JP5318680B2 - 内燃機関における冷却水通路装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関内に形成された流体通路とラジエータとの間で冷却水を循環させることにより、内燃機関(以下、エンジンともいう。)の冷却を行う冷却装置に好適に用いられる冷却水通路装置に関する。
この種のエンジン冷却装置においては、内燃機関内に形成された流体通路とラジエータとの間で冷却水を循環させることで、エンジンの冷却を行うだけでなく、冷却水を暖房用のヒータコアを備えたヒータ循環流路にも供給するようにもなされており、さらに昨今においてはエンジンからの冷却水をATFウォーマやEGRクーラにも利用する形態のものも提案されている。
したがって、前記したように各部に冷却水を循環もしくは供給するために、個々に分岐管を用いて配管を接続する必要が生じ、これにより配管が複雑となり、エンジンのメンテナンス性を悪化させるという問題を招き、加えてコストアップさせるという問題も招く。
そこで、前記した各管の接続を簡素化するために、エンジンの冷却水吐出口に直結し、内部にサーモバルブを収容して、各管の接続口を集約させた冷却水通路装置が次に示す先行技術文献に開示されている。
特公平4−16610号公報
ところで、前記先行技術文献に開示された冷却水通路装置においては、V型エンジンの一対のバンクにそれぞれ直結して冷却水を取り込み、これらを集合させる集合管やバイパス通路、またラジエータヘの冷却水の送出口、ラジエータからの冷却水の取り込み口、さらにウォータポンプへの配管接続口などを備えるなど、相当に複雑な構成になされている。
このような冷却水通路装置においては、全体を金属素材を用いて成形するようになされるため、成形加工が容易ではなく、成型加工においてコストアップを招き、また重量の増加を招く等の問題点を抱えている。
そこで、本件出願人はこの種の冷却水通路装置の全体を合成樹脂により成形することで、軽量化ならびにコストダウンを図ることができ、エンジンと冷却水通路装置との熱膨張係数の差異により生ずる冷却水通路装置に加わる応力や、エンジンに対する装置の締結部のズレにも効果的に対処することができる冷却水通路装置について提案(特願2009−41771)している。
ところで、本件出願人が先に提案した冷却水通路装置においては、エンジンと冷却水通路装置との熱膨張係数の差異により生ずる冷却水通路装置に加わる応力にいかに対応するかについて着目したものである。このような観点に基づいてなされた前記出願の発明によると、冷却水通路装置の一部に前記応力が集中するのを効果的に防止することができる点で独自の作用効果を得ることができる。
しかしながら、先に提案した発明においては、前記両者の熱膨張係数の差異により応力が発生することを前提とした上で、冷却水通路装置に加わる応力を分散させるなどの具体的な対策を考慮したものであり、前記両者間に発生する熱膨張差を低減させようとする発想には至っていない。
この出願の発明は、例えば暖機運転中において前記エンジンと冷却水通路装置との熱膨張の差が小さくなるように制御することで、冷却水通路装置に対して無理な応力によりストレスが加わるのを効果的に防止することができ、またシリンダーヘッドと冷却水通路装置の締結部にズレが生ずるなどの問題も解消することができる内燃機関における冷却水通路装置を提供することを課題とするものである。
前記した課題を解決するためになされた本発明にかかる内燃機関における冷却水通路装置の好ましい一つの形態は、内燃機関内に形成された流体通路とラジエータとの間で冷却水の循環流路を形成する内燃機関の冷却装置において用いられ、前記内燃機関の冷却水出口部と前記ラジエータの冷却水入口部との間に設けられる冷却水通路装置であって、前記冷却水通路装置には、前記内燃機関における左右のシリンダーヘッドからの冷却水をそれぞれ取り込む一対の冷却水取り込み管、および前記ラジエータに冷却水を送るラジエータへの連通管が少なくとも形成されると共に、前記冷却水通路装置の一部には、内燃機関におけるシリンダーブロックからの冷却水、もしくは内燃機関に冷却水を送り込むウォータポンプからの冷却水を導入して、シリンダーヘッドからの冷却水による前記冷却水通路装置の昇温を抑制する冷却水の流通路がさらに形成され、かつ前記冷却水の流通路は、前記一対の冷却水取り込み管におけるシリンダーヘッドからの冷却水が流れる管路の外側を取り囲むようにして形成されていることを特徴とする。
