2流路PW2の一部を形成するオイル導入通路部18c1およびオイル排出通路部18c2が形成されている。なお、サーモバルブ20は、第1熱交換器15から自動変速機12への戻り側であれば、その設置位置が固定部材17の内部である必要はなく、図5中に示す位置より第2熱交換器18側に設けられてもよい。
第1熱交換器15からオイル通路16bに導入される(オイル通路16bを通る)オイルの温度が予め設定された低温範囲内の温度であるときには、図2に示すように、サーモバルブ20の内部に第1流路PW1が形成されることで、戻り側のオイル通路16bは、第1熱交換器15からサーモバルブ20へのオイル導入通路部16b1と、サーモバルブ20から自動変速機12へのオイル排出通路部16b2と、サーモバルブ20の内部に選択的に形成される第1流路PW1とによって構成されるようになっている。
また、オイル通路16bを通るオイルの温度が前記低温範囲の上限温度より高い温度を含むように設定された高温範囲内の温度であるときには、図3に示すように、オイル通路16a、16bの間に第2流路PW2が形成され、戻り側のオイル通路16bは、第1熱交換器15からサーモバルブ20へのオイル導入通路部16b1と、サーモバルブ20から自動変速機12へのオイル排出通路部16b2と、一対のオイル配管18a、18bおよびサーモバルブ20によって形成される第2流路PW2とによって構成されるようになっている。なお、ここにいう低温範囲と高温範囲は、車両によって最適な範囲に設定されるもので、部分的に重なるように同一の温度を含むものであってもよいし、互いに重なることがないように、高温範囲の下限温度が低温範囲の上限温度より高い温度であってもよい。
図1〜図3に示すように、サーモバルブ20は、バルブハウジング21を備えており、このバルブハウジング21には、複数の外部接続ポート21a、21b、21c、21dと、一対のバルブポート22a、22bと、これら複数の外部接続ポート21a〜21dおよびバルブポート22a、22b(以下、これら全部のポートを指して複数のポート21a〜21dおよび22a、22bともいう)に連通する略円柱状のバルブ作動室23とが形成されている。ここで、複数の外部接続ポート21a、21b、21c、21dは、第1入口ポート、第1出口ポート、第2入口ポートおよび第2出口ポートとして機能し、それぞれに対応する外部の流路であるオイル導入通路部16b1、オイル排出通路部16b2、オイル導入通路部18c1およびオイル排出通路部18c2に接続されている。
また、バルブハウジング21は、一端側(図1〜図3中で上端側)が開口するように凹状をなす第1ハウジング部材24と、この第1ハウジング部材24の一端側を液体密(液密的あるいは気密的)に閉塞するよう第1ハウジング部材24にねじ結合したプラグ状の第2ハウジング部材25とによって構成されており、第1ハウジング部材24には、オイル導入通路部16b1とオイル排出通路部18c2を連通させる連通路24aが形成されている。この連通路24aは、一対のバルブポート22a、22bのうち一方のバルブポート22a(連通ポート)を介してバルブ作動室23に連通し、オイル導入通路部16b1およびオイル排出通路部18c2をバルブ作動室23に連通させるようになっている。
第2ハウジング部材25は、第1ハウジング部材24に例えばねじ結合により固定(ねじ結合以外の固定方法でもよい)されたねじ結合部25aと、その一方側で第1ハウジング部材24から外方に突出するフランジ付の肉厚円筒部25bと、ねじ結合部25aの他方側で第1ハウジング部材24内に嵌入され、第1ハウジング部材24との間にオイル導入通路部18c1に連通する環状通路26を形成するバルブシート部25cと、によって構成されている。そして、そのバルブシート部25cには、環状通路26をバルブ作動室23に連通させる他方のバルブポート22bと、このバルブポート22bを環状通路26に連通させる複数の放射方向の連通孔25eとが、それぞれ形成されている。また、第2ハウジング部材25のねじ結合部25aの内方側には一定深さの内周環状溝25gが形成されている。第2ハウジング部材25は、詳細は図示しないが、内周環状溝25gを形成する複数の部品からなり、内周環状溝25gに後述するバイメタルリング51を挟んだ後に互いに結合(圧入、ねじ結合、溶接等)される等して内周環状溝25gを形成するように構成されてもよい。
第2ハウジング部材25の肉厚円筒部25bの中心部には、センターガイド軸27が挿入されており、センターガイド軸27は、バルブハウジング21に軸方向移動可能に支持された可動軸となっている。このセンターガイド軸27は、第2ハウジング部材25の肉厚円筒部25bに挿入された大径の摺動軸部27aと、この摺動軸部27aからバルブ作動室23内に向かって突出する小径の円柱状のガイド軸部27bと、摺動軸部27aと一体に形成され、第2ハウジング部材25の肉厚円筒部25bに対し軸方向一方側に突き当たることで摺動軸部27aの外方側への抜け止め作用をなすストッパ部27cと、によって構成されている。
摺動軸部27aには、複数のシールリング28が装着されており、第2ハウジング部材25と摺動軸部27aとの間の環状の隙間がこれら複数のシールリング28により液体密にシールされている。また、ガイド軸部27bは、摺動軸部27aに部分的に例えば圧入されるか他の固定方法で挿入されて摺動軸部27aに一体化されており、ガイド軸部27bの外周面は高硬度の円滑な摺動面に仕上げ加工されている。さらに、摺動軸部27aには、シールリング28よりガイド軸部27bに近接する外周環状溝27e(図2参照)が形成されている。
一方、サーモバルブ20のバルブ作動室23内には、図1〜図3に示すようなバルブ部材31と、フランジ付の略円筒状の外側ガイド部材32と、例えば略円錐形に傾斜した円錐コイルばね33とが設けられている。
