JP4892020B2 - 内燃機関における冷却水通路装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関内に形成された流体通路とラジエータとの間で冷却水を循環させることにより、内燃機関(以下、エンジンともいう。)の冷却を行う冷却装置に好適に用いられる冷却水通路装置に関する。
この種のエンジン冷却装置においては、内燃機関内に形成された流体通路とラジエータとの間で冷却水を循環させることで、エンジンの冷却を行うだけでなく、冷却水を暖房用のヒータコアを備えたヒータ循環流路にも供給するようにもなされており、さらに昨今においてはエンジンからの冷却水をATFウォーマやEGRクーラにも利用する形態のものも提案されている。
したがって、前記したように各部に冷却水を循環もしくは供給するために、個々に分岐管を用いて配管を接続する必要が生じ、これにより配管が複雑となり、エンジンのメンテナンス性を悪化させるという問題を招来させる。
そこで、前記した各管の接続を簡素化するために、エンジンの冷却水吐出口に直結し、内部にサーモバルブを収容して、各管の接続口を集約させた冷却水通路装置が次に示す先行技術文献に開示されている。
特公平4−16610号公報
ところで、前記先行技術文献に開示された冷却水通路装置においては、V型エンジンの一対のバンクにそれぞれ直結して冷却水を取り込み、これらを集合させる集合管やバイパス通路、またラジエータヘの冷却水の送出口、ラジエータからの冷却水の取り込み口、さらにウォータポンプへの配管接続口などを備えるなど、相当に複雑な構成になされている。
このような冷却水通路装置においては、全体を金属素材を用いて成形するようになされるため、成形加工が容易ではなく、成型加工においてコストアップを招き、また重量の増加を招く等の問題点を抱えている。
この発明は、冷却水通路装置の全体を合成樹脂を素材として成形する点に着目してなされたものであり、樹脂成形の容易性を生かし、軽量化ならびにコストダウンを図ることができ、かつ必要な部分には十分な加工精度ならびにかかる応力を装置全体で吸収・分散させることができ、エンジンの熱膨張による応力およびエンジンと冷却水通路装置との熱膨張係数の差異による締結部のズレにも効果的に対処できる内燃機関における冷却水通路装置を提供することを課題とするものである。
前記した課題を解決するためになされた本発明にかかる内燃機関における冷却水通路装置は、V型内燃機関内に形成された流体通路とラジエータとの間で冷却水の循環流路を形成した内燃機関の冷却装置において用いられ、前記内燃機関の冷却水出口部と前記ラジエータの冷却水入口部との間に設けられる冷却水通路装置であって、前記冷却水通路装置は、それぞれ個別に成形された第1ボディと第2ボディとによる2つの樹脂成形体を接合することにより形成されると共に、前記V型内燃機関における左右のエンジンヘッドからの冷却水をそれぞれ取り込む一対の冷却水取り込み管、前記一対の冷却水取り込み管を連通させて冷却水を集合させる集合路、および前記集合路を介して前記ラジエータに冷却水を送るラジエータへの連通管が少なくとも形成され、前記一対の冷却水取り込み管は、前記集合路を間にして当該集合路にそれぞれ連通すると共に、それぞれ同一方向に向くように成形され、かつ前記一対の冷却水取り込み管は、前記第1ボディおよび第2ボディのうちの1つの樹脂成形体において一体に成形されると共に、前記第1ボディと第2ボディとの接合面が、前記内燃機関のクランク軸の軸方向に沿う面に平行となるように形成されている点に特徴を有する。