前記した課題を解決するためになされた本発明にかかる内燃機関における冷却水通路装置の好ましい他の一つの形態は、内燃機関内に形成された流体通路とラジエータとの間で冷却水の循環流路を形成する内燃機関の冷却装置において用いられ、前記内燃機関の冷却水出口部と前記ラジエータの冷却水入口部との間に設けられる冷却水通路装置であって、前記冷却水通路装置には、前記内燃機関における左右のシリンダーヘッドからの冷却水をそれぞれ取り込む一対の冷却水取り込み管、および前記ラジエータに冷却水を送るラジエータへの連通管が少なくとも形成されると共に、前記冷却水通路装置の一部には、内燃機関におけるシリンダーブロックからの冷却水、もしくは内燃機関に冷却水を送り込むウォータポンプからの冷却水を導入して、シリンダーヘッドからの冷却水による前記冷却水通路装置の昇温を抑制する冷却水の流通路がさらに形成され、かつ前記冷却水の流通路に導入された冷却水は、前記冷却水取り込み管に導入されるシリンダーヘッドからの冷却水とは隔離されて、冷却水通路装置外に排出されるように構成されていることを特徴とする。
また、前記冷却水の流通路は、例えば螺旋状など熱を効果的に放熱できる形状であればよい。
そして、前記冷却水の流通路に導入された冷却水は、前記冷却水通路装置内において、シリンダーヘッドからの冷却水に混合されるように構成される。また、前記冷却水の流通路に導入された冷却水は、前記内燃機関のシリンダーブロックにおける流体通路に戻すように構成される場合もある。
加えて、好ましくは前記冷却水の流通路に導入される冷却水の流量を制御する制御弁を具備した構成にされる。そして、前記冷却水通路装置は好ましくは樹脂成形体により成形される。
この発明にかかる内燃機関における冷却水通路装置によると、内燃機関におけるシリンダーブロックからの冷却水、もしくは内燃機関に冷却水を送り込むウォータポンプからの冷却水を導入して、シリンダーヘッドからの冷却水による前記冷却水通路装置の昇温を抑制する冷却水の流通路が形成されているので、例えば内燃機関の暖機運転に伴うシリンダーヘッドの熱膨張と、これに取り付けられた冷却水通路装置における熱膨張の差が小さくなるように制御される。
これにより、特に内燃機関の暖機運転時において、前記冷却水通路装置に対して無理な応力によるストレスが加わるの防止することができ、またシリンダーヘッドと冷却水通路装置の締結部にズレが生じて、冷却水の漏水が発生するなどの問題を未然に防止することが可能となる。
本発明にかかる冷却水通路装置をV型エンジンに装着した例を示した模式図である。 エンジンの暖機運転に伴う、冷却水の昇温特性を示した線図である。 本発明にかかる冷却水通路装置を用いたエンジンの冷却装置の全体構成を示した模式図である。 本発明にかかる冷却水通路装置の上面図である。 同じく正面図である。 図4におけるZ−Z線より矢印方向に視た拡大断面図である。 図6に示す実施の形態における変形例を示した断面図である。
以下、本発明にかかる冷却水通路装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。まず図1は、冷却水通路装置をV型エンジンに装着した例を示すものである。
この冷却水通路装置1は、後で詳細に説明するとおり、その全体が合成樹脂により成形され、エンジン30における左右のシリンダーヘッド31,32からの冷却水をそれぞれ取り込む一対の冷却水取り込み管11,12、およびラジエータに対して冷却水を送り出すラジエータへの連通管13が少なくとも具備されている。そして、この冷却水通路装置1は、左右のシリンダーヘッド31,32に跨がるようにして取り付けられている。なお、図1において符号34は、シリンダーブロック33内のクランク軸の配置位置を示している。
図2は、図1に示すV型エンジン30の暖機運転を実行した場合における前記シリンダーヘッド31,32から吐出される冷却水の温度の昇温特性(符号aで示す。)と、前記シリンダーブロック33内の冷却水温度の昇温特性(符号bで示す。)の関係を示すものである。