バルブ部材31は、連通ポートである一方のバルブポート22aを開閉する第1弁体部41と、特定のポートである他方のバルブポート22bを開閉する第2弁体部42と、を有している。
第1弁体部41は、図2に示す第1動作位置AP1では、一方のバルブポート22aを開放し第1流路PW1を介してオイル導入通路部16b1およびオイル排出通路部16b2を連通させ、一方、図1および図3に示す第2動作位置AP2では、一方のバルブポート22aを閉止して第1流路PW1を介したオイル導入通路部16b1およびオイル排出通路部16b2の連通を遮断することができる。また、第2弁体部42は、図2に示す第1動作位置BP1では他方のバルブポート22bを閉止してオイル導入通路部18c1とオイル排出通路部16b2との連通を遮断する一方、図1および図3に示す第2動作位置BP2では他方のバルブポート22bを開放してオイル導入通路部18c1とオイル排出通路部16b2とを連通させることができるようになっている。
外側ガイド部材32は、バルブ作動室23を形成する第1ハウジング部材24の内壁の段差部分24dに支持されるフランジ部32fと、このフランジ部32fと一体に形成されるとともにバルブ部材31を軸方向に摺動可能に案内する略円筒状のガイド部32gとを有しており、フランジ部32fには、第1流路PW1の一部を形成する複数の連通孔32hが形成されている。
また、バルブ部材31は、センターガイド軸27のガイド軸部27bに摺動可能に嵌合するとともに第2弁体部42が固定された摺動筒部43と、この摺動筒部43に一体に結合し摺動筒部43と共にセンターガイド軸27のガイド軸部27bによって閉蓋されるワックス収納室44を形成する胴部45と、この胴部45の内底壁部から摺動筒部43とは反対側に突出して第1弁体部41をセンターガイド軸27の軸方向に変位可能に支持するバルブガイド軸部46と、を有している。そして、略円板状の第1弁体部41が、その中心部でバルブガイド軸部46を介して胴部45に対し軸方向に変位可能に支持されている。この第1弁体部41と胴部45の間には、圧縮コイルばね47が介装されている。この圧縮コイルばね47は、第1弁体部41とバルブ部材31との間で、第1弁体部41に一方のバルブポート22aの閉止方向への付勢力を加える第1の弾性部材となっている。
一方、円錐コイルばね33は、第2弁体部42とバルブハウジング21の間に介装され、第2弁体部42に他方のバルブポート22bの閉止方向への付勢力を加える第2の弾性部材となっている。ここで、第2弁体部42は、例えば摺動筒部43に一体に固着され、胴部45および摺動筒部43と一体に変位するようになっており、この第2弁体部42に加えられる円錐コイルばね33からの付勢力は、第2弁体部42、摺動筒部43および胴部45を全体に対して他方のバルブポート22bの閉止方向への付勢力を加えるようになっている。
また、バルブ部材31の胴部45および摺動筒部43の内方に形成されるワックス収納室44には、バルブ作動室23内のオイルの温度に応じて膨張および収縮する充填材料、例えば特許文献1に記載のものと同様なワックスが充填されており、バルブ部材31内のワックス収納室44は、内部のワックスが膨張するときにはその容積を増加させ、内部のワックスが収縮するときにはその容積を減少させる容積可変の室となっている。
具体的には、バルブ部材31は、その摺動筒部43をセンターガイド軸27のガイド軸部27bに摺動可能に嵌合させているので、内部のワックスが膨張するときにはその膨張に伴い、円錐コイルばね33から第2弁体部42に加えられる閉弁方向の付勢力に抗して第2弁体部42を第2ハウジング部材25のバルブシート部25cから離間させる方向に移動し、図3に示すように他方のバルブポート22bを開放させることができる。また、バルブ部材31は、内部のワックスが収縮するときには、その収縮に伴い、円錐コイルばね33から第2弁体部42に加えられる閉弁方向の付勢力に応じ、第2弁体部42を第2ハウジング部材25のバルブシート部25cに接近させる方向に移動し、図2に示すように他方のバルブポート22bを閉止させることができるようになっている。
このように、バルブ部材31は、バルブ作動室23内のオイルの温度が予め設定された低温範囲内にあるときには、複数のポート21a〜21dおよび22a、22bのうち特定のポートである他方のバルブポート22bを閉止する第1動作位置BP1(図2参照)をとり、バルブ作動室23内のオイルの温度が予め設定された高温範囲内にあるときには、バルブポート22bを開放する第2動作位置BP2(図3参照)をとるよう、バルブ作動室23内のオイルの温度に応じて変位するとともに、バルブ作動室23内で円錐コイルばね33からの第1動作位置BP1側への付勢力を受けている。
このバルブ部材31は、第2弁体部42で円錐コイルばね33からの第1動作位置BP1側への付勢力を受けるので、その内部のワックスを加圧するとともにワックスを介してセンターガイド軸27側からの反力を受けることになる。
これに対し、バルブハウジング21に軸方向に移動可能に装着されたセンターガイド軸27は、バルブ部材31を図1に示すように第2動作位置BP2に拘束するバルブ動作制限位置GP1と、バルブ部材31のオイルの温度に応じた変位を許容するバルブ動作許容位置GP2(図2、図3参照)とに移動させることができるようになっており、サーモバルブ20の通常使用状態において、センターガイド軸27は、円錐コイルばね33からの第1動作位置BP1側への付勢力をワックスを介して受けることにより、バルブ動作許容位置GP2側に付勢されている。