また、本発明にかかる内燃機関における冷却水通路装置の好ましい他の一つの形態においては、V型内燃機関内に形成された流体通路とラジエータとの間で冷却水の循環流路を形成した内燃機関の冷却装置において用いられ、前記内燃機関の冷却水出口部と前記ラジエータの冷却水入口部との間に設けられる冷却水通路装置であって、前記冷却水通路装置は、それぞれ個別に成形された第1ボディと第2ボディとによる2つの樹脂成形体を接合することにより形成されると共に、前記V型内燃機関における左右のエンジンヘッドからの冷却水をそれぞれ取り込む一対の冷却水取り込み管、前記一対の冷却水取り込み管を連通させて冷却水を集合させる集合路、および前記集合路を介して前記ラジエータに冷却水を送るラジエータへの連通管が少なくとも形成され、前記一対の冷却水取り込み管は、前記集合路を間にして当該集合路にそれぞれ連通すると共に、それぞれ同一方向に向くように成形され、かつ前記一対の冷却水取り込み管は、前記第1ボディおよび第2ボディのうちの1つの樹脂成形体において一体に成形されると共に、前記第1ボディと第2ボディとの接合面が、前記内燃機関のクランク軸の軸方向と直交する面に平行となるように形成されている点に特徴を有する。
例えば、エンジンは垂直ではなく傾むいた状態で設置されていても良く、また、前記一対の冷却水取り込み管の間に接合面を設けていない構造であれば良い。
前記したいずれの構成においても、前記冷却水通路装置内には、一対の冷却水取り込み管を連通させて冷却水を集合させる集合路が形成され、当該集合路を介して前記ラジエータへの連通管が形成された構成にされる。
一方、他の好ましい形態においては、前記第1ボディと第2ボディの接合部を結ぶ平面に直交し、前記一対の冷却水取り込み管の中心軸線を通るそれぞれの垂直面に囲まれた範囲における前記第1ボディと第2ボディの接合部が、冷却水通路装置上部からみて、直線状に形成された構成にされる。
また、好ましくは前記一対の冷却水取り込み管は、各管の中心軸線をそれぞれ結ぶ平面に直交する方向の内径が大きく、前記中心軸線を結ぶ面方向の内径が小さく成形された楕円形状になされる。
さらに、前記一対の冷却水取り込み管の開口をそれぞれ取り巻くようにして鍔状の締結部が形成され、それぞれの締結部には、クランク軸から左右のエンジンヘッドに向かうバンク角に沿って、ボルト挿通用の長孔が形成されていることが望ましい。
この発明にかかる内燃機関における冷却水通路装置は、それぞれ個別に成形された第1ボディおよび第2ボディからなる樹脂成形体を接合することにより形成され、V型内燃機関における左右のエンジンヘッドからの冷却水をそれぞれ取り込む一対の冷却水取り込み管は、それぞれ同一方向を向くように成形され、かつ前記第1ボディおよび第2ボディからなる樹脂成形体のうちの1つの樹脂成形体において一体に成形した構成にされるので、樹脂成形体の接合部にV型内燃機関の熱膨張によって生ずる応力が集中するのを効果的に防止することができる。
そして、冷却水通路装置は、それぞれ個別に成形された第1ボディおよび第2ボディからなる樹脂成形体を接合することにより形成されるので、樹脂成形にあたり、無理のない型抜き等の成形形態を採用することができる。また樹脂成形の特質を生かして、一層のコストダウンと軽量化を図ることができる。
さらに、前記した第1ボディと第2ボディによる樹脂成形体の接合部の特定な部分を直線状に形成すること、また前記一対の冷却水取り込み管の断面形状をそれぞれ楕円形に構成すること、冷却水取り込み管の開口に施された鍔状の締結部には、クランク軸から左右のエンジンヘッドに向かうバンク角に沿って、ボルト挿通用の長孔が形成されること等の形態を採ることで、冷却水の昇温に伴うV型内燃機関の熱膨張やエンジンヘッドとの熱膨張量の差から生じる応力にも効果的に対処可能な冷却水通路装置を提供することができる。
前記したように冷却水通路装置を樹脂化することで、例えばEGRクーラ、ATFウォーマ等といった各デバイスへの連結部を増設することが容易である。そして、冷却水通路装置をアルミ等の金属素材により成形した場合には、接続用のパイプを別途圧入接合しなければならないところを、樹脂製であるが故、前記パイプを一体成形することができるという特質を生かすこともできる。
本発明にかかる冷却水通路装置の第1の実施の形態を、第1と第2ボディーに分離した状態で示す斜視図である。 同じく冷却水通路装置の上面図である。 同じく正面図である。 同じく背面図である。 V型エンジンの熱膨張の様子を説明する模式図である。 冷却水通路装置の他の実施の形態を示した正面図である。 冷却水取り込み管の好ましい形態を説明する模式図である。 冷却水通路装置のさらに他の実施の形態を示す正面図である。 図8に示す実施の形態における部分拡大断面図である。