この種のエンジン30における冷却水は、エンジンの動力等を利用して駆動されるウォータポンプにより、まずシリンダーブロック33内に送られ、さらに左右のシリンダーヘッド31,32内を循環する。その後に、前記したシリンダーヘッド31,32に形成された吐出口から、前記冷却水通路装置1側に送り出されるように構成される。
そして、前記したV型エンジン30においては、周知のとおり左右のシリンダーヘッド31,32が燃料の燃焼により高温度になり、暖機運転時においては、図2に符号aで示すようにエンジン30のスタート(STで示す。)直後よりシリンダーヘッド31,32から吐出される冷却水の温度は、急激に上昇する。
この場合、アルミ素材などの金属により形成されたシリンダーヘッド31,32と、軽量化の目的で合成樹脂により成形された前記冷却水通路装置1とは、両者の異なる熱膨張係数により、同一の温度において、樹脂製の冷却水通路装置1の方が、図1に示すF−F方向に大きく膨張する。
このために、冷却水通路装置1には前記した熱膨張差による応力によりストレスが加わることになり、冷却水通路装置の耐久性を阻害するという問題が生ずる。さらに場合によってはシリンダーヘッド31,32と、冷却水通路装置1との連結部にズレが発生し、冷却水の漏れによりオーバーヒート等の原因にもなり得る。
この発明に係る冷却水通路装置1は、前記した問題点をとらえ、図2に符号bとして示すシリンダーブロック33内の冷却水の昇温特性を利用し、エンジンの暖機運転時において、冷却水通路装置1がより大きく膨張するのを抑制させる点に特徴を有する。
図3は、冷却水通路装置1を用いたエンジンの冷却装置の全体構成を示したものであり、エンジン30内にはシリンダーブロック33から一対のシリンダーヘッド31,32に向かって、流体通路(ウォータジャケット)35が形成されている。そして一対のシリンダーヘッド31,32における冷却水出口には、前記した冷却水通路装置1が取り付けられている。
前記冷却水通路装置1における前記したラジエータへの連通管13より、冷却水がラジエータ41を経由してエンジン30に戻る冷却水の循環流路42,43が形成されており、エンジン30における冷却水入口部に設けたウォータポンプ44(W/P)により冷却水を循環させるように構成されている。
なお、図3に示す構成においては、循環流路42よりエンジン1の入口部側に設けたサーモスタット(T/ST)45に至るバイパス流路46が形成されている。また冷却水通路装置1内で分岐させた冷却水を、室内暖房用の熱交換器として用いられるヒータコア部47を介在させる分岐通路48が形成されており、この分岐通路48を経由する冷却水は前記サーモスタット45に連通するように構成されている。
なお、前記サーモスタット45は、従来から周知の構造をもつものであり、冷却水温度により膨張、収縮するワックス等の感温手段をもち、冷却水の温度上昇時等に通路を開閉することにより、冷却水の流れを制御するものであり、その詳細な説明は省略する。
前記した構成において、冷間時において暖機運転を行うときには、エンジン30からの冷却水は、図3に示すように冷却水通路装置1を介して、循環流路42から分岐されたバイパス流路46を通る。すなわちこの時、サーモスタット45は閉弁状態であり、冷却水はラジエータ41による熱交換が行われないため、暖機時において冷却水を急速に昇温状態にする冷却水の温度制御が行える。
また、エンジン30の始動後において、冷却水温度が上昇すると、サーモスタット45が開弁し、冷却水は循環流路42,43を介してラジエータ41に流れ、熱交換によって冷却された後、サーモスタット45、ウォータポンプ44を経てエンジン30に戻る。
そして、この実施の形態においては、前記したエンジン30におけるシリンダーブロック33の流体通路35より、分岐路49を介して冷却水が取り出され、これは制御弁50を介して前記した冷却水通路装置1に供給されるように構成されている。すなわち、冷却水通路装置1には、すでに説明した図2に符号bとして示す昇温特性を有する冷却水が供給されるようになされる。
図4〜図6は、前記した冷却水通路装置1の実施の形態を示したものである。この冷却水通路装置1は、前記したとおり合成樹脂により成形され、図5に符号Dで示す接合部で、第1ボディ3と第2ボディ4が接合されて構成されている。すなわち、前記第1ボディ3と第2ボディ4とは、別々に樹脂成形される。