このセンターガイド軸27は、サーモバルブ20の初期段階、すなわち、サーモバルブ20の組立て完了時からサーモバルブ20が自動変速機12の油圧回路の一部として配管接続され、バルブ作動室23内にオイルが充填されるまでの段階においては、図1に示すように、バイメタルリング51によってバルブ動作制限位置GP1に係止される。すなわち、センターガイド軸27とバルブハウジング21との間にはバイメタルリング51が設けられており、初期段階のサーモバルブ20においては、センターガイド軸27は、第2ハウジング部材25の内周環状溝25gに収納されたバイメタルリング51を外周環状溝27eに係合させた状態で、バイメタルリング51を介してバルブハウジング21に対しバルブ動作制限位置GP1に係止されるようになっている。
このバイメタルリング51は、バルブハウジング21内のオイルの温度(シールリング28より軸方向内方側の温度)およびそれに近い温度となる第2ハウジング部材25の内部の温度に応じて変形する略C字形状の感温変形部材であり、図4(a)に示すように、熱膨張率(線膨張係数)の異なる2種類のC字形状の金属部材51a、51bを内外に配置して接合させたものである。ここで、C字形状の金属部材51a、51bのうち内側の金属部材51aは、外側の金属部材51bより線膨張係数が大きくなっており、その周囲の温度が予め設定された低温範囲内にあるときには、図4(b)に示すように、バイメタルリング51の内径drは摺動軸部27aの外周環状溝27eの内底面側の直径d1に近くなり、その周囲の温度が予め設定された高温範囲内にあるときには、図4(c)に示すように、バイメタルリング51の内径drは、摺動軸部27aの外径d2を超えるようになっている。なお、バイメタル自体の原理や製法などについては公知であり、ここでは詳述しない。
バイメタルリング51は、バルブハウジング21内のオイルの温度が最初に高温範囲内に達するまでのサーモバルブ20の初期段階では、図4(b)に示す状態でセンターガイド軸27をバルブ動作制限位置GP1に拘束し、オイルの温度が最初に高温範囲内に達したときにその拘束を解除する図4(c)のような拡径形状に変形することができる。さらに、オイルの温度が最初に高温範囲内に達したとき、図4(c)に示すように、拡径形状に変形したバイメタルリング51の外周部が内周環状溝25gの底部に当接することで、バイメタルリング51がバルブハウジング21およびセンターガイド軸27に対してセンタリングされるようになっている。すなわち、バイメタルリング51は、センターガイド軸27の摺動軸部27aの一部を取り囲み、初期段階のサーモバルブ20においては摺動軸部27aの外周環状溝27eに係合しているが、バルブ作動室23内のオイルの温度が最初に高温範囲内に達したときにはその摺動軸部27aの一部から離脱するように拡径するようになっており、それに加えて、オイルの温度が最初に高温範囲内に達し、バイメタルリング51がセンターガイド軸27とバルブハウジング21との間でセンターガイド軸27のバルブ動作制限位置GP1への拘束を解除する形状に変形するとき、そのバイメタルリング51が、センターガイド軸27とバルブハウジング21とのうちいずれか一方に係合して、センターガイド軸27に対し拘束解除に最適な径方向の特定位置に保持されるようになっている。
次に、その作用について説明する。
上述のように構成された本実施形態のサーモバルブ20では、図1に示すように、バルブ作動室23にオイルが導入されるまでの初期段階(サーモバルブ20の組立て完了後、部品として車両組立て工場に納入される段階、車両駆動システム10への実装段階およびバルブ作動室23内へのオイル導入段階を含む)においては、バイメタルリング51によってセンターガイド軸27がバルブ動作制限位置GP1に拘束されることで、バルブ部材31が第2動作位置BP2に拘束される。したがって、バルブ作動室23内のオイルの温度に関係なく特定のポートである他方のバルブポート22bが開放された状態となっている。
サーモバルブ20は、このバルブ動作制限状態で、例えば車両組立て工場で車両駆動システム10に実装される。この実装のための組立て直後には、オイルは、第1熱交換器15、サーモバルブ20、第2熱交換器18およびクーラチューブであるオイル配管18a、18bのいずれにも充填されていない。
サーモバルブ20の実装後、バルブ作動室23内にオイルが充填されるのは、自動変速機12が運転される前または運転直後であり、バルブ作動室23内のオイルの温度は予め設定された高温範囲に達しない低温の状態にあるが、このとき、バルブ作動室23内のオイルの温度に関係なく特定のポートである他方のバルブポート22bが開放された状態となっている。
したがって、通常のバルブ動作ならばバルブ作動室23内のオイルの温度が高温範囲に達したときにオイルが流れる第2熱交換器18側の回路に、その高温範囲に達しない低温作業環境下で、オイルを確実に充填することができる。
サーモバルブ20の車両駆動システム10への実装が完了し、バルブ作動室23内のオイルの温度が最初に高温範囲内に達するときには、バルブ部材31の内部のワックスが膨張するのに伴いバルブ部材31が円錐コイルばね33を圧縮するのに先立って、バイメタルリング51が拡径するとともにその外周部でセンターガイド軸27に対して径方向の特定位置にセンタリングされる。したがって、バイメタルリング51がセンターガイド軸27の外周環状溝27eから離脱してセンターガイド軸27の拘束が解除され、第1動作位置BP1側への付勢力を受けるバルブ部材31が他方のバルブポート22bを閉止する閉弁方向に復帰するのと同時に、そのバルブ部材31の変位を許容するようセンターガイド軸27がバルブ動作許容位置GP2側に復帰する。
このとき、バルブ作動室23内のオイルの温度変化のみに応じて、センターガイド軸27のバルブ動作制限位置GP1への拘束が解除されることから、バルブ動作制限状態の拘束を解除するための余計な操作が一切不要である。しかも、解除操作を手動で行うためにバイメタルリング51をバルブハウジング21の外方側に突出させるような必要もない。したがって、余計な作業を行うことなく、高温範囲でオイルが通る第2熱交換器18側の回路へのオイルの充填がその高温範囲に達しない作業温度環境下であっても容易にかつ確実に実行できることになる。