以下、本発明にかかる冷却水通路装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1ないし図4は、第1の実施の形態を示すものである。なお、この実施の形態においては、V型エンジンに適用され、左右のエンジンヘッドからの冷却水を、前記冷却水通路装置10において集合させるように構成した例にしたがって説明する。
図1は、前記した冷却水通路装置10を構成する合成樹脂により成形された第1ボディ21と第2ボディ22を、それぞれ斜視図で示したものである。前記第1ボディ21と第2ボディ22には、互いに開口縁状の接合部21a,22aを備えており、この接合部21a,22aに沿って、それぞれ面状に形成された環状の溶着部(接合部21a,22aと同一の符号で示す。)が形成されている。
前記第1ボディ21と第2ボディ22は、一つの好ましい手段として、前記接合部21a,22aを重合させた状態で溶着接合し、一つの筐体状に形成される。前記接合部21a,22aは好ましくは振動溶着、その他ボルトによる螺合、接着剤等により互いに接合することもできる。
図2〜図4は、前記した振動溶着、もしくは接着剤により一体に接合成形された冷却水通路装置10を上面図、正面図、および背面図で示したものである。以下においては、同一箇所を同一の符号で示した各図に基づいて、冷却水通路装置10の全体構成を説明する。
前記冷却水通路装置10を構成する第1ボディ21には、V型エンジンにおける左右のエンジンヘッドからの冷却水をそれぞれ取り込む一対の冷却水取り込み管23,24がそれぞれ同一方向に向くようにして成形されており、前記一対の冷却水取り込み管23,24の開口部を取り巻くようにして鍔状の締結部(フランジ)25,26が形成されている。
前記一対の冷却水取り込み管23,24は、図1に示すように冷却水通路装置10内において連通され、一対の冷却水取り込み管23,24からの冷却水を集合させる集合路27が形成されている。なお、この集合路27は前記した第2ボディ22の空間内をほとんど占めるようにして形成されている。
前記第2ボディ22における前記集合路27のほぼ中央部において、図示せぬラジエータへの連通管30が、集合路27に連通した状態で形成されている。すなわち、ラジエータへの連通管30は、その連通開口30aが前記した冷却水取り込み管23,24の開口と同方向に向くように形成されている。したがって、冷却水通路装置10を前記締結部25,26を利用してV型エンジンのヘッドに取り付けた場合、前記連通管30と前記ラジエータとを結ぶ図示せぬ接続管は、V型エンジンの左右のエンジンヘッド間に配置されるようになされる。
一方、前記冷却水通路装置10における前記集合路27のほぼ中央部において、図2および図3に示すように室内暖房用の熱交換器として用いられる図示せぬヒータコア部に至る連通開口31aを備えた連通管31が形成されている。この連通管31は、前記した集合路27を中央にして前記したラジエータへの連通管30とは反対側に形成されており、この連通管31は第2ボディ22の中央部より上向きに直角に屈曲された状態で形成されている。
なお、この実施の形態においては、第2ボディ22の中央部より上向きに直角に屈曲される前記連通管31の内部に、水温センサ33(図3参照)が配置されている。そして、図2および図4に示す符号34は第2ボディ22の外側に取り付けられた前記水温センサ33のコネクタを示している。
また、前記第2ボディ22の一端部、すなわち前記した冷却水取り込み管23の配置側に前記管23とは反対向きに、ATFウォーマへの連通開口36aを備えた連通管36が、前記集合路27に連通されて形成されている。これは周知のとおり、オートマチックトランスミッションATの暖機運転時間を短縮し始動直後の燃費向上を図るために用いられる。
さらに前記第2ボディ22の他端部、すなわち前記した冷却水取り込み管24の配置側における下底部に、EGRクーラへの連通開口38aを備えた連通管38が、前記集合路27に連通されて形成されている。なお、前記EGRクーラへの連通開口38aは、第2ボディ22の前記他端部から外側に向いて形成されている。これは周知のとおり、エンジンのEGRガスを冷却するために用いられる。