前記第1ボディ3と第2ボディ4とは、一つの好ましい手段として、前記接合部Dを重合させた状態で溶着接合し、一つの筐体状に形成される。なお、前記接合部Dは好ましくは振動溶着、その他ボルトによる結合、接着剤等により互いに接合することもできる。
前記冷却水通路装置1を構成する第1ボディ3には、V型エンジンにおける左右のシリンダーヘッドからの冷却水をそれぞれ取り込む前記した一対の冷却水取り込み管11,12がそれぞれ同一方向に向くようにして成形されており、前記一対の冷却水取り込み管11,12の開口部を取り巻くようにして鍔状に形成されたエンジンへの締結部(フランジ)14,15が形成されている。
前記一対の冷却水取り込み管11,12は、前記第1ボディ3と第2ボディ4とに囲まれた中央部において連通され、一対の冷却水取り込み管11,12からの冷却水を集合させる集合路16(図6参照)が形成されている。
前記集合路16のほぼ中央部において、前記したラジエータ41への連通管13が、集合路16に連通した状態で形成されている。すなわち、ラジエータへの連通管13は、その連通開口13aが前記した冷却水取り込み管11,12の開口と同方向に向くように形成されている。したがって、冷却水通路装置1を前記締結部14,15を利用してV型エンジンのシリンダーヘッドに取り付けた場合、前記集合路16と前記ラジエータへの連通管13は、V型エンジンの左右のシリンダーヘッド間に配置されるようになされる。
一方、前記冷却水通路装置1における前記集合路16のほぼ中央部において、室内暖房用の熱交換器として用いられる前記したヒータコア部47に至る連通開口18aを備えた連通管18が形成されている。この連通管18は、前記集合路16を中央にしてラジエータへの連通管13とは反対側に形成されており、この連通管18は第2ボディ4の中央部より上向きに屈曲された状態で形成されている。
なお、この実施の形態においては、第2ボディ4の中央部より上向きに屈曲される前記連通管18の内部に、水温センサ19(図5参照)が配置されている。そして、図4に示す符号20は第2ボディ4の外側に取り付けられた前記水温センサ19のコネクタを示している。
また、前記第2ボディ4の一端部、すなわち前記した冷却水取り込み管13の配置側に前記管13とは反対向きに、ATFウォーマへの連通開口21aを備えた連通管21が、前記集合路16に連通されて形成されている。これは周知のとおり、オートマチックトランスミッションATの暖機運転時間を短縮し始動直後の燃費向上を図るために用いられる。
さらに前記第2ボディ4の他端部、すなわち前記した冷却水取り込み管11の配置側における下底部に、EGRクーラへの連通開口22aを備えた連通管22が、前記集合路16に連通されて形成されている。なお、前記EGRクーラへの連通開口21aは、第2ボディ4の前記他端部から外側に向いて形成されている。これは周知のとおり、エンジンのEGRガスを冷却するために用いられる。
また前記第1ボディ3における冷却水取り込み管11の直上には、上向きにスロットルボディへの連通開口23aを備えた連通管23が形成されている。
斯くして、前記した実施の形態によると冷却水通路装置1に形成された冷却水取り込み管11,12、ラジエータへの連通管13、ヒータコア部を介在させた分岐通路への連通管18、ATFウォーマへの連通管21、EGRクーラへの連通管22、スロットルボディへの連通管23が前記した第1ボディと第2ボディとの接合部を避けてそれぞれ形成されている。これにより、各連通管ならびに各開口部を高い寸法精度をもってそれぞれ成形することができる。
一方、この実施の形態においては、図6に示す断面図に現われているとおり、前記した冷却水取り込み管11の内部にさらに内管24が配置されて二重管構造にされている。そして、前記冷却水取り込み管11と前記内管24との間には、冷却水の流通路24aが形成されており、この流通路24aには、外側の冷却水取り込み管11の一部に取り付けられた導入管25を介してシリンダーブロックからの冷却水が導入できるように構成されている。そして、この実施の形態においては、前記導入管25を介して前記流通路24aに導入された冷却水は、冷却水通路装置1内において、シリンダーヘッド31,32からの冷却水に混合されるように構成されている。