ここで、仮に、従前のように、サーモバルブ20のバルブ動作のみによってバルブ作動室23内のオイルの温度が高温範囲に達したときに第2熱交換器18側の回路にオイルが充填されるとすると、オイルの温度が低温範囲内であるときには、第1熱交換器15にオイルが充填されても、暖機性や燃費向上のためには第2熱交換器18およびオイル配管18a、18bに連通する他方のバルブポート22bが閉止されたままで、第2熱交換器18側の回路にオイルが充填されず、オイル温度が低温範囲内にある段階でオイル漏れチェック等を実行することができない。また、車両組立て完了直後の性能試験等において、バルブ作動室23内のオイルの温度が高温範囲内に達しない間は、すべての性能試験を完了させることができず、また充填時間にばらつきが生じるため、その作業性が悪くなる。
これに対し、本実施形態では、感温変形部材であるバイメタルリング51をバルブ作動室23内のオイルの温度に応じて拡径可能にし、センターガイド軸27の外周環状溝27eに係合させるだけの簡単な構成で、バルブ作動室23内のオイルの温度が高温範囲内に達するまではセンターガイド軸27が確実にバルブ動作制限位置GP1に拘束され、低温時にオイルが流れる回路にオイルが充填されるときに、高温時にオイルが流れる回路へも確実にオイルが充填される。そして、バルブ作動室23内のオイルの温度が高温範囲内に達すると、感温変形部材であるバイメタルリング51がセンターガイド軸27から離脱して、センターガイド軸27の拘束が確実に解除される。
また、本実施形態では、バルブ部材31が第1動作位置BP1にあるとき、バルブハウジング21内に第1入口ポート21aと第1出口ポート21bとを連通させる第1流路PW1が形成され、バルブ部材31が第2動作位置BP2にあるとき、バルブハウジング21内に特定のポートを介して第2入口ポート21cと第1出口ポート21bとを連通させる第2流路PW2が形成されるので、バルブ作動室23に導入されるオイルの温度に応じて、第1流路PW1と第2流路PW2との確実な切替えが可能になる。
しかも、本実施形態では、複数のポート21a〜21dおよび22a、22bが、第1流路PW1の一部を構成する連通ポートとしての一方のバルブポート22aを含むとともに、バルブ部材31が、この一方のバルブポート22aを開閉する第1弁体部41および特定のポートである他方のバルブポート22bを開閉する第2弁体部42を有しており、それに加えて、第1弁体部41が、第1動作位置AP1では一方のバルブポート22aを開放し第1流路PW1を介して第1入口ポート21aおよび第1出口ポート21bを連通させる一方、第2動作位置AP2では一方のバルブポート22aを閉止して第1流路PW1を介した第1入口ポート21aおよび第1出口ポート21bの連通を遮断し、第2弁体部42が、第1動作位置BP1では他方のバルブポート22bを閉止して第2入口ポート21cと第1出口ポート21bとの連通を遮断する一方、第2動作位置BP2では他方のバルブポート22bを開放して第2入口ポート21cと第1出口ポート21bとを連通させるようになっているので、バルブ部材31の第1動作位置BP1では、一方のバルブポート22aが開放されるとともに他方のバルブポート22bが閉止され、バルブ部材31の第2動作位置BP2では、一方のバルブポート22aが閉止されるとともに他方のバルブポート22bが開放されることになり、バルブ部材31を直動させる簡素な構成で、バルブ作動室23内のオイルの温度に応じた第1流路PW1と第2流路PW2との円滑な切替えが実行可能になる。
また、バルブ部材31が、センターガイド軸27に摺動可能に嵌合しもしくは挿入された摺動筒部43と、その摺動筒部43に一体に結合してセンターガイド軸27により閉蓋される容積可変のワックス収納室44を形成する胴部45とを有し、第1弁体部41が、胴部45にセンターガイド軸27の軸方向に変位可能に支持され、第1弁体部41とバルブ部材31との間には、第1弁体部41に一方のバルブポート22aの閉止方向への付勢力を加える圧縮コイルばね47が介装されているので、センターガイド軸27がバルブ動作制限位置GP1に拘束される状態で、胴部45内のワックス収納室44の容積が変化しても、第1弁体部41による一方のバルブポート22aの閉止状態が良好に維持されることになる。
加えて、本実施形態のサーモバルブ20においては、第2弁体部42とバルブハウジング21の間に、第2弁体部42に他方のバルブポート22bの閉止方向への付勢力を加える円錐コイルばね33が介装されているので、バイメタルリング51がセンターガイド軸27から離脱してセンターガイド軸27の拘束が解除されたときに、円錐コイルばね33からの付勢力をバルブ部材31を介して受けるセンターガイド軸27が、バルブ動作許容位置GP2側に即座に復帰することになる。
また、本実施形態のサーモバルブ20では、容積可変のワックス収納室44にバルブ作動室23内のオイルの温度に応じて膨張および収縮するワックスが充填されているので、バルブ作動室23内のオイルの温度が上昇すると、胴部45内のワックスが膨張し、バルブ部材31がセンターガイド軸27に対して胴部45を変位させることにより、他方のバルブポート22bがバルブ部材31により開放されることになる。したがって、バルブ作動室23内のオイルの温度が上昇すると、他方のバルブポート22bが開放されることで、高温のオイルを使用したり温度調節したりする他の回路、例えば冷却回路である第2熱交換器18に通すことができることになる。
