JP4892363B2 - 収納 - Google Patents
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Description
これらの収納のうち、大型のもの(例えば施工後の幅が概ね2m以上のクローゼット等)は、予め側板や天板等の部材を完全に組み立てた状態では、重量やサイズが過大となるため運搬や家屋への搬入に支障が生じる。そこで、収納を運搬や搬入に適当なサイズに分割したうえで運搬・搬入し、現場で組み立てて完成させることが行われている。
図15に示す収納500は、前面に、扉51,52,53,54,55が取り付けられている。このうち扉51,53は、左側端部に蝶番が取り付けられ時計回りに開く扉(以下、「左吊り扉」という。)であり、扉52,54,55は、右側端部に蝶番が取り付けられ反時計回りに開く扉(以下、「右吊り扉」という。)である。
また、上面には化粧天板9が取り付けられている。
収納500の内部は、箱状ユニット100,200,300を連結した構造となっている。箱状ユニット100は、側板111,112、天板121、背板131、地板141から構成され、箱状ユニット200は、側板212,213、天板222、背板232、地板242から構成され、箱状ユニット300は、側板313,314、天板323、背板333、地板343から構成されている。
そして、図17に示すように、箱状ユニット100,200,300を分割した状態で家屋に搬入し、側板112と側板212、側板213と側板313を木ネジ等で連結する。さらに、扉51,52,53,54,55及び化粧天板9を取り付ければ、図15に示すような収納500が完成する。
側板112と側板212は、木ネジ2,2で固定されている。また、側板112の左側面には、図15に示す右吊り扉52を取り付けるための右吊り用蝶番6A,6Bが取り付けられ、側板212の右側面には、左吊り扉53を取り付けるための左吊り用蝶番7A,7Bが取り付けられている。右吊り用蝶番6Aと左吊り用蝶番7Aは、上下方向の同じ高さに配置されており、同様に右吊り用蝶番6Bと左吊り用蝶番7Bも上下方向の同じ高さに配置されている。
以上のようにして、側板112,212の左右両側から扉52,53が取り付けられている。
なお、側板111,213,314には、それぞれ同様の蝶番を用いて、扉51,54,55が片側に取り付けられている。
また、特許文献2には、壁材の両側に締結板を配置し、それぞれ2本の締結ネジで固定するものであって、一方の締結ネジで締結板に形成されただぼ状の突起を広げるとともに、他方の締結ネジを壁材に形成された孔の周面に食い込ませて固定するようにした締結板に関する発明が記載されている。
また、各箱状ユニットの組立に使用する金具と、箱状ユニット同士を連結する金具が別々に必要であり、多数の金具と工程を要していた。また、隣接する側板を連結するため、がたつきが生じやすかった。
一方、特許文献1や特許文献2に記載された蝶番の取付構造によれば、薄い側板に両側から扉用の蝶番を取り付けることが可能であるが、専用の取付けプレートが必要でありコストが増加する恐れがあった。
また、共有する側板の左右両側に開き扉を取り付けるにあたって、側板の左側面に右吊り扉を取り付けるための右吊り用蝶番と、側板の右側面に左吊り扉を取り付けるための左吊り用蝶番とを側板の上下方向にずらして配置するので、右吊り用蝶番を側板に固定する固定部材と、左吊り用蝶番を側板に固定する固定部材とを接触しないようにすることができる。
これにより、側板の厚みが薄くても容易にかつ強固に扉を取り付けることができる。
また、上面には化粧天板9が取り付けられている。
収納部10は、側板11,12、天板21、背板31、地板41に囲まれた箱型となっている。また収納部20は、側板12,13、天板22、背板32、地板42に囲まれた箱型となっている。また収納部30は、側板13,14、天板23、背板33、地板43に囲まれた箱型となっている。
側板11には右側面に左吊り扉51を取り付けるための左吊り用蝶番7,7が、側板12には左側面に右吊り扉52を取り付けるための右吊り用蝶番6,6及び右側面に左吊り扉53を取り付けるための左吊り用蝶番7,7が、側板13には左側面に右吊り扉54を取り付けるための右吊り用蝶番6,6が、側板14には左側面に右吊り扉55を取り付けるための右吊り用蝶番6,6が、それぞれ上下2箇所に取り付けられている。
なお、右吊り用蝶番6及び左吊り用蝶番7の取付位置については後述する。
図3は、収納1の内部構造を示す斜視図であり、図4は、収納1の内部構造を示す分解斜視図である。