なお、前記した内管24と導入管25とは、他の冷却水取り込み管12においても同様に構成されており、冷却水取り込み管12の外側から導入管25を介して同様に冷却水が導入できるように構成されている。
そして、前記二つの導入管25には、図3に基づいてすでに説明したとおり、エンジン30のシリンダーブロック33における流体通路35より、分岐路49および制御弁50を介して得られる冷却水が導入される。この冷却水はすでに説明したとおり暖機運転時に図2に符号bで示す昇温特性を有するものである。
ところで、すでに説明したとおり、金属により形成されたシリンダーヘッド31,32と、合成樹脂により成形された前記冷却水通路装置1とは、両者の異なる熱膨張係数により、同一の温度において、樹脂製の冷却水通路装置1の方が、図1に示すF−F方向に大きく膨張する。
そこで、図6に示した二重管構造によると、エンジンの暖機運転中において、シリンダーヘッドから吐出される図2に符号aで示す昇温特性を有する冷却水よりも、常に温度の低い図2に符号bで示す昇温特性を有する冷却水が冷却水通路装置1に流されることになる。これにより、冷却水通路装置1における特に冷却水取り込み管11,12部分は、その昇温が抑制されることになり、これにより当該部分の熱膨張が抑制され、結果としてシリンダーヘッド31,32と、これに取り付けられた冷却水通路装置1との熱膨張の差をより少なく抑えることができる。
それ故、前記した熱膨張の差が生ずることにより、冷却水通路装置1に応力が加わる度合いを低減させることができ、またシリンダーヘッドと冷却水通路装置の締結部にズレが生じて、冷却水の漏水が発生するなどの問題を未然に防止することができるという前記した発明の効果に記載した作用効果を得ることができる。
なお、図6に示した実施の形態においては、冷却水取り込み管11,12の内部にさらに内管24を配置して二重管構造とし、シリンダーヘッド31,32からの冷却水が流れる管路の外側にシリンダーブロック35からの冷却水を流すようにしているが、シリンダーブロック35からの冷却水の流路は、シリンダーヘッド31,32からの冷却水が流れる管路の外側を螺旋状に取り囲むようにして形成されていても良い。
次に図7は、図6に示したシリンダーブロックから取り込まれる冷却水の流通路24aの構成について、他の好ましい例を示したものである。なお、図7においてはすでに説明した図6に示す各部と同一の機能を果たす部分を同一符号で示しており、その詳細な説明は省略する。
この図7に示す構成においては、内管24により形成されるシリンダーブロックからの冷却水の流通路24aは、シリンダーヘッドからの冷却水の流通路11aとは隔離された構成にされている。そして、導入管25を介して導入されたシリンダーブロックからの冷却水は、流通路24aを循環し、排出管26を介して排出されるように構成されている。なお、前記した導入管25と内管24により構成される冷却水の流通路24a、および排出管26の構成は、他の冷却水取り込み管12においても同様に構成されている。
前記排出管26から排出された冷却水は、図3に符号51で示されているように、シリンダーブロック33における流体通路35に戻されるように構成されていても良く、またシリンダーヘッド31,32の流体通路やラジエータ41、ウォータポンプ44、ヒータコア部47への分岐通路に排出されるように構成されていても良い。
また、図6および図7に示した実施の形態においては、冷却水通路装置1における冷却水取り込み管11,12の管壁部分に、シリンダーブロック35からの冷却水を導入するように構成されているが、これは冷却水通路装置1の他の部分を二重構造にするなどして、当該部分にシリンダーブロック35からの冷却水を導入するように構成されていても良い。
さらに、前記した実施の形態においては、冷却水通路装置1を冷却する冷却水をシリンダーブロック33における流体通路35より、分岐路49を介して得ているが、これは図3に符号52で示したように、エンジン30に冷却水を送り込むウォータポンプ44からの冷却水を導入するようにしても同様の作用効果を得ることができる。
また、前記した分岐路49からの冷却水は、図3に符号53で示すように制御弁50を介さずに、冷却水通路装置1に直接導入するように構成されていても良く、さらに図3には示していないが、ウォータポンプ44からの冷却水を導入する場合においても、制御弁50を介さずに、冷却水通路装置1に直接導入するように構成されていても良い。