また、オイルの温度が最初に高温範囲内に達し、バイメタルリング51がセンターガイド軸27とバルブハウジング21の第2ハウジング部材25の肉厚円筒部25bとの間でセンターガイド軸27のバルブ動作制限位置GP1への拘束を解除する形状に変形するとき、そのバイメタルリング51が、バルブハウジング21の第2ハウジング部材25の肉厚円筒部25bに係合して、センターガイド軸27に対し拘束解除に最適な特定位置に保持されることから、バイメタルリング51がセンターガイド軸27の拘束を解除するよう変形するときに、そのバイメタルリング51の位置を設定位置に確実に位置させ、センターガイド軸27の拘束解除動作を確実に実行させることができる。
このように、本実施形態によれば、バルブ作動室23にオイルが導入されるまでの初期段階には、バイメタルリング51によってセンターガイド軸27がバルブ動作制限位置GP1に拘束され、バルブ作動室23内のオイルの温度に関係なく他方のバルブポート22bが開放されることで、高温時にオイル等の流体が流れる第2熱交換器18側の回路への流体の充填が低温の作業環境下で確実に実行される。しかも、その充填後にバルブ作動室23内のオイルの温度が高温範囲内に達したときには、バイメタルリング51がセンターガイド軸27から離脱してセンターガイド軸27の拘束が解除され、バルブ部材31が閉弁方向に復帰するとともにセンターガイド軸27がバルブ動作許容位置GP2側に復帰するので、センターガイド軸27のバルブ動作制限位置GP1への拘束を解除するために余計な操作を行ったりその操作のためにバルブハウジング21の外方側に何らかの操作部材を突出させたりする必要を無くすことができる。その結果、何ら余計な作業を行うことなく、高温時にオイル等の流体が通る回路への流体の充填が容易にかつ確実に実行できるサーモバルブ20を提供することができる。
なお、上述の一実施形態のサーモバルブ20においては、その初期段階に、バルブハウジング21に収納されたバイメタルリング51がセンターガイド軸27の外周環状溝27eに係合する略C字形状のものとしたが、オイル通路16bを通るオイルの温度が最初に高温範囲に達したときに離脱可能なものであれば、形状は任意であるし、必ずしもバイメタルリングである必要はない。
すなわち、高温範囲の温度に達したときにセンターガイド軸27のバルブ動作制限位置GP1への拘束を解除して、センターガイド軸27のバルブ動作許容位置GP2への復帰を許容し得るものであれば、例えば形状記憶合金からなる係止リングであってもよい。また、リングでなく、温度変化に応じて部分的にセンターガイド軸27に接近もしくは離間する弧状、棒状、板状、非円形環状等のような任意の形状とすることができる。具体的には、例えばそれぞれバイメタル製あるいは形状記憶合金製で、センターガイド軸27の外周環状溝27eに係合するよう互いに逆方向に凸状または凹状をなす一対の円弧状の係止部材としてもよい。
また、感温変形部材は、全体が熱に感応して大きく変形する部材でなく、熱に感応して大きく変形する部材とそのような変形を生じない部材とを結合した複合型の係止部材であってもよい。さらに、センターガイド軸27のバルブ動作制限位置GP1への拘束を解除するときの感温変形部材の変形方向は、上述の実施形態のように拡径方向に限定されるものではなく、縮径側への方向(センターガイド軸27側に没入する方向)でもよい。したがって、センターガイド軸27のようなバルブ位置制限部材の拘束が解除されるとき、感温変形部材はバルブハウジングに係合してその拘束解除に適した特定位置に位置決め保持されてもよいし、センターガイド軸27のようなバルブ位置制限部材に係合してその特定位置に位置決め保持されてもよい。拘束解除に適した特定位置は、径方向の特定位置であるが、ここでの径方向は、バルブの径方向、すなわち、バルブ動作が軸方向となるのに対してその動作方向と直交する方向における特定位置の意であり、センターガイド軸27のような軸状のバルブ位置制限部材の径方向の特定位置、例えばセンタリングされた位置に限定されるものでない。
加えて、感温変形部材は、バイメタルリング51のようにセンターガイド軸27の外周環状溝27eに入り込むのでなく、拘束解除時の移動方向へのセンターガイド軸27の移動を規制できる任意の形状の部位、例えばセンターガイド軸27のような可動軸としてのバルブ位置制限部材に設けられた段付部や環状の凹凸部等、あるいは非環状の凹部(単なる穴)に係合するものであってもよい。
(他の実施形態)
図6および図7は、本発明の他の実施形態に係るサーモバルブを示している。なお、本実施形態のサーモバルブおよび車両駆動システムは、感温変形部材とその周辺の構成を除いて、上述の一実施形態とほぼ同様に構成されたものであるので、上述の一実施形態と同一または類似の構成要素については図1〜図5中の対応する構成要素の符号を用いることとして簡単に説明し、相違点についてのみ詳述する。
図6および図7に示すように、本実施形態のサーモバルブ60は、バルブハウジング21と、バルブ部材31と、バルブ位置制限部材としての可動軸であるセンターガイド軸27とを備えている。ただし、上述の一実施形態と異なり、バルブハウジング21には内周環状溝25g(図2参照)が形成されておらず、センターガイド軸27には外周環状溝27eが形成されていない。
また、図6に示すように、センターガイド軸27がバルブ部材31を第2動作位置BP2に拘束するバルブ動作制限位置GP1をとるとき、センターガイド軸27の摺動軸部27aの外端面がバルブハウジング21の第2ハウジング部材25の端面25jと略同一面上に位置するように、センターガイド軸27の摺動軸部27aおよびバルブハウジング21の第2ハウジング部材25の長さ等が設定されている。