斯くして、前記した実施の形態によると冷却水通路装置10に形成された冷却水取り込み管23,24、ラジエータへの連通管30、ヒータコア部を介在させた分岐通路への連通管31、ATFウォーマへの連通管36、EGRクーラへの連通管38が、前記した第1ボディと第2ボディとの接合部を避けてそれぞれ形成されている。これにより、各連通管ならびに各開口部を高い寸法精度をもってそれぞれ成形することができる。
また、前記した実施の形態によると、一対の冷却水取り込み管23,24を一方のボディのみに、すなわち第1ボディ21に一体的に形成したので、これをV型エンジンに直結した場合、伴うV型内燃機関の熱膨張やエンジンヘッドと冷却水通路装置との熱膨張の差異により生ずる応力は、一体成形された第1ボディ21側のみに加わることになり、2つのボディの接合部に集中して作用することはない。これにより、冷却水通路装置に損傷を与えるのを効果的に防止できる。
次に図5以降は、この発明にかかる冷却水通路装置の他の実施の形態を説明するものである。この実施の形態にかかる冷却水通路装置は、V型エンジンに直結する構成になされているので、V型エンジンの熱膨張による応力を受けることになる。この場合、図5に模式的に示したように、V型エンジン40の一対のヘッド(バンク)41,42は運転時の昇温により主として矢印E,Eで示す方向の熱膨張が生ずる。
したがって、エンジン40の両バンクに形成された冷却水の出口部43,44に直結される冷却水通路装置10は、冷却水取り込み管23,24が左右に引かれる方向、すなわち後述する図7に示すF方向の応力を受けることになる。なお、図5における40aはクランク軸の配置位置を示している。
仮に、一対の冷却水取り込み管の間に接合面を設けた場合、冷却水取り込み管23,24が左右に引かれるため、接合部に応力が集中し破断してしまう恐れがある。それに耐えうる接合強度を向上するには、接合面積を増やしたり、接合形状を変更したりなどの対策が必要となり、コストアップを招いたり形状及び構造が複雑なものとなってしまう。
ところで、図1〜図4に示した第1の実施の形態においては、例えば図2に示されたように第1ボディ21と第2ボディ22は、そのほぼ中央部において若干屈曲した状態に成形されている。これによると、前記屈曲部に応力が集中することになり、応力の繰り返しを受けて、前記屈曲部に損傷を受ける度合いが大きくなる。
そこで、図6に示す第2の実施の形態においては、前記した応力に対応するために、冷却水通路装置10の前記した屈曲部を無くし、これにより、特定な箇所のみ応力が加わらないように構成されている。すなわち図6は、冷却水通路装置10を上面から見た状態で示しており、すでに説明した図2に示す各部に相当する部分を同一符号で示している。
図6に示す構成においては、前記第1ボディ21と第2ボディ22の接合部21a,22aを結ぶ平面に直交し、前記一対の冷却水取り込み管23,24の中心軸線L1,L2を通るそれぞれの垂直面に囲まれた範囲における前記第1ボディと第2ボディの接合部が、冷却水通路装置上部からみて、直線状(符号S1,S2で示す。)に形成されている。
図6に示す前記した構成によると、応力を受けて冷却水取り込み開口23,24の中心軸線L1,L2間が互いに外側に引かれる図7に示すF方向に作用を受けても、その間における接合部が直線状に形成されているので、第1ボディ21もしくは第2ボディ22の一部にのみ、前記応力による牽引力が加わるのを防止することができる。これにより、繰り返えされる前記応力を受けても、これに対する強度を上げることができ、耐久性および信頼性の高い冷却水通路装置を提供することができる。
次に、図7はこの発明にかかる冷却水通路装置の第3の実施の形態を示したものであり、これは冷却水取り込み管23,24の形態を例えば図2におけるA−A線より矢印方向に見た断面図で示している。前記したとおり、V型エンジンの熱膨張による応力は冷却水取り込み管23,24を左右に引く方向、すなわち図7に矢印F,Fとして示す方向に作用する。