既に説明したように、収納部10、収納部20、収納部30は、それぞれ側板、天板、背板、地板に囲まれた箱型となっている。各板材同士は、木ネジ、釘、接着剤等を用いて接合することができる。
同様に、収納部20と収納部30により共有される側板13を、左右から挟み込んだ状態で固定している。すなわち、側板13の上端部を天板22と天板23で左右から挟み込んでいる。また、側板13の後端部を背板32と背板33で左右から挟み込んでいる。また、側板13の下端部を地板42と地板43で左右から挟み込んでいる。
以上のように、左右から挟み込んだ状態で固定することにより、側板12,13を強固に固定することができる。特に側板12,13の厚みが薄い場合に効果的である。さらに、側板12のように左右両側に扉を取り付ける場合には、側板がしっかりとしているため、扉を開閉してもがたつきが生じにくく、極めて効果的である。
図7は、側板12と背板31,32の連結構造を示す平面図(連結前)であり、図8は、側板12と背板31,32の連結構造を示す平面図(連結後)である。
背板31,32には、それぞれ横穴5aが形成され、横穴5aの内部に偏心カム機構を有する回転接続体5が埋め込まれている。また横穴5aから側板12側に向けて通し穴5bが形成されている。
なお、接続ボルト及び回転接続体の構造については、実開昭57−184301号公報、実開昭59−182248号公報、実開昭61−119615号公報に記載されている。
また、ここでは側板と背板の連結構造について説明したが、側板と天板、側板と地板の連結についても同様に、上記連結部材を用いることができる。
側板12と右吊り扉52は、右吊り用蝶番6により開閉自在に連結されている。
右吊り用蝶番6は、いわゆるスライド蝶番であり、側板12に固定される固定板6a、固定板6aにスライド可能に連結された腕部6b、腕部6bに回動可能に連結された首振部6c、右吊り扉52に固定される固定板6d、及び右吊り扉52に形成された凹部3に埋設され、連結された首振部6cを収容するカップ部6eから構成されている。
扉が開いた状態においては、右吊り用蝶番6の首振部6cはカップ部6eの外部に位置している。一方、扉が閉じた状態においては、首振部6cがカップ部6eの内部に没入される。こうして右吊り扉52が側板12に対して直交する位置になり、扉が閉じられる。
一方、図11に示すように、側板12には、カップ部6eを埋設するための凹部3を予め形状加工しておく。
なお、ここでは右吊り用蝶番6について説明したが、左吊り用蝶番7についても同様である。
右吊り扉52の右側端部には、上下2箇所に右吊り用蝶番6A,6Bが取り付けられている。なお、図12(a)において蝶番6A,6Bは破線で描かれており、図面における裏側に取り付けられていることを示している。
扉52の上端部から上側の蝶番6Aまでの距離はLであり、扉52の下端部から下側の蝶番6Bまでの距離はNである。また、蝶番6Aと蝶番6Bとの間の距離はMである。
ここで、L>Nの関係があり、蝶番6A,6Bは扉の上下方向の中心から下方向に偏って配置されている。
扉53の上端部から上側の蝶番7Aまでの距離はNであり、扉53の下端部から下側の蝶番7Bまでの距離はLである。また、蝶番7Aと蝶番7Bとの間の距離はMである。
ここで、N<Lの関係があり、蝶番7A,7Bは扉の上下方向の中心から上方向に偏って配置されている。
なお、蝶番が上下2箇所の場合には、本実施形態のように、扉の上端部から上側の蝶番までの距離と、扉の下端部から下側の蝶番までの距離とを異ならせることで、容易に左右兼用の扉とすることができる。
また、その他の扉51,54,55についても同様に製造することができる。
側板12の左側面には、上下2箇所に右吊り用蝶番6A,6Bが取り付けられている。側板12の上端部から上側の蝶番6Aまでの距離はLであり、側板12の下端部から下側の蝶番6Bまでの距離はNである。また、蝶番6Aと蝶番6Bとの間の距離はMである。
ここで、L>Nの関係があり、蝶番6A,6Bは側板の上下方向の中心から下方向に偏って配置されている。
ここで、N<Lの関係があり、蝶番7A,7Bは側板の上下方向の中心から上方向に偏って配置されている。
なお、当然のことながら、図12及び図13における距離L、距離M、距離Nはそれぞれ共通している。
以上により、右吊り用蝶番6Aと左吊り用蝶番7Aとは側板12の上下方向にずらして配置されている。同様に、右吊り用蝶番6Bと左吊り用蝶番7Bとは側板12の上下方向にずらして配置されている。
右吊り用蝶番6Aの固定板は、側板12の左側面に固定部材である木ネジ8,8を用いて固定されている。同様に左吊り用蝶番7Aの固定板は、側板12の右側面に固定部材である木ネジ8,8を用いて固定されている。