また、図6〜図8に示すように、バルブハウジング21の外部である第2ハウジング部材25の端面25j上には感温変形部材61が予め設定された取付け姿勢で装着されており、この感温変形部材61は、その取付けの初期状態およびその温度が環境温度変化の範囲を超える予めの設定温度以下である間は、バルブハウジング21およびセンターガイド軸27の双方に面接触した状態となっている。すなわち、この感温変形部材61は、初期段階において、センターガイド軸27とバルブハウジング21からの熱が伝導等により伝わるように双方間に介在するとともに、バルブハウジング21に固定されている。
この感温変形部材61は、バルブハウジング21およびセンターガイド軸27のうち少なくとも一方、例えば双方の温度に応じて、バルブハウジング21内のオイル(流体)の温度が最初に高温範囲内に達するまでの初期段階ではセンターガイド軸27をバルブ動作制限位置GP1に拘束し、バルブハウジング21内のオイルの温度が予め設定された高温範囲内に最初に到達するときにその拘束を解除する形状に変形するようになっている。
具体的には、感温変形部材61は、バルブハウジング21の第2ハウジング部材25の端面25j上に取付けねじ62により締結された状態で固定された固定部61aと、その固定部61aからセンターガイド軸27の摺動軸部27a側に向って延在し、前記予めの設定温度を超えると前記拘束を解除する形状に変形する変形部61bとを有している。
この感温変形部材61の変形部61bは、固定部61aからセンターガイド軸27の径方向に延在する例えば棒状のバイメタルプレートで構成されており、線膨張係数の異なる2種類の細長い板状の金属部材61e、61fを接合させた構造となっている。ここで、金属部材61e、61fのうちセンターガイド軸27の軸心に近い一方側の金属部材61eは、他方側の金属部材61fより線膨張係数が大きくなっており、その温度が予め設定された低温範囲内にあるときには、図8中に実線で示す初期姿勢AT1またはそれに近い姿勢をとり、その温度が予め設定された高温範囲内に達するときには、図8中に仮想線で示す離脱姿勢AT2またはそれに近い姿勢に達するように湾曲する。
したがって、感温変形部材61は、サーモバルブ60の組立て完了時からサーモバルブ60が自動変速機12の油圧回路の一部として配管接続され、バルブ作動室23内にオイルが充填されるまでの初期段階においては、図8中に実線で示す取付け初期の姿勢、すなわちセンターガイド軸27をバルブ動作制限位置GP1に拘束するようセンターガイド軸27に係合する初期姿勢AT1をとることができる。また、サーモバルブ60の車両駆動システム10への実装が完了し、バルブ作動室23内のオイルの温度が最初に高温範囲内に達するとき、感温変形部材61は、バルブハウジング21およびセンターガイド軸27の温度上昇に感応して、初期姿勢AT1から図8中に仮想線で示す離脱姿勢、すなわちセンターガイド軸27から離脱する方向に湾曲した離脱姿勢AT2に移行するように、センターガイド軸27の径方向に変形する。
感温変形部材61は、さらに、固定部61aに対し略直交するように曲げ加工された回止め部61cを有している。この回止め部61cは、バルブハウジング21の第2ハウジング部材25に設けられた平坦な側面25kに係合することで、取付けねじ62による感温変形部材61のバルブハウジング21への締結時に、感温変形部材61の取付けねじ62との連れ回りを防止するようになっている。なお、感温変形部材61の回止め部61cは、必ずしも必要ではなく、例えば感温変形部材61の固定部61aの一部をバルブハウジング21の第2ハウジング部材25の端面25j上の凸状または凹状のガイド部または位置決め部に係合させてその方向付けや位置決めを行うようにしてもよい。
上述のように構成された本実施形態のサーモバルブ60では、バルブ作動室23にオイルが導入されるまでの初期段階においては、感温変形部材61の変形部61bが図8中に実線で示すような初期姿勢AT1となっている。したがって、図6に示すように、感温変形部材61によってセンターガイド軸27がバルブ動作制限位置GP1に拘束され、バルブ部材31が第2動作位置BP2に拘束され、他方のバルブポート22bが開放された状態となっている。
そして、サーモバルブ60の自動変速機12への実装後にバルブ作動室23内にオイルが充填されるとき、バルブ作動室23内のオイルの温度が予め設定された高温範囲に達していなくとも、特定のポートである他方のバルブポート22bが開放された状態となっていることから、通常のバルブ動作ならばバルブ作動室23内のオイルの温度が高温範囲に達したときにオイルが流れる第2熱交換器18側の回路に、その高温範囲に達しない低温作業環境下で、オイルが確実に充填されることになる。
次いで、自動変速機12の車両駆動システム10への実装が完了し、バルブ作動室23内のオイルの温度が最初に高温範囲内に達するときには、バルブ作動室23内のオイルに接するバルブハウジング21およびセンターガイド軸27のうち少なくとも一方がそのオイルの温度に追従して温度変化し、バルブハウジング21およびセンターガイド軸27から感温変形部材61に熱伝導等により熱が伝わる。このとき、感温変形部材61が、バルブハウジング21およびセンターガイド軸27の温度上昇に感応して、初期姿勢AT1から図8中に仮想線で示す離脱姿勢、すなわちセンターガイド軸27から離脱する方向に湾曲した離脱姿勢AT2に移行するように、センターガイド軸27の径方向に変形する。
そして、感温変形部材61によるセンターガイド軸27のバルブ動作制限位置GP1への拘束状態が解除され、円錐コイルばね33から第1動作位置BP1側への付勢力を受けるバルブ部材31が他方のバルブポート22bを閉弁させる方向に復帰するのと同時に、センターガイド軸27がバルブ動作許容位置GP2側に復帰する。
このように、本実施形態においては、感温変形部材61を可動軸であるセンターガイド軸27の端面等の部位に係合させるだけの簡単な構成で、バルブ作動室23内の流体の温度が高温範囲内に達するまではセンターガイド軸27が確実にバルブ動作制限位置GP1に拘束される一方、バルブ作動室23内の流体の温度が高温範囲内に達すると、バルブ作動室23内のオイルの温度変化のみに応じて、そのセンターガイド軸27のバルブ動作制限位置GP1への拘束が解除される。