なお、この冷却水通路装置は、V型内燃機関の左右のエンジンヘッドに取り付けられるため、エンジンヘッドが図5に示すE方向に熱膨張しても、冷却水通路装置は一体的に同方向、すなわち図5において上方へ移動するため、冷却水通路装置は鉛直方向にはほとんど応力を受けることはない。
したがって、冷却水取り込み管23,24を予め真円に成形した場合には、剛性が高いため、管にて力を吸収できず、他の部分へ応力が集中する。この管23,24は、応力が加わった時にほぼ真円になされるのが、圧力損失の点で好ましい。そこで、前記管23,24は常温時において、前記F,F方向に直交する方向の内径が大きい楕円形状(図7に実線で示す形状)に形成することが望ましい。
このように楕円形状とすることで、前記F,F方向の応力を受けて鎖線で示すようなほぼ真円状態にすることができる。すなわち、先に楕円側面部分が応力を受け、真円になることで、かかる応力を吸収し、装置の他の部分(例えば前記した各ボディ間の接合部、管の付け根部分等)へ応力がかかることを防ぐ(緩和する)ことができる。
前記した理由により、前記一対の冷却水取り込み管23,24は、当該一対の管の中心軸線L1,L2をそれぞれ結ぶ平面に直交する方向の内径D1が大きく、前記中心軸線を結ぶ面方向の内径D2が小さく成形された楕円形状になされていることが望ましい。これにより、エンジンの昇温時における冷却水の流れに圧力損失を与える度合いを低減させることができる。
次に図8は、この発明にかかる冷却水通路装置の第4の実施の形態を示したものである。すなわち図8は、冷却水通路装置10を正面から見た状態で示しており、すでに説明した図3に示す各部に相当する部分を同一符号で示している。この実施の形態においては、冷却水取り込み管口23,24の開口部をそれぞれ取り巻くようにして形成された鍔状の締結部(フランジ)25,26に、ボルト挿通用の長孔25a,26aが形成されている。すなわち、この長孔25a,26aは、その長手方向が図5に示すクランク軸40aから左右のエンジンヘッド41,42に向かうバンク角Eに沿うように形成されている。
なお、図8に示す実施の形態においては、V型エンジンの一対のバンク角Eの方向に沿うように、それぞれ長孔25a,26aが形成されているが、これらは左右に水平方向に形成されていてもよい。
図9は、その一つの長孔25aを利用して、ボルト47によりエンジン40のヘッドに冷却水通路装置を締結した例を拡大断面図で示したものである。図9に示すように、長孔25aに挿通されるボルト47により、鍔状の締結部25がエンジン40に圧着されて取り付けられる。そして、エンジンが昇温による熱膨張することで、エンジン40のヘッドに締結されたボルト47が前記締結部25に形成された長孔25aの長手方向に方向スライドする。これにより、冷却水通路装置に加わる応力を開放することができる。
加えて、前記した第4の実施の形態によると、内径が大きな冷却水取り込み管23,24と比較して段付きボルト47による締結座面を広くとることができるので、樹脂特有のクリープの発生を防止することができる。
なお、以上説明した実施の形態においては、冷却水通路装置を構成する各ボディの接合部を、エンジンのクランク軸方向に沿う面に平行となるように形成しているが、これはこの発明にかかる冷却水通路装置が搭載された内燃機関が縦置き(クランク軸の長手方向が車の進行方向)になされるFR車の場合に好適に採用される。
前記したFR車の場合においては、エンジンルームにおける前後方向にはスペースの余裕があるため、冷却水取り込み管23,24が実施の形態に示したようにL字状に折り曲げられた構成を採用することができ、したがってこの場合においては、第1と第2ボディ21,22間の接合部は、水平な面方向に形成されることが望ましい。
また内燃機関が横置き(クランク軸の長手方向が車の幅方向)になされるFF車の場合においては、エンジンルームにおける左右方向にはスペースの余裕がないために、冷却水通路装置の前後方向の寸法を極力少なく設計する必要がある。このために前記した第1と第2ボディ21,22間の接合面が、前記内燃機関のクランク軸の軸方向と直交する面に平行となるように形成することが望ましい。