なお、下側の右吊り用蝶番6B、左吊り用蝶番7Bについても同様である。
このとき、従来のように右吊り用蝶番6Aと左吊り用蝶番7Aとが側板12の同じ高さに配置される場合には、木ネジ同士が接触しないように側板12の厚みが木ネジ8の挿入長さの2倍以上必要となる。これに対して、本実施形態のように右吊り用蝶番6Aと左吊り用蝶番7Aとが上下方向にずらして配置されていれば、側板12の厚みWは、木ネジ8の側板12への挿入長さの2倍以下でよく、最低限、木ネジ8の先端が飛び出さないように、木ネジ8の側板12への挿入長さより少し厚ければよい。
また、共有する側板12の左右両側に開き扉52,53を取り付けるにあたって、側板12の左側に右吊り扉52を取り付けるための右吊り用蝶番6と、側板12の右側に左吊り扉53を取り付けるための左吊り用蝶番7とを側板12の上下方向にずらして配置するので、右吊り用蝶番6を側板12に固定する固定部材8と、左吊り用蝶番7を側板12に固定する固定部材8とを接触しないようにすることができる。これにより、側板12の厚みが薄くても容易にかつ強固に扉52,53を取り付けることができる。
2 木ネジ
3 凹部
4 接続ボルト
4a 首部
4b 頭部
5 回転接続体
5a 横穴
5b 通し穴
6 右吊り用蝶番
6a 固定板
6b 腕部
6c 首振部
6d 固定板
6e カップ部
7 左吊り用蝶番
8 木ネジ
9 化粧天板
10 収納部
11 側板
12 側板
13 側板
14 側板
20 収納部
21 天板
22 天板
23 天板
30 収納部
31 背板
32 背板
33 背板
41 地板
42 地板
43 地板
51 左吊り扉
52 右吊り扉
53 左吊り扉
54 右吊り扉
55 右吊り扉
100 箱状ユニット
111 側板
112 側板
121 天板
131 背板
141 地板
200 箱状ユニット
212 側板
213 側板
222 天板
232 背板
242 地板
300 箱状ユニット
313 側板
314 側板
323 天板
333 背板
343 地板
500 収納
Claims (4)
- 一枚の側板を共有する隣接した箱型の収納部を有し、前記共有する側板の左右両側に開き扉を取り付けてなる収納であって、
前記側板の左側面に右吊り扉を取り付けるための右吊り用蝶番と、前記側板の右側面に左吊り扉を取り付けるための左吊り用蝶番とを前記側板の上下方向にずらして配置し、前記右吊り用蝶番を前記側板に固定する固定部材と、前記左吊り用蝶番を前記側板に固定する固定部材とが接触しないようにしたもので、
前記右吊り扉と前記左吊り扉とは、互いに上下方向に反転させたときの蝶番取付位置が同一であり、
しかも、前記左右の蝶番はそれぞれ上下2箇所に配置されており、扉の上端部から上側の蝶番までの距離と、扉の下端部から下側の蝶番までの距離とが異なることを特徴とする収納。 - 一枚の側板を共有する隣接した箱型の収納部を有し、前記共有する側板の左右両側に開き扉を取り付けてなる収納であって、
前記側板の左側面に右吊り扉を取り付けるための右吊り用蝶番と、前記側板の右側面に左吊り扉を取り付けるための左吊り用蝶番とを前記側板の上下方向にずらして配置し、前記右吊り用蝶番を前記側板に固定する固定部材と、前記左吊り用蝶番を前記側板に固定する固定部材とが接触しないようにしたもので、
前記右吊り扉と前記左吊り扉とは、互いに上下方向に反転させたときの蝶番取付位置が同一であり、
しかも、前記左右の蝶番はそれぞれ上下2箇所に配置されており、扉の上端部から上側の蝶番までの距離と、扉の下端部から下側の蝶番までの距離とが異なり、
さらに、前記固定部材は木ネジであり、前記側板の厚さが前記木ネジの挿入長さの2倍以下であることを特徴とする収納。 - 前記右吊り用蝶番は、前記側板の左側面と前記右吊り扉の裏面との間、前記左吊り用蝶番は、前記側板の右側面と前記左吊り扉の裏面との間にそれぞれ連結され、前記右吊り扉及び左吊り扉を閉じたときに、前記右吊り用蝶番及び左吊り用蝶番が表側に露出しないようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の収納。
- 前記右吊り用蝶番及び左吊り用蝶番は、スライド蝶番であり、前記側板に固定される側板側固定板、前記側板側固定板にスライド可能に連結された腕部、前記腕部に回動可能に連結された首振部、前記扉に固定される扉側固定板、及び前記扉に形成された凹部に埋設され、連結された前記首振部を収容するカップ部から構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の収納。
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