したがって、バルブ動作制限状態の拘束を解除するための余計な操作を一切行うことなく、高温範囲でオイルが通る第2熱交換器18側の回路へのオイルの充填がその高温範囲に達しない作業温度環境下であっても容易にかつ確実に実行できることになる。
しかも、感温変形部材61はバルブハウジング21の外部から目視できるので、感温変形部材61がセンターガイド軸27のバルブ動作制限位置GP1への拘束状態であるか否かを、目視で判別することもできる。さらに、感温変形部材61が何らかの理由により正常に動作しなかったとしても、取付けねじ62を外すことによりセンターガイド軸27の拘束を解除することができるので、フェールセーフ機能をも有することになる。
また、本実施形態では、感温変形部材61の変形部61bが固定部61aからセンターガイド軸27の径方向に延在するバイメタルプレートで構成されているので、感温変形部材61の変形部61bの先端側をセンターガイド軸27の径方向に大きく変形させることができ、その変形部61bをセンターガイド軸27の端面に当接させる配置が容易に採用できる。その結果、感温変形部材61をバルブハウジング21の外部に大きく突出させることなく、センターガイド軸27のバルブ動作制限位置GP1への拘束とその解除を確実に行うことができる。さらに、感温変形部材61がバルブハウジング21に固定された固定部61aを有するので、バルブハウジング21およびセンターガイド軸27から感温変形部材61に効率良く熱が伝わり、感温変形部材61のより確実な動作が得られる。また、一方からだけでなくバルブハウジング21およびセンターガイド軸27の双方から熱が伝わるため、応答性の良いものとなる。
なお、上述の各実施形態においては、バルブ部材31をワックス収納型のものとしたが、バルブ作動室内の流体の温度に応じて伸縮動作してバルブ開閉動作が可能な任意の方式のバルブ部材が採用できることはいうまでもない。また、上述の実施形態においては、図示の便宜上、サーモバルブ20、60を縦向きとしたが、サーモバルブ20、60の設置姿勢が軸方向を任意の方向に向けて設置できるのは勿論である。
さらに、上述の各実施形態では、バルブ作動室23にオイルが導入されるまでの初期段階においてセンターガイド軸27がバルブ動作制限位置GP1に拘束されることで、バルブ部材31が第2動作位置BP2に拘束されるものとしたが、ユーザの使用段階、例えばオイル交換時におけるオイルの再充填直前において、外部から手動でセンターガイド軸27をバルブハウジング21内に没入させるように押し込むことで、センターガイド軸27をバルブ動作制限位置GP1に再度拘束することができる。したがって、サーモバルブの実装段階のみならず、その後のオイル交換時にも、余計な作業を行うことなく、高温時に流体が流れる回路への流体の充填が容易にかつ確実に実行できるサーモバルブを提供することができる。
以上説明したように、本発明に係るサーモバルブは、バルブ作動室に流体が導入されるその初期段階等に、感温変形部材によってバルブ位置制限部材をバルブ動作制限位置に拘束し、バルブ作動室内の流体の温度に関係なく特定のポートが開放されるようにして、高温時にオイル等の流体が流れる回路への流体の充填が低温の作業環境下で確実に実行されるようにするとともに、その充填後にバルブ作動室内の流体の温度が高温範囲内に達したとき、感温変形部材がバルブ位置制限部材から離脱してバルブ位置制限部材の拘束が解除され、何らの解除操作なしでバルブ部材が閉弁方向に復帰するようにしているので、余計な作業を行うことなく、高温時に流体が流れる回路への流体の充填が容易にかつ確実に実行できるサーモバルブを提供することができるという効果を奏するものであり、車両用変速機の潤滑・冷却用のオイルの温度を熱交換器によって調節する回路に好適なサーモバルブ全般に有用である。
12 自動変速機
15 第1熱交換器
16b1、18c1 オイル導入通路部(外部の流路)
16b2、18c2 オイル排出通路部(外部の流路)
18 第2熱交換器(オイルクーラ)
20、60 サーモバルブ
21 バルブハウジング
21a 外部接続ポート(第1入口ポート)
21b 外部接続ポート(第1出口ポート)
21c 外部接続ポート(第2入口ポート)
21d 外部接続ポート(第2出口ポート)
22a 一方のバルブポート(連通ポート)
22b 他方のバルブポート(特定のポート)
23 バルブ作動室
24 第1ハウジング部材
25 第2ハウジング部材
25g 内周環状溝
25j 端面
27 センターガイド軸(バルブ位置制限部材)
27a 摺動軸部
27b ガイド軸部
27e 外周環状溝
31 バルブ部材
32 外側ガイド部材
32h 連通孔
33 円錐コイルばね(第2の弾性部材)
41 第1弁体部
42 第2弁体部
43 摺動筒部
44 ワックス収納室(容積可変の室)
45 胴部
46 バルブガイド軸部
47 圧縮コイルばね(第1の弾性部材)
51 バイメタルリング(感温変形部材)
61 感温変形部材
61a 固定部
61b 変形部
62 取付けねじ
AP1、BP1 第1動作位置
AP2、BP2 第2動作位置
AT1 初期姿勢
AT2 離脱姿勢
GP1 バルブ動作制限位置
GP2 バルブ動作許容位置
PW1 第1流路
PW2 第2流路

Claims (13)

  1. 外部の流路に接続される複数のポートおよび該複数のポートに連通するバルブ作動室が形成されたバルブハウジングと、
    前記バルブ作動室内の流体の温度が予め設定された低温範囲内にあるときには前記複数のポートのうち特定のポートを閉止する第1動作位置をとり、前記流体の温度が予め設定された高温範囲内にあるときには前記特定のポートを開放する第2動作位置をとるよう、前記バルブ作動室内の流体の温度に応じて変位するとともに、前記バルブ作動室内で前記第1動作位置側への付勢力を受けるバルブ部材と、