なお、前記した実施の形態におけるATFウォーマ、ヒータコア、EGRクーラなどの補機類への連通部の配置位置および形状は、図に示す実施の形態に限定されることなく、種々の形態を採用することができる。
10 冷却水通路装置
21 第1ボディ
21a 接合部
22 第2ボディ
22a 接合部
23,24 冷却水取り込み管
25,26 締結部(フランジ)
25a,26a 長孔
27 集合路
30 ラジエータへの連通管
30a ラジエータへの連通開口
31a ヒータコアへの連通開口
33 水温センサ
36a ATFウォーマへの連通開口
38a EGRクーラへの連通開口

Claims (5)

  1. V型内燃機関内に形成された流体通路とラジエータとの間で冷却水の循環流路を形成した内燃機関の冷却装置において用いられ、前記内燃機関の冷却水出口部と前記ラジエータの冷却水入口部との間に設けられる冷却水通路装置であって、
    前記冷却水通路装置は、それぞれ個別に成形された第1ボディと第2ボディとによる2つの樹脂成形体を接合することにより形成されると共に、前記V型内燃機関における左右のエンジンヘッドからの冷却水をそれぞれ取り込む一対の冷却水取り込み管、前記一対の冷却水取り込み管を連通させて冷却水を集合させる集合路、および前記集合路を介して前記ラジエータに冷却水を送るラジエータへの連通管が少なくとも形成され、
    前記一対の冷却水取り込み管は、前記集合路を間にして当該集合路にそれぞれ連通すると共に、それぞれ同一方向に向くように成形され、かつ前記一対の冷却水取り込み管は、前記第1ボディおよび第2ボディのうちの1つの樹脂成形体において一体に成形されると共に、前記第1ボディと第2ボディとの接合面が、前記内燃機関のクランク軸の軸方向に沿う面に平行となるように形成されていることを特徴とする冷却水通路装置。
  2. V型内燃機関内に形成された流体通路とラジエータとの間で冷却水の循環流路を形成した内燃機関の冷却装置において用いられ、前記内燃機関の冷却水出口部と前記ラジエータの冷却水入口部との間に設けられる冷却水通路装置であって、
    前記冷却水通路装置は、それぞれ個別に成形された第1ボディと第2ボディとによる2つの樹脂成形体を接合することにより形成されると共に、前記V型内燃機関における左右のエンジンヘッドからの冷却水をそれぞれ取り込む一対の冷却水取り込み管、前記一対の冷却水取り込み管を連通させて冷却水を集合させる集合路、および前記集合路を介して前記ラジエータに冷却水を送るラジエータへの連通管が少なくとも形成され、
    前記一対の冷却水取り込み管は、前記集合路を間にして当該集合路にそれぞれ連通すると共に、それぞれ同一方向に向くように成形され、かつ前記一対の冷却水取り込み管は、前記第1ボディおよび第2ボディのうちの1つの樹脂成形体において一体に成形されると共に、前記第1ボディと第2ボディとの接合面が、前記内燃機関のクランク軸の軸方向と直交する面に平行となるように形成されていることを特徴とする冷却水通路装置。
  3. 前記第1ボディと第2ボディの接合部を結ぶ平面に直交し、前記一対の冷却水取り込み管の中心軸線を通るそれぞれの垂直面に囲まれた範囲における前記第1ボディと第2ボディの接合部が、冷却水通路装置上部からみて、直線状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載された冷却水通路装置。
  4. 前記一対の冷却水取り込み管は、各管の中心軸線をそれぞれ結ぶ平面に直交する方向の内径が大きく、前記中心軸線を結ぶ面方向の内径が小さく成形された楕円形状になされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された冷却水通路装置。」
  5. 前記一対の冷却水取り込み管の開口をそれぞれ取り巻くようにして鍔状の締結部が形成され、それぞれの締結部には、クランク軸から左右のエンジンヘッドに向かうバンク角に沿って、ボルト挿通用の長孔が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された冷却水通路装置。
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