JP3666733B2 - 排気ガス冷却装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気通路から吸気通路へ連通して排気ガスの一部を吸気通路へ再循環させる排気ガス循環(以下EGRと記す)装置に介装し、冷却水と熱交換を行う排気ガス冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の排気ガス性状の改善のために、排気通路から吸気通路へ連通し、排気ガスの一部を吸気通路へ再循環させるEGR装置は知られている。そして、このEGR装置に排気ガス冷却装置を介装する技術についても知られている。
例えば、特開平9−89491号公報に、軽量化、組立工数の削減および製造コストの低減が可能なEGRガス冷却装置について開示されている。
【0003】
このような従来の排気ガス冷却装置においては、導入する冷却水の配管が面倒であり、かつその接続が信頼性に欠ける。あるいは、装置の内部にエアが溜まり易く、抜けにくいといった問題点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、EGR装置に介装する排気ガス冷却装置の改良、特に、同冷却装置に導入する冷却水管あるいはエア抜き管の接続に関する改良、あるいは冷却水に混入したエア、装置内で発生した蒸気の排出についての改善を図った排気ガス冷却装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、内燃機関の排気通路から吸気通路へ連通され排気ガスの一部を吸気通路へ還流させる排気ガス循環装置に介装されて冷却水と熱交換を行う排気ガス冷却装置であって、車両に取り付けられた状態で機関の冷却装置に含まれる冷却水サブタンクで規定される水面より下方にその装置の上面および冷却水配管が配設されている排気ガス冷却装置において、前記冷却水配管は熱交換を行うシェルの外周部にそれぞれ接続されてシェル内に連通する冷却水の入口管、出口管、およびエア抜き管であって、それら冷却水の入口管、出口管、あるいはエア抜き管のいずれか少なくとも1つの管が、その管の一端に全周に亘る突起部を設け、前記シェルの外周部に貫通孔を設けてその管の一端を挿入し、前記管の突起部を突き当ててその外周を溶接によって固着し接続されている。
【0006】
なお、ここで言う(以下も同様)溶接は、いわゆるロー付けをも含むものとする。
【0015】
したがって、本発明によれば、冷却水入口から冷却水に混入してシェル内に入ったエア、または装置内で発生した蒸気は、サブタンク水面との水頭差により容易に冷却水出口およびエア抜きパイプから流出し、シェル内に滞留することが防止される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1には、本発明を実施する特にディーゼルエンジンに用いられる排気ガス冷却装置20が示されている。熱交換を行う円筒状のシェル1の内部にはその軸線に平行に複数の図示しないチューブが配設されており、シェル1の図示右端には排気ガスの入口2、左端には排気ガス出口3が設けられている。また、前記シェル1内のチューブ内部には排気ガスGが流れるように形成されており、チューブ外部には冷却水Wが導入されている。
【0017】
そして、機関の図示しない排気通路(排気管)から分岐された排気ガスGの一部は入口2から入って冷却水Wと熱交換を行い、冷却された排気ガスGは、出口3より図示しない機関の吸気通路(吸気管)へ再循環されている。
【0018】
冷却水Wは、シェル1(図示右方)端部下方に設けられた冷却水入口管4からシェル1内に導入されており、シェル1内には図示しない複数のバッフル板が設けられ、チューブに直角方向の流れも形成されて熱交換性能の向上が図られている。そして、冷却水Wは、シェル1(図示左方)端部上方に設けられた冷却水出口管5から出て、機関の冷却系に戻されている。
また、入口管4の対向位置のシェル1上面にはエア抜き管6が設けられており、バッフル板等によって出口からの流出が阻害されたエア(蒸気を含む)Aが(冷却水Wの一部と共に)機関の冷却系に導かれてシェル1内にエアAの滞留による不具合の防止が図られている。
【0019】
図2には、冷却水入口、出口、エア抜き用配管の少なくとも何れか1つの接続部の第一の実施形態が示されている。
シェル1の外周部には、貫通孔1aが穿設されており、その貫通孔1aには端部に全周を巡る突起部Bが(例えばバルジ加工で)形成された冷却水管P2の一端が、突起部Bをシェル1に突き当てて挿入され、管P2の外周が溶接(ロー付け)によってシェル1に固着されている。
なお、図2では出口管5を冷却水管P2として示しているが、入口管4はシェル1下方に設けられて同様に構成される。また、エア抜き管6についても同様である。以下の各実施形態でも同様。
【0020】
図3には、第二の実施形態が示されている。
シェル1の外周部には、貫通孔7aが穿設された接続金具7が溶接されており、その貫通孔7aに冷却水管Pの一端が挿入され、管Pの外周が溶接(ロー付け)によって接続金具7に固着されている。