    前記バルブ部材を前記第2動作位置に拘束するバルブ動作制限位置と前記バルブ部材の前記流体の温度に応じた変位を許容するバルブ動作許容位置とに移動するよう前記バルブハウジングに移動可能に装着されるとともに、前記バルブ動作許容位置側に付勢されるバルブ位置制限部材と、を備えたサーモバルブにおいて、
    前記バルブ位置制限部材と前記バルブハウジングとの間に、温度に応じて変形する感温変形部材が介装され、
    前記感温変形部材が、前記バルブハウジング内の前記流体の温度が最初に前記高温範囲内に達するまでの初期段階では前記バルブ位置制限部材を前記バルブ動作制限位置に拘束し、前記流体の温度が最初に前記高温範囲内に達したときに前記拘束を解除する形状に変形することを特徴とするサーモバルブ。
  2. 前記感温変形部材が、前記バルブハウジングの内部に収納され、前記バルブハウジングの内部の温度に応じて変形することを特徴とする請求項1に記載のサーモバルブ。
  3. 前記感温変形部材が、前記バルブハウジングの外部に装着され、前記バルブハウジングおよび前記バルブ位置制限部材のうち少なくとも一方の温度に応じて変形することを特徴とする請求項1に記載のサーモバルブ。
  4. 前記バルブ位置制限部材が、前記バルブハウジングに軸方向移動可能に支持された可動軸で構成されることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1の請求項に記載のサーモバルブ。
  5. 前記感温変形部材が、前記拘束を解除する形状に変形するとき、前記可動軸を前記バルブ動作制限位置に拘束するよう前記可動軸に係合する初期姿勢から前記可動軸の径方向に変形することを特徴とする請求項4に記載のサーモバルブ。
  6. 前記感温変形部材が、前記可動軸の一部を取り囲むとともに、前記流体の温度が前記高温範囲内に達したときには前記可動軸の一部から離脱するように拡径するバイメタルリングで構成されていることを特徴とする請求項5に記載のサーモバルブ。
  7. 前記感温変形部材が、前記バルブハウジングに固定された固定部と、前記固定部に連結され前記拘束を解除する形状に変形する変形部と、を有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のサーモバルブ。
  8. 前記感温変形部材は、前記変形部が前記固定部から前記可動軸の径方向に延在するバイメタルプレートで構成されていることを特徴とする請求項7に記載のサーモバルブ。
  9. 前記複数のポートが、前記特定のポートとは別に、前記バルブハウジングの内部に前記流体を導入する第1入口ポートと、前記バルブハウジングの内部から前記流体を排出する第1出口ポートと、前記第1入口ポートに連通する第2出口ポートと、前記第2出口ポートから流出した流体を導入する第2入口ポートと、を含み、
    前記バルブ部材が前記第1動作位置にあるとき、前記バルブハウジング内に前記第1入口ポートと前記第1出口ポートとを連通させる第1流路が形成され、
    前記バルブ部材が前記第2動作位置にあるとき、前記バルブハウジング内に前記特定のポートを介して前記第2入口ポートと前記第1出口ポートとを連通させる第2流路が形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項8のうちいずれか1の請求項に記載のサーモバルブ。
  10. 前記複数のポートが、前記第1流路の一部を構成する連通ポートを含むとともに、
    前記バルブ部材が、前記連通ポートを開閉する第1弁体部および前記特定のポートを開閉する第2弁体部を有し、
    前記第1弁体部が、前記第1動作位置では前記連通ポートを開放し前記第1流路を介して前記第1入口ポートおよび前記第1出口ポートを連通させる一方、前記第2動作位置では前記連通ポートを閉止して前記第1流路を介した前記第1入口ポートおよび前記第1出口ポートの連通を遮断し、
    前記第2弁体部が、前記第1動作位置では前記特定のポートを閉止して前記第2入口ポートと前記第1出口ポートとの連通を遮断する一方、前記第2動作位置では前記特定のポートを開放して前記第2入口ポートと前記第1出口ポートとを連通させることを特徴とする請求項9に記載のサーモバルブ。
  11. 前記バルブ部材が、前記バルブ位置制限部材に軸方向に摺動可能に嵌合した摺動筒部と、該摺動筒部に一体に結合して前記バルブ位置制限部材により閉蓋される容積可変の室を形成する胴部と、を有し、
    前記第1弁体部が、前記胴部に前記摺動筒部の軸方向に変位可能に支持され、
    前記第1弁体部と前記バルブ部材との間には、前記第1弁体部に前記連通ポートの閉止方向への付勢力を加える第1の弾性部材が介装されていることを特徴とする請求項10に記載のサーモバルブ。
  12. 前記第2弁体部と前記バルブハウジングの間には、前記第2弁体部に前記特定のポートの閉止方向への付勢力を加える第2の弾性部材が介装されていることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のサーモバルブ。
  13. 前記流体の温度が最初に前記高温範囲内に達し、前記感温変形部材が前記バルブ位置制限部材と前記バルブハウジングとの間で前記拘束を解除する形状に変形するとき、前記感温変形部材が、前記バルブ位置制限部材と前記バルブハウジングとのうちいずれか一方の特定位置に保持されることを特徴とする請求項1ないし請求項12のうちいずれか1の請求項に記載のサーモバルブ。
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