なお、図3に示した制御弁50は、前記した暖機運転中に開弁されてシリンダーブロック35もしくはウォータポンプ44からの冷却水を冷却水通路装置1に導入するようにし、暖機運転後においては閉弁することで、シリンダーヘッド31,32からの冷却水の流量を増大させるように作用する。
また、以上においては冷却水通路装置1を、樹脂成形体により形成した場合について説明したが、これはエンジン30におけるシリンダーヘッド31,32間とは膨張率の異なる金属により成形した場合においても、同様の作用効果を得ることができる。
さらに以上説明した冷却水通路装置1は、V型エンジンの一対のシリンダーヘッド(バンク)間に取り付けられる例を示したが、この発明に係る冷却水通路装置は、例えば水平対向エンジンにおける左右のシリンダーヘッド間に跨がって取り付けられる構成に採用しても、同様の作用効果を得ることができる。
1 冷却水通路装置
3 第1ボディ
4 第2ボディ
11,12 冷却水取り込み管
13 ラジエータへの連通管
14,15 締結部(フランジ)
16 集合路
18 ヒータコアへの連通管
24 内管
24a 冷却水の流通路
25 導入管
26 排出管
30 内燃機関(エンジン)
31,32 シリンダーヘッド
33 シリンダーブロック
41 ラジエータ
42,43 冷却水の循環流路
D 接合部

Claims (5)

  1. 内燃機関内に形成された流体通路とラジエータとの間で冷却水の循環流路を形成する内燃機関の冷却装置において用いられ、前記内燃機関の冷却水出口部と前記ラジエータの冷却水入口部との間に設けられる冷却水通路装置であって、
    前記冷却水通路装置には、前記内燃機関における左右のシリンダーヘッドからの冷却水をそれぞれ取り込む一対の冷却水取り込み管、および前記ラジエータに冷却水を送るラジエータへの連通管が少なくとも形成されると共に、
    前記冷却水通路装置の一部には、内燃機関におけるシリンダーブロックからの冷却水、もしくは内燃機関に冷却水を送り込むウォータポンプからの冷却水を導入して、シリンダーヘッドからの冷却水による前記冷却水通路装置の昇温を抑制する冷却水の流通路がさらに形成され、かつ前記冷却水の流通路は、前記一対の冷却水取り込み管におけるシリンダーヘッドからの冷却水が流れる管路の外側を取り囲むようにして形成されていることを特徴とする冷却水通路装置。
  2. 内燃機関内に形成された流体通路とラジエータとの間で冷却水の循環流路を形成する内燃機関の冷却装置において用いられ、前記内燃機関の冷却水出口部と前記ラジエータの冷却水入口部との間に設けられる冷却水通路装置であって、
    前記冷却水通路装置には、前記内燃機関における左右のシリンダーヘッドからの冷却水をそれぞれ取り込む一対の冷却水取り込み管、および前記ラジエータに冷却水を送るラジエータへの連通管が少なくとも形成されると共に、
    前記冷却水通路装置の一部には、内燃機関におけるシリンダーブロックからの冷却水、もしくは内燃機関に冷却水を送り込むウォータポンプからの冷却水を導入して、シリンダーヘッドからの冷却水による前記冷却水通路装置の昇温を抑制する冷却水の流通路がさらに形成され、かつ前記冷却水の流通路に導入された冷却水は、前記冷却水取り込み管に導入されるシリンダーヘッドからの冷却水とは隔離されて、冷却水通路装置外に排出されるように構成されていることを特徴とする冷却水通路装置。
  3. 前記冷却水の流通路に導入された冷却水は、前記冷却水通路装置内において、シリンダーヘッドからの冷却水に混合されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載された冷却水通路装置。
  4. 前記冷却水の流通路に導入される冷却水の流量を制御する制御弁を具備したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された冷却水通路装置。
  5. 前記冷却水通路装置が樹脂成形体により成形されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された冷却水通路装置。
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