【0021】
図4には、第三の実施形態が示されており、冷却水管Pの一端にはフランジ8が溶接(ロー付け)によって固着され、フランジ8とシェル1に溶接された接続金具7とが図示しない締結手段、例えばボルトまたは溶接で固着されている。
【0022】
図5には、第四の実施形態が示されている。シェル1に溶接された接続金具7Aの貫通孔7bの内周にはめねじが削成され、また、冷却水管Pの一端にはアイコネクタ11が固着されている。そして、中空ボルト12がそのアイコネクタ11に挿通されて接続金具7Aのねじ穴7bに螺着され、中空ボルト12の内部を通してシェル1内部と冷却水管Pとが連通されている。
【0023】
図6には、第五の実施形態が示されている。冷却水管P1の端部外周には、ねじsが切られており、一方、シェル1に溶接された接続金具7Aの貫通孔7bの内周にはめねじが削成されている。そして、冷却水管P1の管端のねじsを接続金具7Aのねじ穴7bに直接ねじ込み、接続している。
【0024】
図7には、第六の実施形態が示されている。シェル1に接続する冷却水管P2の端部には全周を巡る突起部Bが、例えばバルジ加工によって形成されており、管P2の端部が、シェル1に固着された接続金具7の貫通孔7aに挿入され、突起部Bが接続金具7に突き当てられて外周部が溶接付けされている。
【0025】
図8及び図9には、第七の実施形態が示されている。図9に示すように、シェル1に接続する冷却水管P3の接続端aはフランジ状に、シェル1の外周形状bに合せて拡げて成形されており、図7に示すように、管端フランジ部aが直接シェル1の外周面にロー付けされている。
なお、図示の例では、管P3の他端が、図示しないホースで他の冷却水管に接続される。
【0026】
図10には、排気ガス冷却装置20が車両に取り付けられた状態が示されている。
機関の冷却装置には、その水量が規定されており、すなわち、水面が図に示すサブタンク21のHレベルとLレベルとの間になるようにされている。
これに対して、排気ガス冷却装置20は、冷却水配管22を含めてこのLレベルに相当する規定レベルZ以下の位置に配設されている。また、シェル1の上面に設けられた前記エア抜き管6も、やはりレベルZ以下に配設されて配管22に連通されている。 このような構成によって、シェル1内からのエア抜きが容易に行われ、エアの滞留が防止される。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成され、EGR装置に介装される排気ガス冷却装置に対し冷却水配管やエア抜き管が確実かつ容易に接続できる。また、排気ガス冷却装置内からのエア(および発生した蒸気)の排出が容易に行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気ガス冷却装置の一実施形態を示す上面図。
【図2】排気ガス冷却装置の配管接続部の第一の実施形態を示す断面図。
【図3】排気ガス冷却装置の配管接続部の第二の実施形態を示す断面図。
【図4】排気ガス冷却装置の配管接続部の第三の実施形態を示す断面図。
【図5】排気ガス冷却装置の配管接続部の第四の実施形態を示す断面図。
【図6】排気ガス冷却装置の配管接続部の第五の実施形態を示す断面図。
【図7】排気ガス冷却装置の配管接続部の第六の実施形態を示す断面図。
【図8】排気ガス冷却装置の配管接続部の第七の実施形態を示す断面図。
【図9】図8のフランジ部の形状を説明する図。
【図10】本発明の排気ガス冷却装置を車両へ取り付けた状態を示す側面図。
【符号の説明】
1・・・シェル
1a、7a・・・貫通孔
2・・・排気ガス入口
3・・・排気ガス出口
4・・・冷却水入口管
5・・・冷却水出口管
6・・・エア抜き管
7、7A・・・接続金具
8・・・フランジ
11・・・アイコネクタ
12・・・中空ボルト
20・・・排気ガス冷却装置
21・・・サブタンク
Claims (1)
- 内燃機関の排気通路から吸気通路へ連通され排気ガスの一部を吸気通路へ還流させる排気ガス循環装置に介装されて冷却水と熱交換を行う排気ガス冷却装置(20)であって、車両に取り付けられた状態で機関の冷却装置に含まれる冷却水サブタンク(21)で規定される水面(Z)より下方にその装置(20)の上面および冷却水配管が配設されている排気ガス冷却装置(20)において、前記冷却水配管は熱交換を行うシェル(1)の外周部にそれぞれ接続されてシェル内に連通する冷却水の入口管(4)、出口管(5)、およびエア抜き管(6)であって、それら冷却水の入口管(4)、出口管(5)、あるいはエア抜き管(6)のいずれか少なくとも1つの管(P2)が、その管(P2)の一端に全周に亘る突起部(B)を設け、前記シェル(1)の外周部に貫通孔(1a)を穿設してその管(P2)の一端を挿入し、前記管の突起部(B)を突き当ててその外周を溶接によって固着し接続されていることを特徴とする排気ガス冷却装置。
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